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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040733
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】バウンドストッパおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/58 20060101AFI20220304BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20220304BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20220304BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20220304BHJP
   F16F 1/36 20060101ALI20220304BHJP
   F16F 1/37 20060101ALI20220304BHJP
   B60G 15/06 20060101ALI20220304BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20220304BHJP
【FI】
F16F9/58 B
C08G18/10
C08G18/42
C08G18/76 057
C08G18/42 069
F16F1/36 B
F16F1/36 C
F16F1/37 C
B60G15/06
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145580
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000113517
【氏名又は名称】BASF INOACポリウレタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098752
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 吏規夫
(72)【発明者】
【氏名】牧原 伸征
【テーマコード(参考)】
3D301
3J059
3J069
4J034
【Fターム(参考)】
3D301AA17
3D301DA33
3D301DA84
3J059AB11
3J059AD05
3J059AD06
3J059BA60
3J059BC05
3J059BC19
3J059EA03
3J059EA17
3J059GA02
3J069AA50
3J069CC06
3J069DD49
4J034CA04
4J034CA05
4J034CB03
4J034CB04
4J034CC03
4J034CC08
4J034CD04
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB04
4J034DB05
4J034DF01
4J034DF16
4J034DF20
4J034HA01
4J034HA02
4J034HA06
4J034HA07
4J034HC12
4J034HC52
4J034HC64
4J034HC65
4J034HC67
4J034HC71
4J034JA42
4J034KA01
4J034KB02
4J034KB05
4J034KC08
4J034KC17
4J034KD02
4J034KD03
4J034KD07
4J034KD11
4J034KD12
4J034KE02
4J034LA16
4J034NA02
4J034NA03
4J034NA05
4J034NA08
4J034QA01
4J034QA02
4J034QA03
4J034QA05
4J034QB01
4J034QB14
4J034QC01
4J034QD03
4J034RA12
4J034RA15
(57)【要約】
【課題】機械的強度が大きく、且つ大荷重を繰り返し受けた時の疲労破壊やへたり等に対する耐久性に優れ、更に製造の容易なバウンドストッパの提供を目的とする。
【解決手段】ポリウレタン発泡体製のバウンドストッパ10において、ポリウレタン発泡体を、少なくともイソシアネート成分と発泡剤とを含むポリウレタン発泡体用組成物から得られたものとし、イソシアネート成分が、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得られた、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーからなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ショックアブソーバーのピストンロッドに装着されるポリウレタン発泡体製のバウンドストッパにおいて、
少なくともイソシアネート成分と発泡剤とを含むポリウレタン発泡体用組成物から得られたポリウレタン発泡体からなり、
前記イソシアネート成分は、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得られた、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーであることを特徴とするバウンドストッパ。
【請求項2】
前記ウレタンプレポリマーは、NCO%が3.0~6.0%であることを特徴とする請求項1に記載のバウンドストッパ。
【請求項3】
密度が0.3~0.7g/cm、引張強度が4.0MPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のバウンドストッパ。
【請求項4】
車両用ショックアブソーバーのピストンロッドに装着されるポリウレタン発泡体製のバウンドストッパの製造方法において、
エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートを混合してウレタンプレポリマーを作製し、
少なくとも前記ウレタンプレポリマーと発泡剤とを含むポリウレタン発泡体用組成物を、金型に注入し、発泡させて前記ポリウレタン発泡体製のバウンドストッパを形成することを特徴とするバウンドストッパの製造方法。
【請求項5】
前記エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールは、縮合系ポリエステルポリオールまたは開環系ポリエステルポリオールからなることを特徴とする請求項4に記載のバウンドストッパの製造方法。
【請求項6】
前記縮合系ポリエステルポリオールは、ヒドロキシル基間の炭素数が4~6のジオールと、カルボキシル基間の炭素数が4~10のジカルボン酸とを重縮合させたものであることを特徴とする請求項5に記載のバウンドストッパの製造方法。
【請求項7】
前記開環系ポリエステルポリオールは、ε-カプロラクトンを開環重合させたものであることを特徴とする請求項5に記載のバウンドストッパの製造方法。
【請求項8】
前記ウレタンプレポリマーは、NCO%が3.0~6.0%であることを特徴とする請求項4から7の何れか一項に記載のバウンドストッパの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ショックアブソーバーのピストンロッドに装着されるバウンドストッパおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、車両用ショックアブソーバー70は、シリンダのピストンロッド72にバウンドストッパ75が装着されている。符号71はシリンダ本体、符号73はスプリングである。バウンドストッパ75は蛇腹形状に成形された弾性発泡体からなり、路面からの衝撃や振動でショックアブソーバー70が伸縮してシリンダ本体71とバウンドストッパ75が衝突すると、バウンドストッパ75が圧縮変形して衝撃を緩和する。
【0003】
バウンドストッパ75は、シリンダ本体の衝突やそれによる圧縮変形が繰り返されるため、機械的強度が大きく、且つ大荷重を繰り返し受けた時の疲労破壊やへたり等に対する耐久性が要求される。
【0004】
従来、高荷重、高変形に対する耐久性や耐へたり性を備えつつ、コストダウンを図るバウンドストッパとして、ポリエステル系ポリオールをポリオール成分とし、ジフェニルメタンジイソシアネートをイソシアネート成分とするウレタン原料を金型に注入し、70℃以上で加熱する一次加硫を行った後に、成形体を金型から取り出して加熱する二次加硫を行うことにより、スキン層の密度(Da)および発泡セル径(Ra)と、コア部の密度(Db)および発泡セル径(Rb)を、特定の式及び関係を満たすように形成したポリウレタン発泡体で構成したものが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-183832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一次加硫および二次加硫によって、スキン層の密度(Da)および発泡セル径(Ra)と、コア部の密度(Db)および発泡セル径(Rb)を特定の式及び関係を満たすようにしなければならないため、反応の制御が難しい問題がある。
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、機械的強度が大きく、且つ大荷重を繰り返し受けた時の疲労破壊やへたり等に対する耐久性に優れ、更に製造の容易なバウンドストッパおよびその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、車両用ショックアブソーバーのピストンロッドに装着されるポリウレタン発泡体製のバウンドストッパにおいて、少なくともイソシアネート成分と発泡剤とを含むポリウレタン発泡体用組成物から得られたポリウレタン発泡体からなり、前記イソシアネート成分は、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得られた、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーであることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記ウレタンプレポリマーは、NCO%が3.0~6.0%であることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2において、密度が0.3~0.7g/cm、引張強度が4.0MPa以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、車両用ショックアブソーバーのピストンロッドに装着されるポリウレタン発泡体製のバウンドストッパの製造方法において、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートを混合してウレタンプレポリマーを作製し、少なくとも前記ウレタンプレポリマーと発泡剤とを含むポリウレタン発泡体用組成物を、金型に注入し、発泡させて前記ポリウレタン発泡体製のバウンドストッパを形成することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4において、前記エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールは、縮合系ポリエステルポリオールまたは開環系ポリエステルポリオールからなることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5において、前記縮合系ポリエステルポリオールは、ヒドロキシル基間の炭素数が4~6のジオールと、カルボキシル基間の炭素数が4~10のジカルボン酸とを重縮合させたものであることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5において、前記開環系ポリエステルポリオールは、ε-カプロラクトンを開環重合させたものであることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項4から7の何れか一項において、前記ウレタンプレポリマーは、NCO%が3.0~6.0%であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のバウンドストッパは、少なくともイソシアネート成分と発泡剤とを含むポリウレタン発泡体用組成物から得られたポリウレタン発泡体で構成される。イソシアネート成分は、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得られた、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーからなるため、バウンドストッパの機械的強度を高め、大荷重を繰り返し受けた時の耐久性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の製造方法によれば、従来技術における一次加硫および二次加硫によって、スキン層の密度(Da)および発泡セル径(Ra)と、コア部の密度(Db)および発泡セル径(Rb)を特定の式及び関係を満たすための難しい反応制御が不要なため、機械的強度が高く、大荷重を繰り返し受けた時の耐久性が向上したバウンドストッパの製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るバウンドストッパの断面図である。
図2】本発明のバウンドストッパの製造に使用する金型の断面図及び発泡時の金型の断面図である。
図3】本発明のバウンドストッパの製造において脱型時の金型の断面図である。
図4】比較例と実施例のポリエステルポリオールの内容を示す表である。
図5】比較例と実施例の配合及び物性を示す表である。
図6】バウンドストッパの装着状態を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に示す本発明の一実施形態に係るバウンドストッパ10は、図6に示すバウンドストッパ75と同様に車両のショックアブソーバーのピストンロッド72に装着されるものである。
【0020】
バウンドストッパ10は、側部外周面10aが蛇腹形状に成形された筒状のポリウレタン発泡体からなり、中心には、ショックアブソーバーのピストンロッドを挿通可能とする貫通孔11が形成されている。バウンドストッパ10は、上部10bが下部10cよりも外径が大に形成されている。バウンドストッパ10の長さ及び径はショックアブソーバーに応じた値とされる。
【0021】
バウンドストッパ10を構成するポリウレタン発泡体の密度(JIS K7222:2005準拠)は、0.3~0.7g/cmが好ましい。密度が0.3g/cm未満の場合、ポリウレタン発泡体の物性が低下し、それに対して密度が0.7g/cmの場合には、ポリウレタン発泡体の発泡成形時に発泡圧が高くなって成形が難しくなる。
【0022】
バウンドストッパ10を構成するポリウレタン発泡体の引張強度(JIS K6251:2017準拠)は4.0MPa以上が好ましく、より好ましくは4.0MPa以上で6.0MPa以下である。
【0023】
バウンドストッパ10を構成するポリウレタン発泡体は、ポリウレタン発泡体用組成物から得られる。ポリウレタン発泡体用組成物は、少なくともイソシアネート成分と発泡剤とを含む。
【0024】
イソシアネート成分は、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートとから得られた、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーからなる。なお、エステル結合間の平均炭素数には、エステル結合を構成する炭素の数は含まれない。
【0025】
エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールは、縮合系ポリエステルポリオールまたは開環系ポリエステルポリオールが用いられる。
縮合系ポリエステルポリオールとしては、ヒドロキシル基間の炭素数が4~6のジオールと、カルボキシル基間の炭素数が4~10のジカルボン酸とを重縮合させたものが好ましい。
【0026】
ヒドロキシル基間の炭素数が4~6のジオールとしては、1,4-ブタンジオール[HO-(CH-OH]、1,6-ヘキサンジオール[HO-(CH-OH]を挙げることができる。
カルボキシル基間の炭素数が4~10のジカルボン酸としては、アジピン酸[HOOC-(CH-COOH]、スベリン酸[HOOC-(CH-COOH]、セバシン酸[HOOC-(CH-COOH]、ドデカン二酸[HOOC-(CH10-COOH]を挙げることができる。なお、カルボキシル基間の炭素数には、カルボキシル基を構成する炭素の数は含まれない。
【0027】
開環系ポリエステルポリオールとしては、ε-カプロラクトンを開環重合させたポリカプロラクトンジオール(PCL)が好ましい。
【0028】
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI(クルードMDI)がある。4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートは、モノメリックMDIあるいはピュアMDIとも称される。また、ポリメリックMDI(クルードMDI)は、モノメリックMDIと高分子量のポリイソシアネートの混合物である。それらの中でも4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
本発明で使用するジフェニルメタンジイソシアネートは、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)よりも安価であり、また、NDIと比較して、世界的に生産量が大きく、グローバルな調達が可能である。
【0029】
イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーのNCO%は、3.0~6.0%が好ましい。NCO%が3.0%未満の場合には、十分な強度が得られず、耐久性も悪くなる。一方、NCO%が6.0%を超えると柔軟性が低下して硬くなり、脆くなって耐久性が低下する。
【0030】
本発明で使用するイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーは、公知のウレタンプレポリマーの製造方法により得られる。具体的には、タンク等にエステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールを所定量投入後、所定温度(例えば130℃)に加熱し、加熱した温度を維持しつつ窒素を充填した状態で攪拌しながら、ジフェニルメタンジイソシアネートを所定量投入して反応させることにより、本発明で使用するイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを得ることができる。
【0031】
ポリウレタン発泡体用組成物に含まれる発泡剤は、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。水の場合は、イソシアネート成分の反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤としての水の配合量は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー100重量部に対して0.2~5重量部が好ましい。
【0032】
ポリウレタン発泡体用組成物には、触媒、整泡剤、耐加水分解剤、架橋剤、難燃剤、着色剤、安定剤、充填剤等の添加剤を含ませることができる。
【0033】
触媒は、公知のウレタン化触媒や遅延触媒(感温触媒)を併用することができる。ウレタン化触媒としては例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)等が挙げられる。遅延触媒はウレタン化触媒の活性基部分をギ酸やオクチル酸等の酸でブロックしたアミン塩であり、例えば、ジアザビシクロアルケンのフェノール塩、ジアザビシクロアルケンのオクチル酸塩、3級アミン塩等を挙げることができる。
【0034】
整泡剤は、ポリウレタン発泡体に用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製時に配合しておけば、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー中に均一に分散するため整泡力を向上でき、セルが細かく均一なポリウレタン発泡体を得ることができる。
【0035】
耐加水分解剤は、カルボジイミド化合物等を挙げることができる。特に、ポリオール成分としてポリエステルポリオールを使用した場合、耐加水分解剤を配合することによりポリウレタン発泡体の耐加水分解性を向上させることができる。カルボジイミド基は活性水素基と反応性を有するため、ポリウレタン発泡体の製造時に発泡剤と共に配合することが好ましい。
【0036】
架橋剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。架橋剤は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製時に配合することが好ましく、ポリオール成分やポリロタキサンと共に溶融状態で混合すれば、ウレタンプレポリマー中に架橋剤を均一に分散させることができる。
【0037】
難燃剤は、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレンなどのハロゲン化化合物、リン酸エステルやハロゲン化リン酸エステル等の縮合リン酸化合物、或いはメラミン樹脂やウレア樹脂などの有機系化合物、酸化アンチモンや水酸化アルミニウムなどの無機系化合物等を挙げることができる。難燃剤は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製時に配合しておけば、ウレタンプレポリマー中に均一に分散させることができる。
【0038】
着色剤は、顔料、染料等を挙げることができる。着色剤は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製時に配合しておけば、ウレタンプレポリマー中に均一に分散させることができる。
【0039】
安定剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を挙げることができる。安定剤は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製時に配合しておけば、ウレタンプレポリマー中に均一に分散させることができる。
【0040】
イソシアネートインデックス(INDEX)は、90~120が好ましい。イソシアネートインデックスが90未満の場合は架橋度が小さく、ポリウレタン発泡体が十分な機械的強度が得られなかったり、繰返し荷重を受けた時のへたり等が大きくなり、一方120を超える場合は架橋度が大きく、ポリウレタン発泡体が硬くなったり、弾性が低くなる。より好ましいイソシアネートインデックスは95~115である。イソシアネートインデックスは、ポリウレタン発泡体の分野で使用される指数であって、ポリウレタン発泡体用組成物中の活性水素基に対するイソシアネート基の当量比を百分率で表した数値[NCO基の当量/活性水素基の当量×100]である。
【0041】
バウンドストッパの製造方法について説明する。バウンドストッパの製造は、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製工程と、ポリウレタン発泡体用組成物の金型への注入・発泡工程と、脱型工程と、とよりなる。
【0042】
イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製工程では、エステル結合間の平均炭素数が5~8のポリエステルポリオールの所定量と、ジフェニルメタンジイソシアネートの所定量とを、所定温度(例えば130℃)に加熱した状態で混合することによりイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを作製する。
【0043】
ポリウレタン発泡体用組成物の金型への注入・発泡工程では、少なくともイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと発泡剤及び適宜の添加剤とを含む前記ポリウレタン発泡体用組成物を、金型に注入し、発泡させて前記ポリウレタン発泡体製のバウンドストッパを形成する。
【0044】
図2の(2-A)に、バウンドストッパ用金型30の一実施形態を示す。前記金型30は、下型31、中型33、上型35とよりなる。
下型31は、左右に分割可能な第1下型31aと第2下型31bとからなり、前記バウンドストッパ10の側部外周面10aを形成する型面311a、311bを有する。
中型33は、前記バウンドストッパ10の貫通孔11を形成する型面33aを外周に有するほぼ棒形状からなり、第1下型31aと第2下型31b間に配置される。下型31と中型33は、組み合わせによって第1下型31aの型面311a及び第2下型31bの型面311bと、中型33の型面33aとの間にキャビティ34を形成する。
【0045】
前記キャビティ34にポリウレタン発泡体用組成物を注入した後、図2の(2-B)に示すように、上型35を被せて閉型し、ポリウレタン発泡体用組成物40を反応させて発泡させる。閉型状態で所定時間放置してキュア(一次キュア)し、ポリウレタン発泡体からなるバウンドストッパ10を形成する。一次キュア条件としては、60~120℃で10~120分行うことが好ましい。
【0046】
脱型工程では、図3に示すように上型35を外し、第1下型31aと第2下型31bを開き、中型33を分離する。第1下型31a及び第2下型31bから分離された中型33は、前記ポリウレタン発泡体からなるバウンドストッパ10の貫通孔11に嵌まった状態となっている。その後、バウンドストッパ10をその弾性を利用して中型33から拭き取り、バウンドストッパ10を得る。なお、バウンドストッパ10は、脱型後に二次キュアするのが好ましい。二次キュア条件としては、90~180℃で8~24時間行うことが好ましい。
【実施例0047】
<イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの作製>
図4に示すポリエステルポリオールPO-1~PO-6と、イソシアネートを用い、図5に示す比較例1、2及び実施例1~10に使用するイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを作製した。
ポリエステルポリオールPO-1~PO-6とイソシアネートは、以下の内容からなる。
【0048】
・ポリエステルポリオールPO-1
ポリエステルポリオールPO-1は、カルボン酸間の炭素数4のアジピン酸(AA)と、ヒドロキシル基間の炭素数2のエチレングリコール(EG)とからなるエステル結合間の平均炭素数3の縮合系ポリエステルポリオールであり、Mw;2000、官能基数;2、水酸基価;56mgKOH/g、品名;ポリライト OD-X-102、DIC社製である。
【0049】
・ポリエステルポリオールPO-2
ポリエステルポリオールPO-2は、カルボン酸間の炭素数4のアジピン酸(AA)と、ヒドロキシル基間の炭素数4の1,4-ブタンジオール(BG)とからなるエステル結合間の平均炭素数4の縮合系ポリエステルポリオールであり、Mw;2000、官能基数;2、水酸基価;56mgKOH/g、品名;ポリライト OD-X-668、DIC社製である。
【0050】
・ポリエステルポリオールPO-3
ポリエステルポリオールPO-3は、カルボン酸間の炭素数4のアジピン酸(AA)と、ヒドロキシル基間の炭素数6の1,6-ヘキサンジオール(HD)とからなるエステル結合間の平均炭素数5の縮合系ポリエステルポリオールであり、Mw;2000、官能基数;2、水酸基価;56mgKOH/g、品名;HS2H-201AP、豊国製油社製である。
【0051】
・ポリエステルポリオールPO-4
ポリエステルポリオールPO-4は、カルボン酸間の炭素数8のセバシン酸(SA)と、ヒドロキシル基間の炭素数6の1,6-ヘキサンジオール(HD)とからなるエステル結合間の平均炭素数7の縮合系ポリエステルポリオールであり、Mw;2000、官能基数;2、水酸基価;56mgKOH/g、品名;HS2H-201AP、豊国製油社製である。
【0052】
・ポリエステルポリオールPO-5
ポリエステルポリオールPO-5は、カルボン酸間の炭素数10のドデカン二酸(DDA)と、ヒドロキシル基間の炭素数6の1,6-ヘキサンジオール(HD)とからなるエステル結合間の平均炭素数8の縮合系ポリエステルポリオールであり、Mw;3700、官能基数;2、水酸基価;30mgKOH/g、品名;ポリライトOD-X-2555、豊国製油社製である。
【0053】
・ポリエステルポリオールPO-6
ポリエステルポリオールPO-6は、ε-カプロラクトンを開環重合させたエステル結合間の平均炭素数5のポリカプロラクトンジオール(PCL)であり、Mw;2000、官能基数;2、水酸基価;56mgKOH/g、品名;プラクセル220、ダイセル社製である。
【0054】
・イソシアネート
イソシアネートは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、NCO%;33.6%、品名;コスモネートMT、東ソー社製を用いた。
【0055】
前記のポリエステルポリオール及びイソシアネートを、図5に示す比較例1,2、実施例1~10の比率で用いて、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを次のように作製した。
【0056】
20Lの金属製反応釜に、比較例1,2、実施例1~10に応じた規定量のポリオールとイソシアネートを投入し、投入後、130℃で加熱し、20分間混合し、その後、反応釜を室温で放置し、徐冷することによりイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー(B液)を作製した。
【0057】
<テストピースの作製>
作製したイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー(B液)と次の発泡液(A液)を用い、比較例1,2及び実施例1~10のテストピースを後述の方法で作製した。
・発泡液(A液):水/ひまし油=50/50、品名;アドベードSV、ラインケミージャパン社製
【0058】
80℃に温調したイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーと、40℃に温調した発泡液を、図5に示す比較例1,2及び実施例1~10の比率で配合してポリウレタン発泡体用組成物を作製し、そのポリウレタン発泡体用組成物を混合した後、80℃に温調したテストピース用金型内に図5に示す注入量で注入した。テストピース用金型は、200×110×30mmのキャビティを有する。ポリウレタン発泡体用組成物を金型内に注入後、金型内で発泡させ、80℃で30分キュア(一次キュア)を行った後に得られたポリウレタン発泡体を脱型した。脱型後のポリウレタン発泡体を、更に100℃で12時間キュア(二次キュア)し、比較例1,2及び実施例1~10のテストピースを得た。
【0059】
<製品の作製>
図2及び図3に示した製品用金型(キャビティ容量152ml)を用い、製品用金型への注入量を、図5に示す各実施例及び各比較例の注入量とした以外は、テストピースの作製と同様にして、比較例1,2及び実施例1~10の製品(バウンドストッパ)を得た。
【0060】
各比較例及び各実施例のテストピースについて、密度及び引張強度を測定し、また、製品について、耐久性を測定した。測定結果は図5に示す
【0061】
密度は、テストピース(200×110×30mm)をそのまま測定サンプルとして使用し(上下面及び側面全てスキン層有り)、JIS K7222:2005に準拠して測定した。
【0062】
引張強度は、テストピースから、2号ダンベル×厚み2mm(上下面及び側面全てスキン層無し)の測定サンプルを、スライス等で作製し、JIS K6251:2017に準拠して測定した。引張強度は、3MPa未満の場合に判定「×」、3MPa~4MPa未満の場合に判定「△」、4MPa以上の場合に判定「〇」とした。
【0063】
耐久性の測定では、製品(バウンドストッパ10)をシャフトに挿通し、挿通した製品の上部10bの上面と下部10cの下面を円盤状プレートで挟み固定する。製品の上部にある円盤状プレートの上面にロードセルを設置し、製品の下部にある円盤状プレートの下面より6KN×1HZの測定条件で製品に繰り返し圧縮を加える繰り返し試験を行い、製品に亀裂を生じた時の繰り返し圧縮回数が8万回未満場合に判定「×」、8万回~10万回未満の場合に判定「△」、10万回以上の場合に判定「〇」とした。
また、引張強度の判定と耐久性の判定の一方にでも「×」がある場合に総合判定を「×」、両判定が何れも「△」の場合あるいは「△」と「〇」の場合に総合判定を「△」、両判定が何れも「〇」の場合に総合判定を「〇」とした。
【0064】
比較例1は、エステル結合間の平均炭素数3のポリエステルポリオールPO-1(AA/EG)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ330g、76gとして、テストピース及び製品を作製した。
比較例1は、密度が0.50g/cm、引張強度が3.5MPa、引張強度の判定「△」、耐久性の繰返し試験が7.5万回で亀裂を生じ、耐久性の判定「×」であり、総合判定「×」であった。
【0065】
比較例2は、エステル結合間の平均炭素数4のポリエステルポリオールPO-2(AA/BG)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ337g、78gとして、テストピース及び製品を作製した。
比較例2は、密度が0.51g/cm、引張強度が3.8MPa、引張強度の判定「△」、耐久性の繰返し試験が9万回で亀裂を生じ、耐久性の判定が「△」であり、総合判定「△」であった。
【0066】
実施例1は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-3(AA/HD)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ323g、75gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例1は、密度が0.49g/cm、引張強度が4.2MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0067】
実施例2は、エステル結合間の平均炭素数7のポリエステルポリオールPO-4(SA/HD)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ343g、79gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例2は、密度が0.52g/cm、引張強度が4.8MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0068】
実施例3は、エステル結合間の平均炭素数8のポリエステルポリオールPO-5(DDA/HD)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの254gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ337g、78gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例3は、密度が0.51g/cm、引張強度が4.9MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0069】
実施例4は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ330g、76gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例4は、密度が0.50g/cm、引張強度が4.4MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0070】
実施例5は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの235gとから作製された、NCO%(理論値)3.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液1.85gとで、イソシアネートインデックス105となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ323g、75gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例5は、密度が0.49g/cm、引張強度が4.0MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0071】
実施例6は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの277gとから作製された、NCO%(理論値)4.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液2.4gとで、イソシアネートインデックス108となるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ317g、73gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例6は、密度が0.48g/cm、引張強度が4.2MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0072】
実施例7は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの370gとから作製された、NCO%(理論値)6.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.7gとで、イソシアネートインデックス105なるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ343g、79gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例7は、密度が0.52g/cm、引張強度が4.7MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0073】
実施例8は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108なるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ211g、49gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例8は、密度が0.32g/cm、引張強度が4.0MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0074】
実施例9は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108なるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ271g、62gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例9は、密度が0.41g/cm、引張強度が4.2MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0075】
実施例10は、エステル結合間の平均炭素数5のポリエステルポリオールPO-6(PCL)の1000gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートの322gとから作製された、NCO%(理論値)5.0%のイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーの100gと、発泡液3.00gとで、イソシアネートインデックス108なるポリウレタン発泡体用組成物を作製し、テストピース用金型及び製品用金型への注入量をそれぞれ403g、93gとして、テストピース及び製品を作製した。
実施例10は、密度が0.61g/cm、引張強度が4.5MPa、引張強度の判定「〇」、耐久性の繰返し試験が10万回行っても亀裂を生じず、耐久性の判定が「〇」であり、総合判定「〇」であった。
【0076】
このように、各実施例は、機械的強度(引張強度)が大きく、且つ大荷重を繰り返し受けた時の耐久性に優れたものである。それに対して、エステル結合間の平均炭素数3のポリエステルポリオールPO-1(AA/EG)と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートとから作製された、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーをイソシアネート成分として含むポリウレタン発泡体用組成物から得られた比較例1と、エステル結合間の平均炭素数4のポリエステルポリオールPO-2(AA/BG)と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートとから作製された、イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーをイソシアネート成分として含むポリウレタン発泡体用組成物から得られた比較例2は、機械的強度(引張強度)及び耐久性に劣っている。
【符号の説明】
【0077】
10 バウンドストッパ
30 金型
31 下型
33 中型
35 上型
図1
図2
図3
図4
図5
図6