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特開2022-41018ウェットティシュー包装体用キャップ及びウェットティシュー包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041018
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】ウェットティシュー包装体用キャップ及びウェットティシュー包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 53/02 20060101AFI20220304BHJP
   B65D 33/16 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
B65D53/02
B65D33/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146017
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
【テーマコード(参考)】
3E064
3E084
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA22
3E064BC16
3E064EA10
3E064FA01
3E064HM01
3E064HN65
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB09
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DC03
3E084FA06
3E084FB02
3E084GA04
3E084GB04
3E084GB12
3E084HA03
3E084HB09
3E084HC03
3E084HD03
3E084HD04
3E084LB02
(57)【要約】
【課題】収納性、携帯性、及び経済性に優れるコンパクトな構造であり、蓋の着脱が容易でありながら、高い密閉性を維持できるウェットティシュー包装体用キャップ、及びこれを用いたウェットティシュー包装体を提供すること。
【解決手段】ウェットティシューRを収納する包装袋W1に着脱可能なウェットティシュー包装体用キャップ10であり、包装袋W1の開口の内側周縁に配置される差込部111と、差込部111の天面に設けられた天面部110と、を有する蓋体11と、包装袋W1の開口の外側周縁に配置される蓋受け部12と、を備え、蓋体11の差込部111と蓋受け部12との間に包装袋W1の開口の周縁を配置した状態で、蓋受け部12を蓋体11の差込部111に取りつけるウェットティシュー包装体用キャップ10を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットティシューを収納し、その天面に前記ウェットティシューを出し入れ可能な開口を有する包装袋に、着脱可能なウェットティシュー包装体用キャップであり、
前記ウェットティシュー包装体用キャップは、
前記包装袋の前記開口の内側周縁に配置される差込部と、前記差込部の天面に設けられた前記ウェットティシューを取り出す取出し口を有する天面部と、を有する蓋体と、
前記包装袋の前記開口の外側周縁に配置される、前記蓋体と別体の蓋受け部と、
を備え、
前記蓋体の前記差込部と前記蓋受け部との間に前記包装袋の前記開口の周縁を配置した状態で、前記蓋受け部を前記蓋体の前記差込部に取りつけることにより、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着され、
前記蓋体の前記差込部から前記蓋受け部を取り外すことにより、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記開口の前記周縁を開放することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋から取り外される、
ウェットティシュー包装体用キャップ。
【請求項2】
前記蓋体の前記差込部は、その外周面にネジ面を備え、
前記蓋受け部は、その内周面に前記蓋体の前記ネジ面と螺合可能なネジ面を備え、
前記差込部の前記ネジ面と前記蓋受け部の前記ネジ面との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記差込部の前記ネジ面と前記蓋受け部の前記ネジ面とが互いに螺合することによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、
請求項1に記載のウェットティシュー包装体用キャップ。
【請求項3】
前記蓋体の前記差込部は、その外周面に凹溝を備え、
前記蓋受け部は、その内周面に前記蓋体の前記凹溝に嵌合可能な嵌合凸部を備え、
前記差込部の前記凹溝と前記蓋受け部の前記嵌合凸部との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記蓋受け部の前記嵌合凸部が前記蓋受け部の前記凹溝に嵌め込まれることによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、
請求項1に記載のウェットティシュー包装体用キャップ。
【請求項4】
前記蓋受け部は、内周面が前記蓋体の前記差込部の外周面と嵌着可能な弾性部材から形成され、上面視において2つの開放端部を有しており、
前記蓋受け部と前記差込部との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記蓋受け部の前記内周面が前記差込部の前記外周面に当接するように装着されると、前記2つの前記開放端部が互いに接近する方向に付勢されて、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に嵌着されることによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、
請求項1に記載のウェットティシュー包装体用キャップ。
【請求項5】
前記蓋受け部は、上面視において中空環状のリング状部材であり、縦断面視においてその内径が一方端部から他方端部に向けて縮径しているテーパーが付けられた内周面を有しており、
前記蓋受け部の前記内周面が、前記差込部との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記差込部の外周面に当接すると、前記内周面の前記縮径によって、前記蓋受け部の前記内周面が前記差込部の前記外周面を押圧して抜け止めされることによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、
請求項1に記載のウェットティシュー包装体用キャップ。
【請求項6】
前記ウェットティシューが収納された前記包装袋と、
前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記包装袋に装着された請求項1~5のいずれか一項に記載のウェットティシュー包装体用キャップと、
を備える、ウェットティシュー包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティシュー包装体用キャップ及びウェットティシュー包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティシュー製品には、不織布等の原反をポップアップ可能に積層した積層体や、ロール状に巻き取ったロール体があり、これらをプラスチックフィルム製の包装袋(ガゼット袋、ピロー袋等)やプラスチック製の容器(ボトル)等に収納して使用する。例えば、ウェットティシューのロール体は、薬液を含浸したロール体を包装袋に封入した詰め替え用製品を、専用の容器に詰め替えて使うボトルタイプとして繰り返し使用できる。
【0003】
そして、近年では、ウェットティシュー製品の詰め替え用製品の包装袋をそのまま容器として使用することが試みられている。このようなウェットティシュー包装体に関するものとして、例えば、特許文献1には、硬質蓋部のネジ筒のネジ面とこのネジ筒とネジ嵌合する硬質蓋受け部のネジ面との間に、ウェットティシューを収容したスタンディングパウチタイプの軟包装袋の開口部を挟持して両ネジ面を互いにねじ込み嵌合し、スタンディングパウチ軟包装袋の開口部に硬質蓋部及び硬質蓋受けを着脱可能に固定したウェットティシュー包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-261047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したボトルタイプ等のウェットティシュー包装体の場合、その容器は、比較的硬質であるものや、比較的大きいものが多いため、外出時の携帯に適していない。このように、従来のウェットティシュー包装体は、収納性及び携帯性について改良の余地がある。さらに、ウェットティシュー包装体の使用において、詰め替え用ボトルを用いる場合、このようなボトルを別途用意しなければならないため、経済性に劣る。そして、これにウェットティシューを詰め替えなければならないため、煩雑である。このようなことから、収納性、携帯性、及び経済性に優れ、コンパクトな構造であるウェットティシュー包装体が求められている。
【0006】
また、ウェットティシューを取出し口から取り出そうとした際に、誤ってウェットティシューが容器の中に落ちてしまった場合、ウェットティシューを容器から取り出すには、蓋を包装袋から一旦取り外さなければならない。そして、ウェットティシューを容器から取り出した後は、再び蓋を容器に装着しなければならない。このような使用時の不具合を踏まえると、蓋を容易に着脱できるウェットティシュー包装体が求められている。
【0007】
一方で、収納するウェットティシューが乾燥したり、ウェットティシューに含浸されている薬液が揮発したりすることなく、高い密閉性を維持できることが、ウェットティシュー包装体には求められている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、収納性、携帯性、及び経済性に優れるコンパクトな構造であり、蓋の着脱が容易でありながら、高い密閉性を維持できるウェットティシュー包装体用キャップ、及びこれを用いたウェットティシュー包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、ウェットティシューを収納し、その天面にウェットティシューを出し入れ可能な開口を有する包装袋に、着脱可能なウェットティシュー包装体用キャップであり、ウェットティシュー包装体用キャップは、包装袋の開口の内側周縁に配置される差込部と、差込部の天面に設けられたウェットティシューを取り出す取出し口を有する天面部と、を有する蓋体と、包装袋の開口の外側周縁に配置される、蓋体と別体の蓋受け部と、を備え、蓋体の差込部と蓋受け部との間に包装袋の開口の周縁を配置した状態で、蓋受け部を蓋体の差込部に取りつけることにより、蓋体の差込部と、蓋受け部とが、包装袋の開口の周縁を挟持することによって、ウェットティシュー包装体用キャップが包装袋に装着され、蓋体の差込部から蓋受け部を取り外すことにより、蓋体の差込部と、蓋受け部とが、開口の周縁を開放することによって、ウェットティシュー包装体用キャップが包装袋から取り外される構成とすることに知見を得て、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0011】
(1)
ウェットティシューを収納し、その天面に前記ウェットティシューを出し入れ可能な開口を有する包装袋に、着脱可能なウェットティシュー包装体用キャップであり、前記ウェットティシュー包装体用キャップは、前記包装袋の前記開口の内側周縁に配置される差込部と、前記差込部の天面に設けられた前記ウェットティシューを取り出す取出し口を有する天面部と、を有する蓋体と、前記包装袋の前記開口の外側周縁に配置される、前記蓋体と別体の蓋受け部と、を備え、前記蓋体の前記差込部と前記蓋受け部との間に前記包装袋の前記開口の周縁を配置した状態で、前記蓋受け部を前記蓋体の前記差込部に取りつけることにより、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着され、前記蓋体の前記差込部から前記蓋受け部を取り外すことにより、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記開口の前記周縁を開放することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋から取り外される、ウェットティシュー包装体用キャップである。
(2)
前記蓋体の前記差込部は、その外周面にネジ面を備え、前記蓋受け部は、その内周面に前記蓋体の前記ネジ面と螺合可能なネジ面を備え、前記差込部の前記ネジ面と前記蓋受け部の前記ネジ面との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記差込部の前記ネジ面と前記蓋受け部の前記ネジ面とが互いに螺合することによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、(1)に記載のウェットティシュー包装体用キャップである。
(3)
前記蓋体の前記差込部は、その外周面に凹溝を備え、前記蓋受け部は、その内周面に前記蓋体の前記凹溝に嵌合可能な嵌合凸部を備え、前記差込部の前記凹溝と前記蓋受け部の前記嵌合凸部との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記蓋受け部の前記嵌合凸部が前記蓋受け部の前記凹溝に嵌め込まれることによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、(1)に記載のウェットティシュー包装体用キャップである。
(4)
前記蓋受け部は、内周面が前記蓋体の前記差込部の外周面と嵌着可能な弾性部材から形成され、上面視において2つの開放端部を有しており、前記蓋受け部と前記差込部との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記蓋受け部の前記内周面が前記差込部の前記外周面に当接するように装着されると、前記2つの前記開放端部が互いに接近する方向に付勢されて、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に嵌着されることによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、(1)に記載のウェットティシュー包装体用キャップである。
(5)
前記蓋受け部は、上面視において中空環状のリング状部材であり、縦断面視においてその内径が一方端部から他方端部に向けて縮径しているテーパーが付けられた内周面を有しており、前記蓋受け部の前記内周面が、前記差込部との間に前記包装袋の前記開口の前記周縁が配置された状態で、前記差込部の外周面に当接すると、前記内周面の前記縮径によって、前記蓋受け部の前記内周面が前記差込部の前記外周面を押圧して抜け止めされることによって、前記蓋受け部が前記蓋体の前記差込部に取りつけられ、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記ウェットティシュー包装体用キャップが前記包装袋に装着される、(1)に記載のウェットティシュー包装体用キャップである。
(6)
前記ウェットティシューが収納された前記包装袋と、前記蓋体の前記差込部と、前記蓋受け部とが、前記包装袋の前記開口の前記周縁を挟持することによって、前記包装袋に装着された(1)~(5)のいずれかに記載のウェットティシュー包装体用キャップと、を備える、ウェットティシュー包装体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、収納性や携帯性に優れるコンパクトな構造であり、蓋の着脱が容易であるウェットティシュー包装体用キャップ、及びこれを用いたウェットティシュー包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの装着を説明する斜視図である。
図2図2は、図1のウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の断面模式図である。
図4図4は、第2実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の断面模式図である。
図5図5は、第2実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの蓋受け部の斜視図である。
図6図6は、第3実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの装着を説明する斜視図である。
図7図7は、図6のウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の斜視図である。
図8図8は、第4実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの装着を説明する斜視図である。
図9図9は、第4実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの蓋受け部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0015】
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0016】
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
【0017】
図1は、第1実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの装着を説明する斜視図であり、図2は、図1のウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の斜視図であり、図3は、第1実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の断面模式図である。
【0018】
ウェットティシュー包装体1は、ウェットティシューRを収納し、その天面にウェットティシューを出し入れ可能な開口を有する包装袋W1に、ウェットティシュー包装体用キャップ10を装着したものである。そして、ウェットティシュー包装体用キャップ10は、包装袋W1に着脱することができる。
【0019】
(包装袋W1)
【0020】
包装袋W1は、その天面に設けられた開口からウェットティシューRを出し入れする。包装袋W1の包装形式は、ウェットティシューRを収納できるものであればよく、特に限定されない。例えば、紙製品を含む内容物の包装袋用に用いられている公知の包装形式等を採用することもできる。
【0021】
本実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップ10は、包装袋W1の包装形式による制限を受けず、幅広い種類の包装形式に対応可能である。このような観点から、使用可能な包装袋W1の包装形式としては、例えば、ガゼット袋、ピロー袋、合掌袋、三方袋、スタンド袋等が挙げられる。これらの中でも、袋の側面や底面にマチ(折り込み)を設けることにより、袋の厚みや自立を確保できるといった利点を有するガゼット袋、袋の自立を確保できるといった利点を有するスタンド袋、1枚の原反フィルムを背中合わせでシールする等の簡便な手法によって製造できるといった利点を有するピロー袋等を好適に選択することができる。
【0022】
包装袋W1の材料は、特に限定されないが、ウェットティシューRに含浸させる薬液の揮発を防止できる程度の密閉性を有するとともに、ウェットティシュー包装体用キャップ10を装着する際に破れない程度の強度を有するものであることが好ましい。このような観点から、例えば、プラスチックを含むフィルム(プラスチックフィルム)製の包装袋W1であることが好ましく、軟質のプラスチックフィルム製の包装袋W1であることがより好ましい。かかるプラスチックフィルムを用いて包装袋W1を製袋する場合、原反フィルムを所望の包装形式となるよう袋状に加工する手法を採用することができる。
【0023】
プラスチックフィルムの構成は特に限定されず、単層フィルムであってもよいし、2層以上の複層フィルムであってもよい。例えば、シーラントとしては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)等が好ましい。バリア層としては、アルミ、アルミ蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)、透明蒸着PET、アルミ蒸着LLDPE等が好ましい。さらに、最外層に、美粧性や耐傷性を向上させる観点から、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることが好ましい。積層フィルムの好適な具体例としては、上述した密閉性及び強度の観点から、OPP/アルミ蒸着PET/LLDPE、PET/アルミ蒸着PET/LLDPE等が挙げられる。
【0024】
ウェットティシューRは、不織布等に薬液を含浸させたものを使用できる。薬液としては、ウェットティシューRに使用可能なものであればよく、特に限定されないが、例えば、エタノール等のアルコール類、除菌剤、抗菌剤、メントール等の清涼剤等が挙げられる。
【0025】
ウェットティシューRは、ウェットティシュー包装体用キャップ10の取出し口114から取り出し可能な形状であればよい。例えば、シート状に積層したウェットティシューRの積層体、ロール状に巻き取られたウェットティシューRのロール体等が挙げられる。これらの中でも、連続して取り出すことが容易である観点から、ウェットティシューRのロール体であることが好ましい。ロール体の場合、包装袋W1の開口からウェットティシューRのロール体を内部に入れて収納する。そして、ウェットティシューRのロール体の端部を把持し、取出し口114に引き出して、ウェットティシュー包装体用キャップ10を包装袋W1の開口にセットして使用する。なお、図示はしないが、ロール体には、1回あたりの使用分を切り取ることができるよう、ミシン目を連続形成してもよい。
【0026】
包装袋W1の具体例として、以下のような使用も可能である。ウェットティシューRのロール体の詰め替え用品として、プラスチックフィルムの包装袋W1にウェットティシューRのロール体が充填されたものが市販又は汎用されている。この包装袋W1は、ウェットティシューRのロール体の軸方向の一方の面(天面)を開口させて使用するが、その反対側の面(底面)を設置面に設置すると、軸方向が垂直方向となるよう自立させることができる。よって、このような市販又は汎用されている詰め替え用製品の包装袋を、包装袋W1としてそのまま使用することができる。この場合、詰め替え用製品の包装袋W1を開封し、その開口にウェットティシュー包装体用キャップ10を装着すれば、自立可能であり、長期にわたりウェットティシューRを密閉保存することも可能なウェットティシュー包装体1とすることができる。よって、従来使用されている詰め替え用ボトル等を別途用意しなくてもよいため、簡便である。さらには、携帯性、収納性、及び経済性にも優れる。
【0027】
(ウェットティシュー包装体用キャップ10)
【0028】
ウェットティシュー包装体用キャップ10は、蓋体11と、蓋体11とは別体の蓋受け部12とから構成される。蓋体11は、包装袋W1の開口の内側周縁に配置される差込部111と、差込部111の天面に設けられたウェットティシューRを取り出す取出し口114を有する天面部110とを有する。蓋体11は、包装袋W1の開口の内側周縁に配置され、蓋受け部12は、包装袋W1の開口の外側周縁に配置される。
【0029】
本実施形態によれば、包装袋W1の開口の周縁を、蓋体11が内側から、蓋受け部12が外側から、それぞれ挟持することにより、包装袋W1の開口を強固に封止し、密閉性を維持することができる。これにより、薬液の揮発等を防止できる。
【0030】
蓋体11は、包装袋W1の開口を封止する天面部110と、天面部110から下方に延設された差込部111とを備えている。天面部110の表面には、ウェットティシューRを取り出すための取出し口114と、この取出し口114を封止する開閉蓋113とが設けられている。使用時には、開閉蓋113を立ち上げることにより取出し口114を露出させ、そこからウェットティシューRを上方に(矢印F3参照)順次取り出すことができる(図2参照)。ウェットティシューRを取り出した後は、開閉蓋113を取出し口114の方向に倒すことにより、取出し口114を密閉部115によって封止することができる。開閉蓋113の開閉形式は、特に限定されず、例えば、ヒンジ型、スライド型等であってもよい。
【0031】
ウェットティシュー包装体用キャップ10を構成する部材(蓋体11、蓋受け部12等)の材料は、例えば、射出成型可能なプラスチックであれば使用可能であり、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等のプラスチックであることが好ましい。固すぎるプラスチックの場合、包装袋W1からウェットティシュー包装体用キャップを取り外す際に大きな力が必要となるため、固すぎないPP、PE等の熱可塑性プラスチックであることがより好ましい。また、バイオマス由来の樹脂、紙や木粉等のコンパウンドを使用及び併用することもできる。これら部材は、通常のプラスチックの射出成型に用いる公知の技術及び装置を用いて成型することができる。
【0032】
次に、包装袋W1にウェットティシュー包装体用キャップ10を取りつける(装着する)場合について説明する。蓋体11の差込部111と蓋受け部12との間に包装袋W1の開口の周縁を配置した状態で、蓋受け部12を蓋体11の差込部111に取りつけることにより、蓋体11の差込部111と、蓋受け部12とが、包装袋W1の開口の周縁を挟持する。このようにして、ウェットティシュー包装体用キャップ10が包装袋W1に装着される。
【0033】
続いて、上述した装着状態から、ウェットティシュー包装体用キャップ10を包装袋W1から取り外す場合について説明する。蓋体11の差込部111から蓋受け部12を取り外すことにより、蓋体11の差込部111と、蓋受け部12とが、開口の周縁を開放する。このようにして、ウェットティシュー包装体用キャップ10が包装袋W1から取り外される。
【0034】
差込部111と蓋受け部12とによって包装袋W1の開口の周縁を挟持する構成としては、例えば、差込部111と蓋受け部12とのネジ面による螺合(図1図3参照)以外にも、凹部と凸部とによる嵌合(図4図5参照)、弾性部材等を用いた嵌着(図6図7参照)、縮径部材等を用いた抜け止め(図8図9参照)、フック又は爪等による係合等を採用することができる。このような構成とすることにより、使用者は、特別な用具や接着剤等を用いることなく、包装袋W1にウェットティシュー包装体用キャップ10を自在に脱着できるため、簡便である。さらには、既存の包装袋W1をそのまま使用できる。
【0035】
第1実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップ10は、蓋体11の差込部111はその外周面にネジ面112を備え、蓋受け部12はその内周面に蓋体11のネジ面112と螺合可能なネジ面121を備える。蓋受け部12は、蓋受け部本体120と、ネジ面121とを備える。
【0036】
差込部111のネジ面112と蓋受け部12のネジ面121との間に、包装袋W1の開口の周縁が配置された状態で、差込部111のネジ面112と蓋受け部12のネジ面121とが互いに螺合することによって、蓋受け部12が蓋体11の差込部111に取りつけられる。これによって、蓋体11の差込部111と、蓋受け部12とが、包装袋W1の開口の周縁を挟持することができ、ウェットティシュー包装体用キャップ10を包装袋W1に装着することができる。
【0037】
さらに、図1に示すように、蓋体11の差込部111が筒状体であり、蓋受け部12が差込部111の筒状体の外側に螺合可能な中空環状体とすることにより、蓋受け部12を差込部111の外周面(ネジ面112)に沿って回転させることが可能となる(矢印F2参照)。なお、ここでいう中空環状とは、蓋体11の天面方向から見た場合(上面視)における形状をいう。蓋受け部12の環状中空領域を差込部111に挿入しつつ(矢印F1参照)、差込部111のネジ面112と蓋受け部12のネジ面121と螺合させることができる(図1参照)。その際、包装袋W1の開口をネジ面112とネジ面121の間に咬ませながら螺合させるため、より強い力で包装袋W1の開口の周縁を挟持することができる。その結果、包装袋W1の密閉性をより高く維持することができる。
【0038】
蓋体11の差込部111の外径は、包装袋W1の大きさを考慮して決定することができるが、例えば、20~120mmであることが好ましい。内径の上限は、100mm以下であることがより好ましく、80mm以下であることが更に好ましい。また、内径の下限は、30mm以上であることがより好ましく、40mm以上であることが更に好ましい。
【0039】
そして、蓋受け部12の内径は、蓋体11の差込部111の外径を考慮して決定することができるが、例えば、22~122mmであることが好ましい。外径の上限は、102mm以下であることがより好ましく、82mm以下であることが更に好ましい。また、外径の上限は、32mm以上であることがより好ましく、42mm以上であることが更に好ましい。
【0040】
さらに、差込部111のネジ面112及び蓋受け部12のネジ面121は、ネジ締めにより蓋受け部12が天面側(上方、矢印F1参照)に持ち上げられるように形成されていることが好ましい。ネジ面112,121をこのように配置することによって、ネジ締めによって包装袋W1の開口の周縁が蓋受け部12とともに上方に引き上げられるため、包装袋W1への装着がより容易となるとともに、包装袋W1の密閉性をより向上させることができる。
【0041】
図4は、第2実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の断面模式図であり、図5は、第2実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの蓋受け部の斜視図である。
【0042】
第2実施形態に係るウェットティシュー包装体2は、ウェットティシューRが収納された包装袋W1と、蓋体21の差込部211と蓋受け部22とが包装袋W1の開口の周縁を挟持することによって包装袋W1に装着されたウェットティシュー包装体用キャップ20とを備える。
【0043】
ウェットティシュー包装体用キャップ20は、蓋体21と、蓋体21とは別体の蓋受け部22とから構成される。蓋体21は、包装袋W1の開口の内側周縁に配置される差込部211と、差込部211の天面に設けられたウェットティシューRを取り出す取出し口214及び取出し口214の開閉蓋213を有する天面部210とを有する。そして、蓋体21の差込部211はその外周面に凹溝212を備え、蓋受け部22はその内周面に蓋体21の凹溝212に嵌合可能な嵌合凸部221を備える。
【0044】
差込部211の凹溝212と蓋受け部22の嵌合凸部221との間に、包装袋W1の開口の周縁が配置された状態で、蓋受け部22の嵌合凸部221が差込部211の凹溝212に嵌め込まれることによって、蓋受け部22が蓋体21の差込部211に取りつけられる。これによって、蓋体21の差込部211と、蓋受け部22とが、包装袋W1の開口の周縁を挟持することができ、ウェットティシュー包装体用キャップ20を包装袋W1に装着することができる。
【0045】
凹溝212の形状は、差込部211の外周側面において、その周方向に沿って延設されていることが好ましい。外周側面の周方向に沿って凹溝212が形成されていることにより、蓋体21の差込部211の外周側面の周方向において、広範囲にわたって凹溝212及び嵌合凸部221を嵌合させることができる。これによって、包装袋W1の開口の周縁の全周を強い力で挟持することができるため、包装袋W1の密閉性をより向上させることができる。このような観点から、凹溝212は、差込部211の外周側面において、周方向の全周に延設されていることがより好ましい。そして、嵌合凸部221は、蓋受け部22の蓋受け部本体220から内周側に向けて飛び出しており、凹溝212と嵌合する。
【0046】
凹溝212及び嵌合凸部221の断面形状は、互いに嵌合可能な形状であればよく、角溝、L型溝、アリ溝等を採用することができる。これらの中でも、脱落防止の観点から、凹溝212の断面形状は、断面視において逆ハの字状であるアリ溝形状であり、嵌合凸部221の断面形状は、かかる凹溝212の断面形状に対応する形状であることが好ましい。
【0047】
例えば、凹溝212及び嵌合凸部221の嵌合面の断面視において(図4参照)、凹溝212は、内周側に向けて広がるテーパー面を有する。そして、嵌合凸部221は、外周側に向けて狭まるテーパー面を有することが好ましい。図5に示すように、蓋受け部22の嵌合凸部221は、かかるテーパー面である凸部傾斜面222を有している。凹溝212及び嵌合凸部221の嵌合面が、このようなテーパー面であることにより、嵌合状態において嵌合凸部221が凹溝212から脱落することを効果的に防止することができる。
【0048】
そして、蓋体21の差込部211が筒状体であり、蓋受け部22が差込部211の筒状体の外側に嵌合する形状である場合、蓋受け部22は、上面視において2つの端部が開放されている(2つの開放端部を有する)略C字状であり、弾性部材から形成されていることが好ましい(図5参照)。このような蓋受け部22を用いることによって、蓋受け部22の嵌合凸部221が差込部211の凹溝212に装着されると、2つの開放端部が互いに接近する方向に付勢されて(矢印F4参照)、蓋受け部22が蓋体21の差込部211に嵌着される嵌着力が生じる。よって、凹溝212及び嵌合凸部221の嵌合力だけでなく、かかる嵌着力も加わることによって、蓋体21及び蓋受け部22が、より強い力で包装袋W1の開口の周縁を挟持することができ、ウェットティシュー包装体用キャップ20を包装袋W1に装着することができる。
【0049】
図6は、第3実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの装着を説明する斜視図であり、図7は、図6のウェットティシュー包装体用キャップを装着したウェットティシュー包装体の斜視図である。
【0050】
第3実施形態に係るウェットティシュー包装体3は、ウェットティシューRが収納された包装袋W2と、蓋体31の差込部311と蓋受け部32とが包装袋W2の開口の周縁を挟持することによって包装袋W2に装着されたウェットティシュー包装体用キャップ30とを備える。
【0051】
ウェットティシュー包装体用キャップ30は、蓋体31と、蓋体31とは別体の蓋受け部32とから構成される。蓋体31は、包装袋W2の開口の内側周縁に配置される差込部311と、差込部311の天面に設けられたウェットティシューRを取り出す取出し口(不図示)及びその開閉蓋312を有する天面部310とを有する。そして、ウェットティシュー包装体用キャップ30は、蓋受け部32が、その内周面320が蓋体31の差込部311と嵌着可能な弾性部材から形成され、上面視において2つの開放端部321,321を有する構成である。
【0052】
蓋受け部32と差込部311との間に包装袋W2の開口の周縁が配置された状態で、蓋受け部32の内周面320が、蓋体31の外周面である差込部311に当接するように装着されると、2つの開放端部321,321が互いに接近する方向(矢印F5参照)に付勢されて、蓋受け部32が蓋体31の差込部311に嵌着される。このようにして、蓋受け部32が蓋体31の差込部311に取りつけられる。そして、蓋体31の差込部311と、蓋受け部32とが、包装袋W2の開口の周縁を挟持することによって、ウェットティシュー包装体用キャップ30を包装袋W2に装着することができる。
【0053】
第3実施形態は、包装袋W2は、側面に折り込みのマチが設けられたガゼット袋である態様である。そして、包装袋W2は、その底面がマチにより折り曲げ可能な矩形状である。
【0054】
蓋体31は、包装袋W2の開口の密閉性を高める観点から、上面視において矩形状であることが好ましく、上面視において包装袋W2の底面に対応した矩形状であることがより好ましい(図6参照)。ウェットティシュー包装体用キャップ30の蓋体31は、六面体形状(直方体形状又は立方体形状)であり、天面部310は、六面体形状の上面を構成し、差込部311は、六面体形状の側面を構成する。この場合、天面部310である六面体形状の上面には、開閉蓋312が設けられており、差込部311である六面体形状の側面に、ガゼット袋である包装袋W2の開口の周縁を密着させて、包装袋W2にウェットティシュー包装体用キャップ30を装着する。
【0055】
蓋受け部32は、上述した蓋体31の形状に対応する形状であることが好ましい。このように対応する形状とすることによって、蓋受け部32が差込部311に面で接するので、よりしっかりと嵌着することができる。具体的には、上面視において、略コの字状又は略Cの字状等であることが好ましい。例えば、蓋受け部32が上面視において略コの字状である場合、蓋受け部32を蓋体31の差込部311(六面体形状の側面)に装着すると、2つの開放端部321,321が互いに接近する方向(矢印F5)に付勢され、嵌着させることができる。
【0056】
ここでは、一例として、包装袋W2の底面が矩形状であるガゼット袋であり、蓋体31及び蓋受け部32がかかる矩形状に対応する形状である態様について説明したが、矩形状に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、包装袋W2の底面が略円形状である場合、蓋体31の差込部311及び蓋受け部32がかかる略円形状に対応した筒状体としてもよい。このような筒状体である場合、蓋受け部32は、上面視において略Cの字状とすることが好ましい。
【0057】
図8は、第4実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの装着を説明する斜視図であり、図9は、第4実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップの蓋受け部の斜視図である。
【0058】
第4実施形態に係るウェットティシュー包装体4は、ウェットティシューRが収納された包装袋W1と、蓋体41の差込部411と蓋受け部42とが包装袋W1の開口の周縁を挟持することによって包装袋W1に装着されたウェットティシュー包装体用キャップ40とを備える。
【0059】
ウェットティシュー包装体用キャップ40は、蓋体41と、蓋体41とは別体の蓋受け部42とから構成される。蓋体41は、包装袋W1の開口の内側周縁に配置される差込部411と、差込部411の天面に設けられたウェットティシューRを取り出す取出し口414及び取出し口414の開閉蓋413を有する天面部410とを有する。そして、ウェットティシュー包装体用キャップ40は、蓋受け部42が、上面視において中空環状のリング状部材であり、縦断面視においてその内径が一方端部(天面側)から他方端部(底面側)に向けて縮径しているテーパーが付けられた内周面421を有する構成である。
【0060】
蓋受け部42の内周面421と差込部411との間に、包装袋W1の開口の周縁が配置された状態で、蓋受け部42の内周面421が差込部411の外周面412に当接すると、内周面421の縮径によって、蓋受け部42の内周面421が差込部411の外周面412を押圧して抜け止めされる。これによって、蓋受け部42が蓋体41の差込部411に取りつけられる。そして、蓋体41の差込部411と、蓋受け部42とが、包装袋W1の開口の周縁を挟持することによって、ウェットティシュー包装体用キャップ40が包装袋W1に装着することができる。
【0061】
蓋受け部42は、蓋体41の差込部411への挿入方向(天面方向、矢印F1参照)に向けて末広がりとなるテーパーが付された内周面421を有する。上面視において、蓋受け部42の天面側である上端面422の中空環状の内径d1は、蓋受け部42の底面側である下端面423の中空環状の内径d2よりも大きい(d1>d2)。蓋受け部42をこのような状態で、蓋体41の差込部411に挿入することにより、内径が縮径することにより抜け止めさせることができる。
【0062】
抜け止めの効果を一層向上させることができ、蓋体41の差込部411と、蓋受け部42とが、包装袋W1の開口の周縁を更にしっかりと挟持することができるようにする観点から、内径d1の大きさは、蓋体41の差込部411の外径を考慮して決定することができる。そして、内径d2の大きさは、蓋体41の差込部411の外径を考慮して決定することができる。さらに、内径d1に対する内径d2の比率(d2/d1)も、同様の観点から適宜決定することができる。
【0063】
なお、蓋受け部42の外周面420は、テーパーが付されていなくてもよい。例えば、図8に示すように、縦断面視において、蓋受け部42を蓋体41に装着した状態において、蓋体41の外周面と段差が生じないよう、同じ位置となるようにすることができる。
【0064】
さらに、図8に示すように、差込部411の外周面412は、蓋受け部42の内周面421のテーパーと逆の方向にテーパーが付されていることが好ましい。すなわち、差込部411の外周面412は、天面から底面に向けて(矢印F1と反対方向)徐々に内側に傾斜していることが好ましい。よって、外周面412の外径については、天面側の外径よりも底面側の外径が小さくなっていることが好ましい。差込部411の外周面412をこのようなテーパー面とすることによって、上述した蓋受け部42の内周面421の抜け止めの効果を一層向上させることができる。
【0065】
さらに、図示はしないが、蓋体41及び蓋受け部42は、爪等の係止部材を設け、これによって係合させてもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係るウェットティシュー包装体1,2,3,4は、詰め替えに必要なボトルを別途用いることなく、ウェットティシューRの既存の包装袋をそのまま使用することができる。そして、ウェットティシュー包装体用キャップ10,20,30,40を用いることによって、ウェットティシューRの包装袋の開口を着脱可能にキャップすることができるが、接着剤等を用いる必要がない。本実施形態によれば、ウェットティシューRの包装袋の開口は、ウェットティシュー包装体用キャップ10,20,30,40を構成する蓋体11,21,31,41及び蓋受け部12,22,32,42によって、密閉状態を維持可能に簡便にキャップすることができる。このように、本実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップ10,20,30,40及びこれを用いたウェットティシュー包装体1,2,3,4は、携帯性、収納性、及び経済性に優れるとともに、高い密閉性を維持することができる。
【0067】
さらに、蓋体11,21,31,41が上述した取出し口を有することにより、本実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップ10,20,30,40及びこれを用いたウェットティシュー包装体1,2,3,4は、必要な枚数を必要なだけ容易に取り出すことができる。取り出しの際には、包装袋の外表(プラスチックフィルム等)を介してウェットティシューRを掴むことができるため、ウェットティシューRが飛び出すことを防ぐこともできる。さらに、ウェットティシューRを蓋体11,21,31,41の取出し口にセットすることが容易である点でも利便性に優れる。
【0068】
またさらに、例えば、フィルムパックにウェットティシューRが充填された詰め替え用製品に、本実施形態に係るウェットティシュー包装体用キャップ10,20,30,40を装着することで、携帯性及び収納性等が向上し、使用者の嗜好に合致した取り出し方法を選択することができ、ウェットティシューRのセットも容易なウェットティシュー包装体1,2,3,4とすることができる。
【符号の説明】
【0069】
1,2,3,4:ウェットティシュー包装体
10,20,30,40:ウェットティシュー包装体用キャップ
11,21,31,41:蓋体
12,22,32,42:蓋受け部
110,210,310,410:天面部
111,211,311,411:差込部
112:ネジ面
113,213,312,413:開閉蓋
114,214,414:取出し口
115:密閉部
120,220:蓋受け部本体
121:ネジ面
212:凹溝
221:嵌合凸部
222:凸部傾斜面
320,421:内周面
321:開放端部
412,420:外周面
422:上端面
423:下端面
W1,W2:包装袋
R:ウェットティシュー
d1,d2:内径
F1,F2,F3,F4,F5:矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9