IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 木村情報技術株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-質疑応答システム 図1
  • 特開-質疑応答システム 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040490
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】質疑応答システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220304BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220304BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/06 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145234
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】306012444
【氏名又は名称】木村情報技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
5L049BB47
5L049BB64
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】商品やサービスに関する質疑応答だけで止まることなく、商品やサービスに関する商談へと円滑に誘導することができるシステムを提供すること。
【解決手段】本発明では、商品やサービスに関する質問に対して電子通信回線網(4)を介して回答する質疑応答システム(1)における処理プログラム(7)において、質問文に対して人工知能を用いて回答するAI質疑応答モードと、質問文に対してオペレーターが回答する対人質疑応答モードと、オンライン商談の予約を行うオンライン商談予約モードとを有し、人工知能又はオペレーターとの質疑応答だけでなく、オンライン商談の予約へとワンストップで進行させることができるようにして、質疑応答システム(1)の利便性を向上させた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品やサービスに関する質問に対して電子通信回線網を介して回答する質疑応答システムにおいて、
質問文に対して人工知能を用いて回答するAI質疑応答モードと、
質問文に対してオペレーターが回答する対人質疑応答モードと、
オンライン商談の予約を行うオンライン商談予約モードと、
を有することを特徴とする質疑応答システム。
【請求項2】
前記AI質疑応答モードにおいて、質問文の内容に応じて、対人質疑応答モード又はオンライン商談予約モードに誘導する回答を行うことを特徴とする請求項1に記載の質疑応答システム。
【請求項3】
前記AI質疑応答モードが優先され、AI質疑応答モードにおいて、対人質疑応答モード及びオンライン商談予約モードへの切替え操作を可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の質疑応答システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品やサービスに関する質問に対して電子通信回線網を介して回答する質疑応答システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバーコンピューターとクライアントコンピューターとを電子通信回線網を介して接続し、クライアントコンピューターから送信された商品やサービスに関する自然言語からなる質問文に対して、サーバーコンピューターが人工知能を用いて回答する質疑応答システムが利用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、商品やサービスに関して、より具体的な商談を行うために、電子通信回線網を介して行われるオンライン商談システムが利用されている(たとえば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-114633号公報
【特許文献2】特開2007-72966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の質疑応答システムでは、商品やサービスに関して比較的簡単な質問や汎用性の高い質問に対しては有効な回答が得られる。
【0006】
一方、上記従来のオンライン商談システムでは、商品やサービスに関してより具体的な商談を行うことができる。
【0007】
ところが、上記従来の質疑応答システムとオンライン商談システムとは、別個独立して利用されているのが現状であり、質疑応答システムを利用した商品やサービスに関する質疑応答の延長としてより具体的な商談が行えるオンライン商談システムへと誘導することができていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、商品やサービスに関する質問に対して電子通信回線網を介して回答する質疑応答システムにおいて、質問文に対して人工知能を用いて回答するAI質疑応答モードと、質問文に対してオペレーターが回答する対人質疑応答モードと、オンライン商談の予約を行うオンライン商談予約モードとを有することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記AI質疑応答モードでの質問文の内容に応じて、対人質疑応答モード又はオンライン商談予約モードに誘導する回答を行うことにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記AI質疑応答モードが優先され、AI質疑応答モードにおいて、対人質疑応答モード及びオンライン商談予約モードへの切替え操作を可能とすることにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、商品やサービスに関する質問に対して電子通信回線網を介して回答する質疑応答システムにおいて、質問文に対して人工知能を用いて回答するAI質疑応答モードと、質問文に対してオペレーターが回答する対人質疑応答モードと、オンライン商談の予約を行うオンライン商談予約モードとを有することにしているために、人工知能又はオペレーターとの質疑応答だけでなく、オンライン商談の予約へとワンストップで提供することができ、商品やサービスに関する商談へと円滑に誘導することができる。
【0013】
特に、AI質疑応答モードにおいて、質問文の内容に応じて、対人質疑応答モード又はオンライン商談予約モードに誘導する回答を行うことにした場合には、より円滑にAI質疑応答モードから対人質疑応答モードやオンライン商談予約モードへと誘導することができる。
【0014】
また、AI質疑応答モードが優先され、AI質疑応答モードにおいて、対人質疑応答モード及びオンライン商談予約モードへの切替え操作を可能とすることにした場合には、先にAI質疑応答モードで商品やサービスに関する比較的簡単な質問や汎用性の高い質問に対する回答を得た後で、対人質疑応答モードでより高度・複雑な質問に対する回答を得ることができ、また、オンライン商談によってより具体的な商談を行うことができ、商品やサービスに関する商談へとより一層円滑に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】質疑応答システムを示す説明図。
図2】質疑応答システムでの処理を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る質疑応答システムの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、質疑応答システム1は、システムの運営者のコンピューター(サーバーコンピューター2)とシステムのユーザーのコンピューター(クライアントコンピューター3)とを電子通信回線網4を介して接続して構成している。電子通信回線網4には、システムの運営者のコンピューターとして、ユーザーからの質問に対人で回答するためのコンピューター5や、オンライン商談を行うためのコンピューター6が接続されている。これらのコンピューター5,6をサーバーコンピューター2とは別に設けていてもよく、また、サーバーコンピューター2だけを用いて対人による回答やオンライン商談を行うようにしてもよい。ここで、各コンピューター2,3,5,6は、相互に通信可能なコンピューターとしての機能を有していればよく、大型コンピューターやパーソナルコンピューターや携帯端末機などが該当する。また、電子通信回線網4は、有線・無線や専用・汎用を問わず相互の通信が可能な機能を有していればよく、代表例としてインターネットが挙げられるが、必ずしもクラウドな環境である必要はなくオンプレミスな環境であってもよい。
【0018】
この質疑応答システム1において、サーバーコンピューター2は、クライアントコンピューター3からの要求に応じて、図2に示すような処理プログラム7を実行する。
【0019】
この処理プログラム7では、商品やサービスに関する質問や商談を受ける側となるシステムの運営者のコンピューター(サーバーコンピューター2やコンピューター5,6)と、商品やサービスに関する質問や商談を希望する側となるシステムのユーザーのコンピューター(クライアントコンピューター3)との間で、電子通信回線網4を介して、相互に送受信を行いながら進行するモードとして、AI質疑応答モードと、対人質疑応答モードと、オンライン商談予約モードと、オンライン商談モードとを有している。
【0020】
AI質疑応答モードでは、質問文に対して人工知能を用いて回答する。すなわち、クライアントコンピューター3からサーバーコンピューター2に送信された商品やサービスに関する自然言語からなる質問文に対して、サーバーコンピューター2が人工知能を用いて、自然言語からなる質問文を解析し、学習データから該当する回答を抽出し、クライアントコンピューター3に回答を送信する。
【0021】
対人質疑応答モードでは、質問文に対してオペレーターが回答する。すなわち、クライアントコンピューター3からオペレーターのコンピューター5に送信された商品やサービスに関する質問文に対して、オペレーターがコンピューター5からクライアントコンピューター3に回答を送信する。
【0022】
オンライン商談予約モードでは、オンライン商談の予約を行う。すなわち、サーバーコンピューター2がクライアントコンピューター3にオンライン商談が可能な日時を送信し、その中からユーザーが選択した日時をクライアントコンピューター3からサーバーコンピューター2に送信し、サーバーコンピューター2がオンライン商談の日時を設定する。
【0023】
オンライン商談モードでは、オンライン商談を行う。すなわち、クライアントコンピューター3とオンライン商談用のコンピューター6とを電子通信回線網4を介して接続し、オンライン上で商品やサービスに関する商談を行う。
【0024】
処理プログラム7では、クライアントコンピューター3の画面上に、上記AI質疑応答モード、対人質疑応答モード、オンライン商談予約モード、オンライン商談モードへ切り替えるための操作アイコンを表示し、ユーザーがクライアントコンピューター3を用いて選択した(画面上の操作アイコンをクリックするなどの操作をした)場合に、サーバーコンピューター2(コンピューター5,6)とクライアントコンピューター3との間でユーザーが選択したいずれかのモードでの処理に移行するようにしてもよい。
【0025】
しかし、図2に示す処理プログラム7では、クライアントコンピューター3からサーバーコンピューター2にアクセスがあると、サーバーコンピューター2は、AI質疑応答モードでの処理に優先して移行する。これにより、ユーザーは、AI質疑応答モードにおいて、商品やサービスに関する比較的簡単な質問や汎用性の高い質問に対する回答を得ることができる。
【0026】
このAI質疑応答モードにおいて、サーバーコンピューター2は、クライアントコンピューター3の画面上に、対人質疑応答モード及びオンライン商談予約モードへの切替え操作を可能とする操作アイコンを表示する。
【0027】
そして、AI質疑応答モードにおいて、ユーザーが対人での質疑応答を希望した場合に、ユーザーが対人質疑応答モードへ切り替えるための操作アイコンを操作すると、サーバーコンピューター2は、対人質疑応答モードでの処理に移行する。これにより、ユーザーは、対人質疑応答モードにおいて、商品やサービスに関するより高度・複雑な質問に対する回答を得ることができる。
【0028】
ここで、AI質疑応答モードにおいて、サーバーコンピューター2は、ユーザーからの質問文の内容に応じて、AI質疑応答モードから対人質疑応答モードに切り替えたほうが好適であると判断した場合に、ユーザーに対人質疑応答モードへ切り替えるよう誘導する回答を行うこともできる。たとえば、ユーザーからの質問に対する回答の中に、AI質疑応答モードから対人質疑応答モードに切り替えたほうが好適である旨とともに、対人質疑応答モードへの切替え操作を可能とする操作アイコンを併せて回答する。ユーザーがその操作アイコンを操作することで、サーバーコンピューター2は、対人質疑応答モードでの処理に移行する。これにより、円滑にAI質疑応答モードから対人質疑応答モードへと誘導(移行)することができる。
【0029】
この対人質疑応答モードにおいて、サーバーコンピューター2は、クライアントコンピューター3の画面上に、オンライン商談予約モードへの切替え操作を可能とする操作アイコンを表示する。なお、対人質疑応答モードにおいて、サーバーコンピューター2は、クライアントコンピューター3の画面上に、AI質疑応答モードへの切替え操作を可能とする操作アイコンを表示してもよい。
【0030】
そして、対人質疑応答モードにおいて、ユーザーがオンライン商談の予約を希望した場合に、ユーザーがオンライン商談予約モードへ切り替えるための操作アイコンを操作すると、サーバーコンピューター2は、オンライン商談予約モードでの処理に移行する。なお、AI質疑応答モードにおいても、ユーザーがオンライン商談の予約を希望した場合に、ユーザーがオンライン商談予約モードへ切り替えるための操作アイコンを操作すると、サーバーコンピューター2は、オンライン商談予約モードでの処理に移行する。これにより、ユーザーは、オンライン商談モードにおいて、ワンストップで人工知能による質疑応答や対人による質疑応答を経てオンライン商談の予約まで行うことができる。
【0031】
その後、オンライン商談モードにおいて、ユーザーは、オンライン商談によって商品やサービスのより具体的な商談を行うことができる。
【0032】
以上に説明したように、商品やサービスに関する質問に対して電子通信回線網4を介して回答する上記質疑応答システム1における処理プログラム7は、質問文に対して人工知能を用いて回答するAI質疑応答モードと、質問文に対してオペレーターが回答する対人質疑応答モードと、オンライン商談の予約を行うオンライン商談予約モードとを有する構成となっている。
【0033】
そのため、上記構成の質疑応答システム1における処理プログラム7では、人工知能又はオペレーターとの質疑応答だけでなく、オンライン商談の予約へとワンストップで提供することができ、商品やサービスに関する商談へと円滑に誘導することができるので、質疑応答システム1の利便性を向上させることができる。
【0034】
また、上記質疑応答システム1における処理プログラム7は、AI質疑応答モードにおいて、質問文の内容に応じて、対人質疑応答モード又はオンライン商談予約モードに誘導する回答を行う構成となっている。
【0035】
そのため、上記構成の質疑応答システム1における処理プログラム7では、より円滑にAI質疑応答モードから対人質疑応答モードやオンライン商談予約モードへと誘導することができる。
【0036】
また、上記質疑応答システム1における処理プログラム7は、AI質疑応答モードが優先され、AI質疑応答モードにおいて、対人質疑応答モード及びオンライン商談予約モードへの切替え操作を可能とする構成となっている。
【0037】
そのため、上記構成の質疑応答システム1における処理プログラム7では、先にAI質疑応答モードで商品やサービスに関する比較的簡単な質問や汎用性の高い質問に対する回答を得た後で、対人質疑応答モードでより高度・複雑な質問に対する回答を得ることができ、また、オンライン商談によってより具体的な商談を行うことができ、商品やサービスに関する商談へとより一層円滑に誘導することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 質疑応答システム
2 サーバーコンピューター
3 クライアントコンピューター
4 電子通信回線網
5,6 コンピューター
7 処理プログラム
図1
図2