IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社牧野フライス製作所の特許一覧

<>
  • 特開-工作機械の制御装置 図1
  • 特開-工作機械の制御装置 図2
  • 特開-工作機械の制御装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040888
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】工作機械の制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/409 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
G05B19/409 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145816
(22)【出願日】2020-08-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100174942
【弁理士】
【氏名又は名称】平方 伸治
(72)【発明者】
【氏名】矢田 賢一
【テーマコード(参考)】
3C269
【Fターム(参考)】
3C269AB01
3C269AB11
3C269BB07
3C269JJ18
3C269KK08
3C269QE12
3C269QE21
3C269QE31
3C269QE37
(57)【要約】
【課題】必要なデータを選択してこれらを1つの画像にまとめて表示させる工作機械の制御装置を提供すること。
【解決手段】工作機械50の制御装置10は、NC装置30で取得可能な入力信号データ及び出力信号データ、並びに、NC装置30で使用されるロジックデータの中から、表示するデータを指示するための入力部11と、入力部11によって指示されたデータをNC装置30から取得するデータ取得部12aと、データ取得部12aによって取得されたデータを一つの画像に表示するように編集する表示制御部12bと、表示制御部12bから送信されたデータを表示する表示部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の制御装置において、
NC装置で取得可能な入力信号データ及び出力信号データ、並びに、前記NC装置で使用されるロジックデータの中から、表示するデータを指示するための入力部と、
前記入力部によって指示されたデータを前記NC装置から取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得されたデータを一つの画像に表示するように編集する表示制御部と、
前記表示制御部から送信されたデータを表示する表示部と、
を備えることを特徴とした工作機械の制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、表示するデータをパッケージとして予め記憶する記憶部を備え、
前記入力部は、表示するデータとして前記パッケージを指示可能である、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、工作機械の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、一般的に、必要なデータをオペレータに示すために表示装置を備えている。例えば、特許文献1は、数値制御装置の管理装置を開示している。この工作機械では、可動部材(例えば、ドア)の動作範囲を規定するために、各可動部材に対して複数のリミットスイッチが設けられており、管理装置は、これらのリミットスイッチのオンオフ状態を表示装置に示すように構成されている。また、例えば、特許文献2は、複数台の表示器を備える工作機械の制御装置を開示している。この制御装置は、外部のI/O機器からの入出力信号を制御するPLCを備えており、このPLCから、数値制御装置に対して表示器の切替え指示が送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-267723号公報
【特許文献2】特開2006-343841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、工作機械を調整するとき又は不具合に対応するときに、オペレータは、複数のデータを確認する必要があり得る。この場合、オペレータは、表示装置上の画像を何度も切り替える必要がある。また、画像を素早く切り替えるためには、特殊なスキルが必要とされ得る。したがって、オペレータが熟練でない場合、作業時間は長くなる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を考慮して、必要なデータを選択してこれらを1つの画像にまとめて表示させる工作機械の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、工作機械の制御装置において、NC装置で取得可能な入力信号データ及び出力信号データ、並びに、NC装置で使用されるロジックデータの中から、表示するデータを指示するための入力部と、入力部によって指示されたデータをNC装置から取得するデータ取得部と、データ取得部によって取得されたデータを一つの画像に表示するように編集する表示制御部と、表示制御部から送信されたデータを表示する表示部と、を備える工作機械の制御装置である。
【0007】
本開示の一態様に係る工作機械の制御装置では、例えば、工作機械を調整するとき又は不具合に対応するときに、オペレータは、必要なデータを入力部で指示することができる。そして、表示部は、オペレータによって指示されたデータを一つの画像に表示する。したがって、オペレータに必要なデータを選択してこれらを1つの画像にまとめて表示させることができる。よって、オペレータは何度も表示部上の画像を切り替える必要がなく、作業時間を短縮することができる。
【0008】
制御装置は、表示するデータをパッケージとして予め記憶する記憶部を備えてもよく、入力部は、表示するデータとしてパッケージを指示可能であってもよい。この場合、オペレータは、必要なデータを一括して指示することができる。したがって、作業時間をより短縮することができる。また、未熟なオペレータが、特殊な知識無しに作業に必要なデータを選択することを可能にする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、必要なデータを選択してこれらを1つの画像にまとめて表示させる工作機械の制御装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る工作機械の制御装置を具備するシステムを示す概略的なブロック図である。
図2】表示部に表示される画像の一例である。
図3】表示部に表示される画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る工作機械の制御装置を説明する。同様な又は対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。理解を容易にするために、図の縮尺は変更されている場合がある。
【0012】
図1は、実施形態に係る工作機械の制御装置を具備するシステムを示す概略的なブロック図である。システム100は、工作機械50と、工作機械50の制御装置10と、を具備している。なお、制御装置10は、工作機械50に組み込まれていてもよい。工作機械50は、NC装置30を備える様々な工作機械であり得る(例えば、レーザ加工機、又は、マシニングセンタ等)。工作機械50は、機械本体20と、NC装置30と、を備えている。
【0013】
機械本体20は、工作機械50の様々な機械的及び電気的構成要素を含む。例えば、工作機械50がレーザ加工機である場合、機械本体20は、ベッド、レーザヘッド、タッチプローブ、テーブル、カバー及びシャッタ等の様々な機械的構成要素を有する。また、機械本体20は、様々な可動部材(例えば、レーザヘッド、タッチプローブ、テーブル及びシャッタ等)の各々に対して設けられたアクチュエータ21(例えば、モータ等)を有する。また、機械本体20は可動部材の動作範囲を規定するためのリミットスイッチ(LS)22を有する。例えば、リミットスイッチ22は、動作範囲の一方の端及び他方の端を含む、複数の位置の各々に設けられていてもよい。また、機械本体20は、様々なセンサ23を含む(例えば、変位センサ、荷重センサ、圧力センサ、流量センサ等)。機械本体20は、その他の構成要素を有してもよい。
【0014】
NC装置30は、例えば、PC(Personal Computer)及びPLC(Programmable Logic Controller)等を含み得る。NC装置30は、プロセッサ(例えば、1つ又は複数のCPU等)、記憶部(例えば、1つ又は複数のストレージ機器、ROM(read only memory)及び/又はRAM(random access memory)等)、表示装置(例えば、液晶ディスプレイ及び/又タッチパネル等)、及び、入力装置(例えば、マウス、キーボード及び/又タッチパネル等)等の構成要素を含み得、これらの構成要素はバス等の接続部材によって通信可能に互いに接続されている。
【0015】
NC装置30は、例えば、送り軸制御部31と、機械制御部32と、を有している。NC装置30は、他の機能部を有していてもよい。例えば、送り軸制御部31は、記憶部33に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することによって実現されてもよい。例えば、工作機械50がレーザ加工機である場合、送り軸制御部31は、レーザとワークとを相対的に移動させるための送り装置(例えば、レーザヘッド及びテーブル等)のアクチュエータ21に対して送り指令を送信し、アクチュエータ21は、指令に基づいて送り装置を移動させる。
【0016】
機械制御部32は、例えば、PLC32aと、I/O制御部32bと、を含む。機械制御部32は、他の構成要素及び/又は機能部を有していてもよい。機械制御部32は、例えば、機械本体20中の様々な機械的構成要素の動作を制御してもよい。例えば、機械制御部32は、可動部材(例えば、タッチプローブ)のアクチュエータ21に対して入力信号を送信し、アクチュエータ21は、入力信号に基づいて可動部材を移動させる。また、機械制御部32は、可動部材のリミットスイッチ22から出力信号を受信する。さらに、機械制御部32は、センサ23から測定データを受信する。
【0017】
記憶部33は、様々なデータを保存し得る。このようなデータは、例えば、PLCによって取得されるPLCデータ、及び、NC装置30で使用されるロジックデータ等、様々な種類のデータを含むことができる。PLCデータは、例えば、機械本体20とNC装置30との間の入力信号及び出力信号(I/O信号)、並びに、センサ23によって測定されるセンサデータ等、様々な種類のデータを含むことができる。ロジックデータは、例えば、NCプログラムで使用されるNCパラメータ、PLC32aで使用される機械パラメータ、及び、マクロ変数等、様々なデータを含むことができる。各データには、固有のアドレスが付与されている。また、記憶部33は、NC装置30のプロセッサによって実行される様々なプログラムを記憶することができる。
【0018】
制御装置10は、例えば、PC、サーバー、又は、タブレット等を含み得る。制御装置10は、例えば、入力部11(例えば、マウス、キーボード及び/又タッチパネル等)、プロセッサ12(例えば、1つ又は複数のCPU等)、表示部13(例えば、液晶ディスプレイ及び/又タッチパネル等)、及び、記憶部14(例えば、1つ又は複数のストレージ機器、ROM及び/又はRAM等)を備える。制御装置10は、他の構成要素を更に備えてもよい(例えば、I/Oポート等のインタフェース)。これらの構成要素は、バス等の接続部材によって通信可能に互いに接続されている。なお、上記のように、制御装置10は、NC装置30に組み込まれていてもよく、制御装置10のいくつかの構成要素は、NC装置30の対応する構成要素によって共有されていてもよい。
【0019】
入力部11は、例えば、工作機械50を操作するときにオペレータによって使用され、NC装置30に機械操作指令を送信する。また、入力部11は、例えば、工作機械50を調整するときに又は不具合に対応するときに、オペレータが表示部13に一括して表示したいデータを選択するために使用される。入力部11は、オペレータによって選択されたデータをデータ取得部12aに送信する。
【0020】
例えば、工作機械50がレーザ加工機である場合、工作機械50は計測用のタッチプローブを備える。例えば、このタッチプローブが下降する場合、以下の動作が実施される。
・下降スイッチを押す
・タッチプローブを格納しているシャッタが開く
・タッチプローブのブレーキをOFFにする
・タッチプローブが下降する
・下方のリミットスイッチ22がONになったら、タッチプローブを停止する
・タッチプローブのブレーキをONにする
【0021】
以上のような動作に不具合がある場合、オペレータは、以下のデータを確認する必要がある。
・タッチプローブを移動させるための入力信号
・タッチプローブのリミットスイッチ22からの出力信号
・シャッタを開くための入力信号
・シャッタのリミットスイッチ22からの出力信号
・タッチプローブのブレーキの出力信号
・タッチプローブの下降スイッチのPLCプログラム定数
・タッチプローブの上昇スイッチのPLCプログラム定数
・シャッタの開閉スイッチのPLCプログラム定数
・タイムアウトの機械パラメータ
・動作パラメータカウンタ
【0022】
例えば、上記のデータのうち、入力信号及び出力信号は、通常、同じ画像に表示され得る一方で、PLCプログラム定数、機械パラメータ及び動作パラメータカウンタ等のロジックデータは、別の画像に表示され得る。そこで、本実施形態では、オペレータが表示部13に一括して表示したいデータが入力部11によって選択されると、制御装置10は、これらのデータを表示部13において一つの画像に表示するように構成されている。
【0023】
上記の構成のために、プロセッサ12は、例えば、データ取得部12aと、表示制御部12bと、を有する。プロセッサ12は、他の機能部を更に備えてもよい。データ取得部12a及び表示制御部12bを含むプロセッサ12の機能部は、例えば、記憶部14に記憶されるプログラムをプロセッサ12で実行することによって実現されてもよい。
【0024】
データ取得部12aは、入力部11によって選択されるデータを、NC装置30の記憶装置から取得する。表示制御部12bは、データ取得部12aによって取得されるデータを、表示部13において一つの画像に表示するように編集する。なお、データが多い場合、表示制御部12bは、選択されるデータの全てを同時に表示部13に表示するよう、表示部13に表示される文字の大きさを調整するように構成されていてもよく、又は、スクロールすることによって選択されるデータの全てが視認可能であるようにそれらを表示するように構成されていてもよい。表示部13は、表示制御部12bから送信されるデータを表示する。
【0025】
図2,3は、表示部に表示される画像の一例である。図2,3では、入力部11及び表示部13は、タッチパネルとして構成されている。図2を参照して、入力部11は、表示部13に表示させる機能を切り換えるための複数の第1のタブ11aを含んでいる。例えば、工作機械50を操作する場合、オペレータは、「生産」タブ11aを押す。これによって、工作機械50の操作に必要な更なるタブ及びボタンが表示され得る(不図示)。また、工作機械50に関する様々なデータを確認するとき(例えば、工作機械50を調整するときに又は不具合に対応するとき)、オペレータは、「ステータス」タブ11aを押す。入力部11は、表示部13に表示させる機能をさらに細かく切り換えるための1つ又は複数の第2のタブ11bを含んでいる。第2のタブ11bは、各第1のタブ11aに対して設けられていてもよい。オペレータは、更に「I/Oモニタ」タブ11bを押すことによって、工作機械50に関する様々なデータを一括で表示可能な画像に移動することができる。
【0026】
表示部13は、データを表示するための領域Aを有している。入力部11は、領域Aの上部に「選択表示」ボタン11cを含んでいる。「選択表示」ボタン11cが押されると、プロセッサ12は、領域Aにポップアップウィンドウ11dを表示する。オペレータは、ポップアップウィンドウ11dに所望のデータのアドレス(例えば、図2ではB1000)を入力することによって、領域Aに表示する最初のデータを指示することができる。
【0027】
図3を参照して、プロセッサ12は、指示されたデータのアドレス(B1000)を領域Aに表示する。B1000の行には、右から左の順番に、B1000~B1009までの10個のデータが表示されている。なお、1つの行に表示されるデータの数は、例えば、そのデータが割り当てられたアドレスに対して予め決められているデータの種類に依存し得る。
【0028】
領域Aに最初のデータが表示されると、領域Aの上部は、複数のボタン11eに切り換わる。入力部11は、「グループ追加」ボタン11eを含んでいる。「グループ追加」ボタン11eが押されると、プロセッサ12は、図2と同様にして、領域Aにポップアップウィンドウ11d(図3では不図示)を表示する。オペレータは、ポップアップウィンドウ11dに所望のデータのアドレスを入力することによって、領域Aに表示する2番目のデータを指示することができる(図3では、C2000)。アドレスが入力されると、2番目のデータのアドレス(C2000)が領域Aに表示される。同様にして、3番目以降のデータのアドレス(図3では、D1000,E1000)を、領域Aに表示することができる。不要なデータが表示されている場合には、対応するデータが選択された状態で「グループ削除」ボタン11eを押すことによって、不要なデータを削除することができる。
【0029】
オペレータが、ある行の位置を上又は下に移動させたい場合には、対応する行が選択された状態で「上へ移動」ボタン11e又は「下へ移動」ボタン11eを押すことによって、行の位置を移動させることができる。また、ある行のデータについて、後続のデータの行を追加することができる。例えば、E1000の行には、右から左の順番に、E1000~E1009までの10個のデータが表示されている。E1000~E1009の後続のデータが必要な場合には、E1000の行が選択された状態で「行追加」ボタン11eを押すことによって、E1010の行が追加される。E1010の行には、右から左の順番に、E1010~E1019までの10個のデータが表示されている。不要な行が表示されている場合には、対応する行が選択された状態で「行削除」ボタン11eを押すことによって、不要な行を削除することができる。
【0030】
また、領域A上で、オペレータは、オペレータによって変更可能なデータを入力/変更することができる。具体的には、該当するデータが選択された状態で(図3ではB1002が選択されている)、「設定」ボタン11fが押されると、プロセッサ12は、領域Aにポップアップウィンドウ11gを表示する。オペレータは、ポップアップウィンドウ11gに所望の値(図3では、10H)を入力することによって、B1002に値を入力することができる。例えば、入力部11は、データの入力方法を切り換えるためのボタン11hを含んでいてもよい(例えば、入力部11は、十進数入力を選択するための「Dec」ボタン11h、及び、十六進数入力を選択するための「Hex」ボタン11hを含んでいてもよい)。図3では、値は、十六進数で入力されている。
【0031】
図1を参照して、データ取得部12aは、領域Aに表示されたアドレスのデータを、NC装置30の記憶部33から取得する。例えば、データ取得部12aは、所定のインターバルで周期的に、又は、オペレータによって指示されたときに、データを記憶部33から取得してもよい。この場合、工作機械50が動作中、時間によって変化し得るデータ(例えば、I/O信号及びセンサデータ等)を、周期的に又は必要なときに、更新することができる。表示制御部12bは、データ取得部12aによって取得されるデータを、表示部13において一つの画像に表示するように編集し、表示部13に送信する。例えば、上記のように、データが多い場合、表示制御部12bは、選択されるデータの全てを同時に表示部13に表示するよう、表示部13に表示される文字の大きさを調整するように構成されていてもよく、又は、スクロールすることによって選択されるデータの全てが視認可能であるようにそれらを表示するように構成されていてもよい。表示部13は、表示制御部12bから送信されるデータを表示する。したがって、オペレータは、必要なデータを一つの画面で確認することができる。
【0032】
制御装置10は、ネットワークNを経由して、システム100の外部に設けられた1つ又は複数の外部装置(例えば、工作機械メーカのコンピュータ200及び工作機械保守会社のコンピュータ300)に接続されていてもよい。ネットワークNは、例えば、インターネット、WiFi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、3G及び4G等の3GPP(Third Generation Partnership Project)により定められた通信規格に基づく通信方式、若しくは、その他の通信方式、又は、これらの任意の組み合わせを使用することができ、有線若しくは無線又はこれらの組み合わせを使用することができる。例えば、表示部13において一つの画像として表示されるデータは、同様に外部装置に送信されてもよい。この場合、工作機械メーカ及び工作機械保守会社のオペレータが、遠隔で必要なデータを確認することができる。したがって、これら外部のオペレータが、工作機械50のオペレータに遠隔で迅速にアドバイスを提供することができる。
【0033】
以上、実施形態に係る工作機械50の制御装置10では、例えば、工作機械50を調整するとき又は不具合に対応するときに、オペレータは、必要なデータを入力部11で指示することができる。そして、表示部13は、オペレータによって指示されたデータを一つの画像に表示する。したがって、オペレータに必要なデータを選択してこれらを1つの画像にまとめて表示させることができる。よって、オペレータは表示部13上で何度も画像を切り替える必要がなく、作業時間を短縮することができる
【0034】
工作機械の制御装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の様々な変形が可能であることを理解するだろう。
【0035】
例えば、上記の実施形態では、オペレータは、ポップアップウィンドウ11dを使用して、表示する各データを一つずつ指示している。他の実施形態では、制御装置10の記憶部14は、表示するデータをパッケージとして予め記憶していてもよい。例えば、パッケージは、所定のイベント毎に記憶されていてもよい(例えば、タッチプローブの調整、レーザヘッドの調整、シャッタの調整、等)。入力部11は、表示するデータとして、記憶部14に記憶されたパッケージを指示可能なように構成されていてもよい。例えば、各パッケージに対して、名前又はアドレス等の識別記号が付されていてもよい。例えば、入力部11は、このパッケージの識別記号を、上記のポップアップウィンドウ11dから受け付けてもよい。識別記号が入力されると、表示制御部12bは、パッケージに含まれる複数のデータのアドレスを領域Aに一括して表示してもよい。この場合、オペレータは、必要なデータを一括して指示することができる。したがって、作業時間をより短縮することができる。また、未熟なオペレータが、特殊な知識無しに作業に必要なデータを選択することを可能にする。
【符号の説明】
【0036】
10 制御装置
11 入力部
12a データ取得部
12b 表示制御部
13 表示部
14 記憶部
30 NC装置
50 工作機械
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の一態様は、複数のアクチュエータ及びセンサを有する機械本体を、送り制御部及び機械制御部を有するNC装置で制御する工作機械の制御装置において、前記NC装置で取得可能な前記アクチュエータ及び前記センサの入力信号データ及び出力信号データ、並びに、前記NC装置で使用されるNCパラメータ及び機械パラメータの中から、オペレータが必要とするデータを選択し、指示するための入力部と、前記入力部によって指示されたデータを前記NC装置から取得するデータ取得部と、前記データ取得部によって取得されたデータを一つの画像に表示するように編集する表示制御部と、前記表示制御部から送信されたデータを表示する表示部と、を備える工作機械の制御装置である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記工作機械の制御装置は、前記表示部に表示するデータをパッケージとして予め記憶する記憶部を備え、前記入力部は、オペレータが選択し、指示するデータとして前記パッケージを指示可能に構成してもよい。この場合、オペレータは、必要なデータを一括して指示することができる。したがって、作業時間をより短縮することができる。また、未熟なオペレータが、特殊な知識無しに作業に必要なデータを選択することを可能にする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクチュエータ及びセンサを有する機械本体を、送り制御部及び機械制御部を有するNC装置で制御する工作機械の制御装置において、
前記NC装置で取得可能な前記アクチュエータ及び前記センサの入力信号データ及び出力信号データ、並びに、前記NC装置で使用されるNCパラメータ及び機械パラメータの中から、オペレータが必要とするデータを選択し、指示するための入力部と、
前記入力部によって指示されたデータを前記NC装置から取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得されたデータを一つの画像に表示するように編集する表示制御部と、
前記表示制御部から送信されたデータを表示する表示部と、
を備えることを特徴とした工作機械の制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記表示部に表示するデータをパッケージとして予め記憶する記憶部を備え、
前記入力部は、オペレータが選択、指示するデータとして前記パッケージを指示可能である、請求項1に記載の工作機械の制御装置。