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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040552
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】電話取次システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/54 20060101AFI20220304BHJP
   H04M 3/46 20060101ALI20220304BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04M3/54
H04M3/46
H04Q3/58 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145320
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】390001454
【氏名又は名称】NECネッツエスアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100007983
【弁理士】
【氏名又は名称】笹川 拓
(72)【発明者】
【氏名】浦辻 信貴
(72)【発明者】
【氏名】杉山 崇
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲
(72)【発明者】
【氏名】海崎 友徳
(72)【発明者】
【氏名】高村 彩花
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健太
(72)【発明者】
【氏名】韓 軒
(72)【発明者】
【氏名】松本 次郎
【テーマコード(参考)】
5K049
5K201
【Fターム(参考)】
5K049BB05
5K049EE02
5K049FF01
5K049FF42
5K049FF47
5K201BA15
5K201BC08
5K201BC11
5K201CB05
5K201CB13
5K201CB14
5K201CC04
5K201CC07
5K201CC10
5K201EC03
5K201EC08
(57)【要約】
【課題】 発信者からの架電に所望取次先が出られない場合であっても、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、転送される代理取次先候補にとっても状況に応じて無理なく電話が転送されるため、架電側と受電側の両者にとってメリットを有する電話取次システムを提供する。
【解決手段】所望取次先が電話に出られない場合、取次先情報26aから、架電に係る電話番号等に紐付けられた代理取次先候補を抽出し、抽出された候補について、ステータス情報28aにより受話可能かを判定し、かつ、代理取次先位置情報と取次エリア情報27aとを照合して代理取次先候補が取次可能エリア内に位置するかを判定して、抽出された代理取次先の候補が受話可能であり、かつ、取次可能エリア内に位置すると判定された場合に、代理取次先の近傍に位置する通信端末7に発信者からの架電を転送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信者からの架電を所望の取次先が出られない場合に、代理の取次先となる代理取次先を確保するための電話取次システムであって、
前記代理取次先の候補の識別情報を、当該識別情報を取得した位置に係る識別情報取得位置情報とともに取得可能である識別情報取得部と、
前記所望取次先が電話に出られない場合に、代理取次先確保条件により、前記代理取次先の近傍に位置する通信端末を選定して前記発信者の架電を転送する電話取次部とを備え、
当該電話取次部は、前記架電に係る電話番号又は前記所望取次先に紐付けられた前記代理取次先の候補の一覧からなり、かつ、前記代理取次先の候補に係る前記識別情報と紐付けられた取次先情報と、
前記代理取次先の候補に対して設定された、当該代理取次先についての取次可能エリアからなる取次エリア情報と、
前記代理取次先について受話可否のステータス情報と、
前記識別情報、前記識別情報取得位置情報及び前記取次先情報から前記代理取次先の候補の位置に係る代理取次先位置情報を特定可能である取次先位置情報特定部と、
前記所望取次先が電話に出られない場合、前記取次先情報から、前記架電に係る電話番号又は前記所望取次先に紐付けられた前記代理取次先の候補を抽出し、抽出された当該代理取次先の候補について、前記ステータス情報により受話可能かを判定し、かつ、前記取次先位置情報特定部からの前記代理取次先位置情報と前記取次エリア情報とを照合して当該代理取次先の候補が前記取次可能エリア内に位置するかどうかを判定して、前記抽出された代理取次先の候補が受話可能であり、かつ、前記取次可能エリア内に位置すると判定された場合に前記代理取次先確保条件を満たすものとして、前記発信者からの架電を転送する前記代理取次先を特定する取次先特定部と、
当該取次先特定部によって特定された前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末に前記発信者からの架電を転送する転送部とを有することを特徴とする電話取次システム。
【請求項2】
前記識別情報取得部は、前記所望取次先の識別情報をも当該識別情報を取得した位置に係る識別情報取得位置情報とともに取得可能であり、
前記取次先情報は、前記架電に係る電話番号に紐付けられた前記所望取次先の候補の一覧、かつ、当該所望取次先の候補の各々の前記識別情報をも含み、
前記取次先位置情報特定部は、前記所望取次先の識別情報、当該識別情報に係る識別情報取得位置情報及び前記取次先情報から前記所望取次先の位置情報をも所望取次先位置情報として特定可能であり、
前記取次エリア情報は前記所望取次先に対して設定された、当該所望取次先についての取次可能エリアに係る情報をも含み、
前記ステータス情報は、前記所望取次先について受話可否の情報をも含み、
前記取次先特定部は、前記発信者の架電があった場合、前記所望取次先について、前記取次先情報から、前記架電に係る電話番号に紐付けられた前記所望取次先を抽出し、抽出された当該所望取次先について、所望取次先確保条件として、前記ステータス情報により受話可能かを判定し、かつ、前記所望取次先位置情報と前記取次エリア情報とを照合して当該所望取次先が前記取次可能エリア内に位置するかどうかを判定し、
前記所望取次先の前記ステータス情報が受話可能であり、かつ、前記取次可能エリア内に位置すると判定された場合に、前記所望取次先確保条件を満たすものとして、前記転送部は、前記発信者からの架電を前記所望取次先の近傍に位置する通信端末に転送し、
前記所望取次先の前記ステータス情報が受話不可である場合、前記取次可能エリア外に位置すると判定された場合又は前記電話取次部から転送された前記発信者からの架電に前記所望取次先が受話しない場合に、前記電話取次部は、前記代理取次先確保条件に従い前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末に前記発信者の架電を転送することを特徴とする請求項1に記載の電話取次システム。
【請求項3】
前記取次先位置情報特定部は、前記代理取次先を識別可能な前記識別情報を得られた位置から当該代理取次先の前記位置情報を特定し、
前記識別情報は、前記代理取次先の所持する携帯通信端末、識別タグ又は前記代理取次先の生体情報から得られることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電話取次システム。
【請求項4】
前記通信端末は、前記代理取次先の所持する携帯通信端末及び/又は据置型通信端末であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の電話取次システム。
【請求項5】
前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末は、前記代理取次先が着信を知覚可能である距離に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の電話取次システム。
【請求項6】
前記電話取次部は、前記発信者の架電に係る前記電話番号により前記所望取次先を特定する、又は前記発信者からの入力動作により前記所望取次先を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1に記載の電話取次システム。
【請求項7】
前記取次可能エリアは前記代理取次先ごとに予め設定可能であり、又は前記代理取次先の一覧で一括して予め設定可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の電話取次システム。
【請求項8】
前記電話取次部は、さらに、前記ステータス情報について予め受話不可かどうかを判定するステータス判定部を有し、
当該ステータス判定部は、予め受話不可と申告されている場合及び/又は所定のステータス判定条件に従い受話不可かどうかを判定して前記ステータス情報を更新することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の電話取次システム。
【請求項9】
前記電話取次部は、さらに、前記発信者からの架電を転送する前記通信端末の候補の位置に係る通信端末位置情報と前記代理取次先位置情報とを照合して、前記発信者の架電を転送する前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末を選定する近傍通信端末選定部とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1に記載の電話取次システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信者からの架電に所望の取次先(所望取次先)が出られない場合であっても、取次先確保条件に従って、代理の取次先の候補の受話可否の状況をも考慮して、発信者の架電を転送するため、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、代理取次先の候補にとっても状況に応じて無理なく電話が転送されるため、架電側と受電側の両者にとってメリットを有する電話取次システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方改革の進行により、働き方の多様化が進み、オフィスでの業務に代えて、在宅業務や、自宅近くのサテライトでの業務等、従来のオフィス出社型勤務が変化してきており、さらに、コロナ禍において、そのスピードが急加速しており、急速にオフィスでの出勤時間が急激に減っている。
【0003】
コロナ禍以前においては、顧客からの大事な電話を逃すことは、ビジネス上の機会の大きな損失へと繋がるため、顧客からの電話対応を確実に行うべく、電話番をオフィスに置いて機会の損失を避けることが行われていたが、コロナ禍において、電話番のためだけに社員を出社させることは益々困難となってきている。
【0004】
この場合、顧客からの電話に対して発信者たる顧客が所望する取次先が架電に出られない場合に、代理の取次先へと架電を転送することが行われており、適切なものへと架電を転送するため種々の工夫が行われている。
【0005】
例えば、特許文献1の電話システムによれば、一斉着信やグループ着信の着信先に携帯端末が含まれている場合、携帯端末が、オフィス内というような着信通知エリアのエリア内またはエリア外のいずれに存在しているかを、電話制御装置で自動的に把握することができる点が開示されている。これにより、当該携帯端末がエリア内に存在する場合には当該着信を通知し、当該携帯端末がエリア外に存在する場合には当該着信の通知を回避している。
【0006】
このため、携帯端末がオフィス内のような着信通知エリア内に存在する場合にのみ、一斉着信やグループ着信が通知されるため、携帯端末の利用者が応答した着信が一斉着信やグループ着信であっても、当該着信の着信先となる固定端末の利用者の応答可否を把握して、スムーズに電話を取り次ぐことができるとしている。
【0007】
また、携帯端末が着信通知エリア外、即ち、オフィス外に存在する場合には、一斉着信やグループ着信ではなく当該利用者が応答すべき着信のみが通知されるため、携帯端末の利用者は、迷うことなく着信に応答することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013-207320
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、電話の取次にあたっては、種々の工夫がなされており、さらに、架電側及び受電側にとっても使いやすい電話取次システムが求められている。
【0010】
今回、本願発明者は試行錯誤の結果、発信者からの架電に所望の取次先(所望取次先)が出られない場合であっても、取次先確保条件に従って、代理の取次先の候補の受話可否の状況をも考慮して、発信者の架電を転送するため、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、代理取次先の候補にとっても状況に応じて無理なく電話が転送されるため、架電側と受電側の両者にとってメリットを有する電話取次システムの想起するに至ったものであり、本発明はこの電話取次システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的達成のため、本発明の電話取次システムは、 発信者からの架電を所望の取次先が出られない場合に、代理の取次先となる代理取次先を確保するための電話取次システムであって、前記代理取次先の候補の識別情報を、当該識別情報を取得した位置に係る識別情報取得位置情報とともに取得可能である識別情報取得部と、前記所望取次先が電話に出られない場合に、代理取次先確保条件により、前記代理取次先の近傍に位置する通信端末を選定して前記発信者の架電を転送する電話取次部とを備え、当該電話取次部は、前記架電に係る電話番号又は前記所望取次先に紐付けられた前記代理取次先の候補の一覧からなり、かつ、前記代理取次先の候補に係る前記識別情報と紐付けられた取次先情報と、前記代理取次先の候補に対して設定された、当該代理取次先についての取次可能エリアからなる取次エリア情報と、前記代理取次先について受話可否のステータス情報と、前記識別情報、前記識別情報取得位置情報及び前記取次先情報から前記代理取次先の候補の位置に係る代理取次先位置情報を特定可能である取次先位置情報特定部と、前記所望取次先が電話に出られない場合、前記取次先情報から、前記架電に係る電話番号又は前記所望取次先に紐付けられた前記代理取次先の候補を抽出し、抽出された当該代理取次先の候補について、前記ステータス情報により受話可能かを判定し、かつ、前記取次先位置情報特定部からの前記代理取次先位置情報と前記取次エリア情報とを照合して当該代理取次先の候補が前記取次可能エリア内に位置するかどうかを判定して、前記抽出された代理取次先の候補が受話可能であり、かつ、前記取次可能エリア内に位置すると判定された場合に前記代理取次先確保条件を満たすものとして、前記発信者からの架電を転送する前記代理取次先を特定する取次先特定部と、当該取次先特定部によって特定された前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末に前記発信者からの架電を転送する転送部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前記識別情報取得部は、前記所望取次先の識別情報をも当該識別情報を取得した位置に係る識別情報取得位置情報とともに取得可能であり、前記取次先情報は、前記架電に係る電話番号に紐付けられた前記所望取次先の候補の一覧、かつ、当該所望取次先の候補の各々の前記識別情報をも含み、前記取次先位置情報特定部は、前記所望取次先の識別情報、当該識別情報に係る識別情報取得位置情報及び前記取次先情報から前記所望取次先の位置情報をも所望取次先位置情報として特定可能であり、前記取次エリア情報は前記所望取次先に対して設定された、当該所望取次先についての取次可能エリアに係る情報をも含み、前記ステータス情報は、前記所望取次先について受話可否の情報をも含み、前記取次先特定部は、前記発信者の架電があった場合、前記所望取次先について、前記取次先情報から、前記架電に係る電話番号に紐付けられた前記所望取次先を抽出し、抽出された当該所望取次先について、所望取次先確保条件として、前記ステータス情報により受話可能かを判定し、かつ、前記所望取次先位置情報と前記取次エリア情報とを照合して当該所望取次先が前記取次可能エリア内に位置するかどうかを判定し、前記所望取次先の前記ステータス情報が受話可能であり、かつ、前記取次可能エリア内に位置すると判定された場合に、前記所望取次先確保条件を満たすものとして、前記転送部は、前記発信者からの架電を前記所望取次先の近傍に位置する通信端末に転送し、前記所望取次先の前記ステータス情報が受話不可である場合、前記取次可能エリア外に位置すると判定された場合又は前記電話取次部から転送された前記発信者からの架電に前記所望取次先が受話しない場合に、前記電話取次部は、前記代理取次先確保条件に従い前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末に前記発信者の架電を転送することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の前記取次先位置情報特定部は、前記代理取次先を識別可能な前記識別情報を得られた位置から当該代理取次先の前記位置情報を特定し、前記識別情報は、前記代理取次先の所持する携帯通信端末、識別タグ又は前記代理取次先の生体情報から得られることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の前記通信端末は、前記代理取次先の所持する携帯通信端末及び/又は据置型通信端末であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末は、前記代理取次先が着信を知覚可能である距離に位置することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の前記電話取次部は、前記発信者の架電に係る前記電話番号により前記所望取次先を特定する、又は前記発信者からの入力動作により前記所望取次先を特定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の前記取次可能エリアは前記代理取次先ごとに予め設定可能であり、又は前記代理取次先の一覧で一括して予め設定可能であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の前記電話取次部は、さらに、前記ステータス情報について予め受話不可かどうかを判定するステータス判定部を有し、当該ステータス判定部は、予め受話不可と申告されている場合及び/又は所定のステータス判定条件に従い受話不可かどうかを判定して前記ステータス情報を更新することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の前記電話取次部は、さらに、前記発信者からの架電を転送する前記通信端末の候補の位置に係る通信端末位置情報と前記代理取次先位置情報とを照合して、前記発信者の架電を転送する前記代理取次先の近傍に位置する前記通信端末を選定する近傍通信端末選定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電話取次システムによれば、発信者からの架電に所望の取次先(所望取次先)が出られない場合であっても、取次先確保条件に従って、代理の取次先(代理取次先)の候補の受話可否の状況をも考慮して、発信者の架電を転送するため、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、代理取次先の候補にとっても受話可否の状況に応じて無理なく電話が転送されるため、架電側と受電側の両者にとってメリットを有する電話取次対応が可能となる。
【0021】
即ち、本発明の電話取次システムによれば、取次先情報から、架電に係る電話番号又は所望取次先に紐付けられた代理取次先の候補を抽出し、抽出された代理取次先の候補について、ステータス情報により受話可能かを判定し、かつ、代理取次先位置情報と取次エリア情報とを照合して、代理取次先が取次可能エリア内に位置するかどうかを判定することにより、代理取次先候補のステータス及び位置の両面から代理取次先候補が受話可能かを判定して、代理取次先に発信者の架電を転送するため、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、代理取次先の候補にとっても受話可否の状況に応じて無理なく電話が転送される。
【0022】
また、本発明の電話取次システムによれば、発信者が架電した所望取次先についても、その受話可否の状況が考慮されて、発信者の架電を転送するため、所望取次先にとっても受話可否の状況に応じて無理なく電話が転送される。
【0023】
即ち、本発明の電話取次システムによれば、発信者の架電があった場合、所望取次先について、ステータス情報により受話可能かを判定し、かつ、所望取次先の位置情報と取次エリア情報とを照合して所望取次先が取次可能エリア内に位置するかどうかを判定することにより、所望取次先候補のステータス及び位置の両面から所望取次先が受話可能かを判定して、所望取次先に発信者の架電を転送するため、所望取次先にとっても状況に応じて無理なく電話が転送される。
【0024】
また、本発明の電話取次システムによれば、代理取次先の候補は、携帯通信端末又は識別タグのみならず、生体情報から識別情報及び識別情報取得位置情報が取得されて、代理取次先の候補の位置が特定されるため、位置特定のための専用機器等を意識的に所持することなしに無理なく代理取次先の候補の位置を特定可能である。
【0025】
また、本発明の電話取次システムによれば、代理取次先の近傍に位置する通信端末は、代理取次先の所持する携帯通信端末のみならず、代理取次先が着信を知覚可能である距離に位置する据置型通信端末をも含むことから、代理取次先が着信を見逃す機会が低減され、さらに周囲に位置する者が知らせてくれる効果も期待され、より、発信者の架電を無駄になることが防止される。
【0026】
即ち、据置型通信端末が固定電話、デスクトップPC、ノートPC、TV電話、WEB電話、WEB会議システム、テレビ会議システム等である場合、これらに付随するディスプレイやスピーカー等の出力装置を通して代理取次先への着信を通知することが可能であり、発信者の架電を無駄になることが防止される。
【0027】
従って、本発明の電話取次システムによれば、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、代理取次先の候補にとっても受話可否の状況に応じて無理なく電話が転送されるため、架電側と受電側の両者にとってメリットを有する電話取次対応が可能となり、オフィスに電話番を置く必要がなく、勤務地に縛られない柔軟な働き方を促進可能である。
【0028】
即ち、オフィスに電話番を置く必要がないため、人員の最適配置が可能となるばかりか、電話の取次時間の削減及び削減分の時間を別の業務に割り当てることで業務効率化や生産性の向上に繋がる。
【0029】
さらには、電話が取り次げる場所であれば、同じの部署や職種に属する従業員であっても、同じ勤務地に必ずしも出社する必要がなく、在宅勤務やサテライトオフィスへの出社等であっても対応可能であり、勤務地に縛られない柔軟な働き方を促進するだけでなく、従業員同士の接触を避けることが可能となり、コロナ禍における感染防止に貢献可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の電話取次システムの機能ブロック図である。
図2】取次先情報テーブルの一例を示す図である。
図3】取次エリア情報テーブルの一例を示す図である。
図4】取次エリアを説明する概念図である。
図5】ステータス情報テーブルの一例を示す図である。
図6】通信端末位置情報テーブルの一例を示す図である。
図7】本発明の電話取次システムの取次先を確保するための処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明による電話取次システムを実施するための形態について説明する。尚、本発明の電話取次システムは、発信者からの架電に所望の取次先(所望取次先)が出られない場合であっても、取次先確保条件に従って、代理の取次先(代理取次先)の候補の受話可否の状況をも考慮して、発信者の架電を転送するため、発信者の架電を無駄にすることなく、かつ、代理取次先の候補にとっても受話可否の状況に応じて無理なく電話が転送されるため、架電側と受電側の両者にとってメリットを有するものである。
【0032】
[各語の定義]
本発明の説明にあたり、各語の意味を以下に説明する。
【0033】
「所望取次先」とは、発信者が架電し、受電を望む所望の取次先を意味する。所望取次先は単数又は複数の別を問わない。そのため、発信者の架電がグループ一斉着信である場合は、グループの誰も受話できない場合に本発明の後述する代理取次先の特定が必要となる。
【0034】
「代理取次先」とは、所望取次先が発信者の架電を受話できない場合に、発信者の架電が転送される代理の取次先を意味する。
【0035】
「識別情報」とは、取次先となる所望取次先及び代理取次先を特定するための情報であり、これら取次先が所持する識別情報保持媒体、即ち、携帯通信端末のID(携帯通信端末ID)、取次先が所持するICタグ内蔵の社員証等の識別タグID、さらには生体情報を有する取次先自体を意味する。
【0036】
「生体情報」は、取次先を身体の状態から本人を識別するための情報であり、例えば、取次先本人の顔の形態、指紋であれば、取次先本人の指先の紋様、その他、静脈、虹彩、声紋等も想定され、これらの生体情報から特徴点を抽出した特徴点情報も識別情報に含む。
【0037】
「識別情報取得位置情報」とは、識別情報を取得した位置の情報であり、携帯通信端末IDが取得された携帯通信端末の位置、識別タグIDが取得された社員証等に内蔵されたICタグの位置、さらには生体情報が取得された取次先自体の位置を意味する。
【0038】
「通信端末位置情報」とは、発信者の架電が転送される可能性のある通信端末の候補が存在する位置の情報であり、具体的には、所望取次先又は代理取次先の近傍に位置する通信端末(取次先近傍通信端末)の位置情報を含有することが必要であり、通信端末が携帯通信端末である場合は、携帯通信端末の移動により、通信端末位置情報も移動することなり、据置型通信端末の場合はその設置場所が該当する。取次先近傍通信端末が携帯通信端末の場合は、識別情報保持媒体と一致する。
【0039】
「取次先情報」とは、所望取次先及び代理取次先の候補の識別情報からそれら本人の氏名や所属を特定可能であり、さらには所望取次先として発信者からの架電を受話できない場合の代理取次先の候補が紐付けられており、この代理取次先の候補は単数又は複数を問うものではない。
【0040】
「取次エリア情報」とは、所望取次先及び代理取次先の候補に対して予め設定された取次可能なエリアと取次不可のエリアを示す情報であり、所望取次先及び代理取次先の候補の識別情報に紐付けられている。この取次エリアは、所望取次先及び代理取次先の候補の各々について、個別に設定されても、全員一括で設定されてもよく、さらに、所属・勤務先等のグループ単位で設定されてもよいことは当然である。
【0041】
「ステータス情報」とは、所望取次先及び代理取次先の候補について、その状況(ステータス)から、予め受話の可否を示した情報であり、所望取次先及び代理取次先の候補の識別情報に紐付けられている。所望取次先自身及び代理取次先の候補自身や、それら関係者等から申告される場合や、所望取次先及び代理取次先の候補のスケジュール情報等から電話取次システムにより受話不可と判定される場合に、ステータス情報は、受話不可となる。
【0042】
「スケジュール情報」とは、所望取次先及び代理取次先の候補のステータス情報について、電話取次システムが、所望取次先及び代理取次先の候補が受話可能かどうかの状態をスケジュールから判定するための情報であり、所望取次先及び代理取次先の候補の予定として日時ごとの執務中、会議中、優先順位の高い案件を執務中といった予定の情報であり、「会議中」、「優先順位の高い案件を執務中」等といった場合に、所望取次先及び代理取次先の候補のスケジュールから受話不可と判定するための基礎となる情報である。
【0043】
[電話取次システムの構成概要]
まず、電話取次システムの構成の概要を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の電話取次システムの機能ブロック図である。
【0044】
図1に示すように、本発明の電話取次システム1は、電話取次部2、識別情報取得部3、識別情報保持媒体6、取次先近傍通信端末7、スケジュール情報管理装置8を有し、これら各構成要素は通信ネットワーク9で互いに通信可能に構成されている。また、電話取次システム1の構成要素外として、発信者の通信端末5によって架電される。
【0045】
電話取次部2は、発信者の通信端末5からの架電を受けて、所望取次先及び代理取次先が保持する識別情報保持媒体6から予め得られた識別情報6a及び識別情報取得位置情報6bから、所望取次先や代理取次先の位置を特定して、かつ、所望取次先や代理取次先が受話可能かどうかのステータス情報及び取次可能エリア内にいるのかどうかを判定し、適切な取次先近傍通信端末7に電話を転送するものである。
【0046】
[電話取次システムの各構成要素]
図1図2乃至図6を加えて、本発明の実施形態に係る電話取次システムの各構成要素について説明する。図2は、取次先情報テーブルの一例を示す図である。図3は、取次エリア情報テーブルの一例を示す図である。図4は、取次エリアを説明する概念図である。図5は、ステータス情報テーブルの一例を示す図である。図6は、通信端末位置情報テーブルの一例を示す図である。
【0047】
[電話取次部]
電話取次部2について説明する。電話取次部2は、電話取次システム1の中枢を担うものであり、電話の取次ぎ処理全般を処理するものであり、取次先位置情報特定部21、ステータス判定部22、取次先特定部23、近傍通信端末選定部24、転送部25、取次先情報データベース26(取次先情報DB26)、取次エリア情報データベース27(取次エリア情報DB27)、ステータス情報データベース28(ステータス情報DB28)、通信端末位置情報データベース29(通信端末位置情報DB29)から構成されている。
【0048】
また、電話取次部2は、IP(Internet Protocol)対応のPBX(構内交換機)や、SIPサーバ(Session Initiation Protocol)のようにコンピュータ上に所定のソフトウェアを搭載することにより構成され、所定のソフトウェアのプログラムに基づいて動作する。
【0049】
取次先位置情報特定部21は、識別情報取得部3から送信された識別情報6a、識別情報取得位置情報6b及び取次先情報26aから所望取次先又は代理取次先の候補の位置を特定可能である。
【0050】
即ち、取次先位置情報特定部21は、識別情報取得部3から送信された識別情報6aと、この識別情報6aを取得した位置情報である識別情報取得位置情報6bは、識別情報6aが取次先情報26aと紐付けられていることから、所望取次先又は代理取次先の候補が特定され、これらの位置情報が特定される。
【0051】
この場合、取次先位置情報特定部21によって特定された所望取次先の位置情報を、所望取次先位置情報と称し、代理取次先の位置情報を、代理取次先位置情報と称する。
【0052】
ステータス判定部22は、ステータス情報28aを用いて所望取次先又は代理取次先の候補が受話可能又は受話不可の状態判定を行い、ステータス情報28aを更新するものである。
【0053】
予め所望取次先、代理取次先の候補、それら関係者等が入力可能な端末等から所望取次先、代理取次先の候補について受話不可であると申告された場合に状態(ステータス)を受話不可と判定してステータス情報28aを更新する。
【0054】
また、ステータス判定部22は、スケジュール情報8a1及び所定のステータス判定条件に従い所望取次先及び代理取次先の候補が受話可能かどうかの状態を判定してステータス情報28aを更新する。この所定のステータス判定条件とは種々のものが想定され、例えば、会議中や、優先順位の高い案件を執務中といった場合に自在に設定され、所望取次先及び代理取次先の候補のスケジュール情報8a1にアクセスして受話可能か否かの状態(ステータス)の判定を行い、ステータス情報28aを更新する。
【0055】
また、ステータス判定部22は、スケジュール情報8a1を用いることなしに、又はスケジュール情報8a1に併用して、現在の状態情報を用いて所定のステータス判定条件に従い所望取次先及び代理取次先の候補が受話可能かどうかの状態を判定してステータス情報28aを更新する。即ち、現在の状態情報とは、ステータス判定部22が、所望取次先及び代理取次先の候補について、現時点において実際に通信端末を用いて通信を行っていること等を検知して、受話可能かどうかの状態を判定してステータス情報28aを更新することも可能である。例えば、固定電話で会話中や、TV電話で会話中であることをこれら通信端末からの通知により検知した場合等は、受話不可であると判定してステータス情報28aを更新することも可能である。
【0056】
取次先特定部23は、発信者からの架電を誰に転送するのかを特定するものであり、取次先確保条件に従って、誰にその架電を転送するのかを特定する。発信者が架電した第一の目的である所望取次先については、所望取次先確保条件に従って、所望取次先に架電を転送するか否かを判定する。また、取次先特定部23により、所望取次先が受話不可と判定された場合、実際に転送したものの、受話しなかった場合については、取次先特定部23は、代理取次先確保条件に従い、発信者からの架電を転送する代理取次先を特定する。
【0057】
この場合、所望取次先確保条件とは次の第1条件と第2条件を意味する。即ち、取次先特定部23は、発信者の架電があった場合、所望取次先について、所望取次先確保条件として、ステータス情報28aにより受話可能かを判定し(第1条件)、かつ、取次先位置情報特定部21からの所望取次先位置情報と所望取次先の取次エリア情報27aとを照合して所望取次先が取次可能エリア内に位置するかどうかを判定し(第2条件)、所望取次先のステータス情報28aが受話可能であり(第1条件クリア)、かつ、取次可能エリア内に位置すると判定された場合に(第2条件クリア)、第1及び第2の両条件のクリアにより所望取次先確保条件を満たすものとして判定される。
【0058】
一方で、所望取次先のステータス情報28aが受話不可である場合(第1条件クリアせず)、取次可能エリア外に位置すると判定された場合(第2条件クリアせず)又は所望取次先確保条件を満たすものとして実際に転送された発信者からの架電に所望取次先が受話しなかった場合は、代理取次先確保条件に従い代理取次先の特定を行う。
【0059】
代理取次先確保条件とは次の第3条件乃至第5条件を意味する。即ち、取次先特定部23は、所望取次先が電話に出られない場合、取次先情報26aから、架電に係る電話番号又は所望取次先に紐付けられた代理取次先の候補を抽出し(第3条件)、抽出された代理取次先の候補について、ステータス情報28aにより受話可能かを判定し(第4条件)、かつ、取次先位置情報特定部21からの代理取次先位置情報と取次エリア情報27aとを照合して代理取次先の候補が取次可能エリア内に位置するかどうかを判定して(第5条件)、抽出された代理取次先の候補について(第3条件クリア)、ステータス情報28aにおいて受話可能であり(第4条件クリア)、かつ、取次可能エリア内に位置すると判定された場合に(第5条件クリア)、代理取次先確保条件を満たすものとして、発信者からの架電を転送する代理取次先を特定する。
【0060】
また、取次先特定部23は、発信者の架電に係る電話番号が予め特定の個人に紐づけられているような場合は、この電話番号により所望取次先を特定する場合の他、発信者の架電に係る電話番号が代表電話や特定の部署等のグループへの架電である場合は、取次先特定部23の機能として音声案内を通じて、発信者がその通信端末5に所定の入力動作を行うことによって、所望取次先を特定することも可能である。
【0061】
即ち、取次先特定部23は、音声案内に応じて発信者の通信端末5の入力ボタンや、タッチパネルを用いて入力動作を行わせることにより、所望取次先を特定することも可能である。また、AI(人工知能)による音声解析により、発信者の音声入力をテキスト化して所望取次先を特定することも想定される。
【0062】
また、取次先特定部23は、代理取次先確保条件を満たす代理取次先の候補がいない場合や、実際に発信者の架電が転送された代理取次先が受話できなかったような場合には、転送部25に対して、発信者からの着信の存在や、留守電の伝言内容を所望取次先や代理取次先に電子メールやチャットシステムを用いて通知するよう指令可能である。
【0063】
この場合、取次先特定部23は、AIにより、発信者の音声入力をテキスト化可能である場合は、発信者の留守録をテキスト化して、このテキストデータを転送部25に対して所望取次先や代理取次先に電子メールやチャットシステムを用いて通知するよう指令することも可能である。
【0064】
近傍通信端末選定部24は、発信者の架電が転送される可能性のある通信端末の候補から取次先特定部23が特定した実際に架電を転送する所望取次先又は代理取次先の近傍に位置する取次先近傍通信端末7を選定するものである。即ち、発信者からの架電を転送する通信端末の候補の位置に係る通信端末位置情報29aと、取次先位置情報(所望取次先位置情報又は代理取次先位置情報)とを照合して、発信者の架電を転送する所望取次先又は代理取次先の近傍に位置する取次先近傍通信端末7を選定する
【0065】
この場合、発信者の架電を転送する所望取次先又は代理取次先が携帯通信端末を所持していれば、この携帯通信端末が最も近傍の取次先近傍通信端末7に該当するものの、この携帯通信端末のみに架電を転送する必要はなく、所望取次先又は代理取次先が着信を知覚可能である距離に位置する固定電話、デスクトップPC、ノートPC、TV電話、WEB電話等の通信端末に架電を転送する取次先近傍通信端末7として選定可能である。これにより、架電の転送を所望取次先又は代理取次先が可能な限り見落とさぬようにする効果が見込まれ、また、周囲からの着信の存在の注意喚起を促す効果も期待される。
【0066】
転送部25は、取次先特定部23によって特定された所望取次先又は代理取次先の近傍に位置する取次先近傍通信端末7に発信者からの架電を転送して、発信者の通信端末5からの架電と所望取次先又は代理取次先の近傍の通信端末7(取次先近傍通信端末7)を接続するものである。
【0067】
また、取次先特定部23において、代理取次先確保条件を満たす代理取次先の候補がいない場合や、転送部25によって実際に発信者の架電が転送された代理取次先が受話できなかったような場合には、転送部25は、取次先特定部23からの指令により、発信者からの着信の存在や、留守電の伝言内容を所望取次先や代理取次先に電子メールやチャットシステムを用いて通知する。
【0068】
この場合、取次先特定部23において、AIにより、発信者の音声入力をテキスト化可能である場合は、転送部25は、テキスト化された発信者の留守録に係る情報を所望取次先や代理取次先に電子メールやチャットシステムを用いて通知する。
【0069】
取次先情報DB26は、取次先情報26aを格納して管理するものであり、電話取次部2の他の構成要素からの指令に基づき、取次先情報26aを入出力するとともに入出力に応じて取次先情報26aを更新する。
【0070】
具体的に、取次先情報DB26は、取次先情報26aとして、例えば、図2に示すような取次先情報テーブルが格納されて管理されている。取次先情報テーブルは、所望取次先又は代理取次先となる可能性のある人物の識別番号、氏名、電話番号、所属、識別情報としての携帯通信端末ID・識別タグID・生体情報、位置情報、代理取次先識別番号が互いに紐づけられて格納されて管理されている。
【0071】
この場合、「電話番号」は、発信者の架電に係る電話番号が予め特定の個人に紐づけられているような個人単体の電話番号である場合は、この電話番号により所望取次先を特定する場合の他、発信者の架電に係る電話番号が代表電話や特定の部署等のグループへの架電である場合は、取次先特定部23の機能として音声案内を通じて、発信者がその通信端末5に所定の入力動作を行うことによって、所望取次先を特定することも可能である。
【0072】
また、「位置情報」は、個人識別番号「0001」の「〇〇太郎」のように「A支店1階執務室」のように機能面から特定されて管理されてもよいし、緯度経度高度等の座標として管理されてもよい。
【0073】
また、「代理取次先識別番号」は、個人識別番号「0001」の「〇〇太郎」における「0002」のように代理取次先の候補の個人識別番号等により管理されてもよいし、氏名等により紐付けされてもよい。
【0074】
取次エリア情報DB27は、取次エリア情報27aを格納して管理するものであり、電話取次部2の他の構成要素からの指令に基づき、取次エリア情報27aを入出力するとともに入出力に応じて取次エリア情報27aを更新する。
【0075】
具体的に、取次エリア情報DB27は、取次エリア情報27aとして、例えば、図3に示すような取次エリア情報テーブルが格納されて管理されている。取次エリア情報テーブルは、所望取次先又は代理取次先となる可能性のある人物の個人識別番号、取次エリアとして、取次可能なエリアと取次不可なエリアが識別番号に紐付けられて格納されて管理されている。
【0076】
この場合、図4においても太い破線でも示すように、例えば、個人識別番号「0001」の「〇〇太郎」(図3参照)のように、取次可能なエリアは、A支店1階執務室、A支店2階執務室、B支店1階執務室、B支店2階会議室、B支店3階執務室であり、取次不可なエリアは、屋外及びA支店3階会議室となっている。そのため、図4において、人物Aが個人識別番号「0001」の「〇〇太郎」であれば、取次可能なエリア内となり、人物Bと人物Cが個人識別番号「0001」の「〇〇太郎」であれば、取次不可なエリア内(取次可能エリア外)となる。
【0077】
尚、この場合、「取次エリア」は、「A支店1階執務室」のように機能面から特定されて管理されてもよいし、緯度経度高度等の座標として管理されてもよい。
【0078】
ステータス情報DB28は、ステータス情報28aを格納して管理するものであり、電話取次部2の他の構成要素からの指令に基づき、ステータス情報28aを入出力するとともに入出力に応じてステータス情報28aを更新する。
【0079】
具体的に、ステータス情報DB28は、ステータス情報28aとして、例えば、図5に示すようなステータス情報テーブルが格納されて管理されている。ステータス情報テーブルは、所望取次先又は代理取次先となる可能性のある人物の個人識別番号、ステータス判定結果、申告の有無、現時点のスケジュール情報、現在の状態情報が識別番号に紐付けされて管理されている。
【0080】
この場合、申告の有無とは、所望取次先、代理取次先の候補、それら関係者等が入力可能な端末等から所望取次先、代理取次先の候補について受話不可であると申告があったか否かについての情報であり、今後の予定や、実際の状況に基づき受話不可との申告があれば、ステータス判定結果として受話不可と判定される。
【0081】
また、スケジュール情報とは、ステータス判定部22がスケジュール情報8a1に随時アクセスして取得する所望取次先及び代理取次先の候補の予定に係る情報であり、執務中・優先順位の高い案件を執務中・会議中等の予定の情報がスケジュール情報8a1から随時取得されており、「優先順位の高い案件を執務中」、「会議中」といった状態の場合はステータス判定結果として受話不可と判定される。
【0082】
また、現在の状態情報とは、スケジュール情報と異なり、所望取次先及び代理取次先の候補について、現時点において実際に通信端末を用いて通信を行っていること等を検知して、ステータス判定部22が受話可能かどうかの状態を判定してステータス情報28aを更新するものである。例えば、「固定電話会話中」、「TV電話会話中」、「携帯通信端末会話中」というような状態では、ステータス判定結果として受話不可と判定される。例えば、電話アプリ、オンライン会議アプリを使用しているため会話中であることが判明する場合や、離席したのか一定時間PCの動作が検知されないなど、自在に種々の設定が可能である。
【0083】
図5においては、ステータス判定部22により、予めステータス判定結果が「受話可」、「受話不可」といったようにステータス情報テーブルに記載されているが、このような場合のみならず、発信者からの架電時にステータス判定部22がその都度、受話の可否の判定を行うことも想定される。
【0084】
通信端末位置情報DB29は、通信端末位置情報29aを格納して管理するものである。即ち、発信者の架電が転送される可能性のある通信端末の候補7(取次先近傍通信端末の候補7)の通信端末位置情報29aについて、取次先近傍通信端末の候補7からの定期または不定期の送信を受けて、又は電話取次部2の他の構成要素からの指令に基づき、通信端末位置情報29aを入出力するとともに入出力に応じて通信端末位置情報29aを更新する。
【0085】
具体的に、通信端末位置情報DB29は、通信端末位置情報29aとして、例えば、図6に示すような通信端末位置情報テーブルが格納されて管理されている。通信端末位置情報テーブルは、取次先近傍通信端末の候補7の通信端末識別番号、名称、設置位置又は携帯通信端末については所有者識別番号が互いに紐づけられて格納されて管理されている。
【0086】
また、「設置位置」は、「A支店1階執務室営業部」のように機能面から特定されて管理されてもよいし、緯度経度高度等の座標として管理されてもよい。
【0087】
さらに、取次先近傍通信端末の候補7が、携帯通信端末7cの場合は、所有者の識別番号により設置位置が特定される。これは、取次先近傍通信端末の候補7が実際に発信者の架電が転送される携帯通信端末7cに該当する場合は、ステータス情報による状態判定により転送される所望取次先又は代理取次先が携帯通信端末7cを所持している可能性が高く、かつ、既に取次先位置情報特定部21により位置情報が特定されており、所望取次先位置情報又は代理取次先位置情報の再度の確認が不要なためである。
【0088】
取次先近傍通信端末の候補7が、固定電話7b、デスクトップPC7d、(所持を意図しない)ノートPC7e等の据置型通信端末の場合は、その設置された位置が設置位置として通信端末位置情報テーブルに記録される。
【0089】
[スケジュール情報管理装置]
スケジュール情報管理装置8については、社員等の予定を管理するためのスケジューラーに相当し、カレンダーに予定等を入力可能な汎用の予定管理アプリ等が該当し、通信ネットワーク9を介して電話取次部2の外部に配されている。電話取次部2の内部に配されてもよい。
【0090】
スケジュール情報管理装置8は、スケジュール情報データベース8a(スケジュール情報DB8a)を備える。スケジュール情報DB8aは、執務中、会議中、優先順位の高い案件を執務中というような予定の情報であるスケジュール情報8a1を格納して管理するものであり、ステータス判定部22からの指令に応じて、又は定期的に、スケジュール情報8a1を電話取次部2に送信する。また、スケジュール情報8a1はスケジュール情報管理装置8の指令により、スケジュール情報8a1を更新する。
【0091】
[発信者の通信端末]
発信者の通信端末5は、固定電話、スマートフォン、携帯電話、PC、タブレット、TV電話、WEB電話等であり、発信者の架電のための入力動作を受け付けて、通信ネットワーク9を介して電話取次部2に対して通信することが可能であれば、特に限定されるものではない。
【0092】
[識別情報取得部]
識別情報取得部3は、所望取次先又は代理取次先の候補の識別情報6aを、識別情報6aを取得した位置に係る識別情報取得位置情報6bとともに取得するものである。具体的には、Wi-Fiルータ、通信基地局、識別タグリーダ、カメラ等の生体情報取得装置が該当する。
【0093】
即ち、図4に示すように、識別情報6a及びそれを取得した位置に係る識別情報取得位置情報6bが保持される識別情報保持媒体6が携帯通信端末6cであれば、通信基地局3a、アクセスポイントを構成するWi-Fiルータといった識別情報取得端末3bにより識別情報6aが識別情報取得位置情報6bとともに取得される。
【0094】
この場合、通信基地局3aについては、複数の通信基地局3aが携帯通信端末6cからの電波強度や信号送受信の時間差を計測することにより、位置情報(識別情報取得位置情報6b)を算出することが可能である。また、携帯通信端末6cは、GPS(Global Positioning System)の機能を用いることにより、GPS衛星31からの信号を受け取ることにより、やはり識別情報取得位置情報6bを算出することが可能である。
【0095】
また、Wi-Fiルータといった識別情報取得端末3bにおいても、どのWi-Fiルータが識別情報6aを取得したかにより、識別情報取得位置情報6bが取得されるのみならず、複数のWi-Fiルータが携帯通信端末6cからの電波強度や信号送受信の時間差を計測することにより、携帯通信端末6cの位置情報(識別情報取得位置情報6b)を算出することも可能である。
【0096】
さらに、通信基地局3aや、Wi-Fiルータといった識別情報取得端末3bといった識別情報取得部3を用いる場合も、Bluetooth(登録商標)を用い、かつ、所定の位置に設置されているビーコン発生装置からの位置情報信号を携帯通信端末6cが取得して識別情報取得位置情報6bとして識別情報6aとともに識別情報取得部3に送信することにより、識別情報取得位置情報6bの精度が向上する。
【0097】
従って、識別情報取得位置情報6bについては、携帯通信端末6c側で算出される場合の他、識別情報取得端末3b又は取次先位置情報特定部21において算出されることも想定される。
【0098】
識別情報6a及びそれを取得した位置に係る識別情報取得位置情報6bが保持される識別情報保持媒体6が識別タグ6dを内蔵した社員証等であれば、識別タグリーダといった識別情報取得端末3bにより識別情報6aが識別情報取得位置情報6bとともに取得される。
【0099】
この場合、識別情報取得端末3bとしての識別タグリーダが設置された位置の近辺に識別情報保持媒体6が存在するものとして位置情報(識別情報取得位置情報6b)を算出し、識別情報取得端末3bにより識別情報6a及び識別情報取得位置情報6bが取得される。
【0100】
また、社員証等に内蔵された識別タグ6dが自ら電波を発するアクティブタグである場合は、識別タグリーダといった識別情報取得端末3bにおいても、どの識別タグリーダが識別情報6aを取得したかにより、識別情報取得位置情報6bが取得されるのみならず、複数の識別タグリーダが識別タグ6dからの電波強度や信号送受信の時間差を計測することにより、識別タグ6dの位置情報(識別情報取得位置情報6b)を算出することも可能である。
【0101】
識別情報6a及びそれを取得した位置に係る識別情報取得位置情報6bが保持される識別情報保持媒体6が生体情報6eであれば、その種類に応じて生体情報取得端末3cが設置されて、生体情報6eが取得される。
【0102】
即ち、生体情報6eが、例えば、取次先本人の顔の形態であれば、取次先本人の顔を撮影するカメラとなり(図4の3c)、指紋であれば指紋読み取り装置、その他、静脈、虹彩、声紋等であれば、それら読み取り装置となる。
【0103】
この場合、顔の形態以外の生体情報6eを利用した識別情報6aの取得は、取次先本人の積極的な生体情報提供動作を必要とするため、顔の形態を監視カメラで撮影して識別情報6aを取次先本人から得る方法や、各部屋の出入り口等に生体情報取得端末3cを設けて入室・退室の許可不許可を生体認証により行って、積極的に生体情報6eを取得する必要がある。
【0104】
また、生体情報取得端末3cが設置された位置に識別情報保持媒体6が存在するものとして位置情報(識別情報取得位置情報6b)として、生体情報取得端末3cにより識別情報6a及び識別情報取得位置情報6bが取得される。
【0105】
[識別情報保持媒体]
識別情報保持媒体6は、取次先がどこにいるのかを示す取次先位置情報(所望取次先位置情報又は代理取次先位置情報)を特定するための識別情報6aを保持する媒体6である。また、携帯通信端末6cのように自らの位置を算出可能である識別情報保持媒体6の種類によっては、識別情報取得位置情報6bをも備える。
【0106】
具体的には、図4に示すように、所望取次先又は代理取次先の所持する携帯通信端末6c、識別タグ6dを内蔵した社員証等、生体情報6eを有する取次先自体(生体情報6eのみを所持する人物としてD)が識別情報保持媒体6に該当する。また、携帯通信端末6cについては、スマートフォン、携帯電話、ノートPC、タブレット等が想定される。
【0107】
[取次先近傍通信端末の候補]
発信者の架電が転送される可能性のある通信端末の候補7(取次先近傍通信端末の候補7)は、取次先特定部23によって取次先確保条件に従って特定された取次先の近傍に位置する通信端末として選定される可能性があり、実際に選定された場合は取次先近傍通信端末と定義される。
【0108】
取次先近傍通信端末の候補7は、具体的には、携帯通信端末7c、固定電話7b、デスクトップPC7d、ノートPC7e、TV電話、WEB電話等が該当する。また、携帯通信端末7cについては、スマートフォン、携帯電話、タブレット等が想定される。TV電話、WEB電話は専用機器である必要はなく、スマートフォン、デスクトップPC7d、ノートPC7e、タブレットでも使用する場合も想定される。また、ノートPC7eは持ち運びされる限り、携帯通信端末7cと定義される。
【0109】
取次先近傍通信端末の候補7は、通信端末位置情報7aを有し、通信端末位置情報DB29へと送信されて、通信端末位置情報テーブルが更新され、近傍通信端末選定部24によって、通信端末位置情報29aと、取次先位置情報(所望取次先位置情報又は代理取次先位置情報)とを照合して、発信者の架電を転送する所望取次先又は代理取次先の近傍に位置する取次先近傍通信端末7が選定される。
【0110】
取次先近傍通信端末の候補7が携帯通信端末7cである場合は、携帯通信端末7cの移動により、通信端末位置情報7aも移動することとなるため、携帯通信端末7cは(前述の携帯通信端末6cのように)自己の位置に係る通信端末位置情報29aを算出可能である。尚、通信端末位置情報29aについては、このように携帯通信端末7c側で算出される場合の他、通信基地局3a、Wi-Fiルータ又は近傍通信端末選定部24において算出されることも想定される。
【0111】
また、取次先近傍通信端末の候補7が据置型通信端末である場合、これが設置された位置に据置型通信端末が存在するものとして通信端末位置情報29aが取得される。取次先近傍通信端末の候補7が据置型通信端末である場合、据置型通信端末自体に位置算出機能が備わっていないことが想定されるため、予め据置型通信端末の設置位置を通信端末位置情報テーブルに記録しておくことが求められる。
【0112】
[電話取次システムにおける処理の流れ]
次に、本発明の電話取次システム1の実施形態における電話取次の処理の流れを、図7を用いて説明する。図7は、本発明の電話取次システムの取次先を確保するための処理フローを示す図である。理解の促進のため、所望取次先及び代理取次先の各々が一名であるケースについてまず説明する。
【0113】
まず、発信者は所望取次先に対して架電する(S1)。
【0114】
次に、取次先特定部23は、所望取次先の抽出を行う(S2)。即ち、発信者の架電に係る電話番号が予め特定の個人に紐づけられているような場合は、この電話番号により取次先情報の所望取次先の候補から所望取次先を抽出する。その他、発信者の架電に係る電話番号が代表電話や特定の部署等のグループへの架電である場合は、取次先特定部23の機能として音声案内を通じて、発信者がその通信端末5に所定の入力動作を行うことによって、取次先情報の所望取次先の候補から所望取次先を抽出する。
【0115】
次に、抽出された所望取次先について、ステータス判定部22は、所望取次先確保条件を用いて、ステータス情報28aにより受話可能かを判定する(S3)。即ち、取次先特定部23は、所望取次先のステータス情報28aをステータス情報DB28より読み出して、受話可能か否かを判定する。
【0116】
S3において、受話可能と判定された場合(第1条件クリア)、S4へと移行する。S4においては、取次先位置情報特定部21により、所望取次先の位置情報を所望取次先位置情報として特定する。
【0117】
即ち、所望取次先の識別情報保持媒体6から識別情報取得部3が、所望取次先の識別情報6aを、これを取得した位置に係る識別情報取得位置情報6bとともに取得し、取次先位置情報特定部21が、所望取次先の位置情報を所望取次先位置情報として特定可能であり、取次先特定部23が、所望取次先位置情報と、取次エリア情報DB27から読み出した所望取次先の取次エリア情報27aとを照合して所望取次先が取次可能エリア内に位置するかどうかを判定する(S4)。
【0118】
その場合、取次先特定部23により、所望取次先が取次可能エリアにいると判定された場合は(第2条件クリア)、所望取次先に発信者の架電が転送され(S5)、所望取次先に着信し(S6)、所望取次先が受話した場合は会話の終了により、電話取次処理のフローは終了する(S7)。
【0119】
一方で、S3において、ステータス判定部22により、受話不可と判定された場合(第1条件クリアせず)、S4において、取次先特定部23により所望取次先が取次可能エリアにいないと判定された場合(第2条件クリアせず)、S5及びS6により所望取次先に発信者の架電が転送されて着信するものの、所望取次先が受話しない場合は、次の工程として代理取次先の特定フローへと移行する。
【0120】
即ち、これらの場合は、代理取次先の特定フローへと移行するべく、S8において、取次先情報26aから代理取次先を抽出する。即ち、所望取次先が電話に出られない場合、取次先特定部23は、取次先情報DB26の取次先情報26aから、発信者の架電に係る電話番号又は所望取次先に紐付けられた代理取次先の候補を抽出する。
【0121】
次に、抽出された代理取次先について(第3条件クリア)、ステータス判定部22は、代理取次先確保条件を用いて、ステータス情報28aにより受話可能かを判定する(S9)。即ち、取次先特定部23は、代理取次先のステータス情報28aをステータス情報DB28より読み出して、受話可能か否かを判定する。
【0122】
S9において、取次先特定部23により、受話可能と判定された場合(第4条件クリア)、S10へと移行する。S10においては、取次先位置情報特定部21により、代理取次先の候補の位置情報を代理取次先位置情報として特定する。
【0123】
即ち、代理取次先の識別情報保持媒体6から識別情報取得部3が、代理取次先の識別情報6aを、これを取得した位置に係る識別情報取得位置情報6bとともに取得し、取次先位置情報特定部21が、代理取次先の位置情報を代理取次先位置情報として特定可能であり、取次先特定部23が、代理取次先位置情報と、取次エリア情報DB27から読み出した代理取次先の候補の取次エリア情報27aとを照合して代理取次先が取次可能エリア内に位置するかどうかを判定する(S10)。
【0124】
その場合、取次先特定部23により、代理取次先が取次可能エリアにいると判定された場合は、代理取次先に発信者の架電が転送され(S11)、代理取次先に着信し(S12)、代理取次先が受話した場合は会話の終了により、電話取次処理のフローは終了する(S13)。
【0125】
一方で、S8において、取次先情報26aから代理取次先の候補が抽出できない場合(代理取次先の候補が指定されていない場合)(第3条件クリアせず)、S9において、ステータス判定部22により、受話不可と判定された場合(第4条件クリアせず)、S10において、取次先特定部23により代理取次先が取次可能エリアにいないと判定された場合(第5条件クリアせず)、S11及びS12により代理取次先に発信者の架電が転送されて着信するものの、代理取次先が受話しない場合は、S14の留守電の工程へと移行する。
【0126】
即ち、S14においては、転送部25は、取次先特定部23からの指令により、発信者からの着信の存在や、留守電の伝言内容を所望取次先や代理取次先に電子メールやチャットシステムを用いて通知する。
【0127】
また、取次先特定部23において、AIにより、発信者の音声入力をテキスト化可能である場合は、転送部25は、テキスト化された発信者の留守録に係る情報を所望取次先や代理取次先に電子メールやチャットシステムを用いて通知する。
【0128】
上記の電話取次フローは、発信者の架電において所望取次先は一人を想定していたが、これに限定されるものではなく、同じ電話番号を共有する複数人のグループへの一斉架電、または音声案内により複数人のグループへの一斉架電が選択されることも想定される。また、所望取次先の中で優先順位を予め設定して所望取次先確保条件を満たし、優先順位の高いものに架電の転送を行う等、種々の運用が可能である。
【0129】
さらに、代理取次先の候補のみならず、代理取次先への転送において代理取次先は当然に一人と限定されるものではなく、複数人のグループへの一斉架電も想定される。また、代理取次先の中で優先順位を予め設定して代理取次先確保条件を満たし、優先順位の高いものに架電の転送を行う等、種々の運用が可能である。
【0130】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【0131】
また、図1に示した機能ブロック図は、本発明の電話取次システム1の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態を制限しない。即ち、図中の機能ブロックに対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、さらには、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 電話取次システム
2 電話取次部
3 識別情報取得部
3a 通信基地局
3b 識別情報取得端末
3c 生体情報取得端末
5 発信者の通信端末
6 識別情報保持媒体
6a 識別情報
6b 識別情報取得位置情報
6c 携帯通信端末
6d 識別タグ
6e 生体情報
7 所望取次先又は代理取次先の近傍の通信端末
7a 通信端末位置情報
7b 固定電話
7c 携帯通信端末
7d デスクトップPC
7e ノートPC
8 スケジュール情報管理装置
8a スケジュール情報データベース
8a1 スケジュール情報
9 通信ネットワーク
21 取次先位置情報特定部
22 ステータス判定部
23 取次先特定部
24 近傍通信端末選定部
25 転送部
26 取次先情報データベース
26a 取次先情報
27 取次エリア情報データベース
27a 取次エリア情報
28 ステータス情報データベース
28a ステータス情報
29 通信端末位置情報データベース
29a 通信端末位置情報
31 GPS衛星
A 人物
B 人物
C 人物
D 人物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7