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  • 特開-マスク 図1
  • 特開-マスク 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040418
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/02 20060101AFI20220304BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
A62B18/02 Z
A41D13/11 Z
A41D13/11 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145110
(22)【出願日】2020-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】511116432
【氏名又は名称】株式会社バンブーケミカル研究所
(71)【出願人】
【識別番号】312009519
【氏名又は名称】株式会社守乃宮
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 正幸
(72)【発明者】
【氏名】守宮 官教
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA02
2E185CB07
2E185CB09
2E185CB11
2E185CC19
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、十分に殺菌された安全な空気がマスクの中で顔の方に移動して安全な空気を吸えるようにするマスクを提供することである。
【解決手段】
殺菌マスクは、マスク本体1と、掛けひも2を有する。マスク本体1には、フィルター4が設けられた空気取入れ部と、ファン5と、空気タンク3と、空気タンク3の内部の空気を照射して殺菌する紫外線LED6と、ファン5及び紫外線LED6の電源となる電池7と、電源のオンオフを操作するスイッチ10と、多孔質部材で構成され、空気タンク3内の空気を通気させる通気部8と、マスク本体1から空気を排出する排気部9a、9bを、有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体と、掛けひもとからなるマスクにおいて、
フィルターが設けられた空気取入れ部と、
ファンと、
空気タンク部と、
前記空気タンク部の内部の空気を照射して殺菌する紫外線LEDと、
前記ファン及び前記紫外線LEDの電源となる電池と、
前記電源のオンオフを操作するスイッチと、
多孔質部材で構成され、前記空気タンク部内の空気を通気させる通気部と、
前記マスク本体から空気を排出する排気部を、
有することを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記紫外線LEDは、深紫外線、又は近紫外線を発するLEDであることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関し、特にウイルス菌を殺菌することが可能なマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、市販されているマスクは、菌を含んだ飛沫の飛び散りには、一定の効果は有ると言われているが、ウイルス菌を排除するだけの機能であり、菌を積極的に死滅させる機能をもっておらず、殺菌という点では、何も効果を発揮せず、完全に安心して使用することが出来ない課題が含まれている。また、消毒、殺菌機能をもつマスクは極一部で使われる場合もあるが、新型コロナウイルスなどの強い感染力のある対象のウイルスに対しては、十分に効果を発揮していないのが実情である。更に、夏場の暑い時期にマスクを付けるとマスクに当たっている皮膚が蒸れて、不快感を及ぼして、場合によれば、熱中症になる危険性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3223707号公報
【特許文献2】特開2012-139478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、殺菌マスクは、銀含有繊維と竹繊維を含む殺菌層110と、第1フィルタ層120とを含み、更に、第2フィルタ層130、および外表層140を含む。第1フィルタ層120は、ナノファイバー繊維である。殺菌層110は、複数の銀イオン、特にナノオーダーの銀イオンを含む。第1フィルタ層120は、ナノファイバー層と不織布を更に含む。この場合、マスクは菌を除外するフィルター機能を訴求しており、存在する菌を除外する機能のみであり、積極的にウイルス菌などを死滅させる機能は含んでいない。また、特許文献2の場合、マスク4とは別個に照明装置が容易に着脱できる構造とし、紫の照明が発生させる小型の電球やLED等の照明を設置し、紫色が点灯するように電源2を有した装置をマスク4表面にドッキングさせる。マスク4表面は紫の照明で紫の可視光線と不可視光線の紫外線波長が照射される。この紫外線の波長の特性を応用してマスク4表面のウイルスを殺菌する。マスク4裏側は紫外線の影響及び皮膚への弊害を考慮して、紫外線が中和する色彩、又は波長が届かないガーゼや布等の素材で覆う構造とする。マスク4と照明装置は単体で容易に着脱出来る構造からなっており、マスク4が汚れたら切り離して洗濯ができるので常に清潔で使用できる。とあるが、上記のjマスクの機能はマスクの表面に付着した菌を紫の照明で紫の可視光線と不可視光線の紫外線波長をもつLEDを使用して殺菌するので、直接皮膚に照射LEDから照射された光が当たって皮膚に影響が出る可能性も否定できないという問題もある。また、ウイルス菌への殺菌には瞬間的に殺菌できるものではなく一定の時間が必要であり、時殺効果と時間経過も課題の一つと考える。更に、紫の照明で紫の可視光線と不可視光線の紫外線波長のLEDの照射が
マスクの前面に向かって照射されるため、周辺への影響が出る可能性もある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、十分に殺菌された安全な空気がマスクの中で顔の方に移動して安全な空気を吸えるようにするマスクを提供することである。また、マスク内部への空気の取り込みから、排出までの一連の空気の流れによって、マスクを付けた人の皮膚に対して清涼感を与えることができるマスクである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、
マスク本体(1)と、掛けひも(2)とからなるマスクにおいて、
フィルター(4)が設けられた空気取入れ部と、
ファン(5)と、
空気タンク部(3)と、
前記空気タンク部の内部の空気を照射して殺菌する紫外線LED(6)と、
前記ファン及び前記紫外線LEDの電源となる電池(7)と、
前記電源のオンオフを操作するスイッチ(10)と、
多孔質部材で構成され、前記空気タンク部内の空気を通気させる通気部(8)と、
前記マスク本体から空気を排出する排気部(9a、9b)を、
有することを特徴とするマスク
によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、十分に殺菌された安全な空気がマスクの中で顔の方に移動して安全な空気を吸えるようにするマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による殺菌マスクの側面断面図である。
図2】発明の実施形態による殺菌マスクの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図1図2を用いて、本発明の実施形態による殺菌マスクを説明する。
尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜、異ならせて図示している。
【0010】
図1図2に示すように、本実施形態による殺菌マスクは、マスク本体1と、掛けひも2と、空気タンク3と、フィルター4と、ファン5と,紫外線LED6と、電池7と、通気部8と、排気部9a,9bと、スイッチ部10,とで構成される。紫外線LED6は、深紫外線(UV-C:100~280nm)にピーク波長をもつLEDが好適であるが、近紫外線(約300~400nm)にピーク波長をもつLEDであってもよいし、280~315nmにピーク波長をもつLEDであってもよいし、315~400nmにピーク波長をもつLEDであってもよい。
【0011】
本実施形態による殺菌マスクは、マスク本体1は掛ひも2で両耳に掛けられる。次に、フィルター4を通って、ファン5の送風機能によってマスクの外からの空気がマスク内の空気タンク3に取り込まれる。この空気タンク3は密閉された空気の空間で、この内部の上の壁に紫外線LED6によって空気タンク内の空気に向かって照射する。この空気タンクは、外部に光が漏れない構造となっている。この空気タンクの顔側に多孔質部材8を設けて、殺菌された空気が少しずつ出て顔の鼻や口に届くようになって呼吸ができる。人が呼吸で吐き出された空気は、マスク本体の両側の排気部9a、9bからマスクの外に排出される。尚、スイッチは、紫外線LED6,とファン5を起動するかしないかの手動のスイッチである。上記の機能と構成によって、マスクの外から内側に取り込まれた空気は、ウイルス菌を紫外線LEDで殺菌し、殺菌された空気を安全に吸い込むことができるマスクである。
【0012】
マスク本体1は、密封性の高い材質が好適であり、例えば、プラスチック等の合成樹脂が好ましいが、剛性の低い材質の合成樹脂や天然樹脂が用いられる場合があってもよいし、通常のマスクに用いられる布が用いられてもよい。また、フィルター4には、ポリプロピレンやポリエステル等の化学繊維の不織布が好ましいが、ガーゼ等の布や紙や活性炭フィルター等が用いられてもよいし、これら以外のフィルターが用いられる場合があってもよい。また、通気部8に設けられる多孔質材には、発泡ポリウレタン、発泡スチロール等が用いられてもよいし、活性炭や竹炭を細かく砕き通気性を確保したものが用いられてもよいし、これら以外の材料が用いられる場合があってもよい。なお、通気部8には多孔質材が設けられない場合があってもよいし、フィルター4を設けない場合があってもよい。
【0013】
本実施形態によれば、例えば感染力の強い新型コロナウイルスに対して99.9%まで菌を死滅させることが可能な短波長の深紫外LEDを一定時間、マスク内の空気タンクの中で空気に照射させることで、空気が殺菌されて、その空気を通気部8を通って顔側の鼻や口の周辺に取り出され、マスクを付けた人は、殺菌された空気を安全に吸うことができるマスクを提供するものである。これは、現在、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中で、ただ単に、従来の飛沫の防止を防ぐだけの機能をもつマスクではなく、マスクの中に侵入した菌を殺菌できる機能をもつ殺菌マスクの発明である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は産業上では日常生活において、ウイルス対策として着用するマスクであり、吸引した空気内のウイルスの菌も死滅させた空気を吸うことができる殺菌マスクとして利用できる。また、マスク内部への空気の取り込みから、排出までの一連の空気の流れによって、マスクを付けた人の皮膚に対して、暑い中でも蒸れずに、清涼感を与えることができるマスクである。
【符号の説明】
【0015】
1 マスク本体
2 掛けひも
3 空気タンク
4 フィルター
5 ファン
6 紫外線LED
7 電池
8 通気部
9a、9b 排気部
10 スイッチ
図1
図2