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特開2022-41160部品実装システムおよび部品実装システムのグループ決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041160
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび部品実装システムのグループ決定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146212
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宜紀
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353DD02
5E353DD06
5E353DD19
5E353EE89
5E353HH11
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することが可能な部品実装システムを提供する。
【解決手段】この部品実装システム100は、部品供給部210から供給された部品Eを基板Pに実装する部品実装装置200bと、複数種類の基板Pに対して、部品実装装置200bに部品供給部210を配置する段取りを計画する制御部305と、を備える。また、制御部305は、複数種類の基板Pの組み合わせに対して、部品Eの共通率を取得するとともに、部品Eの共通率に基づいて、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給部から供給された部品を基板に実装する部品実装装置と、
複数種類の前記基板に対して、前記部品実装装置に前記部品供給部を配置する段取りを計画する制御部と、を備え、
前記制御部は、複数種類の前記基板の組み合わせに対して、前記部品の共通率を取得するとともに、前記部品の共通率に基づいて、前記基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成されている、部品実装システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記部品の共通率が高い順に、前記基板の組み合わせを前記共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価するように構成されている、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記部品の共通率が高い順に、前記基板の組み合わせを前記共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価し、所定の前記基板の組み合わせが前記共通段取りグループとして決定された場合、所定の前記基板の組み合わせよりも前記部品の共通率が低い前記基板の組み合わせの評価を行わないように構成されている、請求項2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記制御部は、所定の前記基板の組み合わせよりも前記部品の共通率が小さい前記基板の組み合わせに対して、前記部品実装装置において前記部品供給部を配置することが可能であるか否かの評価と、前記基板の総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価とを含む評価を行わないように構成されている、請求項3に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記基板の組み合わせが、前記基板の生産枚数、または、前記基板の生産枚数にサイクルタイムを乗算した前記基板の生産時間が第1基準値を超える前記基板の種類同士を含む場合、前記基板の組み合わせに対して、前記共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行わないように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記基板の組み合わせが、前記部品の共通率が第2基準値を超える前記基板の種類同士を含む場合、前記基板の生産枚数、または、前記基板の生産時間にかかわらず、前記基板の組み合わせに対して、前記共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行うように構成されている、請求項5に記載の部品実装システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記基板の組み合わせに対して、前記部品実装装置において前記部品供給部を配置することが可能であるか否かを評価するとともに、前記部品供給部の数が前記部品実装装置に配置可能な前記部品供給部の数を超えた場合、一部の前記部品供給部の配置を段取り替えにより変更することにより、前記基板の組み合わせに対して、前記部品実装装置において前記部品供給部を配置することが可能であるか否かをさらに評価するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項8】
前記制御部は、予め指定された前記部品実装装置における前記部品供給部の配置を固定した状態で、前記共通段取りグループを決定するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項9】
複数種類の基板に対して、部品供給部から供給された部品を前記基板に実装する部品実装装置に前記部品供給部を配置する段取りを計画するステップ、を備え、
前記段取りを計画するステップは、
複数種類の前記基板の組み合わせに対して、前記部品の共通率を取得するステップと、
前記部品の共通率に基づいて、前記基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するステップと、を含む、部品実装システムのグループ決定方法。
【請求項10】
前記共通段取りグループを決定するステップは、前記部品の共通率が高い順に、前記基板の組み合わせを前記共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価するステップを含む、請求項9に記載の部品実装システムのグループ決定方法。
【請求項11】
前記共通段取りグループを決定するステップは、前記部品の共通率が高い順に、前記基板の組み合わせを前記共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価し、所定の前記基板の組み合わせが前記共通段取りグループとして決定された場合、所定の前記基板の組み合わせよりも前記部品の共通率が低い前記基板の組み合わせの評価を行わないステップを含む、請求項10に記載の部品実装システムのグループ決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装システムおよび部品実装システムのグループ決定方法に関し、特に、複数種類の基板に対して、部品実装装置に部品供給部を配置する段取りを計画する部品実装システムおよび部品実装システムのグループ決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類の基板に対して、部品実装装置に部品供給部を配置する段取りを計画する部品実装システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、部品実装装置と、管理コンピュータとを備える部品実装システムが開示されている。管理コンピュータは、複数種類の基板に対して、部品実装装置にテープフィーダ(部品供給部)を配置する段取りを計画するように構成されている。この際、管理コンピュータは、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成されている。具体的には、管理コンピュータは、グループ化を評価する全ての基板の組み合わせを順次変更しながら、基板の総生産時間を順次計算した後、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-116990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された部品実装システムでは、グループ化を評価する全ての基板の組み合わせを順次変更しながら、基板の総生産時間を順次計算した後、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定する。すなわち、全ての基板の組みあわせの候補を考慮しなければ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができない。この場合、グループ化を評価するための処理時間が増加するという不都合がある。このため、グループ化を評価するための処理時間を減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することが可能な部品実装システムおよび部品実装システムのグループ決定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による部品実装システムは、部品供給部から供給された部品を基板に実装する部品実装装置と、複数種類の基板に対して、部品実装装置に部品供給部を配置する段取りを計画する制御部と、を備え、制御部は、複数種類の基板の組み合わせに対して、部品の共通率を取得するとともに、部品の共通率に基づいて、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による部品実装システムでは、上記のように、制御部を、複数種類の基板の組み合わせに対して、部品の共通率を取得するとともに、部品の共通率に基づいて、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成する。これにより、部品の共通率に基づいて、グループ化を評価する基板の組み合わせの候補を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。その結果、全ての基板の組み合わせの候補を考慮しなくても、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。これにより、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御部は、部品の共通率が高い順に、基板の組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価するように構成されている。このように構成すれば、基板の総生産時間を短縮しやすい基板の組み合わせの順である、部品の共通率が高い順に、基板の組み合わせの候補を順次評価することができる。その結果、グループ化を評価する基板の組み合わせの候補をより効果的に減らすことができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、部品の共通率が高い順に、基板の組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価し、所定の基板の組み合わせが共通段取りグループとして決定された場合、所定の基板の組み合わせよりも部品の共通率が低い基板の組み合わせの評価を行わないように構成されている。このように構成すれば、所定の基板の組み合わせよりも部品の共通率が低い基板の組み合わせの評価を行わないので、その分、グループ化を評価するための処理時間を減らすことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間をより効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。
【0011】
上記所定の基板の組み合わせよりも部品の共通率が低い基板の組み合わせの評価を行わない構成において、好ましくは、制御部は、所定の基板の組み合わせよりも部品の共通率が小さい基板の組み合わせに対して、部品実装装置において部品供給部を配置することが可能であるか否かの評価と、基板の総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価とを含む評価を行わないように構成されている。このように構成すれば、部品実装装置において部品供給部を配置することが可能であるか否かの評価と、基板の総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価とを行わないので、その分、グループ化を評価するための処理時間を確実に減らすことができる。
【0012】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御部は、基板の組み合わせが、基板の生産枚数、または、基板の生産枚数にサイクルタイムを乗算した基板の生産時間が第1基準値を超える基板の種類同士を含む場合、基板の組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行わないように構成されている。ここで、基板の生産枚数、または、基板の生産時間が大きい基板同士では、共通段取りにすることによるサイクルタイムの悪化の影響が大きいため、組み合わせても基板の総生産時間の短縮を見込みにくい。そこで、上記のように構成すれば、基板の生産枚数、または、基板の生産時間が大きく、組み合わせても基板の総生産時間の短縮を見込みにくい基板の組み合わせに対して、グループ化の評価を行わないことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らすことができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、基板の組み合わせが、部品の共通率が第2基準値を超える基板の種類同士を含む場合、基板の生産枚数、または、基板の生産時間にかかわらず、基板の組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行うように構成されている。ここで、基板の生産枚数、または、基板の生産時間が大きい基板同士でも、部品の共通率が高い場合には、共通段取りにすることによるサイクルタイムの悪化の影響が小さいため、組み合わせても基板の総生産時間の短縮を見込める。そこで、上記のように構成すれば、基板の生産枚数、または、基板の生産時間が大きくとも、基板の総生産時間の短縮を見込める基板の組み合わせに対しては、グループ化の評価を行うことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを効果的に決定することができる。
【0014】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御部は、基板の組み合わせに対して、部品実装装置において部品供給部を配置することが可能であるか否かを評価するとともに、部品供給部の数が部品実装装置に配置可能な部品供給部の数を超えた場合、一部の部品供給部の配置を段取り替えにより変更することにより、基板の組み合わせに対して、部品実装装置において部品供給部を配置することが可能であるか否かをさらに評価するように構成されている。このように構成すれば、段取り作業を削減しつつ、共通段取りグループとして決定することが可能な基板の組み合わせの自由度を増やすことができる。その結果、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループをより効果的に決定することができる。
【0015】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御部は、予め指定された部品実装装置における部品供給部の配置を固定した状態で、共通段取りグループを決定するように構成されている。このように構成すれば、複数の生産計画を通じて頻繁に使用する部品供給部の配置を固定した状態で、共通段取りグループを決定することができる。その結果、複数の生産計画にわたる長期間の段取り作業を削減することができる。これにより、複数の生産計画における基板の総生産時間を短縮することができる。
【0016】
この発明の第2の局面による部品実装システムのグループ決定方法は、複数種類の基板に対して、部品供給部から供給された部品を基板に実装する部品実装装置に部品供給部を配置する段取りを計画するステップ、を備え、段取りを計画するステップは、複数種類の基板の組み合わせに対して、部品の共通率を取得するステップと、部品の共通率に基づいて、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するステップと、を含む。
【0017】
この発明の第2の局面による部品実装システムのグループ決定方法では、上記のように、複数種類の基板の組み合わせに対して、部品の共通率を取得するステップと、部品の共通率に基づいて、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するステップと、を設ける。これにより、部品の共通率に基づいて、グループ化を評価する基板の組み合わせの候補を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。その結果、全ての基板の組み合わせの候補を考慮しなくても、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。これにより、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することが可能な部品実装システムのグループ決定方法を提供することができる。
【0018】
上記第2の局面による部品実装システムのグループ決定方法において、好ましくは、共通段取りグループを決定するステップは、部品の共通率が高い順に、基板の組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価するステップを含む。このように構成すれば、基板の総生産時間を短縮しやすい基板の組み合わせの順である、部品の共通率が高い順に、基板の組み合わせの候補を順次評価することができる。その結果、グループ化を評価する基板の組み合わせの候補をより効果的に減らすことができる。
【0019】
上記第2の局面による部品実装システムのグループ決定方法において、好ましくは、共通段取りグループを決定するステップは、部品の共通率が高い順に、基板の組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価し、所定の基板の組み合わせが共通段取りグループとして決定された場合、所定の基板の組み合わせよりも部品の共通率が低い基板の組み合わせの評価を行わないステップを含む。このように構成すれば、所定の基板の組み合わせよりも部品の共通率が低い基板の組み合わせの評価を行わないので、その分、グループ化を評価するための処理時間を減らすことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間をより効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板の総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することが可能な部品実装システムおよび部品実装システムのグループ決定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態による部品実装システムを示す模式的な図である。
図2】第1実施形態による部品実装装置を示す模式的な平面図である。
図3】第1実施形態による生産管理装置を示すブロック図である。
図4】第1実施形態による共通段取りグループ決定処理を説明するためのフローチャートである。
図5】第1実施形態による共通段取りグループ決定の一例を説明するための第1図である。
図6】第1実施形態による共通段取りグループ決定の一例を説明するための第2図である。
図7】第1実施形態による共通段取りグループ決定の一例を説明するための第3図である。
図8】第2実施形態による生産管理装置を示すブロック図である。
図9】第2実施形態による共通段取りグループ決定処理を説明するためのフローチャートである。
図10】第2実施形態による基板の組み合わせが生産枚数が大きい基板を含む場合の部品の配置を説明するための模式図である。
図11】第3実施形態による生産管理装置を示すブロック図である。
図12】第3実施形態による共通段取りグループ決定処理を説明するためのフローチャートである。
図13】第3実施形態による一部の部品供給部の配置を変更する共通段取りグループを説明するための模式図である。
図14】第4実施形態による生産管理装置を示すブロック図である。
図15】第4実施形態による一部の部品供給部の配置を固定した状態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、第1実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
【0024】
(部品実装システムの構成)
部品実装システム100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品(電子部品)Eを、プリント基板などの基板Pに実装して、部品Eが実装された基板Pを生産するシステムである。
【0025】
図1に示すように、部品実装システム100は、基板Pの生産を行うための実装ライン200と、基板Pの生産の管理を行うための生産管理装置300とを備えている。
【0026】
実装ライン200は、印刷装置200aと、部品実装装置200bと、リフロー前の検査装置200cと、リフロー炉200dと、リフロー後の検査装置200eとを備えている。なお、実装ライン200の装置構成は一例であり、図1に示す装置構成に限られるものではない。
【0027】
実装ライン200では、印刷装置200aと、部品実装装置200bと、リフロー前の検査装置200cと、リフロー炉200dと、リフロー後の検査装置200eとは、上流側から下流側に向かって、この順に並んで配置されている。また、各装置の間には、それぞれ、装置間において基板Pを搬送して受け渡す受渡コンベア(図示せず)が配置されている。受渡コンベアは、基板Pを基板搬送方向(X方向)に搬送して、上流側の装置から下流側の装置に受け渡す。
【0028】
印刷装置200aは、基板Pの生産作業として、はんだなどの接合材を基板Pにスクリーン印刷する印刷作業を行う。部品実装装置200bは、基板Pの生産作業として、部品Eを印刷装置200aにより印刷作業が行われた基板Pに実装する実装作業を行う。リフロー前の検査装置200cは、基板Pの検査作業として、部品実装装置200bにより実装作業が行われた基板Pを検査する検査作業を行う。リフロー炉200dは、基板Pの生産作業として、基板Pに印刷された接合材を溶融させて固化させることにより、部品Eをリフロー前の検査装置200cにより検査作業が行われた基板Pに接合するリフロー作業を行う。リフロー後の検査装置200eは、基板Pの検査作業として、リフロー炉200dによりリフロー作業が行われた基板Pを検査する検査作業を行う。
【0029】
(部品実装装置の構成)
次に、図2を参照して、部品実装装置200bの構成について説明する。なお、以下の説明では、基板搬送方向に沿った方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。
【0030】
図2に示すように、部品実装装置200bは、基台201と、搬送部202と、ヘッドユニット203と、ヘッド水平移動機構部204と、部品撮像部205と、基板撮像部206と、制御部207と、通信部208とを備えている。
【0031】
基台201は、部品実装装置200bにおいて各構成要素を配置する基礎となる台である。基台201上には、搬送部202、レール部242および部品撮像部205が設けられている。また、基台201内には、制御部207が設けられている。また、基台201には、部品Eを供給する部品供給部210を配置可能な台車220をセットするためのセット部211が複数(4つ)設けられている。具体的には、基台201には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、2つずつ、セット部211が設けられている。
【0032】
部品供給部210は、基板Pに実装される部品Eを供給する装置である。具体的には、部品供給部210は、部品Eを収納する部品供給テープ(図示せず)を送ることにより、部品Eを供給するテープフィーダにより構成されている。部品供給部210は、ヘッドユニット203による部品保持動作に応じて、部品供給テープを間欠的に送るように構成されている。また、部品供給部210は、台車220上に複数並んで配置された状態で、セット部211に対してセットされるように構成されている。
【0033】
搬送部202は、実装前の基板Pを搬入し、基板搬送方向(X方向)に搬送し、実装後の基板Pを搬出するように構成されている。また、搬送部202は、搬入された基板Pを基板固定位置Paまで搬送するとともに、基板固定位置Paにおいて基板固定機構(図示せず)により固定するように構成されている。また、搬送部202は、一対の搬送ベルト221を含んでいる。搬送部202は、一対の搬送ベルト221により、基板Pの幅方向(Y方向)の両端をそれぞれ下側(Z2方向側)から支持した状態で、基板Pを基板搬送方向に搬送するように構成されている。
【0034】
ヘッドユニット203は、部品実装用のヘッドユニットである。ヘッドユニット203は、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pに部品Eを実装する。ヘッドユニット203は、複数(5つ)のヘッド(実装ヘッド)231を含んでいる。ヘッド231の先端には、部品Eを保持(吸着)するためのノズル(図示せず)が装着されている。ヘッド231は、負圧供給部(図示せず)から供給された負圧により、ノズルに部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、ヘッド231は、部品Eを保持するためかまたは保持された部品Eを実装するための下降位置と、保持された部品Eを基板Pに搬送するための上昇位置との間で、上下方向に移動可能に構成されている。
【0035】
ヘッド水平移動機構部204は、ヘッドユニット203を水平方向(X方向およびY方向)に移動させるように構成されている。ヘッド水平移動機構部204は、ヘッドユニット203をX方向に移動可能に支持する支持部241と、支持部241をY方向に移動可能に支持するレール部242とを含む。支持部241は、X方向に延びるボールねじ軸241aと、ボールねじ軸241aを回転させるX軸モータ241bとを有する。ヘッドユニット203には、支持部241のボールねじ軸241aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット203は、X軸モータ241bによりボールねじ軸241aが回転されることにより、ボールねじ軸241aと係合するボールナットとともに、支持部241に沿って基板搬送方向に移動可能に構成されている。
【0036】
レール部242は、支持部241のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール242aと、Y方向に延びるボールねじ軸242bと、ボールねじ軸242bを回転させるY軸モータ242cとを有する。支持部241には、レール部242のボールねじ軸242bと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部241は、Y軸モータ242cによりボールねじ軸242bが回転されることにより、ボールねじ軸242bと係合するボールナットとともに、レール部242の一対のガイドレール242aに沿ってY方向に移動可能に構成されている。
【0037】
ヘッド水平移動機構部204の支持部241およびレール部242により、ヘッドユニット203は、基台201上を水平方向に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット203のヘッド231は、部品供給部210の上方に移動して、部品供給部210から供給される部品Eを保持(吸着)可能である。また、ヘッドユニット203のヘッド231は、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pの上方に移動して、保持(吸着)された部品Eを基板Pに実装可能である。
【0038】
部品撮像部205は、部品認識用のカメラである。部品撮像部205は、ヘッドユニット203のヘッド231による部品Eの基板Pへの搬送中に、ヘッド231のノズルに保持(吸着)された部品Eを撮像する。部品撮像部205は、基台201の上面上に固定されており、部品Eの下側(Z2方向側)から、ヘッド231のノズルに保持(吸着)された部品Eを撮像する。部品撮像部205による部品Eの撮像画像に基づいて、制御部207は、部品Eの保持状態(回転姿勢およびヘッド231に対する保持位置)を取得(認識)する。
【0039】
基板撮像部206は、基板認識用のカメラである。基板撮像部206は、ヘッドユニット203のヘッド231による基板Pへの部品Eの実装開始前に、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pにおいて、基板Pの上面に付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)Fを上方から撮像する。位置認識マークFは、基板Pの位置を認識するためのマークである。基板撮像部206による位置認識マークFの撮像画像に基づいて、制御部207は、基板固定位置Paにおいて固定された基板Pの正確な位置および姿勢を取得(認識)する。また、基板撮像部206は、ヘッドユニット203に取り付けられている。基板撮像部206は、ヘッドユニット203と共に、水平方向に移動可能に構成されている。
【0040】
制御部207は、部品実装装置200bの動作を制御する制御回路である。制御部207は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。制御部207は、生産プログラムに基づいて、搬送部202、部品供給部210、X軸モータ241bおよびY軸モータ242cなどを制御することにより、ヘッドユニット203により基板Pに部品Eを実装させて、基板Pを生産する制御を行うように構成されている。
【0041】
通信部208は、情報の通信を行うためのインターフェースである。通信部208は、部品実装装置200bと、部品実装システム100の他の装置(印刷装置200a、リフロー前の検査装置200c、リフロー炉200d、リフロー後の検査装置200e、生産管理装置300)とを通信可能に接続する。
【0042】
(生産管理装置の構成)
次に、図3を参照して、生産管理装置300の構成について説明する。
【0043】
図3に示すように、生産管理装置300は、複数種類の基板Pに対して、部品実装装置200bに部品供給部210を配置する(すなわち、部品Eを配置する)段取りを計画する装置である。生産管理装置300は、たとえば、各種の演算を行うことが可能に構成されたパーソナルコンピュータである。
【0044】
生産管理装置300は、操作部301と、表示部302と、通信部303と、記憶部304と、制御部305とを備えている。
【0045】
操作部301は、マウスおよびキーボードなどの入力部を含み、ユーザによる操作を受け付けるように構成されている。表示部302は、たとえば液晶モニタを含み、段取りの演算結果などの情報を表示する。通信部303は、情報の通信を行うためのインターフェースである。通信部303は、生産管理装置300と、部品実装システム100の他の装置(印刷装置200a、部品実装装置200b、リフロー前の検査装置200c、リフロー炉200d、リフロー後の検査装置200e)とを通信可能に接続する。
【0046】
記憶部304は、たとえばフラッシュメモリを含む記憶媒体であり、情報を記憶可能に構成されている。記憶部304には、段取りの演算結果である段取りデータ310などが記憶されている。制御部305は、生産管理装置300の動作を制御する制御回路である。制御部305は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を含んでいる。
【0047】
制御部305は、複数種類の基板Pに対して、部品実装装置200bに部品供給部210を配置する(すなわち、部品Eを配置する)段取りを計画するように構成されている。制御部305は、複数種類の基板Pのための、部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置位置の情報を含む段取りデータ310を作成するように構成されている。作業者は、段取りデータ310に基づいて、基板Pの生産に先立って部品実装装置200bに部品供給部210を配置する段取り作業を行う。
【0048】
また、制御部305は、複数種類の基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置が共通な共通段取りグループを作成可能な場合、共通段取りグループを作成するように構成されている。共通段取りグループを作成すれば、共通段取りグループに含まれる基板Pに関して、部品実装装置200bに部品供給部210を配置する段取り作業を削減することが可能である。
【0049】
ここで、本実施形態では、制御部305は、複数種類の基板Pの組み合わせに対して、部品Eの共通率を取得するとともに、部品Eの共通率に基づいて、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成されている。具体的には、制御部305は、部品Eの共通率が高い順に、基板Pの組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価するように構成されている。
【0050】
また、本実施形態では、制御部305は、部品Eの共通率が高い順に、基板Pの組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価し、所定の基板Pの組み合わせが共通段取りグループとして決定された場合、所定の基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が低い基板Pの組み合わせの評価を行わないように構成されている。具体的には、制御部305は、所定の基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が小さい基板Pの組み合わせに対して、部品E実装装置において部品E供給部を配置することが可能であるか否かの評価と、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価とを含む評価を行わないように構成されている。
【0051】
(共通段取りグループ決定処理)
次に、図4を参照して、第1実施形態の生産管理装置300による共通段取りグループ決定処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートの各処理は、制御部305により行われる。
【0052】
図4に示すように、まず、ステップS101において、基板Pの組み合わせが作成または更新される。具体的には、1回目のステップS101では、基板Pの組み合わせが新たに作成される。また、2回目以降のステップS101では、基板Pの組み合わせが更新される。
【0053】
そして、ステップS102において、各基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が取得(計算)される。部品Eの共通率は、異なる種類の基板P間で、同じ部品Eを使用する割合である。たとえば、種類Aの基板Pと、種類Bの基板Pとの組合わせについて考える。この場合、部品Eの共通率は、種類Aの基板Pと種類Bの基板Pとで共通する部品Eの数を、種類Aの基板Pと種類Bの基板Pとで使用する部品Eの総数で除算すること(共通部品数/総部品数)により求めることができる。
【0054】
また、ステップS102では、各基板Pの組み合わせの部品Eの共通率の計算結果が、記憶部304に記憶される。2回目以降のステップS102では、記憶部304に記憶された部品Eの共通率の計算結果と重複する計算は行われない。これにより、2回目以降のステップS102において、部品Eの共通率の計算時間を削減することが可能である。
【0055】
そして、ステップS103において、部品Eの共通率が高い順に、基板Pの組み合わせがソートされる。
【0056】
そして、ステップS104において、未評価の基板Pの組み合わせがあるか否かが検出される。未評価の基板Pの組み合わせがあることが検出された場合、ステップS105に進む。
【0057】
そして、ステップS105において、未評価の基板Pの組み合わせのうち、最も部品Eの共通率が高い基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0058】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であるか否かが評価される。ステップS106では、部品実装装置200bに配置可能な部品供給部210の数(配置可能数)と、評価対象の基板Pの組み合わせで使用する部品供給部210の数(使用数)とが比較される。
【0059】
部品供給部210の使用数が、部品供給部210の配置可能数を超えた場合、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出される。すなわち、評価対象の基板Pの組み合わせが、共通段取りグループとして決定できないと判断される。そして、ステップS104に進み、他に未評価の基板Pの組み合わせがあるか否かが検出される。
【0060】
また、部品供給部210の使用数が、部品供給部210の配置可能数を超えない場合、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であることが検出される。そして、ステップS107に進む。
【0061】
そして、ステップS107において、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かが評価される。ステップS107では、評価対象の基板Pの組み合わせを共通段取りグループとしない場合の基板Pの総生産時間(第1総生産時間)と、評価対象の基板Pの組み合わせを共通段取りグループとした場合の基板Pの総生産時間(第2総生産時間)とが比較される。
【0062】
第2総生産時間が、第1総生産時間を超えた場合、基板Pの総生産時間を短縮することができないことが検出される。すなわち、評価対象の基板Pの組み合わせが、共通段取りグループとして決定できないと判断される。そして、ステップS104に進み、他に未評価の基板Pの組み合わせがあるか否かが検出される。
【0063】
また、第2総生産時間が、第1総生産時間を超えない場合、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であることが検出される。そして、ステップS108に進む。
【0064】
なお、基板Pの総生産時間は、複数種類の基板Pの生産時間の合計である。具体的には、基板Pの総生産時間は、基板Pの生産枚数にサイクルタイム(基板1枚当たりの生産時間)を乗算した基板Pの生産時間と、基板Pの段取り作業に要する段取り時間とを含んでいる。段取り時間は、部品実装装置200bにおける段取り作業に要する内段取り時間と、部品実装装置200b外における段取り作業に要する外段取り時間とを含んでいる。内段取り時間は、台車220の交換に要する時間、および、外段取りの待ち時間などを含んでいる。なお、外段取りの待ち時間は、0の場合もある。外段取り時間は、部品Eの集荷に要する時間、部品Eの部品供給部210へのセットに要する時間、および、部品供給部210の台車220へのセットに要する時間などを含んでいる。
【0065】
また、ステップS107では、各基板Pのサイクルタイム、各基板Pの生産時間、および、段取り時間の計算結果が、記憶部304に記憶される。2回目以降のステップS107では、記憶部304に記憶された各基板Pのサイクルタイム、各基板Pの生産時間、および、段取り時間の計算結果と重複する計算は行われない。これにより、2回目以降のステップS107において、各基板Pのサイクルタイム、各基板Pの生産時間、および、段取り時間の計算時間を削減することが可能である。
【0066】
そして、ステップS108において、評価対象の基板Pの組み合わせが共通段取りグループとして決定される。
【0067】
そして、ステップS101に進み、所定の基板Pの組み合わせが共通段取りグループとして決定された状態で、基板Pの組み合わせが更新される。そして、ステップS101~S108の処理が適宜繰り返される。
【0068】
その後、共通段取りグループとすることが可能な基板Pの組み合わせがなくなると、ステップS104において、未評価の基板Pの組み合わせがないことが検出される。そして、共通段取りグループ決定処理が終了される。
【0069】
次に、図5図7を参照して、図4の共通段取りグループ決定処理の一例を説明する。ここでは、A、B、C、DおよびEの5種類の基板Pに対して、段取りを計画する例を説明する。
【0070】
図5に示すように、まず、ステップS101において、AB、AC、AD、AE、BC、BD、BE、CD、CE、DEの10個の基板Pの組み合わせが作成される。そして、ステップS102において、10個の基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が取得される。具体的には、ABの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が50%、ACの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が60%、ADの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が70%、AEの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が80%、BCの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が40%、BDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が30%、BEの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が20%、CDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が75%、CEの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が65%、DEの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が55%である。
【0071】
そして、ステップS103において、部品Eの共通率が高い順に、10個の基板Pの組み合わせがソートされる。具体的には、AE(80%)、CD(75%)、AD(70%)、CE(65%)、AC(60%)、DE(55%)、AB(50%)、BC(40%)、BD(30%)、BE(20%)の順に、10個の基板Pの組み合わせがソートされる。
【0072】
そして、ステップS104において、10個の基板Pの組み合わせはいずれも未評価であるため、未評価の基板Pの組み合わせがあることが検出される。
【0073】
そして、ステップS105において、最も部品Eの共通率が高い、AE(80%)の基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0074】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であることが検出されるとともに、ステップS107において、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であることが検出されたとする。
【0075】
この場合、ステップS108に進み、AEの基板Pの組み合わせが、共通段取りグループとして決定される。
【0076】
そして、ステップS101に進み、2回目の評価が開始される。この場合、AEの基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が低い、AB、AC、AD、BC、BD、BE、CD、CE、DEの基板Pの組み合わせに対しては、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かの評価(ステップS106)と、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価(ステップS107)が行われない。
【0077】
2回目の評価では、図6に示すように、まず、ステップS101において、AEの基板Pの組み合わせが共通段取りグループとして決定された状態で、基板Pの組み合わせが更新される。すなわち、AEB、AEC、AED、BC、BD、CDの6個の基板Pの組み合わせが作成される。そして、ステップS102において、6個の基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が取得される。具体的には、AEBの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が55%、AECの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が65%、AEDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が80%、BCの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が40%、BDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が30%、CDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が75%である。この際、BC、BD、CDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率の計算は、1回目の評価時の計算と重複するため、行われない。これらの部品Eの共通率は、1回目の評価時に記憶部304に記憶された計算結果が用いられる。
【0078】
そして、ステップS103において、部品Eの共通率が高い順に、6個の基板Pの組み合わせがソートされる。具体的には、AED(80%)、CD(75%)、AEC(65%)、AEB(55%)、BC(40%)、BD(30%)の順に、6個の基板Pの組み合わせがソートされる。
【0079】
そして、ステップS104において、6個の基板Pの組み合わせはいずれも未評価であるため、未評価の基板Pの組み合わせがあることが検出される。
【0080】
そして、ステップS105において、最も部品Eの共通率が高い、AED(80%)の基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0081】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出されたとする。
【0082】
この場合、ステップS104を経由してステップS105に進み、次に部品Eの共通率が高い、CD(75%)の基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0083】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であることが検出されるとともに、ステップS107において、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であることが検出されたとする。
【0084】
この場合、ステップS108に進み、CDの基板Pの組み合わせが、共通段取りグループとして決定される。
【0085】
そして、ステップS101に進み、3回目の評価が開始される。この場合、CDの基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が低い、AEB、AEC、BC、BDの基板Pの組み合わせに対しては、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かの評価(ステップS106)と、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価(ステップS107)が行われない。
【0086】
3回目の評価では、図7に示すように、まず、ステップS101において、AE、CDの基板Pの組み合わせが共通段取りグループとして決定された状態で、基板Pの組み合わせが更新される。すなわち、AEB、AECD、BCDの3個の基板Pの組み合わせが作成される。そして、ステップS102において、3個の基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が取得される。具体的には、AEBの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が55%、AECDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が70%、BCDの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が45%である。この際、AEBの基板Pの組み合わせの部品Eの共通率の計算は、2回目の評価時の計算と重複するため、行われない。これらの部品Eの共通率は、2回目の評価時に記憶部304に記憶された計算結果が用いられる。
【0087】
そして、ステップS103において、部品Eの共通率が高い順に、3個の基板Pの組み合わせがソートされる。具体的には、AECD(70%)、AEB(55%)、BCD(45%)の順に、3個の基板Pの組み合わせがソートされる。
【0088】
そして、ステップS104において、3個の基板Pの組み合わせはいずれも未評価であるため、未評価の基板Pの組み合わせがあることが検出される。
【0089】
そして、ステップS105において、最も部品Eの共通率が高い、AECD(70%)の基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0090】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出されたとする。
【0091】
この場合、ステップS104を経由してステップS105に進み、次に部品Eの共通率が高い、AEB(55%)の基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0092】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出されたとする。
【0093】
この場合、ステップS104を経由してステップS105に進み、次に部品Eの共通率が高い、BCD(45%)の基板Pの組み合わせが、評価対象の基板Pの組み合わせとして設定される。
【0094】
そして、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出されたとする。
【0095】
この場合、ステップS104において、未評価の基板Pの組み合わせがないことが検出される。そして、AE、CDの基板Pの組み合わせが、共通段取りグループとして決定され、Bの基板Pが、通常の段取りグループとして決定された状態で、共通段取りグループ決定処理が終了される。
【0096】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0097】
第1実施形態では、上記のように、制御部305を、複数種類の基板Pの組み合わせに対して、部品Eの共通率を取得するとともに、部品Eの共通率に基づいて、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定するように構成する。これにより、部品Eの共通率に基づいて、グループ化を評価する基板Pの組み合わせの候補を効果的に減らしつつ、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。その結果、全ての基板Pの組み合わせの候補を考慮しなくても、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。これにより、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。
【0098】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部305は、部品Eの共通率が高い順に、基板Pの組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価するように構成されている。これにより、基板Pの総生産時間を短縮しやすい基板Pの組み合わせの順である、部品Eの共通率が高い順に、基板Pの組み合わせの候補を順次評価することができる。その結果、グループ化を評価する基板Pの組み合わせの候補をより効果的に減らすことができる。
【0099】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部305は、部品Eの共通率が高い順に、基板Pの組み合わせを共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かを順次評価し、所定の基板Pの組み合わせが共通段取りグループとして決定された場合、所定の基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が低い基板Pの組み合わせの評価を行わないように構成されている。これにより、所定の基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が低い基板Pの組み合わせの評価を行わないので、その分、グループ化を評価するための処理時間を減らすことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間をより効果的に減らしつつ、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを決定することができる。
【0100】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部305は、所定の基板Pの組み合わせよりも部品Eの共通率が小さい基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かの評価と、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価とを含む評価を行わないように構成されている。これにより、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かの評価と、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価とを行わないので、その分、グループ化を評価するための処理時間を確実に減らすことができる。
【0101】
[第2実施形態]
次に、図8図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、基板の組み合わせが所定の基板の種類同士を含む場合、グループ化の評価を行わない例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0102】
(生産管理装置の構成)
第2実施形態による生産管理装置300aは、図8に示すように、制御部305aを備える点で、上記第1実施形態の生産管理装置300と相違する。
【0103】
第2実施形態では、制御部305aは、生産量が多い基板P同士を、共通段取りグループとして決定しないように構成されている。具体的には、制御部305aは、基板Pの組み合わせが、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産枚数にサイクルタイムを乗算した基板Pの生産時間が第1基準値を超える基板Pの種類同士を含む場合、基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行わないように構成されている。なお、第1基準値は、実験などにより予め決定しておくことができる。
【0104】
また、制御部305aは、基板Pの組み合わせが、部品Eの共通率が第2基準値を超える基板Pの種類同士を含む場合、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間にかかわらず、基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行うように構成されている。なお、第2基準値は、実験などにより予め決定しておくことができる。
【0105】
(共通段取りグループ決定処理)
次に、図9を参照して、第2実施形態の生産管理装置300aによる共通段取りグループ決定処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートの各処理は、制御部305aにより行われる。また、上記第1実施形態と同一の処理については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0106】
図9に示すように、ステップS201において、評価対象の基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が第2基準値を超えるか否かが評価される。ステップS201では、たとえば、評価対象の基板Pの組み合わせが、数点の部品Eが違うだけのバリエーション違いの基板P同士を含む場合、部品Eの共通率が第2基準値を超えることが検出される。評価対象の基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が第2基準値を超えることが検出された場合、ステップS202を飛ばして、ステップS106に進む。そして、評価対象の基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価(ステップS106、S107)が行われる。
【0107】
また、評価対象の基板Pの組み合わせの部品Eの共通率が第2基準値を超えないことが検出された場合、ステップS202に進む。
【0108】
そして、ステップS202において、評価対象の基板Pの組み合わせが、基板Pの生産枚数が第1基準値を超える基板P同士を含むか否かが評価される。評価対象の基板Pの組み合わせが、基板Pの生産枚数が第1基準値を超える基板P同士を含むことが検出された場合、ステップS104に進む。この場合、評価対象の基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価(ステップS106、S107)が行われない。
【0109】
また、評価対象の基板Pの組み合わせが、基板Pの生産枚数が第1基準値を超える基板P同士を含まないことが検出された場合、ステップS106に進む。そして、評価対象の基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価(ステップS106、S107)が行われる。
【0110】
なお、ステップS202では、基板Pの組み合わせが、基板Pの生産時間が第1基準値を超える基板P同士を含むか否かが評価されてもよい。
【0111】
また、図10に示すように、基板Pの組み合わせが、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間が第1基準値を超える所定の基板Pを含む場合、所定の基板P(図10では、種類Aの基板P)のサイクルタイムを優先した、部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置が決定される。すなわち、所定の基板Pの最適な部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置が決定された後、所定の基板P以外の他の基板P(図10では、種類BおよびCの基板P)の部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置が決定される。この部品供給部210の配置条件によれば、生産量が多い所定の基板Pの配置を最適化することができるので、基板Pの総生産時間の短縮を見込みやすい状態で、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かの評価(ステップS107)を行うことが可能である。このことは、ステップS202の処理により、生産量の多い基板Pを別々の共通段取りグループに分散することができる本実施形態の構成において、特に有効である。
【0112】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0113】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0114】
第2実施形態では、上記のように、制御部305aは、基板Pの組み合わせが、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産枚数にサイクルタイムを乗算した基板Pの生産時間が第1基準値を超える基板Pの種類同士を含む場合、基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行わないように構成されている。ここで、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間が大きい基板P同士では、共通段取りにすることによるサイクルタイムの悪化の影響が大きいため、組み合わせても基板Pの総生産時間の短縮を見込みにくい。そこで、上記のように構成すれば、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間が大きく、組み合わせても基板Pの総生産時間の短縮を見込みにくい基板Pの組み合わせに対して、グループ化の評価を行わないことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らすことができる。
【0115】
また、第2実施形態では、上記のように、制御部305aは、基板Pの組み合わせが、部品Eの共通率が第2基準値を超える基板Pの種類同士を含む場合、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間にかかわらず、基板Pの組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行うように構成されている。ここで、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間が大きい基板P同士でも、部品Eの共通率が高い場合には、共通段取りにすることによるサイクルタイムの悪化の影響が小さいため、組み合わせても基板Pの総生産時間の短縮を見込める。そこで、上記のように構成すれば、基板Pの生産枚数、または、基板Pの生産時間が大きくとも、基板Pの総生産時間の短縮を見込める基板Pの組み合わせに対しては、グループ化の評価を行うことができる。その結果、グループ化を評価するための処理時間を効果的に減らしつつ、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループを効果的に決定することができる。
【0116】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0117】
[第3実施形態]
次に、図11図13を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、一部の部品供給部の配置を段取り替えにより変更する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0118】
(生産管理装置の構成)
第3実施形態による生産管理装置300bは、図11に示すように、制御部305bを備える点で、上記第1実施形態の生産管理装置300と相違する。
【0119】
第3実施形態では、制御部305bは、基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かを評価するとともに、部品供給部210の数が部品実装装置200bに配置可能な部品供給部210の数を超えた場合、一部の部品供給部210の配置を段取り替えにより変更することにより、基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かをさらに評価するように構成されている。
【0120】
この際、制御部305bは、台車220単位で部品供給部210の配置を段取り替えにより変更することにより、基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かを評価するように構成されている。また、制御部305bは、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することができない場合、段取り替えにより変更(交換)する台車220の数が上限値に達するまで、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かの評価を繰り返すように構成されている。なお、上限値は、固定の値、または、ユーザが手動で入力した値を用いることができる。上限値は、たとえば、実装ライン200においてセット可能な台車220の数から1を差し引いた値とすることができる。
【0121】
(共通段取りグループ決定処理)
次に、図12を参照して、第3実施形態の生産管理装置300bによる共通段取りグループ決定処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、フローチャートの各処理は、制御部305bにより行われる。また、上記第1実施形態と同一の処理については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0122】
図12に示すように、ステップS106において、評価対象の基板Pの組み合わせで使用する部品供給部210の数が、部品実装装置200bに配置可能な部品供給部210の数を超えた場合、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出される。そして、ステップS301に進む。
【0123】
そして、ステップS301において、交換(変更)する台車220が1台増加される。
【0124】
そして、ステップS302において、交換する台車220の数が上限値に達したか否かが検出される。交換する台車220の数が上限値に達していないことが検出された場合、ステップS106に進む。
【0125】
そして、ステップS106において、交換する台車220の数が増加された状態で、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であるか否かが再評価される。たとえば、1回目の再評価のステップS106(1回だけステップS301を経由したステップS106)では、部品供給部210の配置を1台の台車220の段取り替えにより変更することにより、評価対象の基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かが評価される。
【0126】
そして、1回目の再評価のステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することができないことが検出された場合、再びステップS301に進む。そして、ステップS301において、交換(変更)する台車220が1台増加されて、2台となる。そして、ステップS302に進む。
【0127】
そして、ステップS302において、交換する台車220の数が上限値に達したことが検出されるか、または、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であることが検出されるまで、ステップS106、S301、および、S302の処理が繰り返される。
【0128】
ステップS302において、交換する台車220の数が上限値に達したことが検出された場合、ステップS104に進み、他に未評価の基板Pの組み合わせがあるか否かが検出される。また、ステップS106において、部品実装装置200bに部品供給部210を配置することが可能であることが検出された場合、ステップS107に進み、基板Pの総生産時間を短縮することが可能であるか否かが評価される。
【0129】
次に、図13を参照して、一部の部品供給部210の配置を段取り替えにより変更する共通段取りグループの例を説明する。ここでは、ABの基板Pの組み合わせが、部品供給部210の配置を1台の台車220の段取り替えにより変更する共通段取りグループとして決定された例を説明する。
【0130】
図13に示すように、ABの基板Pの組み合わせで使用する部品供給部210の数が、部品実装装置200bに配置可能な部品供給部210の数を超えているが、部品供給部210の配置を1台の台車220の段取り替えにより変更することにより、ABの基板Pの組み合わせが、共通段取りグループとして決定されている。この場合、種類Aから種類Bの基板Pの生産に切り替える際、1台の台車220のみが段取り替えにより変更される。この場合、種類Aの基板Pと、種類Bの基板Pとは、別々の段取りグループとして決定された場合に比べて、部品供給部210の使用数および台車220の交換個所(変更箇所)が少なくなるので、段取り作業を削減することが可能である。なお、部品供給部210の配置を段取り替えにより変更しない場合、ABの基板Pの組み合わせを共通段取りグループとして決定することができない。
【0131】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0132】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0133】
第3実施形態では、上記のように、制御部305bは、基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かを評価するとともに、部品供給部210の数が部品実装装置200bに配置可能な部品供給部210の数を超えた場合、一部の部品供給部210の配置を段取り替えにより変更することにより、基板Pの組み合わせに対して、部品実装装置200bにおいて部品供給部210を配置することが可能であるか否かをさらに評価するように構成されている。これにより、段取り作業を削減しつつ、共通段取りグループとして決定することが可能な基板Pの組み合わせの自由度を増やすことができる。その結果、基板Pの総生産時間を短縮する共通段取りグループをより効果的に決定することができる。
【0134】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0135】
[第4実施形態]
次に、図14および図15を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、部品実装装置における部品供給部の配置を固定する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0136】
(生産管理装置の構成)
第4実施形態による生産管理装置300cは、図14に示すように、制御部305cを備える点で、上記第1実施形態の生産管理装置300と相違する。
【0137】
図15に示すように、第4実施形態では、制御部305cは、予め指定された部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置を固定した状態で、共通段取りグループを決定するように構成されている。具体的には、制御部305cは、予め指定された部品供給部210が指定された固定位置に配置されるとともに、予め指定された部品供給部210以外の部品供給部210が指定された固定位置以外の位置に配置されるという条件で、共通段取りグループを決定するように構成されている。なお、固定位置は、部品供給部210単位の位置であってもよいし、台車220単位の位置であってもよい。また、図15では、便宜上、固定位置が台車220単位の位置である例を図示している。
【0138】
制御部305cは、全ての種類の基板Pに対して、上記条件で、共通段取りグループを決定するように構成されている。または、制御部305cは、一部の種類の基板Pに対して、上記条件で、共通段取りグループを決定するように構成されている。
【0139】
配置を固定する部品供給部210は、ユーザが手動で設定することができる。ユーザは、直近の生産計画で生産する基板Pで使用する部品供給部210と、直近の生産計画以降の生産計画で生産する基板Pで使用する部品供給部210とのいずれも、配置を固定する部品供給部210として設定することができる。たとえば、ユーザは、直近の生産計画で生産する基板Pで使用する部品供給部210と、直近の生産計画以降の生産計画で生産する基板Pで使用する部品供給部210とが混在した状態で、配置を固定する部品供給部210を設定する。すなわち、配置を固定する部品供給部210には、直近の生産計画で生産する基板Pで使用しない部品供給部210が含まれている場合がある。
【0140】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0141】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0142】
第4実施形態では、上記のように、制御部305cは、予め指定された部品実装装置200bにおける部品供給部210の配置を固定した状態で、共通段取りグループを決定するように構成されている。これにより、複数の生産計画を通じて頻繁に使用する部品供給部210の配置を固定した状態で、共通段取りグループを決定することができる。その結果、複数の生産計画にわたる長期間の段取り作業を削減することができる。これにより、複数の生産計画における基板の総生産時間を短縮することができる。
【0143】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0144】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0145】
たとえば、本発明では、上記第1~第4実施形態に記載された構成のうち、互いに適用可能な構成同士を組み合わせてもよい。
【0146】
また、上記第1~第4実施形態では、生産管理装置に、本発明の制御部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装装置などの生産管理装置以外の装置に、本発明の制御部が設けられていてもよい。
【0147】
また、上記第2実施形態では、基板の組み合わせが、部品の共通率が第2基準値を超える基板の種類同士を含む場合、基板の生産枚数、または、基板の生産時間にかかわらず、基板の組み合わせに対して、評価を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板の組み合わせが、部品の共通率が第2基準値を超える基板の種類同士を含むか否かを評価しなくてもよい。すなわち、基板の組み合わせが、基板の生産枚数、または、基板の生産時間が第1基準値を超える基板の種類同士を含む場合には、必ず、基板の組み合わせに対して、共通段取りグループとして決定することが可能であるか否かの評価を行わないようにしてもよい。
【0148】
また、上記第3実施形態では、再評価の際、台車単位で部品供給部の配置を段取り替えにより変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、再評価の際、部品供給部単位で部品供給部の配置を段取り替えにより変更してもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0150】
100 部品実装システム
200b 部品実装装置
210 部品供給部
305、305a、305b、305c 制御部
E 部品
P 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15