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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040419
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】スマートフォン用抗ウイルスカバー
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/17 20060101AFI20220304BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04M1/17 Z
A45C11/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145112
(22)【出願日】2020-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】596177559
【氏名又は名称】インターマン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田平 重樹
(72)【発明者】
【氏名】上田平 歩樹
【テーマコード(参考)】
3B045
5K023
【Fターム(参考)】
3B045BA26
3B045CE06
3B045DA22
3B045EA02
3B045EA06
3B045EB12
3B045FC08
5K023AA07
5K023DD06
5K023MM04
5K023MM06
5K023QQ00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウイルス、細菌といった病原体の感染を防止する機能を有するスマートフォン用抗ウイルスカバーを提供する。
【解決手段】病原体の感染を防止する機能を有するスマートフォン用抗ウイルスカバーは、抗ウイルス活性を有する酸化銅不織布からなり、銅イオンを生成することができる。この銅イオンは、スマートフォンSの表面に付着しているウイルスを不活性化する。酸化銅不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造され、この不織布に含まれる酸化銅の微粒子サイズは好ましくは0.2から20ミクロンの間である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗ウイルス活性を有する銅を含有する不織布からなるスマートフォン用抗ウイルスカバー。
【請求項2】
前記不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されていることを特徴とする請求項1に記載のスマートフォン用抗ウイルスカバー。
【請求項3】
前記銅酸化物の微粒子サイズは0.2から20ミクロンの間である請求項2に記載のスマートフォン用抗ウイルスカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス、細菌といった病原体の感染を防止する機能を有するスマートフォン用抗ウイルスカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
今般の新型コロナウイルスによって引き起こされたパンデミックは、人口密度があがり、高速大量輸送時代となった21世紀が、いかに感染症に弱い社会であるかを人々に思い知らせることとなった。
【0003】
このような状況においては、身の回りのあらゆる物が感染源に思え、生活状況が非常に窮屈なものとなる。事実、感染拡大の中では、全てを疑ってかかる必要がある。
【0004】
マスクを着用し、他人との距離を十分に取り、密集を避ける、といった対策を講じることが重要であるが、必要な社会生活を送る上で、どうしても最小限度の感染経路への接触は避けられない。このリスクをできるだけ小さくすることが感染を予防する上で肝要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-065245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
身近で最も注意すべき感染経路の一つは、常時携帯するスマートフォンである。実際、移動中でもスマートフォンを手にすることは多く、ドアノブなどのハイタッチサーフェスに触れた直後にスマートフォンを操作し、ウイルスがスマートフォンの表面に付着すると最長で数日間ウイルスが感染可能な状態で残るということも考えられる。
【0007】
しかし、こまめに消毒液によってスマートフォンの除菌を行うというのも、中々に困難である。実際、消毒液がスマートフォンの内部に侵入し、故障を誘発する可能性がある。スマートフォンにケースを取り付け(特許文献1参照)、スマートフォン本体ではなく、このケースの除菌を行うようにすることも考えられるが、消毒液を持ち歩き、都度除菌を行うというのも現実的ではない。また、スマートフォン本体の汚染も考えられる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、面倒な消毒作業を必要としない感染を防止する機能を備えた抗ウイルスカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の1つの様相によるスマートフォン用抗ウイルスカバーは、抗ウイルス活性を有する銅を含有する不織布からなることを特徴とする。
【0010】
また、一つの実施例では、前記不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記抗ウイルスカバーの認証処理で用いる生体情報は、例えば、指静脈のパターンである。
【0012】
更に、一つの実施例では、前記銅酸化物の微粒子サイズは0.2から20ミクロンの間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係わるスマートフォン用抗ウイルスカバーによれば、スマートフォンにウイルスが付着しても、抗ウイルスカバーから生成される銅イオンによってウイルスの不活性化がなされ、スマートフォンが感染源となるリスクを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施例1の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着した状態を示す正面図である。
図2図2は、本発明の実施例1の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着した状態を示す背面図である。
図3図3は、本発明の実施例1の抗ウイルスカバーを閉じる動作を説明する斜視図である。
図4図4は、本発明の実施例1の抗ウイルスカバーの閉じた状態を示す正面図である。
図5図5は、本発明の実施例1の抗ウイルスカバーの閉じた状態を示す背面図である。
図6図6は、図4のA-A線に沿った断面図である。
図7図7は、本発明の実施例2の抗ウイルスカバーを示す正面図である。
図8図8は、本発明の実施例2の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着する方法を説明する斜視図である。
図9図9は、本発明の実施例2の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着した状態を示す斜視図である。
図10図10は、本発明の実施例3の抗ウイルスカバーを示す正面図である。
図11図11は、本発明の実施例3の抗ウイルスカバーを示す背面図である。
図12図12は、本発明の実施例3の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着する方法を説明する斜視図である。
図13図13は、本発明の実施例3の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着して、画面カバーを閉じた状態を示す斜視図である。
図14図14は、本発明の実施例4の抗ウイルスカバーを示す正面図である。
図15図15は、本発明の実施例4の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着する方法を示す斜視図である。
図16図16は、本発明の実施例4の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着した状態を示す斜視図である。
図17図17は、本発明の実施例4の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着した状態を背面から見た斜視図である。
図18図18は、本発明の実施例5の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着した状態を示す斜視図である。
図19図19は、図18のA-A線に沿った断面図である。
図20図20は、本発明の実施例5の抗ウイルスカバーに画面カバーを設けた例を示す斜視図である。
図21図21は、本発明の実施例6の抗ウイルスカバーを、スマートフォンに装着するための係止フックを示す斜視図である。
図22図22は、本発明の実施例6の抗ウイルスカバーを、係止フックによってスマートフォンに装着した状態を示す斜視図である。
図23図23は、本発明の実施例6の抗ウイルスカバーの変形例を示す斜視図である。
図24図24は、本発明の実施例7の抗ウイルスカバーを示す正面図である。
図25図25は、本発明の実施例7の抗ウイルスカバーを示す背面図である。
図26図26は、本発明の実施例7の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着した状態を示す平面図である。
図27図27は、本発明の実施例8の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着する方法を示す斜視図である。
図28図28は、本発明の実施例8の抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着した状態を示す斜視図である。
図29図29は、図28のA-A線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ユーザーが常時携帯するスマートフォンの為の抗ウイルスカバーである。スマートフォンは、感染源に触れた後に操作するということもあり得るので、除菌が望ましい。そこで、この抗ウイルスカバーは、酸化銅不織布からなっている。酸化銅不織布は、銅イオンを生成するのでスマートフォンの表面に付着しているウイルスを不活性化することができる。
【0016】
この酸化銅不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されている。具体的には、ポリアミド、ポリアルキレン、ポリウレタン及びポリエステルといったポリマーを約80度から150度の範囲の温度において加熱し溶解させ、カチオン型酸化銅の水不溶性の粉末を加え分散させる。分散された酸化銅の微粒子サイズは好ましくは0.2から20ミクロンの間である。このポリマーの液体スラリーは、紡糸口金へ圧力で押し出され、不織布が製造される。この製造方法の詳細は、例えば、特表2008-534708に記載されている。
【実施例0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明による抗ウイルスカバーの実施例1を説明する。図1は、スマートフォンを装着した状態の抗ウイルスカバー1を示す正面図である。図2は、スマートフォンを装着した状態の抗ウイルスカバー1を示す背面図である。図3は、スマートフォンを持ち運ぶ際などに、抗ウイルスカバー1を閉じる動作を説明する斜視図である。図4は、閉じた状態の抗ウイルスカバー1を示す正面図である。図5は、閉じた状態の抗ウイルスカバー1を示す背面図である。図6は、図4のA-A線に沿った断面図である。
【0018】
図に示したように、抗ウイルスカバー1は、スマートフォンSを挟み込むのに十分な大きさの矩形不織布本体10と、この不織布本体10の右半分10aの上下端および右端に設けられた係止枠12と、不織布本体10の左端に設けられた面ファスナー14aと、不織布本体10の右端(図2の背面図では左端)の外側に設けられた面ファスナー14bとからなっている。係止枠12は、不織布本体10と共に、上述の抗ウイルス機能を備えた酸化銅不織布からなっている。
【0019】
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロ(登録商標)、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーと雄ファスナーからなる。接続固定したい一方(例えば、面ファスナー14a)には雌ファスナーを設け、他方(例えば、面ファスナー14b)には雄ファスナーを設ける。雄ファスナーは多数の微少なカギ状フックからなり、対応する雌ファスナーの多数の微少なループと係合する構造となっている。
【0020】
この抗ウイルスカバー1を使用するには、まず図1に示したように、不織布本体10の右半分10aの上下に設けられた係止枠12に差し込むようにスマートフォンSを装着する。次に、図3に示されているように、スマートフォンSの表面(画面)を覆って包み込むように、不織布本体10の左半分10bを右に折り曲げる。そして、図6に示されているように、スマートフォンSの右側にはみ出た面ファスナー14aを更に折り曲げ、裏側の面ファスナー14bと係合させる。
【0021】
通常スマートフォンSを持ち歩く場合は、図4乃至図6に示されているような状態で携帯する。スマートフォンSを使用する場合は、抗ウイルスカバー1を装着したスマートフォンSをポケットなどから取り出し、面ファスナー14a、14bを外して、図1のように抗ウイルスカバー1を開いて必要な操作を行う。操作を終えたら、図5のように抗ウイルスカバー1を閉じて、スマートフォンSはポケットや鞄にしまっておく。すなわち、不織布本体10の左半分10bは、スマートフォンSの画面をカバーする画面カバーとして機能する。
【0022】
ユーザーは様々な感染源を触る可能性があるが、スマートフォンSを使用する場合、抗ウイルスカバー1で覆われているので、スマートフォンSにウイルスが付着したとしても、銅イオンによって不活性化される。また、指で抗ウイルスカバー1に触れるので、指にウイルスが付着していたとしても、酸化銅から生成される銅イオンによってウイルスは不活性化される。仮に、指に付着していたウイルスが、操作の際にスマートフォンSの画面に付着したとしても、図5のように抗ウイルスカバー1を閉じた状態では、酸化銅不織布がスマートフォンSの画面に接触するので、ウイルスは不活性化される。従って、スマートフォンSは、ウイルスの感染経路にはなり得ない。
【実施例0023】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例2を説明する。図7は、実施例2の抗ウイルスカバー2を示す正面図である。
【0024】
この抗ウイルスカバー2は、対応するスマートフォンと同じ大きさの矩形部分20と、この矩形部分20の上下左右に張り出した縁部20a、20b、20c、20dとからなっている。これら矩形部分20と縁部20a、20b、20c、20dは、上述の抗ウイルス機能を備えた酸化銅不織布からなっている。
【0025】
また、縁部20a、20b、20c、20dには、夫々に両面粘着テープ22が貼り付けられている。抗ウイルスカバー2の使用前には、この両面粘着テープ22の表面は剥離紙で保護されている。
【0026】
図8に示されているように、この抗ウイルスカバー2を使用する際には、まず、矩形部分20にスマートフォンSの背面を載せ、縁部20a、20b、20c、20dをスマートフォンSの側面に向かって折り込む。そして、両面粘着テープ22の表面を保護している剥離紙を剥がして、図9のように縁部20a、20b、20c、20dをスマートフォンSの側面にしっかりと貼り付ける。これで、スマートフォンSの背面及び側面は酸化銅不織布の抗ウイルスカバー2で覆われ、ウイルスが付着しても不活性化される。
【0027】
なお、この両面粘着テープは、例えば、アクリル系粘着剤を用いたものが使用される。アクリル系粘着剤は、モノマーの種類の選択、ポリマーの分子量、架橋密度などの制御により、粘着力や再剥離性などの粘着物性のコントロールを行うことができる。スマートフォンSは、常時出し入れしたりして頻繁に利用するものなので、この抗ウイルスカバーも劣化に伴い交換することになる。従って、張替えの際に、糊のこりすることなく剥がせるように粘着物性が調整される。なお、アクリル系粘着剤の他にも、シリコーン系粘着剤やシリコーン系粘着剤を用いることもできる。
【実施例0028】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例3を説明する。図10は、実施例3の抗ウイルスカバー3を示す正面図である。また、図11は、実施例3の抗ウイルスカバー3を示す背面図である。
【0029】
この抗ウイルスカバー3は、実施例2の抗ウイルスカバー2に実施例1の画面カバー10b(不織布本体10の左半分10b)を設けたようなものである。すなわち、抗ウイルスカバー3は、対応するスマートフォンと同じ大きさの矩形部分30と、この矩形部分30の上下左右に張り出した縁部30a、30b、30c、30dとからなっている。
【0030】
やはり、縁部30a、30b、30c、30dには、夫々に両面粘着テープ33が貼り付けられている。抗ウイルスカバー3の使用前には、この両面粘着テープ33の表面は剥離紙で保護されている。
【0031】
更に、矩形部分30の左側に張り出した縁部30cは、そのまま延長され画面カバー30eとなっている。そして、画面カバー30eの左端には、面ファスナー34aが設けられ、矩形部分30の右端(図11の背面図では左端)の外側には、面ファスナー34bが設けられている。
【0032】
ここでも、矩形部分30、縁部30a、30b、30c、30dおよび画面カバー30eは、上述の抗ウイルス機能を備えた酸化銅不織布からなっている。また、実施例1と同様に、面ファスナー34a、34bの、一方は雌ファスナーであり、他方は雄ファスナーからなる。
【0033】
図8に示されている実施例2と同様に、この抗ウイルスカバー3を使用する際には、まず、矩形部分30にスマートフォンSの背面を載せ、縁部30a、30b、30c、30dをスマートフォンSの側面に向かって折り込む。そして、両面粘着テープ33の表面を保護している剥離紙を剥がして、図12のように縁部30a、30b、30c、30dをスマートフォンSの側面にしっかりと貼り付ける。
【0034】
更に、画面カバー30eを、スマートフォンSの画面を覆って包み込むように、画面カバー30eを右に折り曲げる。そして、実施例1の画面カバー10bと同様に、スマートフォンSの右側にはみ出た面ファスナー34aを更に折り曲げ、裏側の面ファスナー34bと係合させる(図13参照)。これで、スマートフォンSの全体が酸化銅不織布の抗ウイルスカバー3で覆われ、ウイルスが付着しても不活性化される。
【0035】
やはり、通常スマートフォンSを持ち歩く場合は、図13に示されているような状態で携帯する。スマートフォンSを使用する場合は、スマートフォンSをポケットなどから取り出し、面ファスナー34a、34bを外して、図12のように画面カバー30eを開いて必要な操作を行う。操作を終えたら、図13のように画面カバー30eを閉じて、スマートフォンSはポケットや鞄にしまっておく。従って、実施例1と同様に、スマートフォンSは、画面も含めてウイルスが付着していたとしても、銅イオンによって不活性化されるので、ウイルスの感染経路にはなり得ない。
【実施例0036】
スマートフォン用のケースには、背面部分が省略されており、外周のみをカバーするものがある。このようなケースは、角部や側面をショックから守るもので、むしろバンバーと呼ぶのが相応しいかもしれない。多くのものは、シリコンなどの伸縮性を有する材料からなっており、スマートフォンの周囲に差し渡すように装着し、ピッタリとフィットするようになっている。実施例4では、上述の抗ウイルス機能を備えた酸化銅不織布からなる抗ウイルスカバーを、このバンバーで係止するようにする。
【0037】
図14は、実施例4の抗ウイルスカバー4を示す正面図である。また、図15は、実施例4の抗ウイルスカバー4を実際にスマートフォンSに装着する様子を示す斜視図である。図16は、実施例4の抗ウイルスカバー4をスマートフォンに装着した状態を示す斜視図である。図17は、実施例4の抗ウイルスカバー4をスマートフォンに装着した状態を背面から見た斜視図である。
【0038】
この抗ウイルスカバー4は、対応するスマートフォンと同じ大きさの矩形部分40と、この矩形部分40の上下左右に張り出した縁部40a、40b、40c、40dとからなっている。これら矩形部分40と縁部40a、40b、40c、40dは、上述の抗ウイルス機能を備えた酸化銅不織布からなっている。
【0039】
実施例4の抗ウイルスカバー4は、図7に示した実施例2とほぼ同じ形態を持っているが、両面粘着テープは設けられていない。スマートフォンSに外周のみのバンバーを装着する際に、縁部40a、40b、40c、40dを、バンバーとスマートフォンの外周の間に挟み込むことで、抗ウイルスカバーをスマートフォンの背面に固定する。
【0040】
すなわち、この抗ウイルスカバー4をスマートフォンSに装着するには、まず抗ウイルスカバー4をスマートフォンSの背面(底面)に密着させ、縁部40a、40b、40c、40dをスマートフォンSの側面に合わせるように折り曲げる。そして、スマートフォンSの側面との間に、抗ウイルスカバー4の縁部40a、40b、40c、40dを挟み込むようにして、下方からバンバー(ケース)42をスマートフォンSの周囲にはめ込む(図16参照)。このようにすることで、スマートフォンSの背面を抗ウイルスカバー4の矩形部分40で覆うことができ(図17参照)、そこに付着したウイルスを不活性化する。
【実施例0041】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例5を説明する。図18は、スマートフォンに装着した状態の抗ウイルスカバー5を示す斜視図である。図19は、図18のA-A線に沿った断面図である。
【0042】
この抗ウイルスカバー5は、大きく開いた開口部52を持った扁平な袋状の形態を有し、全体が上述の抗ウイルス機能を備えた酸化銅不織布からなっている。そして、開口部52の縁に沿って輪状のゴムバンド54が装入されている。このゴムバンド54が、開口部52を閉じる方向に付勢することにより、抗ウイルスカバー5が内部のスマートフォンSから外れてしまうことを防止している。
【0043】
このようにすることで、スマートフォンSの背面や側面を抗ウイルスカバー5で覆うことができ、そこに付着したウイルスを不活性化する。
【0044】
なお、図20に示したように、実施例3と同様の画面カバー55を設けても良い。この画面カバー55は、抗ウイルスカバー5の左端に取り付ける。また、画面カバー55の端の内側に面ファスナー56aを設け、抗ウイルスカバー5の右端の裏側にも対応する面ファスナー56bを設ける。実施例1と同様に、画面カバー55を閉じて、面ファスナー56a、56bを係合させることで、スマートフォンS全体を酸化銅不織布で覆うことができる。
この場合、スマートフォンSは、画面も含めてウイルスが付着していたとしても、銅イオンによって不活性化されるので、ウイルスの感染経路にはなり得ない。
【実施例0045】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例6を説明する。実施例6によるこの抗ウイルスカバーは、対応するスマートフォンと同じ大きさと形(概ね長方形)に整形された、上述の抗ウイルス機能を備えた一枚の酸化銅不織布である。
【0046】
この抗ウイルスカバーをスマートフォンに装着する為に、図21の斜視図に示した係止フック62を用いる。この係止フック62は、概ね直方体の樹脂でできており、対応するスマートフォンの厚みと同じ高さを持つ係止溝64が設けられている。
【0047】
使用にあたっては、図22に示したように、抗ウイルスカバー6をスマートフォンの背面に載せた状態で、係止フック62(62a、62b、62c、62d)の係止溝64をスマートフォンの四隅にスライドさせて、抗ウイルスカバー6をスマートフォンの背面に固定する。これで、スマートフォンの背面は酸化銅不織布抗のウイルスカバー6で覆われ、ウイルスが付着しても不活性化される。
【0048】
なお、図22の右上と左上の係止フック62a、62bを延長一体化して、図23の係止フック62abのようにし、また、右下と左下の係止フック62c、62dを延長一体化して、図23の係止フック62cdのようにしてもよい。
【実施例0049】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例7を説明する。この実施例でも、実施例6の係止フック62a、62b、62c、62d(または62ab、62cd)を用いるが、抗ウイルスカバー7は、図24の正面図に示したように、対応するスマートフォンと同じ大きさの矩形部分70と、この矩形部分70の左側に張り出した画面カバー70eとからなっている。矩形部分70と画面カバー70eは、上述の抗ウイルス機能を備えた一枚の酸化銅不織布からなっている。
【0050】
また、抗ウイルスカバー7の画面カバー70eの左端には、面ファスナー72aが設けられ、矩形部分70の右端(図25の背面図では左端)の外側には、面ファスナー72bが設けられている。
【0051】
抗ウイルスカバー7の矩形部分70は、実施例6と同様に係止フック62a、62b、62c、62dによってスマートフォンSの背面に固定するが、図26に示したように、画面カバー70eが左側に張り出している。この画面カバー70eは、図12図13に示した実施例3と同様に、このスマートフォンSを操作していない際には、面ファスナー72a、72bを用いて、スマートフォンSの画面をカバーするように係止される。従って、実施例3と同様に、画面も含めてウイルスが付着していたとしても、銅イオンによって不活性化される。
【実施例0052】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例8を説明する。図27は、実施例8の抗ウイルスカバー8を、スマートフォンSに装着する手順を説明する斜視図である。図28は、実施例8の抗ウイルスカバー8を、スマートフォンSに装着した状態を示す斜視図である。図29は、図28のA-A線に沿った断面図である。
【0053】
実施例8による抗ウイルスカバー8は、対応するスマートフォンSよりもやや小さめの形(概ね長方形)に整形された、上述の抗ウイルス機能を備えた一枚の酸化銅不織布である。この抗ウイルスカバー8を保持するために、スマートフォンSには、左右のレール82a、82bおよび上下のストッパー84a、84bを備えたスマートフォンケース80が装着されている。
【0054】
すなわち、図27に示したように、抗ウイルスカバー8は、スマートフォンケース80の左右のレール82a、82bに沿ってスライドさせることで、スマートフォンケース80の背面に装着される。装着された状態で、上下のストッパー84a、84bが抗ウイルスカバー8の離脱を防止している。抗ウイルスカバー8のサイズは、スマートフォンケース80のレール82a、82b間の距離およびストッパー84a、84b間の距離に合わせて決められている。
【0055】
すなわち、スマートフォンケース80のレール82a、82b間の距離は、抗ウイルスカバー8の幅よりは小さいものの、その差は例えば1mm程度とほぼ同じ大きさに決められている。一方、ストッパー84a、84b間の距離は、抗ウイルスカバー8の装着を容易にするために、もう少し余裕を持つことが望ましい。例えば、抗ウイルスカバー8の長さよりも2mm~4mm程度長くなっている。この余裕分、抗ウイルスカバー8が上下方向に少々スライドするが、レール82a、82bで抑えられているので外れることはない。
【0056】
従って、スマートフォンSの背面は酸化銅不織布の抗ウイルスカバー8で覆われ、ウイルスが付着しても不活性化される。この抗ウイルスカバー8は、消耗品として適宜簡単に交換できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係わる抗ウイルスカバーによれば、ユーザーが常時携帯するスマートフォンに装着して利用でき、ウイルスが付着しても、抗ウイルスカバーから生成される銅イオンによってウイルスの不活性化がなされ、スマートフォンが感染源となるリスクを小さくすることができる。
【0058】
また、本発明に係わる抗ウイルスカバーから生成される銅イオンは、ウイルス以外にも細菌といった病原体の殺菌にも有効に機能するので、一般的な感染症の予防にも効果を発揮する。
【0059】
なお、実施例1、2、3、5、6、7の説明において、スマートフォンSを用いているが、このスマートフォンSの代わりに、任意のスマートフォンケースを装着したスマートフォンで置き換えても、説明はそのまま成り立つ。例えば、実施例1においては、任意のスマートフォンケースを装着したスマートフォンに、記載しような抗ウイルスカバー1をそのまま装着すれば良い。その場合、抗ウイルスカバー1の大きさは、スマートフォンケースの大きさに準ずることになる。
【0060】
同様に、実施例8の説明において、左右のレール82a、82bおよび上下のストッパー84a、84bが設けられたスマートフォンケースを用いているが、スマートフォンそのものにこれらのレール82a、82bおよびストッパー84a、84bを設けても良い。
【符号の説明】
【0061】
1、2、3、4、5、6、7、8 抗ウイルスカバー
10 不織布本体
10a 抗ウイルスカバーの右半分
10b 画面カバー
10b 抗ウイルスカバーの左半分
12 係止枠
14a、14b 面ファスナー
20、30、40、60、70 矩形部分
20a、20b、20c、20d 縁部
22、33 両面粘着テープ
30a、30b、30c、30d 縁部
30e、55 画面カバー
34a、34b 面ファスナー
40a、40b、40c、40d 縁部
52 開口部
54 ゴムバンド
62、62a、62b、62c、62d 係止フック
62ab、62cd 係止フック
64 係止溝
70e 画面カバー
72a、72b 面ファスナー
80 スマートフォンケース
82a、82b レール
84a、84b ストッパー
S スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29