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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040708
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】たわみ計測ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20220304BHJP
   E01B 9/48 20060101ALI20220304BHJP
   E01B 29/28 20060101ALI20220304BHJP
   E01B 35/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
G01L5/00 103B
E01B9/48
E01B29/28
E01B35/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145541
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000216047
【氏名又は名称】鉄道軌材工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 榮一
【テーマコード(参考)】
2D057
2F051
【Fターム(参考)】
2D057BA28
2D057BA31
2F051AA02
2F051BA07
(57)【要約】
【課題】保線作業員によるレール締結装置ごとの締結力検査作業および締結ボルトの再締結作業の短縮化するたわみ計測ユニットを提供すること。
【解決手段】レールRをまくらぎSに締結ボルトFf1で板バネクリップFcを介して固定するレール締結装置Fの板バネクリップFcに載置して板バネクリップFcの締結ボルトFf1付近のたわみ量δを測定するたわみ計測ユニット100であって、レール締結装置Fの板バネクリップFcに対して着脱自在に載置される本体プレート110と、締結ボルトFf1の締結に伴う板バネクリップFcの湾曲変形で生じるたわみ量δを計測するたわみ量計測手段130と、このたわみ量計測手段130による計測結果を表示する結果表示手段140とを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールをレール支承体に締結ボルトで板バネクリップを介して固定するレール締結装置の前記板バネクリップに載置して前記板バネクリップの前記締結ボルト付近のたわみ量を測定するたわみ計測ユニットであって、
前記レール締結装置の板バネクリップに対して着脱自在に載置される本体プレートと、
前記締結ボルトの締結に伴う前記板バネクリップの湾曲変形で生じるたわみ量を計測するたわみ量計測手段と、
該たわみ量計測手段による計測結果を表示する結果表示手段とを備えていることを特徴とするたわみ計測ユニット。
【請求項2】
前記たわみ量計測手段が、前記板バネクリップと当接する接触子と、該接触子の回動量または変位を測定する測定子とを有していることを特徴とする請求項1に記載のたわみ計測ユニット。
【請求項3】
前記たわみ量計測手段の接触子が、前記板バネクリップの最大たわみ部位近傍で当接するように位置決め配置されていることを特徴とする請求項2に記載のたわみ計測ユニット。
【請求項4】
前記測定子および前記測定子の測定点を覆うカバー部を備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のたわみ計測ユニット。
【請求項5】
前記たわみ量計測手段の測定子が、前記接触子の回動量を測定し、
前記たわみ量計測手段が、前記本体プレート自体の水平面に対する傾斜角を測定する傾斜量測定センサーと、該傾斜量測定センサーにより測定された前記本体プレート自体の水平面に対する傾斜角と前記測定子により測定された前記接触子の回動量とに基づいて前記板バネクリップのたわみ量を算出する演算素子とを有していることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のたわみ計測ユニット。
【請求項6】
前記たわみ量計測手段と前記結果表示手段とが、前記本体プレートに一体に組付けられて形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のたわみ計測ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールをまくらぎ等のレール支承体に締結ボルトで板バネクリップを介して固定するレール締結装置に関し、特に、レール締結装置に載置されるたわみ計測ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レールをまくらぎ等のレール支承体に固定するレール締結装置として、レールの底部上面をレール支承体に向けてレールの両側でそれぞれ押圧する一対の板バネクリップと、これらの板バネクリップのボルト挿入孔にそれぞれ挿入されて板バネクリップのそれぞれをレール支承体に固定する一対の締結ボルトとを備えたレール締結装置(例えば、特許文献1参照)が用いられ、このようなレール締結装置においては、締結ボルトを所定の締結トルクで締め付けて所定の締結力を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-67569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このようなレール締結装置において、締結ボルトによる締結力(以下、「ボルト軸力」という。)は、締結ボルトの雄ねじとまくらぎに設置された雌ねじとの間の摩擦係数、及び、締結ボルトの頭部下面と板バネクリップ、または、締結ボルトと板バネクリップの間に配置した座金の上面との間の摩擦係数が変化することにより、変化してしまう。
すなわち、所定の締結トルクで締結ボルトを締め付けたとしても、ボルト軸力が不足、または、過大になることがある。
ボルト軸力が不足した場合はレールのふく進を招き、また、ボルト軸力が過大になった場合は締結ボルトの折損や締結ばねクリップの折損等を招く虞がある。
【0005】
そこで、締結ボルトに対する締結力が所定の値になっているか否かの検査が定期的に実施されている。
従来、レール締結装置ごとの締結力検査作業は、所定の締結力で締結ボルトが締め付けられている際に板バネクリップと3点で当接し、締結ボルトが緩んだ状態では板バネクリップと2点で当接するような板状の検査治具を利用して行っている。
したがって、締結力検査作業と締結ボルトの再締結作業とを同時に行うことが難しい。
さらに、レール締結装置ごとの締結力検査作業および締結ボルトの再締結作業は、軌道上には大量のレール締結装置が設置されていることから、相当の作業時間を要するものとなっている。
【0006】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、保線作業員によるレール締結装置ごとの締結力検査作業および締結ボルトの再締結作業の短縮化するたわみ計測ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、レールをレール支承体に締結ボルトで板バネクリップを介して固定するレール締結装置の前記板バネクリップに載置して前記板バネクリップの前記締結ボルト付近のたわみ量を測定するたわみ計測ユニットであって、前記レール締結装置の板バネクリップに対して着脱自在に載置される本体プレートと、前記締結ボルトの締結に伴う前記板バネクリップの湾曲変形で生じるたわみ量を計測するたわみ量計測手段と、該たわみ量計測手段による計測結果を表示する結果表示手段とを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたたわみ計測ユニットの構成に加えて、前記たわみ量計測手段が、前記板バネクリップと当接する接触子と、該接触子の回動量または変位を測定する測定子とを有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載されたたわみ計測ユニットの構成に加えて、前記たわみ量計測手段の接触子が、前記板バネクリップの最大たわみ部位近傍で当接するように位置決め配置されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に記載されたたわみ計測ユニットの構成に加えて、前記測定子および前記測定子の測定点を覆うカバー部を備えていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載されたたわみ計測ユニットの構成に加えて、前記たわみ量計測手段の測定子が、前記接触子の回動量を測定し、前記たわみ量計測手段が、前記本体プレート自体の水平面に対する傾斜角を測定する傾斜量測定センサーと、該傾斜量測定センサーにより測定された前記本体プレート自体の水平面に対する傾斜角と前記測定子により測定された前記接触子の回動量とに基づいて前記板バネクリップのたわみ量を算出する演算素子とを有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載されたたわみ計測ユニットの構成に加えて、前記たわみ量計測手段と前記結果表示手段とが、前記本体プレートに一体に組付けられて形成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明は、締結ボルトの締結に伴う板バネクリップの湾曲変形で生じるたわみ量を計測するたわみ量計測手段と、このたわみ量計測手段による計測結果を表示する結果表示手段とを備えていることにより、締結ボルトの締結作業時にたわみ量計測手段が板バネクリップのたわみ量を随時計測し、測定結果が結果表示手段に表示されるため、保線作業員が結果表示手段を確認しながら締結ボルトによる軸力調整作業を行うことが可能となり、保線作業員によるレール締結装置ごとの締結力検査作業および締結ボルトの再締結作業の短縮化することができる。
【0014】
請求項2に係る発明のたわみ計測ユニットによれば、請求項1に係る発明のたわみ計測ユニットが奏する効果に加えて、たわみ量計測手段が、板バネクリップと当接する接触子と、この接触子の回動量または変位を測定する測定子とを有していることにより、板バネクリップのたわみ量が、接触子の回動量または変位を測定することで間接的に測定されるため、板バネクリップのたわみ量を非接触で直接測定する場合に比べて、太陽光や雨滴、汚泥といった周囲環境の影響を受けにくくすることができる。
【0015】
請求項3に係る発明のたわみ計測ユニットによれば、請求項2に係る発明のたわみ計測ユニットが奏する効果に加えて、たわみ量計測手段の接触子が、板バネクリップの最大たわみ部位近傍で当接するように位置決め配置されていることにより、板バネクリップのたわみ量が、板バネクリップの最大たわみ部位近傍で測定されるため、板バネクリップのたわみ量を精度良く計測することができる。
【0016】
請求項4に係る発明のたわみ計測ユニットによれば、請求項2または請求項3に係る発明のたわみ計測ユニットが奏する効果に加えて、測定子および測定子の測定点を覆うカバー部を備えていることにより、接触子の回動量または変位量を測定する際の誤差要因となる塵埃や汚泥などがたわみ量計測手段の内部に侵入しにくくなるため、より高精度に板バネクリップのたわみ量を測定することができる。
【0017】
請求項5に係る発明のたわみ計測ユニットによれば、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に係る発明のたわみ計測ユニットが奏する効果に加えて、たわみ量計測手段が、本体プレート自体の水平面に対する傾斜角を測定する傾斜量測定センサーと、この傾斜量測定センサーにより測定された本体プレート自体の水平面に対する傾斜角と測定子により測定された接触子の回動量とに基づいて板バネクリップのたわみ量を算出する演算素子とを有していることにより、カントなどによる軌道自体の傾きを考慮して是正された板バネクリップのたわみ量が算出されるため、軌道の傾斜状態によらずに板バネクリップのたわみ量をさらに精度よく測定することができる。
なお、ここでいう「カント」とは、曲線軌道において、遠心力の影響を緩和するために、外軌側のレールを内軌側のレールよりも高くすることである。
【0018】
請求項6に係る発明のたわみ計測ユニットによれば、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に係る発明のたわみ計測ユニットが奏する効果に加えて、たわみ量計測手段と結果表示手段とが、本体プレートに一体に組付けられて形成されていることにより、たわみ量計測手段と結果表示手段とが、纏まり良くたわみ計測ユニットを構成し、レールに配置した多数のレール締結装置のうち締結ボルトの締結力を計測する必要があるレール締結装置を任意に選択して簡便に設置することが可能になるため、締結ボルトに対する締結力の調整管理作業に必要とする作業負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施例であるたわみ計測ユニットとレールおよびレール締結装置との配置関係を示す斜視図。
図2図1に示すたわみ計測ユニットが載置されるレール締結装置の断面図。
図3図1に示すたわみ計測ユニットの斜視分解図。
図4図1に示すたわみ計測ユニットの平面図。
図5図4のV-V断面図。
図6図4のVI-VI断面図。
図7図1に示すたわみ計測ユニットをレール締結装置に載置した状態の平面図。
図8A図7のVIIIA-VIIIA断面図。
図8B図7のVIIIB-VIIIB断面図。
図9A図7のIXA-IXA断面図。
図9B図7のIXB-IXB断面図。
図10】本発明の第2実施例であるたわみ計測ユニットの斜視分解図。
図11A図10に示すたわみ計測ユニットの平面図。
図11B図11AのXIB-XIB断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、レールをレール支承体に締結ボルトで板バネクリップを介して固定するレール締結装置の板バネクリップに載置して板バネクリップの締結ボルト付近のたわみ量を測定するたわみ計測ユニットであって、レール締結装置の板バネクリップに対して着脱自在に載置される本体プレートと、締結ボルトの締結に伴う板バネクリップの湾曲変形で生じるたわみ量を計測するたわみ量計測手段と、このたわみ量計測手段による計測結果を表示する結果表示手段とを備え、保線作業員によるレール締結装置ごとの締結力検査作業および締結ボルトの再締結作業の短縮化するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0021】
例えば、レール支承体については、軌道スラブやコンクリート製まくらぎ等、レールを支承できればいかなるものであってもよい。
【0022】
例えば、結果表示手段は、LED等の発光体やディスプレイ等、たわみ量計測手段による計測結果を表示するものであればいかなるものであってもよい。
また、結果表示手段は、たわみ量を直接表示してもよいし、たわみ量を間接的に表示してもよいし、たわみ量と見なせる量を直接または間接的に表示してもよい。
【実施例0023】
以下、図1乃至図9Bに基づいて、本発明の第1実施例であるたわみ計測ユニット100を説明する。
【0024】
<1.たわみ計測ユニット100の周辺構造>
まず、図1および図2に基づいて、たわみ計測ユニット100の周辺構造について説明する。
図1は本発明の第1実施例であるたわみ計測ユニットとレールおよびレール締結装置との配置関係を示す斜視図であり、図2図1に示すたわみ計測ユニットが載置されるレール締結装置の断面図である。
【0025】
たわみ計測ユニット100は、図1に示すように、レール締結装置Fの板バネクリップFcに載置され、締結ボルトFf1の締結力を推定・調整するために用いるユニットである。
【0026】
レール締結装置Fは、図1および図2に示すように、路盤G上に設置されたレール支承体であるまくらぎSにレールRを固定する装置である。
このレール締結装置Fは、図2に示すように、レールRの底部上面をレール設置面SAに向けてレールRの両側でそれぞれ押圧する一対の板バネクリップFcと、この板バネクリップFcをまくらぎSに固定するクリップ固定手段Ffと、まくらぎS上に載置されて板バネクリップFcを接触保持するバネ受台Fpとを備えている。
【0027】
板バネクリップFcは、U字状の湾曲部Fc1と、この湾曲部Fc1の上端から水平方向に延びる上部Fc2と下端から水平方向に延びる下部Fc3の二層構造とした板状体となっている。
上部Fc2は、後述するクリップ固定手段Ffの締結ボルトFf1を貫通させる長孔Fc2aが形成されている。
下部Fc3は、U字状の湾曲部Fc1の端部から延びる直線部Fc3aと、この直線部Fc3aから立ち上がりレールRの底部上面および上部Fc2の下面と当接するレール当接部Fc3bとから形成されている。
【0028】
クリップ固定手段Ffは、板バネクリップFcの長孔Fc2aに挿通される締結ボルトFf1と、この締結ボルトFf1が挿通され締結ボルトFf1と板バネクリップFcとの間に介在する座金Ff2とから構成されている。
締結ボルトFf1はまくらぎSに設けた雌ねじ孔S1に螺着自在であり、締結ボルトFf1を雌ねじ孔S1に螺着させることで板バネクリップFcがまくらぎSに固定される。
【0029】
したがって、レール締結装置Fは、レールRをまくらぎSに締結ボルトFf1で板バネクリップFcを介して固定する装置である。
【0030】
<2.たわみ計測ユニット100の構造>
次に、図3乃至図7に基づいて、たわみ計測ユニット100の構造について説明する。
図3図1に示すたわみ計測ユニットの斜視分解図であり、図4図1に示すたわみ計測ユニットの平面図であり、図5図4のV-V断面図であり、図6図4のVI-VI断面図であり、図7図1に示すたわみ計測ユニットをレール締結装置に載置した状態の平面図である。
【0031】
たわみ計測ユニット100は、レール締結装置Fの板バネクリップFcに対して着脱自在に載置される本体プレート110(図5参照)と、カバー部120と、たわみ量計測手段130と、結果表示手段140とを備えている。
さらに、たわみ計測ユニット100は、たわみ計測ユニット100の駆動源となるバッテリー150と、たわみ量計測手段130と結果表示手段140とバッテリー150との間を導通する導線160と、この導線160を覆う導線カバー170とを備えている。
【0032】
本体プレート110は、図3に示すように、たわみ量計測手段130と結果表示手段140とが一体に組付けられて形成されている。
また、本体プレート110は、図4に示すように、レール締結装置Fの板バネクリップFcの上部Fc2に載置される載置部111と、この載置部111から前後に伸びる延出部112とを有している。
したがって、本体プレート110は、図3および図4に示すように平面視で凸状の平板となっている。
載置部111の前後方向(すなわち、レールRの長手方向)の長さLは、図7に示すように、板バネクリップFcの前後方向の長さに対して僅かに余裕を持った長さになっている。
【0033】
本体プレート110の前後方向の中央付近には、図4に示すように、円形の開口113が形成されている。
この開口113の開口径ΦUは、図7に示すように、レール締結装置Fの座金Ff2の径(座金径)ΦFより僅かに大きくなっている。
【0034】
また、開口113の前方側には、開口113を形成する円弧より前方に向かって切り欠かれた切欠113aが形成されている。
切欠113aは、図4に示すように、平面視において矩形状の開口となっている。
この切欠113aは、図5および図7に示すように、板バネクリップFcの最大たわみ部位近傍(締結ボルトFf1近傍)に形成されている。
【0035】
カバー部120は、本体プレート110の下面114(図5参照)に当接する前側内壁部材121および後側内壁部材122と、本体プレート110および前側内壁部材121と本体プレート110および後側内壁部材122とにそれぞれ当接する外側閉塞部材123とを有している。
【0036】
前側内壁部材121および後側内壁部材122は、本体プレート110から垂下する平板状の部材であり、図4に示すように開口113の前後にそれぞれ配置されている。
また、前側内壁部材121の左右方向の中央付近には、図5に示すように、開口121aが形成されている。
【0037】
外側閉塞部材123は、前側内壁部材121または後側内壁部材122と対向する平板状の外板123aと、この外板123aの左右端に当接し互いに対向する左側板123bおよび右側板123cと、外板123aおよび左側板123bおよび右側板123cの下端に当接する底板123dとから形成されている。
この外側閉塞部材123と本体プレート110、前側内壁部材121、後側内壁部材122により、たわみ計測ユニット100には、図4に示すように、直方体状の前方収容空間FSおよび後方収容空間BSが形成されている。
【0038】
たわみ量計測手段130は、たわみ量計測センサー131と、傾斜量測定センサー132と、演算素子133とを有し、締結ボルトFf1の締結に伴う板バネクリップFcの湾曲変形で生じるたわみ量を計測する。
【0039】
たわみ量計測センサー131は、板バネクリップFcと当接する接触子131aと、この接触子131aを支持する軸受ブロック131bと、接触子131aと連結し接触子131aと一体に回動する回転子131cと、水平方向に形成された回転子131cの平坦面131c1に取り付けられるセンサー本体131dとから構成されている。
【0040】
接触子131aは、本体プレート110の開口113に向かって伸びるクリップ当接部131a1と、本体プレート110の開口113から遠ざかる方向(前方)に向かって伸びる軸131a2とから構成されている。
クリップ当接部131a1は、図4に示すように、平面視において本体プレート110の開口113の直下に位置しており、上下に回動自在となっている。
またクリップ当接部131a1は、図5に示すように、1点(当接点P)で板バネクリップFcの上部Fc2に当接する。
したがって、接触子131aは、板バネクリップFcの最大たわみ部位近傍で当接するように位置決め配置されている。
【0041】
軸受ブロック131bは、平面視でレールRに向かう方向(左方向)に向かって開口されているC字状の部材であり、後方側には接触子131aの回動を許容する側方凹部131b1が形成されている。
この側方凹部131b1の形状は、前側内壁部材121の開口121aの形状とほぼ一致している。
【0042】
回転子131cは、一端が軸受ブロック131bの収容凹部131b2(軸受ブロック131bが平面視でC字状となるための凹部)に収容されると共に接触子131aの軸131a2が挿入される。
そして、接触子131aと回転子131cとは、接触子131aの軸131a2が回転子131cに挿入された状態では、同軸回転するように固定されている。
【0043】
センサー本体131dは、水平面に対する自身の傾斜角を検出する傾斜センサーである。
このセンサー本体131dは、カバー部120により形成された前方収容空間FS内に設置されている。
したがって、カバー部120は、センサー本体131dおよびセンサー本体131dの測定点を覆っている。
【0044】
傾斜量測定センサー132は、図6に示すように、本体プレート110の下面114に取り付けられており、水平面に対する自身の傾斜角、すなわち、本体プレート110自体の水平面に対する傾斜角を検出する。
演算素子133は、たわみ量計測センサー131および傾斜量測定センサー132が検出した自身の水平面に対する傾斜角に基づいて板バネクリップFcのたわみ量を算出すると共に、当該算出結果に基づき結果表示手段140を制御する。
【0045】
結果表示手段140は、たわみ量計測手段130による板バネクリップFcのたわみ量計測結果を表示するものであり、第1のLED141、第2のLED142、第3のLED143から構成されている。
第1のLED141、第2のLED142、第3のLED143は、本体プレート110の後方側に形成されたLED挿入孔115(図3参照)に挿入される。
したがって、第1のLED141、第2のLED142、第3のLED143の底部は、後方収容空間BSに収容されている。
結果表示手段140を構成する各LEDは、図示しない信号線により、後方収容空間BSに収容されている演算素子133と電気的に接続されている。
なお、第1のLED141、第2のLED142、第3のLED143の発光色はいかなるものであってもよいが、例えば、第1のLED141は赤色、第2のLED142は緑色、第3のLED143は黄色にそれぞれ発光自在となっている。
【0046】
バッテリー150は、後方収容空間BSに収容されており、交換自在となっている。
また、このバッテリー150は、図示しない電力線により、後方収容空間BSに収容されている演算素子133と結果表示手段140の各LEDと電気的に接続されている。
【0047】
導線160は、本体プレート110が板バネクリップFcに載置されることから、図3に示すように、本体プレート110の上面116で本体プレート110を縦断している。
本体プレート110を縦断する導線160は、図3図4図6等に示すように、前方収容空間FS内に収容された電子部品に収容された電子部品(たわみ量計測センサー131のセンサー本体131d、傾斜量測定センサー132)と後方収容空間BSに収容された演算素子133とを電気的に接続する2本の信号線161と前方収容空間FS内に収容された電子部品にバッテリー150からの電力を供給する2本の電力線162とから構成されている。
【0048】
導線カバー170は、本体プレート110を縦断している導線160や本体プレート110に形成された前方貫通孔117および後方貫通孔118を覆う部材であり、外部から前方貫通孔117および後方貫通孔118への異物混入を防止している。
【0049】
<3.たわみ計測ユニット100のたわみ量計測方法>
次に、図8A乃至図9Bに基づいて、たわみ計測ユニット100によるたわみ量計測方法について説明する。
図8A図7のVIIIA-VIIIA断面図であり、図8B図7のVIIIB-VIIIB断面図であり、図9A図7のIXA-IXA断面図であり、図9B図7のIXB-IXB断面図である。
【0050】
<3.1.初期設定>
まず、たわみ計測ユニット100に対して初期設定を行っておく。
この初期設定は出荷時に行うだけでなく、実際のたわみ量計測前に行ってもよい。
【0051】
初期設定では、幅が本体プレート110の載置部111の前後方向の長さLよりも僅かに小さい平滑かつ水平な平板上にたわみ計測ユニット100を載置し、図示しないリセットボタン等の初期設定手段により、この状態におけるたわみ量計測センサー131のセンサー本体131dおよび傾斜量測定センサー132の傾斜角を0度と設定する。
【0052】
<3.2.たわみ計測ユニット自体が水平な場合>
次に、簡単のために、たわみ計測ユニット100自体が傾斜していない状態における、たわみ計測ユニット100によるたわみ量計測方法について説明する。
【0053】
レールRをまくらぎSに固定するために、締結ボルトFf1に締結トルクを与えると、締結ボルトFf1がまくらぎSの雌ねじ孔S1と螺合しているため、下向きに軸力Qが働いている。
この軸力Qにより、板バネクリップFcの上部Fc2が、図8Aに示すように、下方向にδだけ撓んでいるとする。
【0054】
この状態で板バネクリップFcにたわみ計測ユニット100を載置すると、たわみ量計測センサー131の接触子131aが軸131a2を中心に回動自在であることから、接触子131aは板バネクリップFcの上部Fc2の撓みに伴って、図5に示す状態(接触子131aが軸受ブロック131bに当接している状態)から上方にγ度だけ回動する。
この接触子131aの回動に伴い、接触子131aと一体となって回転する回転子131cも、図8Bに示すように、接触子131aと同方向(すなわち、上方)に向かってγ度だけ回動する。
【0055】
したがって、たわみ量計測センサー131の接触子131aと板バネクリップFcの上部Fc2とが当接点Pで当接している状態において、たわみ量計測センサー131の接触子131aは、図9Aに示すように、2点鎖線で示す初期設定時の状態からθだけ回動する。
よって、センサー本体131dも、図9Bに示すように、水平面に対してθだけ傾斜する。
【0056】
センサー本体131dは、この自身の水平面に対する傾斜角θを演算素子133に伝達する。
したがって、たわみ量計測手段130のセンサー本体131dは、センサー本体131d自身の水平面に対する傾斜角を測定することで接触子131aの回動量を間接的に測定している。
【0057】
ここで、接触子131aの軸131a2の中心から当接点Pまでの距離を図9Aに示すようにXとすれば、板バネクリップFcの上部Fc2のたわみ量δは微小であるため、
δ≒α×X×θ ・・・ (1)
と近似できる(αは、補正係数)。
【0058】
演算素子133は、センサー本体131dの傾斜角θ、すなわち、接触子131aの初期設定時の状態からの回動量θから式(1)に基づいてたわみ量δを算出する。
このたわみ量δが安全上問題の無い範囲であれば、第2のLED142に対して点灯信号を送信し、たわみ量δが注意喚起を示す必要がある範囲(例えば、たわみ量δが所定値以上の場合)であれば、第3のLED143に対して点灯信号を送信し、たわみ量δが安全上問題となる範囲(例えば、たわみ量δが所定値以下の場合)であれば、第1のLED141に対して点灯信号を送信する。
【0059】
<3.3.たわみ計測ユニット自体が傾斜している場合>
次に、まくらぎSの傾斜などにより、たわみ計測ユニット100自体が傾斜している状態における、たわみ計測ユニット100によるたわみ量計測方法について説明する。
【0060】
例えば、まくらぎSが水平面に対して傾斜している場合、まくらぎSの傾斜に伴い、レール締結装置F(すなわち、板バネクリップFc)も傾斜する。
たわみ計測ユニット100は板バネクリップFcに載置されていることから、板バネクリップFcが撓んでいない場合であっても、まくらぎSが傾斜していれば、たわみ計測ユニット100も水平面に対して傾斜していることになる。
たわみ計測ユニット100の傾斜量測定センサー132は、このまくらぎSの傾斜によるたわみ計測ユニット100(すなわち、本体プレート110)自身の水平面に対する傾斜角φを検出する。
【0061】
そして、締結ボルトFf1に締結トルクを与えて軸力Qを発生させて、板バネクリップFcの上部Fc2が、下方向にδだけ撓んだとする。
このとき、たわみ量計測センサー131のセンサー本体131dの初期設定時の状態からの回動量θは、たわみ計測ユニット100の水平面に対する角度φも含む傾斜角となる。
したがって、板バネクリップFcのたわみに起因するセンサー本体131dの真の回動量θtは、
θt=θ-φ ・・・ (2)
となり、
たわみ量δは、
δ≒α×X×θt ・・・ (3)
となる。
【0062】
演算素子133は、たわみ量計測センサー131のセンサー本体131dが検出した初期設定時の状態からの回動量θと傾斜量測定センサー132が検出した傾斜角φとから、式(2)に基づいて、板バネクリップFcのたわみに起因するセンサー本体131dの真の回動量θtを算出する。
そして、演算素子133は、真の回動量θtから式(3)に基づいてたわみ量δを算出する。
【0063】
したがって、本実施例のたわみ量計測手段130は、本体プレート110自体の傾斜角φを測定する傾斜量測定センサー132と、この傾斜量測定センサー132により測定された本体プレート110自体の傾斜角φとセンサー本体131dにより測定された接触子131aの初期設定時の状態からの回動量θとに基づいて板バネクリップFcのたわみ量を算出する演算素子133とを有していることになる。
【0064】
<4.たわみ計測ユニット100が奏する効果>
以上説明した本実施例のたわみ計測ユニット100によれば、締結ボルトFf1の締結に伴う板バネクリップFcのたわみ量δを計測するたわみ量計測手段130と、このたわみ量計測手段130による計測結果を表示する結果表示手段140とを備えていることにより、締結ボルトFf1の締結作業時にたわみ量計測手段130が板バネクリップFcのたわみ量δを随時計測し、測定結果が結果表示手段140に表示されるため、保線作業員が結果表示手段を確認しながら締結ボルトFf1による軸力調整作業を行うことが可能となり、保線作業員によるレール締結装置Fごとの締結力検査作業および締結ボルトFf1の再締結作業の短縮化することができる。
【0065】
また、たわみ量計測手段130が、板バネクリップFcと当接する接触子131aと、この接触子131aの回動量θを測定する測定子であるセンサー本体131dとを有していることにより、板バネクリップFcのたわみ量δが、接触子131aの回動量θを測定することで間接的に測定されるため、板バネクリップFcのたわみ量δを非接触で直接測定する場合に比べて、太陽光や雨滴、汚泥といった周囲環境の影響を受けにくくすることができる。
【0066】
また、センサー本体131dおよびセンサー本体131dの測定点を覆うカバー部120を備えていることにより、接触子131aの回動量θを測定する際の誤差要因となる塵埃や汚泥などがたわみ量計測手段130の内部に侵入しにくくなるため、より高精度に板バネクリップFcのたわみ量δを測定することができる。
【0067】
また、たわみ量計測手段130が、本体プレート110自体の水平面に対する傾斜角φを測定する傾斜量測定センサー132と、この傾斜量測定センサー132により測定された本体プレート110自体の水平面に対する傾斜角φとセンサー本体131dにより測定された接触子131aの回動量θとに基づいて板バネクリップFcのたわみ量δを算出する演算素子133とを有していることにより、カントなどによる軌道自体の傾きを考慮して是正された板バネクリップFcのたわみ量δが算出されるため、軌道の傾斜状態によらずに板バネクリップFcのたわみ量δをさらに精度よく測定することができる。
【実施例0068】
次に、本発明の第2実施例である図10乃至図11Bを用いて、本発明の第2実施例であるたわみ計測ユニット200を説明する。
図10は本発明の第2実施例であるたわみ計測ユニットの斜視分解図であり、図11A図10に示すたわみ計測ユニットの平面図であり、図11B図11AのXB-XB断面図である。
【0069】
<1.たわみ計測ユニット200の構造>
第2実施例のたわみ計測ユニット200は、第1実施例のたわみ計測ユニット100におけるたわみ量計測手段130を変更したものであり、多くの要素について第1実施例のたわみ計測ユニット100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
【0070】
たわみ計測ユニット200のたわみ量計測手段230は、図10に示すように、たわみ量計測センサー231と、演算素子233とから形成されている。
【0071】
たわみ量計測センサー231は、板バネクリップFcと当接する接触子231aと、この接触子231aを支持する軸受ブロック231bと、接触子231aと連結し接触子231aと一体に回動する回転子231cと、水平方向に形成された回転子231cの平坦面231c1との間の距離を検知するセンサー本体(測定子)231dとから構成されている。
【0072】
センサー本体231dは、図11Bに示すように、本体プレート210の下面214に取り付けられる非接触式の距離センサーである。
より具体的には、センサー本体231dは、回転子231cの平坦面231c1に対してレーザーWを照射することで、平坦面231c1との間の距離Dを測定する。
【0073】
<2.たわみ計測ユニット200のたわみ量計測方法>
次に、図11Aおよび図11Bに基づいて、たわみ計測ユニット200によるたわみ量計測方法について説明する。
【0074】
<2.1.初期設定>
まず、たわみ計測ユニット200に対して初期設定を行っておく。
この初期設定は出荷時に行うだけでなく、実際のたわみ量計測前に行ってもよい。
【0075】
初期設定では、幅が本体プレート210の載置部211の前後方向の長さLよりも僅かに小さい平滑な平板上にたわみ計測ユニット200を載置し、図示しないリセットボタン等の初期設定手段により、この状態における回転子231cの平坦面231c1とたわみ量計測センサー231のセンサー本体231dとの間の距離Dを0と設定する。
【0076】
<2.2.たわみ量の計測>
締結ボルトFf1に締結トルクを与えて軸力Qを発生させて、板バネクリップFcの上部Fc2が、下方向にδだけ撓んだとする。
この状態で板バネクリップFcにたわみ計測ユニット200を載置すると、たわみ量計測センサー231の接触子231aが軸231a2を中心に回動自在であることから、接触子231aは板バネクリップFcの上部Fc2の撓みに伴って上方に回動する。
接触子231aの回動に伴い、接触子231aと一体となって回転する回転子231cも上方に向かって回動する。
【0077】
したがって、たわみ量計測センサー231の接触子231aと板バネクリップFcの上部Fc2とが当接点Pで当接している状態において、たわみ量計測センサー231の接触子231aは、水平面に対して下向きに傾斜する。
よって、回転子231cの平坦面231c1とたわみ量計測センサー231のセンサー本体231dとの間の距離Dが遠ざかる方向に変化する。
【0078】
ここで、接触子231aの軸231a2の中心からセンサー本体231dによる測定点までの距離をYとすれば、板バネクリップFcのたわみ量δは、
δ=D×(Y/X)・・・(4)
の関係が成り立つ。
【0079】
演算素子233は、回転子231cの平坦面231c1とたわみ量計測センサー231のセンサー本体231dとの間の距離Dから式(4)に基づいてたわみ量δを算出する。
そして、第1実施例であるたわみ計測ユニット100と同じように、演算素子233は、たわみ量δが安全上問題の無い範囲であれば、第2のLED242に対して点灯信号を送信し、たわみ量δが注意喚起を示す必要がある範囲であれば、第3のLED243に対して点灯信号を送信し、たわみ量δが安全上問題となる範囲であれば、第1のLED241に対して点灯信号を送信する。
【0080】
したがって、たわみ量計測手段230のセンサー本体231dは、回転子231cの平坦面231c1とたわみ量計測センサー231のセンサー本体231dとの間の距離Dを測定することで接触子231aの変位(すなわち、たわみ量δ)を間接的に測定している。
【0081】
第2実施例のたわみ計測ユニット200は、接触子231aの軸231a2の中心からセンサー本体231dによる測定点までの距離Yに基づいて板バネクリップFcのたわみ量δを算出しているが、接触子231aの軸231a2の中心からセンサー本体231dによる測定点までの距離Yはたわみ計測ユニット200自体の傾きによらない値であるため、たわみ量計測センサー231だけで板バネクリップFcのたわみ量δを算出することができる。
【0082】
<変形例>
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
【0083】
例えば、上述した実施例において演算素子は、板バネクリップFcのたわみ量δを算出していたが、接触子の回動量とたわみ量δについては式(1)および式(3)、接触子の変位とたわみ量δについては式(4)の関係があることから、演算素子は接触子の回動量または変位をたわみ量の代替変数として直接判定し、点灯信号を結果表示手段に送信してもよい。
【0084】
例えば、本体プレートとカバー部との組み付けは、バッテリーが着脱自在であれば、接着や溶着、ネジ止め等を如何様に組み合わせてもよい。
【0085】
例えば、上述した実施例において結果表示手段を構成するLEDの個数は3個であったが、LEDの個数はこれに限定されるものではない。
また、LEDの色や点灯パターンは、上述した実施例に限定されるものではなく、いかなる色や点灯パターンであってもよい。
【0086】
例えば、傾斜量測定センサー132はセンサー本体131dと同一のセンサーであってもよいし、異なるセンサーであってもよい。
【0087】
例えば、第2実施例のセンサー本体231dは平坦面231c1にレーザーを照射して平坦面231c1との間の距離を測定するセンサーであったが、センサー本体231dと平坦面231c1との間の距離を非接触で測定できれば、センサーの種類は如何なるものであってもよい。
【符号の説明】
【0088】
100、200 ・・・ たわみ計測ユニット
110、210 ・・・ 本体プレート
111 ・・・ 載置部
112 ・・・ 延出部
113 ・・・ 開口
113a ・・・ 切欠
114、214 ・・・ 下面
115 ・・・ LED挿入孔
116 ・・・ 上面
117 ・・・ 前方貫通孔
118 ・・・ 後方貫通孔
120、220 ・・・ カバー部
121、221 ・・・ 前側内壁部材
121a ・・・ 開口
122、222 ・・・ 後側内壁部材
123、223 ・・・ 外側閉塞部材
123a ・・・ 外板
123b ・・・ 左側板
123c ・・・ 側側板
123d ・・・ 底板
130、230 ・・・ たわみ量計測手段
131、231 ・・・ たわみ量計測センサー
131a、231a ・・・ 接触子
131a1 ・・・ クリップ当接部
131a2、231a2 ・・・ 軸
131b、231b ・・・ 軸受ブロック
131b1 ・・・ 側方凹部
131c、231c ・・・ 回転子
131c1、231c1 ・・・ 平坦面
131d、231d ・・・ センサー本体(測定子)
132 ・・・ 傾斜量測定センサー
133、233 ・・・ 演算素子
140、240 ・・・ 結果表示手段
141、241 ・・・ 第1のLED
142、242 ・・・ 第2のLED
143、243 ・・・ 第3のLED
150、250 ・・・ バッテリー
160、260 ・・・ 導線
161、261 ・・・ 信号線
162、262 ・・・ 電力線
170、270 ・・・ 導線カバー

R ・・・ レール
F ・・・ レール締結装置
Fc ・・・ 板バネクリップ
Fc1 ・・・ 湾曲部
Fc2 ・・・ 上部
Fc2a ・・・ 長孔
Fc3 ・・・ 下部
Fc3a ・・・ 直線部
Fc3b ・・・ レール当接部
Ff ・・・ クリップ固定手段
Ff1 ・・・ 締結ボルト
Ff2 ・・・ 座金
Fp ・・・ バネ受台

G ・・・ 路盤
S ・・・ まくらぎ(レール支承体)
S1 ・・・ 雌ねじ孔
SA ・・・ レール設置面

ΦU ・・・ 開口径
ΦF ・・・ 座金径
L ・・・ 載置部の前後方向の長さ
FS ・・・ 前方収容空間
BS ・・・ 後方収容空間
P ・・・ 当接点

Q ・・・ 軸力
δ ・・・ たわみ量
γ ・・・ 接触子および回転子の回動量
θ ・・・ 接触子の初期設定時の状態からの回動量(センサー本体の水平面に対する傾斜角)
θt ・・・ たわみ計測ユニット自体が傾斜している場合の接触子の真の回動量(センサー本体の水平面に対する傾斜角)
φ ・・・ たわみ計測ユニット自体の水平面に対する傾斜角
D ・・・ センサー本体と回転子の平坦面との間の距離
X ・・・ 軸の中心から当接点までの距離
Y ・・・ 軸の中心からセンサー本体による測定点までの距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11A
図11B