IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サクサ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-遊技システム 図1
  • 特開-遊技システム 図2
  • 特開-遊技システム 図3
  • 特開-遊技システム 図4
  • 特開-遊技システム 図5
  • 特開-遊技システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040889
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145819
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】泉 友成
(72)【発明者】
【氏名】松田 和之
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 奨
(72)【発明者】
【氏名】牧 悠平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA04
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技客が遊技を終了し、遊技機から退席したことを店員が遊技場内を巡回することなく判断できるようにする。
【解決手段】遊技機1は、遊技客の遊技に伴い、遊技情報(アウト玉の発生、セーフ玉の発生)を生成して台間機2へ送信する。台間機2は、貸玉数(購入玉数+セーフ玉数)から排出玉数(アウト玉数+計数玉数)を減算した値が所定の閾値未満のとき、遊技客が退席したと判断する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機と、前記遊技機に併設された台間機と、前記台間機と通信可能な管理装置とを有する遊技システムであって、
前記遊技機における貸玉の数を計数する貸玉数計数手段と、
前記遊技機における排出玉の数を計数する排出玉数計数手段と、
前記貸玉の数から前記排出玉の数を減算して残玉の数を計数する残玉数計数手段と、
前記残玉の数が所定の閾値未満の場合に前記遊技機の遊技客が退席したと判断する判断手段と、
前記判断手段による判断の結果を出力する出力手段と、
を有する遊技システム。
【請求項2】
遊技機と、前記遊技機に併設された台間機と、前記台間機と通信可能な管理装置とを有する遊技システムであって、
前記遊技機における空打ちを検出する空打ち検出手段と、
前記遊技機におけるアウト玉又はセーフ玉又は購入玉の発生を検出する検出手段と、
前記空打ちが検出されてから所定の時間経過した時にセーフ玉又はアウト玉又は購入玉の発生が無かった場合、前記遊技機の遊技客が退席したと判断する判断手段と、
前記判断手段による判断の結果を出力する出力手段と、
を有する遊技システム。
【請求項3】
請求項1に記載された遊技システムにおいて、
前記判断手段は、前記残玉数が前記閾値以上の場合に前記遊技客が遊技機をキープしていると判断する遊技システム。
【請求項4】
請求項2に記載された遊技システムにおいて、
前記空打ち検出手段は、前記遊技機における遊技玉の発射操作が検出され、かつ遊技玉が発射されたことが検出されないことに基づき、空打ちを検出する遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場における遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技客が遊技機から離れる直前に発射した遊技玉が賞玉となった場合など、遊技機の受皿(上皿)に残玉が存在する場合がある。このため、遊技客がいない遊技機に残玉がある場合、遊技場の店員は、遊技客が退席したのか遊技機をキープしているのかを判断し、その結果に応じて遊技機のオペレーションを変えている。
【0003】
ここで、退席とは、遊技客が遊技機での遊技を終了して遊技機から離れた状態を意味し、キープとは、遊技客が遊技の継続を前提として一時的に遊技機から離れている状態(離席)を意味する。また、店員は、例えば時間経過を目視により確認し、一定時間後の遊技客の有無に基づいて、退席かキープかを判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-282902号公報(段落0002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の判断方法には下記2つの問題がある。すなわち、退席であれば、本来他の遊技客が遊技機を使用することができるにもかかわらず、一定時間後に確認するまで使用することができないため、遊技機の稼働率が低下する。また、残玉の確認は遊技場内を店員が巡回し、残玉発見後に遊技客が退席かキープかを判断するため、手間がかかる。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技客が遊技を終了し、遊技機から退席したことを店員が遊技場内を巡回することなく判断できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技機と、前記遊技機に併設された台間機と、前記台間機と通信可能な管理装置とを有する遊技システムであって、前記遊技機における貸玉の数を計数する貸玉数計数手段と、前記遊技機における排出玉の数を計数する排出玉数計数手段と、前記貸玉の数から前記排出玉の数を減算して残玉の数を計数する残玉数計数手段と、前記残玉の数が所定の閾値未満の場合に前記遊技機の遊技客が退席したと判断する判断手段と、を有する遊技システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技客が遊技を終了し、遊技機から退席したことを店員が遊技場内を巡回することなく判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る遊技システムにおける遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る遊技システムにおける台間機の制御構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る遊技システムにおける管理装置の制御構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る遊技システムの動作の第1の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る遊技システムの動作の第2の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〈遊技システムの構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。まずこの図を参照して、本発明の実施形態に係る遊技システムの構成と動作の概要について説明する。
【0011】
図示のように、本発明の実施形態に係る遊技システム100は、n台(nは3以上の整数)の遊技機1-1,1-2,・・・,1-nと、n台の台間機2-1,2-2,・・・,2-nと、管理装置3と、ネットワーク4とから構成されている。
【0012】
遊技機1-1,1-2,・・・,1-nは、遊技客が遊技をする装置であり、例えばパチンコ台である。台間機2-1,2-2,・・・,2-nは、それぞれ遊技機1-1,1-2,・・・,1-nに併設され、遊技機1-1,1-2,・・・,1-nに電気的に接続されている。管理装置3は、ネットワーク4を通して台間機2とデータ通信を行うことで、遊技システム100を管理するコンピュータである。ネットワーク4はLANなどの内部ネットワークである。管理装置3及びネットワーク4は、遊技機1及び台間機2が設置されている遊技場に設置されている。以下、遊技機1-1,1-2,・・・,1-nを区別しない場合は遊技機1とし、台間機2-1,2-2,・・・,2-nを区別しない場合は台間機2とする。
【0013】
遊技機1は、遊技客の遊技に伴い、遊技情報を生成して台間機2へ送信する。遊技情報には、図柄の変動開始、リーチ演出の発生及び終了、大当りの発生及び終了、確率変動状態の発生及び終了、玉情報(アウト玉の発生、セーフ玉の発生)等がある。
【0014】
台間機2は、遊技機1から受信した遊技情報に基づき、遊技機状態情報を生成し、管理装置3へ送信する。遊技機状態としては、遊技客が遊技を終了し、退席したことを表す遊技終了状態、遊技客がトイレに行くなど、遊技機1をキープして離席した状態を表す遊技機キープ状態などがある。遊技機状態情報を生成する方法については後述する。
【0015】
台間機2は、遊技機状態情報を管理装置3へ送信する際、保持している自身の台番号、及び遊技客が遊技機1を使用する際に入力した遊技客の識別情報(例えば会員カード番号)とともに遊技機状態情報を送信する。
【0016】
管理装置3は、台間機2から通知された台番号と、遊技客の識別情報と、遊技機状態情報とを紐付けて保存する。また、管理装置3は、台番号により特定される台間機2に併設されている遊技機1の遊技機状態を遊技機状態情報に基づいて表示する。
【0017】
遊技場の管理者(店長等)は、遊技機1が遊技終了状態の場合、インカム等の通信装置を用いて、店員に対して遊技機1の清掃等、他の客が遊技機1を使用可能な状態にすることを指示する。
【0018】
〈遊技機の構成〉
図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の制御構成を示すブロック図である。図示のように、遊技機1は、制御部10と、それぞれ制御部10に接続された操作部11、玉処理部12、演出部13、記憶部14、スピーカ部15、及び台間機接続部16を備えている。
【0019】
制御部10は、記憶部14に記憶されたプログラムを処理することにより、各部の動作を制御し、遊技機1を動作させるプロセッサ(CPU)である。また、制御部10は前述した遊技情報及び後述する空打ち検出信号を生成する。操作部11は、ハンドル、ボタン、レバーなどによって構成されており、遊技客によって操作される。玉処理部12は、遊技玉の入出を処理する。演出部13は、遊技機1の遊技盤、台枠、液晶画面や操作部11に設けられており、音声、振動、役物の動作、液晶画面の表示などの演出を行う。
【0020】
記憶部14は、ROM、RAMなどからなり、演出プログラム、遊技機1の識別情報としての機種情報及び制御部10による抽選結果の経過などが記憶される。スピーカ部15は、演出の一環として音声を発生する。台間機接続部16は、台間機2との接続のためのインタフェースである。
【0021】
〈台間機の構成〉
図3は、本発明の実施形態に係る台間機の制御構成を示すブロック図である。図示のように、台間機2は、制御部20と、それぞれ制御部20に接続された記憶部21、通信部22、遊技機接続部23、操作部24、表示部25、及びカード挿入部26を有する。
【0022】
制御部20は、記憶部21に記憶されたプログラムを処理することにより、通信制御部201、遊技制御部202、操作制御部203、表示制御部204及びカード制御部205として機能する。これらの各部の詳細については後述する。また、制御部20は、貸玉数計数手段、排出玉数計数手段、残玉数計数手段、及び判断手段としても機能する。
【0023】
記憶部21は、ROM、RAMなどからなり、制御部20により処理される各種プログラムやデータが記憶される。記憶されるデータとしては、台番号及び遊技機1の機種情報、並びに遊技客が遊技機1を使用する際に入力した遊技客の識別情報(会員カード番号など)、玉情報などがある。
【0024】
通信部22は、管理装置3との間で情報を送受信するための通信インタフェースであり、例えばLANコントローラを含む。遊技機接続部23は、遊技機1と連動するためのインタフェースを含んでいる。
【0025】
操作部24は、遊技客が操作を行うためのデバイスとして、例えば操作ボタンを有する。操作部24は、表示部25に重ねて設けられたタッチパネルを有してもよい。表示部25は、例えば液晶ディスプレイであり、遊技客に通知する各種の情報を表示する。カード挿入部26は、挿入された遊技客の会員カードや遊技用カード(例えばプリペイドカード)を処理する。
【0026】
通信制御部201は、通信部22を介して管理装置3との間でデータ通信を行う。遊技制御部202は、遊技機接続部23を介して、遊技機1との間でデータ通信を行うことで遊技機1を監視する。本実施形態では、遊技情報や空打ち検出信号等を受信する。
【0027】
操作制御部203は、操作部24において行われた操作内容を示す情報を操作部24から取得し、取得した情報に基づいて、制御部20の各部に操作内容を通知する。表示制御部204は、表示部25に各種の情報を表示させる。
【0028】
カード制御部205は、カード挿入部26に挿入されたカードから情報を読み出したり、カードに情報を書き込んだりする。
【0029】
台間機2は、遊技客のログイン操作時の認証を行う。すなわち、例えば台間機2は遊技客が所持する会員カードから読み取った遊技客の識別情報を含むカードID(会員番号)を管理装置3へ送信することで認証を行う。認証が完了した時点でログイン状態となり、遊技客は、遊技機1において遊技をすることが可能になる。なお、会員カードを所持していない遊技客については、例えば遊技客が入力した認証用のパスワードを管理装置3に送信する。
【0030】
〈管理装置の構成〉
図4は、本発明の実施形態に係る管理装置の制御構成を示すブロック図である。
図示のように、管理装置3は、制御部30と、それぞれ制御部30に接続された記憶部31、操作部32、表示部33、及び通信部34を有する。
【0031】
制御部30は、例えばCPUであり、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置3全体を制御する。
【0032】
記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。そして、ROMには管理装置3を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部30が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、ハードディスクには大容量の情報が記憶される。
【0033】
操作部32は、例えばキーボード及びマウスのように、ユーザ(遊技場の店員等)の操作を受け付けるデバイスである。表示部33は、操作部32から入力された情報や台間機2から取得した情報等を表示するディスプレイである。
【0034】
通信部34は、ネットワーク4を介して台間機2との間でデータを送受信するための通信インタフェースの一部であり、例えばLANコントローラにより構成されている。
【0035】
〈遊技システムの動作〉
《第1の例》
図5は、本発明の実施形態に係る遊技システムの動作の第1の例を示すフローチャートである。この動作は台間機2の主として制御部20が実行する動作である。
【0036】
台間機2は、例えば遊技客がカード挿入部26にカードを挿入したことに基づき、遊技機1が遊技機状態情報として遊技状態であることを表す情報を生成し、保持する(ステップS1)。
【0037】
台間機2は、アウト玉の発生の有無を判断する(ステップS2)。遊技機1は、玉情報(アウト玉の発生、セーフ玉の発生など)を生成し、台間機2に通知するので、台間機2は玉情報に基づいて、アウト玉の発生の有無を判断することができる。アウト玉の発生があった場合は(ステップS2:有り)、遊技中との判断であり、ステップS1に戻る。アウト玉の発生が無かった場合は(ステップS2:無し)、遊技中ではないとの判断であり、タイマーをスタートさせる(ステップS3)。
【0038】
次に台間機2は、アウト玉の発生の有無を判断する(ステップS4)。アウト玉の発生があった場合は(ステップS4:有り)、遊技中との判断であり、ステップS1に戻る。アウト玉の発生が無かった場合は(ステップS4:無し)、遊技中ではないとの判断であり、タイマーの計時時間がX時間(閾値)を超えたか否かを判断する(ステップS5)。
【0039】
X時間を超えていない場合(ステップS5:No)、ステップS4に戻る。すなわち、アウト玉の発生が無い場合、X時間を超えるまで、アウト玉の発生の有無を判断する処理を繰り返す。
【0040】
ここで、X時間として例えば5分を設定する。この時間は、遊技機1で遊技客が発射可能な遊技玉が無くなってから、遊技客が新たに遊技玉を購入する操作(台間機2に対する現金の投入やプリペイドカードの挿入)に要する時間である。
【0041】
台間機2は、タイマーの計時時間がX時間(閾値)を超えたと判断した場合(ステップS5:Yes)、貸玉数から排出玉数を減算した値である残玉数が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS6)。閾値としては、例えば1回の入賞により払い出される賞玉数の最小値(例えば5個)とすることが好適である。
【0042】
ここで、貸玉数とは、購入玉数にセーフ玉数を加算した値である。そして、購入玉数とは、遊技開始時にプリペイドカードや現金により遊技客が購入した遊技玉の数であり、セーフ玉数とは賞玉として払い出された遊技玉の数である。
【0043】
また、排出玉数とは、アウト玉数に計数玉数を加算した値である。そして、アウト玉数とは、遊技機1により発射された遊技玉の数(発射され、入賞口や盤面下からアウトボックスに落ちた遊技玉の数)、計数玉数とは、景品交換等のために計数された遊技玉の数である。
【0044】
台間機2は、残玉数が閾値以上と判断した場合は(ステップS6:Yes)、遊技客はトイレ、喫煙、休憩等で離席しているとの判断となり、遊技機キープ状態を表す遊技機状態情報を生成して保持する(ステップS9)。また、残玉数が閾値未満と判断した場合は(ステップS6:No)、遊技客が退席したとの判断となり、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成して保持する(ステップS7)。この場合、残玉数が全ての遊技玉を発射してから入賞口に入って発生した賞玉の数であるか、全ての遊技玉を発射せずに残っている遊技玉の数であるかを判断することで、遊技客が退席かキープ状態かを判断することになる。
【0045】
ステップS6の判断に使用されるこれらの購入玉数、セーフ玉数、貸玉数、アウト玉数、計数玉数、排出玉数は、台間機2の記憶部21内にデータベースとして台番号に紐付けられて記憶されている。下記の表1にその一例を示す。なお、ここでは便宜上、台番号を省略した。
【0046】
【表1】
【0047】
この表に示すように、「遊技中」は残玉数が前述した閾値(例.5個)を超えている。これに対して、「退席時」は閾値未満である。なお、「退席時確認」で残玉数が2になっているのは、受皿に遊技玉が2個残っていることを表している。
【0048】
遊技機1は、遊技客が遊技中の時は、玉情報として、アウト玉の発生情報、セーフ玉の発生情報を台間機2に送信しているので、台間機2は、その情報を受信し、カウントすることで、アウト玉数、セーフ玉数を表す情報を取得することができる。下記の表2はアウト玉数及びセーフ玉数のカウント値の一例を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
この表に示されているように、遊技中はセーフ玉数、アウト玉数のカウント値が正の整数となり、離席中は0となる。このカウント値を表1における遊技中のセーフ玉数、アウト玉数に加算することで、台間機2は、遊技中の貸玉数及び排出玉数を算出することができる。
【0051】
なお、表1における「計数玉数」は、遊技客の操作又は自動的に遊技機1が受皿内の遊技玉の数を計数し、計数値を台間機2に通知し、台間機2が記憶したものである。
【0052】
図5の説明に戻る。台間機2は、ステップS7を実行した場合、次に管理装置3へ遊技終了状態を表す遊技機状態情報を台番号とともに通知し(ステップS8)、この図に示されている処理を終了させる。
【0053】
管理装置3は、通知された台番号及び遊技機状態情報を表示部33で表示する。遊技場の店長は、インカム等の通信装置を用いて、店員に対して、表示部33に表示されている台番号により特定される台間機2に併設されている遊技機1の遊技客が退席した旨を通知する。店員は通知に基づき、遊技機1の清掃などを行い、新たな遊技客の使用に備える。
【0054】
台間機2は、ステップS9を実行した場合、次にアウト玉の発生の有無を判断する(ステップS10)。アウト玉の発生があった場合は(ステップS10:有り)、遊技中との判断であり、ステップS1に戻る。アウト玉の発生が無かった場合は(ステップS10:無し)、遊技中ではないとの判断であり、タイマーの計時時間がY時間(閾値)を超えたか否かを判断する(ステップS11)。ここで、Y時間として例えば1時間を設定する。
【0055】
Y時間を超えていない場合(ステップS11:No)、ステップS10に戻る。すなわち、アウト玉の発生が無い場合、Y時間を超えるまで、アウト玉の発生の有無を判断する処理を繰り返す。
【0056】
台間機2は、タイマーの計時時間がY時間(閾値)を超えたと判断した場合(ステップS11:Yes)、遊技が長時間行われていないことから、遊技客が退席した可能性があるとの判断となり、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成して保持し(ステップS12)、さらに管理装置3へ遊技終了状態を表す遊技機状態情報を台番号とともに通知し(ステップS13)、この図に示されている処理を終了させる。なお、この通知に遊技が長時間行われていないことを付加することが好適である。
【0057】
以上説明した本発明の実施形態に係る遊技システムの動作の第1の例の動作の特徴を整理すると下記(1)~(4)となる。
(1)台間機2は、アウト玉の発生が無い状態が所定の時間(例えば5分間)続いた時に、貸玉数から排出玉数を減算した残玉数が所定の閾値未満になっていた場合、遊技客が退席したと判断し、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成する。
(2)台間機2は、アウト玉の発生が無い状態が所定の時間(例えば5分間)続いた時に、貸玉数から排出玉数を減算した残玉数が所定の閾値以上になっていた場合、遊技客が遊技機1をキープしていると判断し、遊技機キープ状態を表す遊技機状態情報を生成する。
(3)台間機2は、遊技客が遊技機1をキープしていると判断した後、アウト玉の発生が無い状態が所定の時間(例えば1時間)続いた時に、遊技客が退席した可能性があると判断し、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成する。
(4)台間機2は、台番号とともに遊技終了状態を表す遊技機状態情報を管理装置3に通知し、管理装置3は通知された情報を表示する。
【0058】
なお、台間機2が遊技機キープ状態を表す遊技機状態情報を管理装置3に通知し、管理装置3が表示するように構成してもよい。
【0059】
《第2の例》
図6は、本発明の実施形態に係る遊技システムの動作の第2の例を示すフローチャートである。第1の例と同様、この第2の例の動作も台間機2の主として制御部20が実行する動作である。
【0060】
台間機2は、例えば遊技客がカード挿入部26にカードを挿入したことに基づき、遊技機1が遊技機状態情報として遊技状態であることを表す情報を生成し、保持する(ステップS101)。
【0061】
台間機2は、遊技機1からの玉情報により、アウト玉の発生の有無を判断する(ステップS102)。アウト玉の発生が無かった場合は(ステップS102:無し)、遊技中ではないとの判断であり、タイマーをスタートさせる(ステップS103)。また、アウト玉の発生があった場合は(ステップS102:有り)、遊技中との判断であり、空打ち信号が検出されたか否かを判断する(ステップS108)。ここで、空打ち信号は、遊技機1の操作部11のハンドルに対する発射操作が検出され、かつ遊技玉が発射されたことを検出する玉検出センサー信号が検出されないことに基づき、遊技機1の制御部10が生成する。
【0062】
台間機2は、ステップS103を実行した場合は、次にタイマーの計時時間がY時間(閾値)を超えたか否かを判断する(ステップS104)。ここで、Y時間として例えば1時間を設定する。
【0063】
Y時間を超えていない場合(ステップS104:No)、ステップS104を繰り返す。すなわち、Y時間を超えるまでタイマーの計時時間を監視する。台間機2は、タイマーの計時時間がY時間(閾値)を超えたと判断した場合(ステップS104:Yes)、アウト玉の発生の有無を判断する(ステップS105)。
【0064】
アウト玉の発生があった場合は(ステップS105:有り)、遊技中との判断であり、ステップS101に戻る。アウト玉の発生が無かった場合は(ステップS105:無し)、台間機2は、遊技が長時間行われていないことから、遊技客が退席したとの判断となり、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成して保持し(ステップS106)、さらに管理装置3へ遊技終了状態を表す遊技機状態情報を台番号とともに通知し(ステップS107)、この図に示されている処理を終了させる。以後の管理装置3の処理、及び遊技場の管理者と店員の作業は、第1の例における管理装置3の処理及び管理者と店員の作業と同じである。
【0065】
台間機2は、空打ち信号を検出しなかった場合は(ステップS108:No)、遊技中との判断であり、この図に示されている処理を終了させる。また、空打ち信号を検出した場合は(ステップS108:Yes)、受皿に残玉が無いとの判断であり、タイマーをスタートさせる(ステップS109)。
【0066】
そして、タイマーの計時時間がX時間(閾値)を超えるまでタイマーの計時時間を監視し(ステップS110:No→ステップS110)、X時間(閾値)を超えたらタイマーをストップさせる(ステップS110:Yes→ステップS111)。
【0067】
ここで、X時間として例えば5分を設定する。この時間は、遊技機1で遊技客が発射可能な遊技玉が無くなってから、遊技客が新たに遊技玉を購入する操作(台間機2に対する現金の投入やプリペイドカードの挿入)に要する時間である。
【0068】
台間機2は、ステップS111を実行した後、セーフ玉又はアウト玉の発生の有無を判断する(ステップS112)。そして、発生があったと判断した場合は(ステップS112:有り)、遊技中との判断であり、そのままこの図に示されている処理を終了させる。また、発生がなかったと判断した場合は(ステップS112:無し)、遊技客が退席したとの判断となり、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成して保持する(ステップS113)。そして、台間機2は、管理装置3へ遊技終了状態を表す遊技機状態情報を台番号とともに通知し(ステップS114)、この図に示されている処理を終了させる。
【0069】
以上説明した本発明の実施形態に係る遊技システムの動作の第2の例の動作の特徴を整理すると下記(1)~(3)となる。
(1)台間機2は、アウト玉の発生が無い状態が所定の時間(例えば1時間)続いた時に、遊技客が退席したと判断し、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成する。
(2)台間機2は、空打ち信号が検出されてから所定時間(例えば5分間)経過した時にセーフ玉又はアウト玉の発生が無かった場合、遊技客が退席したと判断し、遊技終了状態を表す遊技機状態情報を生成する。
(3)台間機2は、台番号とともに遊技終了状態を表す遊技機状態情報を管理装置3に通知し、管理装置3は通知された情報を表示する。
【0070】
なお、本発明には以上説明した実施形態に加えて例えば下記(1)~(3)の変形例がある。
(1)図5図6に示されている処理の一部又は全部を管理装置3が実行する。
(2)図6のステップS112において、購入玉の有無を判断する。
(3)遊技場の管理者の通信装置をネットワーク4に接続し、通信装置からの遠隔操作により遊技機1の残玉の処理を可能にする。
【符号の説明】
【0071】
1,1-1,1-2,・・・,1-n…遊技機、2,2-1,2-2,・・・,2-n…台間機、3…管理装置、20,30…制御部、21,31…記憶部、33…表示部、100…遊技システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6