IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日新電機株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人名古屋大学の特許一覧

<>
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図1
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図2
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図3
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図4
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図5
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図6
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図7
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図8
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図9
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図10
  • 特開-化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040463
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20220304BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20220304BHJP
   F28F 1/30 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
F28D20/00 G
F28F1/02 A
F28F1/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145201
(22)【出願日】2020-08-31
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期、「熱/電気バッテリーで構築するエネルギーマネジメント技術」に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】可貴 裕和
(72)【発明者】
【氏名】出口 洋成
(72)【発明者】
【氏名】小林 敬幸
(72)【発明者】
【氏名】市瀬 篤博
(57)【要約】
【課題】放熱動作に伴って潮解した化学蓄熱材の流出を抑えることのできる化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器を提供する。
【解決手段】化学蓄熱体11は、脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の化学蓄熱材12と、化学蓄熱材12を収容する容器13とを備える。容器13は、容器13の内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部13aを有する。水蒸気透過部13aは、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材を収容する容器とを備え、
前記容器は、前記容器の内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部を有し、
前記水蒸気透過部は、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成される、化学蓄熱体。
【請求項2】
前記化学蓄熱材は、アルカリ土類金属のハロゲン化物を含む、請求項1に記載の化学蓄熱体。
【請求項3】
前記容器は、前記水蒸気透過性フィルムにより袋状に形成されている、請求項1又は請求項2に記載の化学蓄熱体。
【請求項4】
前記水蒸気透過性フィルムの水蒸気透過係数は、1×10-13[mol・m/(m・sec・Pa)]以上である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化学蓄熱体。
【請求項5】
前記容器は、180℃以上の耐熱温度を有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化学蓄熱体。
【請求項6】
前記水蒸気透過性フィルムは、ポリメチルペンテンフィルム、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムの少なくとも一方である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の化学蓄熱体。
【請求項7】
前記容器は、前記水蒸気透過部と異なる位置に配置される金属層を有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の化学蓄熱体。
【請求項8】
前記容器は、前記金属層と、前記水蒸気透過性フィルムからなる水蒸気透過性フィルム層との積層構造を有する、請求項7に記載の化学蓄熱体。
【請求項9】
化学蓄熱体と、
前記化学蓄熱体に接続される水蒸気流路と、
前記化学蓄熱体と熱交換を行う熱交換器と、を備え、
前記化学蓄熱体は、脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材を収容する容器とを備え、
前記容器は、前記容器の内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部を有し、
前記水蒸気透過部は、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成される、化学蓄熱反応器。
【請求項10】
前記熱交換器は、熱媒体の流路となる流路管と、前記流路管に接続される伝熱用フィンとを備えるフィンチューブ式熱交換器であり、
前記化学蓄熱体は、前記伝熱用フィンに接触して配置される、請求項9に記載の化学蓄熱反応器。
【請求項11】
前記熱交換器は、熱媒体の流路となる流路管を有し、伝熱用フィンを有しないフィンレス熱交換器であり、
前記容器は、前記水蒸気透過部と異なる位置に配置される熱伝導部を有し、
前記熱伝導部は、金属層を有し、
前記化学蓄熱体は、前記熱伝導部が前記流路管に接触した状態で配置される、請求項9に記載の化学蓄熱反応器。
【請求項12】
複数の前記化学蓄熱体を備え、
隣り合う複数の前記化学蓄熱体は、前記熱伝導部が互いに接触した状態で配置される、請求項11に記載の化学蓄熱反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3に開示されるように、水蒸気等の反応媒体との反応により蓄熱及び放熱する化学蓄熱材が知られている。化学蓄熱材は、粉体の状態で化学蓄熱反応器の収容部に収容される。化学蓄熱反応器には、化学蓄熱材の粉体を収容する収容部は、反応媒体の流路に接続されている。化学蓄熱材の粉体を収容する収容部と反応媒体の流路との間には、化学蓄熱材を保持するフィルタ部が配置されている。フィルタ部は、多孔質構造を有することで、反応媒体の通過を許容している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-181051号公報
【特許文献2】特開2019-100629号公報
【特許文献3】特開2019-196861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化学蓄熱材が水蒸気に対して高い反応性を有することで、より急速に発熱させることができるとともに、より短時間で蓄熱することが可能となるものの、このような反応性の高い化学蓄熱材は、潮解性を有する場合がある。潮解性を有する化学蓄熱材を用いる場合、放熱動作時において、例えば、化学蓄熱材の周囲における水蒸気圧の上昇速度が速すぎると、化学蓄熱材が部分的に潮解し、液状化するおそれがある。このとき、上記従来のように、化学蓄熱材に水蒸気を供給可能なフィルタ部として多孔質材料を用いた場合では、液状化した化学蓄熱材が多孔質材料を通じて流出することで、例えば、化学蓄熱反応器の性能が低下したり、化学蓄熱反応器の寿命が短くなったりするおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、放熱動作に伴って潮解した化学蓄熱材の流出を抑えることのできる化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する化学蓄熱体は、脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材を収容する容器とを備え、前記容器は、前記容器の内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部を有し、前記水蒸気透過部は、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成される。
【0007】
上記のように、化学蓄熱体の容器における水蒸気透過部は、非多孔質の水蒸気透過性フィルムにより構成されているため、水蒸気透過部を透過した水蒸気により化学蓄熱材の一部が潮解したとしても、水蒸気透過部からの化学蓄熱材の流出を抑えることができる。
【0008】
上記化学蓄熱体において、前記化学蓄熱材は、アルカリ土類金属のハロゲン化物を含むことが好ましい。
この構成によれば、例えば、120℃以下の排熱等、比較的低温の排熱を利用して、蓄熱動作を行うことが可能となる。
【0009】
上記化学蓄熱体において、前記容器は、前記水蒸気透過性フィルムにより袋状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、容器の構造を簡素化することで、化学蓄熱体の製造コストを抑えることができる。
【0010】
上記化学蓄熱体において、前記水蒸気透過性フィルムの水蒸気透過係数は、1×10-13[mol・m/(m・sec・Pa)]以上であることが好ましい。
この構成によれば、容器の水蒸気透過部を透過する水蒸気の透過速度が速まることで、例えば、化学蓄熱材に蓄熱させる時間を短縮することが可能となるとともに、放熱動作の際に化学蓄熱材の昇温速度をより速めることが可能となる。
【0011】
上記化学蓄熱体において、前記容器は、180℃以上の耐熱温度を有することが好ましい。
この構成によれば、例えば、より高い温度条件の放熱動作を行うことができる。
【0012】
上記化学蓄熱体において、前記水蒸気透過性フィルムは、ポリメチルペンテンフィルム、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムの少なくとも一方であることが好ましい。この構成によれば、容器の水蒸気透過部における水蒸気透過性能と耐熱性能の両性能を高めることができる。
【0013】
上記化学蓄熱体において、前記容器は、前記水蒸気透過部と異なる位置に配置される金属層を有することが好ましい。この構成によれば、例えば、金属層の熱伝導性を利用することで、化学蓄熱材と外部との熱交換を効率的に行うことができる。
【0014】
上記化学蓄熱体において、前記容器は、前記金属層と、前記水蒸気透過性フィルムからなる水蒸気透過性フィルム層との積層構造を有することが好ましい。例えば、このように金属層を設けることができる。
【0015】
化学蓄熱反応器は、化学蓄熱体と、前記化学蓄熱体に接続される水蒸気流路と、前記化学蓄熱体と熱交換を行う熱交換器と、を備え、前記化学蓄熱体は、脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の化学蓄熱材と、前記化学蓄熱材を収容する容器とを備え、前記容器は、前記容器の内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部を有し、前記水蒸気透過部は、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成される。
【0016】
上記化学蓄熱反応器において、前記熱交換器は、熱媒体の流路となる流路管と、前記流路管に接続される伝熱用フィンとを備えるフィンチューブ式熱交換器であり、前記化学蓄熱体は、前記伝熱用フィンに接触して配置されることが好ましい。この構成によれば、フィンチューブ式熱交換器の伝熱用フィンを利用して化学蓄熱材と熱媒体との熱交換を効率的に行うことができる。
【0017】
上記化学蓄熱反応器において、前記熱交換器は、熱媒体の流路となる流路管を有し、伝熱用フィンを有しないフィンレス熱交換器であり、前記容器は、前記水蒸気透過部と異なる位置に配置される熱伝導部を有し、前記熱伝導部は、金属層を有し、前記化学蓄熱体は、前記熱伝導部が前記流路管に接触した状態で配置されることが好ましい。この構成によれば、金属層の熱伝導性を利用することで、化学蓄熱材と熱交換器の熱媒体との熱交換を効率的に行うことができる。
【0018】
上記化学蓄熱反応器において、複数の前記化学蓄熱体を備え、隣り合う複数の前記化学蓄熱体は、前記熱伝導部が互いに接触した状態で配置されることが好ましい。この構成によれば、化学蓄熱体の熱伝導部を熱交換器の伝熱用フィンのように機能させることができる。このため、フィンレス熱交換器を用いたとしても、複数の化学蓄熱体の各化学蓄熱材と熱媒体との熱交換を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、放熱動作に伴って潮解した化学蓄熱材の流出を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態における化学蓄熱体、及び熱交換器の一部を示す斜視図である。
図2】化学蓄熱反応器の要部を示す平面図である。
図3図2の3-3線に沿った断面図である。
図4】化学蓄熱反応器の一例を示す部分断面図。
図5】第2実施形態における化学蓄熱体、及び熱交換器の一部を示す斜視図である。
図6】化学蓄熱反応器の要部を示す平面図である。
図7図6の7-7線に沿った断面図である。
図8】(a)~(c)は、化学蓄熱体の製造方法を説明する概略図である。
図9】化学蓄熱反応器の従来例を示す断面図である。
図10】時間と塩化カルシウムの温度との関係を示すグラフである。
図11】時間と塩化カルシウムの脱水比率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、化学蓄熱体、及び化学蓄熱反応器の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
<化学蓄熱体>
図1図3に示すように、化学蓄熱体11は、化学蓄熱材12と、化学蓄熱材12を収容する容器13とを備えている。
【0023】
化学蓄熱材12は、脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の材料である。化学蓄熱材12は、脱水反応及び水和反応を行う化学蓄熱物質のみから構成されてもよいし、化学蓄熱物質を水蒸気透過性樹脂等の水蒸気透過性のバインダーで結合した材料であってもよい。化学蓄熱材12は、一種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。化学蓄熱材12は、200℃以上の耐熱性を有していることが好ましい。化学蓄熱物質としては、反応性が高いという観点から、アルカリ土類金属のハロゲン化物を好適である。
【0024】
化学蓄熱体11の容器13は、容器13内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部13aを有している。水蒸気透過部13aは、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成されている。本実施形態の容器13は、非多孔質の水蒸気透過性フィルムにより袋状に形成されている。すなわち、本実施形態の化学蓄熱体11では、容器13の全体が水蒸気透過性を有しているが、容器13の上部及び下部が水蒸気透過部13aとして利用される。容器13の側部は、後述する熱交換器と接触して配置され、熱の出入りを行う熱伝導部13bとして利用される。
【0025】
水蒸気透過性フィルムの水蒸気透過係数は、化学蓄熱材12の水蒸気圧の条件をより調整し易くするという観点から、1×10-13[mol・m/(m・sec・Pa)]以上であることが好ましい。水蒸気透過性フィルムの水蒸気透過係数は、特に限定されないが、例えば、1×10-7[mol・m/(m・sec・Pa)]以下である。水蒸気透過性フィルムの水蒸気透過係数は、例えば、感湿センサー法(JIS K7129:2008)により測定することができる。
【0026】
水蒸気透過性フィルムは、180℃以上の耐熱温度を有することが好ましい。水蒸気透過性フィルムの耐熱温度の上限は、特に限定されないが、例えば、260℃以下である。
水蒸気透過性フィルムの厚さは、容器13の成形性を確保するという観点から、3μm以上であることが好ましく、より好まししくは5μm以上である。水蒸気透過性フィルムの厚さは、水蒸気透過性能と熱伝導性能を高めるという観点から、30μm以下であることが好ましく、より好ましくは、25μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。
【0027】
容器13は、水蒸気透過性フィルムにより袋状に形成されている。水蒸気透過性フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムであってもよいし、熱硬化性樹脂フィルムであってもよい。水蒸気透過性フィルムが、熱可塑性樹脂フィルムの場合、熱可塑性樹脂フィルムの熱融着を利用して容器13を成形することが可能となる。なお、このように熱融着を利用して成形された容器13は、例えば、帯状の熱融着部分を有しているが、図面では、熱融着部分を省略して示している。袋状の容器13の形態としては、例えば、三方シール袋、四方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋等が挙げられる。このように化学蓄熱体11は、水蒸気透過性フィルムにより化学蓄熱材12を袋状に包装することで容易に得ることができる。なお、袋状の容器13は、粉体状の化学蓄熱材12が漏れ出さないように封止されている。
【0028】
水蒸気透過性フィルムとしては、例えば、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。水蒸気透過性フィルムは、水蒸気透過性能と耐熱性能の両性能に優れる観点から、ポリメチルペンテンフィルム、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムの少なくとも一方であることが好ましい。
【0029】
<化学蓄熱反応器>
次に、化学蓄熱反応器21について説明する。
図2図4に示すように、化学蓄熱反応器21は、上述した化学蓄熱体11と、化学蓄熱体11に接続される水蒸気流路P1と、化学蓄熱体11と熱交換を行う熱交換器31とを備えている。
【0030】
水蒸気流路P1は、化学蓄熱体11の水蒸気透過部13aに接続されている。水蒸気流路P1は、蓄熱動作時において、化学蓄熱材12の脱水反応で生じた水蒸気を化学蓄熱体11の水蒸気透過部13aから排出する。また、水蒸気流路P1は、放熱動作時において、化学蓄熱体11の水蒸気透過部13aに水蒸気を供給する。詳述すると、例えば、図4に示すように、化学蓄熱体11は、例えば、圧力調整容器41内に配置される。この圧力調整容器41内が上記水蒸気流路P1となる。すなわち、圧力調整容器41内の水蒸気圧を調整することで、化学蓄熱体11の容器13からの水蒸気の排出と、化学蓄熱体11の容器13内への水蒸気の供給を行うことができる。蓄熱動作時には、例えば、水蒸気を吸収する吸収材が収容された吸収器や凝縮器を圧力調整容器41に接続する。これにより、圧力調整容器41内の水蒸気圧を低下することで、蓄熱動作の脱水反応を行うことができる。また、放熱動作時には、例えば、排熱を利用して水蒸気を発生する蒸発器を圧力調整容器41に接続する。これにより、圧力調整容器41内の水蒸気圧を高めることで、放熱動作の水和反応を行うことができる。
【0031】
図1図4に示すように、熱交換器31は、熱媒体を流通する流路管32と、流路管32に接続される伝熱用フィン33とを備えている。すなわち、本実施形態の熱交換器31は、フィンチューブ型の熱交換器である。熱交換器31の流路管32は、熱媒体流路P2を構成している。熱交換器31は、例えば、金属材料から構成される。
【0032】
図4に示すように、熱交換器31は、例えば、圧力調整容器41の外部から熱媒体を流入する流入管34と、圧力調整容器41の外部に熱媒体を流出する流出管35とに接続される。熱媒体流路P2は、蓄熱動作時において、図示を省略した外部の排熱源から熱交換器31に熱を供給する。また、熱媒体流路P2は、放熱動作時において、図示を省略した外部の加熱対象に熱を供給する。
【0033】
図1図3に示すように、本実施形態の熱交換器31の流路管32は、扁平形状の流路管(扁平管)であるが、円形管等の他の形状の流路管であってもよい。また、一つの流路管32の流路は、単数であってもよいし、例えば、扁平多孔管のように複数であってもよい。また、熱交換器31の伝熱用フィン33は、波板状のコルゲートフィンであるが、平板状のストレートフィン等、他の形状の伝熱用フィンであってもよい。
【0034】
化学蓄熱体11は、熱交換器31の伝熱用フィン33に接触して配置されている。詳述すると、熱交換器31は、長さ方向が互いに平行となるように配置される複数の流路管32を有している。伝熱用フィン33は、隣り合う流路管32の間において流路管32の長さ方向に沿って離間して配置される複数のフィン部Fを有している。複数の化学蓄熱体11は、隣り合う複数のフィン部Fの間に配置されている。すなわち、化学蓄熱体11は、隣り合う複数のフィン部Fの間に挿入することで、熱交換器31に組み付けられている。
【0035】
ここで、図2のX軸方向に沿った化学蓄熱体11の厚さ寸法は、隣り合う複数のフィン部Fの間隔寸法となる。化学蓄熱体11の厚さ寸法は、単位体積当たりの化学蓄熱材12の充填量を確保するという観点から、1mm以上であることが好ましい。化学蓄熱体11の厚さ寸法は、熱伝導性能を高めるという観点から、10mm以下であることが好ましい。
【0036】
また、図2のY軸方向に沿った化学蓄熱体11の幅寸法は、隣り合う流路管32の間隔寸法と略同一となる。化学蓄熱体11の幅寸法は、単位体積当たりの化学蓄熱材12の充填量を確保するという観点から、5mm以上であることが好ましい。化学蓄熱体11の幅寸法は、熱伝導性能を高めるという観点から、30mm以下であることが好ましい。
【0037】
また、図3に示すように、本実施形態の化学蓄熱体11はZ軸方向に沿った方向を長さ方向とした場合、容器13における長さ方向の両端部に水蒸気透過部13aが配置されている。化学蓄熱体11の長さ寸法は、単位体積当たりの化学蓄熱材12の充填量を確保するという観点から、10mm以上であることが好ましい。化学蓄熱体11の長さ寸法は、水蒸気の拡散性を確保し、化学蓄熱材12の反応性を高めるという観点から、100mm以下であることが好ましい。
【0038】
<動作>
次に、化学蓄熱体11及び化学蓄熱反応器21の動作の一例について説明する。
化学蓄熱物質の一種である塩化カルシウムの蓄熱動作時の脱水反応は、例えば、下記式(1)で表される。
【0039】
CaCl・2HO→CaCl・HO+HO・・・(1)
塩化カルシウムには、例えば、水蒸気圧が2kPaの条件の場合、80℃の排熱を利用して蓄熱させることができる。
【0040】
また、塩化カルシウムの放熱動作時の水和反応は、例えば、下記式(2)で表される。
CaCl・HO+HO→CaCl・2HO・・・(2)
塩化カルシウムは、例えば、水蒸気圧が95kPaの条件の場合、170℃の熱を放熱する。
【0041】
すなわち、例えば、蓄熱動作の温度条件を80℃、放熱動作の温度条件を170℃とした場合、塩化カルシウムの雰囲気における水蒸気圧を2kPaから95kPaまで上昇させることで、放熱動作が開始される。
【0042】
化学蓄熱反応器21の蓄熱動作は、排熱を利用して行うことができる。化学蓄熱反応器21の熱交換器31に熱輸送された排熱により化学蓄熱材12を加熱するとともに、化学蓄熱材12の周囲の水蒸気圧を低下させることで、化学蓄熱材12の脱水反応が行われる。化学蓄熱材12から発生した水蒸気は、容器13の水蒸気透過部13a、水蒸気流路P1を順に通じて化学蓄熱反応器21の外部に排出される。
【0043】
化学蓄熱反応器21の放熱動作は、化学蓄熱反応器21の外部から水蒸気流路P1、容器13の水蒸気透過部13aを順に通じて水蒸気を供給し、化学蓄熱材12の周囲の水蒸気圧を高くすることで、化学蓄熱材12の水和反応が行われる。化学蓄熱材12から発生した熱は、熱交換器31の熱媒体と熱交換され、化学蓄熱反応器21の外部に熱輸送される。
【0044】
ここで、化学蓄熱反応器21の放熱動作時に、化学蓄熱材12の温度に対して化学蓄熱材12の周囲の水蒸気圧が過剰に高くなると、化学蓄熱材12が潮解する。例えば、化学蓄熱材12が塩化カルシウムを含む場合、温度が80℃の化学蓄熱材12の周囲の水蒸気圧が8kPa以上になると、塩化カルシウムが潮解する。このとき、上記化学蓄熱体11の容器13における水蒸気透過部13aは、非多孔質の水蒸気透過性フィルムにより構成されているため、水蒸気透過部13aを透過した水蒸気により化学蓄熱材12の一部が潮解したとしても、水蒸気透過部13aからの化学蓄熱材12の流出を抑えることができる。
【0045】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1-1)化学蓄熱体11は、脱水反応により蓄熱し、かつ水和反応により放熱する粉体状の化学蓄熱材12と、化学蓄熱材12を収容する容器13とを備えている。容器13は、容器13の内外の水蒸気の透過を許容する水蒸気透過部13aを有している。水蒸気透過部13aは、非多孔質の水蒸気透過性フィルムから構成されている。
【0046】
この構成によれば、上述したように放熱動作に伴って潮解した化学蓄熱材12の流出を抑えることができる。これにより、例えば、化学蓄熱反応器21の性能の低下を抑えたり、化学蓄熱反応器21の寿命を延ばしたりすることができる。
【0047】
(1-2)化学蓄熱材12がアルカリ土類金属のハロゲン化物を含むことにより、例えば、120℃以下の排熱等、比較的低温の排熱を利用して、蓄熱動作を行うことが可能となる。
【0048】
(1-3)化学蓄熱体11の容器13は、水蒸気透過性フィルムにより袋状に形成されている。この場合、容器13の構造を簡素化することで、化学蓄熱体11の製造コストを抑えることができる。
【0049】
(1-4)水蒸気透過性フィルムの水蒸気透過係数は、1×10-13[mol・m/(m・sec・Pa)]以上であることが好ましい。この場合、容器13の水蒸気透過部13aを透過する水蒸気の透過速度が速まることで、例えば、化学蓄熱材12に蓄熱させる時間を短縮することが可能となるとともに、放熱動作の際に化学蓄熱材12の昇温速度をより速めることが可能となる。
【0050】
(1-5)容器13は、180℃以上の耐熱温度を有することが好ましい。この場合、例えば、より高い温度条件の放熱動作を行うことができる。
(1-6)水蒸気透過性フィルムは、ポリメチルペンテンフィルム、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムの少なくとも一方であることが好ましい。この場合、容器13の水蒸気透過部13aにおける水蒸気透過性能と耐熱性能の両性能を高めることができる。従って、化学蓄熱反応器21の性能を容易に高めることができる。
【0051】
(1-7)化学蓄熱反応器21は、化学蓄熱体11と熱交換を行う熱交換器31を備えている。熱交換器31は、熱媒体の流路となる流路管32と、流路管32に接続される伝熱用フィン33とを備えるフィンチューブ式熱交換器である。化学蓄熱体11は、熱交換器31の伝熱用フィン33に接触して配置されている。
【0052】
この場合、フィンチューブ式熱交換器の伝熱用フィン33を利用して化学蓄熱材12と熱媒体との熱交換を効率的に行うことができる。
(第2実施形態)
化学蓄熱体11、及び化学蓄熱反応器21の第2実施形態について第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0053】
図5図7に示すように、第2実施形態の化学蓄熱体11の容器13における熱伝導部13bは、金属層MLを有している。本実施形態の金属層MLは、袋状の水蒸気透過性フィルムの側面を覆うように配置されている。すなわち、容器13は、金属層MLと、水蒸気透過性フィルムからなる水蒸気透過性フィルム層VLとの積層構造を有している。金属層MLと、水蒸気透過性フィルム層VLとの間には、例えば、樹脂系の接着剤からなる接着層を有していてもよいし、金属層MLと、水蒸気透過性フィルム層VLとは接触していてもよい。熱伝導部13bの熱伝導性を高めるという観点から、金属層MLと水蒸気透過性フィルム層VLとは、例えば、接着層等を設けずに接触していることが好ましい。金属層MLの金属としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等が挙げられる。金属層MLの厚さは、熱伝導性及び形状維持性を高めるという観点から、10μm以上であることが好ましい。金属層MLの厚さは、成形性を確保するという観点から、100μm以下であることが好ましい。
【0054】
図8(a)に示すように、本実施形態の化学蓄熱体11を得るには、まず袋状の水蒸気透過性フィルムにより化学蓄熱材12を包装することで包装体11aを得る。包装体11aは、水蒸気透過性フィルム層VLを有している。次に、包装体11aに金属箔MHを巻き付けるように配置するとともに、図8(b)に示すように、包装体11aと金属箔MHとを成形型51のキャビティ内に挿入する。次に、図8(c)に示すように、成形型51のキャビティ内で包装体11a及び金属箔MHを加圧することで、金属箔MHを包装体11aの外周面に密着するように変形させる。これにより、金属層MLを有する化学蓄熱体11を得ることができる。
【0055】
図5図7に示すように、第2実施形態の化学蓄熱反応器21における熱交換器31は、熱媒体の流路となる流路管32を有し、伝熱用フィンを有しないフィンレス熱交換器である。図6に示すように、化学蓄熱体11は、熱伝導部13bが流路管32に接触した状態で配置されている。本実施形態では、化学蓄熱体11の熱伝導部13bを構成する金属層MLが流路管32の外周面に接触している。
【0056】
図5図7に示すように、化学蓄熱反応器21は、複数の化学蓄熱体11を備えている。図6及び図7に示すように、化学蓄熱反応器21には、複数の化学蓄熱体11の熱伝導部13bが接触した状態で配置されている。本実施形態では、隣り合う複数の化学蓄熱体11の熱伝導部13bを構成する金属層MLが互いに接触している。また、本実施形態の化学蓄熱反応器21では、隣り合う複数の流路管32の間において流路管32の長さ方向に沿って複数の化学蓄熱体11が配列されている。
【0057】
第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1-1)~(1-6)欄に記載した効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(2-1)化学蓄熱体11の容器13における熱伝導部13bは、水蒸気透過部13aと異なる位置に配置される金属層MLを有している。この場合、金属層MLの熱伝導性を利用することで、化学蓄熱材12と外部との熱交換を効率的に行うことができる。
【0058】
(2-2)化学蓄熱反応器21の化学蓄熱体11は、フィンレス熱交換器である熱交換器31の流路管32に熱伝導部13bが接触した状態で配置されている。この場合、金属層MLの熱伝導性を利用することで、化学蓄熱材12と熱交換器31の熱媒体との熱交換を効率的に行うことができる。
【0059】
(2-3)化学蓄熱反応器21において、隣り合う複数の化学蓄熱体11は、熱伝導部13bが互いに接触した状態で配置されている。この場合、化学蓄熱体11の熱伝導部13bを熱交換器31の伝熱用フィンのように機能させることができる。このため、フィンレス熱交換器を用いたとしても、複数の化学蓄熱体11の各化学蓄熱材12と熱媒体との熱交換を効率的に行うことができる。
【0060】
(2-4)化学蓄熱反応器21の熱交換器31として、フィンレス熱交換器を用いている。この場合、化学蓄熱体11を複数のフィン部Fの間に挿入する煩雑な作業を回避することができる。すなわち、化学蓄熱体11を熱交換器31に組付け易くなるため、化学蓄熱反応器21を容易に製造することができる。
【0061】
(変更例)
上記実施形態を次のように変更してもよい。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0062】
・化学蓄熱体11の容器13は、水蒸気透過性フィルム以外の材料から構成した容器本体と、水蒸気透過性フィルムから構成した窓部とを備える構成に変更することもできる。この場合、容器13の窓部を水蒸気透過部13aとして構成することができる。なお、化学蓄熱体11の容器13の形状は、袋状に限定されず、例えば、箱状であってもよい。
【0063】
・化学蓄熱体11の容器13には、例えば、多孔質板材や金属メッシュ等の補強材が積層されていてもよい。
・化学蓄熱体11の容器13は、水蒸気透過性フィルムの熱融着により袋状に形成されているが、例えば、水蒸気透過性フィルムを接着剤により接着することで袋状に形成されていてもよい。
【0064】
・第2実施形態の化学蓄熱体11における熱伝導部13bは、水蒸気透過性フィルム層VLの外側に金属層MLが積層された構成を有しているが、熱伝導部13bを水蒸気透過性フィルム層VLの内側に金属層MLが積層された構成に変更することもできる。
【0065】
・第2実施形態の化学蓄熱体11の熱伝導部13bにおいて、金属層MLは、例えば、アルミニウム蒸着膜等の金属蒸着膜等により構成することもできる。
・第1実施形態における化学蓄熱反応器21の熱交換器31は、フィンチューブ式熱交換器であるが、この熱交換器31をフィンレス熱交換器に変更してもよい。
【0066】
・第2実施形態における化学蓄熱反応器21の熱交換器31は、フィンレス熱交換器であるが、この熱交換器31をフィンチューブ式熱交換器に変更してもよい。
次に、試験例について説明する。
【0067】
(試験例1)
試験例1では、図1図4に示す第1実施形態の化学蓄熱反応器21を用いて、放熱動作及び蓄熱動作を行った。化学蓄熱体11の水蒸気透過性フィルムとしては、ポリメチルペンテンフィルム(リケンファブロ株式会社製、商品名:フォーラップ、厚さ:10μm、水蒸気透過係数:1×10-13[mol・m/(m・sec・Pa)]以上)を用いた。化学蓄熱反応器21の熱交換器31は、コルゲートフィンチューブ型であり、コア容積は0.7Lである。化学蓄熱材12は、塩化カルシウム(CaCl、関東化学株式会社製、鹿1級)を用いた。化学蓄熱反応器21における化学蓄熱材12の充填量は、430gである。
【0068】
放熱動作は、水蒸気圧40kPa、化学蓄熱材12の初期温度100℃の条件で行い、放熱動作時の熱交換器31の中央部における化学蓄熱材12(塩化カルシウム)の温度変化を測温抵抗体により測定した。
【0069】
蓄熱動作は、水蒸気圧4kPa、化学蓄熱材12の加熱温度100℃の条件で行い、蓄熱材から脱水した水蒸気のモル量を化学蓄熱材12全体のモル量で除すことで、化学蓄熱材12(塩化カルシウム)の脱水比率を算出した。
【0070】
(試験例2)
試験例2では、図9に示す化学蓄熱反応器61を用いて、放熱動作及び蓄熱動作を行った。図9に示す化学蓄熱反応器61は、化学蓄熱体11を用いずに、熱交換器31のフィン部Fの間に化学蓄熱材12を配置し、金属フィルタ62(SUS製メッシュ、#400)を装着することで、水蒸気透過部を構成した。試験例2では、試験例1と同じ種類の熱交換器を用いた。また、試験例2で用いた化学蓄熱材12の種類及び充填量についても、試験例1と同じである。
【0071】
試験例2においても、試験例1と同じ条件で放熱動作及び蓄熱動作を行い、放熱動作時の化学蓄熱材12(塩化カルシウム)の温度変化を測温抵抗体により測定するとともに、蓄熱動作時の化学蓄熱材12(塩化カルシウム)の脱水比率を算出した。
【0072】
(試験結果)
試験例1の化学蓄熱反応器21及び試験例2の化学蓄熱反応器61のいずれにおいても、塩化カルシウムの潮解が確認された。試験例2の化学蓄熱反応器61では、塩化カルシウム水溶液が金属フィルタ62の網目を通じて漏れ出していたが、試験例1の化学蓄熱反応器21では、水蒸気透過性フィルムを通じた塩化カルシウム水溶液の漏れは確認されなかった。
【0073】
図10のグラフは、試験例1,2における放熱動作時の時間と化学蓄熱材12(塩化カルシウム)の温度との関係を示している。図11のグラフは、試験例1,2における時間と化学蓄熱材12(塩化カルシウム)の脱水比率との関係を示している。
【0074】
図10及び図11の結果から、試験例1の化学蓄熱反応器21では、放熱性能及び蓄熱性能について試験例2の化学蓄熱反応器61よりも僅かに低下するが、試験例1の化学蓄熱反応器21であっても、実質的な動作への影響はほとんどなく、十分な実用性が得られることが分かる。
【符号の説明】
【0075】
11…化学蓄熱体
12…化学蓄熱材
13…容器
13a…水蒸気透過部
13b…熱伝導部
21…化学蓄熱反応器
31…熱交換器
32…流路管
33…伝熱用フィン
ML…金属層
VL…水蒸気透過性フィルム層
P1…水蒸気流路
P2…熱媒体流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11