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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041216
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20220304BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220304BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220304BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
B41J29/38 401
G03G21/00 398
H04N1/00 912
H04N1/00 127B
G06F3/12 360
G06F3/12 315
G06F3/12 385
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146289
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】糸川 喜裕
(72)【発明者】
【氏名】江嵜 知
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN29
2C061HQ08
2C061HQ11
2C061HQ20
2H270KA46
2H270LA70
2H270MB02
2H270MD25
2H270ME02
2H270MF24
2H270MG03
2H270MH19
2H270NB22
2H270PA56
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H270ZD08
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AB53
5C062AC22
5C062AC42
(57)【要約】
【課題】印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される画像形成の準備動作が無駄になってしまう事態を低減する。
【解決手段】MFP(1)のCPU(91)は、USBインターフェース(12)が第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、画像形成部(4)に画像形成の準備動作を開始させるとともに、LANインターフェース(13)による第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理の完了後、LANインターフェース(13)による第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部と、
第2外部端末と通信可能に接続され、前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、
前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、
前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記制御部は、更に、
前記第1通信部が前記第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、
前記第1通信部が前記第1外部端末から受信した第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理の完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記憶部と、
第1外部端末及び第2外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末及び前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、
前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、
前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記制御部は、更に、
前記第2通信部が前記第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、
前記第2通信部が前記第1外部端末から第1印刷データを受信完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、更に、
前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止後、所定時間が経過するまでに前記第1外部端末から前記第1印刷データの受信が開始されない場合において、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部を更に備え、
前記制御部は、更に、
前記第1通信部又は前記第2通信部が前記第1外部端末から前記第1印刷データを受信した際、前記第1印刷データが、前記画像形成装置への認証処理に応じて前記画像形成部を用いて被記録媒体に画像を形成させるためのデータである場合、前記画像形成部により開始された前記準備動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部を更に備え、
前記制御部は、更に、
前記第2外部端末から受信した第2印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行中において、前記第1通信部が前記第1外部端末から前記先行コマンドを受信した際、前記第2印刷データのRIP処理が完了するまで、前記準備動作の開始及び前記第1通信部による前記第1外部端末からの第1印刷データの受信を待機する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1外部端末及び第2外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末及び第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部を更に備え、
前記第2通信部は、ネットワーク規格によって前記第1外部端末と接続されるネットワークインターフェースを有し、
前記制御部は、更に、
前記第2通信部が前記ネットワークインターフェースを経由して前記第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第1通信部及び前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、
前記ネットワークインターフェースを経由して前記第1印刷データの受信完了後、前記第1通信部及び前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を可能にする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部を更に備え、
前記第1通信部は、シリアルバス規格によって前記第1外部端末と接続されるUSBインターフェースを有し、
前記第2通信部は、ネットワーク規格によって前記第2外部端末と接続されるネットワークインターフェースを有し、
前記制御部は、更に、
前記第1通信部が前記USBインターフェースを経由して先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部である前記ネットワークインターフェースによる前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、
前記USBインターフェースを経由して前記第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理が完了後、前記ネットワークインターフェースに接続された前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を可能にする、
請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置と、第1外部端末と、を備え、
前記第1外部端末は、
印刷指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の準備動作を指示する先行コマンドを前記画像形成装置に送信する端末通信部と、
前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の内容を表す印刷データを生成する端末制御部と、を備え、
前記端末通信部は、更に、前記端末制御部が生成した印刷データを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、
記憶部と、
前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部と、
第2外部端末と通信可能に接続され、前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、
前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、
前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記制御部は、更に、
前記第1通信部が前記第1外部端末から前記先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、
前記第1通信部が前記第1外部端末から受信した第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理の完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
画像形成装置と、第1外部端末と、を備え、
前記第1外部端末は、
印刷指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の準備動作を指示する先行コマンドを前記画像形成装置に送信する端末通信部と、
前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の内容を表す印刷データを生成する端末制御部と、を備え、
前記端末通信部は、更に、前記端末制御部が生成した印刷データを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、
記憶部と、
前記第1外部端末及び第2外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末及び前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、
前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、
前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備え、
前記制御部は、更に、
前記第2通信部が前記第1外部端末から前記先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、
前記第2通信部が前記第1外部端末から第1印刷データを受信完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、画像形成が指示されてから1枚目のシートの後端が排出されるまでの時間、いわゆるファーストプリント時間を短縮する技術が提案されている。例えば、画像形成を指示する装置が画像形成の準備動作を指示する先行コマンドを印刷データの送信に先行して画像形成装置に送信することにより、画像形成装置が、印刷データを受信する前に当該先行コマンドに従い準備動作を開始するシステムが提案されている。当該準備動作は例えば、定着部のヒーターの昇温動作である。
【0003】
特許文献1の印刷データ供給装置は、印刷ジョブの印刷データをスプールする前に、節電モード中のプリンタ装置に暖機処理を起動させる。また、印刷データ供給装置は、印刷可能状態にするための起動用データを生成し、印刷データとは別の印刷ジョブとしてスプールし、先行してプリンタ装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-150761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷データに先立って受信した先行コマンドにより準備動作を開始する画像形成装置では、実行した準備動作が無駄になってしまう場合があった。例えば、画像形成装置が、既に受信した先行コマンドに対応する印刷データを受信するよりも前に他の装置から印刷データを受信してその画像形成処理を実行する場合、既に実行していた準備動作が無駄になってしまう。
【0006】
本発明の一態様は、印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される画像形成の準備動作が無駄になってしまう事態を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像形成装置は、記憶部と、第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部と、第2外部端末と通信可能に接続され、前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記制御部は、更に、前記第1通信部が前記第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、前記第1通信部が前記第1外部端末から受信した第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理の完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する。
【0008】
上述した構成によれば、第1通信部が第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、画像形成装置は、画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、第2通信部による第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止する。そのため、第2印刷データの受信が第1印刷データのRIP処理に先立って行われてしまうことが防止される。これにより、第1印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される準備動作が無駄になってしまう事態が低減する。
【0009】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、記憶部と、第1外部端末及び第2外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末及び前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記制御部は、更に、前記第2通信部が前記第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、前記第2通信部が前記第1外部端末から第1印刷データを受信完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する。
【0010】
上述した構成によれば、第2通信部が第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、画像形成装置は、画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、第2通信部による第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止する。そのため、第2印刷データの受信が第1印刷データの受信に先立って行われてしまうことが防止される。これにより、第1印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される準備動作が無駄になってしまう事態が低減する。
【0011】
前記制御部は、更に、前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止後、所定時間が経過するまでに前記第1外部端末から前記第1印刷データの受信が開始されない場合において、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可してもよい。
【0012】
上述した構成によれば、画像形成装置は、第2印刷データの受信を禁止後、所定時間経過しても第1印刷データの受信が開始されない場合は、第2印刷データを受信できるようにすることができる。
【0013】
前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部を更に備え、前記制御部は、更に、前記第1通信部又は前記第2通信部が前記第1外部端末から前記第1印刷データを受信した際、前記第1印刷データが、前記画像形成装置への認証処理に応じて前記画像形成部を用いて被記録媒体に画像を形成させるためのデータである場合、前記画像形成部により開始された前記準備動作を停止させてもよい。
【0014】
上述した構成によれば、画像形成装置は、即時印刷しないデータを受信した場合は、ヒーター昇温などの準備動作が無駄になるため、準備動作を停止させることができる。
【0015】
前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部を更に備え、前記制御部は、更に、前記第2外部端末から受信した第2印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行中において、前記第1通信部が前記第1外部端末から前記先行コマンドを受信した際、前記第2印刷データのRIP処理が完了するまで、前記準備動作の開始及び前記第1通信部による前記第1外部端末からの第1印刷データの受信を待機してもよい。
【0016】
上述の構成によれば、画像形成装置は、第2外部端末から受信した第2印刷データのRIP処理の実行中は、第1外部端末から先行コマンドを受信しても準備動作及び第1印刷データの受信を行わない。第2印刷データのRIP処理中に第1印刷データのための準備動作を開始してしまうと、RIP処理中に準備動作が不要に行われてしまうが、第2印刷データのRIP処理の完了後に第1印刷データのための準備動作を開始することにより、第2印刷データのRIP処理中に不要に準備動作が行われてしまう事態を防止できる。
【0017】
前記第1外部端末及び第2外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末及び第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部、を更に備え、前記第2通信部は、ネットワーク規格によって前記第1外部端末と接続されるネットワークインターフェースを有し、前記制御部は、更に、前記第2通信部が前記ネットワークインターフェースを経由して前記第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第1通信部及び前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、前記ネットワークインターフェースを経由して前記第1印刷データの受信完了後、前記第1通信部及び前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を可能にしてもよい。
【0018】
上述した構成によれば、ネットワークインターフェースを経由して第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、画像形成装置は、画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、第1外部端末からの第1印刷データの受信が完了するまで、第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止する。そのため、第2印刷データが第1印刷データに先立って受信されてしまうことが防止され、第1印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される準備動作が無駄になってしまう事態が低減する。
【0019】
前記第1通信部は、シリアルバス規格によって前記第1外部端末と接続されるUSBインターフェースを有し、前記第2通信部は、ネットワーク規格によって前記第2外部端末と接続されるネットワークインターフェースを有し、前記制御部は、更に、前記第1通信部が前記USBインターフェースを経由して先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部である前記ネットワークインターフェースによる前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、前記USBインターフェースを経由して前記第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理が完了後、前記ネットワークインターフェースに接続された前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を可能にしてもよい。
【0020】
上述した構成によれば、USBインターフェースを経由して第1外部端末から先行コマンドを受信した場合、画像形成装置は、画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、第1印刷データのRIP処理が完了するまで、第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止する。そのため、第2印刷データが第1印刷データに先立って受信されてしまうことが防止され、第1印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される準備動作が無駄になってしまう事態が低減する。
【0021】
本発明の一態様に係る画像形成システムは、画像形成装置と、第1外部端末と、を備え、前記第1外部端末は、印刷指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の準備動作を指示する先行コマンドを前記画像形成装置に送信する端末通信部と、前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の内容を表す印刷データを生成する端末制御部と、を備え、前記端末通信部は、更に、前記端末制御部が生成した印刷データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置は、記憶部と、前記第1外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第1通信部と、第2外部端末と通信可能に接続され、前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記制御部は、更に、前記第1通信部が前記第1外部端末から前記先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、前記第1通信部が前記第1外部端末から受信した第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理の完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する。
【0022】
本発明の一態様に係る画像形成システムは、画像形成装置と、第1外部端末と、を備え、前記第1外部端末は、印刷指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の準備動作を指示する先行コマンドを前記画像形成装置に送信する端末通信部と、前記受付部が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の内容を表す印刷データを生成する端末制御部と、を備え、前記端末通信部は、更に、前記端末制御部が生成した印刷データを前記画像形成装置に送信し、前記画像形成装置は、記憶部と、前記第1外部端末及び第2外部端末と通信可能に接続され、前記第1外部端末及び前記第2外部端末から受信した印刷データを前記記憶部に記憶する第2通信部と、前記記憶部に記憶された順番に前記印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行する制御部と、前記RIP処理によって作成された前記ラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、前記制御部は、更に、前記第2通信部が前記第1外部端末から前記先行コマンドを受信した場合、前記画像形成部に画像形成の準備動作を開始させるとともに、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を禁止し、前記第2通信部が前記第1外部端末から第1印刷データを受信完了後、前記第2通信部による前記第2外部端末からの第2印刷データの受信を許可する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、印刷データに先立って送信されてくる先行コマンドにより開始される画像形成の準備動作が無駄になってしまう事態を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成システムが備える画像形成装置の内部構成を示す図である。
図4】外部端末が行う印刷データ送信処理の一例を示すフローチャートである。
図5】画像形成装置が行う画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
図6】画像形成装置が行う画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
図7】画像形成装置が行う、USBインターフェースを経由した印刷データの受信処理の一例を示すフローチャートである。
図8】画像形成装置が行う、LANインターフェースを経由した印刷データの受信処理の一例を示すフローチャートである。
図9】画像形成装置がUSBインターフェースを経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図10】画像形成装置がLANインターフェースを経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図11】画像形成装置がUSBインターフェースを経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図12】画像形成装置がLANインターフェースを経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。
図13】従来の画像形成装置の画像形成処理に係るタイムチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<画像形成システム100の構成>
図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成システム100の概略構成を示すブロック図である。画像形成システム100はMFP1(Multi-Function Peripheral)及び複数の外部端末、すなわち第1外部端末101a、第2外部端末101b、第3外部端末101cを備える。図1に示す例では、画像形成システム100は1台のMFP1と、第1外部端末101a、第2外部端末101b、第3外部端末101cとを含んでいるが、これは本実施形態を限定するものではない。画像形成システム100に含まれる画像形成装置の台数は2以上であってもよく、また、画像形成システム100に含まれる外部端末の数は3より多くても少なくてもよい。以下の説明では、第1外部端末101a、第2外部端末101b、第3外部端末101cを各々区別する必要がない場合には、これらを「外部端末101」と称する。
【0026】
MFP1は、記録用紙またはOHP(Over Head Projector)シート等の被記録媒体に画像を形成する画像形成装置の一例である。外部端末101は、MFP1と通信可能に接続された装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末である。
【0027】
図2は、本発明の実施形態1に係る画像形成システム100が備えるMFP1及び外部端末101の電気的構成を示すブロック図である。図3は、MFP1の内部の構成を示す図である。図2及び図3に示すMFP1は、単色の現像剤像をシートS1に形成するレーザプリンタであるが、これに限定されない。例えば、MFP1は複数の色の現像剤像をシートS1に形成するレーザプリンタであってもよい。シートS1は被記録媒体の一例である。以下、説明の便宜上、図3の矢印で示されるように、MFP1の上下方向及び前後方向を定義する。
【0028】
図2及び図3に示すように、MFP1は、本体筐体2と、シート供給部3と、画像形成部4と、排出ローラ5と、排出トレイ6と、操作パネル部7と、表示部8と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)9と、ROM(Read Only Memory)10と、RAM(Random Access Memory)11と、通信部14と、を備える。本体筐体2は上記各部を収容している。
【0029】
シート供給部3はシートS1を送り出す。シート供給部3は、トレイ31と、給送ローラ32と、シート押圧板33と、搬送ローラ34と、レジストレーションローラ35と、を備える。トレイ31はシートS1を収容するシートトレイである。給送ローラ32は、トレイ31に収容されたシートS1を送り出す給送ローラである。
【0030】
シートS1が送り出される場合、トレイ31上のシートS1は、シート押圧板33によって給送ローラ32に寄せられ、給送ローラ32の回転に伴い搬送ローラ34に給送される。搬送ローラ34は、シートS1をレジストレーションローラ35に向けて搬送する。レジストレーションローラ35は、シートS1の先端の位置を揃えた後、画像形成部4に向けてシートS1を搬送する。
【0031】
画像形成部4は、シート供給部3によって送り出されたシートS1に画像を形成する。図3に示すように、画像形成部4は、露光部41と、転写部42と、帯電部43と、現像部44と、定着部45と、感光体46と、を備える。露光部41は、図示を省略するレーザ光源と、ポリゴンミラー41Gと、走査レンズ41Lと、ポリゴンモータ41Mと、反射鏡41Rと、を備える。
【0032】
ポリゴンミラー41Gは正六角柱の側面を6つの反射面とする回転多面鏡である。ポリゴンミラー41Gは、レーザ光源が出射した光ビームL1を感光体46に向かう方向へ偏向するためのものである。ポリゴンモータ41Mは、ポリゴンミラー41Gを回転駆動する。図2のモータドライバ41Dはポリゴンモータ41Mを駆動する。露光部41は、光ビームL1をポリゴンミラー41Gにより偏向し、ポリゴンミラー41Gから走査レンズ41L及び反射鏡41Rを介して感光体46の表面に光ビームL1を出射する。露光部41は、を光ビームL1によって感光体46の表面を走査して露光する。これにより、感光体46に静電潜像が形成される。ポリゴンモータ41MはブラシレスDCモータである。
【0033】
転写部42は、感光体46との間でシートS1を挟む転写ローラである。帯電部43は、図示を省略する帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器である。図示を省略する高電圧生成回路により、帯電ワイヤに帯電電圧が印加され、グリッド部にグリッド電圧が印加されることでコロナ放電が発生し、感光体46の表面が一様に帯電される。現像部44は現像ローラ44R及び現像剤収容部44Aを備える。
【0034】
画像形成部4では、感光体46の表面が帯電部43により一様に帯電された後、露光部41からの光ビームL1によって感光体46に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像ローラ44Rは、現像剤収容部44A内の現像剤を静電潜像が形成された感光体46に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体46上に現像剤像が形成される。その後、シート供給部3から供給されたシートS1が、感光体46と転写部42との間である転写位置に搬送されることで、感光体46上に形成された現像剤像がシートS1上に転写される。
【0035】
現像剤像が転写されたシートS1は、感光体46及び転写部42によって、定着部45に搬送される。定着部45は、感光体46及び転写部42から搬送されるシートS1上の現像剤像を熱定着させる。定着部45は、加熱ローラ45HRと、加圧ローラ45PRと、ヒーター45Hと、を備える。定着部45は、画像が形成されたシートS1を、ヒーター45Hを用いて加熱する。
【0036】
加熱ローラ45HRはシートS1を加熱する。加圧ローラ45PRは加熱ローラ45HRとの間でシートS1を挟む。加熱ローラ45HRの内部には、加熱ローラ45HRの温度を上昇させるためのヒーター45Hが配置されている。ヒーター45Hは、例えばハロゲンランプである。定着部45では、現像剤像が転写されたシートS1が、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間で搬送されることで、現像剤像がシートS1上に熱定着される。現像剤像が熱定着されたシートS1は、排出ローラ5によって排出トレイ6上に排出される。
【0037】
図2に戻り、ASIC9には、制御部の一例としてCPU(Central Processing Unit)91が内蔵されている。ASIC9は、モータドライバ41D、転写部42、帯電部43、現像部44、定着部45、操作パネル部7、表示部8、ROM10、RAM11、USBインターフェース12及びLANインターフェース13と電気的に接続されている。
【0038】
CPU91はMFP1の各部に対する全般的な制御を実行する。ROM10には、MFP1を制御するための各種制御プログラムや各種設定等が記憶されている。RAM11はバッファ11B及びページメモリ11Mを備える。バッファ11Bは、外部端末101から受信した印刷データ等を一時的に記憶する。ページメモリ11Mは、CPU91が印刷データから生成したラスターデータを記憶する。
【0039】
通信部14は、複数の外部端末101と通信可能に接続され、外部端末101から受信した印刷データをバッファ11B又はバッファ12Bに記憶する。バッファ11B及びバッファ12Bは本明細書に係る記憶部の一例である。
【0040】
通信部14は、第1通信部141及び第2通信部142を備える。第1通信部141は、外部端末101と通信可能に接続され、外部端末101から受信した印刷データをバッファ12Bに記憶する。第1通信部141はUSB(Universal Serial Bus)インターフェース12を有する。USBインターフェース12は、シリアルバス規格によって外部端末101と接続されるインターフェースである。USBインターフェース12にはUSBケーブルが接続される。USBインターフェース12にUSBケーブルを介して外部端末101を接続することにより、MFP1は外部端末101から印刷データを受信することができる。
【0041】
第2通信部142は、外部端末101と通信可能に接続され、外部端末101から受信した印刷データをバッファ11Bに記憶する。第2通信部142は、LAN(Local Area Network)インターフェース13を有する。本実施形態では、LANインターフェース13は、ネットワーク規格によって外部端末101と接続されるネットワークインターフェースの一例である。LANインターフェース13は、外部端末101との通信のためのインターフェースであり、通信の方式は、無線通信方式であってもよいし、有線通信方式であってもよい。有線通信方式の場合、LANインターフェース13にはLANケーブルが接続される。MFP1はLANインターフェース13を介して外部端末101と通信可能に接続される。
【0042】
操作パネル部7は、ユーザの操作を受け付ける。操作パネル部7は例えば、MFP1の上面に設けられている。操作パネル部7は例えば、タッチパッド及びディスプレイが一体として形成されたタッチパネルと、キーボタン部とを備える。キーボタン部は例えば、MFP1を操作するための複数のキーボタンを有している。操作パネル部7は、例えば、操作領域を含むユーザインタフェース画面をタッチパネルに表示するとともに、操作領域に対するユーザの接触操作を検出し、ユーザの操作内容に応じた信号をCPU91に出力する。
【0043】
表示部8は、MFP1の処理内容等を表示する。表示部8には例えば、ユーザの認証に必要な識別情報を構成するユーザIDとパスワードとを入力させるログイン画面が表示される。なお、操作パネル部7のタッチパネルに表示部8が含まれる構成であってもよい。
【0044】
印刷データは、MFP1が行う画像形成の内容を表すデータである。印刷データは、例えばプリンタジョブ言語(PJL:Printer Job Language)により記述されたデータである。印刷データは、例えばPDF(Portable Document Formatの略)と呼ばれるファイルフォーマットが用いられたPDFデータを含む。PDFデータでは、PostScript(登録商標)をベースとするページ記述言語に従って画像が記述されており、文字列、図形、イメージなどの描画に関する複数個のオペレータが処理順に並べられている。
【0045】
通信部14は、外部端末101から受信した印刷データをバッファ11B又はバッファ12Bに記憶する。CPU91は、バッファ11B又はバッファ12Bに記憶された順番に印刷データからラスターデータを作成するRIP(Raster Image Processor)処理を実行する。RIP処理は例えば、PDFデータの複数個のオペレータを順番に解析する解析処理と、解析処理によってオペレータが示す文字列、図形、イメージなどの描画オブジェクトを1ページの画像空間に順番に構築する構築処理と、構築処理によって構築された1ページの画像をラスターデータとしてページメモリ11Mに書きだす処理と、を含む。
【0046】
画像形成部4は、RIP処理によって作成されたラスターデータを用いてシートS1に画像を形成する。
【0047】
MFP1は、印刷データの受信に先立って、先行コマンドを受信する場合がある。先行コマンドは、外部端末101が印刷データの送信に先行して送信するデータであり、画像形成の準備動作を指示するデータである。外部端末101が先行コマンドを印刷データの送信に先行してMFP1に送信することにより、MFP1が、印刷データを受信する前に先行コマンドに従い画像形成の準備動作を開始する。
【0048】
先行コマンドは例えば、PJLにより記述されたデータ、又は、USBのコントロール転送方式の規格に準拠したコマンドである。PJLにより記述されたデータを、以下では「PJLデータ」という。また、USBのコントロール転送方式の規格に準拠したコマンドを、以下では「USBコマンド」という。先行コマンドがPJLデータである場合、外部端末101は先行コマンドであるPJLデータを、LANインターフェース103又はUSBインターフェース102を経由して送信する。この場合、MFP1は、先行コマンドであるPJLデータを、LANインターフェース13又はUSBインターフェース12を経由して受信する。
【0049】
一方、先行コマンドがUSBコマンドである場合、外部端末101はUSBインターフェース102を経由してUSBコマンドを送信する。この場合、MFP1は、USBインターフェース12を経由してUSBコマンドを受信する。
【0050】
準備動作は、画像形成部4がシートS1に画像を形成するための動作であって、印刷データの受信完了を待機することなく開始可能な動作である。準備動作は例えば、定着部45のヒーター45Hを駆動する動作を含む。また、準備動作は例えば、ポリゴンモータ41Mを駆動する動作を含む。
【0051】
MFP1は、画像形成動作として、通常印刷と蓄積印刷とを行う。通常印刷は、外部端末101から印刷データを受信すると、ユーザによる操作を待機することなく、CPU91が受信した印刷データからRIP処理を実行して画像形成部4に画像を形成させる画像形成動作である。通常印刷の場合、外部端末101は、印刷データに先行して先行コマンドを送信する。なお、外部端末101の機種によっては、通常印刷の場合であっても先行コマンドを送信しない場合もある。
【0052】
一方、蓄積印刷は、外部端末101から受信した印刷データに応じた画像形成を、MFP1への認証処理がなされるまで待機し、MFP1への認証処理に応じて画像形成部4を用いて被記録媒体に画像を形成させる画像形成動作をいう。外部端末101から受信した印刷データが蓄積印刷データである場合、CPU91は、蓄積印刷データに対しRIP処理を行ってラスターデータを生成し、生成したラスターデータをページメモリ11Mに記憶しておく。CPU91は、ユーザが操作パネル部7を用いて認証を行うまで待機し、ユーザによる認証が成功すると、画像形成部4にラスターデータを用いた画像形成を行わせる。
【0053】
通信部14が通信可能に接続されている複数の外部端末101には、第1外部端末101a及び第2外部端末101bが含まれる。CPU91は、USBインターフェース12を経由して第1外部端末101aから先行コマンドを受信した場合、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させるとともに、LANインターフェース13による第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止する。このとき、CPU91は、第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理の完了後、LANインターフェース13による第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を許可する。CPU91が行う処理については後述する。
【0054】
また、CPU91は、LANインターフェース13を経由して第1外部端末101aから先行コマンドを受信した場合、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させるとともに、通信部14による第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止する。このとき、CPU91は、LANインターフェース13を経由して第1外部端末101aから第1印刷データを受信完了後、LANインターフェース13による第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を許可する。CPU91が行う処理については後述する。
【0055】
図2に示すように、外部端末101は、受付部104、通信部105、及び制御部106を備える。受付部104は、印刷指示を受け付ける。受付部104は例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等を用いてなされたユーザの操作を受け付ける。また、受付部104は、外部端末101上で動作するソフトウェアアプリケーション生成する印刷指示を受け付けるソフトウェアコンポーネントであってもよい。
【0056】
制御部106は、受付部104が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の内容を表す印刷データを生成する。制御部106は本明細書に係る端末制御部の一例である。制御部106が生成する印刷データは、例えばPJLデータである。
【0057】
通信部105は、受付部104が受け付けた印刷指示が指示する画像形成の準備動作を指示する先行コマンドを、印刷データの送信に先行してMFP1に送信する。通信部105は、本明細書に係る端末通信部の一例である。また、通信部105は、制御部106が生成した印刷データをMFP1に送信する。
【0058】
通信部105は、USBインターフェース102及びLANインターフェース103を含む。USBインターフェース102は、シリアルバス規格によってMFP1等の他の装置と接続されるインターフェースである。USBインターフェース102にはUSBケーブルが接続される。USBインターフェース102にUSBケーブルを介してMFP1を接続することにより、外部端末101はMFP1に先行コマンド及び印刷データを送信することができる。
【0059】
LANインターフェース103は、ネットワーク規格によってMFP1等の他の装置と接続されるネットワークインターフェースの一例である。LANインターフェース103は、MFP1との通信のためのインターフェースであり、通信の方式は、無線通信方式であってもよいし、有線通信方式であってもよい。有線通信方式の場合、LANインターフェース103にはLANケーブルが接続される。外部端末101はLANインターフェース103を介してMFP1と通信可能に接続される。
【0060】
<画像形成システム100の動作>
<外部端末101の印刷データ送信処理>
図4は、外部端末101が行う印刷データ送信処理の一例を示すフローチャートである。図4の例では、外部端末101において印刷の開始を指示する印刷開始ボタンがユーザに押下されたことを契機として印刷データの送信が行われる場合について説明する。なお、一部のステップは並行して、又は、順序を替えて実行されてもよい。
【0061】
ステップS1において、制御部106は、印刷開始ボタンがユーザにより押下されたかを判定する。印刷開始ボタンが押下された場合(ステップS1にてYES)、外部端末101はステップS2の処理に進む。一方、印刷開始ボタンが押下されていない場合(ステップS1にてNO)、外部端末101はステップS1の処理に戻り、印刷開始ボタンが押下されるまで待機する。
【0062】
ステップS2において、制御部106の制御の下、通信部105は先行コマンドをMFP1に送信する。先行コマンドはUSBインターフェース102又はLANインターフェース103を経由して送信される。いずれのインターフェースを経由するかは制御部106が選択する。制御部106は例えば、外部端末101とMFP1とがUSBケーブルにより接続されている場合にはUSBインターフェース102を選択する一方、外部端末101とMFP1とがLANにより接続されている場合にはLANインターフェース103を選択してもよい。外部端末101とMFP1とがUSBケーブルとLANとの両方で接続されている場合、制御部106はUSBインターフェースを選択してもよい。
【0063】
通信部105がUSBインターフェース102を経由して先行コマンドを送信する場合、制御部106は先行コマンドとしてUSBコマンドを生成し、通信部105がUSBコマンドを送信する。一方、通信部105がLANインターフェース103を経由して先行コマンドを送信する場合、制御部106は先行コマンドとしてPJLデータを生成し、生成したPJLデータを通信部105がLANインターフェース103を経由して送信する。なお、USBインターフェース102を経由して先行コマンドを送信する場合、制御部106が先行コマンドとしてPJLデータを生成し、通信部105がUSBインターフェース102を経由して生成したPJLデータを送信してもよい。
【0064】
ステップS3において、制御部106は、印刷データの生成を開始する。制御部106が生成する印刷データは、例えばPJLデータである。制御部106が生成した印刷データは所定のメモリに記憶される。ステップS4において、通信部105は、制御部106の制御の下、ステップS3で制御部106が生成した印刷データの送信を開始する。このとき、通信部105は、先行コマンドを送信したインターフェースを経由して印刷データを送信する。すなわち、通信部105は、USBインターフェース102を経由して先行コマンドを送信した場合、USBインターフェース102を経由して印刷データを送信する。一方、通信部105は、LANインターフェース103を経由して先行コマンドを送信した場合、LANインターフェース103を経由して印刷データを送信する。
【0065】
ステップS5において、制御部106は、受け付けた印刷指示に対応する全ての印刷データの生成及び送信が完了したかを判定する。印刷データの生成及び送信が完了した場合(ステップS5にてYES)、制御部106は処理を終了する。一方、全ての印刷データの生成及び送信が完了していない場合(ステップS5にてNO)、制御部106は、ステップS5の処理に戻る。
【0066】
<MFP1の画像形成処理>
図5は、USBインターフェース12を経由して先行コマンドを受信する場合における、MFP1が行う画像形成処理の一例を示すフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、又は、順序を替えて実行されてもよい。
【0067】
ステップS11において、CPU91は、通信部14がUSBインターフェース12を経由して外部端末101から先行コマンドを受信したかを判定する。先行コマンドを受信した場合(ステップS11にてYES)、CPU91はステップS12の処理に進む。一方、先行コマンドを受信していない場合(ステップS11にてNO)、CPU91はステップS11の処理に戻り、外部端末101から先行コマンドを受信するまで待機する。
【0068】
以下では、先行コマンドの送信元である外部端末101を「第1外部端末101a」とする。また、第1外部端末101a以外の外部端末101を「第2外部端末101b」とする。また、第1外部端末101a、第2外部端末101bから受信される印刷データをそれぞれ、「第1印刷データ」、「第2印刷データ」という。
【0069】
ステップS12において、CPU91は、第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止する。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信不可」を示す値を設定する。受信可否フラグに「受信不可」の値が設定されている場合、通信部14は第2外部端末101bからの印刷データの受信を行わない。特に、通信部14は、LANインターフェース13を経由した画像データの受信を行わない。画像データの受信に関する処理については後述する。
【0070】
ステップS13において、CPU91は、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させる。具体的には、CPU91は例えば、ヒーター45Hの駆動を開始させたり、ポリゴンモータ41Mの駆動を開始させたりする。
【0071】
すなわち、CPU91は、USBインターフェース12を経由して第1外部端末101aから先行コマンドを受信した場合(ステップS11にてYES)、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させる(ステップS13)とともに、LANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの印刷データの受信を禁止する(ステップS12)。
【0072】
ステップS14において、CPU91は、USBインターフェース12を経由して第1外部端末101aから第1印刷データを受信したかを判定する。第1印刷データの受信が完了した場合(ステップS14にてYES)、CPU91はステップS15の処理に進む。一方、第1印刷データを未だ受信していない場合、又は、第1印刷データの受信が完了していない場合(ステップS14にてNO)、CPU91はステップS19の処理に進む。
【0073】
ステップS15において、CPU91は、受信した第1印刷データが蓄積印刷のデータであるかを判定する。この判定は例えば、CPU91が受信した第1印刷データであるPJLデータを解析し、PJLデータに含まれる所定の要素の値を参照することにより行う。蓄積印刷のデータを受信した場合(ステップS15にてYES)、CPU91は、ステップS16の処理に進む。一方、通常印刷のデータを受信した場合(ステップS15にてNO)、CPU91は、ステップS21の処理に進む。
【0074】
ステップS16において、CPU91は、ステップS13で開始させた準備動作を停止させる。すなわち、CPU91は、USBインターフェース12を経由して第1外部端末101aから第1印刷データを受信した際(ステップS14にてYES)、受信した第1印刷データが蓄積印刷のデータである場合(ステップS15にてYES)、画像形成部4により開始された準備動作を停止させる(ステップS16)。
【0075】
ステップS17において、CPU91は、通信部14が受信した第1印刷データからラスターデータを生成するRIP処理を実行する。ステップS18において、CPU91は、生成したラスターデータをページメモリ11Mに記憶する。ページメモリ11Mに記憶されたラスターデータは、ユーザによる認証が行われるまでページメモリ11Mに記憶されたままとなる。ユーザによる認証処理が行われた際に、CPU91の制御の下、ページメモリ11Mに記憶されたラスターデータを用いた画像形成を画像形成部4が行う。
【0076】
ステップS19において、CPU91は、ステップS12の処理を実行してから所定時間が経過したか、又は、第1外部端末101aと自装置であるMFP1との接続が切断されたかを判定する。ステップS12の処理を実行してから所定時間が経過した場合、又は、第1外部端末101aと自装置であるMFP1との接続が切断された場合(ステップS19にてYES)、CPU91はステップS20の処理に進む。すなわち、通信エラー等の何らかの要因により第1印刷データの受信が開始されない場合、CPU91はステップS20の処理に進む。一方、所定時間が経過しておらず、かつ、接続が切断されていない場合(ステップS19にてNO)、CPU91はステップS14の処理に戻り、第1印刷データの受信を待機する。
【0077】
ステップS20において、CPU91は、第2外部端末101b、すなわち第1外部端末101a以外の外部端末101からの印刷データの受信を許可する設定を行う。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信可」を示す値を設定する。
【0078】
受信可否フラグに「受信可」を示す値が設定されている場合、CPU91の制御の下、通信部14は、USBインターフェース12又はLANインターフェース13経由で第2外部端末101bから送信されてくる印刷データを受信する。
【0079】
すなわち、CPU91は、第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止した(ステップS12)後、所定時間が経過するまでに第1外部端末101aから第1印刷データの受信が開始されない場合において(ステップS19にてYES)、LANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を許可する(ステップS20)。
【0080】
ステップS20の処理を終えると、CPU91は図5の処理を終了する。
【0081】
ステップS21において、CPU91は、第1印刷データからラスターデータを生成するRIP処理を開始する。なお、図5の例では、図5に示す一連の処理とRIP処理とは、マルチタスクOSにより管理される複数のタスクにより並列に実行される。
【0082】
ステップS22において、CPU91は、画像形成部4の準備動作が完了したかを判定する。準備動作が完了するとは、例えば、ヒーター45Hにより加熱ローラ45HRが所定の温度に上昇した状態をいう。また、準備動作が完了するとは、例えば、ポリゴンモータ41Mにより駆動されたポリゴンミラー41Gの回転速度が所定の閾値に達した状態をいう。準備動作が完了した場合(ステップS22にてYES)、CPU91はステップS23の処理に進む。一方、準備動作が完了していない場合(ステップS22にてNO)、CPU91はステップS26の処理に進む。
【0083】
ステップS23において、CPU91は、第1印刷データのRIP処理が終了したかを判定する。RIP処理が終了した場合(ステップS23にてYES)、CPU91はステップS24の処理に進む。一方、RIP処理が完了していない場合(ステップS23にてNO)、CPU91はステップS23の処理に戻る。すなわち、CPU91はRIP処理が完了するまで待機する。
【0084】
ステップS24において、CPU91は、第2外部端末101b、すなわち第1外部端末101a以外の外部端末101からの印刷データの受信を許可する設定を行う。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信可」を示す値を設定する。
【0085】
ステップS25において、画像形成部4は、CPU91の制御の下、ページメモリ11Mに記憶されたラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する。
【0086】
ステップS26において、CPU91は、第1印刷データのRIP処理が終了したかを判定する。RIP処理が終了した場合(ステップS26にてYES)、CPU91はステップS27の処理に進む。一方、RIP処理が終了していない場合(ステップS26にてNO)、CPU91はステップS22の処理に戻る。
【0087】
ステップS27において、CPU91は、第2外部端末101b、すなわち第1外部端末101a以外の外部端末101からの印刷データの受信を許可する設定を行う。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信可」を示す値を設定する。
【0088】
すなわち、CPU91は、通信部14がUSBインターフェース12を経由して先行コマンドを受信した場合(ステップS11にてYES)、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させる(ステップS13)とともに、LANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止する(ステップS12)。この場合、CPU91は、USBインターフェース12を経由して第1印刷データからラスターデータを作成するRIP処理が完了後(ステップS23にてYES、ステップS26にてYES)、LANインターフェース13に接続された第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を可能にする(ステップS24、ステップS27)。
【0089】
USBインターフェース12を経由して第1印刷データを受信する場合、CPU91は受信する第1印刷データの終了位置を特定することができない。そのため、CPU91は、受信した第1印刷データのRIP処理の完了後に、他の印刷データの受信を可能にする。
【0090】
図6は、LANインターフェース13を経由して先行コマンドを受信する場合における、MFP1が行う画像形成処理の一例を示すフローチャートである。なお、一部のステップは並行して、又は、順序を替えて実行してもよい。
【0091】
ステップS31において、CPU91は、LANインターフェース13を経由して外部端末101から先行コマンドを受信したかを判定する。先行コマンドを受信した場合(ステップS31にてYES)、CPU91はステップS32の処理に進む。一方、先行コマンドを受信していない場合(ステップS31にてNO)、CPU91はステップS31の処理に戻り、外部端末101から先行コマンドを受信するまで待機する。
【0092】
図5の説明と同様に、以下では、先行コマンドの送信元である外部端末101を「第1外部端末101a」という。また、第1外部端末101a以外の外部端末101を「第2外部端末101b」という。また、第1外部端末101a、第2外部端末101bから受信される印刷データをそれぞれ、「第1印刷データ」、「第2印刷データ」という。
【0093】
ステップS32において、CPU91は、第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止する。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信不可」を示す値を設定する。受信可否フラグに「受信不可」の値が設定されている場合、通信部14は第2外部端末101bからの印刷データの受信を行わない。画像データの受信に関する処理については後述する。
【0094】
ステップS33において、CPU91は、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させる。
【0095】
すなわち、CPU91は、LANインターフェース13を経由して第1外部端末101aから先行コマンドを受信した場合(ステップS31にてYES)、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させる(ステップS33)とともに、LANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの印刷データの受信を禁止する(ステップS32)。
【0096】
ステップS34において、CPU91は、第1外部端末101aから第1印刷データを受信したかを判定する。第1印刷データの受信が完了した場合(ステップS34にてYES)、CPU91はステップS35の処理に進む。一方、第1印刷データを未だ受信していない場合、又は第1印刷データの受信が完了していない場合(ステップS34にてNO)、CPU91はステップS39の処理に進む。
【0097】
ステップS35において、CPU91は、受信した第1印刷データが蓄積印刷のデータであるかを判定する。この判定は例えば、CPU91が第1印刷データであるPJLデータを解析し、PJLデータに含まれる所定の要素の値を参照することにより行う。蓄積印刷のデータを受信した場合(ステップS35にてYES)、CPU91は、ステップS36の処理に進む。一方、通常印刷のデータを受信した場合(ステップS35にてNO)、CPU91は、ステップS41の処理に進む。
【0098】
ステップS36において、CPU91は、ステップS13で開始させた準備動作を停止させる。すなわち、CPU91は、LANインターフェース13を経由して第1外部端末101aから第1印刷データを受信した際(ステップS34にてYES)、受信した第1印刷データが蓄積印刷のデータである場合(ステップS35にてYES)、画像形成部4により開始された準備動作を停止させる(ステップS36)。
【0099】
ステップS37において、CPU91は、通信部14が受信した第1印刷データからラスターデータを生成するRIP処理を実行する。ステップS38において、CPU91は、生成したラスターデータをページメモリ11Mに記憶する。ページメモリ11Mに記憶されたラスターデータは、ユーザによる認証が行われるまでページメモリ11Mに記憶されたままとなる。ユーザによる認証処理が行われた際に、CPU91の制御の下、ページメモリ11Mに記憶されたラスターデータを用いた画像形成を画像形成部4が行う。
【0100】
ステップS39において、CPU91は、ステップS32の処理を実行してから所定時間が経過したか、又は、第1外部端末101aと自装置であるMFP1との接続が切断されたかを判定する。ステップS32の処理を実行してから所定時間が経過した場合、又は、第1外部端末101aとMFP1との接続が切断された場合(ステップS39にてYES)、CPU91はステップS40の処理に進む。一方、所定時間が経過しておらず、かつ、接続が切断されていない場合(ステップS39にてNO)、CPU91はステップS34の処理に戻り、第1印刷データの受信を待機する。
【0101】
ステップS40において、CPU91は、第2外部端末101b、すなわち第1外部端末101a以外の外部端末101からの印刷データの受信を許可する設定を行う。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信可」を示す値を設定する。受信可否フラグに「受信可」を示す値が設定されている場合、CPU91の制御の下、通信部14は、USBインターフェース12又はLANインターフェース13経由で第2外部端末101bから送信されてくる印刷データを受信する。
【0102】
すなわち、CPU91は、第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止した(ステップS32)後、所定時間が経過するまでに第1外部端末101aから第1印刷データの受信が開始されない場合において(ステップS39にてYES)、LANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を許可する(ステップS40)。
【0103】
ステップS40の処理を終えると、CPU91は図6の処理を終了する。
【0104】
ステップS41において、CPU91は、第1印刷データからラスターデータを生成するRIP処理を開始する。なお、図6の例では、図6に示す一連の処理とRIP処理とは、マルチタスクOSにより管理される複数のタスクにより並列に実行される。
【0105】
ステップS42において、CPU91は、画像形成部4の準備動作が完了したかを判定する。準備動作が完了した場合(ステップS42にてYES)、CPU91はステップS43の処理に進む。一方、準備動作が完了していない場合(ステップS42にてNO)、CPU91はステップS42の処理に戻る。すなわち、CPU91は準備動作が完了するまで待機する。
【0106】
ステップS43において、CPU91は、第2外部端末101b、すなわち第1外部端末101a以外の外部端末101からの印刷データの受信を許可する設定を行う。具体的には例えば、CPU91は、RAM11に記憶された受信可否フラグに「受信可」を示す値を設定する。
【0107】
ステップS44において、CPU91は、準備動作及びRIP処理が完了したかを判定する。準備動作及びRIP処理が完了した場合(ステップS44にてYES)、CPU91はステップS45の処理に進む。一方、準備動作及びRIP処理の一方又は両方が完了していない場合(ステップS44にてNO)、CPU91はステップS44の処理に戻り、準備動作及びRIP処理が完了するまで待機する。
【0108】
ステップS45において、画像形成部4は、CPU91の制御の下、ページメモリ11Mに記憶されたラスターデータを用いて被記録媒体に画像を形成する。
【0109】
すなわち、CPU91は、通信部14がLANインターフェース13を経由して先行コマンドを受信した場合(ステップS31にてYES)、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させる(ステップS33)とともに、USBインターフェース12及びLANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を禁止する(ステップS32)。この場合、CPU91は、LANインターフェース13を経由した第1印刷データの受信完了後(ステップS34にてYES)、USBインターフェース12及びLANインターフェース13による第2外部端末101bからの第2印刷データの受信を可能にする(ステップS43)。
【0110】
LANインターフェース13を経由して第1印刷データを受信する場合、CPU91は、例えばTCP(Transmission Control Protocol)ヘッダのコントロールフラグを参照することにより、受信する第1印刷データの終了を把握することができる。そのため、CPU91は、受信した第1印刷データの受信完了後、すなわち第1印刷データのRIP処理の完了を待つことなく、他の印刷データの受信を可能にする。
【0111】
<MFP1の印刷データ受信処理>
図7は、MFP1が行う、USBインターフェース12を経由した第2印刷データの受信処理の一例を示すフローチャートである。ステップS51において、CPU91は、USBインターフェース12を経由して第2外部端末101bから第2印刷データが送信されてきたかを判定する。第2印刷データが送信されてきた場合、CPU91はステップS52の処理に進む。一方、第2印刷データが送信されてきていない場合、CPU91は、ステップS51の処理に戻り、第2印刷データが送信されてくるまで待機する。
【0112】
ステップS52において、CPU91は、受信可否フラグの値が「受信可」であるかを判定する。「受信可」である場合、CPU91はステップS53の処理に進む。一方、受信可否フラグの値が「受信不可」である場合、CPU91はステップS54の処理に進む。
【0113】
ステップS53において、通信部14は、CPU91の制御の下、第2外部端末101bからUSBインターフェース12を経由して第2印刷データを受信し、受信した第2印刷データをバッファ12Bに記憶する。
【0114】
ステップS54において、通信部14は、第2印刷データのバッファ12Bへの蓄積を行わない。
【0115】
図8は、MFP1が行う、LANインターフェース13を経由した第2印刷データの受信処理の一例を示すフローチャートである。ステップS61において、CPU91は、通信部14が第2外部端末101bから接続許可信号を受信したかを判定する。通信部14が接続許可信号を受信した場合、CPU91はステップS52の処理に進む。一方、接続許可信号を受信していない場合、CPU91は、ステップS51の処理に戻る。すなわち、CPU91は通信部14が接続許可信号を受信するまで待機する。
【0116】
ステップS62において、CPU91は、受信可否フラグの値が「受信可」であるかを判定する。「受信可」である場合、CPU91はステップS63の処理に進み、外部端末101からの接続を許可する。この場合、通信部14は、CPU91の制御の下、LANインターフェース13を経由して第2外部端末101bから第2印刷データを受信し、受信した第2印刷データをバッファ11Bに蓄積する。
【0117】
一方、ステップS62において受信可否フラグの値が「受信不可」である場合、CPU91はステップS64の処理に進む。ステップS64において、CPU91は、接続許可信号の送信元の第2外部端末101bに対して、接続できない旨を通知する。
【0118】
<動作例>
図9図12は、画像形成システム100の画像形成動作の具体例を概略的に示すタイムチャートである。図9図12の例では、第2外部端末101bが第2印刷データとして蓄積印刷のデータを送信する。なお、図9図12の例では、第2外部端末101bが送信する第2印刷データは蓄積印刷のデータであるため、第2外部端末101bは先行コマンドの送信を行わない。
【0119】
図9及び図10は、MFP1が第1外部端末101aから先行コマンドを受信した後、第1外部端末101aから第1印刷データを受信する前に第2外部端末101bから第2印刷データを受信する場合の動作例を概略的に示すタイムチャートである。
【0120】
図9は、MFP1がUSBインターフェース12を経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。図9において、第1外部端末101aは、先行コマンドの送信、第1印刷データの生成、第1印刷データの送信、を順に実行する。また、第2外部端末101bは、第2印刷データの生成、第2印刷データの送信、を順に実行する。
【0121】
図9において、第1外部端末101aは、USBインターフェース102を経由して先行コマンドをMFP1に送信する。MFP1は、時刻t11において、第1外部端末101aから送信されてくる先行コマンドの受信を開始する。第1外部端末101aから先行コマンドを受信すると、時刻t12において、CPU91は、図5のステップS12及びステップS13に示したように、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させるとともに、第2外部端末101bからの印刷データの受信を禁止する。
【0122】
第2外部端末101bは、第2印刷データを生成し、生成した第2印刷データを時刻t13から時刻t14において送信する。しかしながら、MFP1において第2外部端末101bからの印刷データの受信が禁止されているため、時刻t14においてはLANインターフェース13を経由した印刷データの受信は行われない。
【0123】
第1外部端末101aは、先行コマンドを送信した後、第1印刷データを生成し、生成した印刷データを送信する。時刻t15において、MFP1は、USBインターフェースを経由した第1印刷データの受信を開始する。
【0124】
また、CPU91は、時刻t16~t17において、受信した第1印刷データからラスターデータを生成するRIP処理を実行する。第1印刷データに対するRIP処理が完了すると、時刻t17において、画像形成部4はラスターデータを用いてシートS1に画像を形成する。
【0125】
また、図5のステップS24及びS27に示したように、CPU91は、第1印刷データに対するRIP処理の完了後、LANインターフェース13を経由した第2外部端末101bからの印刷データの受信を許可する。これにより、通信部14は、時刻t17において、LANインターフェース13を経由した第2印刷データの受信を開始する。
【0126】
図13は、従来の画像形成システムにおいて、画像形成装置がUSBインターフェースを経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。図13の例では、図9と同様、第2外部端末202bが第2印刷データとして蓄積印刷のデータを送信する場合を説明する。図13において、第1外部端末201aは、先行コマンドの送信、第1印刷データの生成、第1印刷データの送信、を順に実行する。また、第2外部端末201bは、第2印刷データの生成、第2印刷データの送信、を順に実行する。なお、図13の例では、第2外部端末201bが送信する第2印刷データは蓄積印刷データであるため、第2外部端末201bは先行コマンドの送信を行わない。
【0127】
図13において、第1外部端末201aは、USBインターフェースを経由して先行コマンドをMFP1に送信する。画像形成装置200は、時刻t51において、第1外部端末201aから送信されてくる先行コマンドの受信を開始する。第1外部端末201aから先行コマンドを受信すると、時刻t52において、画像形成装置200は、画像形成部に画像形成の準備動作を開始させる。
【0128】
第2外部端末201bは、第2印刷データを生成し、生成した第2印刷データを時刻t53から時刻t54において送信する。画像形成装置200は、時刻t54において、第2外部端末201bから送信されてくる第2印刷データの受信を開始する。また、画像形成装置200は、時刻t55において、受信した第2印刷データに対するRIP処理を開始し、生成したラスターデータをページメモリに蓄積する。第2印刷データから生成されたラスターデータは、蓄積印刷のデータであるため、ユーザによる認証が行われるまでこのラスターデータを用いた画像形成は行われない。
【0129】
また、第1外部端末101aは、先行コマンドを送信した後、第1印刷データを生成し、生成した印刷データを送信する。時刻t56において、MFP1は、USBインターフェースを経由した第1印刷データの受信を開始する。受信された第1印刷データはバッファ11Bに蓄積されるが、このとき、第2印刷データのRIP処理が行われているため、第1印刷データのRIP処理は、第2印刷データのRIP処理が終了するまで開始されない。
【0130】
第2印刷データに対するRIP処理が終了すると、時刻t57において、画像形成装置200は、第1印刷データに対するRIP処理を開始し、生成したラスターデータをページメモリ11Mに蓄積する。第1印刷データに対するRIP処理が終了すると、画像形成装置200は、時刻t58において、第1印刷データにより指示された画像形成を実行する。
【0131】
図13の従来例では、蓄積印刷データである第2印刷データのRIP処理が終了するまで、すなわち時刻t57まで、第1印刷データのRIP処理を開始することができない。そのため、図13の例では、時刻t52にMFP1が画像形成の準備動作を開始するものの、第1印刷データのRIP処理が終了する時刻t58まで実際の画像形成が開始されない。このように、図13の例では、先行コマンドに応じて先行して行っていた準備動作が無駄になってしまう場合があった。
【0132】
それに対し本実施形態では、MFP1は、先行コマンドを受信すると、その先行コマンドに対応する印刷データの受信及びRIP処理が完了するまで、他の印刷データの受信を禁止する。これにより、先行して実行した準備動作が無駄になってしまう事態が低減される。
【0133】
また、本実施形態では、図5のステップS12、S19及びS20、並びに、図6のステップS32、S39及びS40に示すように、MFP1は、第1印刷データに先立って送信された先行コマンドを受信してから、通信エラー等の何らかの要因により第1印刷データの受信が開始されない場合、第2印刷データの受信を許可する。これにより、第2印刷データの受信が不要に禁止されてしまう事態を低減することができる。
【0134】
また、本実施形態によれば、MFP1は、先行コマンドの後から送信されてきた第1印刷データが蓄積印刷データ、すなわち画像形成に認証処理を必要とするデータである場合、既に開始していた準備動作を停止させる。第1印刷データが蓄積印刷データである場合、認証処理が行われるまでは画像形成が開始されないため、既に開始していた準備動作を停止させることにより、不要な準備動作が続行されてしまう事態が低減する。
【0135】
図10は、MFP1がLANインターフェース13を経由して先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。図10において、第1外部端末101aは、先行コマンドの送信、第1印刷データの生成、第1印刷データの送信、を順に実行する。また、第2外部端末101bは、第2印刷データの生成、第2印刷データの送信、を順に実行する。
【0136】
図10において、第1外部端末101aは、USBインターフェース102を経由して先行コマンドをMFP1に送信する。MFP1は、時刻t21において、第1外部端末101aから送信されてくる先行コマンドの受信を開始する。第1外部端末101aから先行コマンドを受信すると、時刻t22において、CPU91は、図6のステップS32及びステップS33に示したように、画像形成部4に画像形成の準備動作を開始させるとともに、第2外部端末101bからの印刷データの受信を禁止する。
【0137】
第2外部端末101bは、第2印刷データを生成し、生成した第2印刷データを時刻t23から時刻t24において送信する。しかしながら、MFP1において印刷データの受信が禁止されているため、時刻t13においては通信部14による第2印刷データの受信は行われない。
【0138】
第1外部端末101aは、先行コマンドを送信した後、第1印刷データを生成し、生成した印刷データを送信する。時刻t25において、MFP1は、USBインターフェースを経由した第1印刷データの受信を開始する。
【0139】
また、CPU91は、時刻t26~t28において、受信した第1印刷データからラスターデータを生成するRIP処理を実行する。第1印刷データに対するRIP処理が完了すると、時刻t28において、画像形成部4はラスターデータを用いてシートS1に画像を形成する。
【0140】
また、図6のステップS43に示したように、CPU91は、第1印刷データの受信完了後、時刻t27において、通信部14による第2外部端末101bからの印刷データの受信を許可する。そのため、時刻t27において、通信部14は第2外部端末101bから送信されてくる第2印刷データの受信を開始する。
【0141】
図11及び図12は、MFP1が第2外部端末101bから第2印刷データを受信した後、第1外部端末101aから先行コマンドを受信する場合の動作例を示すタイムチャートである。
【0142】
図11は、MFP1がUSBインターフェース12を経由して第1外部端末101aから先行コマンドを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。図11において、第2外部端末101bは、LANインターフェース103を経由して第2印刷データを送信する。MFP1は、時刻t31において、第2印刷データの受信を開始する。また、MFP1は、時刻t32において、受信した第2印刷データのRIP処理を開始する。
【0143】
第2印刷データのRIP処理中である時刻t33において、MFP1はUSBインターフェース12を経由して先行コマンドを受信する。
【0144】
本実施形態では、CPU91は、第2外部端末101bから受信した第2印刷データからラスターデータを作成するRIP処理を実行中において、USBインターフェース12を経由して第1外部端末101aから先行コマンドを受信した際、第2印刷データのRIP処理が完了するまで、準備動作の開始及びUSBインターフェース12を経由した第1外部端末101aからの第1印刷データの受信を待機する。
【0145】
その後、第2印刷データのRIP処理が完了すると、時刻t34において、CPU91は、画像形成部4に準備動作を開始させるとともに、通信部14による他の外部端末(第1外部端末101a、等)からの印刷データの受信を許可する。
【0146】
MFP1は、第1外部端末101aから送信されてくる第1印刷データを、時刻t35において受信し、受信した第1印刷データのRIP処理を時刻t36において開始する。RIP処理が完了すると、時刻t37において、画像形成部4がラスターデータを用いてシートS1に画像を形成する。
【0147】
図12は、MFP1がLANインターフェース13を経由して先行コマンドであるPJLデータを受信する場合のタイムチャートの一例を示す図である。図12において、第2外部端末101bは、通信部105により第2印刷データを送信する。MFP1は、時刻t41において第2印刷データの受信を開始する。また、MFP1は、時刻t42において、受信した第2印刷データのRIP処理を開始する。
【0148】
本実施形態では、CPU91は、第2印刷データの受信処理、及び第2印刷データのRIP処理が完了するまで、第1外部端末101aからの先行コマンドを含むPJLデータの受信を待機する。そのため、時刻t43において第1外部端末101aから送信される先行コマンドであるPJLデータは、時刻t43においてはMFP1で受信されない。
【0149】
その後、第2印刷データのRIP処理が完了すると、時刻t44において、CPU91は、PJLデータの受信を許可する。これにより、時刻t44において、第1外部端末101aから送信された先行コマンドがLANインターフェース13を経由してMFP1で受信される。先行コマンドを受信したMFP1は、時刻t45において、画像形成部4に準備動作を開始させるとともに、通信部14による第2外部端末101bからの印刷データの受信を禁止する。
【0150】
その後、時刻t46において、MFP1は、第1外部端末101aから送信されてくる第1印刷データを受信し、受信した第1印刷データのRIP処理を時刻t47において開始する。RIP処理が完了すると、時刻t48において、画像形成部4がラスターデータを用いてシートS1に画像を形成する。
【0151】
〔変形例〕
上述の実施形態では、MFP1の定着部45においてヒーター45Hが加熱ローラ45HRを加熱する備える構成について説明した。定着部の構成は上述した実施形態で示したものに限られず、他の構成によりシートS1に現像剤像が定着されるものであってもよい。例えば、定着部が、図示しない噴霧ユニット及び図示しない回収トレイを備える構成であってもよい。この場合、噴霧ユニットは、シートS1に形成された現像剤像を、シートS1に定着させるための定着液を噴霧する。噴霧ユニットは例えば、筐体と、複数のノズルと、ノズル電極と、対向電極と、を有する。
【0152】
筐体には定着液が収容される。筐体の内部に収容された定着液は、複数のノズルに供給され、ノズル電極により電圧が印加される。電圧が印加された定着液は、複数のノズルから、シートS1の表面に形成された現像剤像に向けて噴霧される。
【0153】
対向電極は、複数の突状部を有し、回収トレイの上部にノズルに対向するように配置されている。対向電極には電圧が印加される。噴霧ユニットの下方には、ノズルから噴霧される定着液を受け止めて収容する回収トレイが設けられている。回収トレイは、絶縁材料を用いて形成される。噴霧ユニットにより現像剤像が形成されたシートS1を、排出ローラ5等により搬送され、排出トレイ6の上面に排出される。
【0154】
この場合、画像形成の準備動作は、ポリゴンモータMを駆動する動作を含む。
【0155】
〔ソフトウェアによる実現例〕
MFP1の制御ブロック(特にASIC9)及び外部端末101の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0156】
後者の場合、MFP1及び外部端末101は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記憶媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPUを用いることができる。上記記憶媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAMなどを更に備えていてもよい。また、上記プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0157】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
1 MFP(画像形成装置)
2 本体筐体
3 シート供給部
4 画像形成部
5 排出ローラ
6 排出トレイ
7 操作パネル部
8 表示部
9 ASIC
91 CPU
10 ROM
11 RAM
11B、12B バッファ
11M ページメモリ
12、102 USBインターフェース
13、103 LANインターフェース
14、105 通信部
41D モータドライバ
41G、41M ポリゴンミラー
41L 走査レンズ
41M ポリゴンモータ
45 定着部
45H ヒーター
45HR 加熱ローラ
45PR 加圧ローラ
46 感光体
100 画像形成システム
101、101a,101b,101c 外部端末
104 受付部
105 通信部
106 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13