(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040929
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】蓄電セル及び蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/10 20210101AFI20220304BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20220304BHJP
H01M 50/147 20210101ALI20220304BHJP
H01M 50/543 20210101ALI20220304BHJP
H01M 50/172 20210101ALI20220304BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20220304BHJP
H01M 10/058 20100101ALN20220304BHJP
【FI】
H01M2/02 A
H01M10/04 Z
H01M2/04 A
H01M2/30 D
H01M2/06 A
H01M2/12 101
H01M10/058
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145887
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰有
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD06
5H011DD13
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG01
5H011JJ12
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD05
5H012FF01
5H028AA06
5H028BB01
5H028BB05
5H028CC05
5H028CC08
5H028EE01
5H028EE06
5H029AJ12
5H029BJ02
5H029BJ12
5H029CJ05
5H029DJ02
5H029DJ03
5H029DJ05
5H029EJ12
5H029HJ12
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA08
5H043DA20
5H043HA11D
5H043JA21D
5H043KA22D
5H043KA45D
5H043LA21D
(57)【要約】
【課題】電池要素の大型化に伴って外装体に作用する応力を緩和できる蓄電セル及び蓄電装置を提供すること。
【解決手段】二次電池10は、電池要素と、外装体30と、を備えている。外装体30は、筒状のシート部材30aと、筒状のシート部材30aの第1開口35を閉塞するようにシート部材30aに接合される第1樹脂部材40と、を有している。電池要素と電気的に接続された正極タブ61および負極タブ62が、シート部材30aの内面34と第1樹脂部材40との封止部を通して外装体30の外部に導出されている。第1樹脂部材40は、シート部材30aの第1端よりも内側に位置する第1端壁と、第1端壁の外縁に立設され、シート部材30aの内面34に沿う筒状の第1対向面42aを有する第1壁部42と、を有している。シート部材30aの樹脂層はシート部材30aの内面34に設けられている。シート部材30aは、第1壁部42に熱溶着されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池要素と、
前記電池要素を内部に収容する外装体と、を備え、
前記外装体は、
少なくとも樹脂層を含むように構成されるとともに前記電池要素を囲むように筒状に形成されたシート部材と、
前記筒状のシート部材の開口部を閉塞するように前記シート部材に接合される樹脂部材と、を有しており、
前記電池要素と電気的に接続された正極タブおよび負極タブが、前記シート部材の内面と前記樹脂部材との封止部を通して前記外装体の外部に導出されており、
前記樹脂部材は、
前記シート部材の開口端よりも内側に位置する端壁と、
前記端壁の外縁に立設され、前記シート部材の内面に沿う筒状の対向面を有する壁部と、を有し、
前記樹脂層は前記シート部材の前記内面に設けられており、
前記シート部材は、前記壁部に熱溶着されていることを特徴とする蓄電セル。
【請求項2】
前記樹脂部材は、少なくとも前記端壁の外表面を覆うように設けられた金属層を備えることを特徴とする請求項1に記載の蓄電セル。
【請求項3】
前記正極タブおよび前記負極タブの前記封止部を横切る部分には、それぞれ、前記正極タブおよび前記負極タブを被覆する絶縁材料からなるシール部材が設けられており、
前記シール部材は、前記樹脂部材と同一の樹脂材料により構成されるとともに前記内面と前記壁部とに熱溶着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄電セル。
【請求項4】
前記端壁には、前記外装体の内部の圧力が開放圧に達した場合に開裂し、前記外装体の内部圧力を前記外装体の外部に開放する圧力開放弁が設けられていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の蓄電セル。
【請求項5】
前記シート部材は、金属層の両面に前記樹脂層が形成されたラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の蓄電セル。
【請求項6】
前記外装体は、第2樹脂部材を有し、
前記シート部材は、
前記シート部材の軸線方向の前記開口端としての第1端に位置する前記開口部である第1開口と、
前記シート部材の軸線方向の第2端に位置する第2開口と、を有し、
前記シート部材の軸線方向の第1端寄りの前記内面には、前記第1開口を閉塞するように前記樹脂部材としての第1樹脂部材が接合され、
前記シート部材の軸線方向の第2端寄りの前記内面には、前記第2開口を閉塞するように前記第2樹脂部材が接合され、
前記端壁を第1端壁とし、前記壁部を第1壁部とし、前記対向面を第1対向面とすると、
前記第2樹脂部材は、
前記シート部材の前記第2端よりも内側に位置する第2端壁と、
前記第2端壁の外縁に立設され、前記内面に沿う筒状の第2対向面を有する第2壁部と、を有し、
前記第2壁部は、前記第2壁部に熱溶着されていることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の蓄電セル。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の複数の蓄電セルと、
複数の前記蓄電セルに生じる熱を放熱する放熱部と、を備え、
複数の前記蓄電セルと前記放熱部の少なくとも一部とは積層され、
前記放熱部の少なくとも一部は、複数の前記蓄電セルのうち前記正極タブ又は前記負極タブが近接した状態で積層された一対の蓄電セルの間に挟み込まれていることを特徴とする蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電セル及び蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電セルとして、二次電池が知られている。
二次電池として、アルミニウム箔やステンレス箔などの金属箔の両面に絶縁性の樹脂フィルムを貼り合わせたラミネートフィルムを、電池要素を収容するための外装体として用いたラミネート型電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のラミネート型電池では、曲げ加工するなどして電池要素を収容するための凹部が形成された複数のラミネートフィルムを用意し、それら複数のラミネートフィルム同士を電池要素の周囲で所定の幅にわたって熱溶着することによってラミネート外装体が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年ではラミネート型電池の電池容量の増加が求められており、これに伴い、ラミネート外装体に収容される電池要素が大型化する傾向にある。しかしながら、特許文献1のラミネート型電池のようにラミネートフィルムに電池要素を収容する凹部を形成する方式では、電池要素の大型化に伴って、ラミネートフィルム同士を熱溶着するために必要なラミネート外装体内部の余剰空間も大きくなり、電池のエネルギー密度が低下してしまうという問題が発生する。また、電池のエネルギー密度を向上させるために、ラミネート外装体内部の余剰空間を小さくしようとすると、ラミネートフィルムの曲げ加工が複雑になるとともに、凹部の角部やラミネートフィルム同士を熱溶着する部分などに作用する応力も大きくなり、その結果、電池の封止性に悪影響を及ぼす虞がある。
【0005】
本発明の目的は、外装体の内部に収容される電池要素が大型化しても、エネルギー密度を過度に低下させることなく外装体に作用する応力を緩和できる蓄電セル及び蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する蓄電セルは、電池要素と、前記電池要素を内部に収容する外装体と、を備え、前記外装体は、少なくとも樹脂層を含むように構成されるとともに前記電池要素を囲むように筒状に形成されたシート部材と、前記筒状のシート部材の開口部を閉塞するように前記シート部材に接合される樹脂部材と、を有しており、前記電池要素と電気的に接続された正極タブおよび負極タブが、前記シート部材の内面と前記樹脂部材との封止部を通して前記外装体の外部に導出されており、前記樹脂部材は、前記シート部材の開口端よりも内側に位置する端壁と、前記端壁の外縁に立設され、前記シート部材の内面に沿う筒状の対向面を有する壁部と、を有し、前記樹脂層は前記シート部材の前記内面に設けられており、前記シート部材は、前記壁部に熱溶着されている。
【0007】
これによれば、樹脂部材の壁部を外装体の内面に溶着させることにより、電池要素が収容される空間が形成される。従来のように、電池要素を収容する空間をシートのみからなる外装体で形成する場合と比較すると、電池要素が大型化した場合であっても、シート同士を熱溶着するために必要な外装体内部の余剰空間を小さくすることができる。そのため、蓄電セルのエネルギー密度の低下を抑制できる。また、電池要素を収容する空間をシートのみを使用して形成する外装体を採用する場合と比較すると、電池要素が大型化しても外装体に作用する応力を緩和できる。したがって、外装体の内部に収容される電池要素が大型化しても、エネルギー密度を過度に低下させることなく外装体に作用する応力を緩和できる。
【0008】
上記の蓄電セルにおいて、前記樹脂部材は、少なくとも前記端壁の外表面を覆うように設けられた金属層を備えるとよい。
これによれば、金属層により樹脂部材を介して外装体の外部から内部への水分の透過を抑制できる。
【0009】
上記の蓄電セルにおいて、前記正極タブ及び前記負極タブの前記封止部を横切る部分には、それぞれ、前記正極タブおよび前記負極タブを被覆する絶縁材料からなるシール部材が設けられており、前記シール部材は、前記樹脂部材と同一の樹脂材料により構成されるとともに前記内面と前記壁部とに熱溶着されているとよい。
【0010】
これによれば、シール部材により正極タブ及び負極タブの絶縁性を保つことができる。また、シール部材と樹脂部材とが同一の樹脂部材により構成されているため、シール部材と樹脂部材との相溶性が高い。よって、正極タブ及び負極タブが樹脂部材にシール部材を介して強固に接合されるため、正極タブ及び負極タブの絶縁性を保ちつつタブを支持することができる。
【0011】
上記の蓄電セルにおいて、前記端壁には、前記外装体の内部の圧力が開放圧に達した場合に開裂し、前記外装体の内部圧力を前記外装体の外部に開放する圧力開放弁が設けられているとよい。
【0012】
これによれば、樹脂部材の端壁が樹脂材料により構成されているため、設計の自由度が高くなり、圧力開放弁を設け易くなる。
上記の蓄電セルにおいて、前記シート部材は、金属層の両面に前記樹脂層が形成されたラミネートフィルムであるとよい。
【0013】
これによれば、ラミネートフィルムに金属層が含まれているため、外装体の外部から内部への水分の透過を抑制できる。
上記の蓄電セルにおいて、前記外装体は、第2樹脂部材を有し、前記シート部材は、前記シート部材の軸線方向の前記開口端としての第1端に位置する前記開口部である第1開口と、前記シート部材の軸線方向の第2端に位置する第2開口と、を有し、前記シート部材の軸線方向の第1端寄りの前記内面には、前記第1開口を閉塞するように前記樹脂部材としての第1樹脂部材が接合され、前記シート部材の軸線方向の第2端寄りの前記内面には、前記第2開口を閉塞するように前記第2樹脂部材が接合され、前記端壁を第1端壁とし、前記壁部を第1壁部とし、前記対向面を第1対向面とすると、前記第2樹脂部材は、前記シート部材の前記第2端よりも内側に位置する第2端壁と、前記第2端壁の外縁に立設され、前記内面に沿う筒状の第2対向面を有する第2壁部と、を有し、前記第2壁部は、前記第2壁部に熱溶着されているとよい。
【0014】
これによれば、筒状のシート部材の両開口に第1樹脂部材及び第2樹脂部材を熱溶着させることにより、電池要素が収容される空間が形成される。従来のように、電池要素を収容する空間をシートのみからなる外装体で形成する場合と比較すると、電池要素が大型化した場合であっても、シート同士を熱溶着するために必要な外装体内部の余剰空間を小さくすることができる。そのため、蓄電セルのエネルギー密度の低下をより抑制できる。また、電池要素を収容する空間をシートのみを使用して形成する外装体を採用する場合と比較すると、電池要素が大型化しても外装体に作用する応力をより緩和できる。したがって、外装体の内部に収容される電池要素が大型化しても、エネルギー密度を過度に低下させることなく外装体に作用する応力をより緩和できる。
【0015】
上記課題を解決する蓄電装置は、上記のいずれかの複数の蓄電セルと、複数の前記蓄電セルに生じる熱を放熱する放熱部と、を備え、複数の前記蓄電セルと前記放熱部の少なくとも一部とは積層され、前記放熱部の少なくとも一部は、複数の前記蓄電セルのうち前記正極タブ又は前記負極タブが近接した状態で積層された一対の蓄電セルの間に挟み込まれている。
【0016】
これによれば、蓄電セルにおいて、正極タブ及び負極タブには、導電による熱が集中するが、一対の蓄電セルの間に放熱部の少なくとも一部が配置されるため、蓄電装置として放熱性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、外装体の内部に収容される電池要素が大型化しても、エネルギー密度を過度に低下させることなく外装体に作用する応力を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、蓄電セルを具体化した第1実施形態を
図1~
図4にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電セルとしての二次電池10は、電池要素20と、電池要素20を内部に収容する外装体30と、を備えている。二次電池10は、矩形板状の正極タブ61と、矩形板状の負極タブ62と、第1シール部材71と、第2シール部材72と、を備えている。本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン二次電池である。
【0020】
図2に示すように、電池要素20は、矩形シート状の複数の正極電極21と、矩形シート状の複数の負極電極22と、矩形シート状の複数のセパレータ23と、を有している。電池要素20は、セパレータ23を挟んで正極電極21と負極電極22とが交互に積み重ねられた積層構造を有し、正極電極21と負極電極22とが積層された方向を積層方向とする。電池要素20は、直方体状をなしている。
【0021】
正極電極21は、矩形シート状の正極金属箔21aと、正極金属箔21aの両面に存在する正極活物質層21bと、正極延設部21cと、を有している。正極金属箔21aは、アルミニウム箔である。正極活物質層21bは、正極金属箔21aの一対の長縁及び一対の短縁に至らない程度に正極金属箔21aに設けられている。正極延設部21cは、矩形状をなしている。正極金属箔21aの一対の長縁のうち一方を第1長縁21dとし、他方を第2長縁21eとする。正極金属箔21aの一対の短縁のうち一方を第1短縁21fとし、他方を第2短縁21gとする。正極延設部21cは、正極金属箔21aの第1長縁21dから突出している。
【0022】
負極電極22は、矩形シート状の負極金属箔22aと、負極金属箔22aの両面に存在する負極活物質層22bと、負極延設部22cと、を有している。負極金属箔22aは、正極金属箔21aの長手方向及び短手方向が一致する銅箔である。負極活物質層22bは、負極金属箔22aの一対の長縁及び一対の短縁に至らない程度に負極金属箔22aに設けられている。負極延設部22cは、矩形状をなしている。負極金属箔22aの一対の長縁のうち一方を第1長縁22dとし、他方を第2長縁22eとする。負極金属箔22aの一対の短縁のうち一方を第1短縁22fとし、他方を第2短縁22gとする。負極延設部22cは、負極金属箔22aの第1長縁22dから突出している。
【0023】
正極電極21と負極電極22とは、セパレータ23を介在させた状態において第1長縁21dと第1長縁22dとを近接させるように、且つ第2長縁21eと第2長縁22eとを近接させるように積層される。正極電極21と負極電極22とは、セパレータ23を介在させた状態において第1短縁21fと第1短縁22fとを近接させるように、且つ第2短縁21gと第2短縁22gとを近接させるように積層される。
【0024】
正極延設部21cは、正極金属箔21aの第1短縁21f寄りに配置され、負極延設部22cは、負極金属箔22aの第2短縁22g寄りに配置されている。すなわち、正極延設部21c及び負極延設部22cは、積層方向において互いに重ならないように配置されている。また、正極延設部21c及び負極延設部22cは、電池要素20において同一方向に向けて突出している。
【0025】
図1及び
図3に示すように、各正極電極21それぞれの正極延設部21cは、積層方向に列状に配置されている。電池要素20は、複数の正極延設部21cが積層方向において積層された正極延設群24を有している。
【0026】
各負極電極22それぞれの負極延設部22cは、積層方向に列状に配置されている。電池要素20は、複数の負極延設部22cが積層方向において積層された負極延設群25を有している。
【0027】
図1に示すように、外装体30は、1枚の矩形状のシート部材30aと、第1樹脂部材40と、第2樹脂部材50と、を有している。シート部材30aは、柔軟性を有するシートである。シート部材30aの表面は、樹脂で構成されている。
【0028】
シート部材30aは、その両短縁を互いに熱溶着することにより筒状に形成されている。外装体30は、シート部材30aの両短縁を熱溶着した第1溶着部W1を有する。シート部材30aには、4箇所に曲がり部33が形成されている。曲がり部33は、シート部材30aの短縁の延びる方向の全長に延びている。4つの曲がり部33は、シート部材30aが四角筒状をなすようにシート部材30aに設けられている。第1溶着部W1は、4組の隣り合う曲がり部33のうち1組の間に配置されている。第1溶着部W1は、シート部材30aの曲がり部33に重ならない位置に設けられている。なお、第1溶着部W1は、シート部材30aの両短縁を熱溶着して形成された後、四角筒状のシート部材30aの1つの側面に向けて折り曲げられている。
【0029】
シート部材30aは、四角筒状の内面34と、2つの開口と、を有している。2つの開口それぞれを第1開口35及び第2開口36とする。第1開口35は、シート部材30aの軸線方向における第1端に位置している。第2開口36は、シート部材30aの軸線方向における第2端に位置している。なお、シート部材30aの第1端は、シート部材の開口端の一例であり、シート部材30aの第1開口35は、シート部材の開口部の一例である。
【0030】
図3に示すように、シート部材30aは、樹脂層31と、金属層32と、を有している。すなわち、シート部材30aは、少なくとも樹脂層31を含むように構成されている。シート部材30aは、矩形状の金属層32の全域を樹脂層31により覆うことで構成されている。シート部材30aは、樹脂層31と金属層32がシート部材30aの厚さ方向において、樹脂層31、金属層32、樹脂層31の順に積層される三層構造を有している。シート部材30aは、金属層32の両面に樹脂層31が形成されたラミネートシートである。
【0031】
図1及び
図3に示すように、第1樹脂部材40は、端壁としての第1端壁41と、壁部としての第1壁部42と、を有している。第1端壁41は、長四角板状をなしている。第1壁部42は、第1端壁41の外縁に立設されている。第1樹脂部材40には、第1端壁41と第1壁部42とにより囲まれた空間S1が形成されている。
【0032】
第1壁部42は、第1壁421と、第2壁422と、第3壁423と、第4壁424と、を有している。第1壁421及び第2壁422は、第1端壁41の両長縁から第1端壁41の厚さ方向に延びている。第1壁421及び第2壁422は、互いに対向している。第3壁423及び第4壁424は、第1端壁41の両短縁から第1端壁41の厚さ方向に延びている。第3壁423は、第1壁421の第1短縁と第2壁422の第1短縁とに連続している。第4壁424は、第1壁421の第2短縁と第2壁422の第2短縁とに連続している。第3壁423及び第4壁424は、互いに対向している。そのため、第1壁部42は、四角筒状をなしている。
【0033】
第1シール部材71は、正極タブ61を囲むように設けられている。第1シール部材71は、正極タブ61の両端を除く部分を被覆している。第1シール部材71は、第1樹脂部材40と同一の樹脂材料で構成されている。
【0034】
第2シール部材72は、負極タブ62を囲むように設けられている。第2シール部材72は、負極タブ62の両端を除く部分を被覆している。第2シール部材72は、第1樹脂部材40と同一の樹脂材料で構成されている。
【0035】
第2樹脂部材50は、第2端壁51と、第2壁部52と、を有している。第2端壁51は、長四角板状をなしている。第2壁部52は、第2端壁51の外縁に立設されている。
第2壁部52は、第1壁521と、第2壁522と、第3壁523と、第4壁524と、を有している。第1壁521及び第2壁522は、第2端壁51の両長縁から第2端壁51の厚さ方向に延びている。第1壁521及び第2壁522は、互いに対向している。第3壁523及び第4壁524は、第2端壁51の両短縁から第2端壁51の厚さ方向に延びている。第3壁523は、第1壁521の第1短縁と第2壁522の第1短縁とに連続している。第4壁524は、第1壁521の第2短縁と第2壁522の第2短縁とに連続している。第3壁523及び第4壁524は、互いに対向している。そのため、第2壁部52は、四角筒状をなしている。
【0036】
図1及び
図3に示すように、二次電池10は、第1樹脂部材40の空間S1に配置される金属箔73を備えている。金属箔73は、第1端壁41の外表面41aの全域と、第1壁421、第2壁422、第3壁423、及び第4壁424それぞれの内面のうち第1端壁41寄りの部分と、を覆っている。金属箔73は、第1樹脂部材40において少なくとも第1端壁41の外表面41aを覆っている。なお、金属箔73は、例えば、スパッタ等の薄膜に変更してもよい。すなわち、第1樹脂部材40は、少なくとも外表面41aを覆うように設けられた金属箔73やスパッタのような金属層を備えているとよい。
【0037】
二次電池10は、第2樹脂部材50の空間S2に配置される金属箔74を備えている。金属箔74は、第2端壁51の外表面51aの全域と、第1壁521、第2壁522、第3壁523、及び第4壁524それぞれの内面のうち第2端壁51寄りの部分と、を覆っている。金属箔74は、第2樹脂部材50において少なくとも第2端壁51の外表面51aを覆っている。なお、金属箔74は、例えば、スパッタ等の薄膜に変更してもよい。すなわち、第2樹脂部材50は、少なくとも外表面51aを覆うように設けられた金属箔74やスパッタのような金属層を備えているとよい。
【0038】
図3に示すように、外装体30は、電池要素20を収容している。シート部材30aは、電池要素20を囲むように設けられている。
図3及び
図4に示すように、第1樹脂部材40、第1シール部材71、及び第2シール部材72は、シート部材30aの第1開口35に配置されている。第1樹脂部材40、第1シール部材71、及び第2シール部材72が第1開口35に配置された状態において、第1シール部材71と第2シール部材72とは、互いに接触しないように離間して配置されている。また、第1シール部材71は、第1壁421に接触している。第2シール部材72は、第1壁421に接触している。第1樹脂部材40、第1シール部材71、及び第2シール部材72が第1開口35に配置された状態において、シート部材30aは、第1樹脂部材40、第1シール部材71、第2シール部材72の外面に沿わされるように変形させられる。そのため、第1樹脂部材40、第1シール部材71、及び第2シール部材72は、第1開口35を閉塞している。第1樹脂部材40は、第1端壁41がシート部材30aの第1端よりも内側に位置し、第1壁421、第2壁422、第3壁423、及び第4壁424が内面34に沿って延びるように第1開口35に配置されている。ここで、第1樹脂部材40の第1壁部42は、シート部材30aの内面34に沿う筒状の対向面である第1対向面42aを有している。
【0039】
第1樹脂部材40は、空間S1が外装体30の外部に開口するように第1開口35に配置されている。第1壁421、第2壁422、第3壁423、及び第4壁424は、外装体30の軸線方向の第1端寄りの内面34に熱溶着されている。すなわち、第1樹脂部材40の第1壁部42は、外装体30の軸線方向の第1端寄りの内面34に熱溶着されている。第1シール部材71と第2シール部材72は、第1壁421の外面に熱溶着されている。第1シール部材71及び第2シール部材72は、内面34に熱溶着されている。
【0040】
二次電池10は、第1樹脂部材40とシート部材30aとが熱溶着された部分と、第1樹脂部材40と第1シール部材71とが熱溶着された部分と、第1樹脂部材40と第2シール部材72とが熱溶着された部分と、第1シール部材71とシート部材30aとが熱溶着された部分、第2シール部材72とシート部材30aとが熱溶着された部分とにより構成される第2溶着部W2を有している。
【0041】
図3に示すように、正極タブ61は、外装体30の内外に延びている。正極タブ61は、第1樹脂部材40と外装体30との間に配置されている。外装体30の内部に位置する正極タブ61の端部と正極延設群24とは溶接されている。正極タブ61と正極延設群24とは、例えば、レーザ溶接等の溶接技術により溶接してもよい。正極タブ61と電池要素20とが電気的に接続している。
【0042】
負極タブ62は、外装体30の内外に延びている。負極タブ62は、第1樹脂部材40と外装体30との間に配置されている。外装体30の内部に位置する負極タブ62の端部と負極延設群25とは溶接されている。負極タブ62と負極延設群25とは、例えば、レーザ溶接等の溶接技術により溶接してもよい。負極タブ62と電池要素20とが電気的に接続している。
【0043】
図3に示すように、正極タブ61及び負極タブ62は、電池要素20の積層方向において、第1樹脂部材40の第1壁421に寄せて配置されている。
第2樹脂部材50は、シート部材30aの第2開口36に配置されている。第2樹脂部材50は、第2開口36を閉塞している。第2樹脂部材50は、第2端壁51がシート部材30aの第2端よりも内側に位置し、第2壁部52が四角筒状の内面34に沿って延びるように第2開口36に配置されている。ここで、第2樹脂部材50の第2壁部52は、シート部材30aの内面34に沿う筒状の第2対向面52aを有している。第2樹脂部材50は、空間S2が外装体30の外部に開口するように第2開口36に配置されている。第2壁部52は、シート部材30aの第2端寄りの内面34に熱溶着されている。
【0044】
二次電池10は、第2壁部52と外装体30とを熱溶着した第3溶着部W3を有している。
上記のように構成された二次電池10において、外装体30、第1樹脂部材40、第2樹脂部材50、第1シール部材71、及び第2シール部材72により電池要素20を収容する空間が形成されている。第1溶着部W1、第2溶着部W2、及び第3溶着部W3が形成されることにより、外装体30内の気密性が保たれる。なお、第1樹脂部材40は、樹脂部材の一例であり、第1シール部材71及び第2シール部材72は、シール部材の一例である。また、第2溶着部W2、第1シール部材71、及び第2シール部材72は、シート部材30aの内面34と第1樹脂部材40との封止部をなしている。第1シール部材71及び第2シール部材72は、当該封止部を横切る部分に設けられている。正極タブ61及び負極タブ62は、当該封止部を通して外装体30の外部に導出されている。
【0045】
図4に示すように、第1樹脂部材40の第1端壁41には、外装体30の内部の圧力が開放圧に達した場合に開裂し、外装体30の内部圧力を外装体30の外部に開放する圧力開放弁81が設けられている。第1端壁41に圧力開放弁81が設けられることに伴い、金属箔73には、圧力開放弁81と対面する部分に貫通孔73a設けられている。
【0046】
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1-1)本実施形態では、筒状のシート部材30aの両開口に第1樹脂部材40及び第2樹脂部材50を熱溶着させることにより、電池要素20が収容される空間が形成される。従来のように、電池要素20を収容する空間をシートのみからなる外装体で形成する場合と比較すると、電池要素20が大型化した場合であっても、シート同士を熱溶着するために必要な外装体内部の余剰空間を小さくすることができる。そのため、二次電池10のエネルギー密度の低下をより抑制できる。また、電池要素20を収容する空間をシートのみを使用して形成する外装体を採用する場合と比較すると、電池要素20が大型化しても外装体30に作用する応力をより緩和できる。したがって、外装体30の内部に収容される電池要素20が大型化しても、エネルギー密度を過度に低下させることなく外装体30に作用する応力をより緩和できる。
【0047】
(1-2)金属箔73,74により第1樹脂部材40及び第2樹脂部材50を介して外装体30の外部から内部への水分の透過を抑制できる。
(1-3)第1シール部材71により正極タブ61の絶縁性を保つことができる。第2シール部材72により負極タブ62の絶縁性を保つことができる。また、第1シール部材71及び第2シール部材72と、第1樹脂部材40とが同一の樹脂部材により構成されているため、第1シール部材71、第2シール部材72、及び第1樹脂部材40との相溶性が高い。よって、正極タブ61が第1樹脂部材40に第1シール部材71を介して強固に接合され、且つ負極タブ62が第1樹脂部材40に第2シール部材72を介して強固に接合されるため、正極タブ61及び負極タブ62の絶縁性を保ちつつ正極タブ61及び負極タブ62を支持することができる。
【0048】
(1-4)第1端壁41が樹脂材料により構成されているため、設計の自由度が高くなり、圧力開放弁81を設け易くなる。
(1-5)シート部材30aに金属層32が含まれているため、外装体30の外部から内部への水分の透過を抑制できる。
【0049】
(1-6)第1溶着部W1がシート部材30aの曲がり部33に重ならない位置に設けられているため、電池要素20の大型化に伴い外装体30に作用する応力が大きくなったとしても、第1溶着部W1に応力が発生し難くなる。よって、第1溶着部W1を剥がれ難くできる。
【0050】
<第2実施形態>
以下、蓄電装置を具体化した第2の実施形態を
図5にしたがって説明する。第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明は割愛する。なお、
図5に示す蓄電装置は、断面図であり、本来であれば電池要素20において正極電極21、負極電極22、及びセパレータ23の積層状態を示す断面が記載されるが、説明の便宜上、詳細な図示は割愛している。
【0051】
図5に示すように、蓄電装置100は、複数の二次電池10と、複数の二次電池10に生じる熱を放熱する放熱部90と、を備えている。本実施形態の蓄電装置100は、二次電池10を7つ備えている。
【0052】
本実施形態の二次電池10は、第1実施形態と異なり、外装体30の第2開口36及び第2樹脂部材50が割愛されている。外装体30は、電池要素20が載置される底部を有し、第2開口36を有していない。外装体30は、第1開口35のみを有している。
【0053】
放熱部90は、3つの伝熱板91と、1つの熱交換器92と、を有している。3つの伝熱板91は、断面形状がL字状をなす2つの第1伝熱板93と、断面形状がT字状をなす1つの第2伝熱板94と、を有している。
【0054】
第1伝熱板93は、第1板部93aと、第2板部93bとを有している。第1板部93aには、第2板部93bの厚さ方向と二次電池10が有する電池要素20の積層方向とが一致するように2つの二次電池10が載置されている。第1板部93aには、2つの二次電池10それぞれの外装体30の底部が載置されている。第1板部93aに載置される2つの二次電池10のうち一方は、正極タブ61及び負極タブ62が第2板部93bに近接するように配置されている。第1板部93aに載置される2つの二次電池10のうち他方は、正極タブ61及び負極タブ62が第1板部93aの先端寄りとなるように配置されている。
【0055】
第2伝熱板94は、第1板部94aと、第2板部94bと、第3板部94cと、を有している。第1板部94aと第3板部94cとは断面形状がL字状をなすように連続している。第2板部94bと第3板部94cとは断面形状がL字状をなすように連続している。第1板部94aと第2板部94bとは、第3板部94cの第1端から互いに反対側に延びている。
【0056】
第1板部94aには、第3板部94cの厚さ方向と二次電池10が有する電池要素20の積層方向とが一致するように2つの二次電池10が載置されている。第1板部94aには、2つの二次電池10それぞれの外装体30の底部が載置されている。第1板部94aに載置される2つの二次電池10のうち一方は、正極タブ61及び負極タブ62が第3板部94cに近接するように配置されている。第1板部94aに載置される2つの二次電池10のうち他方は、正極タブ61及び負極タブ62が第1板部94aの先端寄りとなるように配置されている。
【0057】
第2板部94bには、第3板部94cの厚さ方向と二次電池10が有する電池要素20の積層方向とが一致するように1つの二次電池10が載置されている。第2板部94bに載置される二次電池10は、正極タブ61及び負極タブ62が第3板部94cに近接するように配置されている。すなわち、第2板部94bを挟み込む一対の二次電池10は、互いの正極タブ61及び負極タブ62が近接した状態となる。
【0058】
第1伝熱板93に載置される2つの二次電池10及び第1伝熱板93を第1前駆体101とし、第2伝熱板94に載置される3つの二次電池10及び第2伝熱板94を第2前駆体102とする。
【0059】
2つの第1前駆体101と、1つの第2前駆体102とは、電池要素20の積層方向と一致する方向に並べられている。
2つの第1前駆体101は、2つの第1前駆体101のうちの一方における第1板部93aと第2板部93bの境界部分に、2つの第1前駆体101のうちの他方が有する第1板部93aの先端が隣り合うように並べられている。このとき、2つの第1前駆体101のうちの一方が有する第2板部93bには、2つの第1前駆体101のうちの他方における1つの二次電池10が隣り合うように配置される。よって、2つの第1前駆体101のうちの一方が有する第2板部93bを介して2つの二次電池10が並べられている。2つの第1前駆体101のうちの一方が有する第2板部93bを挟み込む一対の二次電池10は、互いの正極タブ61及び負極タブ62が近接した状態となる。
【0060】
2つの第1前駆体101のうちの他方と、第2前駆体102とは、2つの第1前駆体101のうちの他方における第1板部93aと第2板部93bとの境界部分に、第2前駆体102の第1板部94aの先端が隣り合うように並べられている。このとき、2つの第1前駆体101のうちの他方が有する第2板部93bには、第2前駆体102における1つの二次電池10が隣り合うように配置される。よって、2つの第1前駆体101のうちの他方が有する第2板部93bを介して2つの二次電池10が並べられている。2つの第1前駆体101のうちの他方が有する第2板部93bを挟み込む一対の二次電池10は、互いに正極タブ61及び負極タブ62が近接した状態となる。
【0061】
2つの第1前駆体101と、1つの第2前駆体102と、を並べた状態において、複数の二次電池10と、第2板部93b及び第3板部94cとは積層されている。2つの第1前駆体101と、1つの第2前駆体102と、を並べた状態において、第1板部93a,94a及び第2板部94bには、熱交換器92が接続されている。熱交換器92は、伝熱板91を介して伝わる複数の二次電池10に生じる熱を蓄電装置100の外部に放熱する。なお、熱交換器92は、例えば、ラジエータとしてもよい。要は、熱交換器92は、伝熱板91と蓄電装置100の外部とを熱的に接続し、複数の二次電池10に生じる熱を放熱できればよい。
【0062】
このように構成された蓄電装置100において、第2板部93b及び第3板部94cそれぞれを挟み込むように積層された一対の二次電池10のうちの一方の正極タブ61は、一対の二次電池10のうちの他方の負極タブ62と対向している。また、第2板部93b及び第3板部94cそれぞれを挟み込むように積層された一対の二次電池10のうちの一方の負極タブ62は、一対の二次電池10のうちの他方の正極タブ61と対向している。また、2つの第2板部93b、及び第3板部94cは、放熱部90の一部である。よって、蓄電装置100は、放熱部90の一部が一対の二次電池10の間に挟み込まれるように構成されている。なお、蓄電装置100に設けられた複数の正極タブ61と複数の負極タブ62とは、図示しないバスバーにより電気的に接続される。
【0063】
(2-1)本実施形態では、二次電池10において、正極タブ61及び負極タブ62には、導電による熱が集中するが、隣り合う二次電池10の間に第2板部93b及び第3板部94cが配置されている。伝熱板91に伝わる熱は、熱交換器92により放熱されるため、蓄電装置100として放熱性を向上させることができる。
【0064】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施できる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
○ 第1実施形態において、二次電池10を
図6及び
図7のように変更してもよい。
【0065】
図6に示すように、電池要素20において、正極延設群24と負極延設群25とを互いに反対側に突出させるように変更してもよい。
図6及び
図7に示すように、例えば、負極延設群25を外装体30の軸線方向の第2端に向けて突出するように変更した場合、負極タブ62及び第2シール部材72を外装体30の第2開口36に配置する。そして、シート部材30aと第2樹脂部材50とが熱溶着された部分と、シート部材30aと第2シール部材72とが熱溶着された部分と、第2樹脂部材50と第2シール部材72とが熱溶着された部分と、により第3溶着部W3を構成するとよい。
【0066】
また、シート部材30aと第1樹脂部材40とが熱溶着された部分と、シート部材30aと第1シール部材71とが熱溶着された部分と、第1樹脂部材40と第1シール部材71とが熱溶着された部分と、により第2溶着部W2を構成するとよい。なお、このように変更した場合、第2樹脂部材50は、樹脂部材の一例であり、第2端壁51は端壁の一例であり、第2壁部52は壁部の一例である。また、第2樹脂部材50の第2端壁51にも、圧力開放弁81を設けてもよい。
【0067】
○ 第2実施形態に記載の蓄電装置100で採用する二次電池10を、
図6及び
図7に示す変更例に示す二次電池10としてもよい。
このように変更しても、
図8に示すように、第2板部93b及び第3板部94cを挟み込むように積層された一対の二次電池10のうちの一方の正極タブ61は、第2板部93b及び第3板部94cそれぞれを挟み込むように積層された一対の二次電池10のうちの他方の負極タブ62と対向していればよい。また、第2板部93b及び第3板部94cを挟み込むように積層された一対の二次電池10のうちの一方の負極タブ62は、第2板部93b及び第3板部94cそれぞれを挟み込むように積層された一対の二次電池10のうちの他方の正極タブ61と対向していればよい。すなわち、蓄電装置100は、放熱部90の一部が一対の二次電池10の間に挟み込まれるように構成されていればよい。
【0068】
○ 第2実施形態及び上記変更例において、放熱部90の伝熱板91を割愛し、放熱部90を熱交換器92のみで構成してもよい。この場合、隣り合う二次電池10の間に熱交換器92を配置するように変更してもよい。このように変更する場合、放熱部90をなす熱交換器92の全体を隣り合う二次電池10の間に配置してもよいし、熱交換器92の一部を隣り合う二次電池10の間に配置してもよい。すなわち、第2実施形態及び本変更例によれば、蓄電装置100は、放熱部90の少なくとも一部が隣り合う二次電池10の間に挟み込まれるように構成されていればよい。
【0069】
○ 外装体30の外面を更に金属層で覆ってもよい。これにより、外装体30の外部からの水分の透過を更に抑制できる。
○ 外装体30は、金属層32を含むラミネートシートであったが、これに限らない。例えば、外装体30は、樹脂層31のみで構成されるシートであってもよい。すなわち、シート部材30aは、樹脂を含むシートであればよい。なお、仮にシート部材30aを樹脂層31のみで構成する場合、外装体30の外面に矩形状の金属箔を追加してもよい。
【0070】
○ 圧力開放弁81を割愛してもよい。
○ 第1シール部材71及び第2シール部材72は、第1樹脂部材40と同一の樹脂材料で構成されたが異なる樹脂材料で構成されてもよい。
【0071】
○ 第1シール部材71及び第2シール部材72を割愛し、正極タブ61及び負極タブ62をシート部材30aと第1樹脂部材40との間に挟み込んでもよい。なお、上記変更例において、第2シール部材72を第2開口36に配置する場合、負極タブ62をシート部材30aと第2樹脂部材50との間に挟み込んでもよい。
【0072】
○ 金属箔73は、第1端壁41のみを覆うように変更してもよい。金属箔74は、第2端壁51のみを覆うように変更してもよい。
○ 金属箔73,74は、割愛してもよい。
【0073】
○ 外装体30は、1枚の矩形状のシート部材30aを有していたが、例えば、2枚の矩形状のシート部材30aを有していてもよい。この場合、2枚のシート部材30aそれぞれの両短縁を熱溶着することにより第1溶着部W1を2つ形成するとよい。なお、2つの第1溶着部W1は、外装体30の角部に重ならない位置に設けられることが好ましく、且つ第1溶着部W1は、外装体30の側面に向けて折り曲げられているとよい。
【0074】
○ 蓄電セルは、二次電池10でなく、電気二重層キャパシタ等の他の蓄電セルに適用してもよい。
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であってもよい。要するに、二次電池10は、正極活物質と負極活物質との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。
【0075】
○ 電池要素20は、セパレータ23を挟んで正極電極21と負極電極22とが交互に積み重ねられた積層構造を有していたが、例えば、セパレータ23を挟んで正極電極21と負極電極22とを捲回する捲回構造を有していてもよい。
【0076】
○ 正極活物質層21bは、正極金属箔21aの両面に設けられていたが、片面にのみ設けられるように変更してもよい。
○ 負極活物質層22bは、負極金属箔22aの両面に設けられていたが、片面にのみ設けられるように変更してもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…二次電池、20…電池要素、21…正極電極、21a…正極金属箔、21b…正極活物質層、21c…正極延設部、22…負極電極、22a…負極金属箔、22b…負極活物質層、22c…負極延設部、23…セパレータ、24…正極延設群、25…負極延設群、30…外装体、30a…シート部材、31…樹脂層、32…金属層、33…曲がり部、34…内面、35…第1開口、36…第2開口、40…第1樹脂部材、41…第1端壁、41a…外表面、42…第1壁部、42a…第1対向面、50…第2樹脂部材、51…第2端壁、51a…外表面、52…第2壁部、52a…第2対向面、61…正極タブ、62…負極タブ、71…第1シール部材、72…第2シール部材、73,74…金属箔、81…圧力開放弁、90…放熱部、91…伝熱板、92…熱交換器、100…蓄電装置。