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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040852
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20220304BHJP
   H02B 1/20 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H02B1/40 D
H02B1/20 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145770
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松本 雄多
【テーマコード(参考)】
5G016
5G211
【Fターム(参考)】
5G016AA04
5G016DC04
5G211AA12
5G211AA23
5G211EE07
5G211EE08
(57)【要約】
【課題】電気接続が容易にできる分電盤を提供する。
【解決手段】一次側送電部材7に電気的に接続する一次側端子部2Aと該一次側端子部2Aと電気的に接続する二次側端子部2Bとを備える端子台2と、電気が供給される給電端子部40を備える回路遮断器4と、前記二次側端子部2Bに電気的に接続される一次側部分30と前記給電端子部40に電気的に接続される二次側部分31とを備え、前記端子台2と前記回路遮断器4を電気的に接続する接続導体3と、前記端子台2と前記回路遮断器4と前記接続導体3とを収納するケース5と、を備え、前記接続導体3は前記一次側部分30が一端側に、前記二次側部分31が他端側に配置される板状に構成され、前記一次側部分30は、前記二次側端子部2Bに挿し込まれる一端側挿込部を備え、前記二次側端子部2Bは、前記一端側挿込部が挿し込まれることで、前記端子台2と前記接続導体3を電気的に接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気を送る一次側送電部材に電気的に接続される一次側端子部と、該一次側端子部と電気的に接続される二次側端子部とを備える端子台と、
電気が供給される給電端子部を備える回路遮断器と、
前記二次側端子部に電気的に接続される一次側部分と、前記給電端子部に電気的に接続される二次側部分とを備え、前記端子台と前記回路遮断器を電気的に接続する接続導体と、
前記端子台と前記回路遮断器と前記接続導体とを収納するケースと、を備え、
前記接続導体は、前記一次側部分が一端側に、前記二次側部分が他端側に配置される板状に構成され、
前記接続導体の一次側部分は、前記二次側端子部に挿し込まれる一端側挿込部を備え、
前記二次側端子部は、前記一端側挿込部が挿し込まれることで、前記端子台と前記接続導体を電気的に接続するように構成されることを特徴とする分電盤。
【請求項2】
前記回路遮断器は、前記ケースに複数収納され、
前記接続導体は、前記端子台と前記複数の回路遮断器を電気的に接続し、
前記接続導体の他端側には、前記複数の回路遮断器における各給電端子部に挿し込まれる複数の他端側挿込部が形成され、
前記給電端子部は、前記他端側挿込部が挿し込まれることで、前記回路遮断器と前記接続導体を電気的に接続するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の分電盤として、特許文献1に記載されたものが存在する。この分電盤は、箱体本体内に、非常設備用開閉器と、箱体本体内に導入した電力供給用電路に接続されるとともに端子台に組み込まれた接続端子体と、一端が前記非常設備用開閉器の入力端部に接続され、他端が前記接続端子体に接続される送り線と、を備える。前記接続端子体は、導電材料で形成された枠部材を備えており、該枠部材は、突設された突片と該突片に螺合された固定ねじとを備える。この分電盤によれば、前記送り線の他端に前記固定ねじが挿通された状態で、前記固定ねじを締め付けることにより、前記送り線が前記接続端子体に接続され、電力供給用電路を介して箱体本体外から供給された電気を、接続端子体と送り線を介して非常設備用開閉器に供給できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-215130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の分電盤では、前記電力供給用電路から前記非常設備用開閉器に電気を供給するために、前記接続端子体と前記非常設備用開閉器が前記送り線を介して、電気的に接続されている。そのため、上記特許文献1に記載の分電盤では、箱体本体内に送り線を巡らせる必要があり、前記接続端子体と前記非常設備用開閉器の電気的な接続に手間がかかる。
【0005】
また、前記電力供給用電路から前記非常設備用開閉器に電気を供給するためには、前記送り線と前記接続端子体を電気的に接続する必要がある。ここで、上記特許文献1に記載の分電盤において、前記送り線と前記接続端子体を電気的に接続するには、前記送り線の他端に前記固定ねじを挿通した後、該固定ねじを前記突片に螺合させる必要がある。よって、上記特許文献1に記載の分電盤では、前記送り線と前記接続端子体との電気的な接続に手間がかかる。なお、上記のような問題は、非常設備用開閉器だけでなく、主幹開閉器や分岐開閉器などの開閉器(回路遮断器)全般に生じうる問題である。
【0006】
そこで、本発明は、電気接続が容易にできる分電盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電気を送る一次側送電部材に電気的に接続される一次側端子部と、該一次側端子部と電気的に接続される二次側端子部とを備える端子台と、電気が供給される給電端子部を備える回路遮断器と、前記二次側端子部に電気的に接続される一次側部分と、前記給電端子部に電気的に接続される二次側部分とを備え、前記端子台と前記回路遮断器を電気的に接続する接続導体と、前記端子台と前記回路遮断器と前記接続導体とを収納するケースと、を備え、前記接続導体は、前記一次側部分が一端側に、前記二次側部分が他端側に配置される板状に構成され、前記接続導体の一次側部分は、前記二次側端子部に挿し込まれる一端側挿込部を備え、前記二次側端子部は、前記一端側挿込部が挿し込まれることで、前記端子台と前記接続導体を電気的に接続するように構成されることを特徴とする分電盤である。
【0008】
上記構成の分電盤によれば、前記接続導体が板状に構成されているため、前記ケース内に接続導体を巡らせる必要がなく、また、前記接続導体の一次側部分である前記一端側挿込部が前記二次側端子部に挿し込まれることで、前記端子台と前記接続導体とを電気的に接続できるため、前記端子台と前記接続導体との電気的な接続を容易にできる。
【0009】
また、本発明の分電盤では、前記回路遮断器は、前記ケースに複数収納され、前記接続導体は、前記端子台と前記複数の回路遮断器を電気的に接続し、前記接続導体の他端側には、前記複数の回路遮断器における各給電端子部に挿し込まれる複数の他端側挿込部が形成され、前記給電端子部は、前記他端側挿込部が挿し込まれることで、前記回路遮断器と前記接続導体を電気的に接続するように構成されていてもよい。
【0010】
上記構成の分電盤によれば、各他端側挿込部を対応する給電端子部に挿し込むことで、前記複数の回路遮断器と前記接続導体を電気的に接続できるため、前記複数の回路遮断器と前記接続導体との電気的な接続を容易にできる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、前記端子台と前記接続導体とを電気的に接続できるため、電気接続が容易にできる分電盤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態に係る分電盤の正面図である。
図2】同実施形態の端子台の前側から見た図である。
図3】同実施形態の端子台の一次側から見た図である。
図4】同実施形態の端子台の二次側から見た図である。
図5】同実施形態の端子台の後ろ側から見た図である。
図6】同実施形態の端子台のL2側から見た図である。
図7】同実施形態の端子台のL1側から見た図である。
図8】同実施形態の端子台の二次側から見た斜視図で、基台のL1側の端壁部の一部を省略した図である。
図9】同実施形態の端子台の二次側から見た斜視図である。
図10】同実施形態の端子台の一次側から見た斜視図である。
図11】同実施形態の端子台の図2に示すXI-XI方向の断面図である。
図12】同実施形態の接続導体の正面図である。
図13】同実施形態の接続導体の斜視図である。
図14】同実施形態の接続導体の左側面図である。
図15】同実施形態の接続導体の分解斜視図である。
図16】同実施形態の分電盤の図1に示すXVI-XVI方向の断面図である。
図17】同実施形態の短絡部材の斜視図である。
図18】同実施形態の短絡部材が取り付けられた端子台の正面図である。
図19】同実施形態の端子台の図18に示すXIX-XIX方向の断面図である。
図20】本発明の第二実施形態に係る分電盤の正面図である。
図21】同実施形態の接続導体の斜視図である。
図22】同実施形態の接続導体の左側面図である。
図23】同実施形態の接続導体の分解斜視図である。
図24】同実施形態の分電盤の図20に示すXXIV-XXIV方向の断面図である。
図25】本発明の第一、第二の実施形態とは異なる実施形態に係る接続導体の斜視図である。
図26】同実施形態に係る接続導体の左側面図である。
図27】同実施形態に係る接続導体の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第一実施形態に係る分電盤1について、図1~19を参照して説明する。本実施形態の分電盤1は、例えば住宅に設置される分電盤であって、送配電線から電力量計などの外部機器を介して住宅内に引き込まれてきた電気を住宅内の電化製品などの負荷に分電して供給するために利用される。この分電盤1は、図1に示すように、電気を送る一次側送電部材7に電気的に接続される端子台2と、負荷へ電気供給するための回路を遮断可能な回路遮断器4と、前記端子台2と前記回路遮断器4を電気的に接続する接続導体3と、前記端子台2と前記回路遮断器4と前記接続導体3を収納するケース5と、を備える。なお、図1では、分電盤1の構成をより理解しやすくするため、便宜的にケース5内が開放された状態の分電盤1を示す。
【0014】
以下では、分電盤1の「左右方向」は図1の左右に対応し、「上下方向」は上下に対応し、「前後方向」は前記上下左右方向に直交する方向(図1の紙面表裏方向)に対応する。また、端子台2の一次側端子部2A側を「一次側」と、二次側端子部2B側を「二次側」とする「一次、二次方向」として特定し、L1極の端子部21b側を「L1側」と、L2極の端子部21c側を「L2側」とする「L1、L2方向」として特定する。なお、本実施形態では、「左右方向」が「L1、L2方向」と同方向であり、「上下方向」が「一次、二次方向」と同方向であるように設定されているが、端子台2の向きによっては、例えば、「左右方向」が「一次、二次方向」となり、「上下方向」が「L1、L2方向」に設定される場合もある。また、端子台2のL1極の端子部21bとL2極の端子部21cの位置は、反対にあってもよい。この場合は、L1側と右側、L2側と左側が同一方向に設定される。
【0015】
端子台2は、図1に示すように、前記一次側送電部材7に電気的に接続する一次側端子部2Aと、接続導体3に電気的に接続する二次側端子部2Bと、を備える。本実施形態の端子台2は、一次側(電源側)と二次側(負荷側)に電気的に接続する端子部21と、該端子部21が取り付けられた基台20を備える。なお、本実施形態の端子台2では、図1、2に示すように、基台20上に三つの端子部21a、21b、21cを備える。そのため、本実施形態の端子台2は、21aがN極、21bがL1極、21cがL2極の三極型である。なお、これら三つの端子部21a、21b、21cはL1、L2方向に並設されている。
【0016】
本実施形態の基台20は、図2~11に示すように、ケース5に取り付けられる基台本体200と、該基台本体200に設けられた壁部201を備える。この基台本体200は、端子台2の一次、二次方向の一次側に位置する一次側基台部2000と、該一次側基台部2000と反対側の二次側に位置する二次側基台部2001を備える。なお、本実施形態の基台20は絶縁性を有するため、作業者が触って感電することを防止できる。
【0017】
本実施形態の一次側基台部2000では、図2、5、10に示すように、一次側の端面2000aが一次側に突出する凸状に形成されている。また、一次側基台部2000は、図3、5、11に示すように、端子部21が基台本体200に取り付けられた際に、後述する一次側部210が収容される一次収容部2000Bを備える。この一次収容部2000Bは、一次側基台部2000の前面から後ろ側に穿設されている。具体的に、本実施形態の一次収容部2000Bは、図3、11に示すように、雌部210Aが収容される雌部収容孔2000Baと、雄部210Bが挿入される雄部挿入孔2000Bbと、から構成される。なお、本実施形態で、雌部収容孔2000Baは、L1、L2方向及び一次、二次方向で雄部挿入孔2000Bbよりも広く形成されている。一方で、雄部挿入孔2000Bbは、雌部収容孔2000Baに連通するとともに、前記雌部収容孔2000Baよりも後ろ側に長く形成されている。
【0018】
本実施形態では、図3に示すように、L1、L2方向に三つの一次収容部2000Bが形成されている。そして、L1、L2方向における中央の一次収容部2000Bは、図5に示すように、他の一次収容部2000Bよりも一次側に配置されている。なお、本実施形態の一次側基台部2000には、L1、L2方向における中央の端子部21aを基台本体200に固定する固定部(ねじ孔)2000Aが形成されている。
【0019】
本実施形態の二次側基台部2001は、図2、8~11に示すように、後述する二次側部211を収容する二次収容部2001Bを備える。この二次収容部2001Bは、二次側基台部2001の前面から後ろ側に穿設されている。また、本実施形態では、L1、L2方向に三つの二次収容部2001Bが形成され、特に、中央の二次収容部2001Bは他の二次収容部2001Bよりも一次側に配置されている。
【0020】
本実施形態の二次側基台部2001には、図5、11に示すように、L1、L2方向の両端の端子部21b、21cを基台本体200に固定する固定部(ねじ孔)2001Aが形成されている。さらに、本実施形態の二次側基台部2001には、図2、5、8~10に示すように、基台20をケース5(底板部50)に取り付ける際に利用される、前後方向に貫通した取付孔2001Cが二つ形成されている。
【0021】
本実施形態の二次側基台部2001では、図2、5、8、9に示すように、二次側の端面2001aが平坦に形成されている。この二次側の端面2001aには、図2、4、8~11に示すように、一次、二次方向に延びて、前記二次収容部2001Bに連通する連通孔2001Dが形成されている。本実施形態では、L1、L2方向に三つの連通孔2001Da、2001Db、2001Dcが設けられている。さらに、本実施形態では、中央の二次収容部2001Bがほかの二次収容部2001Bよりも一次側まで形成されている。そのため、L1、L2方向の中央の連通孔2001Daは、他の連通孔2001Db、2001Dcよりも一次側に長く形成されている。
【0022】
壁部201は、並設された端子部21同士を隔絶する。本実施形態の基台20において、壁部201は、図3、4、6~11に示すように、前側に突出しているとともに、一次、二次方向に延びている。また、本実施形態の壁部201は、L1、L2方向の両端に設けられた二つの端壁部2010と、三つの端子部21を仕切る二つの仕切壁部2011を備える。本実施形態の端壁部2010は、図6、7、11に示すように、仕切壁部2011よりも前側に突出している。その一方で、本実施形態の仕切壁部2011は、図2、6、7、10、11に示すように、端壁部2010よりも一次側に長く形成されている。そのため、本実施形態の一次側基台部2000の一次側の端面2000aは、図2、5に示すように、凸状に形成されている。さらに、本実施形態の仕切壁部2011は、図2~4、8~10に示すように、L1、L2方向で端壁部2010よりも厚く形成されている。
【0023】
本実施形態の仕切壁部2011は、図2~4、8~11に示すように、その前側の面に、後述する短絡部材6を取り付ける取付部2012を備える。この取付部2012は、図9、11に示すように、後述する短絡部材6を載置する載置部2012aと、該載置部2012aから突設する突設部2012bを備える。この載置部2012aは、仕切壁部2011から前側に突出している。また、本実施形態の載置部2012aは、二次側の面が平らに形成されている。一方で、突設部2012bは、前記載置部2012aから二次側に突設している。なお、この取付部2012は、三つの端子部21のうち、両端に位置する端子部21(21b、21c)同士を短絡させるように配置された短絡部材6を下から支持するものであれば、仕切壁部2011以外の部分に設けることもできるし、載置部2012aと突設部2012bを備える構成以外の構成とすることもできる。
【0024】
端子部21は、基台本体200に取り付けられている。本実施形態では、図2に示すように、三つの端子部21(21a、21b、21c)がL1、L2方向で基台本体200に並設されている。説明の重複を避けるため、以下では一つの端子部21について説明し、それを他二つの端子部21に援用する。端子部21は、図2に示すように、一次側端子部2Aとしての電源側(一次側)の一次側部210と、二次側端子部2Bとしての負荷側(二次側)の二次側部211と、前記一次側部210と前記二次側部211を電気的に接続する電気接続部212を備える。
【0025】
一次側部210は、一次側送電部材7の端部を端子台2に固定する。本実施形態の一次側部210は、図3、11に示すように、一次収容部2000Bに収容されることで、一次側基台部2000に取り付けられている。具体的に、本実施形態の一次側部210は、雌部収容孔2000Baに収容された雌部210A(具体的には、雌ねじが形成された雌ねじ部材)と、前記雌部210Aに取り付けられるとともに、前記雄部挿入孔2000Bbに挿入される雄部210B(具体的には、雄ねじが形成された雄ねじ部材と該雄ねじ部材が挿通される座金及び押さえ部材)から構成される。
【0026】
二次側部211は、接続導体3を端子台2に固定する。この二次側部211は、図2、8、9、11に示すように、二次収容部2001Bに収容されることで、二次側基台部2001に取り付けられている。具体的に、本実施形態の二次側部211は、筒状に形成され、孔部2110aと該孔部2110aに直交する挿入孔2110bを備える枠体2110と、前記挿入孔2110bを介して、該枠体2110が延びる方向(具体的には、一次、二次方向)と直交する方向(前側)から枠体2110の孔部2110aに挿入される挿入部材2111(具体的には、ボルト)と、を備える。本実施形態の枠体2110(具体的には、枠体2110の孔部2110a)は、図11に示すように、二次側基台部2001の連通孔2001Dと連通するように、二次収容部2001Bに収容されている。また、本実施形態の挿入部材2111は、前後方向に延びる状態で二次収容部2001B内に配置されている。
【0027】
電気接続部212は、図1、16に示すように、一次側送電部材7と接続導体3を電気的に接続する。この電気接続部212は、導電性を有した板状部材(具体的には、銅板)から構成される。また、この電気接続部212は、図2、11に示すように、一次側基台部2000と二次側基台部2001に亘るように、基台本体200上に配置されている。さらに、この電気接続部212は、図3、4、8、11に示すように、一次側送電部材7と電気的に接続する一次側接続部2121と、接続導体3と電気的に接続する二次側接続部2122を備える。なお、本実施形態では、L1、L2方向に三つの電気接続部212が並設している。特に、中央の電気接続部212は、図2に示すように、他の電気接続部212より一次側に配置されている。また、電気接続部212は、図8、11に示すように、該電気接続部212に挿通した固定部材22が固定部2000A、2001Aに固定されることで、基台本体200に取り付けられている。
【0028】
一次側接続部2121は、図3、11に示すように、一次収容部2000Bと重なるよう、一次側基台部2000に配置されている。この一次側接続部2121は、前記一次収容部2000Bと連通するとともに、一次側部210を構成する雄部210Bを挿通可能な雄部挿通孔2121aを備える。
【0029】
本実施形態では、一次側接続部2121の雄部挿通孔2121aに挿通した雄部210Bを一次収容部2000Bに収容された雌部210Aに螺合することで、一次側端子部2Aが形成される。よって、本実施形態の一次側端子部2Aは、図3に示すように、雄部210B(雄ねじ部材)を一次側送電部材7の端部に挿通することにより固定を行う、いわゆる「挿通方式」の端子部として構成されている。
【0030】
二次側接続部2122は、図8、11に示すように、一次側から枠体2110の孔部2110aに挿入されることで二次側基台部2001に配置されている。また、この二次側接続部2122は、孔部2110a内の後ろ側で、枠体2110に沿って配置されている。本実施形態では、図11に示すように、枠体2110の孔部2110a内に二次側接続部2122を挿入することで、二次側端子部2Bが形成される。さらに、本実施形態の二次側端子部2Bは、後述する一端側挿込部300が挿し込み可能な二次側被挿込部として構成されている。具体的には、この二次側端子部2Bは、挿し込まれた接続導体3の一端側挿込部300を挟持することで電気的に接続する「挟持方式」の端子部として構成されている。なお、「挟持方式」の端子部としては、挿入部材2111と二次側接続部2122により一端側挿込部300を挟持するもののほか、例えば、挿入部材2111と、枠体2110の孔部2110aを備えず、二次側接続部2122の二次側の端面2001a側が一次側に反り返り、この反り返った箇所が一端側挿込部300を枠体2110側に圧接することにより、二次側接続部2122と枠体2110で一端側挿込部300を挟持するもの(具体的には、速結端子)としてもよい。
【0031】
以上、本実施形態の端子部21は、一次側端子部2Aと二次側端子部2Bを備える。また、本実施形態の一次側端子部2Aと二次側端子部2Bは、図11に示すように、電気接続部212を(具体的に、一次側端子部2Aは一次側接続部2121を、二次側端子部2Bは二次側接続部2122を)備える。そのため、一次側端子部2Aと二次側端子部2Bは、前記電気接続部212を介して、電気的に接続している。なお、本実施形態では、一次側基台部2000に三つの一次側端子部2A(具体的には、N極、L1極、L2極の一次側端子部2A)を、二次側基台部2001に三つの二次側端子部2B(具体的には、N極、L1極、L2極の二次側端子部2B)を、それぞれ備えている。さらに、N極(L1、L2方向の中央)の一次側端子部2Aと二次側端子部2Bのそれぞれは、他の一次側端子部2Aと二次側端子部2Bよりも一次側に配置されている。
【0032】
接続導体3は、図12~15に示すように、導電性を有する板状の導体(具体的には、銅板)により構成されている。本実施形態の接続導体3は、二次側端子部2Bに電気的に接続される一次側部分30と、後述する給電端子部40に電気的に接続される二次側部分31と、前記一次側部分30と前記二次側部分31を電気的に接続する導体本体32とを備える。すなわち、本実施形態の接続導体3は、一枚の銅板を曲げ加工することにより、一次側部分30、二次側部分31、導体本体32を備える部材となっている。なお、本実施形態の分電盤1では、図1、12、15に示すように、複数(具体的には、L1極、L2極、N極の三極)の接続導体3(3a、3b、3c)が配置され、これらの接続導体3がケース5の導体取付部501に取り付けられることで、ケース5内に配置されている。
【0033】
接続導体3の一次側部分30は、二次側部分31よりも一端側(図1、12に示す左側)に配置される。この一次側部分30(30a、30b、30c)は、図13、15に示すように、二次側端子部2Bに挿し込まれる一端側挿込部300(300a、300b、300c)と、前記一端側挿込部300と後述する導体本体32を連結する一端側連絡部301(301a、301b、301c)と、を備える。本実施形態の一端側挿込部300は、図12に示すように、左右方向に延びる導体本体32と直交する方向(具体的には、下側)に延びる。特に、本実施形態において、N極の接続導体3aの一端側挿込部300aは、他の接続導体3b、3cの一端側挿込部300b、300cよりも下側に延びる。また、一端側挿込部300(300a、300b、300c)は、図12~15に示すように、前後方向での長さ(厚み)が左右方向での長さ(幅)よりも短く形成されている。さらに、図12、13、15に示すように、本実施形態の一端側挿込部300(300a、300b、300c)の下側は、左右方向での長さが短くなるように形成されている。
【0034】
一端側挿込部300が二次側端子部2B(二次側被挿込部)に挿し込まれることで、端子台2と接続導体3が電気的に接続する。本実施形態では、図16に示すように、一端側挿込部300(300b)が二次側から枠体2110の孔部2110aに挿し込まれ、挿入部材2111で挟持されることで、二次側接続部2122に接触し、端子台2と接続導体3が電気的に接続する。
【0035】
一端側連絡部301(301a、301b、301c)は、図13~15に示すように、下側に延びる一端側挿込部300と左右方向に延びる導体本体32(32a、32b、32c)とを連結する。この一端側連絡部301(301a、301b、301c)は、一端側挿込部300(300a、300b、300c)のうち、二次側端子部2Bに挿し込まれる側(下側)とは逆側(上側)の端から前側に延出し、導体本体32(32a、32b、32c)に連結している。
【0036】
接続導体3の二次側部分31は、一次側部分30よりも他端側(図1、12の右側)に配置される。つまり、接続導体3は、一次側部分30が一端側に、二次側部分31が他端側に配置された部材である。二次側部分31は、給電端子部40に挿し込まれる他端側挿込部310(310a、310b、310c)と、前記他端側挿込部310と導体本体32を連絡する他端側連絡部311(311a、311b、311c)を備える。他端側挿込部310は、図12に示すように、左右方向に延びる導体本体32と直交する方向(具体的には、下側)に延びる。この他端側挿込部310は、後述する給電端子部40に挿し込まれることで、回路遮断器4と接続導体3とを電気的に接続する、いわゆる「プラグイン端子」として構成されている。また、本実施形態の他端側挿込部310は、図12、13、15に示すように、左右方向に複数配置されている。具体的に、本実施形態の他端側挿込部310は、前後方向での長さ(厚み)が左右方向での長さ(幅)よりも長い第一他端側挿込部310Aと、前後方向での長さ(厚み)が左右方向での長さ(幅)よりも短い第二他端側挿込部310Bを備える。
【0037】
本実施形態の場合、N極の接続導体3aは、図15に示すように、導体本体32aよりも後ろ側に、他端側挿込部310aとして第一他端側挿込部310Aaを備える。一方で、L1極とL2極の接続導体3b、3cは、第一他端側挿込部310Ab、310Acと第二他端側挿込部310Bb、310Bcの両方を備える。また、L1極とL2極の接続導体3b、3cにおいて、第一他端側挿込部310Ab、310Acは、導体本体32b、32cよりも前側に位置し、第二他端側挿込部310Bb、310Bcは、導体本体32b、32cよりも後ろ側に位置している。そして、接続導体3b、3cそれぞれにおいて、第一他端側挿込部310Ab、310Acと第二他端側挿込部310Bb、310Bcは、左右方向で交互に配置されている。なお、本実施形態では、図12に示すように、第一他端側挿込部310Abと第二他端側挿込部310Bc、第一他端側挿込部310Acと第二他端側挿込部310Bbが前後方向で重なって配置されている。
【0038】
他端側連絡部311は、他端側挿込部310と導体本体32を連結する。具体的に、本実施形態の他端側連絡部311は、図15に示すように、導体本体32と第一他端側挿込部310Aに連結する第一他端側連絡部311A(311Aa、311Ab、311Ac)と、導体本体32と第二他端側挿込部310Bに連結する第二他端側連絡部311B(311Bb、311Bc)を備える。
【0039】
導体本体32は、ケース5内を延びる。本実施形態の導体本体32(32a、32b、32c)は、図1に示すように、ケース5内において、端子台2及び回路遮断器4よりも上側で左右方向に延びる。そのため、本実施形態の導体本体32は、図12、15に示すように、略直線状に形成されている。また、この導体本体32は、一端側連絡部301や他端側連絡部311を介して、一端側挿込部300と他端側挿込部310に接続している。なお、本実施形態では、図14、15に示すように、N極の導体本体32aは上下方向での長さ(幅)が前後方向での長さ(厚み)よりも長く形成されているのに対して、L1極の導体本体32bとL2極の導体本体32cは上下方向での長さ(厚み)が前後方向での長さ(幅)よりも短く形成されている。
【0040】
回路遮断器4は、接続導体3を介して、端子台2と電気的に接続する。この回路遮断器4は、ハンドルの開状態及び閉状態に応じて、接続された接続導体3と負荷機器(例えば、電化製品)との導通と非導通を切り替える。具体的に、本実施形態の回路遮断器4は、図1に示すように、分岐ブレーカ4aである。また、本実施形態では、ケース5内の左右方向に複数(6つ)の分岐ブレーカ4aが並設されている。
【0041】
回路遮断器4の一方側(具体的には、図1の上側)には、電気を供給する給電端子部40が設けられている。この給電端子部40は、前記他端側挿込部310を挿し込み可能な給電被挿込部として構成されている。そのため、この給電端子部40(給電被挿込部)には、接続導体3の二次側部分31(具体的には、他端側挿込部310)が挿し込まれる。具体的に、本実施形態の給電端子部40には、L1極の接続導体3bの第二他端側挿込部310BbとL2極又はN極の接続導体3c、3aの第一他端側挿込部310Ac、310Aaの組み合わせ、或いはL2極の接続導体3cの第二他端側挿込部310BcとL1極又はN極の接続導体3b、3aの第一他端側挿込部310Ac、310Aaの組み合わせが挿し込まれる。ここで、本実施形態の給電端子部40は、いわゆる「プラグイン方式」の端子部として構成される。そのため、給電端子部40は、接続導体3の二次側部分31(具体的には、他端側挿込部310)が挿し込まれることで、接続導体3と回路遮断器4を電気的に接続する。
【0042】
ケース5は、矩形状であり、図1、16に示すように、底板部50と矩形状の枠部51を備える。底板部50は、端子台2と回路遮断器4を取り付け可能に構成されている。具体的に、本実施形態の底板部50では、前側の面に端子台2と回路遮断器4が取り付けられる。なお、本実施形態の底板部50は、左右方向が上下方向よりも長い矩形状に形成されている。
【0043】
底板部50には、その一部が切り抜かれることで、ケース5内外をつなぐ窓部500が形成されている。本実施形態では、外部から一次側送電部材7をケース5内に通すための挿通窓部500aと、回路遮断器4の負荷側端子部から延びて負荷へ接続される負荷用配線(図示しない)をケース5外に出すための挿通窓部500bが設けられている。そして、この挿通窓部500aと挿通窓部500bは同じ方向(左右方向)で並設されている。具体的に、挿通窓部500aは、後述する第2枠辺部510bと底板部50に取り付けられた端子台2との間に、挿通窓部500bは、第2枠辺部510bと底板部50に取り付けられた回路遮断器4との間にそれぞれ配置されている。本実施形態では、図1に示すように、挿通窓部500aは挿通窓部500bよりも左側に配置されている。
【0044】
本実施形態の底板部50には、接続導体3を取り付ける導体取付部501が設けられている。この導体取付部501は、後述する枠辺部(第1枠辺部510a)の長手に沿って設けられている。また、この導体取付部501は、前記窓部500よりも第1枠辺部510a側に配置されている。
【0045】
枠部51は、矩形状の底板部50の4つの外周縁部から前側に突出することで、それぞれ立ち上げられる4つの枠辺部(第1枠辺部510a、第2枠辺部510b、前記第1枠辺部510aと第2枠辺部510bを接続する2つの接続枠辺部510c)を備え、ケース5の外周壁を形成している。そのため、本実施形態では、第1枠辺部510aと第2枠辺部510bが上下方向で対向配置され、2つの接続枠辺部510cが左右方向で対向配置されている。
【0046】
本実施形態の一次側送電部材7は、図1、16に示すように、挿通窓部500aを介してケース5内に挿入され、端子台2の一次側端子部2Aに電気的に接続される。この一次側送電部材7は、線状の配線(具体的には、導線)として形成されている。さらに、この一次側送電部材7の端部は、図16に示すように、圧着端子(具体的には、丸型圧着端子)が圧着(具体的には、カシメ)により取り付けられることで、雄部210B(雄ねじ)を挿通可能な挿通端子70として構成されている。具体的に、この挿通端子70は、導電性を有した平板状に形成されるとともに、雄部210Bが挿通可能な挿通孔700を備える。
【0047】
本実施形態の挿通端子70は、図16に示すように、一次側接続部2121に重ねた状態で、一次側部210により固定されている。具体的には、挿通孔700と雄部挿通孔2121aが連通するよう、挿通端子70と一次側接続部2121を重ねた状態で、連通している雄部挿通孔2121aと挿通孔700に雄部210B(雄ねじ)を挿通させ、該雄部210Bを雌部210Aに螺合させる。これにより、挿通端子70と一次側接続部2121を電気的に接続できるとともに、一次側部210(具体的には、雄部210Bと雌部210A)により、挿通端子70を固定できる。よって、一次側送電部材7を一次側端子部2Aに電気的に接続する。なお、本実施形態では、図1に示すように、三つの一次側送電部材7それぞれが、三つの一次側端子部2Aに電気的に接続している。
【0048】
以上、本実施形態の分電盤1では、図1に示すように、一次側(電源側)から端子台2に一次側送電部材7が接続するとともに、端子台2の二次側に接続導体3が接続され、この接続導体3が回路遮断器4に接続している。
【0049】
本実施形態では、図1に示すように、端子台2と回路遮断器4、接続導体3がケース5内に収納されている。端子台2と回路遮断器4は、底板部50に取り付けられることにより、ケース5内に収納される。具体的に、端子台2と回路遮断器4は、導体取付部501よりも下側で、1つの枠辺部(第1枠辺部510a)の長手方向(具体的には、左右方向)に沿うように底板部50に取り付けられている。そのため、端子台2と回路遮断器4は、ケース5内に並設されている。また、端子台2と回路遮断器4は、底板部50において、窓部500よりも上側に取り付けられている。なお、本実施形態では、端子台2が回路遮断器4より左側に設けられている。
【0050】
また、端子台2の二次側端子部2Bと回路遮断器4の給電端子部40は、端子台2と回路遮断器4が並設する方向(具体的には、左右方向)と直交する方向(具体的には、上下方向)において、同じ方向(具体的には上側)に面するように配置されている。具体的に、本実施形態では、二次側端子部2Bと給電端子部40は、第1枠辺部510aの方に向けられて配置されており、同じ方向から接続導体3を接続可能となっている。
【0051】
二次側端子部2Bと給電端子部40は、図1に示すように、前記同じ方向で同じ位置に配置されている。ここで、本実施形態では、端子台2は一次側に配置される一次側端子部2Aと二次側に配置される二次側端子部2Bとを備える端子部21を3つ備える。また、該3つの端子部21は、端子台2と回路遮断器4が並設する方向に並んで配置されている。一方で、並設する方向の中央となる端子部21aは、他の2つの端子部21b、21cに対して一次側に寄せて配置されている。そのため、本実施形態では、前記他の2つの端子部21b、21cの二次側端子部2Bが前記給電端子部40と前記同じ方向(本実施形態では、上下方向)において同じ位置に配置されている。
【0052】
接続導体3は、ケース5の導体取付部501に取り付けられることで、ケース5に収納されている。ここで、本実施形態の導体取付部501は、端子台2及び回路遮断器4と第1枠辺部510aとの間に配置されているとともに、第1枠辺部510aの長手に沿って設けられている。そのため、導体取付部501に取り付けられた接続導体3は、端子台2及び回路遮断器4と第1枠辺部510aとの間に配置されるとともに、第1枠辺部510aの長手に沿って延設されている。また、一端側(一次側部分30)が左側に、他端側(二次側部分31)が右側となる状態で、この接続導体3は導体取付部501に取り付けられている。そのため、導体本体32と直交する方向(下側)に延びる一端側挿込部300が二次側端子部2Bの方に突設され、他端側挿込部310が給電端子部40の方へ突設されている。
【0053】
本実施形態では、図18、19に示すように、端子台2に短絡部材6が取付けられることがある。この短絡部材6は、複数の端子部21を電気的に接続するために利用される。本実施形態の短絡部材6は、三極型(単層3線式)の端子台2を二極型(単層2線式)とする際に利用される。また、この短絡部材6は、三つの端子部21a、21b、21cのうち、両端の端子部21b、21c間を亘るように端子台2の一対の仕切壁部2011、2011の前面側に配置される連絡部60と、該連絡部60の両端部に設けられ、両端の端子部21b、21cへ向けて仕切壁部2011に沿って延出されて各端子部21b、21cを連絡する一対の延出部61とを備える。なお、本実施形態の短絡部材6は、導電性の板状部材(具体的には、銅板)から構成されている。
【0054】
連絡部60は、図17に示すように、長尺板状に形成されている。具体的に、この連絡部60の長手は、並設された三つの一次側端子部2Aのうち、二つの一次側端子部2A(具体的には、L1極とL2極の一次側端子部2Ab、2Ac)の距離に略等しい。また、本実施形態の連絡部60は、図17図18に示すように、端子台2に取り付ける際に、取付部2012に支持される(下から支持される)被支持部600を備える。なお、本実施形態の連絡部60では、被支持部600が形成された長縁60aと反対側の長縁60bを結ぶ短縁60cが、前記被支持部600が形成された長縁60aから反対側の長縁60bに進むにつれて、連絡部60の長手の間隔を狭くするテーパ状に形成されている。
【0055】
被支持部600は、連絡部60の長縁60aにおいて、両端側から延出する二つの延出部61の間で突出するように設けられている。また、この被支持部600は、図18に示すように、短絡部材6を端子台2に取り付けた際に、前後方向で取付部2012と重なる位置に配置される。本実施形態では、被支持部600の長手(長縁600a)は、端子台2に設けられた二つの取付部2012の距離と略同一の長さに形成されている。そして、この被支持部600は、仕切壁部2011の前面から突設部2012bまでの間の距離よりも薄く形成されている。そのため、図19に示すように、仕切壁部2011の前面と突設部2012bとの間に被支持部600を配置できる。さらに、本実施形態の被支持部600の長縁600aは、平坦に形成されている。そのため、短絡部材6を取付部2012に取り付けた際は、被支持部600の長縁600aを載置部2012aに載置できる。
【0056】
本実施形態の連絡部60には、図17に示すように、切り欠き部601が設けられている。この切り欠き部601は、連絡部60の長縁60aと反対側の長縁60bに形成されている。また、この切り欠き部601は、図18に示すように、短絡部材6を端子台2に取り付けた際に、L1、L2方向の中央の二次収容部2001Bと前後方向で重なる位置に形成されている。そのため、短絡部材6を取り付けた後においても、二次収容部2001Bに収容された挿入部材2111を操作する作業を容易にできる。
【0057】
短絡部材6は、連絡部60から延出する延出部61を備える。この延出部61は、図17に示すように、連絡部60の長縁60aの端部から延出している。具体的には、図19に示すように、連絡部60が端子台2の左右方向に取り付けられた際に、延出部61が後ろ側に延びるよう、延出部61は連絡部60から延出している。また、この延出部61は、図17に示すように、連絡部60の一方の端部から延出する一方延出部610と、他方の端部から延出する他方延出部611を備える。そして、この延出部61の延出長さは、図19に示すように、仕切壁部2011の前側の面から基台本体200に配置される電気接続部212までの距離と略同一である。さらに、この延出部61は、端子部21に接続される端子接続部61b(6101、6111)と、前記連絡部60と前記端子接続部61bを結ぶ連結部61a(6100、6110)を備える。
【0058】
本実施形態の端子接続部61bは、一次側端子部2Aに電気的に接続される。この端子接続部61bは、図17に示すように、連絡部60の長手に直交する方向(具体的には、図18の下側)に延びる。本実施形態では、連絡部60の長手の両端それぞれから端子接続部61b(6101、6111)が延びる。また、この端子接続部61bは、平板状に形成されている。そのため、図19に示すように、一次側端子部2A(具体的には、一次側接続部2121)に重ねることができる。加えて、本実施形態の端子接続部61b(短絡部材6)は導電性を有するため、端子接続部61bと一次側端子部2Aを重ねることで、端子接続部61b(短絡部材6)と一次側接続部2121(一次側端子部2A)を電気的に接続できる。さらに、この端子接続部61bには、図17に示すように、一次側部210の雄部210Bを挿通するための挿通孔61d(具体的には、一方の端子接続部6101からは挿通孔6101A、他方の端子接続部6111からは挿通孔6111A)が形成されている。よって、図19に示すように、端子接続部61b(具体的には、一方の端子接続部6101)を一次側接続部2121に重ねた状態で、挿通孔61d(6101A)に雄部210Bを挿通することにより、端子接続部61bを一次側端子部2Aに固定することができる。また、本実施形態の短絡部材6には、二つの端子接続部61bが備わっている。そのため、二つの端子接続部61bそれぞれを、L1極とL2極の一次側端子部2Ab、2Acに接続することで、L1極とL2極の端子部21b、21cを電気的に接続できる。
【0059】
以上、上記構成の分電盤1によれば、前記接続導体3が板状に構成されているため、前記ケース5内に接続導体3を巡らせる必要がなく、また、前記接続導体3の一次側部分30のである前記一端側挿込部300が前記二次側端子部2Bに挿し込まれることで、前記端子台2と前記接続導体3とを電気的に接続できるため、前記端子台2と前記接続導体3との電気的な接続を容易にできる。
【0060】
具体的に、従来の分電盤では、端子台と回路遮断器を接続する送り線をケース内に巡らせる(具体的には、配線スペースに合わせて送り線を曲げ形成する)ことが必要であった。このことに対し、本実施形態の分電盤1において、接続導体3は、図1、12~15に示すように、分電盤1内を左右方向に延びる導体本体32と、一次側部分30と二次側部分31とを備えるよう、一枚の導体(銅板)が曲げ加工により構成されている。そのため、本実施形態の接続導体3をケース5内に配置すれば、一次側部分30が端子台2の二次側端子部2Bに接続可能に配置され、二次側部分31が回路遮断器4の給電端子部40に接続可能に配置されるから、端子台2や回路遮断器4の位置などを考慮して導体を曲げ形成する必要がない。しかも、一次側部分30の一端側挿込部300を二次側端子部2B(一端側挿込部300が挿し込み可能な二次側被挿込部として構成された二次側端子部2B)に挿し込むことによって、端子台2と接続導体3を電気的に接続できる。よって、端子台2と接続導体3の電気的な接続を容易にできる。
【0061】
さらに、本実施形態では、図16に示すように、挿入部材2111が挿入孔2110bを介して、前側から孔部2110a内に挿入されている。そのため、挿入部材2111を後ろ側に動かすことで、孔部2110a内の前後方向での間隔を狭くできる。よって、枠体2110の孔部2110a内に接続導体3が挿入された状態で、前記挿入部材2111を後ろ側に動かすことにより、一端側挿込部300を二次側接続部2122側に押すことができ、一端側挿込部300と二次側接続部2122との面接触をより確実にできる。また、前後方向において、挿入部材2111と枠体2110が、一端側挿込部300と二次側接続部2122を挟むことにより、枠体2110から一端側挿込部300が抜けることを抑制できる。即ち、二次側端子部2Bが一端側挿込部300を挟持する「挟持方式」の端子部であるため、接続作業が簡単で、確実に電気接続することができる。
【0062】
また、本実施形態では、接続導体3の二次側部分31が他端側挿込部310を備え、図1に示すように、該他端側挿込部310が給電端子部40(他端側挿込部310を挿し込み可能な給電被挿込部として構成された給電端子部40)に挿し込まれることで、回路遮断器4と接続導体3を電気的に接続している。そのため、回路遮断器4と接続導体3との電気的な接続を容易にできる。具体的には、他端側挿込部310が「プラグイン端子」として、給電端子部40が「プラグイン方式」の端子部として構成されているため、他端側挿込部310と給電端子部40の電気的な接続を容易に行うことができる。
【0063】
また、本実施形態の分電盤1において、端子台2の一次側端子部2Aはいわゆる「挿通方式」の端子部として、二次側端子部2Bはいわゆる「挟持方式」の端子部として構成されている。よって、端子台2の一次側端子部2Aと二次側端子部2Bのそれぞれに、異なる種類の端子を電気的に接続できる。
【0064】
また、本実施形態では、一次側送電部材7の端部は、挿通端子70として構成され、回路遮断器4の一方側(具体的には、給電端子部40)は、「プラグイン方式」の端子部として構成されている。そのため、一次側送電部材7と回路遮断器4は、直接的に電気的に接続できない。これに対して、本実施形態の分電盤1では、接続導体3を介して回路遮断器4に接続された端子台2において、一次側端子部2Aが「挿通方式」の端子部として構成されることにより、一次側送電部材7と接続可能に構成されている。よって、一次側端子部2Aに一次側送電部材7の挿通端子70を接続することにより、端子台2と接続導体3を介し、接続態様の異なる一次側送電部材7と回路遮断器4を電気的に接続できる。
【0065】
また、本実施形態の分電盤1では、各他端側挿込部310を対応する給電端子部40に挿し込むことで、前記複数の回路遮断器4と前記接続導体3を電気的に接続できるため、前記複数の回路遮断器4と前記接続導体3との電気接続構造を簡素化できる。具体的に、本実施形態の分電盤1では、接続導体3が複数の他端側挿込部310を備え、これらの他端側挿込部310それぞれが、いわゆる「プラグイン端子」として構成され、各分岐ブレーカの給電端子部40が「プラグイン方式」の端子部として構成されているため、各他端側挿込部310を給電端子部40に挿し込むことで電気接続できる。よって、接続導体3と複数の回路遮断器4との電気接続構造を簡素化できる。
【0066】
本実施形態の分電盤1において、端子台2に短絡部材6を取り付ける場合は、図18に示すように、被支持部600を取付部2012にて支持することで、短絡部材6の落下を防止できる。具体的には、図19に示すように、被支持部600の長縁600aを載置部2012aに載置することで、短絡部材6の落下を防止できるとともに、被支持部600を仕切壁部2011の前面と突設部2012bとの間に配置することで、短絡部材6の前後方向(前側)の移動に伴う落下を防止できる。
【0067】
また、二次側基台部2001に形成された連通孔2001Dは、図8図11に示すように、二次収容部2001Bに収容された枠体2110の孔部2110aと連通している。そのため、前記連通孔2001Dに前記一端側挿込部300を挿し込むことで、前記二次側端子部2Bに前記一端側挿込部300を挿し込むことができる。
【0068】
また、本実施形態では、図12に示すように、一端側挿込部300が下側に進むほど、左右方向での長さが狭くなるように形成されている。そのため、一端側挿込部300を連通孔2001Dと二次側端子部2B(具体的には、枠体2110の孔部2110a)に対して挿し込みやすい。
【0069】
また、本実施形態において、N極の接続導体3aの一端側挿込部300aは、図12に示すように、他の一端側挿込部300b、300cよりも下側に長く形成されている。さらに、本実施形態の端子台2においては、図2に示すように、L1、L2方向における中央の二次収容部2001Bが他の二次収容部2001Bよりも一次側に配置されている。加えて、L1、L2方向における中央の連通孔2001Daは、他の連通孔2001Db、2001Dcよりも一次側に長く形成されている。そのため、本実施形態では、L1、L2方向の中央の二次側端子部2Bに接続される一端側挿込部300aの長さは、他の一端側挿込部300b、300cよりも長いため、一端側挿込部300aが抜けることを抑制でき、ひいては前記一端側挿込部300aの抜けに伴う欠相を抑制できる。
【0070】
また、本実施形態では、図2、5に示すように、端子台2の一次側の端面2000aと二次側の端面2001aが異なる形状に構成されている。具体的には、一次側の端面2000aが凸状に形成され、二次側の端面2001aが平坦に形成されている。そのため、端子台2をケース5に取り付ける際の誤りを防止できる。
【0071】
また、本実施形態の接続導体3は、板状導体(具体的には、銅板)を曲げ加工することにより形成されている。具体的には、図15に示すように、直線板状の導体本体32と、該導体本体32から直交する方向に一次側部分30と二次側部分31が延出するように、銅板を曲げられている。そのため、接続導体3を簡単に成型できる。さらに、本実施形態では、図1、12~14に示すように、前後方向において、三本の導体本体32が重なるように配置されている。よって、ケース5内の省スペース化を図ることができる。
【0072】
本実施形態の分電盤1では、端子台2と回路遮断器4が並設されている。そして、端子台2の二次側端子部2Bと回路遮断器4の給電端子部40とは、並設方向と直交する方向において同じ方向に面する(同じ方向から接続導体3に接続可能となる)ように配置されている。よって、本実施形態の分電盤1では、二次側端子部2Bと給電端子部40とが同じ方向に面しているので、同じ方向から接続導体3を接続可能となり、接続導体3の接続構造が簡素になる。
【0073】
また、本実施形態の分電盤1では、二次側端子部2Bと給電端子部40とは、前記同じ方向において同じ位置に配置されている。そのため、本実施形態の分電盤1では、端子台2と回路遮断器4が並設されている方向で、接続導体3を直線的に構成することができるので、接続構造を簡素化できる。
【0074】
また、本実施形態の分電盤1では、端子台2は、一次側に配置される一次側端子部2Aと二次側に配置される二次側端子部2Bとを備える端子部21を3つ備え、該3つの端子部21は前記端子台2と前記回路遮断器4とが並設する方向(並設方向)に並んで配置され、前記並設方向の中央となる端子部21は他の二つの端子部21に対して一次側に寄せて配置され、前記他の2つの端子部21の二次側端子部2Bが前記給電端子部40と前記同じ方向において同じ位置に配置されている。よって、本実施形態の分電盤1では、端子部21同士の並設方向での幅を小さくするとともに、接続導体3を端子部21同士の並設方向に直線的に構成することができるので、接続構造が簡素化される。
【0075】
また、本実施形態のケース5は、矩形状であり、底板部50と矩形状の枠部51を備える。そして、底板部50は、端子台2と回路遮断器4を取り付け可能に構成されるとともに、該底板部50には、一次側送電部材7を外部からケース5内に挿入するための挿通窓部500aが形成されている。さらに、枠部51は、底板部50の4つの外周縁部からそれぞれ立ち上がる4つの枠辺部を備え、ケース5の外周壁を形成している。加えて、端子台2と回路遮断器4は、1つの枠辺部(第1枠辺部510a)の長手方向に沿うように並べて底板部50に取り付けられている。そして、端子台2の二次側端子部2Bと回路遮断器4の給電端子部40とは、第1枠辺部510aの方に向けられている。また、端子台2及び回路遮断器4と第1枠辺部510aとの間に接続導体3が配置されている。さらに、この接続導体3は、導体本体32が第1枠辺部510aの長手方向に沿って延設され、一端側挿込部300が二次側端子部2Bの方へ突設され、他端側挿込部310が給電端子部40の方へ突設されている。加えて、枠部51の第1枠辺部510aに対向配置される第2枠辺部510bと端子台2との間には、一次側送電部材7をケース5内に挿入するための挿通窓部500aが形成される。よって、本実施形態の分電盤1によれば、第1枠辺部510aを上に第2枠辺部510bを下に向けて、分電盤1を取付けた状態では、接続導体3が配置された第1枠辺部510a側(上側)と反対側のスペース(第2枠辺部510b側のスペースであって、下側)で一次側送電部材7を端子台2に接続することができるので、分電盤1の設置作業が容易となる。
【0076】
また、本実施形態の分電盤1では、枠部51の第1枠辺部510aに対向配置される第2枠辺部510bと回路遮断器4との間には、負荷用配線をケース5外に出すための挿通窓部500bが配置される。よって、第1枠辺部510aを上に第2枠辺部510bを下に向けて分電盤1に取り付けた状態では、接続導体3が配置された第1枠辺部510a側(上側)と反対側のスペース(第2枠辺部510b側のスペースであって、下側のスペース)で負荷用配線を回路遮断器4に接続するとともにケース5外に出すことができるので、分電盤1の設置作業が容易となる。
【0077】
また、本実施形態ではケース5内において、端子台2と回路遮断器4が第1枠辺部510aの長手(左右方向)に並設している。そして、挿通窓部500aが第2枠辺部510bと端子台2との間に、挿通窓部500bが第2枠辺部510bと回路遮断器4との間に配置されることで、挿通窓部500aと挿通窓部500bは第2枠辺部510bの長手(左右方向)に並設している。よって、端子台2と回路遮断器4が第1枠辺部510aの長手で、挿通窓部500aと挿通窓部500bが第2枠辺部510bの長手で、それぞれ並設しているため、挿通窓部500aを介してケース5内に挿入された一次側送電部材7と端子台2の接続と、挿通窓部500bを介してケース5外に出る負荷用配線と回路遮断器4との接続が干渉することがなく、分電盤1の設置作業が容易になる。
【0078】
続いて、第二実施形態の分電盤1について、図20~24を参照して説明する。なお、第二実施形態の分電盤1の説明に際して、第一実施形態の分電盤1の説明と重複する点については説明を省略する。
【0079】
第二実施形態の分電盤1は、図20に示すように、回路遮断器4として分岐ブレーカ4aに加えて、ハンドルの開状態と閉状態により、分岐ブレーカ4aへの導通と非導通を切り替える主幹ブレーカ4bを備える点で第一実施形態と異なる。具体的に、第二実施形態では、主幹ブレーカ4bが複数の分岐ブレーカ4aよりも一次側に配置されていることに加え、この主幹ブレーカ4bが接続導体3を介して、端子台2と電気的に接続している。また、本実施形態では、主幹ブレーカ4bが複数の分岐ブレーカ4aと電気的に接続している。
【0080】
本実施形態の主幹ブレーカ4bの一次側に設けられる給電端子部40は、接続導体3の二次側部分31に挿通して固定する「挿通方式」の端子部として構成される。具体的に、この給電端子部40は、図24に示すように、接続導体3の二次側部分31を主幹ブレーカ4bに固定させる固定部41と、導電性を有し、前記接続導体3の二次側部分31と電気的に接続する板状の電気導体42(具体的には、銅板)を備える。また、前記固定部41は、接続導体3の二次側部分31を給電端子部40に固定させる固定部材410(具体的には、固定ねじ)と、前記固定部材410を収容する固定収容部411から構成される。そして、前記電気導体42には、前記固定部材410を挿通可能な挿通孔420が形成されている。さらに、本実施形態の給電端子部40は、図24に示すように、固定収容部411と前記挿通孔420が連通するように、電気導体42を固定収容部411に重ねた状態で、前記挿通孔420に挿通させた固定部材410を固定収容部411に収容させることにより構成される。なお、本実施形態の主幹ブレーカ4bの一次側には、3つの給電端子部40が配置されている。
【0081】
第二実施形態の接続導体3は、図21に示すように、その形状が第一実施形態と異なる。まず、第二実施形態の三つの接続導体3(3a、3b、3c)は、図21~23に示すように、略同一の形状である点で第一実施形態と異なる。また、第二実施形態の三つの接続導体3は、図22に示すように、前後方向の高さが同一に形成されている点でも第二実施形態と異なる。そのため、図20に示すように、ケース5内において、三つの導体本体32a、32b、32cが上下方向で並んで配置されている。
【0082】
第二実施形態の一端側挿込部300は、図20~23に示すように、上下方向に延びる直線板状に形成されている。一方、第二実施形態の接続導体3の二次側部分31(具体的に、他端側連絡部311を介して導体本体32と接続する部分)は、図21、23に示すように、挿通端子部312として構成されている。具体的に、この挿通端子部312には、平板状の導電性部材(具体的には、銅板)に固定部材410を挿通する固定部材挿通部312aが形成されている。さらに、第二実施形態の導体本体32は、図20~22に示すように、上下方向での長さ(厚み)が前後方向での長さ(幅)よりも短く形成されている。
【0083】
第二実施形態の接続導体3と主幹ブレーカ4bを電気的に接続する際は、図24に示すように、接続導体3の二次側部分31(具体的には、挿通端子部312)を給電端子部40の電気導体42に重ねる。そして、前記電気導体42の挿通孔420と前記固定部材挿通部312aに固定部材410を挿通させるとともに、該固定部材410を固定収容部411に収容させる。これにより、接続導体3と主幹ブレーカ4bが電気的に接続するとともに、接続導体3の二次側部分31を主幹ブレーカ4bに固定する。
【0084】
以上、第二実施形態の分電盤1によれば、第一実施形態の分電盤1と同様に、前記ケース5内に接続導体3を巡らせる必要がなく、また、前記接続導体3の一次側部分30である前記一端側挿込部300が前記二次側端子部2Bに挿し込まれることで、前記端子台2と前記接続導体3とを電気的に接続できるため、端子台2と接続導体3との電気的な接続を容易にできる。
【0085】
また、第二実施形態の分電盤1では、図21~23に示すように、三つの接続導体3の形状が略同一に形成されているため、接続導体3を形成しやすい。さらに、第二実施形態では、導体本体32の上下方向での長さ(厚み)が前後方向での長さ(幅)よりも短く形成されているため、一つの導体本体32が占めるケース5内の上下方向の幅を小さくできる。よって、図20に示すように、三つの接続導体3をケース5内に並んで配置できる。
【0086】
また、第二実施形態の分電盤1によれば、図20に示すように、窓部500を介してケース5内に挿入された一次側送電部材7を、回路遮断器4(具体的には、主幹ブレーカ4b)の給電端子部40の向きに合わせるために、ケース5内に巡らせる必要がない。具体的には、図20に示すように、ケース5下側の窓部500からケース5内に挿入された一次側送電部材7が、端子台2の一次側端子部2Aに接続されることにより、端子台2と接続導体3を介して、一次側送電部材7からの電気を主幹ブレーカ4bに供給できる。よって、ケース5内に挿入される一次側送電部材7の長さを短くでき、また、一次側送電部材7をケース5内に巡らせる必要がなく、作業者の作業負担を減らすことができる。
【0087】
なお、本発明の分電盤は、上記第一及び第二実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができるのは勿論である。
【0088】
上記第一及び第二実施形態では、例として住宅に設置される分電盤を挙げたが、本発明の分電盤はこれに限らず、それ以外の分電盤(例えば、ビルや工場に設置される分電盤や分電盤に電気を供給するための分電盤)であってもよい。
【0089】
また、上記第一及び第二実施形態の分電盤1は、左右方向が上下方向よりも長く形成されていたが、これに限らず、上下方向が左右方向よりも長い分電盤でもよい。この場合、例えば、ケース5内の上側から、端子台2、接続導体3、回路遮断器4という順番に配置されていてもよい。
【0090】
また、上記第一及び第二実施形態では、窓部500を介してケース内5に挿入された一次側送電部材7が端子台2に電気的に接続していたが、これに限らず、例えば、ケース5内において、端子台2より一次側(電源側)に回路遮断器や切替開閉器が配置され、該回路遮断器や切替開閉器から導出した一次側送電部材が端子台と電気的に接続されていてもよい。
【0091】
また、上記第一実施形態では、回路遮断器4として複数の分岐ブレーカ4aが配置され、前記複数の分岐ブレーカ4aが接続導体3を介して、端子台2と電気的に接続している場合について説明したが、これに限らず、例えば、回路遮断器4として複数の主幹ブレーカが配置され、前記複数の主幹ブレーカが接続導体3を介して、端子台2と電気的に接続されていてもよい。また、複数の回路遮断器4として、主幹ブレーカと分岐ブレーカの両方を備えていてもよい。さらに、回路遮断器4としては主幹ブレーカや分岐ブレーカ以外のもの(例えば、非常用開閉器)でもよい。
【0092】
また、上記第一実施形態において、接続導体3を介して、端子台2に電気的に接続される回路遮断器4(具体的には、主幹ブレーカ又は分岐ブレーカ)の数が一つであってもよい。
【0093】
また、上記第一実施形態の接続導体3を図25~27に示すような構造に変更してもよい。すなわち、図25~27に示す三つの接続導体3では、L1極とL2極の接続導体3b、3cの形状と、接続導体3の二次側部分31の数が第一実施形態と異なる。
【0094】
具体的に、L2極の接続導体3cでは、図27に示すように、導体本体32cの前後方向の両方に突出する凸部320c(具体的には、前側に二つの凸部320c、後ろ側に三つの凸部320c)が形成されている。一方で、L1極の接続導体3bでは、導体本体32bの前側に突出する二つの凸部320bが形成されている。よって、図25~27に示すように、第一実施形態と異なるL1極とL2極の接続導体3b、3cでは、導体本体32b、32cに凸部320b、320cを形成して導体本体32b、32cの体積を大きくすることにより、接続導体3b、3cの強度を高めることができるとともに、接続導体3b、3cの放熱性を高くすることができ、接続導体3b、3cの急激な温度上昇を防ぐことができる。なお、図25、27に示すように、接続導体3bの一次側部分30と二次側部分31は、前記導体本体32bの前側に形成されている。
【0095】
また、図25~27のL1極とL2極の接続導体3b、3cでは、二次側部分31として他端側挿込部が四つずつ設けられている。そのため、図25~27に示す三つの接続導体を回路遮断器に接続する際には、L1極とL2極の接続導体3b、3cの二次側部分31が四つの給電端子部に接続される。
【0096】
また、上記第一及び第二実施形態では、図1、20に示すように、雄部210Bや挿入部材2111、固定部材22の前側の面に十字状の凹みが形成されていたが、これに限られず、例えば、六角形状の凹みが形成されていてもよい。
【0097】
また、上記第一及び第二実施形態では、端子台2における中央(N極)の端子部21a(具体的には、一次側端子部2Aaと二次側端子部)は他の端子部21b、21c(具体的には、一次側端子部2Ab、2Acと二次側端子部それぞれ)よりも一次側に配置されていた。しかし、これに限らず、例えば、中央の二次側端子部を他の二次側端子部と同じ位置に配置してもよい。この場合、中央の連通孔2001Daも他の連通孔2001Db、2001Dcと同様の長さに形成することが考えられる。
【0098】
さらに、一次側端子部2Aaについても同様であり、一次、二次方向において、他の一次側端子部2Ab、2Acと同じ位置に配置してもよい。この場合、一次側の端面2000aは平坦に形成されることが考えられる。
【0099】
また、上記第一及び第二実施形態では、端子台2の二次側の端面2001aが平坦に形成されていることに加え、中央の二次側端子部が他の二次側端子部よりも一次側に配置されていることにより、中央の連通孔2001Daが他の連通孔2001Db、2001Dcよりも一次側に長く形成されていた。しかし、これに限らず、例えば、中央の連通孔2001Daの部分を凹ませるように、二次側の端面2001aを凹状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1:分電盤、2:端子台、2A:一次側端子部、2B:二次側端子部、20:基台、200:基台本体、2000:一次側基台部、2000A:固定部、2000B:一次収容部、2000a:一次側の端面、2001:二次側基台部、2001A:固定部、2001B:二次収容部、2001C:取付孔、2001D:連通孔、2001Da:中央の連通孔、2001Db:L1側の連通孔、2001Dc:L2側の連通孔、2001a:二次側の端面、201:壁部、2010:端壁部、2011:仕切壁部、2012:取付部、2012a:載置部、2012b:突設部、21:端子部、21a:N極の端子部、21b:L1極の端子部、21c:L2極の端子部、210:一次側部、210A:雌部、210B:雄部、211:二次側部、2110:枠体、2110a:孔部、2110b:挿入孔、2111:挿入部材、212:電気接続部、2121:一次側接続部、2121a:雄部挿通孔、2122:二次側接続部、22:固定部材、3:接続導体、30:一次側部分、300:一端側挿込部、301:一端側連絡部、31:二次側部分、310:他端側挿込部、310A:第一他端側挿込部、310B:第二他端側挿込部、311:他端側連絡部、311A:第一他端側連絡部、311B:第二他端側連絡部、312:挿通端子部、312a:固定部材挿通部、32:導体本体、4:回路遮断器、4a:分岐ブレーカ、4b:主幹ブレーカ、40:給電端子部、41:固定部、410:固定部材、411:固定収容部、42:電気導体、420:挿通孔、5:ケース、50:底板部、500:窓部、501:導体取付部、51:枠部、6:短絡部材、60:連絡部、600:被支持部、600a:被支持部の長縁、601:切り欠き部、61:延出部、61a:連結部、61b:端子接続部、61d:挿通孔、610:一方延出部、611:他方延出部、7:一次側送電部材、70:挿通端子、700:挿通孔
図1
図2
図3
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図6
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図8
図9
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図11
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