(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041321
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】電子機器、及び、システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20220304BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220304BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H02J7/00 302A
G06F13/00 358A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146446
(22)【出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】521423924
【氏名又は名称】オンキヨーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001450
【氏名又は名称】特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 直樹
【テーマコード(参考)】
5G503
5K048
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB04
5G503DA02
5G503DB01
5K048AA09
5K048BA03
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB12
5K048EB15
5K048HA05
5K048HA07
5K048HA37
(57)【要約】
【課題】電子機器の誤動作を防止すること。
【解決手段】電子機器1は、テレビ101にリモートコントローラー信号を送信するスマートリモートコントローラーに、リモートコントローラー信号に対応するコマンドを送信するスマートスピーカーと通信する。電子機器1は、スマートスピーカーと通信を行うためのBT LEモジュール3と、テレビ101が備えるLED102の発光色を読み取るカラーセンサー4と、カラーセンサー4が読み取った発光色を、BT LEモジュール3を介して、スマートスピーカーに送信するMCU2と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子機器にリモートコントローラー信号を送信する第2電子機器に、リモートコントローラー信号に対応するコマンドを送信する第3電子機器と通信する電子機器であって、
前記第3電子機器と通信を行うための通信部と、
前記第1電子機器が備える発光素子の発光色を読み取るカラーセンサーと、
前記カラーセンサーが読み取った発光色を、前記通信部を介して、前記第3電子機器に送信する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
導光レンズをさらに備え、
前記カラーセンサーは、前記導光レンズを介して、前記発光素子の発光色を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
バッテリーをさらに備え、
前記通信部と前記制御部とは、前記バッテリーからの電源により、動作し、
前記制御部は、前記バッテリーからの電源を、前記カラーセンサーに供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信部を介して、前記第3電子機器からの要求を受信した場合に、前記バッテリーからの電源を、前記カラーセンサーに供給して、前記カラーセンサーを動作させることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記第3電子機器からの要求受信時以外、電子機器を低消費電力モードとすることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第3電子機器とBluetooth(登録商標) Low Energy規格に従って、通信することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電子機器と、第1電子機器と、第2電子機器と、第3電子機器と、を備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及び、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声認識機能を有するスマートスピーカー(「AIスピーカー」とも呼ばれる。)の普及が進み、これに伴い、照明、エアコン、テレビ等の家電の制御を行える機器が増えつつある。中でも、赤外線リモートコントローラーを備えた家庭内の既存機器を、スマートスピーカーと連携可能とする「スマートリモートコントローラー」が、各社から発売されている。
【0003】
図3は、スマートスピーカーと家電との連携を説明するための図である。スマートスピーカーとスマートリモートコンとローラーとは、インターネットで接続される。スマートリモートコントローラーから、赤外線により、家電に対する制御が行われる。
【0004】
スマートスピーカー、スマートリモートコントローラー、家電を連携させることにより、ユーザーは、以下のように、機器(家電)の制御を行うことができる。なお、ユーザーは、スマートスピーカーの音声認識機能を有効とするため、ボイストリガー(「ホットワード」等とも呼ばれる。)を発話する必要がある。特許文献1には、ボイストリガーとして、「オーケーコンピュータ」が記載されている。
ユーザーの発話「オーケーコンピュータ、エアコンつけて」→エアコンの電源オン
ユーザーの発話「オーケーコンピュータ、テレビつけて」→テレビの電源オン
ユーザーの発話「オーケーコンピュータ、電気消して」→シーリングライトの電源オフ
【0005】
また、ユーザーは、1つのコマンドを発話することで、各機器を連動動作させることもできる。
ユーザーの発話「オーケーコンピュータ、いってきます」→エアコンの電源オフ、テレビの電源オフ、シーリングライトの電源オフ
【0006】
上記機能を実現させるために、ユーザーは、事前に各機器のリモートコントローラー信号を、スマートリモートコントローラーに学習させる。そして、ユーザーによるスマートスピーカーへの発話コマンドに応じて、リモートコントローラー信号を組み合わせて、スマートリモートコントローラーを発光させる仕組みとなっている。
【0007】
しかしながら、既存の家庭内の電化製品(家電)における赤外線リモートコントローラーの電源ボタンにおいては、オンボタンとオフボタンとが、同一のボタンで兼用されているものも多い。この場合、発話コマンドに対して、所望の動作とならない問題が起こる。例えば、テレビのリモートコントローラーにおいて、電源オンと電源オフとが1つの電源ボタンで兼用されている場合、以下のような不具合が生じる。
【0008】
「おやすみ」という発話コマンドを認識した場合、「エアコンの電源オフ信号」と、「照明の電源オフ信号」と、「テレビの電源オン/オフ兼用信号」と、を順次送信するように設定されたスマートリモートコントローラーにおいて、ユーザーが、テレビが消えている状態で、部屋で過ごしており、就寝するために、「おやすみ」と発話すると、逆に、テレビがついてしまう。
【0009】
なお、特許文献2には、被制御対象物の状態を取得する中継リモコン、特許文献3には、電気機器の稼働状態をモニタする端末制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2017-076117号公報
【特許文献2】特開2006-310987号公報
【特許文献3】特開2002-044747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した問題は、スマートスピーカーと家電との間で、双方向の連携ができていないために、起こっている。従来の赤外線リモートコントローラー制御機器は、一方通行の制御となってしまうため、機器本体の動作状態、電源オン/オフの状態を、スマートスピーカーが認識できないことが原因である。
【0012】
本発明の目的は、電子機器の誤動作を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明の電子機器は、第1電子機器にリモートコントローラー信号を送信する第2電子機器に、リモートコントローラー信号に対応するコマンドを送信する第3電子機器と通信する電子機器であって、前記第3電子機器と通信を行うための通信部と、前記第1電子機器が備える発光素子の発光色を読み取るカラーセンサーと、前記カラーセンサーが読み取った発光色を、前記通信部を介して、前記第3電子機器に送信する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明では、制御部は、カラーセンサーが読み取った、第1電子機器が備える発光素子の発光色を、通信部を介して、第3電子機器に送信する。これにより、第3電子機器は、第1電子機器の状態を認識することができ、これに基づいて、第1電子機器を制御することができるため、第1電子機器の誤動作を防止することができる。
【0015】
第2の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器において、導光レンズをさらに備え、前記カラーセンサーは、前記導光レンズを介して、前記発光素子の発光色を読み取ることを特徴とする。
【0016】
第3の発明の電子機器は、第1又は第2の発明の電子機器において、バッテリーをさらに備え、前記通信部と前記制御部とは、前記バッテリーからの電源により、動作し、前記制御部は、前記バッテリーからの電源を、前記カラーセンサーに供給することを特徴とする。
【0017】
第4の発明の電子機器は、第3の発明の電子機器において、前記制御部は、前記通信部を介して、前記第3電子機器からの要求を受信した場合に、前記バッテリーからの電源を、前記カラーセンサーに供給して、前記カラーセンサーを動作させることを特徴とする。
【0018】
本発明では、制御部は、通信部を介して、第3電子機器からの要求を受信した場合に、バッテリーからの電源を、カラーセンサーに供給して、カラーセンサーを動作させる。これにより、必要な時以外に、カラーセンサーは、動作しないため、電子機器がバッテリーによる動作であっても、長時間動作させることができる。
【0019】
第5の発明の電子機器は、第4の発明の電子機器において、前記制御部は、前記第3電子機器からの要求受信時以外、電子機器を低消費電力モードとすることを特徴とする。
【0020】
第6の発明の電子機器は、第1~第5のいずれかの発明の電子機器において、前記第3電子機器とBluetooth(登録商標) Low Energy規格に従って、通信することを特徴とする。
【0021】
本発明では、電子機器は、第3電子機器と、消費電力の少ない、Bluetooth(登録商標) Low Energy規格に従って、通信するため、消費電力を削減することができる。
【0022】
第7の発明のシステムは、第1~第6のいずれかの発明の電子機器と、第1電子機器と、第2電子機器と、第3電子機器と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1電子機器の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【
図2】テレビが備えるLEDの位置を示す図である。
【
図3】スマートスピーカーと家電との連携を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器1の構成を示すブロック図である。電子機器1は、音声認識機能を有するスマートスピーカー(第3電子機器)と、Bluetooth(登録商標)(以下、「BT」という。) Low Energy(以下、「LE」という。)規格に従って、通信を行う。スマートスピーカーは、リモートコントローラー信号に対応するコマンドを、スマートリモートコントローラー(第2電子機器)に送信する。スマートリモートコントローラーは、スマートスピーカーから受信したコマンドに対応するリモートコントローラー信号を、例えば、テレビ(第1電子機器)に送信する。スマートリモートコントローラーは、例えば、赤外線リモートコントローラー信号を送信する。
【0026】
例えば、ユーザーが、スマートスピーカーに対して、「テレビつけて」と発話したとする。スマートスピーカーは、ユーザーの発話「テレビつけて」を音声認識する。スマートスピーカーは、音声認識した発話に対応するコマンド「テレビの電源オン」を、スマートリモートコントローラーに送信する。スマートリモートコントローラーは、スマートスピーカーからのコマンド「テレビの電源オン」を受信する。スマートスピーカーは、受信したコマンド「テレビの電源オン」に対応するリモートコントローラー信号を、テレビに送信する。テレビは、「テレビの電源オン」のリモートコントローラー信号を、受信することで、電源がオンとなる。
【0027】
電子機器1と、スマートスピーカーと、スマートリモートコントローラーと、家電(例えば、テレビ)と、によって、機器制御システムが構成される。家電が、被制御機器となる。
【0028】
図1に示すように、電子機器1は、MCU(Micro Controller Unit)2、BT LEモジュール3、カラーセンサー4、導光レンズ5、バッテリー6、アンテナ7等を備える。MCU2(制御部)は、電子機器1を構成する各部を制御する。BT LEモジュール3は、BT LE規格に従った通信を行うためのモジュールである。なお、MCU2とBT LEモジュール3とは、1つのICとなっている。
【0029】
導光レンズ5は、テレビ101が備えるLED102(発光素子)からの光を導くものである。カラーセンサー4は、導光レンズ5を介して、テレビ101が備えるLED102の発光色を読み取る。カラーセンサー4とMCU2とは、I2Cに従って、通信する。バッテリー6は、例えば、コイン型バッテリーである。BT LEモジュール3とMCU2とは、バッテリー6からの電源により、動作する。MCU2は、バッテリー6からの電源を、カラーセンサー4に供給する。アンテナ7は、BT LE規格に従った通信を行うためのアンテナである。
【0030】
図2は、テレビ101が備えるLED102の位置を示す図である。LED102は、例えば、
図2(a)に示すように、画面の下中央に設けられている。また、LED102は、例えば、
図2(b)に示すように、画面の下右端に設けられている。LED102は、電源オン状態、スタンバイ(電源オフ)状態で、異なる色を発光する。例えば、LED102は、電源オン状態で、緑色に発光する。また、例えば、LED102は、スタンバイ(電源オフ)状態で、赤色に発光する。
【0031】
MCU2は、カラーセンサー4が読み取ったLED102の発光色を、BT LEモジュール3を介して、スマートスピーカーに送信する。ここで、MCU2は、BT LEモジュール3を介して、スマートスピーカーから、LED102の発光色チェックのリクエスト(要求)を受信した場合に、バッテリー6からの電源を、カラーセンサー4に供給して、カラーセンサー4を動作させる。また、MCU2は、スマートスピーカーからのLED102の発光色チェックのリクエスト(要求)受信時以外、電子機器1を低消費電力モードとする。
【0032】
以上説明したように、本実施形態では、MCU2は、カラーセンサー4が読み取った、テレビ101が備えるLED102の発光色を、BT LEモジュール3を介して、スマートスピーカーに送信する。これにより、スマートスピーカーは、テレビ101の状態を認識することができ、これに基づいて、テレビ101を制御することができるため、テレビ101の誤動作を防止することができる。
【0033】
また、スマートリモートコントローラーの配置が悪く、テレビ101が適切にリモートコントローラー信号を受信できなかった場合などにも、LED102の点灯パターンが切り替わらないことを、スマートスピーカーにフィードバックすることができるため、スマートスピーカーは、スマートリモートコントローラーへの再送信やリトライ等の処理を行うことが可能となり、動作安定化に寄与することができる。
【0034】
また、本実施形態では、MCU2は、BT LEモジュール3を介して、スマートスピーカーからのLED102の発光色チェックのリクエスト(要求)を受信した場合に、バッテリー6からの電源を、カラーセンサー4に供給して、カラーセンサー4を動作させる。これにより、必要な時以外に、カラーセンサー4は、動作しないため、電子機器1がバッテリー6による動作であっても、長時間動作させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、電子機器1は、スマートスピーカーと、消費電力の少ない、BT LE規格に従って、通信するため、消費電力を削減することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0037】
上述の実施形態においては、LEDを備える電子機器として、テレビを例示したが、他の電子機器(家電)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、電子機器、及び、システムに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0039】
1 電子機器
2 MCU(制御部)
3 BT LEモジュール(通信部)
4 カラーセンサー
5 導光レンズ
6 バッテリー
7 アンテナ
101 テレビ(第1電子機器)
102 LED(発光素子)