(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041118
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】テーピング装置
(51)【国際特許分類】
B65B 15/04 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
B65B15/04 L
B65B15/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146158
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】小寺 克義
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャリアテープのキャビティの位置合わせ精度を向上させる。
【解決手段】テーピング装置は、インデックステーブル10と、インデックステーブルに隣り合って設けられたキャリアテープ20と、インデックステーブルの一部及びキャリアテープの一部に重なって設けられたテーピング部15と、インデックステーブルを駆動させる第1駆動部と、キャリアテープを駆動させる第2駆動部と、撮像装置と制御部とを備え、インデックステーブルは、ワーク100を収容する複数の収容部10aを有し、キャリアテープは、複数のキャビティ20aが設けられ、テーピング部は、基準面15sを有し、撮像装置は、2つのキャビティの間に基準面が位置する2つのキャビティを撮像し、制御部は、撮像装置で撮像された画像に基づいて、基準面に合わせてキャビティが配置されるよう、第2駆動部によってキャリアテープを駆動する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを収容する複数の収容部を有するインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに隣り合って設けられ、一方向に並んだ複数のキャビティが設けられたキャリアテープと、
前記インデックステーブルの一部及び前記キャリアテープの一部に重なって設けられ、基準面を有するテーピング部と、
前記インデックステーブルを駆動させる第1駆動部と、
前記キャリアテープを前記一方向に駆動させる第2駆動部と、
前記基準面と、前記一方向に隣り合う2つの前記キャビティであって当該2つのキャビティの間に前記基準面が位置する2つの前記キャビティと、を撮像する撮像装置と、
前記第1駆動部、前記第2駆動部及び前記撮像装置を制御する制御部と、
複数の送り歯を有し、前記送り歯が前記キャリアテープに設けられた複数の送り穴に係合するプーリと、を備え、
前記制御部は、前記撮像装置で撮像された画像に基づいて、前記基準面に合わせて前記キャビティが配置されるよう、前記第2駆動部によって前記キャリアテープを駆動させ、
前記プーリは、前記テーピング部に対向して配置されており、
前記送り歯は、前記一方向に沿った断面においてインボリュート曲線形状を含み且つ前記一方向に直交する方向に沿った断面においてテーパ形状を含み、
前記テーパ形状の勾配角度は、10°以上40°以下であり、
前記送り歯が前記送り穴に係合した状態で、前記送り穴は押し広げられる、テーピング装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記撮像装置で撮像された画像において前記基準面に合わせて配置された前記キャビティより前記一方向の上流側に位置する前記キャビティに異常がないと判定されている場合、前記ワークを前記キャリアテープに供給するように前記第1駆動部を制御して前記インデックステーブルを駆動させて前記ワークを前記キャビティに挿入し、前記撮像装置で撮像された画像において前記基準面に合わせて配置された前記キャビティより前記一方向の上流側に位置する前記キャビティに異常があると判定されている場合、前記第2駆動部を制御して前記キャリアテープを駆動させる、請求項1に記載のテーピング装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記基準面に合わせて配置された前記キャビティに前記ワークが供給されていない状態で、前記キャビティを撮像する、請求項2に記載のテーピング装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記撮像装置で撮像された画像に基づいて、前記基準面に合わせて配置される前記キャビティより前記一方向の上流側の前記キャビティと前記基準面との間の距離を測定し、
前記制御部は、測定された前記距離に基づいて、前記第2駆動部によって前記キャリアテープを駆動させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のテーピング装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ワークを前記キャリアテープに供給する間において、前記キャビティが前記基準面からずれてしまっている場合、前記基準面に合わせて前記キャビティが配置されるよう、前記第2駆動部を制御して前記キャリアテープ20を駆動させる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテーピング装置。
【請求項6】
前記テーピング部は、前記一方向に隣り合う2つの前記キャビティであって当該2つのキャビティの間に前記基準面が位置する2つの前記キャビティと前記撮像装置との間の部分において、透明である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテーピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キャリアテープに電子部品等の複数のワークを収容するテーピング装置が知られている。例えば特許文献1に記載されているようなテーピング装置によれば、ワークは、インデックステーブルの収容部に個別に収容された状態で検査及び搬送され、インデックステーブルから個別に送り出される。インデックステーブルから送り出されたワークは、キャリアテープのキャビティに個別に収容される。
【0003】
このようなテーピング装置では、キャリアテープの1つのキャビティに1つのワークを確実に収容するよう、インデックステーブルからワークを送り出す位置に対してキャビティの位置を正確に合わせることが求められている。とりわけ、より高速でキャリアテープにワークを収容するため、及びワークの小型化のため、キャビティの位置をより高精度に合わせることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャビティの位置合わせのため、特許文献1に記載のテーピング装置では、プーリを設けている。プーリの送り歯とキャリアテープの送り穴とを係合させることで、キャビティの位置合わせをすることができる。しかしながら、プーリによる位置合わせは、インデックステーブルからワークが供給される位置とキャリアテープのキャビティの位置とを直接観察して実施しているのではないため、正確に位置合わせすることが困難であった。特に、キャリアテープの送り穴の位置、径や密度により、キャリアテープのキャビティの位置にばらつきが生じるため、インデックステーブルからワークが供給される位置とキャリアテープのキャビティの位置とを正確に位置合わせすることが困難であった。本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、キャリアテープのキャビティの位置合わせ精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテーピング装置は、
ワークを収容する複数の収容部を有するインデックステーブルと、
前記インデックステーブルに隣り合って設けられ、一方向に並んだ複数のキャビティが設けられたキャリアテープと、
前記インデックステーブルの一部及び前記キャリアテープの一部に重なって設けられ、基準面を有するテーピング部と、
前記インデックステーブルを駆動させる第1駆動部と、
前記キャリアテープを前記一方向に駆動させる第2駆動部と、
前記基準面と、前記一方向に隣り合う2つの前記キャビティであって当該2つのキャビティの間に前記基準面が位置する2つの前記キャビティと、を撮像する撮像装置と、
前記第1駆動部、前記第2駆動部及び前記撮像装置を制御する制御部と、
複数の送り歯を有し、前記送り歯が前記キャリアテープに設けられた複数の送り穴に係合するプーリと、を備え、
前記制御部は、前記撮像装置で撮像された画像に基づいて、前記基準面に合わせて前記キャビティが配置されるよう、前記第2駆動部によって前記キャリアテープを駆動させ、
前記プーリは、前記テーピング部に対向して配置されており、
前記送り歯は、前記一方向に沿った断面においてインボリュート曲線形状を含み且つ前記一方向に直交する方向に沿った断面においてテーパ形状を含み、
前記テーパ形状の勾配角度は、10°以上40°以下であり、
前記送り歯が前記送り穴に係合した状態で、前記送り穴は押し広げられる。
【0007】
本発明のテーピング装置において、前記制御部は、前記撮像装置で撮像された画像において前記基準面に合わせて配置された前記キャビティより前記一方向の上流側に位置する前記キャビティに異常がないと判定されている場合、前記ワークを前記キャリアテープに供給するように前記第1駆動部を制御して前記インデックステーブルを駆動させて前記ワークを前記キャビティに挿入し、前記撮像装置で撮像された画像において前記基準面に合わせて配置された前記キャビティより前記一方向の上流側に位置する前記キャビティに異常があると判定されている場合、前記第2駆動部を制御して前記キャリアテープを駆動させてもよい。
【0008】
本発明のテーピング装置において、前記撮像装置は、前記基準面に合わせて配置された前記キャビティに前記ワークが供給されていない状態で、前記キャビティを撮像してもよい。
【0009】
本発明のテーピング装置において、
前記制御部は、前記撮像装置で撮像された画像に基づいて、前記基準面に合わせて配置される前記キャビティより前記一方向の上流側の前記キャビティと前記基準面との間の距離を測定し、
前記制御部は、測定された前記距離に基づいて、前記第2駆動部によって前記キャリアテープを駆動させてもよい。
【0010】
本発明のテーピング装置において、前記制御部は、前記ワークを前記キャリアテープに供給する間において、前記キャビティが前記基準面からずれてしまっている場合、前記基準面に合わせて前記キャビティが配置されるよう、前記第2駆動部を制御して前記キャリアテープ20を駆動させてもよい。
【0011】
本発明のテーピング装置において、前記テーピング部は、前記一方向に隣り合う2つの前記キャビティであって当該2つのキャビティの間に前記基準面が位置する2つの前記キャビティと前記撮像装置との間の部分において、透明であってもよい。
【0012】
本発明のテーピング装置において、
前記送り歯は、前記一方向に沿った断面においてインボリュート曲線形状を含み且つ前記一方向に直交する方向に沿った断面においてテーパ形状を含み、
前記テーパ形状の勾配角度は、10°以上40°以下であり、
前記送り歯が前記送り穴に係合した状態で、前記送り穴は押し広げられてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、キャリアテープのキャビティの位置合わせ精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、テーピング装置の全体を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、テーピング装置の全体を概略的に示す正面図である。
【
図3】
図3は、インデックステーブルの上面図である。
【
図5A】
図5Aは、
図4のV-V線に沿ったキャリアテープの一例を示す断面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図4のV-V線に沿ったキャリアテープの他の例を示す断面図である。
【
図5C】
図5Cは、
図4のV-V線に沿ったキャリアテープのさらに他の例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、テーピング部近傍におけるテーピング装置の拡大上面図である。
【
図8A】
図8Aは、プーリの送り歯の一方向に沿った断面図である。
【
図8B】
図8Bは、プーリの送り歯の一方向と直交する方向に沿った断面図である。
【
図9A】
図9Aは、プーリの送り歯がキャリアテープの送り穴に係合する状態を示す正面図である。
【
図9B】
図9Bは、プーリの送り歯がキャリアテープの送り穴に係合する状態を示す上面図である。
【
図10】
図10は、テーピング部においてキャリアテープにワークを収容する工程を示すフローチャートである。
【
図10B】
図10Bは、従来のプーリの送り歯の一方向と直交する方向に沿った断面図である。
【
図11A】
図11Aは、従来のプーリの送り歯がキャリアテープの送り穴に係合する状態を示す上面図である。
【
図11B】
図11Bは、従来のプーリの送り歯がキャリアテープの送り穴に係合する状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0016】
図1は、本実施の形態のテーピング装置を概略的に示す斜視図である。また、
図2は、テーピング装置を概略的に示す正面図である。テーピング装置は、キャリアテープに電子部品等の複数のワークを収容する装置である。
図1及び
図2に示されているように、テーピング装置1は、インデックステーブル10と、インデックステーブル10に隣り合って設けられたキャリアテープ20と、インデックステーブル10の一部及びキャリアテープ20の一部に重なって設けられたテーピング部15と、テーピング部15に対向して配置されたプーリ30と、を有している。また、テーピング装置1は、インデックステーブル10を駆動させる第1駆動部12と、キャリアテープ20を一方向に駆動させる第2駆動部23と、キャリアテープ20の一部を撮像する撮像装置40と、第1駆動部12、第2駆動部23及び撮像装置40を制御する制御部50と、を有している。さらに、テーピング装置1は、インデックステーブル10にワークを供給するパーツフィーダ3及びリニアフィーダ5と、ワークを収容する前のキャリアテープ20を供給する供給リール21と、ワークを収容した後のキャリアテープ20を回収する巻き取りリール22と、を有している。
【0017】
以下、テーピング装置1の各構成要素について説明する。
【0018】
パーツフィーダ3は、複数のワークの向きを揃えて整列させる。
図1に示された例では、パーツフィーダ3は、円形の開口部を有する略円筒形状であるが、開口部を有する任意の形状であってもよい。開口部を介して、複数のワークがパーツフィーダ3に供給される。パーツフィーダ3は、例えば、図示しない振動装置と、振動装置による振動方向に沿って延びる溝部3aと、を有している。パーツフィーダ3が円筒形状である場合、溝部3aは渦巻き状に延びている。振動装置が振動することで、ワークが溝部3aに嵌め込まれながら移動する。これにより、パーツフィーダ3に供給されたワークは、向きを揃えて整列される。整列されたワークは、リニアフィーダ5に送られる。
【0019】
リニアフィーダ5は、パーツフィーダ3から整列したワークを受け取り、一列に並んだ状態でワークを搬送する。リニアフィーダ5は、直線上に延びる図示されない溝部を有しており、溝部に沿ってワークを搬送する。リニアフィーダ5の溝部は、パーツフィーダ3の溝部3aと連続して延びている。リニアフィーダ5を通過したワークは、
図3に示すように、同じ方向に向きを揃えられた状態で、個別にインデックステーブル10に供給される。
【0020】
図3には、インデックステーブル10の上面図が示されている。インデックステーブル10は、ワーク100を個別に搬送する。インデックステーブル10は、基台11上に設けられている。
図3に示すように、インデックステーブル10には、ワーク100を収容するための複数の収容部10aが設けられている。図示された例では、インデックステーブル10は円形であり、外周に沿って等間隔に収容部10aが設けられている。インデックステーブル10の直径は、例えば60mm以上80mm以下である。
【0021】
収容部10aは、それぞれ1つのワーク100を収容することができる。収容部10aの寸法は、収容するワーク100によって適宜に設定されるが、例えばインデックステーブル10の直径方向における長さが0.6mm以上2.0mm以下であり、円周方向における長さが0.38mm以上1.5mm以下である略矩形の凹部である。また、インデックステーブル10の外周方向に沿った収容部10aの間隔は、例えば2.2mm以上4.4mm以下である。
【0022】
インデックステーブル10は、ワーク100を吸引するための図示しない吸引手段を含んでいる。吸引手段は、例えば各収容部10aをノズル10bに沿って真空引きする真空ポンプである。各収容部10aが真空引きされていることで、ワーク100が収容部10aに吸引されて収容される。
【0023】
インデックステーブル10は、所定の位置において、ワーク100を放出する。より詳しくは、インデックステーブル10は、ワーク100が収容された収容部10aがキャリアテープ20に最も近くなる位置において、当該収容部10aからワーク100を放出する。基台11は、収容部10aからワーク100を放出させるための図示しない放出手段を含んでいる。放出手段は、例えばエアノズルから収容部10aに空気流を噴出するエアブロー装置である。収容部10aに空気流が噴出されることで、ワーク100が収容部10aから放出される。放出されたワーク100は、テーピング部15においてキャリアテープ20に供給される。
【0024】
第1駆動部12は、制御部50によって制御されて、インデックステーブル10を駆動させる。
図3に示された例では、第1駆動部12は、インデックステーブル10の回転軸を駆動することで、インデックステーブル10を回転させている。図示された例では、第1駆動部12の駆動は、インデックステーブル10を上面視において右回りに回転させる。しかしながら、第1駆動部12は、インデックステーブル10を右回りだけでなく左回りにも回転可能としてもよい。すなわち、第1駆動部12は、インデックステーブル10を回動させてもよい。
【0025】
インデックステーブル10の周囲には、図示しない特性測定部が設けられていてもよい。特性測定部は、収容部10aに個別に収容されたワーク100の特性を測定する。特性測定部がワーク100の特性が不良であると測定した場合、当該ワーク100が図示しない排出機能により、収容部10aがワーク100を放出する所定の位置に到達する前に、収容部10aから排出される。ワーク100は、例えば図示しないエアノズルから収容部10aに空気流を噴出することで収容部10aから排出される。これにより、特性が良品であると測定されたワーク100のみが、インデックステーブル10からキャリアテープ20に供給される。
【0026】
キャリアテープ20は、複数のワーク100を収容する。キャリアテープ20は、インデックステーブル10からワーク100を供給される。キャリアテープ20は、インデックステーブル10に隣り合って設けられている。インデックステーブル10から供給されたワーク100を受けるために、キャリアテープ20は、インデックステーブル10より鉛直方向の下方に配置されている。キャリアテープ20は、一方向d1に延びる帯状の部材である。キャリアテープ20の寸法は適宜に設定することができるが、例えば、キャリアテープ20のテープ長さ、すなわち一方向d1に沿った長さは、3200m以上4800m以下であり、キャリアテープ20の幅、すなわち一方向に直交する方向に沿った長さは、8mm以上12mm以下である。また、キャリアテープ20の厚さは、例えば0.42mm以上1.8mm以下である。
【0027】
図4には、キャリアテープ20の上面図が示されている。
図4に示すように、キャリアテープ20には、ワーク100を収容するための複数のキャビティ20aが設けられている。キャビティ20aは、一方向d1に並んで設けられており、好ましくは一方向d1に規則的に並んでいる。キャビティ20aの寸法は、収容するワーク100によって適宜に設定されるが、例えば一方向d1における長さが0.37mm以上1.5mm以下であり、一方向d1に直交する方向における長さが0.67mm以上2.22mm以下である矩形の凹部である。また、キャビティ20aの深さは、例えば0.37mm以上1.54mm以下である。一方向d1に隣り合うキャビティ20aの間隔は、例えば2mm以上4mm以下である。
【0028】
図5A乃至
図5Cには、
図4のV-V線に沿ったキャリアテープ20の断面図のそれぞれ別の例が示されている。
図5Aに示された例では、キャビティ20aは、薄板状のキャリアテープ20の一部をプレス加工することで設けられた凹部である。
図5Aに示すようなキャリアテープ20は、例えば紙からなる。
図5Bに示された例では、キャリアテープ20は、第1部分20xと、第1部分20xの鉛直方向の下側に積層された第2部分20yと、を含んでいる。第1部分20xは薄板状であり、貫通孔が設けられている。第2部分20yは、第1部分20xより薄い薄膜状の部材であり、第1部分20xの貫通孔を鉛直方向の下側から塞いでいる。キャビティ20aは、第1部分20xの貫通孔と第2部分20yの表面の一部によって形成される。第1部分20xは例えば紙からなり、第2部分20yは例えば紙材質の粘着層を持ったテープからなる。
図5Cに示された例では、薄板状のキャリアテープ20をエンボス加工等によって変形させることで、キャビティ20aが形成されている。
図5Cに示すようなキャリアテープ20は、例えばプラスチックからなる。
【0029】
また、
図4に示すように、キャリアテープ20には、後述するプーリ30の送り歯31が係合する複数の送り穴20bが設けられている。送り穴20bの寸法は、例えば直径が1.5mm以上1.6mm以下である円形の貫通孔である。送り穴20bは、一方向d1に並んで設けられており、好ましくは一方向d1に規則的に並んでいる。一方向における送り穴20bの間隔は、例えば2mm以上6mm以下である。送り穴20bは、キャビティ20aの位置決めに用いられるよう、キャビティ20aの配置に対応した位置に設けられている。
図4に示された例では、2つのキャビティ20aに対応して1つの送り穴20bが設けられている。
【0030】
ワークを収容する前のキャリアテープ20は、供給リール21に巻き取られた状態で保持されており、ワークを収容した後のキャリアテープ20は、キャビティ20aを封止するトップテープが貼合された後、巻き取りリール22に巻き取られて回収される。キャリアテープ20は、第2駆動部23により、一方向d1に駆動される。
【0031】
供給リール21は、ワーク100を収容していない状態のキャリアテープ20を保持しており、キャリアテープ20をテーピング部15に供給する。供給リール21は、円盤状であり、その中心を軸に回動可能である。供給リール21には、キャビティ20aにワーク100を収容する前のキャリアテープ20が、その外周に沿って巻き付けられている。供給リール21は、キャリアテープ20が駆動される一方向d1の上流側に配置されている。
【0032】
巻き取りリール22は、ワーク100を収容した状態のキャリアテープ20を回収して保持する。巻き取りリール22は、円盤状であり、その中心を軸に回動可能である。巻き取りリール22には、キャビティ20aにワーク100を収容した状態のキャリアテープ20が、その外周に沿って巻き付けられている。巻き取りリール22は、キャリアテープ20が駆動される一方向d1の下流側に配置されている。
【0033】
第2駆動部23は、制御部50によって制御されて、キャリアテープ20を一方向d1に駆動させる。図示された例では、第2駆動部23は、後述するプーリ30を回転駆動し、プーリ30の回転によりキャリアテープ20を一方向d1に駆動させる。すなわち、第2駆動部23は、プーリ30を介して、キャリアテープ20を駆動させる。
【0034】
テーピング部15は、インデックステーブル10から放出されたワーク100をキャリアテープ20に供給して、キャビティ20aに収容する。
図1に示すように、テーピング部15は、インデックステーブル10の一部及びキャリアテープ20の一部と重なって設けられている。テーピング部15は、インデックステーブル10の一部及びキャリアテープ20の一部を覆っている。
図6には、テーピング部15が設けられた位置におけるテーピング装置1の拡大上面図が示されている。
図6に示すように、テーピング部15は、基準面15sを有している。基準面15sは、法線方向が水平方向となっており、インデックステーブル10とキャリアテープ20との間を延びる平面である。基準面15sは、ワーク100がインデックステーブル10から放出される位置において、キャリアテープ20のキャビティ20aに重なる位置まで延びている。基準面15sは、キャリアテープ20を駆動させてキャビティ20aを適切な位置に配置するための基準となる面である。したがって、キャビティ20aは、ワーク100を収容する際に、基準面15sに合わせて配置される。基準面15sはまた、インデックステーブル10から放出されたワーク100をキャビティ20aに導くガイド面として機能する。
【0035】
テーピング部15を介して撮像装置40が画像を撮像することができるよう、テーピング部15の少なくとも一部は透明になっている。具体的には、テーピング部15は、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと撮像装置40との間の部分において、透明である。すなわち、テーピング部15は、少なくとも
図6に示す領域Aに重なる位置において、透明になっている。これにより、撮像装置40が、テーピング部15を介して、基準面15sと、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を撮像することが可能となっている。透明となっているテーピング部15の少なくとも一部は、ガラス材等の可視光透過性を有する材料からなる。
【0036】
プーリ30は、キャリアテープ20を適切な位置に位置合わせする。プーリ30は、テーピング部15に対向して配置されている。好ましくは、プーリ30は、テーピング部15の基準面15sのキャリアテープ20を介した鉛直方向の下方に配置されている。
図7に、プーリ30の正面図が示されている。
図7に示されているように、プーリ30は、略円盤状であり、その中心を軸に回動可能である。プーリ30は、第2駆動部23によって回転することができる。すなわち、第2駆動部23は、プーリ30の軸を回転駆動させる。
【0037】
プーリ30は、その外周に等間隔に配置された複数の送り歯31を有している。送り歯31は、キャリアテープ20に設けられた複数の送り穴20bに係合する。送り歯31が送り穴20bに係合することで、キャリアテープ20の位置をプーリ30に対して微小に動かすことができる。すなわち、プーリ30に対するキャリアテープ20の位置を適切な位置とすることができる。送り歯31のプーリ30の外周に沿った間隔は、キャリアテープ20の送り穴20bの間隔に対応している。1つの送り歯31がキャリアテープ20の送り穴20bから離脱しても、別の送り歯31が別の送り穴20bに係合するようになっている。すなわち、少なくとも1つの送り歯31がキャリアテープ20の送り穴20bに係合した状態が保たれる。送り歯31と送り穴20bとが順次に係合することによって、キャリアテープ20に第2駆動部23によるプーリ30の回転駆動を伝達して、キャリアテープ20を駆動することができる。
【0038】
図8Aには、送り歯31の一方向d1に沿った断面図が示されている。
図8Aに示すように、送り歯31は、一方向d1に沿った断面においてインボリュート曲線形状を含んでいる。また、
図8Bには、送り歯31の一方向d1に直交する方向に沿った断面図が示されている。
図8Bに示すように、送り歯31は、一方向d1に直交する方向に沿った断面においてテーパ形状となっている。すなわち、一方向d1に直交する方向に沿った断面において、送り歯31は、プーリ30の中心から離間するにつれて、その幅が小さくなるように変化している。好ましくは、一方向d1に直交する方向に沿った断面において、送り歯31は、プーリ30の中心から離間するにつれて、その幅が一定の割合で小さくなるように変化している。言い換えると、一方向d1に直交する方向に沿った断面において、送り歯31の側面は直線形状となっている。
図8Bに示されているようなこのテーパ形状の勾配角度θは、10°以上40°以下であることが好ましく、20°以上30°以下であることがより好ましい。なお、勾配角度とは、送り歯31の延びる方向、すなわちプーリ30の径方向に対するテーパ形状の先端が延びている方向の角度である。
【0039】
図9Aには、キャリアテープ20の送り穴20bに送り歯31が係合されている状態の正面図が示されている。
図9Aに示すように、送り歯31は、送り穴20bに係合していく際及び送り穴20bから係合を解除していく際に、一方向d1に直交する方向に沿った断面においてテーパ形状となっている部分であって、一方向d1に沿った断面においてインボリュート曲線形状となっている部分が、送り穴20bの周壁を押し広げる。
【0040】
また、
図9Bには、キャリアテープ20の送り穴20bに送り歯31が係合されている状態の上面図が示されている。
図9Bに示すように、送り歯31は、プーリ30の外周側からの観察において、矩形となっている。
図9Bから理解されるように、この矩形の対角線の長さ、言い換えるとプーリ30の外周側からの観察における送り歯31の最長の長さは、送り穴20bの直径より大きくなっている。このため、送り歯31は、送り穴20bを押し広げながら係合する。
【0041】
撮像装置40は、テーピング部15を介して、キャリアテープ20の一部を撮像する。撮像装置40は、
図6に示す領域Aを撮像する。すなわち、撮像装置40は、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって、当該2つのキャビティ20aの間にテーピング部15の基準面15sが位置する2つのキャビティ20aを撮像する。したがって、撮像装置40は、この2つのキャビティ20aとともに、基準面15sをも撮像する。撮像装置40は、キャリアテープ20が駆動した後、キャビティ20aにワーク100が供給される前に、当該キャビティ20aと、当該キャビティ20aと隣り合う一方向d1の上流側のキャビティ20aと、を撮像する。言い換えると、撮像装置40は、基準面15sに合わせて配置されたキャビティ20aにワーク100が供給されていない状態で、キャビティ20aを撮像する。撮像装置40は、制御部50の制御によって画像を撮像し、撮像装置40で撮像された画像は、制御部50に送られる。
【0042】
制御部50は、第1駆動部12、第2駆動部23及び撮像装置40を制御する。制御部50は、撮像装置40を制御して領域Aを撮像させて、撮像した画像を受け取る。撮像装置40で撮像された画像に基づいて、基準面15sに合わせてキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってプーリ30を介してキャリアテープ20を駆動させる。また、制御部50は、撮像装置40で撮像された画像に基づいて、基準面15sに合わせて配置されるキャビティ20aより一方向d1の上流側に位置するキャビティ20aと基準面15sとの間の距離Pを測定する。制御部50は、測定された距離Pに基づいて、基準面15sに合わせて一方向d1の上流側のキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってキャリアテープ20を駆動させる。
【0043】
さらに、制御部50は、撮像装置40で撮像された画像において、基準面15sに合わせて配置されるキャビティ20aより一方向d1の上流側に位置するキャビティ20aに異常がないかを確認する。例えば、制御部50は、当該キャビティ20aに紙ケバやバリがあり、ワーク100を適切に収容できないと判断される場合、キャビティ20aに異常があると判定する。一方、キャビティ20aにワーク100を適切に収容できると判断される場合、キャビティ20aに異常がないと判定する。キャビティ20aに異常がないと判定されている場合、当該キャビティ20aが基準面15sに合わせて配置されると、制御部50は、ワーク100をキャリアテープ20に供給するように、第1駆動部12を制御してインデックステーブル10を駆動させて、ワーク100をキャビティ20aに挿入する。インデックステーブル10から放出されたワーク100がキャビティ20aに供給されると、第2駆動部23を制御してキャリアテープ20を駆動させる。一方、キャビティ20aに異常があると判定されている場合、当該キャビティ20aが基準面15sに合わせて配置されると、当該キャビティ20aにワーク100を供給することなく、第2駆動部23を制御してキャリアテープ20を駆動させる。なお、例えば連続した多数のキャビティ20aに異常があると判定される場合、制御部50は、キャリアテープ20の不良の可能性をテーピング装置1の使用者に通知する。
【0044】
さらに、制御部50は、ワーク100をキャリアテープ20に供給する間において、キャリアテープ20のキャビティ20aが基準面15sからずれてしまっている場合、基準面15sに合わせてキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23を制御してキャリアテープ20を駆動させる。
【0045】
次に、本実施の形態のテーピング装置1の作用の一例について説明する。すなわち、キャリアテープ20にワーク100を収容する方法の一例について説明する。
【0046】
まず、パーツフィーダ3に複数のワーク100が供給される。複数のワーク100は、パーツフィーダ3の振動装置が振動することにより、ワーク100が溝部3aに嵌め込まれながら移動する。これにより、ワーク100が向きを揃えて整列される。整列されたワークは、リニアフィーダ5に送られる。リニアフィーダ5は、ワーク100を搬送して、向きを揃えられたワーク100を個別にインデックステーブル10に供給する。
【0047】
インデックステーブル10は、第1駆動部12によって回転駆動されながら、ワーク100を個別に収容部10aに収容する。各収容部10aが真空引きされていることで、ワーク100が収容部10aに吸引されることで収容される。インデックステーブル10が回転駆動することで、ワーク100を収容した収容部10aは、テーピング部15に重なる位置に到達する。
【0048】
一方、キャリアテープ20は、供給リール21に巻き付けられており、巻き取りリール22に巻き取られる。プーリ30は、テーピング部15に対向して配置されており、送り歯31がキャリアテープ20の送り穴20bに係合している。プーリ30は、第2駆動部23によって回転駆動する。キャリアテープ20は、プーリ30を介して、第2駆動部23により一方向d1に駆動する。プーリ30の送り歯31は、キャリアテープ20の送り穴20bに順に係合する。送り歯31が送り穴20bに係合することで、キャリアテープ20がプーリ30に対して微小に動く。これにより、プーリ30に対するキャリアテープ20の位置を適切な位置に保つことができる。
【0049】
次に、テーピング部15において、キャリアテープ20にワーク100を収容する工程について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、テーピング部15において、キャリアテープ20にワーク100を収容する工程を示すフローチャートである。まず、制御部50が、撮像装置40を制御して、
図6に示された領域A、すなわち、基準面15sと、2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を撮像する。撮像した画像は制御部50に送られる。制御部50は、この画像に基づいて、基準面15sに合わせて配置されるキャビティ20aより一方向d1の上流側のキャビティ20aと基準面15sとの間の距離Pを測定する。
【0050】
次に、制御部50は、この画像に基づいて、基準面15sに合わせて配置するキャビティ20aより一方向d1の上流側のキャビティ20aに異常がないかを判定する。異常の判定の後、制御部50は、測定された距離Pに基づいて、基準面15sに合わせて一方向d1の上流側のキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってキャリアテープ20を駆動する。その後、制御部50が、撮像装置40を制御して、領域A、すなわち、基準面15sと、2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を再び撮像する。撮像した画像は制御部50に送られ、この画像に基づいて、基準面15sに合わせて配置されるキャビティ20aより一方向d1の上流側のキャビティ20aと基準面15sとの間の距離Pを測定する。
【0051】
キャリアテープ20が駆動された結果、上述した異常がないかを判定されたキャビティ20aは、基準面15sに合わせて配置されている。上述した判定において、このキャビティ20aに異常があると判定されていると、制御部50は、測定された距離Pに基づいて、基準面15sに合わせて一方向d1の上流側のキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってキャリアテープ20を駆動する。すなわち、異常があると判定されたキャビティ20aにワーク100を収容しない。一方、このキャビティ20aに異常がないと判定されていると、制御部50は、撮像された画像に基づいて、基準面15sに合わせてキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23を制御してキャリアテープ20を駆動する。これにより、キャビティ20aの位置が調節されて、
図6に示すように、基準面15sに沿ってキャビティ20aが配置される。その後、キャビティ20aにワーク100が挿入される。
【0052】
制御部50は、第1駆動部12を制御して、インデックステーブル10を回転駆動させる。これにより、
図6に示すように、ワーク100が収容された収容部10aが、基準面15sに合わせて配置される。その後、ワーク100がインデックステーブル10から放出される。放出されたワーク100は、基準面15sに案内されながら、キャリアテープ20に供給される。ワーク100は、基準面15sに案内されることで、基準面15sに沿って配置されたキャビティ20aに向かう。ワーク100がキャビティ20aに到達することで、キャビティ20aに収容される。
【0053】
なお、ワーク100をキャリアテープ20に供給する際に、例えば撮像装置40によってワーク100が収容されるキャビティ20aを撮像することで、キャビティ20aが基準面15sからずれていないかを確認する。キャリアテープ20のキャビティ20aが基準面15sからずれていると確認されると、制御部50は、基準面15sに合わせてキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23を制御してキャリアテープ20を駆動させる。
【0054】
基準面15sに沿って配置されたキャビティ20aにワーク100が収容されると、制御部50は、測定された距離Pに基づいて、基準面15sに合わせて一方向d1の上流側のキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってキャリアテープ20を駆動する。その後、制御部50が、撮像装置40を制御して、領域A、すなわち、基準面15sと、2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を再び撮像する。
【0055】
以上の工程を繰り返すことで、制御部50によって、画像に基づいて、キャビティ20aの位置を自動で調節するようキャリアテープ20を駆動し、またキャビティ20aの異常を判定してワーク100が収容されることを制御することができる。すなわち、異常のあるキャビティ20aにワーク100を収容することなく、複数のキャビティ20aのそれぞれにワーク100を収容していくことができる。
【0056】
複数のキャビティ20aのそれぞれにワーク100を収容しながら、キャビティ20aを封止する図示しないトップテープがキャリアテープ20に貼合されて、巻き取りリール22に巻き取られて回収される。
【0057】
なお、第2駆動部23によってキャリアテープ20が駆動されている間、プーリ30が回転する。プーリ30の送り歯31は、一方向d1に沿った断面においてインボリュート曲線形状を含んでいる。このため、送り歯31が送り穴20bに滑らかに係合する。すなわち、送り歯31が送り穴20bに係合する際に、キャリアテープ20の駆動を妨げにくく、キャリアテープ20が振動しにくい。このため、送り歯31が送り穴20bに係合する際に、キャリアテープ20が意図されずに動いてしまいにくくなる。また、キャリアテープ20のキャビティ20aに収容されたワーク100が意図されずにキャビティ20aから飛び出しにくくなる。
【0058】
また、送り歯31は、プーリ30の外周側からの観察において、対角線の長さが送り穴20bの直径より大きくなっている矩形である。このため、送り歯31が送り穴20bに係合する際に、送り歯31が送り穴20bを押し広げる。したがって、送り穴20bの直径にばらつきがあっても、送り歯31を確実に係合させることができる。
【0059】
ところで、インデックステーブルから放出したワークをキャビティに確実に収容するために、インデックステーブルからワークを放出する位置に対してキャビティの位置を正確に合わせることが求められている。従来のテーピング装置では、インデックステーブルからワークが供給される位置とキャリアテープのキャビティの位置とを直接観察して実施しているのではないため、キャビティの位置を正確に合わせることが困難であった。
【0060】
一方、本実施の形態のテーピング装置1では、撮像装置40が、基準面15sと、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を撮像する。そして、撮像装置40で撮像された画像に基づいて、制御部50が、基準面15sに合わせてキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってキャリアテープ20を駆動させる。これにより、基準面15sに合わせてキャビティ20aを配置することができる。ワーク100は、インデックステーブル10からキャリアテープ20に、基準面15sに沿って供給されるため、ワーク100を収容する位置にキャリアテープ20のキャビティ20aを精度よく位置合わせすることができる。また、撮像された画像に基づいて、1つのキャビティ20aにワーク100を収容した後、一方向d1の上流側のキャビティ20aを基準面15sに合わせて配置することができる。すなわち、ワーク100を収容することができる位置に次にワーク100を収容するキャリアテープ20のキャビティ20aを精度よく位置合わせすることができる。
【0061】
このようにワーク100を収容する位置にキャリアテープ20のキャビティ20aを精度よく位置合わせすることで、ワーク100をキャビティ20aに収容できずにエラーとなることを抑制することができ、テーピング装置1の動作を安定させることができる。また、撮像装置40で撮像された画像に基づいてキャリアテープ20のキャビティ20aの位置を基準面15sに合わせて配置するため、キャリアテープ20を交換しても、キャビティ20aの位置を調節することなく、交換されたキャリアテープ20のキャビティ20aにワーク100を収容することが可能となる。さらには、画像からキャビティ20aの位置を観察して当該キャビティ20aの位置を調節するため、キャリアテープ20に設けられたキャビティ20aの位置精度が悪くても、キャビティ20aにワーク100を収容することができる。
【0062】
また、制御部50は、撮像装置40で撮像された画像において、基準面15sに合わせて配置されたキャビティ20aより一方向d1の上流側のキャビティ20aに異常があるかを判定する。当該キャビティ20aに異常があると判定されている場合、当該キャビティ20aが基準面15sに合わせて配置された際に第1駆動部12を駆動することなく第2駆動部23を制御してキャリアテープ20を駆動させる。すなわち、異常があると判定されたキャビティ20aにワーク100を収容しない。これにより、ワーク100をキャビティ20aに適切に収容できずにエラーとなることを抑制することができる。すなわち、ワーク100を収容したキャリアテープ20の品質の低下を抑制することができる。
【0063】
さらに、撮像装置40は、基準面15sに合わせて配置されたキャビティ20aにワーク100が供給されていない状態で、キャビティ20aを撮像する。このように撮像された1つの画像によって、基準面15sに沿ってキャビティ20aを配置し、さらに、1つのキャビティ20aにワーク100を収容した後、画像から測定される基準面15sに合わせて配置されるキャビティ20aより一方向d1の上流側のキャビティ20aと基準面15sとの間の距離Pに基づいて、一方向d1の上流側のキャビティ20aを基準面15sに合わせて配置することができる。すなわち、1つの画像によって、2つのキャビティ20aの位置を精度よく位置合わせすることができる。さらには、この画像によって、基準面15sに合わせて配置されたキャビティ20aより一方向d1の上流側のキャビティ20aに異常があるかを判定することができる。
【0064】
また、テーピング部15は、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと撮像装置40との間の部分において、透明である。このため、撮像装置40は、テーピング部15を介して、基準面15sと、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を撮像することができる。撮像装置40がより近くから基準面15s及びキャビティ20aを撮像することができるため、より高精度な画像を撮像することができる。このような高精度な画像に基づくため、制御部50は、第1駆動部12、第2駆動部23及び撮像装置40をより的確に制御することができる。すなわち、例えばワーク100を収容する位置にキャリアテープ20のキャビティ20aをより精度よく位置合わせすることができる。
【0065】
さらに、プーリ30の送り歯31は、一方向d1に沿った断面においてインボリュート曲線形状を含み且つ一方向d1に直交する方向に沿った断面においてテーパ形状を含む。テーパ形状の勾配角度は、10°以上40°以下である。一方向d1に沿った断面においてインボリュート曲線形状となっていることで、送り歯31が送り穴20bに滑らかに係合することができる。ここで、従来のプーリ130が有する送り歯131は、
図11Aに示すように、一方向d1に沿った断面においてインボリュート曲線形状となっているが、
図11Bに示すように、一方向d1に直交する方向に沿った断面において、テーパ形状の勾配角度θが大きくなっている。具体的には、
図11Bに示す従来の送り歯31において、テーパ形状の勾配角度θは、45°以上となっている。この場合、
図12Aに示すように、送り歯31が送り穴20bに係合して送り穴20bを押し広げると、
図12Bに示すように送り歯31の角部において送り穴120bを削ってしまい、キャリアテープ120を損傷させてしまう。また、キャリアテープ120に意図せずに力がかかり、意図されない方向にキャリアテープ120を動かしてしまう。この結果、キャリアテープの位置精度が悪化してしまう。一方、本実施の形態のように、テーパ形状の勾配角度が40°以下、好ましくは30°以下となっていると、
図9Aに示すように送り歯31が送り穴20bに係合して送り穴20bを押し広げても、
図9Bに示すように送り歯31の角部において送り穴20bを削りにくい。したがって、キャリアテープ20を損傷させにくい。また、送り歯31からキャリアテープ20に意図されない力がかかりにくく、意図されない方向にキャリアテープ20を動かしにくい。この結果、キャリアテープ20の位置精度を送り歯31によって悪化させにくい。
【0066】
ただし、送り歯31がキャリアテープ20にしっかりと係合させてプーリ30の位置に対するキャリアテープ20の位置を適切に保つよう、テーパ形状の勾配角度は、10°以上、好ましくは20°以上となっている。
【0067】
また、プーリ30は、テーピング部15に対向して配置されている。送り歯31と送り穴20bとが係合することで、プーリ30の位置に対するキャリアテープ20の位置が適切に保たれる。キャビティ20aにワーク100が収容される位置に近い位置でプーリ30の位置に対するキャリアテープ20の位置が適切に保たれることで、キャビティ20aにワーク100をより確実に収容することができる。
【0068】
以上のように、本実施の形態のテーピング装置1は、ワーク100を収容する複数の収容部10aを有するインデックステーブル10と、インデックステーブル10に隣り合って設けられ、一方向d1に並んだ複数のキャビティ20aが設けられたキャリアテープ20と、インデックステーブル10の一部及びキャリアテープ20の一部に重なって設けられ、基準面15sを有するテーピング部15と、インデックステーブル10を駆動させる第1駆動部12と、キャリアテープ20を一方向d1に駆動させる第2駆動部23と、基準面15sと、一方向d1に隣り合う2つのキャビティ20aであって当該2つのキャビティ20aの間に基準面15sが位置する2つのキャビティ20aと、を撮像する撮像装置40と、第1駆動部12、第2駆動部23及び撮像装置40を制御する制御部50と、を備え、制御部50は、撮像装置40で撮像された画像に基づいて、基準面15sに合わせてキャビティ20aが配置されるよう、第2駆動部23によってキャリアテープ20を駆動させる。このようなテーピング装置1によれば、ワーク100を収容する位置にキャリアテープ20のキャビティ20aを精度よく位置合わせすることができる。すなわち、キャリアテープ20のキャビティ20aの位置合わせ精度を向上させることができる。
【0069】
本発明の態様は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した実施の形態に係る内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 テーピング装置
3 パーツフィーダ
5 リニアフィーダ
10 インデックステーブル
10a 収容部
12 第1駆動部
15 テーピング部
15s 基準面
20 キャリアテープ
20a キャビティ
20b 送り穴
21 供給リール
22 巻き取りリール
23 第2駆動部
30 プーリ
31 送り歯
40 撮像装置
50 制御部
100 ワーク