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特開2022-41003情報処理装置、プログラムおよび情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041003
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20220304BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20220304BHJP
   G10K 11/35 20060101ALI20220304BHJP
   G10K 15/00 20060101ALI20220304BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04R3/00 320
H04R3/00 310
H04R1/00 318A
G10K11/35 110
G10K15/00 L
G01H17/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020145997
(22)【出願日】2020-08-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河間 勇気
【テーマコード(参考)】
2G064
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
2G064AB02
2G064AB13
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
5D017AC04
5D220AA12
5D220AB06
5D220BA02
5D220BC05
(57)【要約】
【課題】制御するデバイスの指定を容易にすることができる。
【解決手段】情報処理装置10は、スピーカ装置1a,1b,・・・それぞれを制御するための制御情報11a,11b,・・・のうちの第1制御情報に基づいて、第1モータを回転させて第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。情報処理装置10は、第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2マイクに第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させる。情報処理装置10は、複数の向きそれぞれと第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときに第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクと、スピーカと、前記スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて前記第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、前記第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、前記複数の向きそれぞれと前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する処理部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記マイクと、前記スピーカと、前記モータとは、前記スピーカ装置ごとに共通の親デバイスに接続され、
前記処理部は、複数の前記スピーカ装置から、複数の前記マイクごと、複数の前記スピーカごとおよび複数の前記モータごとの、デバイスを制御するための情報と、接続された前記親デバイスの識別情報とを含むデバイス情報を取得し、前記親デバイスの識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて前記制御情報を生成する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1モータを所定の角度だけ回転させてから止めることで前記第1スピーカの向きを変え、前記第1スピーカに音を出力させることを繰り返すことで、前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させる、
請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記スピーカ装置は、前記モータの回転角度が所定値の場合の前記スピーカの向きが所定の方角になるよう設置され、
前記処理部は、前記第2制御情報に基づく情報と前記第1制御情報に基づく情報と前記所定の方角を示す情報とを、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置に基づいて表示装置に表示させる、
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2マイクが取得した音の強度が閾値以下の場合、前記第1制御情報および前記第2制御情報以外の第3制御情報に基づいて、第3スピーカ装置の第3モータを回転させて前記第3スピーカ装置の第3スピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させ、前記第2制御情報に基づいて、前記第2マイクに前記第3スピーカに前記他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、前記他の複数の向きそれぞれと前記第3スピーカに前記他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第3スピーカ装置に対する相対位置を特定する、
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
マイクと、スピーカと、前記スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて前記第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、
前記第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、
前記複数の向きそれぞれと前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項7】
マイクと、スピーカと、前記スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置と、
複数の前記スピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて前記第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、前記第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、前記複数の向きそれぞれと前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する情報処理装置と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータに接続されたデバイスをAPI(Application Programming Interface)を用いて制御することがある。例えば、APIを用いたデバイスの制御では、コンピュータは、デバイス名を用いて指定された制御対象を制御する。
【0003】
APIを用いたデバイスの制御に関する技術としては、例えば、ユーザに応じたデバイスのアクセス制御を行う情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-180682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンピュータに複数のデバイスが接続されている場合、ユーザは、複数のデバイス名のうちのどのデバイス名がコンピュータに制御させたいデバイスに対応しているかが分からないことがある。そこで、各デバイス名を用いて、デバイスを作動させることを繰り返すことによって、各デバイスのデバイス名を特定してから、制御するデバイスを指定することが考えられるが、ユーザにとって煩雑である。
【0006】
1つの側面では、本件は、制御するデバイスの指定を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、処理部を有する情報処理装置が提供される。処理部は、マイクと、スピーカと、スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、複数の向きそれぞれと第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときに第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、制御するデバイスの指定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図3】スピーカ装置の構造の一例を示す図である。
図4】ホストコンピュータのハードウェアの一例を示す図である。
図5】スピーカ装置のハードウェアの一例を示す図である。
図6】ホストコンピュータの機能例を示すブロック図である。
図7】制御情報リストの一例を示す図である。
図8】デバイスの接続状況の一例を示す図である。
図9】基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との関係の一例を示す図である。
図10】スピーカ装置の設置状況と最大音量との関係の一例を示す図である。
図11】表示画面の一例を示す図である。
図12】相対位置関係特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図13】相対位置マッピング処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第1の実施の形態は、スピーカ装置1a,1b,・・・の相対的な位置を特定するものである。
スピーカ装置1a,1b,・・・それぞれは、マイクと、スピーカと、スピーカを回転させるモータとを有する。スピーカ装置1a,1b,・・・それぞれが有するスピーカは、例えば、パラメトリックスピーカである。スピーカ装置1a,1b,・・・それぞれが有するマイクとスピーカとモータとは、スピーカ装置ごとに共通の親デバイスに接続される。親デバイスは、例えば、ハブである。スピーカ装置1a,1b,・・・は、情報処理装置10に接続されている。
【0012】
情報処理装置10は、スピーカ装置1a,1b,・・・の相対的な位置を特定するコンピュータである。情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、例えば情報処理装置10が有するメモリ、またはストレージ装置である。処理部12は、例えば情報処理装置10が有するプロセッサ、または演算回路である。
【0013】
記憶部11は、制御情報11a,11b,・・・を記憶する。制御情報11a,11b,・・・は、スピーカ装置1a,1b,・・・それぞれを制御するための情報である。制御情報11a,11b,・・・それぞれは、例えば、スピーカ装置1a,1b,・・・のうちの対応するスピーカ装置のマイク、スピーカおよびモータそれぞれを制御するための情報を含む。マイク、スピーカおよびモータそれぞれを制御するための情報は、例えば、マイク、スピーカおよびモータそれぞれの名称(デバイス名)や、マイク、スピーカおよびモータそれぞれが接続されている、情報処理装置10やハブが有する接続ポートの識別番号である。
【0014】
処理部12は、制御情報11a,11b,・・・の生成と、制御情報11a,11b,・・・を用いたスピーカ装置1a,1b,・・・の制御とを行う。制御情報11a,11b,・・・の生成では、処理部12は、スピーカ装置1a,1b,・・・から、複数のマイクごと、複数のスピーカごとおよび複数のモータごとの、デバイスを制御するための情報と、接続された親デバイスの識別情報とを含むデバイス情報を取得する。そして、処理部12は、親デバイスの識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて制御情報11a,11b,・・・を生成する。
【0015】
処理部12は、制御情報11a,11b,・・・のうちの第1制御情報に基づいて、スピーカ装置1a,1b,・・・のうちの第1スピーカ装置の第1モータを回転させて、第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。例えば、処理部12は、第1モータを所定の角度だけ回転させてから止めることで第1スピーカの向きを変え、第1スピーカに音を出力させることを繰り返すことで、第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。また、処理部12は、制御情報11a,11b,・・・のうちの第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、スピーカ装置1a,1b,・・・のうちの第2スピーカ装置の第2マイクに第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させる。
【0016】
処理部12は、複数の向きそれぞれと第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときに第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する。例えば、処理部12は、第1スピーカが音を出力しているときの第2マイクが取得した音の強度(音量)が最大のときの第1モータの回転角度(例えば、角度θ)を特定する。そして、処理部12は、第2スピーカ装置の位置が、第1スピーカ装置から角度θの方向であると特定する。
【0017】
そして、処理部12は、第1制御情報および第2制御情報に基づく情報を、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置に基づいて、図示しない表示装置に表示させる。例えば、処理部12は、第2制御情報に含まれる、マイク、スピーカおよびモータそれぞれのデバイス名を、第1制御情報に含まれる、マイク、スピーカおよびモータそれぞれのデバイス名の角度θの方向に配置した画面を、表示装置に表示させる。
【0018】
第1の実施の形態の情報処理システムによれば、情報処理装置10の処理部12は、第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。処理部12は、第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させる。そして、処理部12は、複数の向きそれぞれと第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときに第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する。
【0019】
これにより、情報処理装置10は、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置とスピーカ装置1a,1b,・・・の設置位置とをユーザに比較させることができる。そして、ユーザは、第1制御情報と第2制御情報とがスピーカ装置1a,1b,・・・のうちのいずれのスピーカ装置を制御するための情報であるか判別できる。よって、情報処理装置10は、制御するデバイスの指定を容易にすることができる。
【0020】
また、スピーカ装置1a,1b,・・・では、マイクと、スピーカと、モータとは、スピーカ装置ごとに共通の親デバイスに接続される。処理部12は、スピーカ装置1a,1b,・・・から、複数のマイクごと、複数のスピーカごとおよび複数のモータごとの、デバイスを制御するための情報と、接続された親デバイスの識別情報とを含むデバイス情報を取得する。そして、処理部12は、親デバイスの識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて制御情報11a,11b,・・・を生成する。これにより、情報処理装置10は、スピーカ装置1a,1b,・・・ごとの制御ができるようになる。
【0021】
また、処理部12は、第1モータを所定の角度だけ回転させてから止めることで第1スピーカの向きを変え、第1スピーカに音を出力させることを繰り返すことで、第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。これにより、情報処理装置10は、第1モータの回転角度と第2マイクが取得した音の強度との対応付けの精度を向上させることができる。よって、情報処理装置10は、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する精度を向上させることができる。
【0022】
なお、スピーカ装置1a,1b,・・・は、モータの回転角度が所定値の場合のスピーカの向きが所定の方角になるよう設置されていてもよい。そして、処理部12は、第2制御情報に基づく情報と第1制御情報に基づく情報と所定の方角を示す情報とを、第2スピーカ装置の第1スピーカ装置に対する相対位置に基づいて表示装置に表示させてもよい。これにより、情報処理装置10は、スピーカ装置1a,1b,・・・が点対称に近い配置であっても、第1スピーカ装置と第2スピーカ装置とがスピーカ装置1a,1b,・・・のいずれのスピーカ装置に対応するかがユーザに分かるように通知できる。
【0023】
また、処理部12は、第2マイクが取得した音の強度が閾値以下の場合、次のようにして第2スピーカ装置の位置を特定してもよい。処理部12は、第1制御情報および第2制御情報以外の第3制御情報に基づいて、第3スピーカ装置の第3モータを回転させて第3スピーカ装置の第3スピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させる。処理部12は、第2制御情報に基づいて、第2マイクに第3スピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させる。そして、処理部12は、他の複数の向きそれぞれと第3スピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときに第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、第2スピーカ装置の第3スピーカ装置に対する相対位置を特定する。これにより、情報処理装置10は、第1スピーカ装置から第2スピーカ装置に音が届かない場合であっても、第2スピーカ装置の第3スピーカ装置に対する相対位置を特定できる。
【0024】
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、設置されたスピーカ装置の位置関係とデバイス名とを対応付けて表示するものである。
【0025】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、ホストコンピュータ100とスピーカ装置200a,200b,200c,200dとを有する。ホストコンピュータ100は、スピーカ装置200a~200dそれぞれを制御する。
【0026】
スピーカ装置200a~200dは、施設20の天井に設置される。施設20は、例えば、店舗である。スピーカ装置200a~200dそれぞれは、マイクとスピーカとスピーカを水平方向に回転させるためのモータ(水平モータ)とスピーカを垂直方向に回転させるためのモータ(垂直モータ)とを有する。スピーカ装置200a~200dが有するスピーカは、パラメトリックスピーカである。スピーカ装置200a~200dが有する水平モータは、第1の実施の形態に示した、スピーカ装置1a,1b,・・・が有するモータの一例である。
【0027】
一例として、図2に示した情報処理システムは、次のように運用される。ホストコンピュータ100は、スピーカ装置200a~200dおよび図示しないカメラを、あらかじめ施設20を示す3次元空間にマッピングする。そして、ホストコンピュータ100は、図示しないカメラで撮影された人物を施設20を示す3次元空間にマッピングし、スピーカ装置200a~200dに、当該人物に向けて音声出力(声掛け)させる。
【0028】
ここで、ホストコンピュータ100がスピーカ装置200a~200dを3次元空間において所望の方向に向ける制御をするために、スピーカ装置200a~200dは、基準となる向きを決めて設置される。例えば、スピーカ装置200a~200dは、水平モータの回転角度を90°としたときにスピーカの向きが南になるよう設置される。なお、90°は、第1の実施の形態に示した所定値の一例であり、南は、第1の実施の形態に示した所定の方角の一例である。また、スピーカ装置200a~200dは、垂直モータの回転角度を0°としたときにスピーカの向きが水平面と平行になるよう設置される。
【0029】
また、例えば、運用時において、ホストコンピュータ100によるスピーカ装置200a~200dの制御は、APIを用いて行われる。APIを用いてホストコンピュータ100にスピーカ装置200a~200dを制御させる場合、例えば、ホストコンピュータ100は、ユーザが指定したデバイス名のデバイスを制御する。デバイス名は、例えば、デバイスの型番に基づいて決定される。ここで、スピーカ装置200a~200dそれぞれが有するデバイスの型番が共通である場合、ユーザは、ホストコンピュータ100に所望のスピーカ装置を制御させるためにどのデバイス名を指定すればよいか分からない。なお、デバイスの型番が共通でない場合でも、デバイス名がどのデバイスに対応しているかをユーザが判別するのは困難なことがある。
【0030】
そこで、ホストコンピュータ100は、デバイス名を指定してスピーカ装置200a~200dのいずれかのスピーカ装置に回転しながら音を出力させ、他のスピーカ装置に音を取得させる。ホストコンピュータ100は、音を出力したスピーカ装置の水平モータの回転角度と他のスピーカ装置が取得した音の強度(音量)との関係に基づいて、音を出力したスピーカ装置に対する他のスピーカ装置の相対的な位置関係を特定する。そして、ホストコンピュータ100は、スピーカ装置の位置関係と各スピーカ装置が有するデバイスのデバイス名を対応付けて表示することで、スピーカ装置200a~200dそれぞれのデバイスのデバイス名をユーザに通知する。なお、デバイス名は、第1の実施の形態に示した、デバイスを制御するための情報の一例である。次に、スピーカ装置200a~200dの構造について説明する。
【0031】
図3は、スピーカ装置の構造の一例を示す図である。スピーカ装置200aは、土台204aと支柱205aとによって施設20の天井に設置されている。支柱205aは、土台204aの中心から鉛直下方向に伸びる円柱状の支柱である。支柱205aは、スピーカ装置200aの水平モータであるモータ222aによって回転する。モータ222aによる支柱205aの回転は、土台204aの中心を通り鉛直方向に伸びる水平回転軸201aを中心とする回転の角変位の変動である。
【0032】
また、支柱205aには、スピーカ224aが設置されている。スピーカ224aは、スピーカ装置200aの垂直モータであるモータ223aの軸によって回転する。モータ223aによるスピーカ224aの回転は、支柱205aに対して垂直に伸びる垂直回転軸202aを中心とする回転の角変位の変動である。
【0033】
スピーカ224aは、超指向性を有するパラメトリックスピーカである。スピーカ224aは、放射部224a-1を有する。放射部224a-1は、振動板を振動させ音声を出力する。なお、スピーカ224aの向きとは、具体的には放射部224a-1の前面側の法線方向を指す。なお、スピーカ装置200b~200dも、図3に示したスピーカ装置200aと同様の構造を有する。
【0034】
図4は、ホストコンピュータのハードウェアの一例を示す図である。ホストコンピュータ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス110を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
【0035】
メモリ102は、ホストコンピュータ100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0036】
バス110に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106がある。また、バス110に接続されている周辺機器としては、機器接続インタフェース107,108a,108b,108c,108dおよびネットワークインタフェース109がある。
【0037】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0038】
グラフィック処理装置104には、モニタ21が接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。モニタ21としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0039】
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0040】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0041】
機器接続インタフェース107,108a,108b,108c,108dは、ホストコンピュータ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
【0042】
機器接続インタフェース108a~108dそれぞれは、スピーカ装置200a~200dそれぞれと接続するためのインタフェースである。例えば、ホストコンピュータ100は、機器接続インタフェース108aを介して、スピーカ装置200aと接続する。機器接続インタフェース108a~108dの規格としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)等が用いられる。なお、ホストコンピュータ100は、機器接続インタフェース108a~108dに代えて、スピーカ装置200a~200dそれぞれと接続されるハブと接続するための接続インタフェースを有していてもよい。
【0043】
ネットワークインタフェース109は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース109は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0044】
ホストコンピュータ100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、図4に示したホストコンピュータ100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、プロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、メモリ102またはストレージ装置103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。また、モニタ21は、第1の実施の形態に示した表示装置の一例である。
【0045】
ホストコンピュータ100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。ホストコンピュータ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、ホストコンピュータ100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またホストコンピュータ100に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0046】
図5は、スピーカ装置のハードウェアの一例を示す図である。スピーカ装置200aは、コントロールボックス部210aとデバイスユニット部220aとを有する。コントロールボックス部210aは、ハブ211aを有する。ハブ211aは、ホストコンピュータ100と、デバイスユニット部220aに含まれるモータ222a,223a、スピーカ224aおよびマイク225aを制御するための制御部とに接続される。ハブ211aに接続される制御部としては、モータ制御部212a,213a、スピーカ制御部214aおよびマイク制御部215aがある。
【0047】
モータ制御部212aは、スピーカ224aを水平方向に回転させるためのモータ222aに接続されている。モータ制御部212aは、ホストコンピュータ100からパルス信号を受け取りモータ222aの軸を回転させる。モータ制御部213aは、スピーカ224aを垂直方向に回転させるためのモータ223aに接続されている。モータ制御部213aは、ホストコンピュータ100からパルス信号を受け取りモータ223aの軸を回転させる。モータ222a,223aは、例えば、ステッピングモータである。
【0048】
スピーカ制御部214aは、ホストコンピュータ100からのデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ224aに出力する。スピーカ224aは、スピーカ制御部214aから入力された信号に応じた音声を出力する。スピーカ224aは、パラメトリックスピーカであり、超音波によって音声を出力する。マイク制御部215aは、マイク225aから入力された音声信号をデジタル信号に変換して、ホストコンピュータ100に送信する。なお、ハブ211aは、第1の実施の形態に示した親デバイスの一例である。また、スピーカ装置200b~200dも、図5に示したスピーカ装置200aと同様のハードウェアにより実現することができる。
【0049】
次に、ホストコンピュータ100の機能について詳細に説明する。
図6は、ホストコンピュータの機能例を示すブロック図である。ホストコンピュータ100は、記憶部120、制御情報生成部130、マッピング部140および出力部150を有する。記憶部120は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。制御情報生成部130、マッピング部140および出力部150は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0050】
記憶部120は、制御情報リスト121を記憶する。制御情報リスト121には、スピーカ装置200a~200dそれぞれを制御するための制御情報が登録される。
制御情報生成部130は、制御情報リスト121に登録される制御情報を生成する。まず、制御情報生成部130は、ホストコンピュータ100に接続されているデバイスのうち、スピーカ装置200a~200dに含まれるデバイスを探索する。例えば、制御情報生成部130は、スピーカ装置200a~200dのマイク、スピーカ、水平モータおよび垂直モータそれぞれの型番を有するデバイスを探索する。
【0051】
次に、制御情報生成部130は、探索されたデバイスのデバイス名と探索されたデバイスが接続されているハブの識別情報(ハブ識別情報)とを含むデバイス情報を取得する。例えば、制御情報生成部130は、スピーカ装置200a~200dのマイク、スピーカ、水平モータおよび垂直モータそれぞれの制御部から、制御しているデバイスのデバイス名と接続されているハブの識別情報とを取得する。また、例えば、制御情報生成部130は、スピーカ装置200a~200dのハブから、接続されているデバイスのデバイス名と自装置(ハブ)の識別情報とを取得してもよい。そして、制御情報生成部130は、ハブ識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて制御情報を生成し、制御情報リスト121に登録する。
【0052】
マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報それぞれに対応するスピーカ装置の相対的な位置関係をマッピングする。まず、マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報を1つ選択する。マッピング部140は、選択した制御情報(選択制御情報)に基づいて、選択制御情報によって制御されるスピーカ装置(基準スピーカ装置)の水平モータと垂直モータとを回転させ、水平モータの回転角度と垂直モータの回転角度とを0°にさせる。
【0053】
次に、マッピング部140は、次のような、音の出力と音の取得とモータの回転とを、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度が360°になるまで繰り返す。マッピング部140は、選択制御情報に基づいて、基準スピーカ装置のスピーカからサンプル音声を再生させる。マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報のうちの選択制御情報以外のすべての制御情報(他の制御情報)に基づいて、他の制御情報によって制御されるスピーカ装置(他のスピーカ装置)それぞれのマイクから音を取得させる。マッピング部140は、選択制御情報に基づいて、基準スピーカ装置の水平モータを所定の角度だけ回転させてから停止させる。
【0054】
そして、マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と他のスピーカ装置それぞれのマイクが取得した音量との対応関係に基づいて、他のスピーカ装置それぞれの、基準スピーカ装置に対する相対的な位置を特定し、マッピングする。ここで、マッピング部140は、他のスピーカ装置のうち、マイクが取得した最大音量が閾値以下のものをマッピング対象から除外する。マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報それぞれに対応するスピーカ装置をすべてマッピングするまで、選択制御情報を選びなおして、マッピングをする。出力部150は、マッピング部140によってマッピングしたスピーカ装置の位置関係を、スピーカ装置に含まれるデバイス名と対応付けてモニタ21に表示させる。
【0055】
なお、選択制御情報は、第1の実施の形態に示した第1制御情報の一例である。また、基準スピーカ装置は、第1の実施の形態に示した第1スピーカ装置の一例である。また、基準スピーカ装置の水平モータは、第1の実施の形態に示した第1モータの一例である。また、基準スピーカ装置のスピーカは、第1の実施の形態に示した第1スピーカの一例である。
【0056】
また、他の制御情報は、第1の実施の形態に示した第2制御情報の一例である。また、他のスピーカ装置は、第1の実施の形態に示した第2スピーカ装置の一例である。また、他のスピーカ装置のマイクは、第1の実施の形態に示した第2マイクの一例である。
【0057】
また、選びなおした選択制御情報は、第1の実施の形態に示した第3制御情報の一例である。また、選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置は、第1の実施の形態に示した第3スピーカ装置の一例である。また、選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置の水平モータは、第1の実施の形態に示した第3モータの一例である。また、選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置のスピーカは、第1の実施の形態に示した第3スピーカの一例である。なお、図6に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。
【0058】
図7は、制御情報リストの一例を示す図である。制御情報リスト121には、ID、ハブ識別情報およびデバイス名の欄が設けられている。IDの欄には、対応する制御情報のIDが設定される。ハブ識別情報の欄には、対応する制御情報によって制御されるスピーカ装置が有するハブのハブ識別情報が設定される。デバイス名の欄には、対応する制御情報によって制御されるスピーカ装置が有する、マイク、スピーカ、水平モータおよび垂直モータそれぞれのデバイス名が設定される。
【0059】
例えば、制御情報リスト121は、IDの欄に「1」、ハブ識別情報の欄に「ハブA」、デバイス名の欄に「スピーカA」、「デバイス1」および「デバイス2」が設定されているレコードを有する。このレコードは、IDが「1」の制御情報によって制御されるスピーカ装置が有するハブのハブ識別情報が「ハブA」であることを示す。また、このレコードは、IDが「1」の制御情報によって制御されるスピーカ装置が、デバイス名が「スピーカA」であるデバイスと、デバイス名が「デバイス1」であるデバイスと、デバイス名が「デバイス2」であるデバイスとを有することを示す。
【0060】
次に、ホストコンピュータ100のデバイスの接続状況について説明する。
図8は、デバイスの接続状況の一例を示す図である。ツリー31は、ホストコンピュータ100のデバイスの接続状況を示す。ツリー31は、ホストコンピュータ100に、デバイス名が「スピーカA」のデバイスと、デバイス名が「スピーカB」のデバイスと、デバイス名が「デバイス1」のデバイスとが接続されていることを示す。また、ツリー31は、ホストコンピュータ100に、デバイス名が「デバイス2」のデバイスと、デバイス名が「デバイス3」のデバイスと、デバイス名が「デバイス4」のデバイスとが接続されていることを示す。
【0061】
ツリー31によれば、いずれのデバイスが同じスピーカ装置に含まれるか分からず、マッピング部140は、スピーカ装置ごとの制御ができない。そこで、制御情報生成部130は、ハブ識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて制御情報を生成し、制御情報リスト121に登録する。
【0062】
ツリー32は、制御情報リスト121に示される、ホストコンピュータ100のデバイスの接続状況を示す。ツリー32は、ホストコンピュータ100に、ハブ識別情報が「ハブA」のハブと、ハブ識別情報が「ハブB」のハブとが接続されていることを示す。また、ツリー32は、ハブ識別情報が「ハブA」のハブに、デバイス名が「スピーカA」のデバイスと、デバイス名が「デバイス1」のデバイスと、デバイス名が「デバイス2」のデバイスとが接続されていることを示す。また、ツリー32は、ハブ識別情報が「ハブB」のハブに、デバイス名が「スピーカB」のデバイスと、デバイス名が「デバイス3」のデバイスと、デバイス名が「デバイス4」のデバイスとが接続されていることを示す。
【0063】
このように、制御情報リスト121に基づくツリー32には、同じハブに接続されているデバイス(つまり、同じスピーカ装置に含まれているデバイス)が示される。よって、制御情報生成部130が制御情報リスト121を生成することで、マッピング部140は、スピーカ装置ごとの制御ができるようになる。次に、マッピング部140による他のスピーカ装置それぞれの基準スピーカ装置に対する相対位置の特定方法について説明する。
【0064】
図9は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との関係の一例を示す図である。グラフ41は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度を変えながら基準スピーカ装置のスピーカが音を出力しているときの、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との関係を示す。グラフ41の横軸は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度を示す。グラフ41の縦軸は、他のスピーカ装置のうちの1つのスピーカ装置(対象スピーカ装置)のマイクが取得した音量を示す。
【0065】
グラフ41は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度がθのときに、対象スピーカ装置のマイクが取得した音量が最大になっていることを示す。ここで、スピーカ装置200a~200dが有するスピーカは超音波を用いたパラメトリックスピーカであるため、スピーカ装置200a~200dが有するスピーカが出力する音は、スピーカが向いている方向に直進する。よって、マッピング部140は、対象スピーカ装置の基準スピーカ装置に対する位置が、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度がθのときに基準スピーカ装置のスピーカが向いている方向(角度θの方向)であると特定する。このようにして、マッピング部140は、他のスピーカ装置それぞれの基準スピーカ装置に対する相対位置を特定できる。
【0066】
図10は、スピーカ装置の設置状況と最大音量との関係の一例を示す図である。図10の例では、スピーカ装置200a~200dは、施設20の四隅に設置されている。なお、図10の下方向は、南(各スピーカ装置から90°の方向)を示すものとする。スピーカ装置200bは、スピーカ装置200aから90°の方向に設置されている。また、スピーカ装置200cは、スピーカ装置200aから0°の方向に設置されている。また、スピーカ装置200dは、スピーカ装置200aから30°の方向に設置されている。
【0067】
ここで、マッピング部140は、選択制御情報としてスピーカ装置200aの制御情報を選択したとする。マッピング部140は、選択制御情報に基づいて、水平モータを回転させながらスピーカから音を出力させると、スピーカ装置200aのモータ222aが回転しながら、スピーカ装置200aのスピーカ224aが音を出力する。さらに、マッピング部140は、他の制御情報に基づいて、マイクから音を取得させると、スピーカ装置200bのマイク225bと、スピーカ装置200cのマイク225cと、スピーカ装置200dのマイク225dとが音を取得する。
【0068】
マイク225bが取得する音量は、モータ222aの回転角度が90°のときに最大になる。よって、マッピング部140は、基準スピーカ装置から90°の方向に他のスピーカ装置があると特定できる。また、マイク225cが取得する音量は、モータ222aの回転角度が0°のときに最大になる。よって、マッピング部140は、基準スピーカ装置から0°の方向に他のスピーカ装置があると特定できる。また、マイク225dが取得する音量は、モータ222aの回転角度が30°のときに最大になる。よって、マッピング部140は、基準スピーカ装置から30°の方向に他のスピーカ装置があると特定できる。
【0069】
このように、マッピング部140は、基準スピーカ装置と、基準スピーカ装置から0°の方向のスピーカ装置と、基準スピーカ装置から30°の方向のスピーカ装置と、基準スピーカ装置から90°の方向のスピーカ装置とをマッピングする。そして、出力部150は、マッピング部140によるマッピング結果を示す表示画面をモニタ21に表示させる。
【0070】
図11は、表示画面の一例を示す図である。表示画面50は、マッピング結果を示す表示画面の一例である。表示画面50は、各スピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報と、90°の方向を示す情報とを含む。なお、各スピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報には、基準スピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報と他のスピーカ装置それぞれのデバイス名を示す情報とがある。
【0071】
各スピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報は、例えば、黒丸と黒丸に対応付けられたデバイス名である。表示画面50では、黒丸の位置は、スピーカ装置の設置位置を示す。また、黒丸それぞれに対応付けられたデバイス名は、黒丸によって位置が示されるスピーカ装置に含まれるデバイスのデバイス名を示す。また、表示画面50に含まれる90°の方向を示す情報は、例えば、黒丸それぞれに対応する矢印であり、表示画面50の下方向が南であることを示す。
【0072】
ユーザは、スピーカ装置200a~200dの設置状況と表示画面50とを比較することで、表示画面50に含まれる黒丸それぞれがスピーカ装置200a~200dのうちのいずれのスピーカ装置を示しているかを判別できる。例えば、表示画面50が図10に示したスピーカ装置の設置状況を示すものである場合、ユーザは、0°の方向と30°の方向と90°の方向とに黒丸がある左上の黒丸がスピーカ装置200aを示すと判別できる。そしてユーザは、スピーカ装置200aを示す左上の黒丸に対応するデバイス名が、スピーカ装置200aに含まれるデバイスのデバイス名であると判別できる。
【0073】
同様に、ユーザは、左下の黒丸がスピーカ装置200bを示し、右上の黒丸がスピーカ装置200cを示し、右下の黒丸がスピーカ装置200dを示すと判別できる。そして、ユーザは、スピーカ装置200b~200dそれぞれに含まれるデバイスのデバイス名を、スピーカ装置200b~200dそれぞれを示す黒丸に対応するデバイス名から判別できる。
【0074】
このように、出力部150は、表示画面50をモニタ21に表示させることで、スピーカ装置200a~200dそれぞれに含まれるデバイスのデバイス名をユーザに通知することができる。
【0075】
なお、各スピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報は、第1の実施の形態に示した、第1制御情報に基づく情報の一例である。また、他のスピーカ装置それぞれのデバイス名を示す情報は、第1の実施の形態に示した、第2制御情報に基づく情報の一例である。また、90°の方向を示す情報は、第1の実施の形態に示した、所定の方角を示す情報の一例である。
【0076】
以下、相対位置関係特定処理の手順について、詳細に説明する。
図12は、相対位置関係特定処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0077】
[ステップS11]制御情報生成部130は、ホストコンピュータ100に接続されているデバイスのうち、スピーカ装置200a~200dに含まれるデバイスを探索する。例えば、制御情報生成部130は、スピーカ装置200a~200dのマイク、スピーカ、水平モータおよび垂直モータそれぞれの型番を有するデバイスを探索する。
【0078】
[ステップS12]制御情報生成部130は、探索されたデバイスのデバイス名と探索されたデバイスが接続されているハブの識別情報(ハブ識別情報)とを含むデバイス情報を取得する。例えば、制御情報生成部130は、ステップS11で探索されたデバイス(探索されたデバイスの制御部でもよい)から、デバイス名と接続されているハブの識別情報とを取得する。
【0079】
[ステップS13]制御情報生成部130は、ホストコンピュータ100に接続されているデバイスの探索が完了したか否かを判定する。制御情報生成部130は、ホストコンピュータ100に接続されているデバイスの探索が完了したと判定した場合、処理をステップS14に進める。また、制御情報生成部130は、ホストコンピュータ100に接続されているデバイスの探索が完了していないと判定した場合、処理をステップS11に進める。
【0080】
[ステップS14]制御情報生成部130は、ハブ識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて制御情報リスト121を生成する。例えば、制御情報生成部130は、ステップS12で取得したデバイス情報のうち、ハブ識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて、制御情報を生成する。制御情報生成部130は、生成した制御情報を制御情報リスト121に登録する。
【0081】
[ステップS15]マッピング部140は、制御情報リスト121から制御情報を選択する。
[ステップS16]マッピング部140は、ステップS15で選択した制御情報(選択制御情報)によって制御されるスピーカ装置(基準スピーカ装置)に対する、他のスピーカ装置の相対位置をマッピングする。相対位置マッピング処理の詳細については後述する(図13参照)。
【0082】
[ステップS17]マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報それぞれに対応するスピーカ装置をすべてマッピングしたか否かを判定する。マッピング部140は、スピーカ装置をすべてマッピングしたと判定した場合、処理をステップS18に進める。また、マッピング部140は、マッピングしていないスピーカ装置が残っていると判定した場合、処理をステップS15に進める。
【0083】
[ステップS18]出力部150は、マッピングしたスピーカ装置の位置関係と、マッピングしたスピーカ装置それぞれに対応するデバイス名と、90°の方向とをモニタ21に表示させる。例えば、出力部150は、表示画面50をモニタ21に表示させる。
【0084】
このように、まず、制御情報生成部130がハブ識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて、制御情報リスト121を生成することで、マッピング部140は、スピーカ装置ごとの制御ができるようになる。そして、マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報それぞれに対応するスピーカ装置をマッピングする。出力部150は、マッピング部140によるマッピング結果をモニタ21に表示させる。
【0085】
これにより、ユーザは、スピーカ装置200a~200dの設置状況とモニタ21に表示されたマッピング結果とを比較することで、スピーカ装置200a~200dそれぞれに含まれるデバイスのデバイス名を判別できる。すると、ユーザは、APIを用いてホストコンピュータ100にスピーカ装置200a~200dのいずれかを制御させる場合、制御したいスピーカ装置のデバイス名を適切に指定できる。このように、出力部150は、スピーカ装置200a~200dそれぞれに含まれるデバイスのデバイス名をユーザに通知することで、ユーザによる制御するデバイスの指定を容易にすることができる。
【0086】
また、出力部150がモニタ21に表示させるマッピング結果には、90°の方向を示す情報が含まれる。これにより、出力部150は、スピーカ装置200a~200dが点対称に近い位置関係で設置されている場合であっても、スピーカ装置200a~200dの設置状況とモニタ21に表示されたマッピング結果との対応関係をユーザに理解させることができる。
【0087】
図13は、相対位置マッピング処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]マッピング部140は、選択制御情報に基づいて、選択制御情報によって制御されるスピーカ装置(基準スピーカ装置)の水平モータと垂直モータとを回転させ、水平モータの回転角度と垂直モータの回転角度とを0°にさせる。例えば、マッピング部140は、制御情報リスト121を参照し、選択制御情報のデバイス名の欄に含まれる水平モータのデバイス名と垂直モータのデバイス名とを取得する。そして、マッピング部140は、取得したデバイス名の水平モータと垂直モータとに、回転角度が0°になるように回転するよう命令する。
【0088】
[ステップS22]マッピング部140は、選択制御情報に基づいて、基準スピーカ装置のスピーカからサンプル音声を再生させる。例えば、マッピング部140は、制御情報リスト121を参照し、選択制御情報のデバイス名の欄に含まれるスピーカのデバイス名を取得する。そして、マッピング部140は、取得したデバイス名のスピーカに、サンプル音声を再生するよう命令する。
【0089】
[ステップS23]マッピング部140は、制御情報リスト121に登録された制御情報のうちの選択制御情報以外のすべての制御情報(他の制御情報)それぞれに基づいて、他のスピーカ装置それぞれのマイクから音を取得させる。例えば、マッピング部140は、制御情報リスト121を参照し、選択制御情報以外の制御情報のデバイス名の欄に含まれるマイクのデバイス名を取得する。そして、マッピング部140は、取得したデバイス名のマイクそれぞれに、音を取得するよう命令する。
【0090】
[ステップS24]マッピング部140は、選択制御情報に基づいて、基準スピーカ装置の水平モータを所定の角度だけ回転させてから停止させる。例えば、マッピング部140は、制御情報リスト121を参照し、選択制御情報のデバイス名の欄に含まれる水平モータのデバイス名を取得する。そして、マッピング部140は、取得したデバイス名の水平モータに、所定の角度だけ回転し停止するよう命令する。
【0091】
[ステップS25]マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度が360°であるか否かを判定する。マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度が360°であると判定した場合、処理をステップS26に進める。また、マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度が360°ではないと判定した場合、処理をステップS22に進める。
【0092】
[ステップS26]マッピング部140は、他のスピーカ装置のうち、マイクが取得した最大音量が閾値以下のものをマッピング対象から除外する。
[ステップS27]マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と他のスピーカ装置それぞれのマイクが取得した音量との対応関係に基づいて、他のスピーカ装置それぞれの、基準スピーカ装置に対する相対的な位置を特定し、マッピングする。例えば、マッピング部140は、他のスピーカ装置のうちのあるスピーカ装置のマイクが取得した音量が、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度がθのときに最大になった場合、当該スピーカ装置の位置が基準スピーカ装置から角度θの方向であると特定する。同様に、マッピング部140は、他のスピーカ装置のうちのステップS26で除外したスピーカ装置以外のスピーカ装置の、基準スピーカ装置からの方向を特定する。
【0093】
このように、マッピング部140は、基準スピーカ装置のスピーカに、基準スピーカ装置の水平モータを回転させることで向きを変えながら音を出力させ、他のスピーカ装置のマイクに音を取得させる。そして、マッピング部140は、他のスピーカ装置それぞれの基準スピーカ装置に対する相対位置が、マイクが取得した音量が最大になったときの基準スピーカ装置の水平モータの回転角度の方向であると特定する。これにより、マッピング部140は、設置されたスピーカ装置の相対的な位置関係をマッピングできる。
【0094】
ここで、マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータを所定の角度だけ回転させて停止させ、基準スピーカ装置のスピーカに音を出力させることを繰り返す。これにより、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と、他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との対応付けの精度が向上するため、マッピング部140は、他のスピーカ装置を精度良くマッピングできる。
【0095】
なお、マッピング部140は、他のスピーカ装置のうち、マイクが取得した最大音量が閾値以下のものをマッピング対象から除外する。マッピング対象から除外されたスピーカ装置がある場合、マッピング部140は、選択制御情報を選びなおして、図13に示した相対位置マッピング処理をする。これにより、マッピング部140は、基準スピーカ装置から音が届かない位置にあるスピーカ装置をマッピングできる。
【0096】
第2の実施の形態の情報処理システムによれば、ホストコンピュータ100のマッピング部140は、選択制御情報に基づいて、基準スピーカ装置の水平モータを回転させて基準スピーカ装置のスピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。マッピング部140は、他の制御情報に基づいて、他のスピーカ装置のマイクに基準スピーカ装置のスピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させる。マッピング部140は、複数の向きそれぞれと基準スピーカ装置のスピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させているときに他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との対応関係に基づいて、他のスピーカ装置の基準スピーカ装置に対する相対位置を特定する。
【0097】
これにより、ホストコンピュータ100は、基準スピーカ装置に対する他のスピーカ装置の相対位置とスピーカ装置200a~200dの設置位置とをユーザに比較させることができる。そして、ユーザは、制御情報それぞれがスピーカ装置200a~200dのうちのいずれのスピーカ装置を制御するための情報であるか判別できる。よって、ホストコンピュータ100は、制御するデバイスの指定を容易にすることができる。
【0098】
また、スピーカ装置200a~200dでは、マイクと、スピーカと、モータとは、スピーカ装置ごとに共通のハブに接続される。制御情報生成部130は、スピーカ装置200a~200dから、複数のマイクごと、複数のスピーカごとおよび複数のモータごとの、デバイス名と、接続されたハブのハブ識別情報とを含むデバイス情報を取得する。そして、制御情報生成部130は、ハブ識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて制御情報リスト121を生成する。これにより、ホストコンピュータ100はスピーカ装置200a~200dごとの制御ができるようになる。
【0099】
また、マッピング部140は、基準スピーカ装置の水平モータを所定の角度だけ回転させてから止めることで基準スピーカ装置のスピーカの向きを変え、基準スピーカ装置のスピーカに音を出力させることを繰り返す。そうすることで、マッピング部140は、基準スピーカ装置のスピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させる。これにより、ホストコンピュータ100は、基準スピーカ装置の水平モータの回転角度と、他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との対応付けの精度を向上させる。よって、ホストコンピュータ100は、他のスピーカ装置の基準スピーカ装置に対する相対位置を特定する精度を向上させることができる。
【0100】
また、スピーカ装置200a~200dは、モータの回転角度が90°の場合のスピーカの向きが南になるよう設置されている。出力部150は、他のスピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報と基準スピーカ装置に対応するデバイス名を示す情報と90°の方向を示す情報とを、他のスピーカ装置の基準スピーカ装置に対する相対位置に基づいてモニタ21に表示させる。これにより、ホストコンピュータ100は、スピーカ装置200a~200dが点対称に近い配置であっても、基準スピーカ装置と他のスピーカ装置とがスピーカ装置200a~200dのいずれのスピーカ装置に対応するかがユーザに分かるように通知できる。
【0101】
また、マッピング部140は、他のスピーカ装置のマイクが取得した音量が閾値以下の場合、選びなおした選択制御情報に基づいて、選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置のモータを回転させて、選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置のスピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させる。マッピング部140は、他の制御情報に基づいて、他のスピーカ装置のマイクに選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置のスピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させる。そして、マッピング部140は、他の複数の向きそれぞれと選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置のスピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときに他のスピーカ装置のマイクが取得した音量との対応関係に基づいて、他のスピーカ装置の選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置に対する相対位置を特定する。これにより、ホストコンピュータ100は、基準スピーカ装置のスピーカから音が届かないスピーカ装置の、選びなおした選択制御情報によって制御されるスピーカ装置に対する相対位置を特定できる。
【0102】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1a,1b,・・・ スピーカ装置
10 情報処理装置
11 記憶部
11a,11b,・・・ 制御情報
12 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクと、パラメトリックスピーカであるスピーカと、前記スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて前記第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、前記第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、前記複数の向きそれぞれと前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する処理部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記マイクと、前記スピーカと、前記モータとは、前記スピーカ装置ごとに共通の親デバイスに接続され、
前記処理部は、複数の前記スピーカ装置から、複数の前記マイクごと、複数の前記スピーカごとおよび複数の前記モータごとの、デバイスを制御するための情報と、接続された前記親デバイスの識別情報とを含むデバイス情報を取得し、前記親デバイスの識別情報が共通のデバイス情報を組み合わせて前記制御情報を生成する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1モータを所定の角度だけ回転させてから止めることで前記第1スピーカの向きを変え、前記第1スピーカに音を出力させることを繰り返すことで、前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させる、
請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記スピーカ装置は、前記モータの回転角度が所定値の場合の前記スピーカの向きが所定の方角になるよう設置され、
前記処理部は、前記第2制御情報に基づく情報と前記第1制御情報に基づく情報と前記所定の方角を示す情報とを、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置に基づいて表示装置に表示させる、
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2マイクが取得した音の強度が閾値以下の場合、前記第1制御情報および前記第2制御情報以外の第3制御情報に基づいて、第3スピーカ装置の第3モータを回転させて前記第3スピーカ装置の第3スピーカに他の複数の向きそれぞれで音を出力させ、前記第2制御情報に基づいて、前記第2マイクに前記第3スピーカに前記他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、前記他の複数の向きそれぞれと前記第3スピーカに前記他の複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第3スピーカ装置に対する相対位置を特定する、
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
マイクと、パラメトリックスピーカであるスピーカと、前記スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて前記第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、
前記第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、
前記複数の向きそれぞれと前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項7】
マイクと、パラメトリックスピーカであるスピーカと、前記スピーカを回転させるモータとを有する複数のスピーカ装置と、
複数の前記スピーカ装置それぞれを制御するための制御情報のうちの第1制御情報に基づいて、第1スピーカ装置の第1モータを回転させて前記第1スピーカ装置の第1スピーカに複数の向きそれぞれで音を出力させ、前記第1制御情報以外の第2制御情報に基づいて、第2スピーカ装置の第2マイクに前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときの音を取得させ、前記複数の向きそれぞれと前記第1スピーカに前記複数の向きそれぞれで音を出力させているときに前記第2マイクが取得した音の強度との対応関係に基づいて、前記第2スピーカ装置の前記第1スピーカ装置に対する相対位置を特定する情報処理装置と、
を有する情報処理システム。