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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040933
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】空気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20220304BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20220304BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20220304BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/20
F24F1/0073
F24F7/007
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145891
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】505282514
【氏名又は名称】株式会社ソウマ
(74)【代理人】
【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔
(74)【代理人】
【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英
(72)【発明者】
【氏名】相馬 武夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 仁
【テーマコード(参考)】
3L051
4C180
【Fターム(参考)】
3L051BA02
3L051BC03
3L051BC05
4C180AA02
4C180AA07
4C180BB09
4C180BB11
4C180CC03
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH14
4C180HH15
4C180HH19
4C180LL11
4C180LL15
(57)【要約】
【課題】広い空間を有する建屋内の空気を浄化することができる空気浄化装置を提供すること。
【解決手段】空気浄化装置1では、空気を取り込んで、空気を浄化するために、筐体部2と、筐体部2内に配列されており、筐体部2内に取り込まれた空気を通すことで空気を浄化する複数の光触媒フィルタ3と、を備える。各光触媒フィルタ3は、互いに間隔をおいて配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を取り込んで、前記空気を浄化する空気浄化装置であって、
筐体部と、
前記筐体部内に配列されており、前記筐体部内に取り込まれた前記空気を通すことで前記空気を浄化する複数の光触媒フィルタと、を備え、
前記各光触媒フィルタは、互いに間隔をおいて配置されていることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
前記光触媒フィルタは、
複数の通気孔を有し紫外線を発生する紫外線照射部と、
複数の通気孔を有し前記紫外線照射部から発生する紫外線を受けて、前記通気孔を通過する前記空気を浄化する光触媒板と、を有することを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項3】
前記筐体部は、複数の前記光触媒フィルタを収納する収納空間を有し、前記収納空間において前記光触媒フィルタを着脱可能に保持する保持枠部を有し、前記保持枠部には、前記光触媒フィルタの前記紫外線照射部に通電するための配線が収納されていることを特徴とする請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記筐体部は、前記筐体部の下部に形成されて前記空気を前記収納空間内に取り入れるための空気取り入れ部と、前記筐体部の上部に形成されて前記収納空間内の前記光触媒フィルタにより浄化された前記空気を前記筐体部の外部に吹き出すための空気吹き出し部と、を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、事業所、医療施設、あるいは宿泊施設のような建屋等に配置して空気を浄化する空気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
精密機器を扱う工場や印刷工場内等の事業所、病院等の医療施設、あるいはホテル等の宿泊施設等の建屋は、その室内の空気を清浄な状態に保持する必要がある。この種の空気浄化装置は、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている空気浄化装置では、居室内の清浄度を高めるために、紫外線ランプユニットが、居室の天井に設置された空気調和機のチャンバー内の吸込み口側開口に配置されている。そして、酸化チタン光触媒が担持された1つの光触媒基板が、1つの赤外線ランプユニットに対して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-291620公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような構造の空気浄化装置では、天井に取り付けられた空気調和機の吹き出す空気の浄化を行うだけであり、広い空間を有する建屋内の空気を浄化することが難しい。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、広い空間を有する建屋内の空気を浄化することができる空気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解消するために、本発明の第1の態様の空気浄化装置は、空気を取り込んで、前記空気を浄化する空気浄化装置であって、筐体部と、前記筐体部内に配列されており、前記筐体部内に取り込まれた前記空気を通すことで前記空気を浄化する複数の光触媒フィルタと、を備え、前記各光触媒フィルタは、互いに間隔をおいて配置されていることを特徴とする。
【0008】
このように本発明は構成されるので、筐体部内に配列されており、筐体部内に取り込まれた空気を通すことで空気を浄化する複数の光触媒フィルタを備え、各光触媒フィルタは、互いに間隔をおいて配置されているので、汚れている空気の浄化を効率よく行うことができる。従って、空気浄化装置は、広い空間を有する建屋内の空気を浄化することができる
【0009】
また、本発明の第2の態様の空気浄化装置は、前記光触媒フィルタは、複数の通気孔を有し紫外線を発生する紫外線照射部と、複数の通気孔を有し前記紫外線照射部から発生する紫外線を受けて、前記通過孔を通過する前記空気を浄化する光触媒板と、を有することを特徴とする。
【0010】
このように本発明は構成されるので、光触媒フィルタの紫外線照射部と光触媒板は、ともに通気孔を用いて空気をスムーズに通しながら、光触媒板に紫外線を照射することで、光触媒板は汚れた空気の浄化を効率よく行うことができる。
【0011】
また、本発明の第3の態様の空気浄化装置は、前記筐体部は、複数の前記光触媒フィルタを収納する収納空間を有し、前記収納空間において前記光触媒フィルタを着脱可能に保持する保持枠部を有し、前記保持枠部には、前記光触媒フィルタの前記紫外線照射部に通電するための配線が収納されていることを特徴とする。
【0012】
このように本発明は構成されるので、複数の光触媒フィルタは、保持枠部に対して着脱可能に保持することができ、各光触媒フィルタの紫外線照射部へ通電する複数の配線は保持枠部に収納されている。これにより、複数の配線は、収納空間内にあふれ出ることがないので、配線が収納空間内の空気の流れを阻害することがない。従って、収納空間内に取り込まれた空気は、スムーズに流れるので、空気の浄化効率を向上できる。
【0013】
また、本発明の第4の態様の空気浄化装置は、前記筐体部は、前記筐体部の下部に形成されて前記空気を前記収納空間内に取り入れるための空気取り入れ部と、前記筐体部の上部に形成されて前記収納空間内の前記光触媒フィルタにより浄化された前記空気を前記筐体部の外部に吹き出すための空気吹き出し部と、を有することを特徴とする。
【0014】
このように本発明は構成されるので、例えば建屋内の空気は、筐体部の下部の空気取り入れ部より取り入れ、取り入れた空気は収納空間内で送ることで光触媒フィルタにより浄化される。浄化された空気は、筐体部の上部の空気吹き出し部から吹き出すことができる。従って、浄化された空気は、筐体部の上部から建屋内にまんべんなく送風できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、広い空間を有する建屋内の空気を浄化することができる空気浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の空気浄化装置の1実施形態を示す正面図
図2図1に示す空気浄化装置の内部構造例を示す斜視図
図3】各光触媒フィルタの構造例と、各動作部の接続例を示す構成図
図4図3に示す光触媒フィルタのUV照射部の構造例を示す斜視図
図5】(a)(b)はそれぞれUV照射部の他の構造例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
【0018】
図1は、本発明の空気浄化装置の実施形態を示す正面図である。図2は、図1に示す空気浄化装置1の内部構造例を示す斜視図である。図1図2に示す空気浄化装置は、建屋内の空気、例えば精密機器を扱う工場や印刷工場内等の事業所、病院等の医療施設、喫煙所、あるいはホテル等の宿泊施設等の建屋内の空気を浄化する高性能な装置である。
【0019】
(空気浄化装置1の全体構成)
図1図2に示す空気浄化装置1は、筐体部2と、筐体部2内に配置された複数の光触媒フィルタ3とを有する。筐体部2は、金属製の直方体形状を有するケーシングであり、建屋の床面Hに設置されている。図1に示すように、筐体部2の正面には、空気取り入れ部4と、空気吹き出し部5が形成されている。
【0020】
図1図2に示すように、空気取り入れ部4は、筐体部2の下部の領域に設けられ、空気吹き出し部5は、筐体部2の上部の領域に設けられている。筐体部2は、空気吹き出し部5の周囲には、各種の数値を表示する計器6や、電源スイッチ7や、点灯ランプ8等が設けられている。図1に示すように、筐体部2は、前面扉9を有しており、使用者が取っ手9Tを把持して、前面扉9を、図1の左側のヒンジ部の回転中心軸9Mを中心にして開くことができる。前面扉9が開くと、図2に示すように、筐体部2の前面開口部9Rが現れる。複数の光触媒フィルタ3は、この開口部9Rを通じて、出し入れを行うことができる。
【0021】
(筐体部2と光触媒フィルタ3)
図2に示すように、複数の光触媒フィルタ3が、筐体部2の内部の収納空間Sにおいて、相互に間隔をおいて並べて配置されている。収納空間Sには、光触媒フィルタ3を着脱可能に保持するために、4個の保持枠部10,11,12,13が、Z方向(筐体部2の鉛直方向)に向けて配設されるとともにX方向(筐体部2の水平方向)沿って平行に取り付けられている。保持枠部10,11,12,13は、収納空間Sにおいて取り込んだ空気を通し易くして空気の浄化効果を上げるために、収納空間Sにおいて間隔をおいて配置されている。
【0022】
保持枠部10,11,12,13は、光触媒フィルタ3の両端部を着脱可能に保持していて、各光触媒フィルタ3は、好ましくは互いに鉛直方向に所定の間隔Dをおいて平行に配列されている。図2に示す例では、保持枠部10,11は、複数の光触媒フィルタ3を間に保持しており、保持枠部11,12は、別の複数の光触媒フィルタ3を間に保持しており、そして保持枠部12,13は、さらに別の複数の光触媒フィルタ3を間に保持している。
【0023】
図1図2に示す空気取り入れ部4は、矢印W1で示すように、例えば建屋内の空気を筐体部2内に取り込むようになっている。取り込まれようとする空気は、後で説明する空気取り込みファンの動作により、矢印W1で示すように、傾斜案内部4Rに沿って取り入れ口4Gから筐体部2内に取り込むことができる。取り込まれた空気は、筐体部2内において矢印W2、W3、W4で示す鉛直方向に2回折り返すジグザグ状の経路を経て、例えば21枚の光触媒フィルタ3を通過して清浄化され、清浄化された空気が、空気吹き出し部5から、矢印W5で示すように吹き出されるようになっている。
【0024】
(光触媒フィルタ3の構造例)
図3は、各光触媒フィルタ3の構造例と、各動作部の接続例を示している。図4は、図3に示す光触媒フィルタ3のUV(紫外線)照射部20の構造例を示している。
【0025】
図3に示すように、光触媒フィルタ3は、UV照射部20と、光触媒板30を有する。UV照射部20は、例えば図4に示すように、UV(紫外線)を発生するUVランプとしての複数本の棒状のLED(発光ダイオード)21と、これらのLED21を保持している例えば多孔質のセラミックの平板である保持板22を有する。LED21としては、高輝度の発光ダイオードを用いている。保持板22は、光触媒板30に対向して配置されており、保持板22は、空気を通すための多数の通気孔23を有するセラミックスの平板である。
【0026】
図3に示すように、光触媒板30は、例えば多孔質のセラミックスの平板であり、空気を通すための多数の通気孔33を有する。光触媒板30は、その表面側に光触媒層34が形成されている。光触媒層34と各LED21は、対面している。保持板22の各LED21は、紫外線を、光触媒板30の光触媒層34に対して照射することで、通過する空気を清浄化するようになっている。光触媒層34は、LED21からの紫外線の光が当たると、その表面で強力な酸化力が生まれ、接触してくる空気中の有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができる環境浄化材料である。
【0027】
図3に示すように、光触媒フィルタ3の各LED21は、配線40により、制御部100に対して電気的に接続されており、各LED21は、制御部100から駆動電力を受けて、高輝度の紫外線を発生する。各配線40は、図3図2に示す保持枠部10,11,12,13内にまとめて収められている。これにより、配線40は、図2に示す筐体部2の内部の収納空間S内に突出することがないので、多数の配線40が収納空間S内の空気の流れを阻害することがない。従って、収納空間S内に取り込まれた空気は、スムーズに流れるので、空気の浄化効率を向上できる。
【0028】
(制御部100)
図3に示す制御部100は、アクチュエータ101に電気的に接続されている。アクチュエータ101が制御部100から駆動信号を受けると、空気吹き出し部5のルーバー5Rを水平軸回りのF方向に回動させることができる。これにより、空気吹き出し部5から吹き出される清浄化済みの空気の吹き出し方向を、一時的に変更するか、あるいは連続して変更することができる。これにより、清浄化された空気は、建屋内の広い範囲に供給できる。
【0029】
制御部100は、タイマ102と、空気取り込みファン103に電気的に接続されている。空気取り込みファン103が、制御部100からの駆動電力により動作すると、取り込まれようとする空気は、空気取り込みファン103の動作により、図1図2に示す矢印W1で示すように、傾斜案内部4Rに沿って取り入れ口4Gから筐体部2内に取り込まれる。取り込まれた空気は、筐体部2内において矢印W2、W3、W4で示すジグザグ状の経路を経て、例えば21枚の光触媒フィルタ3を通過して清浄化され、清浄化された空気が、空気吹き出し部5から、矢印W5で示すように建屋内に吹き出される。
【0030】
また、タイマ102により動作時間を設定することで、制御部100は、空気取り込みファン103を、その設定された動作時間だけ駆動電力を供給することで動作させて、空気の清浄化を行うことができる。
【0031】
(空気浄化装置1の動作例)
次に、上述した構成を有する空気浄化装置1の動作例を説明する。
【0032】
図2に示すように、筐体部2内の収納空間S内には、複数の光触媒フィルタ3が互いに間隔をおいて平行に装着されている。すなわち、複数の光触媒フィルタ3は、保持枠部10,11を使用して筐体部2の奥行方向にスライドして装着され、別の複数の光触媒フィルタ3は、保持枠部11,12を使用して筐体部2の奥行方向にスライドして装着され,そしてさらに別の複数の光触媒フィルタ3は、保持枠部12,13を使用して筐体部2の奥行方向にスライドして装着される。使用者は、図1に示す前面扉9を閉めて前面開口部9Rを閉じる。
【0033】
図3に示す空気取り込みファン103が、制御部100からの駆動電力により動作すると、取り込まれようとする空気は、空気取り込みファン103の吸引力により、図1図2に示す矢印W1で示すように、傾斜案内部4Rに沿って取り入れ口4Gから筐体部2内に取り込まれる。この取り込まれた空気は、筐体部2内において矢印W2、W3、W4で示すジグザグ状の経路を経て、例えば21枚の光触媒フィルタ3を通過して清浄化され、清浄化された空気が、空気吹き出し部5から、矢印W5で示すように吹き出される。
【0034】
ところで、光触媒フィルタ3を取り換えたり、光触媒フィルタ3を清掃する場合には、使用者は、図1に示す前面扉9を開けて前面開口部9Rを開放する。そして、該当する光触媒フィルタ3を手前に引き出すことで筐体部2内から簡単に取り出すことができる。
【0035】
上述した本発明の実施形態の空気浄化装置1では、空気を取り込んで、空気を浄化するために、筐体部2と、筐体部2内に配列されており、筐体部2内に取り込まれた空気を通すことで空気を浄化する複数の光触媒フィルタ3を備える。各光触媒フィルタ3は、互いに間隔をおいて配置されている。
【0036】
これにより、筐体部2内には複数の光触媒フィルタ3が配列され、複数の光触媒フィルタ3は、互いに間隔をおいて配置されているので、汚れている空気の浄化を効率よく行うことができる。従って、空気浄化装置は、広い空間を有する建屋内の空気を浄化することができる
【0037】
光触媒フィルタ3は、複数の通気孔23を有し紫外線を発生する紫外線照射部20と、複数の通気孔33を有し紫外線照射部20から発生する紫外線を受けて、通過する空気を清浄化する光触媒板30を有する。これにより、光触媒フィルタ3の紫外線照射部20と光触媒板30は、ともに通気孔23,33を用いて空気をスムーズに通しながら、光触媒板30に紫外線を照射することで、光触媒板30は汚れた空気の清浄化を効率よく行うことができる。
【0038】
筐体部2は、複数の光触媒フィルタ3を収納する収納空間Sを有し、収納空間Sにおいて光触媒フィルタ3を着脱可能に保持する保持枠部10,11,12,13を有する。保持枠部10,11,12,13には、光触媒フィルタ3の紫外線照射部20に通電するための配線40が収納されている。これにより、複数の配線40は、収納空間S内に突出することがないので、配線40が収納空間S内の空気の流れを阻害することがない。従って、収納空間S内に取り込まれた空気は、スムーズに流れるので、空気の浄化効率を向上できる。
【0039】
筐体部2は、筐体部2の下部に形成されて空気を収納空間S内に取り入れるための空気取り入れ部4と、筐体部2の上部に形成されて収納空間S内の光触媒フィルタ3により浄化された空気を筐体部2の外部に吹き出すための空気吹き出し部5を有する。これにより、例えば建屋内の空気は、筐体部3の下部の空気取り入れ部4より取り入れ、取り入れた空気は収納空間S内で送ることで複数の光触媒フィルタ3により浄化される。浄化された空気は、筐体部2の上部の空気吹き出し部5から吹き出すことができる。従って、浄化された空気は、筐体部2の上部から建屋内にまんべんなく送風できる。
【0040】
図5(a)(b)は、他の実施形態のUV照射部20aを示している。図5(a)(b)にそれぞれ示されているこのUV照射部20aは、同一構成であるとともに、設置方法を変えることにより2種類の配置パターンを実現させるものである。
【0041】
一方の配置パターンを示す図5(a)により更に説明すると、光触媒板30とほぼ同一大の金属製もしくは樹脂製の保持板22aに対して、保持板22aの長手方向に長い5本の通気孔23aが等間隔かつ平行に開設されている。これらの5本の通気孔23aのうちの中央の通気孔23aの長手方向の中心線23Lは、5本の通気孔23aの線対称の中心線となる。この中心線23Lは、保持板22aの同様の長手方向の線対称の中心線22Lに対して右側へ平行に偏芯距離Pだけ偏芯させられてた配置パターンとなる。両中心線22Lおよび23Lが偏芯していることにより、保持板22aを、図5(a)の設置位置から紙面垂直線周りに180度回転させると、図5(b)に示すように、5本の通気孔23aの中心線23Lが、保持板22aの中心線22Lに対して左側へ平行に偏芯距離Pだけ偏芯させられた配置パターンとなる。保持板22aには、5本の通気孔23aと平行な細長い6本のLED設置部21bが形成されており、各LED設置部21bにはそれぞれ6個のLED21aが長手方向に等間隔に設置されているとともに、隣接するLED設置部21bにおいては6個のLED21aの設置位置のピッチが半ピッチずつ異なる位置とされている。これにより各LED21aによるUV照射量を全域に均一とされている。各LED21aは図示しないが制御部100より通電されてUV照射されるように形成されている。
【0042】
本実施形態のUV照射部20aを用いる場合には、光触媒板30の光触媒層34にLED21aを対面させる場合に、図5(a)(b)のいずれの配置パターンとするかを選択して用いるとよい。更に、隣接するUV照射部20aについて配置パターンを図5(a)(b)を交互に設定するとよい。また、光触媒板30の両面に光触媒層34を設けた場合には、両面の光触媒層34に対面する1対のUV照射部20aの配置パターンを図5(a)(b)を交互に設定するとよい。
【0043】
このように本実施形態のUV照射部20aによれば、開口面積の広い通気孔23aをもって空気の送風圧損を小さく抑えつつ、光触媒層34に対して均一にUV照射を行って、効率的な光触媒効果を発揮させて空気の浄化を施すことができる。また、偏芯距離Pの大きさは設計コンセプトにより調整するとよい。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、図2に例示するように、各光触媒フィルタ3は、収納空間S内において、X方向に沿って水平に保持されているが、これに限らず、例えば、各光触媒フィルタ3は、収納空間S内において、Z方向に沿って鉛直方向に保持するか、あるいは斜め方向に保持するようにしても良い。
【符号の説明】
【0045】
1 空気浄化装置
2 筐体部
3 光触媒フィルタ
4 空気取り入れ部
5 空気吹き出し部
10、11、12、13 保持枠部
20、20a 紫外線照射部
21、21a LED
22、22a 保持板
23、23a 通気孔
30 光触媒板
33 通気孔
34 光触媒層
100 制御部
101 アクチュエータ
102 タイマ
103 空気取り込みファン
S 収納空間
図1
図2
図3
図4
図5