(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041150
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】サービス支援システム、プログラムおよびサービス支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220304BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146200
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】517345683
【氏名又は名称】JUSETZマーケティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135002
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 直之
(72)【発明者】
【氏名】武智 剛
(72)【発明者】
【氏名】木村 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】移動しながら提供されるサービスを手軽に利用できるように支援する技術を提供する。
【解決手段】経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するサービス支援システムに、利用者によって所持される携帯端末装置2と、サービスを示すサービス情報411とサービス情報411に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報412とを関連づけて記憶する記憶装置と、利用者がサービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報211を取得するデータ処理部201と、希望位置情報211とルート情報412に含まれる提供可能位置とに応じて、サービス情報411を案内情報414として選択するデータ処理部とを設ける。そして、携帯端末装置2に、利用者に案内情報414を出力する表示部23を設ける。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するサービス支援システムであって、
利用者によって所持される携帯端末装置と、
前記サービスを示すサービス情報と前記サービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、
利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する位置取得手段と、
前記希望位置情報と前記ルート情報に含まれる前記提供可能位置とに応じて、前記サービス情報を案内情報として選択する選択手段と、
を備え、
前記携帯端末装置は、前記利用者に前記案内情報を出力する利用者用出力手段を備えるサービス支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス支援システムであって、
前記位置取得手段は、前記携帯端末装置に設けられており、
前記位置取得手段は、前記携帯端末装置の位置を前記希望位置情報として取得するサービス支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載のサービス支援システムであって、
前記位置取得手段は、GPSを用いて前記携帯端末装置の位置を取得するサービス支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のサービス支援システムであって、
前記利用者の注文を示す注文情報を取得する注文取得手段と、
前記提供者に前記注文情報を出力する提供者用出力手段と、
を備えるサービス支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載のサービス支援システムであって、
前記車両に搭載される移動端末装置を備え、
前記提供者用出力手段は、前記移動端末装置に設けられるサービス支援システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載のサービス支援システムであって、
前記注文情報は、注文に係るサービスの提供を受ける場所として前記利用者が指定した指定位置情報を含むサービス支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載のサービス支援システムであって、
前記携帯端末装置は、当該携帯端末装置の位置を示す端末位置情報を取得する端末位置取得手段を備え、
前記端末位置情報を前記指定位置情報とするサービス支援システム。
【請求項8】
請求項7に記載のサービス支援システムであって、
前記端末位置取得手段は、GPSを用いて前記携帯端末装置の位置を取得するサービス支援システム。
【請求項9】
請求項4ないし8のいずれかに記載のサービス支援システムであって、
前記注文情報は、注文に係るサービスの提供を受ける時間として前記利用者が指定した指定時間情報を含むサービス支援システム。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のサービス支援システムであって、
前記案内情報は、当該案内情報となった前記サービス情報に関連づけられた前記ルート情報を含むサービス支援システム。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載のサービス支援システムであって、
前記ルート情報は、前記提供可能位置に応じた予定時間情報を含むサービス支援システム。
【請求項12】
請求項11に記載のサービス支援システムであって、
前記選択手段は、前記予定時間情報に応じて前記ルート情報を特定し、特定した前記ルート情報に関連づけられた前記サービス情報を案内情報として選択するサービス支援システム。
【請求項13】
コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、
経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを示すサービス情報と前記サービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、
利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する位置取得手段と、
前記希望位置情報と前記ルート情報に含まれる前記提供可能位置とに応じて、前記サービス情報を案内情報として選択する選択手段と、
前記利用者に前記案内情報を出力する利用者用出力手段と、
を備えるサービス支援システムとして機能させるプログラム。
【請求項14】
経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するサービス支援方法であって、
前記サービスを示すサービス情報と前記サービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する工程と、
利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する工程と、
前記希望位置情報と前記ルート情報に含まれる前記提供可能位置とに応じて、前記サービス情報を案内情報として選択する工程と、
前記利用者によって所持される携帯端末装置において、前記利用者に前記案内情報を出力する工程と、
を有するサービス支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動しながら提供されるサービスを手軽に利用できるように支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、タクシーによる送迎サービスのように、車両によって移動しながら提供されるサービスが知られている。このようなサービスは、利用者の目の前に常に提供者が存在するとは限らないため、利用者は提供を受けることができるサービスをその場で把握しにくいという問題がある。このようなサービスを利用者が手軽に利用できるようにする技術として、例えば、特許文献1には、利用者用携帯端末から送信される配車依頼情報を基に送迎提供者から配車情報を送信する技術が記載されている。
【0003】
一方で、昨今、キッチンカーによって移動しながら料理を提供するサービスが注目されている。キッチンカーは、店舗が不要なためにコストを抑制できるとともに、利用者が見込める場所に移動することができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載されている技術は、送迎車両による送迎に特化した技術であって、キッチンカーによって提供されるサービスに適用することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、移動しながら提供されるサービスを手軽に利用できるように支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するサービス支援システムであって、利用者によって所持される携帯端末装置と、前記サービスを示すサービス情報と前記サービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する位置取得手段と、前記希望位置情報と前記ルート情報に含まれる前記提供可能位置とに応じて、前記サービス情報を案内情報として選択する選択手段とを備え、前記携帯端末装置は、前記利用者に前記案内情報を出力する利用者用出力手段を備える。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るサービス支援システムであって、前記位置取得手段は、前記携帯端末装置に設けられており、前記位置取得手段は、前記携帯端末装置の位置を前記希望位置情報として取得する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係るサービス支援システムであって、前記位置取得手段は、GPSを用いて前記携帯端末装置の位置を取得する。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るサービス支援システムであって、前記利用者の注文を示す注文情報を取得する注文取得手段と、前記提供者に前記注文情報を出力する提供者用出力手段とを備える。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るサービス支援システムであって、前記車両に搭載される移動端末装置を備え、前記提供者用出力手段は、前記移動端末装置に設けられる。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項4または5の発明に係るサービス支援システムであって、前記注文情報は、注文に係るサービスの提供を受ける場所として前記利用者が指定した指定位置情報を含む。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明に係るサービス支援システムであって、前記携帯端末装置は、当該携帯端末装置の位置を示す端末位置情報を取得する端末位置取得手段を備え、前記端末位置情報を前記指定位置情報とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係るサービス支援システムであって、前記端末位置取得手段は、GPSを用いて前記携帯端末装置の位置を取得する。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項4ないし8のいずれかの発明に係るサービス支援システムであって、前記注文情報は、注文に係るサービスの提供を受ける時間として前記利用者が指定した指定時間情報を含む。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかの発明に係るサービス支援システムであって、前記案内情報は、当該案内情報となった前記サービス情報に関連づけられた前記ルート情報を含む。
【0017】
また、請求項11の発明は、請求項1ないし10のいずれかの発明に係るサービス支援システムであって、前記ルート情報は、前記提供可能位置に応じた予定時間情報を含む。
【0018】
また、請求項12の発明は、請求項11の発明に係るサービス支援システムであって、前記選択手段は、前記予定時間情報に応じて前記ルート情報を特定し、特定した前記ルート情報に関連づけられた前記サービス情報を案内情報として選択する。
【0019】
また、請求項13の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを示すサービス情報と前記サービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する位置取得手段と、前記希望位置情報と前記ルート情報に含まれる前記提供可能位置とに応じて、前記サービス情報を案内情報として選択する選択手段と、前記利用者に前記案内情報を出力する利用者用出力手段とを備えるサービス支援システムとして機能させる。
【0020】
また、請求項14の発明は、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するサービス支援方法であって、前記サービスを示すサービス情報と前記サービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する工程と、利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する工程と、前記希望位置情報と前記ルート情報に含まれる前記提供可能位置とに応じて、前記サービス情報を案内情報として選択する工程と、前記利用者によって所持される携帯端末装置において、前記利用者に前記案内情報を出力する工程とを有する。
【発明の効果】
【0021】
請求項1ないし13に記載の発明は、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを示すサービス情報とサービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、利用者が前記サービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得する位置取得手段と、希望位置情報とルート情報に含まれる提供可能位置とに応じて、サービス情報を案内情報として選択する選択手段と、利用者に案内情報を出力する利用者用出力手段を備えることにより、利用可能なサービスを利用者に案内することができる。
【0022】
請求項14に記載の発明は、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを示すサービス情報とサービス情報に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報とを関連づけて記憶し、利用者がサービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報を取得し、希望位置情報とルート情報に含まれる提供可能位置とに応じて、サービス情報を案内情報として選択し、利用者によって所持される携帯端末装置において、利用者に案内情報を出力することにより、利用可能なサービスを利用者に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】携帯端末装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【
図5】サーバー装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【
図7】移動端末装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
【0025】
<1. 実施の形態>
図1は、サービス支援システム1を示す図である。サービス支援システム1は、利用者が所持する携帯端末装置2、提供システム3、ネットワーク90および無線基地局91を備えている。なお、
図1には、1台の携帯端末装置2のみを図示しているが、サービス支援システム1が備える携帯端末装置2の数は、特に限定されるものではない。
【0026】
詳細は後述するが、サービス支援システム1は、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するシステムとして構成されている。本実施の形態におけるサービス支援システム1は、キッチンカーによって料理を提供するサービスを支援する例として説明する。ただし、提供されるサービスはキッチンカーによるものに限定されるものではない。例えば、灯油の販売カーや廃品回収車のように、特定の商品を扱うものであってもよい。
【0027】
なお、ネットワーク90は、一般的な電話網やインターネットであって、接続された機器間のデータ通信を実現する。ネットワーク90は、有線による通信と無線による通信とが混在していてもよい。また、ネットワーク90における有線は、メタルケーブルであってもよいし、光ケーブルであってもよい。すなわち、ネットワーク90は、双方向のデータ通信が可能であれば、特に限定されるものではない。
【0028】
また、無線基地局91は、ネットワーク90に接続されており、携帯端末装置2や移動端末装置5との間で無線通信を実現する機器である。すなわち、無線基地局91は、携帯端末装置2および移動端末装置5をネットワーク90にデータ通信可能な状態で接続する機能を有している。なお、ネットワーク90に接続されている無線基地局91の数は、
図1に示す2台に限定されるものではない。無線基地局91は無数に存在しており、携帯端末装置2および移動端末装置5が移動する先々でネットワーク90に接続できるように配置されている。
【0029】
提供システム3は、サーバー装置4および移動端末装置5を備えている。なお、サーバー装置4は、複数台の装置から構成されてもよい。また、提供システム3が備える移動端末装置5の数は、
図1に示す1台に限定されるものではない。提供システム3についての詳細は後述する。
【0030】
図2は、携帯端末装置2のブロック図である。携帯端末装置2は、利用者が所持しつつ移動可能な携帯型の端末装置である。携帯端末装置2としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、携帯用ゲーム機、あるいは、ノートパソコンなどが該当するがこれらに限定されるものではない。
【0031】
図2に示すように、携帯端末装置2は、CPU20、記憶装置21、操作部22、表示部23、通信部24および端末位置取得部25を備えている。
【0032】
CPU20は、記憶装置21に格納されているプログラム210を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU20は、携帯端末装置2が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、携帯端末装置2は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0033】
記憶装置21は、携帯端末装置2において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置21が携帯端末装置2において電子的に固定された情報を保存する。
【0034】
記憶装置21としては、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)、比較的大容量のデータを記憶するハードディスク、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(PCカード、SDカード、USBメモリなど)等が該当する。
図2においては、記憶装置21を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置21は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置21は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
【0035】
また、現実のCPU20は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU20が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置21に含めて説明する。すなわち、一時的にCPU20自体が記憶するデータも、記憶装置21が記憶するとして説明する。
図2に示すように、記憶装置21は、プログラム210、希望位置情報211、注文情報212および案内情報414などを記憶するために使用される。
【0036】
希望位置情報211は、利用者がサービスの提供を希望する位置(場所)を示す情報である。したがって、希望位置情報211に示される位置は、実際に、サービスの提供を受けることができる位置とは限らない。すなわち、希望位置情報211に示される位置において、サービスが全く提供されない場合もあり得る。また、希望位置情報211は、希望者である利用者を示すユーザ識別子を含んでいる。
【0037】
注文情報212は、携帯端末装置2において作成される情報であって、利用者の注文を示す情報である。注文情報212は、提供者が提供するサービスのうち、利用者によって選択されたサービスを示している。また、注文情報212は、注文主である利用者を示すユーザ識別子と、選択されたサービスを提供するキッチンカーを示す車両識別子とを含んでいる。
【0038】
なお、案内情報414については後述する。また、記憶装置21が記憶する情報は、プログラム210、希望位置情報211、注文情報212および案内情報414に限定されるものではない。
【0039】
操作部22は、携帯端末装置2に対して利用者が指示を入力するために操作するハードウェアである。操作部22としては、例えば、各種キーやボタン類、スイッチ、タッチパネル、ポインティングデバイス、あるいは、ジョグダイヤルなどが該当する。操作部22は、利用者が、希望位置情報211や注文情報212などを入力するために使用される。
【0040】
表示部23は、各種データを表示することにより利用者に対して出力する機能を有するハードウェアである。表示部23としては、例えば、ランプやLED、液晶ディスプレイや液晶パネルなどが該当する。表示部23は、例えば、利用者に案内情報414を出力するために使用される。すなわち、表示部23は、利用者用出力手段としての機能を有している。
【0041】
通信部24は、携帯端末装置2が外部の無線基地局91との間で無線による通信を行う機能を提供する。携帯端末装置2が通信部24を備えていることにより、携帯端末装置2は、無線基地局91およびネットワーク90を介して、提供システム3との間でデータ通信が可能である。
【0042】
端末位置取得部25は、携帯端末装置2の現在位置を端末位置情報250として取得する機能を有している。
【0043】
本実施の形態における端末位置取得部25は、GPS(Global Positioning System)を利用して測位することにより現在位置を取得する。GPSについては、従来の技術を適宜採用することができるため、詳細な説明は省略するが、GPSでは、複数の衛星が送信時刻(全衛星の時計は高精度に一致している)や、それぞれ自己の軌道を示す情報(エフェメリス)等をGPS信号として送信しつつ飛行している。そして、これらのGPS信号は、全ての衛星が同一周波数を用いる、CDMA(Code Division Multiple Access)方式により送信されている。測位に必要な情報を観測するGPS受信機は、このようなGPS信号を受信することにより自機の位置を求めるように構成されている。
【0044】
GPSを用いて得られる位置は、携帯端末装置2の位置(端末位置情報250)である。しかし、本実施の形態における携帯端末装置2は利用者に所持されているので、端末位置情報250は、利用者の位置情報とみなすことができる。このように、端末位置取得部25が測位によって端末位置情報250を取得することにより、利用者は自身の現在位置を意識して入力する必要はない。
【0045】
端末位置取得部25によって取得された端末位置情報250は、記憶装置21に転送されて、記憶される。
図2では、端末位置取得部25が端末位置情報250を記憶しているかのように示しているが、端末位置情報250も記憶装置21が記憶する。
【0046】
なお、以下の説明では、特に断らない限り、端末位置取得部25による測位(端末位置情報250の作成)は、充分に短い間隔ごとに実行され続けているものとして説明する。そして、記憶装置21に記憶される端末位置情報250は、端末位置取得部25において新たな端末位置情報250が作成されるたびに更新されるものとする。したがって、端末位置情報250は、利用者(携帯端末装置2)の現在位置を示す情報とみなす。
【0047】
すでに説明したように、GPSによる測位の実行には、衛星によって送信されるGPS信号を携帯端末装置2が受信する必要がある。しかし、屋内や地下などにおいて、GPS信号を受信することが困難な状況が発生する場合がある。このような場合には、端末位置取得部25は、GPSを利用して端末位置情報250を取得することができない。
【0048】
このような状況に備えて、端末位置取得部25は、動きを観測するための装置群(加速度センサや、ジャイロセンサ、磁気センサなど)を備えていてもよい。これにより、既知の地点(最後にGPS信号を受信できた位置など)からの携帯端末装置2の移動経路を演算して、現在位置(端末位置情報250)を求めることができる。もちろん、位置が既知のランドマークや住所などを、利用者が操作部22を操作して入力することにより端末位置情報250を取得するように構成してもよい。このように、端末位置情報250を取得することが可能であれば、GPSを利用する構成に限定されるものではない。
【0049】
ただし、キッチンカーによるサービスの提供場所(以下、「提供可能位置」と称する。)は、普通、屋外である。したがって、利用者が提供可能位置に居るときには、GPS信号を受信することは比較的容易であると考えられる。このように、屋外における現在位置を取得する場合には、GPSを利用することが好ましい。
【0050】
図3は、携帯端末装置2が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
図3に示す通信制御部200およびデータ処理部201は、CPU20がプログラム210に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0051】
図2において図示を省略したが、本実施の形態における注文情報212は、すでに説明した情報の他に、
図3に示すように、注文に係るサービスの提供を受ける場所として利用者が指定した位置を示す指定位置情報213と、注文に係るサービスの提供を受ける時間として利用者が指定した時間を示す指定時間情報214とを含んでいる。
【0052】
サービス情報411は、提供者によって提供されるサービスを示す情報である。詳細は後述するが、サービス情報411は、提供システム3において作成される情報である。
【0053】
すでに説明したように、本実施の形態では、キッチンカーにおいて料理を提供する。したがって、本実施の形態におけるサービス情報411は、例えば、店名や提供者名、料理のジャンル、提供可能な料理の名前、料金、調理時間、材料、アレルゲンの有無、カロリー、クーポン、広告、提供者の連絡先、あるいは、車両識別子などである。ただし、サービス情報411に含まれる情報は、これらに限定されるものではなく、また、これらの情報をすべて含んでいなければならないわけでもない。
【0054】
ルート情報412は、提供者によるサービスの提供可能位置と予定時間情報413と車両識別子とを含む情報である。具体的には、ルート情報412は、車両識別子で識別されるキッチンカーの経路(提供可能位置を含む)である。詳細は後述するが、ルート情報412は、提供システム3において作成される情報である。
【0055】
ルート情報412に含まれる提供可能位置とは、キッチンカーの単純な経路ではなく、利用者に対してサービス(一部のサービスでもよい)を提供することができる位置である。例えば、サービスエリアや公園などのように、キッチンカーを一定時間停車させて料理を提供することを予定している場所(位置)は、当然、提供可能位置に該当する。一方、キッチンカーが高速道路を移動している場合、キッチンカーを停車させて利用者に料理を提供することはできない。したがって、高速道路はキッチンカーの経路ではあるが、提供可能位置には該当しない。しかし、例えば、一般道路などであっても、キッチンカーを一時停車させて利用者に料理を渡すのであれば(テイクアウト)可能な場所もある。したがって、車道のすべてが提供可能位置に該当しないわけではない。ルート情報412には、キッチンカーの経路とともに、当該経路内から選択される位置が、少なくとも1箇所以上、提供可能位置として含まれている。
【0056】
従来技術である配車システムが対象とするタクシーや集荷トラックなどは、原則として車道であればどこにでも配車可能であるという事情がある。利用者は、車道にアクセスできる場所であれば、タクシーの配車を依頼できることを改めて説明されなくても理解している。すなわち、利用者は、従来技術の配車システムにおいて、サービスの提供可能位置を把握する必要はほとんどない。これに対して、キッチンカーは、通常、キッチンカーごとに予め決められた経路を移動しつつサービスを提供する。したがって、利用者は、適切に周知されなければ、キッチンカーによって提供されるサービスの提供可能位置を把握することは困難である。
【0057】
予定時間情報413は、ルート情報412に含まれる情報であって、当該ルート情報412に格納されている提供可能位置に応じた予定時間に関する情報である。より詳細には、各提供可能位置においてサービスを提供することのできる時間を示す情報である。例えば、キッチンカーを一定時間停車させてサービスを提供するような提供可能位置においては、予定されている停車時間である。一方、予め調理した料理を通過中に渡すような提供可能位置においては、予定されている到着時間(通過時間)である。詳細は後述するが、予定時間情報413は、提供システム3において作成される情報である。
【0058】
案内情報414は、サーバー装置4において作成され、提供システム3から携帯端末装置2に向けて送信された情報である。本実施の形態における案内情報414は、サービス情報411と当該サービス情報411に関連づけられたルート情報412とを含んでいる。したがって、詳細は後述するが、利用者(携帯端末装置2)において、ルート情報412を利用することができる。ただし、ルート情報412を携帯端末装置2において使用しない場合には、ルート情報412は案内情報414に含まれていなくてもよい。
【0059】
通信制御部200は、通信部24を制御する機能を有している。通信制御部200は、通信部24が受信した案内情報414を記憶装置21に記憶させる。また、通信制御部200は、希望位置情報211および注文情報212を通信部24に転送するとともに、これらの情報を提供システム3(サーバー装置4)に向けて送信するように通信部24を制御する。
【0060】
データ処理部201は、端末位置情報250または操作部22から入力された情報に基づいて、希望位置情報211を作成する。すなわち、データ処理部201は、希望位置取得手段としての機能を有している。また、データ処理部201は、利用者が操作部22を操作することにより入力される指示に従って、注文情報212を作成する。すなわち、データ処理部201は、注文取得手段としての機能を有している。さらに、データ処理部201は、案内情報414を表示部23に表示させる機能も有している。
【0061】
図4は、サーバー装置4のブロック図である。サーバー装置4は、提供システム3が備えるパーソナルコンピュータである。サーバー装置4は、据え置き型の装置として構成されており、例えば、オフィスに設置される。サーバー装置4を操作する者を、以下の説明では、「オペレータ」と称する。オペレータは、提供者であってもよいが、通常は、サービス支援システム1の運営者である。
【0062】
図4に示すように、サーバー装置4は、CPU40、記憶装置41、操作部42、表示部43、および、通信部44を備えている。
【0063】
CPU40は、記憶装置41に格納されているプログラム410を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU40は、サーバー装置4が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。これにより、サーバー装置4は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0064】
記憶装置41は、サーバー装置4において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置41がサーバー装置4において電子的に固定された情報を保存する。
【0065】
記憶装置41としては、CPU40の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)、比較的大容量のデータを記憶するハードディスク、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(CD-ROM、PCカード、SDカード、USBメモリなど)等が該当する。
図4においては、記憶装置41を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置41は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置41は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
【0066】
また、現実のCPU40は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU40が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置41に含めて説明する。すなわち、一時的にCPU40自体が記憶するデータも、記憶装置41が記憶するとして説明する。
図4に示すように、記憶装置41は、プログラム410、希望位置情報211、注文情報212、および、提供者データベース415などを記憶するために使用される。なお、記憶装置41が記憶する情報は、これらの情報に限定されるものではない。
【0067】
図4に示す提供者データベース415は、サービス支援システム1に登録されているキッチンカーごとに1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータベースである。提供者データベース415の各レコードは、車両識別子、当該車両識別子で識別されるキッチンカーのサービスを示すサービス情報411、当該キッチンカーのルート情報412などが格納されている。言い換えれば、提供者データベース415の各レコードは、サービス情報411とルート情報412とを関連づける。したがって、記憶装置41は、提供者データベース415を記憶することにより、サービス情報411とルート情報412とを関連づけて記憶する。
【0068】
操作部42は、サーバー装置4に対してオペレータが指示を入力するために操作するハードウェアである。操作部42としては、例えば、各種キーやボタン類、スイッチ、タッチパネル、ポインティングデバイス、あるいは、ジョグダイヤルなどが該当する。操作部42は、オペレータが提供者データベース415を構成する情報などを入力するために使用される。
【0069】
表示部43は、各種データを表示することによりオペレータに対して出力する機能を有するハードウェアである。表示部43としては、例えば、ランプやLED、液晶ディスプレイや液晶パネル、CRTなどが該当する。表示部43は、例えば、提供者データベース415の内容やキッチンカーの運行状況などを表示するために使用される。
【0070】
通信部44は、サーバー装置4がネットワーク90に接続して、外部の装置との間で通信を行う機能を提供する。サーバー装置4が通信部44を備えていることにより、サーバー装置4は、ネットワーク90を介して、携帯端末装置2や移動端末装置5との間でデータ通信が可能である。
【0071】
図5は、サーバー装置4が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
図5に示す通信制御部400、提供者登録部401およびデータ処理部402は、CPU40がプログラム410に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0072】
申告情報511は、登録情報416の一部または全部を構成する情報である。本実施の形態における申告情報511は、移動端末装置5から受信する情報である。申告情報511は、提供者が、自身のサービス等について申告した情報である。
【0073】
登録情報416は、提供者データベース415の1つのレコードを構成する情報である。登録情報416は、申告情報511と、オペレータによって追加された情報とから構成される。ただし、登録情報416は、受信した申告情報511の一部のみを含むものでもよい。すなわち、登録情報416を構成する申告情報511は、オペレータによって不要な情報が削除されていてもよい。
【0074】
通信制御部400は、通信部44を制御する機能を有している。通信制御部400は、通信部44が受信した希望位置情報211、注文情報212および申告情報511を記憶装置41に記憶させる。また、通信制御部400は、注文情報212を通信部44に転送するとともに、当該注文情報212を移動端末装置5に向けて送信するように通信部44を制御する。さらに、通信制御部400は、案内情報414を通信部44に転送するとともに、当該案内情報414を携帯端末装置2に向けて送信するように通信部44を制御する。
【0075】
提供者登録部401は、操作部42から入力されるオペレータの指示に従って、登録情報416(申告情報511)や、提供者データベース415を表示部43に表示させる。また、提供者登録部401は、申告情報511から作成された登録情報416に、操作部42から入力された情報などを追加して、登録情報416を更新編集する。また、提供者登録部401は、オペレータの承認指示に従って、登録情報416を、提供者データベース415に登録する。
【0076】
データ処理部402は、希望位置情報211を用いて提供者データベース415を検索し、提供者データベース415に記録されている情報(詳細後述)を抽出して、案内情報414を作成する。より詳細には、希望位置情報211に示される位置と、ルート情報412に示される提供可能位置とを比較して、所定の条件(例えば一致)を満たすルート情報412を特定する。そして、特定したルート情報412と、当該ルート情報412に関連づけられているサービス情報411とを含む案内情報414を作成する。すなわち、データ処理部402は、選択手段としての機能を有している。これにより、利用者がサービスの提供を希望する位置(希望位置情報211)を入力することによって、当該位置においてサービスの提供を受けることができるキッチンカー(提供者)のサービス(サービス情報411)がリストアップされる。
【0077】
なお、データ処理部402は、ルート情報412を特定する前に、現在の時間と、予定時間情報413(ルート情報412に含まれている。)とを比較して、すでに経過している予定時間情報413に対応する提供可能位置を検索対象から除外する。これにより、例えば、すでに希望位置情報211に示される位置を通り過ぎてしまったキッチンカーがリストアップされることを防止することができる。
【0078】
さらに、データ処理部402は、受信された注文情報212を提供者データベース415に登録する機能も有している。これにより、以後、提供者データベース415に格納された注文情報212を表示部43に表示させることによって、オペレータは、サーバー装置4において注文情報212を確認することができる。したがって、オペレータは、利用者からの問い合わせなどに応答することができる。
【0079】
図6は、移動端末装置5のブロック図である。移動端末装置5は、提供システム3が備える可搬性のコンピュータである。移動端末装置5は、例えば、タブレットや、ノートパソコンなどが該当し、キッチンカーの内部などに設置され、キッチンカーの移動に伴って位置が変化する。移動端末装置5を操作する者は、提供者である。
【0080】
図6に示すように、移動端末装置5は、CPU50、記憶装置51、操作部52、表示部53、および、通信部54を備えている。
【0081】
CPU50は、記憶装置51に格納されているプログラム510を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU50は、移動端末装置5が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。これにより、移動端末装置5は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0082】
記憶装置51は、移動端末装置5において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置51が移動端末装置5において電子的に固定された情報を保存する。
【0083】
記憶装置51としては、CPU50の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)、比較的大容量のデータを記憶するハードディスク、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(CD-ROM、PCカード、SDカード、USBメモリなど)等が該当する。
図6においては、記憶装置51を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置51は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置51は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
【0084】
また、現実のCPU50は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU50が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置51に含めて説明する。すなわち、一時的にCPU50自体が記憶するデータも、記憶装置51が記憶するとして説明する。
図6に示すように、記憶装置51は、プログラム510、注文情報212、申告情報511および営業管理情報512などを記憶するために使用される。なお、記憶装置51が記憶する情報は、これらの情報に限定されるものではない。
【0085】
図6に示す営業管理情報512は、提供者の営業に係る各種情報を含んでおり、例えば、未処理注文(注文情報212)、処理済み注文(過去の注文情報212)、在庫、売上げ、売れ筋、提供料理一覧や料金(サービス情報411)、レシピ、移動経路(ルート情報412)、スケジュール、経費、顧客情報などである。ただし、営業管理情報512は、このような情報に限定されるものではなく、これらの情報のすべてを含んでいる必要もない。
【0086】
操作部52は、移動端末装置5に対して提供者が指示を入力するために操作するハードウェアである。操作部52としては、例えば、各種キーやボタン類、スイッチ、タッチパネル、ポインティングデバイス、あるいは、ジョグダイヤルなどが該当する。操作部52は、例えば、提供者が申告情報511を入力するためなどに使用される。
【0087】
表示部53は、各種データを表示することにより提供者に対して出力する機能を有するハードウェアである。表示部53としては、例えば、ランプやLED、液晶ディスプレイや液晶パネルなどが該当する。表示部53は、例えば、提供者に注文情報212を出力するために使用される。すなわち、表示部53は、提供者用出力手段に相当する。
【0088】
通信部54は、移動端末装置5がネットワーク90に接続して、外部の装置との間で通信を行う機能を提供する。移動端末装置5が通信部54を備えていることにより、移動端末装置5は、ネットワーク90を介して、サーバー装置4との間でデータ通信が可能である。なお、説明を簡単にするために、サービス支援システム1において、携帯端末装置2および移動端末装置5は、サーバー装置4とのみ通信を行うものとして説明する。すなわち、携帯端末装置2と提供システム3との間の通信は、全て携帯端末装置2とサーバー装置4との間で行われる例で説明する。しかし、携帯端末装置2と移動端末装置5との間でネットワーク90を介した通信を行ってもよい。
【0089】
図7は、移動端末装置5が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
図7に示す通信制御部500、申告処理部501および注文処理部502は、CPU50がプログラム510に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0090】
通信制御部500は、通信部54を制御する機能を有している。通信制御部500は、通信部54が受信した注文情報212を記憶装置51に記憶させる。また、通信制御部500は、申告情報511を通信部54に転送するとともに、サーバー装置4に向けて送信するように通信部54を制御する。
【0091】
申告処理部501は、提供者が操作部52を操作することにより入力される情報に基づいて、申告情報511を作成する。すなわち、申告情報511は、提供者によって制作・編集される情報である。申告情報511は、サーバー装置4に向けて送信され、提供者データベース415に申告者(提供者)に関する情報として記録される。
【0092】
注文処理部502は、受信された注文情報212を営業管理情報512に登録する。また、注文処理部502は、操作部52から入力される提供者の指示に従って、営業管理情報512(注文情報212など)を表示部53に表示させる。
【0093】
以上が、サービス支援システム1の構成および機能の説明である。次に、サービス支援システム1を用いて、提供者のサービスを支援する方法について説明する。
【0094】
図8は、移動端末装置5の動作を示す流れ図である。移動端末装置5は、電源が投入されると、所定の初期設定(図示せず)を実行した後、待機状態となる。待機状態において、移動端末装置5は、申告処理が選択されたか(ステップS11)、注文情報212を受信したか(ステップS15)、確認処理が選択されたか(ステップS17)、および、終了を指示されたか(ステップS19)を監視している。
【0095】
待機状態において、申告処理が選択された場合(ステップS11においてYes)、移動端末装置5の申告処理部501は、操作部52から入力される情報に従って申告情報511を作成する(ステップS12)。なお、申告処理が選択されたか否かは、例えば、提供者が操作部52を操作して入力する選択指示によって判定することができる。
【0096】
ステップS12が実行されるとき、表示部53は、申告情報511を作成するために必要な情報を表す入力用フォーム(GUI)を表示させる。この入力用フォームに従って操作部52を操作することによって、提供者は、キッチンカーによる自身のサービスをサービス支援システム1に登録するために必要な情報(申告情報511を作成するための情報)を容易に入力することができる。なお、ステップS12において入力される情報とは、移動端末装置5を操作している提供者についての、サービス情報411およびルート情報412(予定時間情報413を含む)となる情報である。
【0097】
ただし、申告情報511は、サービス情報411やルート情報412のように、利用者に提供される情報に限られるものでない。例えば、提供者の登録にのみ必要な情報が含まれていてもよい。また、すでに説明したように、登録情報416は、申告情報511のみから作成されるわけではなく、サーバー装置4においてオペレータによって編集される。すなわち、本実施の形態における登録情報416は、提供者とオペレータとの共同作業によって完成される情報である。
【0098】
次に、CPU50は、申告情報511の作成に必要な情報の入力が済んだか否かを判定し(ステップS13)、済んでいない場合は、ステップS12を繰り返す。一方、入力が済んだ場合(ステップS13においてYes)、通信制御部500は、作成された申告情報511を通信部54に転送し、サーバー装置4に向けて送信するように通信部54を制御する。これにより、通信部54(移動端末装置5)が申告情報511をサーバー装置4に向けて送信する(ステップS14)。
【0099】
申告情報511を送信すると、移動端末装置5は、待機状態に戻る。なお、申告情報511の作成およびサーバー装置4への送信は、キッチンカーに設置された移動端末装置5から行われなくてもよい。例えば、提供者のオフィスのパソコンなどから行われてもよい。あるいは、極端には、申告情報511を作成せずに、登録に必要な情報のすべてをオペレータがサーバー装置4において入力するようにしてもよい。
【0100】
待機状態において、通信部54が注文情報212を受信した場合(ステップS15においてYes)、通信制御部500は、受信された注文情報212を記憶装置51に転送して記憶させる。なお、移動端末装置5の通信部54が受信した注文情報212には、
図7に示すように、指定位置情報213および指定時間情報214が含まれている。
【0101】
次に、注文処理部502は、一旦記憶装置51に記憶された注文情報212を営業管理情報512に追加する。したがって、営業管理情報512には、これまでに受信された注文情報212が含まれている。記憶装置51は、営業管理情報512を記憶することによって、注文情報212を記憶する(ステップS16)。
【0102】
注文情報212に含まれる指定位置情報213は、当該注文情報212に示されている注文の提供を受ける場所として利用者が指定した場所(提供可能位置)である。このように、サービス支援システム1では、指定位置情報213は、サーバー装置4を介して、移動端末装置5にまで送信される。提供者は、注文情報212に示されている料理(注文されたサービス)を、指定位置情報213に示されている位置において、利用者に提供することになる。
【0103】
また、注文情報212に含まれる指定時間情報214は、当該注文情報212に示されている注文の提供を受ける時間として利用者が指定した時間である。このように、サービス支援システム1では、指定時間情報214は、サーバー装置4を介して、移動端末装置5にまで送信される。提供者は、注文情報212に示されている料理(注文されたサービス)を、指定時間情報214に示されている時間に、利用者に提供することになる。言い換えれば、指定時間情報214に示されている時間に、指定位置情報213に示されている位置に、利用者(注文者)が現れることを意味する。
【0104】
ステップS16を実行するとき、注文処理部502は、新たに注文情報212を受信したことを示す情報を表示部53に表示させる。これにより、提供者は、表示部53を確認することによって、注文情報212が新たに受信された(新たな注文を受け付けた)ことを把握することができる。
【0105】
また、注文処理部502は、注文情報212に含まれる指定時間情報214と、注文された料理のレシピ情報(調理に要する時間。例えば予め営業管理情報512に含めておくことができる。)とに応じて、調理開始推奨時間や材料の在庫などのスケジュールを作成し表示部53に表示する。このとき、さらに、他の注文情報212や、コンロ、オーブンなどキッチンカーが備える道具の数、あるいは、調理人の数などを考慮するとよい。このように、サービス支援システム1は、サービスを提供するときの提供者の利便性の向上に貢献することができる。なお、作成されたスケジュールは、注文処理部502によって営業管理情報512に追加される。
【0106】
注文情報212が営業管理情報512に登録され記憶されると、移動端末装置5は、待機状態に戻る。このように、移動端末装置5(キッチンカー)において、注文の受付は、提供者の手を介さずに行われるため、例えば、提供者が運転中あるいは調理中であっても、利用者からの注文を受け付けることができる。
【0107】
なお、ステップS16を実行したときに、注文処理部502が注文を受け付けたことを示す情報(受注完了情報)を作成し、通信部54が携帯端末装置2に向けて受注完了情報を送信してもよい。このように構成することによって、利用者は、自身の注文が提供者に受信された(受け付けられた)ことを確認することができる。また、利用者がサービスの提供を受けるときには、携帯端末装置2の表示部23に当該受注完了情報を表示させるなどして、提供者に受注完了情報を提示することにより、注文主本人であることを証明してもよい。
【0108】
待機状態において、確認処理が選択された場合(ステップS17においてYes)、注文処理部502は、営業管理情報512を出力するように表示部53を制御する。これにより、表示部53は、営業管理情報512を出力表示する(ステップS18)。
【0109】
なお、確認処理が選択されたか否かは、例えば、提供者が操作部52を操作して入力される選択指示によって判定することができる。また、ステップS18において、営業管理情報512として記憶されている情報のうち、どの情報を表示するかについて、注文処理部502は、操作部52からの入力に従って判定してもよい。すなわち、表示される営業管理情報512の取捨選択は、提供者の指示によってもよい。また、提供者に対する出力は、プリンタ(図示せず)などに印刷することによって行われてもよい。
【0110】
これにより、提供者は、任意のタイミングで、営業管理情報512のうちの意図する情報を、任意に確認することができる。なお、注文情報212を出力すると、移動端末装置5は、待機状態に戻る。
【0111】
待機状態において、終了が指示された場合(ステップS19においてYes)、移動端末装置5は、処理を終了する。なお、終了が指示されたか否かは、例えば、提供者が操作部52を操作して入力される指示によって判定することができる。
【0112】
以上が移動端末装置5の動作の説明である。次に、サーバー装置4の動作について説明する。
【0113】
図9は、サーバー装置4の動作を示す流れ図である。サーバー装置4は、電源が投入されると、所定の初期設定(図示せず)を実行した後、待機状態となる。待機状態において、サーバー装置4は、申告情報511を受信したか(ステップS21)、承認処理が選択されたか(ステップS23)、サービスに対する問い合わせがあったか(ステップS27)、注文情報212を受信したか(ステップS30)、および、終了を指示されたか(ステップS32)を監視している。
【0114】
待機状態において、申告情報511を受信すると、サーバー装置4(CPU40)は、ステップS21においてYesと判定する。これにより、通信制御部400は、受信した申告情報511に基づいて当該申告情報511を含む登録情報416を作成し(ステップS22)、記憶装置41に記憶させる。このように、サーバー装置4において、申告情報511を受信して登録情報416を作成する処理は、オペレータの手を介さずに行われる。
【0115】
ステップS22において作成される登録情報416は、通常は、提供者データベース415に登録するための情報としては、不十分で未完成な情報である。このとき作成される登録情報416は、後述する承認処理においてオペレータによって必要な情報が取捨選択、あるいは、追加される。なお、承認処理において承認されていない登録情報416が存在することをサーバー装置4は出力(表示や印刷)するようにしてもよい。これにより、オペレータは、承認処理が必要であることを知得することができる。登録情報416の作成が終了すると、サーバー装置4は、再度、待機状態に戻る。
【0116】
待機状態において、承認処理が選択されると(ステップS23においてYes)、提供者登録部401が記憶装置41に記憶されている登録情報416(申告情報511を含む)を表示部43に表示させる。なお、承認処理が選択されたか否かは、例えば、オペレータが操作部42を操作して入力される選択指示の有無によって判定することができる。
【0117】
オペレータは、表示部43に表示された登録情報416を確認しつつ、登録に必要な情報を入力する。オペレータが操作部42を操作することによって入力されるこれらの情報に従って、提供者登録部401は、登録情報416を編集する(ステップS24)。
【0118】
次に、編集された登録情報416を承認するか否かを判定する(ステップS25)。登録に必要な情報の入力が終了するまでは、オペレータは承認指示を入力しない。承認指示が入力されない場合には、提供者登録部401は、承認されていない(ステップS25においてNo)と判定し、さらにステップS24を繰り返す。
【0119】
一方、登録に必要な情報の入力が終了すると、オペレータは、操作部42を操作して、登録情報416に係る提供者を承認する指示を入力する。このようにして承認指示が入力されると、提供者登録部401は、登録情報416が承認された(ステップS25においてYes)と判定する。承認されたと判定すると、提供者登録部401は、提供者データベース415に新しいレコードを作成し、ステップS24において編集した登録情報416を当該レコードに格納する。これにより、新しい提供者が追加され、提供者データベースが更新される(ステップS26)。ステップS26を実行し、登録情報416の登録が終了すると、サーバー装置4は、再度、待機状態に戻る。
【0120】
待機状態において、サービスに対する問い合わせがあると、サーバー装置4はステップS27においてYesと判定する。サーバー装置4は、例えば、希望位置情報211を受信したときに、サービスに対する問い合わせがあったと判定する。
【0121】
ステップS27においてYesと判定すると、通信制御部400が希望位置情報211を記憶装置41に記憶させる。そして、データ処理部402が、希望位置情報211を用いて提供者データベース415を検索し、希望位置情報211に適したサービス情報411およびルート情報412を案内情報414として選択して、案内情報414を作成する(ステップS28)。
【0122】
案内情報414が作成されると、通信制御部400が案内情報414を通信部44に伝達するとともに、当該案内情報414を携帯端末装置2に向けて送信するように通信部44を制御する。これにより、通信部44は、案内情報414を携帯端末装置2に向けて送信する(ステップS29)。なお、ステップS29における送信先は、希望位置情報211を送信してきた携帯端末装置2(サーバー装置4に、サービスに対する問い合わせを行った携帯端末装置2)である。
【0123】
このように、サービス支援システム1は、希望位置情報211を送信することによってサービスの問い合わせを行った携帯端末装置2に対して、問い合わせの応答として案内情報414を返信する。ただし、希望位置情報211に対して適切なルート情報412が提供者データベース415に存在しない場合は、案内情報414を送信しなくてもよい。あるいは、そのような場合には、サービス情報411(ルート情報412)を含まない案内情報414を送信してもよい。なお、ステップS29を実行し、案内情報414の送信が終了すると、サーバー装置4は、再度、待機状態に戻る。
【0124】
待機状態において、注文情報212を受信すると(ステップS30においてYes)、通信制御部400は、受信した注文情報212を移動端末装置5に向けて送信するように通信部44を制御する。これにより、注文情報212は、移動端末装置5に向けて転送される(ステップS31)。ステップS31において、通信制御部400は、注文情報212に含まれる車両識別子によって転送先の移動端末装置5を指定する。
【0125】
本実施の形態におけるサービス支援システム1は、すべてのキッチンカーに移動端末装置5が設置されているものとする。しかし、移動端末装置5が設置されていないキッチンカーが存在する場合には、例えば、オペレータが無線や電話等により、注文情報212(注文の受け付けや内容)を提供者に報知してもよい。すなわち、本発明において、移動端末装置5は、必須の構成ではない。
【0126】
ステップS31の処理と並行して、通信制御部400は、注文情報212を記憶装置41に転送し記憶させる。そして、注文情報212が記憶装置41に記憶されると、データ処理部402は、当該注文情報212を提供者データベース415に格納する。注文情報212の格納が完了すると、サーバー装置4は、待機状態に戻る。
【0127】
待機状態において、終了が指示された場合(ステップS32においてYes)、サーバー装置4は、処理を終了する。なお、終了が指示されたか否かは、例えば、オペレータが操作部42を操作して入力される指示によって判定することができる。
【0128】
以上がサーバー装置4の動作の説明である。次に、携帯端末装置2の動作について説明する。
【0129】
図10および
図11は、携帯端末装置2の動作を示す流れ図である。サーバー装置4は、電源が投入されると、所定の初期設定(図示せず)を実行した後、待機状態となる。待機状態において、サーバー装置4は、測位タイミングが到来したか(ステップS41)、利用が開始されたか(ステップS43)、注文情報が存在するか(ステップS57)、および、終了を指示されたか(ステップS59)を監視している。
【0130】
待機状態において、測位タイミングが到来した場合、携帯端末装置2は、ステップS41においてYesと判定する。なお、測位タイミングが到来したか否かは、例えば、端末位置取得部25が、測位周期をセットしておいたタイマー(図示せず)の値を参照し、その値が「0」となっているか否かによって判定することができる。
【0131】
測位タイミングが到来している場合、端末位置取得部25はGPSによる測位を行い、端末位置情報250を作成する(ステップS42)。作成された端末位置情報250は、記憶装置21に転送されて記憶される。このようにして、携帯端末装置2では、携帯端末装置2の位置(利用者の位置)が、定期的に更新される。
【0132】
ステップS42を実行すると、端末位置取得部25は、タイマーに、再び測位周期をセットする。その後、携帯端末装置2は、待機状態に戻る。
【0133】
待機状態において、利用が開始されると(ステップS43においてYes)、データ処理部201は、操作部22からの指示入力に応じて、希望位置情報211を利用者が入力するか否かを判定する(ステップS44)。なお、利用開始が指示されたか否か、および、利用者が入力するか否かは、例えば、利用者が操作部22を操作して入力される指示によって判定することができる。
【0134】
ステップS44においてYesと判定すると、データ処理部201は、操作部22から入力される情報に基づいて希望位置情報211を作成する(ステップS45)。例えば、表示部23に地図を表示しておき、利用者が地図上の任意の点を操作部22によって指定することにより、希望位置情報211を作成する。このように、携帯端末装置2では、利用者が任意の位置を希望位置情報211として入力することができる。したがって、例えば、利用者がサービスの提供を受けたいと希望する場所に居なくても(端末位置情報250が希望位置情報211として入力したい位置ではなくても)、希望位置情報211を作成することができる。
【0135】
ステップS44においてNoと判定すると、データ処理部201は、端末位置情報250と希望位置情報211とを比較して、携帯端末装置2の位置が変化しているか否かを判定する(ステップS46)。
【0136】
位置が変化している場合(ステップS46においてYes)、データ処理部201は、端末位置情報250に基づいて希望位置情報211を作成する(ステップS47)。すなわち、ステップS47が実行されると、利用者の位置が希望位置情報211となる。
【0137】
ステップS45またはステップS47が実行されることにより、新たな希望位置情報211が作成されると、通信制御部200は、希望位置情報211を通信部24に転送するとともに、当該希望位置情報211を送信するように通信部24を制御する。これによって、希望位置情報211がサーバー装置4(提供システム3)に向けて送信される(ステップS48)。
【0138】
一方で、位置が変化していない場合(ステップS46においてNo)、携帯端末装置2は、ステップS47,S48の処理をスキップする。この場合、希望位置情報211は作成されず、かつ、送信されることもない。
【0139】
携帯端末装置2の位置が変化していないか(ステップS46においてNo)、または、ステップS48を実行して希望位置情報211を送信すると、携帯端末装置2は、案内情報414を受信しているか否かを判定する(ステップS51)。
【0140】
すでに説明したように、サーバー装置4において希望位置情報211が受信されると、サーバー装置4は、サービスの問い合わせがあったと判定し、案内情報414を作成し送信する(
図9:ステップS29)。したがって、ステップS48を実行し、希望位置情報211を送信した携帯端末装置2は、その応答としての案内情報414を受信する。
【0141】
案内情報414を受信している場合(ステップS51においてYes)、通信制御部200は、通信部24が受信した案内情報414を記憶装置21に記憶させる。次に、データ処理部201は、記憶装置21に記憶された案内情報414を出力するように表示部23を制御する。これにより、表示部23に案内情報414が出力される(ステップS52)。
【0142】
例えば、現在の時間と予定時間情報413とに基づいて、キッチンカーの現在位置をルート情報412から予測して、地図上に、車の形状の画像(アイコン)を表示する。また、予測現在位置より前の経路(ルート情報412)については、すでにサービスの提供を受けることはできないので、表示しない。一方、予測現在位置より後の経路については、地図上に、経路と分かるように「線」画像で表示する。また、このとき表示する線画像については、到達予想時間ごとに色分けするなどしてもよい。さらに、線画像(経路)のうち、提供可能位置以外の位置については、点線などで示してもよい。
【0143】
希望位置情報211に応じて選択されたルート情報412が表示部23に出力表示されるため、利用者は、例えば、キッチンカーが到着していなくても(キッチンカーを視認しなくても)、サービスを受けることができる場所を容易に確認することができる。
【0144】
さらに、画面の地図上に表示されている車のアイコンをタッチすると、データ処理部201は、画面にウィンドウを開いて、案内情報414に含まれているサービス情報411を表示させる。例えば、提供される料理のメニューや料金などを表示する。これにより、利用者は、提供されているサービスの内容を確認することができる。
【0145】
案内情報414を受信していない場合(ステップS51においてNo)、携帯端末装置2は、ステップS52をスキップする。ただし、後述するステップS56においてNoと判定されるまで、ステップS51は繰り返されるため、利用者による利用が継続されている間に案内情報414を受信した場合は、すみやかにステップS52が実行される。
【0146】
次に、携帯端末装置2は、利用者が提供者に対して注文するか否かを判定する(ステップS53)。なお、注文するか否かは、例えば、利用者が操作部22を操作して入力される指示によって判定することができる。
【0147】
ステップS53においてYesと判定すると、データ処理部201は、操作部22からの入力に従って、注文情報212を作成する(ステップS54)。利用者は、サービス情報411から所望する注文を選択し、ルート情報412の提供可能位置から指定位置情報213を選択し、当該提供可能位置に対する予定時間情報413を参考に指定時間情報214を指定する。なお、利用者による入力が完了すると、データ処理部201は、入力された情報のチェックを行い、問題がなければ注文情報212を完成させて記憶装置21に記憶させる。
【0148】
ステップS54が実行され、注文情報212が完成すると、通信制御部200は、完成した注文情報212を通信部24に転送し、サーバー装置4に向けて送信するように通信部24を制御する。これによって、通信部24は、注文情報212を、サーバー装置4に向けて送信する(ステップS55)。
【0149】
一方、ステップS53においてNoと判定すると、携帯端末装置2は、ステップS54,S55をスキップする。この場合、注文情報212は、作成されず、注文もされない。ただし、利用者が注文機能を利用しない場合であっても、ステップS52において出力された案内情報414を閲覧することはできる。
【0150】
ステップS53においてNoと判定するか、または、ステップS55を実行すると、携帯端末装置2は、利用を終了するか否かを判定する(ステップS56)。なお、ステップS56における判定は、例えば、利用者が操作部22を操作して入力される指示によって実行することができる。
【0151】
利用者が利用を終了しない場合(ステップS56においてNo)、携帯端末装置2は、ステップS44からの処理を繰り返す。一方、利用者が利用を終了する場合(ステップS56においてYes)、携帯端末装置2は、待機状態に戻る。
【0152】
待機状態において、注文情報212が存在する場合(ステップS57においてYes)、データ処理部201は、注文情報212を表示部23に出力させる(ステップS58)。ステップS58において、データ処理部201は、注文情報212をそのまま表示部23に表示させてもよいが、例えば、注文情報212に格納されている指定位置情報213(サービスの提供を受ける位置)と、利用者の現在位置(端末位置情報250)とを比較して、サービスの提供を受ける位置までの道順や所要時間などを表示(案内)してもよい。また、所要時間と指定時間情報214とに基づいて、出発時間を表示してもよい。あるいは、出発時間にスピーカ(図示せず)からアラーム音を出力してもよい。
【0153】
なお、ステップS58における表示は、注文情報212をサーバー装置4に向けて送信しない場合(現実には注文していない場合)にも、例えば、擬似的に注文情報212を作成することによって行われてもよい。例えば、ステップS54のみ実行し、ステップS55をスキップすることによって擬似的な注文情報212を作成することができる。このように構成することによって、予め注文しておくことはしないが、当該キッチンカーを利用したいと望む場合には、所望のキッチンカーについて、案内情報414よりも詳細に案内がされるため有効である。
【0154】
ステップS57においてNoと判定するか、または、ステップS58を実行すると、携帯端末装置2は、待機状態に戻る。
【0155】
待機状態において、終了が指示された場合(ステップS59においてYes)、携帯端末装置2は、処理を終了する。なお、終了が指示されたか否かは、例えば、利用者が操作部22を操作して入力される指示によって判定することができる。
【0156】
以上のように、経路内を移動する車両において提供者によって提供されるサービスを支援するサービス支援システム1は、利用者によって所持される携帯端末装置2と、サービスを示すサービス情報411とサービス情報411に示されるサービスの提供可能位置を含むルート情報412とを関連づけて記憶する記憶装置41と、利用者がサービスの提供を希望する位置を示す希望位置情報211を取得するデータ処理部201と、希望位置情報211とルート情報412に含まれる提供可能位置とに応じて、サービス情報411を案内情報414として選択するデータ処理部402とを備え、携帯端末装置2は、利用者に案内情報414を出力する表示部23を備える。これにより、利用可能なサービスを利用者に案内することができる。
【0157】
また、データ処理部201は、携帯端末装置2に設けられており、携帯端末装置2の位置(端末位置情報250)を希望位置情報211として取得することにより、利用者は希望位置を別途意識する必要がない。
【0158】
また、データ処理部201は、端末位置取得部25がGPSを用いて取得した携帯端末装置の位置を取得することにより、利用者が携帯端末装置2の位置を入力する必要がない。
【0159】
また、利用者の注文を示す注文情報212を取得するデータ処理部201と、提供者に注文情報212を出力する表示部53とを備える。これによって、予め注文しておくことにより、利用者は待ち時間を抑制することができ、提供者は予め準備することができる。
【0160】
また、キッチンカー(車両)に搭載される移動端末装置5を備え、表示部53は、移動端末装置5に設けられることにより、提供者は、車両に居ながら注文情報212を確認することができる。
【0161】
また、注文情報212は、注文に係るサービスの提供を受ける場所として利用者が指定した指定位置情報213を含むことにより、利用者は、サービスの提供可能位置の中から、希望する位置を提供場所として指定することができる。
【0162】
また、携帯端末装置2は、当該携帯端末装置2の位置を示す端末位置情報250を取得する端末位置取得部25を備え、端末位置情報250を指定位置情報213とすることにより、指定位置情報213を利用者が別途意識する必要はない。
【0163】
また、端末位置取得部25は、GPSを用いて携帯端末装置2の位置を取得することにより、利用者が指定位置情報213を入力する必要がない。
【0164】
また、注文情報212は、注文に係るサービスの提供を受ける時間として利用者が指定した指定時間情報214を含むことにより、利用者は、希望する時間を指定することができる。
【0165】
また、案内情報414は、当該案内情報414となったサービス情報411に関連づけられたルート情報412を含むことにより、例えば、利用者において、ルート情報412を利用することができる。
【0166】
また、ルート情報412は、提供可能位置に応じた予定時間情報413を含むことにより、例えば、車両の現在の位置を予測することができる。
【0167】
また、データ処理部402は、予定時間情報413に応じてルート情報412を特定し、特定したルート情報412に関連づけられたサービス情報411を案内情報414として選択することにより、時間に応じて提供者を絞り込むことができる。
【0168】
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0169】
例えば、上記実施の形態に示した各工程は、あくまでも例示であって、上記に示した順序や内容に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるならば、適宜、順序や内容が変更されてもよい。
【0170】
また、上記実施の形態に示した機能ブロック(例えば、通信制御部200やデータ処理部201など)は、CPU20がプログラム210に従って動作することにより、ソフトウェア的に実現されると説明した。しかし、これらの機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路で構成し、ハードウェア的に実現してもよい。
【0171】
また、データ処理部402は、ルート情報412を特定する前に、現在の時間と、予定時間情報413とを比較すると説明した。しかし、予定時間情報413と比較する対象は、現在の時間に限定されるものではない。例えば、携帯端末装置2において希望時間(未だ経過していない。)を取得するようにし、希望時間と予定時間情報413とを比較するように構成してもよい。
【0172】
また、提供可能位置は、厳密に経路内の位置でなくてもよい。例えば、注文があったときのみ立ち寄るような位置が提供可能位置としてルート情報412に定義されていてもよい。この場合、提供可能位置は、経路の周囲に一定の広がりのある位置として定義されることになる。
【0173】
また、端末位置取得部25に相当する構成を移動端末装置5に設けてもよい。これによって、移動端末装置5の現在位置を取得して、サーバー装置4にアップロードし、案内情報414に含めてもよい。このように構成することによって、現在の時間とルート情報412とに基づいて、キッチンカーの現在位置を予測するよりも正確にキッチンカーの位置を特定することができる。
【符号の説明】
【0174】
1 サービス支援システム
2 携帯端末装置
20,40,50 CPU
200,400,500 通信制御部
201,402 データ処理部
21,41,51 記憶装置
210,410,510 プログラム
211 希望位置情報
212 注文情報
213 指定位置情報
214 指定時間情報
22,42,52 操作部
23,43,53 表示部
24,44,54 通信部
25 端末位置取得部
250 端末位置情報
3 提供システム
4 サーバー装置
401 提供者登録部
411 サービス情報
412 ルート情報
413 予定時間情報
414 案内情報
415 提供者データベース
416 登録情報
5 移動端末装置
501 申告処理部
502 注文処理部
511 申告情報
512 営業管理情報
90 ネットワーク
91 無線基地局