IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 東京ウエルズの特許一覧

特開2022-41106ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法
<>
  • 特開-ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法 図1
  • 特開-ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法 図2
  • 特開-ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法 図3
  • 特開-ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法 図4
  • 特開-ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法 図5
  • 特開-ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041106
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】ワーク挿入安定化装置、ワーク挿入安定化方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 15/04 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
B65B15/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146141
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】小寺 克義
(57)【要約】
【課題】キャリアテープにワークを挿入する際に、ワークの挙動を安定化させて、キャリアテープのキャビティにワークを安定して挿入する。
【解決手段】ワーク挿入安定化装置20は、テーピング位置P2においてキャリアテープ10のキャビティ10aにワーク100を収容する。ワーク挿入安定化装置20は、基台30と、基台30上に設けられ、ワーク100を収容する複数の収容部40aを有するインデックステーブル40と、移動位置P1にある収容部40a及びテーピング位置P2に重なって設けられ、ガイド面51を有するテーピング部50と、テーピング位置P2に接続されたポンプ手段70と、を備える。基台30は、テーピング位置P2に重なる側が鉛直方向の下側となるように傾斜した傾斜面31を有する。基台30の傾斜面31及びテーピング部50のガイド面51は、移動位置P1からテーピング位置P2までのワーク経路Rを形成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーピング位置においてキャリアテープのキャビティにワークを挿入するワーク挿入安定化装置であって、
前記テーピング位置の側が鉛直方向の下側となるように傾斜した傾斜面を有する基台と、
前記基台上に設けられ、前記ワークを収容する複数の収容部を有し、前記傾斜面に沿って傾斜したインデックステーブルと、
移動位置にある前記収容部及び前記テーピング位置に重なって設けられ、ガイド面を有するテーピング部と、
前記キャビティを介して前記テーピング位置に接続されたポンプ手段と、を備え、
前記傾斜面及び前記ガイド面によって、前記移動位置から前記テーピング位置までのワーク経路が形成されており、
前記基台は、前記移動位置にある前記収容部から前記テーピング位置に前記ワークを放出するための空気を噴出する移動手段を有し、
前記インデックステーブルは、前記基台に対して回転可能であり、
前記インデックステーブルは、前記基台の側に前記ワークを磁化させる磁化プローブを有し、
前記テーピング位置に磁界を形成するように配置されたワーク挿入用磁石をさらに備え、
前記ワーク挿入用磁石は、前記テーピング位置より前記移動位置の側に配置された第1移動用磁石と、前記テーピング位置より前記移動位置の逆側に配置された第2移動用磁石と、を含み、
前記第1移動用磁石の前記第2移動用磁石に対向する側の磁極は、前記第2移動用磁石の前記第1移動用磁石に対向する側の磁極と異なり、
前記テーピング位置に隣り合う位置において前記ワークが挿入された前記キャビティの鉛直方向の下側に配置され、当該キャビティに前記ワークを維持する搬送時ワーク保持用磁石をさらに備える、ワーク挿入安定化装置。
【請求項2】
前記移動手段は、空気を吸引可能である、請求項1に記載のワーク挿入安定化装置。
【請求項3】
前記傾斜面は、水平方向に対して20°以上40°以下の角度で傾斜している、請求項1または2に記載のワーク挿入安定化装置。
【請求項4】
前記基台は、前記移動位置に前記ワークを保持するためのワーク保持用磁石を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のワーク挿入安定化装置。
【請求項5】
前記ガイド面は、前記テーピング位置において、前記キャビティに平行な面を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のワーク挿入安定化装置。
【請求項6】
キャリアテープのキャビティをテーピング位置に配置する工程と、
インデックステーブルに設けられた収容部にワークを収容する工程と、
前記ワークを磁化させる工程と、
前記ワークを収容した前記収容部を移動位置に配置する工程と、
基台が有する傾斜面とテーピング部が有するガイド面とによって形成される、前記移動位置から前記テーピング位置までのワーク経路の空気を、前記キャビティを介して前記テーピング位置からポンプ手段によって吸引する工程と、
前記移動位置にある前記収容部から前記ワークを放出する工程と、
前記ワーク経路において前記ワークを移動させる工程と、
前記ワークが前記テーピング位置において、当該テーピング位置に形成された磁界によって前記キャビティに挿入される工程と、を備える、ワーク挿入安定化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク挿入安定化装置及びワーク挿入安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャリアテープに電子部品等の複数のワークを挿入するテーピング機構を有するテーピング装置が知られている。例えば特許文献1に記載されているようなテーピング機構によれば、ワークは、個別に搬送され、キャリアテープのキャビティに個別に挿入される。
【0003】
ワークが挿入されたキャリアテープの生産性を向上させるため、特許文献1に記載されているテーピングでは、ワークをエアブロー及び真空吸引で吹き飛ばして、キャリアテープ上の斜めになったガイドに当てることで、ワークを素早くキャビティに挿入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5282858号公報
【特許文献2】特開平1-226618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワークがキャリアテープのキャビティに挿入されるまでの間に、ワークに大きな衝撃が加わると、ワークに破損や故障等の不具合が生じてしまうことがある。不具合が生じたワークがキャリアテープに挿入されると、当該キャリアテープ自体が不良な製品となる。すなわち、ワークに不具合が生じると、テーピング装置によるワークを挿入したキャリアテープの生産性を悪化させてしまう。したがって、ワークをキャリアテープのキャビティに挿入する工程において、ワークに大きな衝撃を加えないようにすることが求められている。
【0006】
一方、特許文献1に記載されているテーピング機構では、ワークをエアブローで水平方向に吹き飛ばすことでキャリアテープのキャビティに挿入している。エアブローで水平方向に吹き飛ばされたワークは、キャビティまで安定した軌道で到達しにくい。このため、ワークは、吹き飛ばされる位置からキャビティまでの位置の間にある周囲の部材に衝突し得る。この結果、ワークに衝撃が加わり得る。また、軌道が安定しないため、ワークは、キャビティに対して斜めに挿入されてしまうことがある。テーピング装置においてキャリアテープが駆動すると、斜めに挿入されたワークがテーピング装置の他の部材に衝突してしまい、ワークに衝撃が加わり得る。あるいは、ワークと他の部材との摩擦により、ワークが破損し得る。
【0007】
また、特許文献2に記載されているテーピング機構では、構造上撮像装置等によってキャビティにワークが適切に挿入されたかを確認することができない。このため、キャビティにワークが不適切な態様で挿入されたまま、キャリアテープが駆動してしまうことがある。このような場合、ワークがテーピング装置の他の部材に衝突してしまい、ワークに衝撃が加わり得る。あるいは、ワークと他の部材との摩擦により、ワークが破損し得る。
【0008】
このように、ワークをキャビティまで安定して到達しない場合、ワークに衝撃が加わり得て、この結果ワークに不具合が生じ得る。本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、キャリアテープにワークを挿入する際に、ワークの挙動を安定化させて、キャリアテープのキャビティにワークを安定して挿入することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のワーク挿入安定化装置は、テーピング位置においてキャリアテープのキャビティにワークを挿入するワーク挿入安定化装置であって、
前記テーピング位置の側が鉛直方向の下側となるように傾斜した傾斜面を有する基台と、
前記基台上に設けられ、前記ワークを収容する複数の収容部を有し、前記傾斜面に沿って傾斜したインデックステーブルと、
移動位置にある前記収容部及び前記テーピング位置に重なって設けられ、ガイド面を有するテーピング部と、
前記キャビティを介して前記テーピング位置に接続されたポンプ手段と、を備え、
前記傾斜面及び前記ガイド面によって、前記移動位置から前記テーピング位置までのワーク経路が形成されており、
前記基台は、前記移動位置にある前記収容部から前記テーピング位置に前記ワークを放出するための空気を噴出する移動手段を有し
前記インデックステーブルは、前記基台に対して回転可能であり、
前記インデックステーブルは、前記基台の側に前記ワークを磁化させる磁化プローブを有し、
前記テーピング位置に磁界を形成するように配置されたワーク挿入用磁石をさらに備え、
前記ワーク挿入用磁石は、前記テーピング位置より前記移動位置の側に配置された第1移動用磁石と、前記テーピング位置より前記移動位置の逆側に配置された第2移動用磁石と、を含み、
前記第1移動用磁石の前記第2移動用磁石に対向する側の磁極は、前記第2移動用磁石の前記第1移動用磁石に対向する側の磁極と異なり、
前記テーピング位置に隣り合う位置において前記ワークが挿入された前記キャビティの鉛直方向の下側に配置され、当該キャビティに前記ワークを維持する搬送時ワーク保持用磁石をさらに備える。
【0010】
本発明のワーク挿入安定化装置において、前記移動手段は、空気を吸引可能であってもよい。
【0011】
本発明のワーク挿入安定化装置において、前記傾斜面は、水平方向に対して20°以上40°以下の角度で傾斜していてもよい。
【0012】
本発明のワーク挿入安定化装置において、前記基台は、前記移動位置に前記ワークを保持するためのワーク保持用磁石を有してもよい。
【0013】
本発明のワーク挿入安定化装置において、前記ガイド面は、前記テーピング位置において、前記キャビティに平行な面を含んでもよい。
【0014】
本発明のワーク挿入安定化方法は、
キャリアテープのキャビティをテーピング位置に配置する工程と、
インデックステーブルに設けられた収容部にワークを収容する工程と、
前記ワークを磁化させる工程と、
前記ワークを収容した前記収容部を移動位置に配置する工程と、
基台が有する傾斜面とテーピング部が有するガイド面とによって形成される、前記移動位置から前記テーピング位置までのワーク経路の空気を、前記キャビティを介して前記テーピング位置からポンプ手段によって吸引する工程と、
前記移動位置にある前記収容部から前記ワークを放出する工程と、
前記ワーク経路において前記ワークを移動させる工程と、
前記ワークが前記テーピング位置において、当該テーピング位置に形成された磁界によって前記キャビティに挿入される工程と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キャリアテープにワークを挿入する際に、ワークの挙動を安定化させて、キャリアテープのキャビティにワークを安定して挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、テーピング装置の全体を概略的に示す斜視図である。
図2図2は、テーピング装置の全体を概略的に示す正面図である。
図3図3は、インデックステーブルの上面図である。
図4図4は、キャリアテープの上面図である。
図5図5は、テーピング部近傍におけるテーピング装置の拡大上面図である。
図6図6は、図5のVI-VI線に沿ったテーピング装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0018】
図1は、本実施の形態のテーピング装置を概略的に示す斜視図である。また、図2は、テーピング装置を概略的に示す正面図である。テーピング装置は、電子部品等の複数のワークが挿入されたキャリアテープを製造する装置である。図1及び図2に示されているように、テーピング装置1は、キャリアテープ10と、キャリアテープ10にワークを安定して挿入するワーク挿入安定化装置20と、を有している。また、テーピング装置1は、キャリアテープ10を供給する供給リール11と、ワークを挿入されたキャリアテープ10を回収する巻き取りリール12と、を有している。
【0019】
なお、本実施の形態において、ワークは、磁性体を含んでいる。すなわち、ワークは、磁化されることで磁石等による磁力を受ける性質を有している。後述する図3乃至図6に示された例では、ワーク100は、その中心部に磁性体101を含んでいる。あるいは、ワーク100は電極を有しており、電極が磁性体となっていてもよい。
【0020】
キャリアテープ10は、複数のワークを挿入される。キャリアテープ10は、インデックステーブル40からワークを供給される。キャリアテープ10は、一方向d1に延びる帯状の部材である。キャリアテープ10の寸法は適宜に設定することができるが、例えば、キャリアテープ10のテープ長さ、すなわち一方向d1に沿った長さは、3200m以上4800m以下であり、キャリアテープ10の幅、すなわち一方向に直交する方向に沿った長さは、8mm以上12mm以下である。また、キャリアテープ10の厚さは、例えば0.42mm以上1.8mm以下である。
【0021】
図3には、キャリアテープ10の上面図が示されている。図3に示すように、キャリアテープ10には、ワーク100を挿入するための複数のキャビティ10aが設けられている。キャビティ10aは、一方向d1に並んで設けられており、好ましくは一方向d1に規則的に並んでいる。キャビティ10aの寸法は、挿入するワーク100によって適宜に設定されるが、例えば一方向d1における長さが0.37mm以上1.5mm以下であり、一方向d1に直交する方向における長さが0.67mm以上2.22mm以下である矩形の凹部である。また、キャビティ10aの深さは、例えば0.37mm以上1.54mm以下である。一方向d1に隣り合うキャビティ10aの間隔は、例えば2mm以上4mm以下である。
【0022】
また、図3に示すように、キャリアテープ10には、後述するプーリ55の送り歯が係合する複数の送り穴10bが設けられている。送り穴10bの寸法は、例えば直径が1.5mm以上1.6mm以下である円形の貫通孔である。送り穴10bは、一方向d1に並んで設けられており、好ましくは一方向d1に規則的に並んでいる。一方向における送り穴10bの間隔は、例えば2mm以上6mm以下である。送り穴10bは、キャビティ10aの位置決めに用いられるよう、キャビティ10aの配置に対応した位置に設けられている。図3に示された例では、2つのキャビティ10aに対応して1つの送り穴10bが設けられている。
【0023】
ワーク100を挿入する前のキャリアテープ10は、供給リール11に巻き取られた状態で保持されており、ワークを挿入した後のキャリアテープ10は、キャビティ10aを封止するトップテープが貼合された後、巻き取りリール12に巻き取られて回収される。キャリアテープ10は、一方向d1に駆動する。
【0024】
供給リール11は、ワーク100が挿入されていない状態のキャリアテープ10を保持しており、キャリアテープ10をワーク挿入安定化装置20に供給する。供給リール11は、円盤状であり、その中心を軸に回動可能である。供給リール11には、キャビティ10aにワーク100が挿入される前のキャリアテープ10が、その外周に沿って巻き付けられている。供給リール11は、キャリアテープ10が駆動する一方向d1の上流側に配置されている。
【0025】
巻き取りリール12は、ワーク100が挿入された状態のキャリアテープ10を回収して保持する。巻き取りリール12は、円盤状であり、その中心を軸に回動可能である。巻き取りリール12には、キャビティ10aにワーク100が挿入された状態のキャリアテープ10が、その外周に沿って巻き付けられている。巻き取りリール12は、キャリアテープ10が駆動される一方向d1の下流側に配置されている。
【0026】
ワーク挿入安定化装置20は、供給リール11から供給されたキャリアテープ10にワーク100を挿入する。ワーク挿入安定化装置20には、キャリアテープ10が通過するテープ通路25が設けられている。テープ通路25は、キャリアテープ10が通過可能な空間である。ワーク挿入安定化装置20は、テーピング位置P2において、テープ通路25を通過するキャリアテープ10にワーク100を挿入する。すなわち、キャリアテープ10が駆動することで、テーピング位置P2にキャビティ10aが順次配置される。テープ通路25の幅は、キャリアテープ10が通過可能なよう、キャリアテープ10の幅より大きくなっている。
【0027】
ワーク挿入安定化装置20は、基台30と、基台30上に設けられたインデックステーブル40と、インデックステーブル40の一部及びテープ通路25の一部に重なって設けられたテーピング部50と、キャリアテープ10のキャビティ10aを介してテーピング位置P2に接続されたポンプ手段70と、を有している。また、ワーク挿入安定化装置20は、テーピング位置P2を撮像する撮像装置80と、テーピング位置P2においてワーク100をキャビティ10aに挿入させるためのワーク挿入用磁石60と、キャリアテープ10のキャビティ10aにワーク100を維持する搬送時ワーク保持用磁石65と、を有している。さらに、ワーク挿入安定化装置20は、インデックステーブル40にワークを供給するパーツフィーダ21及びリニアフィーダ22と、テープ通路25を介してテーピング部50に対向して配置されたプーリ55と、を有している。
【0028】
以下、ワーク挿入安定化装置20の各構成要素について説明する。
【0029】
パーツフィーダ21は、複数のワーク100の向きを揃えて整列させる。図1に示された例では、パーツフィーダ21は、円形の開口部を有する略円筒形状であるが、開口部を有する任意の形状であってもよい。開口部を介して、複数のワーク100がパーツフィーダ21に供給される。パーツフィーダ21は、例えば、図示しない振動装置と、振動装置による振動方向に沿って延びる溝部21aと、を有している。パーツフィーダ21が円筒形状である場合、溝部21aは渦巻き状に延びている。振動装置が振動することで、ワーク100が溝部21aに嵌め込まれながら移動する。これにより、パーツフィーダ21に供給されたワーク100は、向きを揃えて整列される。整列されたワーク100は、リニアフィーダ22に送られる。
【0030】
リニアフィーダ22は、パーツフィーダ21から整列したワーク100を受け取り、一列に並んだ状態でワーク100を搬送する。リニアフィーダ22は、直線上に延びる図示されない溝部を有しており、溝部に沿ってワークを搬送する。リニアフィーダ22の溝部は、パーツフィーダ21の溝部21aと連続して延びている。リニアフィーダ22を通過したワーク100は、図3に示すように、同じ方向に向きを揃えられた状態で、個別にインデックステーブル40に供給される。
【0031】
基台30は、インデックステーブル40を支持する。基台30は、テーピング位置P2の側が鉛直方向の下側となるように傾斜した傾斜面31を有している。傾斜面31の傾斜角度は、一定であることが好ましい。すなわち、傾斜面31は、平面であることが好ましい。また、傾斜面31は、水平方向に対して20°以上40°以下、好ましくは25°以上35°以下の角度で傾斜している。
【0032】
基台30は、基台吸引手段33を有している。基台吸引手段33は、後述するインデックステーブル40のノズル45に接続している。基台吸引手段33は、空気を吸引することができる。基台吸引手段33が空気を吸引することで、ノズル45から空気を吸引する。
【0033】
また、基台30は、空気を噴出する移動手段35を有している。図示された例では、移動手段35は、エアノズル及びエアブロー装置によって、移動位置P1に空気を噴出する。移動手段35から空気を噴出することで、ワーク100は、後述する移動位置P1にあるインデックステーブル40の収容部40aから押し出されて、テーピング位置P2に移動する。また、好ましくは、移動手段35は、空気を吸引することもできる。移動手段35が空気を吸引することで、ワーク経路Rにおいてテーピング位置P2から移動位置P1への空気の流れを生じさせることができる。
【0034】
さらに基台30は、インデックステーブル40の収容部40aにワーク100を保持するためのワーク保持用磁石37を含んでいる。ワーク保持用磁石37は、磁力により、磁性体を含むワーク100を引きつけることができる。ワーク保持用磁石37は、ワーク100が意図せずに収容部40aから離脱することを抑制する。ワーク保持用磁石37は、図4に示されている例では、基台30の内部であって、移動位置P1の直下に位置している。
【0035】
図4には、インデックステーブル40の上面図が示されている。インデックステーブル40は、ワーク100を個別に搬送する。インデックステーブル40は、基台30上に設けられている。基台30が傾斜面31を有しているため、インデックステーブル40も傾斜面31に沿って水平方向に対して傾斜して配置されている。図4に示すように、インデックステーブル40には、ワーク100を収容するための複数の収容部40aが設けられている。図示された例では、インデックステーブル40は円形であり、外周に沿って等間隔に収容部40aが設けられている。インデックステーブル40の直径は、例えば60mm以上80mm以下である。インデックステーブル40がその中心を軸として基台30に対して回転可能である。インデックステーブル40が回転することで、収容部40aに収容されたワーク100を搬送することができる。また、インデックステーブル40が回転することで、ワーク100が収容された収容部40aは、ワーク100を放出する移動位置P1に到達する。
【0036】
収容部40aは、それぞれ1つのワーク100を収容することができる。収容部40aの寸法は、収容するワーク100によって適宜に設定されるが、例えばインデックステーブル40の直径方向における長さが0.6mm以上2.0mm以下であり、円周方向における長さが0.38mm以上1.5mm以下である略矩形の凹部である。また、インデックステーブル40の外周方向に沿った収容部40aの間隔は、例えば2.2mm以上4.4mm以下である。
【0037】
インデックステーブル40は、ノズル45を有している。ノズル45は、収容部40aに接続している。基台吸引手段33が空気を吸引することで、ノズル45を介して各収容部40aが真空引きされる。各収容部40aが真空引きされていることで、ワーク100が収容部40aに吸引されて収容される。
【0038】
また、インデックステーブル40は、テープ通路25に隣り合って設けられている。インデックステーブル40は、ワーク100が収容された収容部40aがテープ通路25に最も近くなる移動位置P1において、当該収容部40aからワーク100を放出する。放出されたワーク100は、テーピング部50においてテーピング位置P2におけるキャリアテープ10のキャビティ10aに供給される。放出されたワーク100が重力によって傾斜面31を移動してテープ通路25を通過するキャリアテープ10に供給されるよう、インデックステーブル40は、キャリアテープ10及びテープ通路25より鉛直方向の上側に配置されている。
【0039】
インデックステーブル40は、ワーク100を磁化させる磁化プローブ47を有している。図4に示された例では、磁化プローブ47は、インデックステーブル40の周縁の一部であって基台30の側に設けられている。磁化プローブ47は、ワーク100が移動位置P1に搬送される前にワーク100を磁化させる。また、磁化プローブ47は、後述するワーク挿入用磁石60によってワーク100がキャビティ10aに適切に挿入されるように、ワーク100を磁化させる。磁化プローブ47とワーク100とか接近することであるいは接触することで、ワーク100が有する磁性体101が磁化される。
【0040】
また、インデックステーブル40の周囲には、図示しない特性測定部が設けられていてもよい。特性測定部は、収容部40aに個別に収容されたワーク100の特性を測定する。特性測定部がワーク100の特性が不良であると測定した場合、当該ワーク100が図示しない排出機能により、収容部40aがワーク100を放出する移動位置P1に到達する前に、収容部40aから排出される。ワーク100は、例えば図示しない追加のエアノズルから収容部40aに空気流を噴出することで収容部40aから排出される。これにより、特性が良品であると測定されたワーク100のみが、インデックステーブル40からキャリアテープ10に供給される。
【0041】
テーピング部50は、インデックステーブル40から放出されたワーク100をテープ通路25に位置するキャリアテープ10に供給して、キャビティ10aに挿入する。図1に示すように、テーピング部50は、インデックステーブル40の一部及びキャリアテープ10の一部と重なって設けられている。より詳しくは、テーピング部50は、移動位置P1にある収容部40a及びテーピング位置P2に重なって設けられている。テーピング部50は、移動位置P1及びテーピング位置P2を覆っている。図5には、テーピング部50が設けられた位置におけるテーピング装置1の拡大上面図が示されている。また、図6は、図5に示したVI-VI線に沿った断面図である。図5及び図6に示すように、テーピング部50は、ガイド面51を有している。ガイド面51は、インデックステーブル40から放出されたワーク100をキャビティ10aに導くガイド面として機能する。ガイド面51は、インデックステーブル40とキャリアテープ10との間を延びている。ガイド面51は、移動位置P1からテーピング位置P2まで延びている。基台30の傾斜面31及びテーピング部50のガイド面51は、移動位置P1からテーピング位置P2までのワーク経路Rを形成している。ワーク100は、移動手段35から空気が噴出されることで、このワーク経路Rに沿って、移動位置P1からテーピング位置P2まで重力及び空気に押されることによって直線的に移動する。
【0042】
ガイド面51は、図5に示される側方ガイド面51aと、図6に示される上方ガイド面51bと、を含む。側方ガイド面51aは、水平方向を法線方向としており、上方ガイド面51bは、基台30の傾斜面31と平行に延びている。側方ガイド面51aは、キャリアテープ10を駆動させてキャビティ10aをテーピング位置P2に配置するための基準となる面である。したがって、キャビティ10aは、ワーク100を挿入する際に、側方ガイド面51aに合わせて配置される。
【0043】
上方ガイド面51bは、テーピング位置P2において、キャリアテープ10のキャビティ10aに平行な面を含んでいる。言い換えると、上方ガイド面51bは、キャビティ10aに対面する位置において、水平な面を含んでいる。図6に示された例において、テーピング部50の角部が、テーピング位置P2に位置している。テーピング位置P2におけるテーピング部50の角部が面取りされることで、キャリアテープ10のキャビティ10aに平行な面が形成されている。
【0044】
テーピング部50を介して撮像装置80が画像を撮像することができるよう、テーピング部50の少なくとも一部は透明になっている。具体的には、テーピング部50は、テーピング位置P2に重なる部分において、透明である。これにより、撮像装置80が、テーピング部50を介して、テーピング位置P2を撮像することが可能となっている。すなわち、撮像装置80は、テーピング位置P2に配置されるキャリアテープ10のキャビティ10aを撮像することができる。透明となっているテーピング部50の少なくとも一部は、ガラス材等の可視光透過性を有する材料からなる。
【0045】
また、テーピング部50には、ワーク経路Rとテーピング部50の外部との間での通気を可能にする空気取り入れ穴53が設けられている。ポンプ手段70によってワーク経路Rから空気が吸引されると、空気取り入れ穴53からワーク経路Rに空気が流入する。これにより、ワーク経路Rに移動位置P1からテーピング位置P2への空気の流れが形成される。この空気の流れに乗ることで、ワーク100がワーク経路Rを移動する。
【0046】
プーリ55は、キャリアテープ10を適切な位置に位置合わせする。プーリ55は、テーピング部50に対向して配置されている。好ましくは、プーリ55は、テーピング位置P2の鉛直方向の下方に配置されている。プーリ55は、略円盤状であり、その中心を軸に回動可能である。プーリ55は、図示されない駆動部を有しており、この駆動部が駆動することで回転することができる。
【0047】
プーリ55は、その外周に等間隔に配置された図示されない複数の送り歯を有している。送り歯は、キャリアテープ10に設けられた複数の送り穴10bに係合する。送り歯が送り穴10bに係合することで、キャリアテープ10の位置をプーリ55に対して微小に動かすことができる。このようにして、プーリ55に対するキャリアテープ10の位置を適切な位置とすることができる。とりわけ、プーリ55に対するキャリアテープ10の一方向d1に直交する方向における位置を適切な位置とすることができる。送り歯のプーリ55の外周に沿った間隔は、キャリアテープ10の送り穴10bの間隔に対応している。1つの送り歯がキャリアテープ10の送り穴10bから離脱しても、別の送り歯が別の送り穴10bに係合するようになっている。すなわち、少なくとも1つの送り歯がキャリアテープ10の送り穴10bに係合した状態が保たれる。送り歯と送り穴10bとが順次に係合することによって、キャリアテープ10にプーリ55の回転駆動を伝達して、キャリアテープ10を駆動することができる。
【0048】
ワーク挿入用磁石60は、磁力により、磁性体を含むワーク100をテーピング位置P2においてキャビティ10aの底に引き落とす。また、ワーク100をキャビティ10aに適切に挿入させるよう、ワーク挿入用磁石60は、キャリアテープ10のキャビティ10aのワーク100が挿入されるべき方向、例えばキャビティ10aの長手方向、言い換えると一方向d1に直交する方向に沿った磁界を形成するように配置されている。図6に示された例では、ワーク挿入用磁石60は、テーピング位置P2より移動位置P1の側に配置された第1移動用磁石61と、テーピング位置P2より移動位置P1の逆側に配置された第2移動用磁石62と、を含んでいる。言い換えると、第1移動用磁石61及び第2移動用磁石62は、上面視において間にテーピング位置P2が位置するように配置されている。第1移動用磁石61及び第2移動用磁石62は、テープ通路25より鉛直方向の下側、すなわち、テーピング位置P2より鉛直方向の下側に配置されている。また、第1移動用磁石61の第2移動用磁石62に対向する側の磁極は、第2移動用磁石62が第1移動用磁石61に対向する側の磁極と異なっている。言い換えると、第1移動用磁石61及び第2移動用磁石62は、互いに異なる磁極を向かい合わせるように配置されている。第1移動用磁石61と第2移動用磁石62との間の距離は、例えば2mm以上3mm以下である。第1移動用磁石61及び第2移動用磁石62を適切に離間させることで、キャビティ10aに適切な磁界を形成することができる。ワーク挿入用磁石60は、例えばネオジム磁石である。
【0049】
搬送時ワーク保持用磁石65は、テーピング位置P2から離間した位置において、キャビティ10aに挿入されたワーク100がワーク挿入用磁石60の磁力によってキャリアテープ10のキャビティ10aに挿入されたワーク100がキャビティ10aから飛び出すことやキャビティ10a内において傾くことを抑制して、当該キャビティ10aにワーク100を維持する。とりわけ、搬送時ワーク保持用磁石65は、テーピング位置P2におけるキャビティ10aに隣り合うキャビティ10aに挿入されたワーク100を当該キャビティ10aに維持する。搬送時ワーク保持用磁石65は、テープ通路25より鉛直方向の下側に配置されている。
【0050】
ポンプ手段70は、キャリアテープ10のキャビティ10aを介してワーク経路Rに接続されており、ワーク経路Rから空気を吸引する。ポンプ手段70は、テーピング位置P2においてワーク経路Rに接続している。ポンプ手段70による空気の吸引により、ワーク経路Rにおいて、移動位置P1からテーピング位置P2への空気の流れが生じる。特に移動手段35から空気が噴出し、ポンプ手段70によって吸引されることで、ワーク経路Rにおいて、移動位置P1からテーピング位置P2への空気の流れが生じる。この空気の流れにより、ワーク100が移動位置P1からテーピング位置P2に容易に移動することができる。ポンプ手段70は、例えば真空ポンプである。
【0051】
撮像装置80は、テーピング部50を介して、キャリアテープ10の一部を撮像する。撮像装置80は、テーピング位置P2を撮像する。すなわち、撮像装置80は、テーピング位置P2においてワーク100が挿入されるキャリアテープ10のキャビティ10aを撮像する。撮像装置80は、キャリアテープ10が駆動した後、キャビティ10aにワーク100が供給される前に、キャビティ10aを撮像する。
【0052】
次に、本実施の形態のテーピング装置1及びワーク挿入安定化装置20の作用の一例について説明する。すなわち、ワーク100のテーピング方法の一例について説明する。
【0053】
まず、キャリアテープ10は、供給リール11に巻き付けられており、巻き取りリール12に巻き取られる。巻き取りリール12が回転駆動することにより、キャリアテープ10は、一方向d1に駆動する。キャリアテープ10は、キャビティ10aがワーク100を挿入できるよう、キャビティ10aをテーピング位置P2に配置するように一方向d1に駆動する。
【0054】
プーリ55は、テーピング部50に対向して配置されており、送り歯がキャリアテープ10の送り穴10bに係合している。キャリアテープ10が駆動することで、プーリ55が回転する。プーリ55の送り歯は、キャリアテープ10の送り穴10bに順に係合していく。送り歯が送り穴10bに係合することで、キャリアテープ10がプーリ55に対して微小に動く。これにより、プーリ55に対するキャリアテープ10の位置、とりわけ一方向d1に直交する方向の位置が適切に保たれる。
【0055】
一方、複数のワーク100が、パーツフィーダ21に供給される。複数のワーク100は、パーツフィーダ21の振動装置が振動することにより、ワーク100が溝部21aに嵌め込まれながら移動する。これにより、ワーク100が向きを揃えて整列される。整列されたワークは、リニアフィーダ22に送られる。リニアフィーダ22は、ワーク100を搬送して、向きを揃えられたワーク100を個別にインデックステーブル40に供給する。
【0056】
インデックステーブル40は、回転駆動しながら、ワーク100を個別に収容部40aに収容する。各収容部40aが真空引きされていることによって引きつけられていることで、ワーク100が収容部40aに収容される。インデックステーブル40が回転駆動することで、図5に示すように、ワーク100を収容した収容部40aは、テーピング部50に重なる移動位置P1に到達する。移動位置P1において、ワーク100はワーク保持用磁石37によって引きつけられるため、移動手段35から空気が噴出されるまで、ワーク100は重力によって基台30の傾斜面31に沿って移動することがない。なお、ワーク100が有する磁性体101は、移動位置P1に到達するまでに、磁化プローブ47によって磁化される。
【0057】
次に、テーピング位置P2に接続されたポンプ手段70が、テーピング位置P2からキャリアテープ10のキャビティ10aを介してワーク経路Rの空気を吸引する。ワーク経路Rの空気が吸引されることで、空気取り入れ穴53からワーク経路Rに外部からの空気が流入する。これにより、ワーク経路Rにおいて、移動位置P1からテーピング位置P2への空気の流れが生じる。また、基台吸引手段33によってノズル45を介して収容部40aが真空引きされて、収容部40aにワーク100が収容されている。さらに、基台30の移動手段35から移動位置P1にある収容部40aに空気が噴出されることで、移動位置P1にある収容部40aからワーク100が放出される。放出されたワーク100は、移動位置P1からテーピング位置P2への空気の流れに乗ってガイド面51に案内されながら、傾斜面31を移動し、テーピング位置P2に到達する。
【0058】
テーピング位置P2に到達したワーク100は、ワーク挿入用磁石60によって発生した磁界によって、キャリアテープ10のキャビティ10aの底に引き落とされる。ワーク100がキャビティ10aに挿入されることで、キャビティ10aに受け止められて挿入される。
【0059】
撮像装置80によって撮像された画像からテーピング位置P2に配置されたキャビティ10aにワーク100が挿入されたことが確認されると、キャリアテープ10が一方向d1に駆動される。これにより、一方向d1の上流側に位置していたワーク100が挿入されていないキャビティ10aがテーピング位置P2に配置される。一方、ワーク100が挿入されたキャビティ10aは、一方向d1の下流側に位置するようになる。このワーク100が挿入されたキャビティ10aの鉛直方向の下側に、搬送時ワーク保持用磁石65が配置されている。このため、当該キャビティ10aに挿入されたワーク100がワーク挿入用磁石60に引きつけられて、キャビティ10aから飛び出すことやキャビティ10a内において傾くことが抑制される。言い換えると、当該キャビティ10aに挿入されたワーク100を搬送時ワーク保持用磁石65によって当該キャビティ10aに維持することができる。
【0060】
なお、撮像装置80によって撮像されたテーピング位置P2の画像において、ワーク100がキャビティ10aに正確に挿入されていない等の異常が確認されると、例えばポンプ手段70が空気の吸引を中断し、基台吸引手段33が空気を吸引する。これにより、ワーク経路Rにおいて、テーピング位置P2から移動位置P1への空気の流れが生じる。この空気の流れにより、ワーク100をテーピング位置P2から移動位置P1の側に移動させることができる。その後、再度移動手段35が空気を噴出させ、ポンプ手段70が空気を吸引させることで、ワーク経路Rにおいて、移動位置P1からテーピング位置P2への空気の流れが生じる。この空気の流れにより、再度ワーク100をテーピング位置P2に移動させることができる。このようにすることで、ワーク100がキャビティ10aに正確に挿入されなかった場合、ワーク100をキャビティ10aに挿入する工程をやり直すことができる。
【0061】
以上の工程を繰り返すことで、キャリアテープ10の複数のキャビティ10aのそれぞれにワーク100を挿入していくことができる。
【0062】
複数のキャビティ10aのそれぞれにワーク100を挿入しながら、キャビティ10aを封止する図示しないトップテープがキャリアテープ10に貼合されて、巻き取りリール12に巻き取られて回収される。以上のようにして、すなわち、テーピング装置1及びワーク挿入安定化装置20よって、キャリアテープ10のキャビティ10aにワーク100が挿入される。すなわち、ワーク100がテーピングされたキャリアテープ10が製造される。
【0063】
ところで、従来のテーピング装置において、ワークがキャビティに挿入された状態で、ワークの一部、例えばワークの電極がキャビティから突出する。ワークの一部がキャビティから突出した状態でキャリアテープが駆動すると、ワークがテーピング装置の他の部材に衝突してしまう等、衝撃が加わり得る。衝撃が加わったワークには、破損や故障といった不具合が生じ得る。ワークに不具合が生じると、ワークを挿入したキャリアテープが不良となり、当該キャリアテープの生産性を悪化させてしまう。
【0064】
一方、本実施の形態のワーク挿入安定化装置20では、キャビティ10aを介してポンプ手段70が空気を吸引している。このため、ワーク100を安定してキャビティ10aに挿入することができる。また、上方ガイド面51bの水平な面によって、ワーク100が水平になる。すなわち、ワーク100がキャビティ10aに平行になる。さらに、ワーク挿入用磁石60によって、ワーク100がキャビティ10aの底に引き落とされる。以上のことから、キャリアテープ10にワーク100を挿入する際に、ワーク100の挙動を安定化することができる。また、ワーク100に衝撃が加わりにくくなるため、ワーク100が破損や故障してしまうことを抑制することができる。したがって、ワークを挿入したキャリアテープの生産性の悪化を抑制することができる。
【0065】
また、傾斜面31は、水平方向に対して20°以上40°以下の角度で傾斜している。このような十分に大きな傾斜角度によれば、傾斜面31に沿って傾斜面31からの摩擦力より大きな重力を受けるため、傾斜面31に沿ってワーク100を移動させることが容易になる。
【0066】
さらに、ワーク挿入用磁石60が、テーピング位置P2に磁界を形成するように配置されている。ワーク100は、磁性体を含んでいる。したがって、ワーク100は、テーピング位置P2において磁界に引きつけられることで、キャビティ10aに挿入されることができる。このため、キャリアテープ10にワーク100を挿入する際に、ワーク100の挙動をより安定化することができる。
【0067】
特に、ワーク挿入用磁石60は、テーピング位置P2より移動位置P1の側に配置された第1移動用磁石61と、テーピング位置P2より移動位置P1の逆側に配置された第2移動用磁石62と、を含み、第1移動用磁石61の第2移動用磁石62に対向する側の磁極は、第2移動用磁石62の第1移動用磁石61に対向する側の磁極と異なっている。ワーク挿入用磁石60のこのような配置によれば、テーピング位置P2に適切な磁界を形成することができる。このように形成された磁界によれば、テーピング位置P2に供給されたワーク100をキャビティ10aに挿入させることができる。このため、キャリアテープ10にワーク100を挿入する際に、ワーク100の挙動をより安定化することができる。
【0068】
また、搬送時ワーク保持用磁石65が、テーピング位置P2に隣り合う位置においてワーク100が挿入されたキャビティ10aの鉛直方向の下側に配置されている。搬送時ワーク保持用磁石65は、当該キャビティ10aにワーク100を維持する。これにより、他の磁石、特にワーク挿入用磁石60によって、キャビティ10aに挿入したワーク100がキャビティ10aから飛び出したり、キャビティ10a内で傾いたりすることが抑制される。すなわち、キャリアテープ10に挿入されたワーク100の挙動を安定化することができる。
【0069】
さらに、基台30は、収容部40aにワーク100を保持するためのワーク保持用磁石37を有している。ワーク100は磁性体を含んでいるため、ワーク保持用磁石37の磁力によって、収容部40aにワーク100を保持することができる。これにより、意図せずに収容部40aからワーク100が脱落してしまうことを効果的に防止することができる。
【0070】
以上のように、本実施の形態のワーク挿入安定化装置20は、テーピング位置P2においてキャリアテープ10のキャビティ10aにワーク100を挿入するワーク挿入安定化装置であって、テーピング位置P2の側が鉛直方向の下側となるように傾斜した傾斜面31を有する基台30と、基台30上に設けられ、ワーク100を収容する複数の収容部40aを有するインデックステーブル40と、移動位置P1にある収容部40a及びテーピング位置P2に重なって設けられ、ガイド面51を有するテーピング部50と、テーピング位置P2に接続されたポンプ手段70と、を備え、傾斜面31及びガイド面51によって、移動位置P1からテーピング位置P2までのワーク経路Rが形成されており、基台30は、移動位置P1にある収容部40aからテーピング位置P2にワーク100を放出するための空気を噴出する移動手段35を有し、インデックステーブル40は、ワーク100を磁化させる磁化プローブ47を有し、テーピング位置P1に磁界を形成するように配置されたワーク挿入用磁石60をさらに備え、ワーク挿入用磁石60は、テーピング位置P2より移動位置P1の側に配置された第1移動用磁石61と、テーピング位置P2より移動位置P1の逆側に配置された第2移動用磁石62と、を含み、第1移動用磁石61の第2移動用磁石62に対向する側の磁極は、第2移動用磁石62の第1移動用磁石61に対向する側の磁極と異なり、テーピング位置P2に隣り合う位置においてワーク100が挿入されたキャビティ10aの鉛直方向の下側に配置され、当該キャビティ10aにワーク100を維持する搬送時ワーク保持用磁石65をさらに備えている。このようなワーク挿入安定化装置20によれば、移動手段35からの空気の噴出によって、ワーク100を移動位置P1からテーピング位置P2に移動させることができる。とりわけ、ワーク挿入用磁石60及び搬送時ワーク保持用磁石65により、キャリアテープ10に磁化されたワーク100を挿入する際及び挿入した状態で、ワーク100の挙動を安定化することができる。
【0071】
本発明の態様は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した実施の形態に係る内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 テーピング装置
10 キャリアテープ
10a キャビティ
11 供給リール
12 巻き取りリール
20 ワーク挿入安定化装置
21 パーツフィーダ
22 リニアフィーダ
30 基台
31 傾斜面
33 基台吸引手段
35 移動手段
37 ワーク保持用磁石
40 インデックステーブル
40a 収容部
45 ノズル
47 磁化プローブ
50 テーピング部
51 ガイド面
53 空気取り入れ穴
55 プーリ
60 ワーク挿入用磁石
61 第1移動用磁石
62 第2移動用磁石
65 搬送時ワーク保持用磁石
70 ポンプ手段
80 撮像装置
100 ワーク
101 磁性体
P1 移動位置
P2 テーピング位置
R ワーク経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6