(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022040983
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220304BHJP
【FI】
G06Q30/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145968
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小口 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB44
(57)【要約】
【課題】値引き対象となる商品のオンライン販売を促進する。
【解決手段】利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、店舗内の値引き対象となる商品の商品情報、前記商品の状態を示す状態情報、前記商品の提供価格情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記利用者端末から取得した商品情報に対応する商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部と、を有し、前記利用者端末は、前記利用者によって選択された前記商品の商品情報に対応する前記状態情報及び前記商品の提供価格情報を前記情報処理装置から取得し、表示部に表示させる表示制御部を有する、情報処理システムである。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
店舗内の値引き対象となる商品の商品情報と、前記商品の状態を示す状態情報と、前記商品の提供価格情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記利用者端末から取得した商品情報に対応する商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部と、を有し、
前記利用者端末は、
前記利用者によって選択された前記商品の商品情報に対応する前記状態情報及び前記提供価格情報を前記情報処理装置から取得し、表示部に表示させる表示制御部を有する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記商品情報は、前記商品の有効期限に関する期限情報に対応付けられており、
前記利用者端末の表示制御部は、前記利用者によって選択された商品の前記期限情報を、前記状態情報とともに前記表示部に表示させる、
請求項1に記載された情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置の記憶部は、前記商品の個体識別情報を前記状態情報と対応付けて記憶し、
前記利用者端末の表示制御部は、前記利用者によって選択された商品の個体識別情報に対応する状態情報を前記情報処理装置から取得し、前記表示部に表示させ、
前記情報処理装置の決済処理部は、前記利用者端末から取得した個体識別情報に対応付けられた商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う、
請求項1又は2に記載された情報処理システム。
【請求項4】
前記個体識別情報が対応付けられた商品に貼付する印字媒体に前記個体識別情報を印字するプリンタをさらに含む、
請求項3に記載された情報処理システム。
【請求項5】
前記プリンタは、前記個体識別情報を含むコード情報を前記印字媒体に印字する、
請求項4に記載された情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置の記憶部に記憶されている前記商品の状態情報は、所定期間の間に少なくとも1回更新される、
請求項1から5のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項7】
前記状態情報は、前記商品の画像の解析結果から推定される前記商品の状態を示す情報を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項8】
前記状態情報は、前記商品が保管されるときの管理状態を示す管理情報を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理システムは、前記情報処理装置と通信可能な店舗端末を含み、
前記状態情報は、前記商品の画像情報を含み、
前記個体識別情報は、対応付けられている画像情報から抽出される特徴情報であり、
前記店舗端末は、
前記情報処理装置による決済処理の対象となった商品の画像情報から抽出される特徴情報と、前記店舗に存在する商品の画像情報から抽出される特徴情報と、を照合する、
請求項1又は2に記載された情報処理システム。
【請求項10】
利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、の間で行われる情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、店舗内の値引き対象となる商品の商品情報と、前記商品の状態を示す状態情報と、前記商品の提供価格情報とを対応付けて記憶部に記録し、
前記利用者端末が、前記利用者によって選択された前記商品の商品情報に対応する前記状態情報及び前記商品の提供価格情報を前記情報処理装置から取得し、表示部に表示させ、
前記情報処理装置が、前記利用者端末から取得した商品情報に対応する商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う、
情報処理方法。
【請求項11】
利用者が所持する利用者端末と通信可能なサーバのコンピュータに、
店舗内の値引き対象となる商品の商品情報と、前記商品の状態を示す状態情報と、前記商品の提供価格情報とを対応付けて記憶部に記録する手順と、
前記利用者端末に対して、前記利用者によって選択された前記商品の商品情報に対応する前記状態情報及び前記商品の提供価格情報を提供する手順と、
前記利用者端末から取得した商品情報に対応する商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品のオンライン販売の需要が増加しており、オンライン販売を構築するためのシステムが知られている。例えば、複数の商品を複数の集合に対応付ける購入要求情報を端末から収集するステップと、複数の配送日時に対応する複数の配送日時情報を配送システムに配信するステップと、その複数の商品の全部を決済するための決済情報を決済システムに配信するステップとを備えているオンライン販売方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現状では、特に生鮮食品等、賞味期限が近づくにつれて値引きされる可能性が高い商品のオンライン販売を行うことには課題がある。
先ず、消費者は、賞味期限が近い商品が値引きされずに販売されることを嫌うものの、賞味期限が近い商品を見ずに購入するのは不安であることから、当該商品を店舗で購入したいという要求がある。
他方、店舗等の小売業は、顧客からの苦情を恐れて、賞味期限が近い商品をあえてオンライン販売を行わない、という運用をしている場合がある。例えば、顧客の想定していた期限よりも早い賞味期限の商品が顧客に届いた場合、顧客の不満に繋がる可能性がある。
このような事情から、特に生鮮食品等の商品のオンライン販売が行われず、店舗にとっては生鮮食品等の販売機会を損失し、食品ロスを増やす要因となり、また、消費者にとってはオンライン販売の利便性が損なわれる結果となっている。
【0005】
そこで、本発明は、値引き対象となる商品のオンライン販売を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、店舗内の値引き対象となる商品の商品情報、前記商品の状態を示す状態情報、前記商品の提供価格情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記利用者端末から取得した商品情報に対応する商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部と、を有し、前記利用者端末は、前記利用者によって選択された前記商品の商品情報に対応する前記状態情報及び前記商品の提供価格情報を前記情報処理装置から取得し、表示部に表示させる表示制御部を有する、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、値引き対象となる商品のオンライン販売を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態のオンライン販売システムの仕組みを説明する図である。
【
図2】実施形態のオンライン販売システムにおいて、生鮮食品の製造日から賞味期限までの間に行われる店舗内の作業を説明する図である。
【
図3】実施形態のオンライン販売システムにおいて、利用者に手渡される商品の準備について説明する図である。
【
図4】実施形態のオンライン販売システムにおいて、利用者が受取場所で商品を受け取るときの手続きを説明する図である。
【
図5】利用者端末の商品購入アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
【
図6】実施形態のオンライン販売システムのシステム構成を概略的に示す図である。
【
図7】実施形態のオンライン販売システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図8】商品在庫データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図9】商品画像データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図10】利用者データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図11】取引履歴データベースのデータ構成例を示す図である。
【
図12】実施形態のオンライン販売システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図13】実施形態のオンライン販売システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【
図15】変形例に係るオンライン販売システムにおいて店舗端末によって実行されるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、情報処理システムの一例であるオンライン販売システムについて説明する。
本実施形態のオンライン販売システムでは、例えば生鮮食品等、時間の経過とともに状態が変化しうる商品等を利用者がオンラインで購入可能となるように構成される。このとき、商品の購入前に、現在(例えば値下げ対象となった時点)の商品の状態を示す状態情報を利用者端末により表示可能となるように構成される。
利用者は、商品の購入(決済)の前に、現在の商品の状態情報を確認でき、その商品の状態情報から商品の受け取り時や商品の利用時(調理時)における商品の状態を想定できるため、オンラインであっても安心して商品を購入できる。以下の説明では、商品の状態情報の例として、例えば商品の画像データ等を挙げる。
【0010】
(1)本実施形態のオンライン販売システムの仕組み
以下の説明では、食品等の商品を扱うスーパーマーケット等の小売業のオンライン販売システム1を例にして、
図1~
図4を参照して説明する。
図1に、本実施形態のオンライン販売システム1の概略的な仕組みについて示す。
図1において、手順(I)~(VII)は、本実施形態のオンライン販売システム1において利用者に商品を手渡すまでの一連の流れを示している。
図1では、データ通信を実線で示し、人や物の移動を点線で示している。
【0011】
・手順(I)
先ず店舗では、生鮮食品等の商品Pを製造し、図示しないラベルプリンタで商品ラベルPL(例えば計量ラベル)を発行して商品Pに貼付する。商品ラベルPLには、例えば商品コード、賞味期限を示す情報(賞味期限データ;期限情報の一例)、及び、商品の個体を示すユニーク番号(個体識別情報の一例)を含むコード情報が印字されている。なお、店舗内において同一の商品コード及び同一の賞味期限データの商品が複数存在する場合、各商品を識別するためにユニーク番号が設定することができる。特に、商品が生鮮食品の場合には、同一の商品コード及び同一の賞味期限データの商品であってもそれぞれ状態が異なるため、利用者が個々の商品の状態に応じて商品を選択できるように、ユニーク番号が設定されるとよい。
【0012】
図2は、商品の製造日(0日目)から賞味期限(ここでは一例として4日目)までに店舗で行われる作業について時系列で示す図である。
図1の手順(I)は、
図2の0日目の作業、すなわち、商品Pを製造し、商品ラベルPL(計量ラベル)を作成して商品Pに貼付する作業に対応する。
図2には、例示的な商品ラベルPLも示される。
図2の商品ラベルPLは、例えばコード情報C1を含む。
例えばコード情報C1には、対応する商品Pの商品コードと賞味期限データとユニーク番号が含まれる。コード情報C1のコード形式は問わないが、バーコード(1次元コード)とする場合には、例えばGS1-128等のCODE128を採用することができる。CODE128は、アスキーコード128文字を全てバーコード化できるため、商品コードと賞味期限データとユニーク番号をすべて含むように構成することができ、ソースマーキングとして都合が良い。
【0013】
・手順(II)
時間が経過して商品Pが売れ残っている場合、店舗は、商品Pを値引きすること(マークダウン)を決定する。
図2の例では、例えば2日目に店舗スタッフが、値引き対象である商品Pに値引きシール101を貼付して、商品Pが値引きされたことを店舗内の消費者に告知する。なお、
図2では、値引きシール101を商品ラベルPLに貼付しているが、商品Pの商品ラベルPL以外の部分に貼付してもよい。
ここで店舗スタッフは、店舗端末3を利用して、例えば値引きシール101が貼付された商品Pの画像を取得する。なお、商品Pには値引きシール101が貼付されていなくてもよい。また、値引きシールに代えて「食品ロス貢献品」のような値下げ対象品と分かるマーク等を表示させることで、ラベルレスマークダウンにも対応できるようにしてもよい。
なお、後述する変形例で示すように、商品ラベルPLにユニーク番号に対応する文字列が表示されていてもよい。ユニーク番号に対応する文字列を表示することで、値引き対象商品であることが直ちに把握できる。ユニーク番号に対応する文字列は、商品ラベルPLに印字してもよいし、店舗スタッフが手書きで記入してもよい。
【0014】
・手順(III)
店舗スタッフは、店舗端末3を操作することによって、手順(II)で取得された商品Pの画像(状態情報の一例)を、例えば商品ラベルPLのコード情報C1に含まれるデータ(つまり、商品コード、賞味期限データ、ユニーク番号)等とともにサーバ5(情報処理装置の一例)にアップロードする操作を行う。アップロードされたデータは、オンライン販売を利用する利用者Uによる操作に応じて、利用者端末7からアクセス可能となる。サーバ5では、例えば商品Pのユニーク番号と商品Pの画像とが対応付けられる。
【0015】
・手順(IV)
オンライン販売を利用する利用者Uは、利用者端末7を操作することで、店舗に存在する商品をオンラインで購入することができる。利用者端末7は、サーバ5にあるデータベースにアクセスすることで、販売対象となる商品の情報にアクセスすることができる。なお、オンラインでの商品の販売・決済は、例えばウェブアプリケーションで実現することができる。
【0016】
利用者端末7では、例えば利用者Uによって選択された商品Pの商品コード及び賞味期限と、ユニーク番号に対応付けられた画像等を表示することが可能である。そのため、利用者Uは、個々の商品の画像を見ながら購入する商品を選択することができる。例えば、同一の商品コードの商品(例えば、
図2の例では「ロース生姜焼き肉用」のアメリカ産豚肉)で同一の賞味期限の商品が複数、オンライン販売されている場合、利用者Uは、個々の商品の画像を見比べながら、商品の色合い(その部位の鮮度等の状態)や、厚み、量、品質等から、特定の商品(つまり、特定のユニーク番号の商品)を選択して購入することができる。そのため、賞味期限が近い商品であっても利用者Uが安心して購入することができる。
【0017】
・手順(V)
オンラインで商品Pが購入されたことがサーバ5から店舗端末3に通知されると、店舗スタッフが、当該商品Pを店頭から店舗内の保管場所に移動させる作業を行う。
図示しないが、サーバ5から店舗端末3に通知される利用者Uによる商品購入に関するデータに基づいて、店舗端末3によって、ピッキングリストが作成される。店舗スタッフは、ピッキングリストに基づいて、例えばハンディターミナル6等を利用して、オンライン購入された商品のピッキング作業(商品をピックアップする作業)、及び、検品作業を行う。
ピッキングリスト(図示せず)には、商品購入の決済時に発行される注文番号に対応付けて、ピッキング対象の1又は複数の商品の各々に対応するコード情報(例えば、商品ラベルPLに印字されたコード情報C1(
図2参照)と同じもの)の一覧が含まれる。
図3に示すように、店舗スタッフは、例えばピッキングリストに含まれるコード情報と、商品Pに貼付された商品ラベルPLのコード情報C1とをハンディターミナル6で照合することによって、逐次、商品をピッキングし、ピッキング対象のすべての商品を収納体10に収納する。最後に、例えば保管場所のロケーション番号や、注文番号に対応するコード情報C2が印字されたラベルL1をラベルプリンタによって発行し、収納体10に貼付する。
【0018】
・手順(VI)
オンラインで商品の決済まで完了した後、例えば利用者Uが店舗に商品を受け取りに来る。なお、その限りではなく、商品は、利用者Uが指定した場所に店舗から郵送されてもよい。
商品の受け渡しは、例えば店舗の所定の受取場所(
図1参照)で行われる。利用者Uが購入した商品を誤りなく利用者Uに手渡すために、一例として、以下で説明する3点照合によって商品の受け渡しを行う。
【0019】
図4を参照すると、店舗の受取場所には、例えばラベルプリンタ2とコードリーダ8が設置されている。ラベルプリンタ2とコードリーダ8はケーブル110で接続されている。
商品を受け取りにきた利用者Uは、店舗スタッフに対して、利用者端末7に表示される画面(
図4の例では、注文番号ONと、注文番号ONに対応するコード情報C3とを含む画面)を提示する。店舗スタッフは、コードリーダ8を利用してコード情報C3を読み取る操作(スキャン操作)を行うと、ラベルプリンタ2が、注文番号ONに対応するコード情報C4とロケーション番号とが印字されたラベルL2を発行するように構成されている。
【0020】
・手順(VII)
店舗スタッフは、ラベルL2に表示されたロケーション番号に基づいて、店舗内の保管場所から利用者U向けの収納体10を取りに行き、受取場所に戻る。
ここで、店舗スタッフは、利用者端末7に表示されたコード情報C3と、ラベルプリンタ2によって発行されたラベルL2に含まれるコード情報C4と、保管場所から持ってきた収納体10に貼付されたラベルL1に含まれるコード情報C2とを、コードリーダ8によって順に読み取る。その結果、3個のコード情報が一致する場合に限り、店舗スタッフは、1又は複数の商品を含む収納体10を利用者Uに手渡すようにする(3点照合)。
【0021】
図5に、オンラインで商品の購入を行うときに利用者端末7に表示される画面遷移の一例を示す。例えば、利用者端末7のウェブブラウザがサーバ5上で動作するサーバプログラムに対してデータを要求、取得して表示することで、
図5の画面遷移が行われる。
オンライン販売される店舗の商品の種別を選択すると、画面G1が表示される。画面G1では、商品の種別として「豚肉」の中の「ロース生姜焼き用」が選択された例が示される。ここで、商品の種別は、商品コードに対応する。画面G1には、選択された種別に合致する複数の個別の商品が一覧表示される。各行の個別の商品に対して、例えば賞味期限と値引き率のデータが表示される。値引き対象商品に対しては、それぞれ異なるユニーク番号が割り当てられているとよい。
以下の説明では、1品ごとの個別の商品を「個別商品」という場合がある。
【0022】
画面G1に表示される複数の個別商品のうち賞味期限が近付いている個別商品は値引きがされており、ボタンb1を操作することで個別商品の画像を見ることができる。いずれかの個別商品に対応するボタンb1を操作すると画面G2に遷移して、選択した個別商品の画像210が表示される。そのため、利用者は、商品の状態を吟味して商品の購入判断を行うことができ、購入する場合には値引き価格で商品を購入することができる。画面G2において、例えば、ボタンb2を操作すると、対応する個別商品が購入予定リスト(かご)に追加される(画面G3)。
画面G1~G3の操作を利用者が繰り返し行うことで、利用者が選択した個別商品が購入予定リストに追加される。最終的に購入予定リストに含まれる商品の購入を確定する操作(図示せず)を行い、サーバ5で商品の決済処理が完了すると、画面G4に示すように、取引履歴を特定する注文番号ONが付与される。画面G4に表示されるコード情報C3は、注文番号ONに対応する。
図4を参照して説明したように、コード情報C3は、商品の受け取り時に必要となる。
【0023】
(2)オンライン販売システムのシステム概要
以下、本実施形態のオンライン販売システム1のシステム構成について、
図6~
図10を参照して説明する。
図6は、本実施形態のオンライン販売システム1のシステム構成の一部を概略的に示す図である。
図6に示すように、本実施形態のオンライン販売システム1は、店舗に配置される店舗端末3及びラベルプリンタ2と、ハンディターミナル6と、オンライン販売を利用する利用者が所持する利用者端末7と、利用者にオンライン販売サービスを提供するサーバ5と、を含む。
【0024】
(2-1)システム全体
図6において、サーバ5と利用者端末7はネットワークNWを介して通信可能であり、サーバ5と店舗端末3はネットワークNWを介して通信可能である。サーバ5とラベルプリンタ2は、ネットワークNWを介して通信可能である。ネットワークNWは、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。
店舗端末3は、ラベルプリンタ2と有線又は無線で通信可能である。
【0025】
ラベルプリンタ2は、店舗内に設けられ、印字データに基づき商品Pに貼付する商品ラベルPL(
図2参照)や収納体10に貼付するラベルL1(
図3参照)を発行する。例えば、商品が生鮮食品である場合、ラベルプリンタ2は、店舗内の生鮮食品の製造現場等に配置される。なお、ラベルプリンタ2は、小型の携帯型プリンタ(モバイルプリンタ)でもよい。
店舗の受取場所において、上記3点照合を行う際には、
図4に示したように、別のラベルプリンタ2及びコードリーダ8が受取場所に設置されるとよい。また、店舗では、ピッキング作業を行うため、ハンディターミナル6が配置されるとよい。
【0026】
ラベルプリンタ2は、印字データに基づいて商品ラベルPLを発行する際に、当該印字データをサーバ5に送信する。当該印字データには、商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号や、例えば100g当たりの価格や正味量(g)等のデータが含まれており、サーバ5では、受信した印字データに基づいて商品在庫データベースを更新する。
例えば、商品が生鮮食品の場合には、当該商品を店舗内で製造する時点において、商品ラベルPLが発行されるとともに、印字データがサーバ5に提供されて商品在庫データベースが更新される。
【0027】
店舗端末3は、店舗に存在する商品に関する情報をサーバ5に提供する。サーバ5は、店舗端末3から提供された情報に基づいて、オンライン販売に必要となる各種データベース(後述する)を更新する。
店舗端末3は、例えば、タブレット型コンピュータ装置、ラップトップ型コンピュータ装置、あるいは、スマートフォン等である。
店舗端末3は、店舗内の商品Pの画像を取得するための撮像機能を備え、商品Pに貼付されている商品ラベルPLのコード情報(例えば、
図2のコード情報C1)に含まれる情報(例えば、商品コード、賞味期限データ、ユニーク番号)と、例えば値下げ対象となった時点の商品Pの画像とを対応付けて、サーバ5に送信する。
【0028】
サーバ5は、クライアントである利用者端末7のウェブブラウザに対してオンライン販売に関するウェブサービスを提供する。
例えば、サーバ5は、利用者端末7から販売対象の商品の閲覧要求を受けた場合、後述するデータベースから必要なデータを読み出し、当該データを含むHTML文書をウェブブラウザに返す。また、サーバ5は、利用者端末7から商品の決済要求を受けた場合、図示しない決済代行サーバと連携して決済処理を行う。
サーバ5は、利用者が購入した商品や注文番号に関するデータを含む出荷指示を店舗端末3に送信する。
【0029】
利用者端末7は、例えば、タブレット型コンピュータ装置、ラップトップ型コンピュータ装置、あるいは、スマートフォン等である。
上述したように、利用者端末7はウェブブラウザを有し、利用者端末7とHTTP通信を行うことにより、オンライン販売対象商品に関する情報の表示、サーバ5に対する商品の決済要求等を実行する。
【0030】
(2-2)各装置の構成
次に、
図7を参照して、
図7の各装置の構成について説明する。
図7は、本実施形態のオンライン販売システム1において、店舗端末3、ラベルプリンタ2、利用者端末7、及び、サーバ5の内部構成を含むブロック図である。
【0031】
(2-2-1)店舗端末3
図7に示すように、店舗端末3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、撮像部35、及び、通信部36を備える。
制御部31は、マイクロプロセッサ及びメモリ(ROM(Read-only Memory)及びRAM(Random Access Memory))を主体として構成され、店舗端末3の全体を制御する。サーバ5と連携してオンライン販売システムを実現するため、マイクロプロセッサは、ROMからプログラムをロードして実行する。
例えば、制御部31は、サーバ5から、利用者が購入した商品や注文番号に関するデータを含む出荷指示を受信し、当該データを表示部34に表示する。
【0032】
制御部31は、利用者による商品購入に関するデータをサーバ5から受信し、当該データに基づいてピッキングリストを作成する。前述したように、ピッキングリストは、商品購入の決済時に発行される注文番号に対応付けて、ピッキング対象の1又は複数の商品の各々に対応するコード情報の一覧が含まれる。ピッキングリストは、オンライン購入された商品のピッキング作業、及び、検品作業を、ハンディターミナル6を用いて行うのに必要となる。
制御部31は、新たに製造(あるいは入庫)する商品に割り当てるユニーク番号を取得し、オンライン販売される商品の保管場所であるロケーション番号を決定する処理を行う。
【0033】
ストレージ32は、例えばSSD(Solid State Drive)等の記憶装置であり、撮像部35によって取得された店舗内の商品(個別商品)の画像データを格納する。ストレージ32は、当該画像データから取得した商品の情報(例えば、商品コード、賞味期限データ、ユニーク番号)を格納してもよい。
操作入力部33は、表示パネルに設けられたタッチパネル型入力デバイスや、マウス及び/又はキーボード等の入力装置を備え、店舗スタッフによる操作入力を受け付けるように構成される。
表示部34は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルと表示駆動回路を備え、制御部31による処理の実行結果を表示するように構成される。
【0034】
撮像部35は、例えば、光学レンズと、光学レンズからの入射光を電気信号に変換する撮像素子(イメージセンサ)と、を有し、デジタル画像を逐次生成する。例えば、撮像部35は、店舗内の商品(個別商品)の画像データを取得する。
制御部31は、撮像部35によって取得された画像データに含まれる商品ラベルのコード情報を解析することで当該商品の商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を抽出するとともに、画像認識により画像データに含まれる商品の価格及び値引き率のデータを抽出する。制御部31は、商品の商品コード、価格データ、値引き率データ、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を、画像データと関連付けて、通信部36を介してサーバ5に送信する。
通信部36は、サーバ5及びラベルプリンタ2と通信を行うときの通信インタフェースである。
【0035】
商品コードは商品情報の一例であり、1次元コード(バーコード)でも2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))でもよい。なお、商品から商品情報を取得する方法を限定せず、様々な方法を採ることができる。例えば、商品情報に対応する文字情報が商品に表示されている場合には、当該文字情報を含む画像を撮像し、当該画像から画像認識技術によって文字情報を取得することもできる。
【0036】
(2-2-2)ラベルプリンタ2
図7に示すように、ラベルプリンタ2は、制御部21、ストレージ22、操作入力部23、表示部24、搬送部25、印字部26、及び、通信部27を備える。ラベルプリンタ2は、限定しないが、例えばサーマルプリンタである。
制御部21は、マイクロプロセッサ及びメモリ(ROM及びRAM)を主体として構成され、ラベルプリンタ2の全体を制御する。
ストレージ22は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSDである。ストレージ22は、ファームウェアのほか、店舗で使用するラベルを発行するためのラベル発行用データや、ラベル発行用データを編集して印字データを生成するためのラベル編集プログラム等を格納する。
操作入力部23は、例えば表示部24の表示パネルに実装されるタッチパネル入力機構を備える。
表示部24は、例えばLCD等の表示パネルと表示駆動回路を含み、ラベル編集プログラムの実行結果を表示する。
【0037】
ラベル編集プログラムを実行することで、例えば、店舗スタッフによってラベルに印字すべき印字内容を編集するためのGUI(Graphical User Interface)が提供される。例えば、操作入力部23を介して店舗スタッフにより入力される商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号や、例えば100g当たりの価格や正味量(g)等のデータを所定のラベルフォーマットに組み込むことで、商品ラベル(例えば計量ラベル)を発行するための印字データが生成される。
【0038】
制御部21は、印字データに基づいて商品ラベルや出荷ラベルを発行する。すなわち、制御部21は、印字データのライン毎のデータであるラインデータを順次、印字部26へ送出する。搬送部25および印字部26は、順次送出されるラインデータに基づいて印字を行う。
搬送部25は、プラテンローラ(図示せず)、および、図示しないモータ駆動回路およびモータを含み、ラベルプリンタ2内の連続紙の搬送を行う。連続紙は、例えば帯状の台紙に複数枚のラベルが仮着された状態の用紙である。ファームウェアによる搬送要求に基づき、モータ駆動回路が、プラテンローラの回転を制御するモータを駆動することによって、連続紙を搬送させる。
印字部26は、サーマルヘッドおよびヘッド駆動回路(共に図示せず)を含む。ヘッド駆動回路は、ラインデータに基づきサーマルヘッドの各発熱素子に選択的に電流を流すことで、連続紙のラベル上に印字を行う。
通信部27は、店舗端末3との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0039】
制御部21は、印字データに基づいて商品ラベルPLを発行する際に、通信部27を介して当該印字データをサーバ5に送信する。上述したように、当該印字データには、商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号や、例えば100g当たりの価格や正味量(g)等のデータが含まれている。印字データに含まれるデータに基づいて、サーバ5において商品在庫データベースが更新される。すなわち、オンライン販売システム1では、商品ラベルPLの発行と商品在庫データベースの更新とが連携されている。
【0040】
(2-2-3)利用者端末7
図7に示すように、利用者端末7は、制御部71、ストレージ72、操作入力部73、表示部74、及び、通信部75を備える。利用者端末7は、
制御部71は、マイクロプロセッサ及びメモリ(ROM及びRAM)を主体として構成され、利用者端末7全体を制御する。例えば、制御部71に含まれるマイクロプロセッサは、例えばウェブブラウザを実行し、その実行結果を表示部74に表示する。ウェブブラウザは、例えばサーバ5とHTTP等による通信を行って、サーバ5上で動作するサーバプログラムに対して所定のデータ要求(例えば画像要求)や処理要求(例えば決済要求)を行い、また、サーバプログラムから必要なデータ(HTML文書等)を取得して表示する。それによって、利用者端末7は、例えばサーバ5によって提供されるオンライン販売サービスを利用することができる。サーバプログラムから取得するデータとして、例えば画像データや注文番号のデータ等が挙げられる。
【0041】
制御部71がウェブブラウザを実行することで、利用者によって選択された例えば商品の商品コードに対応する画像データ及び商品の提供価格の情報(提供価格情報)をサーバ5から取得し、表示部74に表示させる表示制御部として機能する。表示制御部は、例えば利用者によって商品のユニーク番号(個体識別情報の一例)が選択された場合、選択されたユニーク番号に対応する画像データをサーバ5から取得し、表示部74に表示させる。ユニーク番号の選択は、例えば
図5の画面G1に示したように表示部74で行われる。
【0042】
ストレージ72は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)である。ストレージ72は、例えば、ウェブブラウザやサーバ5にアクセスするときの認証情報等を格納する。
操作入力部73は、例えば、利用者端末7の表示パネルに設けられたタッチパネル型入力デバイスである。
表示部74は、例えばLCD等の表示パネルと表示駆動回路を備え、ウェブブラウザによるオンライン販売用のウェブページ等を表示する。
通信部75は、サーバ5との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0043】
(2-2-4)サーバ5
図7に示すように、サーバ5は、制御部51、ストレージ52、及び、通信部53を備える。
制御部51は、マイクロプロセッサ及びメモリ(ROM及びRAM)を主体として構成され、サーバ5全体を制御する。例えば、制御部51に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ52に記録されているサーバプログラムをロードして実行する。サーバプログラムは、例えば利用者端末7のウェブブラウザからの所定のデータ要求や処理要求等に応じて、ストレージ52に格納される各種データベースに基づいて商品のオンライン販売に関するHTML文書等を作成し、あるいは、例えば商品の決済処理等の所定の処理を実行する。すなわち、マイクロプロセッサがサーバプログラムを実行することで、オンライン販売に関するウェブアプリケーション等が実現される。
【0044】
ストレージ52(記憶部の一例)は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、商品在庫データベース(商品在庫DB)、商品画像データベース(商品画像DB)、取引履歴データベース(取引履歴DB)、及び、利用者データベース(利用者DB)を格納する。各データベースは、サーバプログラムを実行するときに適宜、制御部51からアクセスされる。各データベースについては、後で例示により説明する。
【0045】
通信部53は、店舗端末3、利用者端末7、及びラベルプリンタ2と通信を行うための通信インタフェースである。
また、通信部53は、図示しない決済代行サーバとの通信を行うための通信インタフェースでもある。決済代行サーバは、ネットワークNWを介してサーバ5と通信可能であり、店舗内の利用者の商品の決済を代行するサービスを提供する。
【0046】
図8に、商品在庫データベースの構成例を示す。
図8に例示する商品在庫データベースの各レコードは、「商品コード」、「価格」、「値引き率」、「賞味期限」、「ユニーク番号」の各フィールドの値を含む。各フィールドは、例えば店舗端末3等から送信される商品コード、価格データ、値引き率データ、賞味期限データ、ユニーク番号にそれぞれ対応している。サーバ5の制御部51は、例えば店舗端末3等からデータを受信する度に、商品在庫データベースに新たなレコードを作成し、又は、既存のレコードのいずれかのフィールドの値を更新する。
【0047】
サーバ5の制御部51は、ラベルプリンタ2から印字データを取得し、当該印字データに含まれるデータに基づいて商品在庫データベースを更新する。また、サーバ5の制御部51は、店舗端末3から後述する商品データを取得し、当該商品データに基づいて商品在庫データベースを更新する。
また、サーバ5の制御部51は、利用者端末7から受信する決済要求に基づいて商品在庫データベースを更新する。
【0048】
図9に、商品画像データベースの構成例を示す。
図9に例示する商品画像データベースの各レコードは、「ユニーク番号」と「画像データ」の各フィールドの値を含む。画像データのフォーマットは、gif形式に限られず、jpeg,tiff等の他の利用可能なフォーマットであってもよい。制御部51が商品画像データベースを参照することで、例えば個別商品に割り当てられるユニーク番号に対応する画像データを特定することができる。なお、利用者にいつの商品の状態かを通知するため、例えば「画像取得日時」等のフィールドを設け、対応する画像データを取得したときの日時を示す値をデータベースに含めるようにしておくとよい。
【0049】
サーバ5の制御部51は、例えばユニーク番号に対応付けられた商品の画像データを店舗端末3から受信し、商品画像データベースを更新する。
【0050】
図10に、利用者データベースの構成例を示す。
図10に例示する利用者データベースの各レコードは、「利用者ID」、「利用者名称」、「決済手段」の各フィールドの値を含む。ここで、「利用者ID」フィールドの値は、利用者に割り当てられる識別情報である。「利用者名称」フィールドの値は、利用者がオンライン販売の利用を開始するタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録される。「決済手段」フィールドの値は、オンライン販売の利用を開始するタイミング、又は、任意のタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録あるいは更新される。
「決済手段」フィールドの値は、利用者に対して商品の決済を行うのに必要なデータであり、例えば、クレジットカード番号の情報、及び/又は、電子マネーに関連する情報(プリペイド番号等)である。「決済手段」フィールドの値は、利用者IDに対応する利用者が決済を行うときに決済代行サーバ(図示せず)に提供される。
【0051】
図11に、取引履歴データベースの構成例を示す。
図11に例示する取引履歴データベースの各レコードは、「利用者ID」、「注文番号」、「購入内容」、及び、「受取」の各フィールドの値を含む。ここで、「注文番号」フィールドの値は、商品の決済が完了した後に利用者の個々の決済ごとに一意に割り当てられる。
「購入内容」フィールドは、「商品コード」、「数量」、「価格」、及び、「ユニーク番号」の各サブフィールドを含む。各サブフィールドの値は、決済IDによって特定される決済の対象となる購入内容の詳細のデータを示す。
「受取」フィールドの値は、利用者が、決済が完了した商品を店舗で受取済みか(「済」)、未だ受け取っていないか(「未」)を示す。
以下の説明では、取引履歴データベースにおいて、注文番号によって特定される1又は複数のレコードに含まれるデータを「購入データ」という。
なお、店舗のPOS(図示せず)は、取引履歴データベースからデータを読み出すことで、オンライン販売による売上データと、店舗内で決済された売上げデータとを集計することができる。
サーバ5の制御部51は、利用者端末7から受信する決済要求に基づいて、取引履歴データベースを更新する。また、サーバ5の制御部51は、店舗端末3から受信する出荷完了通知(後述する)に基づいて取引履歴データベースを更新する。
【0052】
なお、サーバプログラムを実行することで、制御部51は決済処理部として機能する。決済処理部は、利用者端末7から取得した商品コードに対応する商品の決済要求に基づいて、商品の決済処理を行う。
本実施形態では、制御部51は、利用者名称及び決済手段のデータを利用者データベースから読み出して、図示しない決済代行サーバに提供する。制御部51はまた、利用者端末7から決済要求を受信したときに、取引履歴データベースに新たなレコードを作成する。
【0053】
(3)オンライン販売システム1の動作
次に、
図12及び
図13を参照して、本実施形態のオンライン販売システム1の動作について説明する。
図12は、店舗において値引き対象の商品を利用者がオンライン購入するまでのオンライン販売システム1の動作を示すシーケンスチャートである。値引き対象商品とは、
図2に示したように、商品製造時点から所定時間経過して値下げ対象となった商品である。値引き対象商品の商品ラベルPLには、例えば値引きシール101等が貼付されているとよいが、これには限定されない。
【0054】
先ず、商品の製造時点において店舗端末3は、店舗スタッフの所定の操作に応じて、商品に対するユニーク番号を取得する(ステップS1)。ユニーク番号は、同一の商品コードの複数の商品の各々(各個別商品)を識別するための番号であるため、既に他の個別商品に割り当てられたユニーク番号と重複しないようにして決定される。
【0055】
商品に対してユニーク番号が取得されると、店舗スタッフは、例えば計量作業等を行い、ラベルプリンタ2に対して商品コード、賞味期限データ、及び、ステップS1で取得されたユニーク番号や、例えば100g当たりの価格や正味量(g)等のデータを入力する。ラベルプリンタ2は、入力されたデータを基に印字データを生成して商品ラベルを発行するとともに(ステップS2)、当該印字データをサーバ5に送信する(ステップS3)。サーバ5は、受信した印字データに含まれるデータ(上述した商品コード、賞味期限データ、ユニーク番号、例えば100g当たりの価格や正味量(g)等のデータ)に基づいて商品在庫データベースを更新する(ステップS4)。
ステップS2で発行された商品ラベルは、
図2に例示したようにコード情報を含み、商品に貼付される。
【0056】
商品の値引きのタイミングになると、例えば店舗スタッフによって商品に値引きシール等が貼付される。店舗端末3は、店舗スタッフによる所定の操作に基づいて、値引き対象商品の画像データを取得する(ステップS5)。店舗端末3は、ステップS4で取得した画像データに含まれる商品ラベルのコード情報を解析することで当該商品の商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を抽出するとともに、画像認識により画像データに含まれる商品の価格及び値引き率のデータ等を抽出する。店舗端末3は、値引き対象商品の商品コード、価格データ、値引き率データ、賞味期限データ、及び、ユニーク番号等を画像データと関連付けたデータ(「商品データ」という。)をサーバ5に送信する(ステップS6)。なお、値引き対象商品の画像データは、予め店舗に設置されているカメラ等の撮像装置により値引きのタイミングで取得されてもよい。
【0057】
サーバ5は、店舗端末3又は店舗内の撮像装置から受信した商品データに含まれるユニーク番号と画像データを対応付けたレコードを作成することで商品画像データベースを更新する(ステップS8)。サーバ5はさらに、受信した商品データに含まれる商品コード、価格データ、値引き率データ、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を含むレコードを作成することで商品在庫データベースを更新する(ステップS10)。
【0058】
利用者がオンライン販売を利用する場合、利用者端末7を操作して、例えば店舗によって提供されるオンライン販売用のウェブページを閲覧する。
すなわち、利用者端末7のウェブブラウザは、サーバ5のサーバプログラムとHTTP通信等を行うためのセッションを開始する(ステップS20)。利用者端末7のウェブブラウザは、例えば
図5の画面G1,G2に示したように、利用者によって選択された商品の画像に対する画像要求をサーバ5に対して行い(ステップS22)、対応する画像データを含むHTML文書等を受信して(ステップS24)、画像を表示する。ここで、同一の商品コードの複数の値引き対象商品(複数の個別商品)が購入可能である場合、利用者は、各々の画像を確認しながら値引き対象商品を選択することができる。
【0059】
購入対象のすべての商品の選択が完了すると、利用者が所定の操作を行うことで、利用者端末7のウェブブラウザは、商品の決済要求をサーバ5に送信する(ステップS26)。
サーバ5は、利用者の決済手段の情報を利用者データベースから読み出し、決済手段の情報と決済すべき価格の情報とを決済代行サーバ(図示せず)に提供することで決済処理を行う(ステップS28)。決済処理が支障なく終了した場合、サーバ5は、取引履歴データベースを更新する(ステップS30)。すなわち、サーバ5は、新たな注文番号を発行し、発行した注文番号に対応付けて、取引履歴データベースにおいて、ステップS28の決済処理に対応する購入データを含む1又は複数のレコードを作成する。なお、この時点では、「受取」フィールドの値は「未」とする。
次いでサーバ5は、決済が完了した商品のうちユニーク番号に対応する商品のレコードを削除することで、商品在庫データベースを更新する(ステップS31)。
【0060】
サーバ5は、ステップS30において発行した注文番号のデータを利用者端末7に送信する(ステップS32)。その後、ステップS20で開始されたセッションが終了する(ステップS34)。
なお、利用者端末7のウェブブラウザは、
図5の画面G4に例示したように、ステップS32で取得した注文番号ONと、注文番号に対応するコード情報C3とを、表示する。
【0061】
図13は、利用者がオンラインで商品を購入後に、当該商品を店舗で受け取るまでのオンライン販売システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
サーバ5は、注文番号のデータを利用者端末7に送信した後、出荷指示を店舗端末3に送信する(ステップS40)。出荷指示は、店舗スタッフに対して注文番号に対応する店舗内の商品の出荷準備を行うことを指示するメッセージであり、例えば注文番号、当該注文番号に対応する各商品の個数、各商品の商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号等が含まれる。
【0062】
店舗端末3は、出荷指示を受信すると、出荷指示に含まれるデータを基にピッキングリストを作成する(ステップS42)。ピッキングリストには、注文番号に対応付けて、ピッキング対象の1又は複数の商品の各々に対応するコード情報(商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号をコード化したもの)が含まれている。
【0063】
図3に示したように、店舗スタッフは、ピッキングリストに含まれるコード情報と、商品Pに貼付された商品ラベルPLのコード情報C1とをハンディターミナル6で照合することによって、逐次、商品をピッキングし、ピッキング対象のすべての商品を収納体10に収納する。
【0064】
次いで、店舗端末3は、店舗スタッフによる所定の操作に基づいて保管場所のロケーション番号を決定するとともに(ステップS44)、ロケーション番号と注文番号に対応するコード情報とを含む印字データを作成し、ラベルプリンタ2に送信する(ステップS46)。ラベルプリンタ2は、受信した印字データに基づいてラベル(例えば、
図3のラベルL1)を発行する。店舗スタッフが、ラベルプリンタ2によって発行されたラベルを収納体10に貼付することで、利用者に対する商品の受け渡し準備が整う。
【0065】
その後、利用者が商品の受け取りのために来店し、3点照合作業が行われる。3点照合作業は、
図4を参照して説明したように、店舗の受取場所に設置されたラベルプリンタ2とコードリーダ8を利用して行われる。
すなわち、商品を受け取りに来た利用者は、店舗スタッフに対して、利用者端末7に表示される画面(
図4の例では、注文番号ONと、注文番号ONに対応するコード情報C3とを含む画面)を提示する。店舗スタッフは、コードリーダ8を利用してコード情報C3を読み取る操作(スキャン操作)を行うと、ラベルプリンタ2が、注文番号ONに対応するコード情報C4とロケーション番号とが印字されたラベルL2を発行するように構成されている。
店舗スタッフは、ラベルL2に表示されたロケーション番号に基づいて、店舗内の保管場所から利用者U向けの収納体10を取りに行き、受取場所に戻る。
ここで、店舗スタッフは、利用者端末7に表示されたコード情報C3と、ラベルプリンタ2によって発行されたラベルL2に含まれるコード情報C4と、保管場所から持ってきた収納体10に貼付されたラベルL1に含まれるコード情報C2とを、コードリーダ8によって順に読み取る。その結果、3個のコード情報が一致する場合に限り、店舗スタッフは、1又は複数の商品を含む収納体10を利用者に手渡すようにする(3点照合)。
【0066】
なお、利用者が商品の賞味期限後に商品を受け取りに来た場合、賞味期限切れの商品が含まれていることを通知できるように構成してもよい。例えば、3点照合の照合対象となるコード情報に含まれる注文番号を参照し、注文番号に対応付けられたいずれかの商品の賞味期限を現在時刻が過ぎている場合には、ラベルプリンタ2は、賞味期限切れの商品が含まれることを示す通知するメッセージを表示する。この場合、受取場所に設置されるラベルプリンタ2は、店舗端末3と通信を行うように構成され、例えば、出荷指示に含まれるデータにアクセスすることで賞味期限切れの商品の有無を認識する。
【0067】
利用者に収納体10を手渡した後、店舗スタッフが所定の操作を行った場合、店舗端末3は、注文番号を含む出荷完了通知をサーバ5に送信する(ステップS50)。サーバ5は、出荷完了通知を受信すると、取引履歴データベースにおいて、出荷完了通知に含まれる注文番号に対応する「受取」フィールドの値を「未」から「済」に書き換えることで、取引履歴データベースを更新する(ステップS52)。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のオンライン販売システム1によれば、商品のオンライン販売において、サーバ5が、店舗内の値引き対象商品の商品コード、画像データ、価格及び値引き率のデータを対応付けたデータベースをストレージ52に記録する。利用者端末7は、利用者によって選択された値引き対象商品の商品コード、画像データ、価格及び値引き率等のデータをサーバ5から取得し、表示部に表示させる。
すなわち、値引き対象商品の画像データをサーバ5のデータベースに記録しておくことにより、利用者に対して、どうような商品が値引き対象となっているのか、さらに、当該商品の状態はどの程度なのかについて、オンライン画面上で視覚的に伝えることができる。そのため、値引き対象商品を利用者が購入するかどうかの判断を行うときの判断基準に近い環境を、オンライン上で実際の店舗と同様のレベルに作ることが可能となる。
【0069】
本実施形態のオンライン販売システム1では、値引き対象商品の決済が完了すると、当該商品が商品在庫データベースから削除される。そのため、店舗端末3から商品在庫データベースを参照することで、店舗スタッフは、各値引き対象商品の在庫状況を実時間で認識することができ、賞味期限までの所望のタイミングにおいて値引き対象商品の値下げ率を適切な値に更新することが可能である。このとき、生鮮食品等の値引き対象商品は、賞味期限までの間に商品の外観が変化する場合があるため、例えば値下げ率を更新するタイミングで画像データを取得し、サーバ5上の商品画像データベースを逐次更新することが好ましい。それによって、利用者に対して、オンライン上で、値引き対象商品の品質の程度に応じた最適な価格を提供することができる。
なお、値下げ率を更新しない場合でも、実際の店舗と同様に、現在(例えば購入時点)の値引き対象商品の状態を購入者に的確に伝えるため、値引き対象商品の画像データを異なるタイミングで取得し、逐次、商品画像データベースを更新してもよい。画像データを更新するタイミングは、例えば、商品の製造開始時点と賞味期限の間の任意の時点から賞味期限までの所定期間内である。
【0070】
本実施形態のオンライン販売システム1において、サーバ5の商品在庫データベースは、オンラインによる販売データのみではなく、店舗における通常レジやセルフレジ、セルフスキャン等による販売データが反映されることが好ましい。オンライン販売システム1では、商品ラベルの発行時に印字データがラベルプリンタ2からサーバ5に送信され、商品在庫データベースが更新される。つまり、商品ラベル発行時のデータが店舗の商品入庫情報に相当する。それに対して、オンラインによる販売データ、店舗における通常レジやセルフレジ、セルフスキャン等による販売データが店舗の商品出庫情報に相当する。そのため、商品入庫情報と商品出庫情報を商品在庫データベースに反映することで、商品在庫データベースによって店舗内の商品在庫を可視化することができ、賞味期限に応じた適正在庫を店舗スタッフが認識できる仕組みを構築できる。それによって、商品の値引きタイミングの適正化あるいは商品の適正な値引き率の設定を行うことが可能となる。
例えば、商品在庫データベースから、同一の商品コードで賞味期限が近い商品が多数売れ残っていることがわかれば、オンライン販売でも積極的に当該商品の値引きを行うようにすることができる。
【0071】
本実施形態のオンライン販売システム1では、
図2に例示したように、値引きシールを値引き対象の商品に貼付することが好ましい。それによって、商品が値下げされていることをオンライン上で利用者に認識させやすくなる。
なお、商品に貼付するのはシールに限られず、例えばハンドラベラー等の簡易ラベル貼り付け機によって貼り付けられるラベルでもよい。
【0072】
本実施形態のオンライン販売システム1では、商品ラベルに印字されるコード情報に賞味期限データが含まれているため、商品在庫データベースには、商品コードに対応付けて賞味期限データを含めるようにすることができる。そのため、商品の在庫状況と賞味期限を勘案しながら、各商品の価格(あるいは値引き率)を決定することができる。また、オンライン販売の利用者は、賞味期限と商品の実物の画像を認識しながら商品を購入することができるため、利用者がオンライン販売で値引き対象商品を購入するときの不安が解消される。
【0073】
本実施形態のオンライン販売システム1によって提供される仕組みでは、今後より一層増加すると考えられるオンライン販売において、賞味期限が近い値引き対象商品の販売が可能となるため、オンライン販売は高価であると考えている消費者をオンライン販売に引き込むことが可能である。
また、値引き対象商品のオンライン販売が促進されるため、例えば生鮮食品等の食品ロスの削減に貢献できる。
【0074】
本実施形態のオンライン販売システム1では、今後増加すると考えられる店舗受取型のオンライン販売に適用可能できる。本実施形態のオンライン販売システム1を店舗受取型のオンライン販売に適用した場合、例えば、昼にオンラインで値引き対象商品の決済を行い、夜に店舗で値引き対象商品を受け取ることが可能であるため、新たな需要を創出することが可能である。
【0075】
(4)実施形態の変形例
次に、実施形態の変形例に係るオンライン販売システムについて説明する。
【0076】
(4-1)第1変形例
上述した実施形態では、商品に貼付される商品ラベルに含まれるコード情報にユニーク番号が含まれている場合について説明したが、その限りではない。ユニーク番号は、如何なる形式であっても商品又は商品ラベルに表示されていればよい。
図14には、商品ラベルPLに、ユニーク番号に対応するコード情報C5が表示されている例(
図14A)と、商品ラベルPLにユニーク番号UNに対応する文字列が表示されている例(
図14B)とが示される。いずれの例も、コード情報C4aは、コード情報C1(
図2参照)と異なり、商品コードと賞味期限データを含むがユニーク番号を含まない。
図14Aでは、ユニーク番号に対応するコード情報C5を商品ラベルPLに印字してもよいし、コード情報C5が印字された別のラベルを商品ラベルPLに貼付してもよい。
図14Bでは、商品ラベルPLにユニーク番号UNに対応する文字列を商品ラベルPLに印字してもよいし、店舗スタッフが手書きで記入してもよい。
【0077】
なお、
図14Bの場合、店舗端末3は、商品の画像データから文字認識によってユニーク番号を取得することができる。また、ピッキング作業の際に、ピッキングリストにユニーク番号の文字列を表示するようにすれば、店舗スタッフは、ピッキングリストに表示されるユニーク番号と一致するユニーク番号が表示された商品をピックアップすることができる。
【0078】
(4-2)第2変形例
上述した実施形態では、同一の商品コードの複数の商品の各々に対してユニーク番号(個体識別情報の一例)を割り当てることによって、各商品を識別する方法について説明したが、その限りではない。各商品の個体識別情報は、ユニーク番号ではなく、各商品に対応付けられている画像データから抽出される特徴データであってもよい。
【0079】
画像データから抽出される特徴データは限定しないが、例えば、画像データにおいて商品(又は商品パッケージ)の基準位置(例えば、四隅のいずれか)を原点としたときの、貼付された商品ラベルのラベル位置を特定する情報(例えば、ラベルの4隅の座標)を特徴データとしてもよい。ラベル位置を特定する情報が複数の商品間で完全に一致することはほとんどないと考えられるため、そのような特徴データは、個々の商品を識別する識別情報として使用可能である。
【0080】
あるいは、画像データ内の商品ラベルに含まれる文字列の情報(
図2の例では正味量や賞味期限の情報)が複数の個別商品の間で完全に一致する可能性は低いと考えられるため、このような文字列の情報を特徴データとしてもよいし、店舗スタッフにより手書きされた文字やマーク等を認識して特徴データとしてもよい。また、これらの文字等の情報と、商品パッケージにおける商品の色合いや、商品やラベルの位置等とを組み合わせて特徴データとしてもよい。
【0081】
画像データから抽出された特徴データを、ユニーク番号と対応付けてもよい。その場合、商品在庫データベースのレコードに対応する個別商品に、特徴データに対応するユニーク番号を他の個別商品と重複しないように割り当てる。そして、割り当てたユニーク番号と、対応する特徴データとが、商品画像データベースに登録されるとよい。
【0082】
図15は、本変形例に係るオンライン販売システムにおいて店舗端末3によって実行されるフローチャートである。より具体的には、
図15は、商品の画像データから抽出される特徴データに基づいて、ピッキング作業において店舗スタッフが店舗内の商品をピックアップするときの店舗端末3で行われるフローチャートを示している。
商品の決済完了後にサーバ5から店舗端末3に送信される出荷指示(
図13のステップS40)には、値引き対象商品のユニーク番号が含まれている。ここで、店舗端末3には、
図12のステップS4で取得した画像データをユニーク番号と対応付けてストレージ32に保存している場合を想定する。店舗端末3は、出荷指示に含まれるユニーク番号を取得すると(ステップS60)、ストレージ32から当該ユニーク番号に対応する画像データを読み出し、当該画像データから特徴データを抽出する(ステップS62)。
【0083】
次いで、店舗スタッフが店舗内の商品から、ピックアップ対象の商品を見つけ出すときに、店舗端末3は、店舗内の商品の画像データを取得すると(ステップS64:YES)、取得した画像データからステップS62と同様に特徴データを抽出する(ステップS66)。次いで、店舗端末3は、ステップS62で抽出した特徴データと、ステップS66で抽出した特徴データとの照合を行い、照合結果を表示する(ステップS68)。照合結果がOKであれば、ステップS64で画像データを取得した商品をピックアップする。照合結果がNGであれば、店舗内の別の商品の画像データを取得し、ステップS66,S68を繰り返す。
以上のようにして、店舗端末3が画像の特徴データを照合することにより、店舗内から適切な商品をピックアップすることができる。なお、画像データを対応付けるのはユニーク番号に限られない。画像データを注文番号に対応付けて保存しておき、注文番号に対応する画像データの特徴データに基づき、商品をピックアップしてもよい。
【0084】
(4-3)第3変形例
利用者がオンラインで値引き対象商品の決済を行ったのにも関わらず、当該値引き対象商品に対して店舗スタッフがピックアップする前に店舗内の消費者にかごに入れられるか、購入されてしまうことがあり得る。
その場合、店舗端末3は、特定の注文番号に対応する値引き対象商品の引き渡しが不可能になったことの通知をサーバ5に送信する。サーバ5は、当該通知を受けて、利用者端末7に対して、利用者が採り得る複数の代替案を提示することが好ましい。複数の代替案には、例えば、(i)決済を行った値引き対象商品に代わる商品は不要である、(ii)決済を行った値引き対象商品よりも価格が高い同一の商品がある場合、当該商品を購入する、といった選択肢が含まれてもよい。いずれの代替案が選択される場合でも、既に行われた値引き対象商品の決済をキャンセルし、必要に応じて、別の商品の決済が行われる。
【0085】
なお、店舗において先に購入されてしまう可能性があることを予めオンライン販売の利用者に通知し、利用者がその旨を承諾した場合、以下で説明する手続きを行ってもよい。すなわち、ウェブアプリケーションでは、予め、商品が先に購入されてしまった場合の利用者の選択肢を優先順位を付けて利用者に設定しておくように構成される。選択肢としては、(i)対象の商品と同一の商品コードの別の商品を購入しない、(ii)対象の商品と同一の商品コードと同一の商品を、価格が高くてもよいから購入する、(iii)対象の商品と同一の商品コードと同一の商品で、賞味期限が近い商品の提案を受ける、(iv)対象の商品と類似する別の商品コードの商品の提案を受ける、等が考えられる。利用者により(ii)から(iv)が選択された場合、(ii)から(iv)に対応する商品情報や画像データを表示して利用者に購入順を選択させておき、商品が先に購入されてしまった場合における購入順リストとして登録しておくとよい。なお、(iv)の選択肢を含める場合には、サーバ5において、類似の商品コード同士の関連付けが設定される。サーバ5は、店舗において利用者が選択した商品が先に購入されてしまった場合には、当該利用者に対して予め設定された優先順位(購入順リストを含む)に従い、必要に応じて代替の商品による決済処理等を実行する。
【0086】
(4-4)第4変形例
次に、第4変形例について説明する。
上述した各実施形態では、商品から商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を取得する方法として、商品のコード情報を読み取る場合について説明したが、その限りではない。
商品から商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を取得する他の方法として、商品や棚札、若しくは商品の外装品に取り付けられている無線タグ、又は、商品の近傍に配置されている無線タグ等から商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を受信する方法を採ることができる。この場合、情報を受信するときの通信方法(例えば、通信プロトコルや使用周波数等)は問わない。通信方法の例として、例えばNFC(Near field communication)等のRFID(Radio Frequency Identification)やBluetooth(登録商標)等が挙げられる。
【0087】
例えば商品や棚札等に、当該商品の商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号が記録されたNFCタグが取り付けられ、店舗端末3にNFCリーダが搭載されている場合を想定する。その場合、店舗スタッフが商品に店舗端末3を近付けることで、店舗端末3のNFCリーダは、商品のNFCタグから商品の商品コード、賞味期限データ、及び、ユニーク番号を受信する。
【0088】
以上、本発明の情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述した実施形態及び各変形例に記載した個々の技術的特徴は、技術的矛盾がない限り、適宜組み合わせることが可能である。
例えば、上述した実施形態において、サーバ5による機能の少なくとも一部を利用者端末7のソフトウェアにより実現してもよいし、利用者端末7による機能の少なくとも一部をサーバ5のソフトウェアにより実現してもよい。また、利用者端末7の機能、及び、サーバ5の機能の各々を、必要に応じて、利用者端末7及びサーバ5の間で分散させて実現してもよい。
サーバ5と店舗端末3と利用者端末7との間でも同様である。
【0089】
上述した実施形態では、商品ラベルに印字されるコード情報に商品の賞味期限データを含ませ、サーバ5の商品在庫データベースにおいて商品コードに対応付けて賞味期限データが保持される場合について説明したが、その限りではない。賞味期限は商品の画像に含まれる商品ラベルから利用者が認識できるため、必ずしも賞味期限データを店舗端末3が取得し、サーバ5で管理する必要はない。
【0090】
上述した実施形態では、個体識別情報としてユニーク番号を個別商品に対応付ける場合について説明したが、その限りではない。すなわち、生鮮食品のように同一の商品コードであって同一の賞味期限の商品であってもそれぞれの状態が異なるような商品である場合に、個体識別情報を商品に対応付けるのは、利用者が個別商品を選択する上で有効である。しかし、工業製品のように、例えば使用上の有効期限に向けてほぼ一律の度合いで劣化するような同一商品コードの商品である場合には、個別商品を識別できるようにすることは、利用者が商品を選択する上で必ずしも必要がないと考えられる。
【0091】
上述した実施形態では、商品の状態情報の例として商品の画像データを挙げたが、状態情報はその限りではない。状態情報は、例えば商品の画像等、商品の状態が視覚的に認識できる情報に限られず、商品の状態を利用者が推定可能な情報であれば如何なる情報であってもよい。
状態情報は、商品の画像の解析結果から推定される商品の状態を示す情報を含んでもよい。例えば、商品の画像の解析結果から推定される商品の色合いや等級といった情報は、商品の画像がない場合でも商品の品質について利用者が推定する上で有益な情報となる。そのため、商品の画像の解析結果から推定される商品の状態を示す情報によっても利用者がオンラインでの値引き対象商品の購入判断を行う上で有効な情報となる。
【0092】
状態情報は、商品が保管されるときの管理状態を示す管理情報を含んでもよい。例えば、商品が製造されてから何日経過したか、その間、どのような環境(場所、温度、湿度等)で保管されていたか、経過時間ごとの画像データ等の管理状態を示す管理情報であってもよい。このような管理情報は、商品の品質について利用者が推定する上で有益な情報となる。そのため、このような管理情報によっても利用者がオンラインでの値引き対象商品の購入判断を行う上で有効な情報となる。例えば、店舗スタッフは、管理情報を店舗端末3に逐次入力し、入力した管理情報がサーバ5にアップロードされ、データベースに蓄積されるとよい。その際、管理情報は、個別商品のユニーク番号と対応付けてサーバ5に送信されるとよい。
【0093】
上述した実施形態では、期限情報の一例として賞味期限情報を挙げたが、その限りではなく、商品の「期限情報」とは、利用者が当該商品を使用可能、賞味可能、又は、消費可能であるか否かの指標を示す有効期限に関する情報である。有効期限の例としては、使用期限、賞味期限、消費期限、品質保証期限等が挙げられる。
上述した実施形態では、情報処理装置の一例としてサーバ5を挙げたが、その限りではなく、通信機能を備えたコンピュータ装置であってもよいし、ウェブサーバとデータベースサーバの組合せ等、複数の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…オンライン販売システム
2…ラベルプリンタ
21…制御部
22…ストレージ
23…操作入力部
24…表示部
24a…表示パネル
25…搬送部
26…印字部
27…通信部
3…店舗端末
31…制御部
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
35…撮像部
36…通信部
5…サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
6…ハンディターミナル
7…利用者端末
71…制御部
72…ストレージ
73…操作入力部
74…表示部
75…通信部
8…コードリーダ
10…収納体
101…値引きシール
110…ケーブル
b1~b3…ボタン
C1~C5,C4a…コード情報
U…利用者
NW…ネットワーク
P…商品
L1,L2…ラベル
PL…商品ラベル
ON…注文番号
UN…ユニーク番号