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  • 特開-ワイパーによる水滴除去装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041333
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】ワイパーによる水滴除去装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/02 20060101AFI20220304BHJP
   B60S 1/60 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
B60S1/02 Z
B60S1/60 Z
B60S1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146464
(22)【出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】北林 正樹
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA04
3D025AD11
3D025AE01
3D025AE05
3D025AE09
3D025AE10
3D025AE56
(57)【要約】
【課題】本発明は、水滴をワイパーブレードに残さないようにして、クリアーな視界を確保することである。
【解決手段】本発明によるワイパーによる水滴除去装置及び方法は、筐体(3A)に設けられたガラス(20)の表面(20A)に付着する水滴又は水分を、往復移動するワイパーブレード(40)によって除去するようにしたワイパー(30)による水滴除去装置において、前記ガラス(20)の表面(20A)の一部に、多数の凸部(14A)と凹部(14)が形成され、前記凸部(14A)は前記表面(20A)よりも突出して設けられ、前記凹部(14)は前記各凸部(14A)間に形成され、前記ワイパーブレード(40)が前記凸部(14A)を乗り越えた時に振動又は震えることにより、前記ワイパーブレード(40)に付着した水滴又は水分を前記ワイパーブレード(40)から除去する構成と方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(3A)に設けられたガラス(20)の表面(20A)に付着する水滴又は水分を、往復移動するワイパーブレード(40)によって除去するようにしたワイパー(30)による水滴除去装置において、前記ガラス(20)の表面(20A)の一部に、多数の凸部(14A)と凹部(14)が形成され、前記凸部(14A)は前記表面(20A)よりも突出して設けられ、前記凹部(14)は前記各凸部(14A)間に形成され、前記ワイパーブレード(40)が前記凸部(14A)を乗り越えた時に振動又は震えることにより、前記ワイパーブレード(40)に付着した水滴又は水分を前記ワイパーブレード(40)から除去するように構成したことを特徴とするワイパーによる水滴除去装置。
【請求項2】
前記凸部(14A)と凹部(14)は、前記ガラス(20)と同一材料よりなると共に前記ガラス(20)と一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項3】
前記凸部(14A)と凹部(14)は、シート状の合成樹脂よりなると共に前記ガラス(20)の表面(20A)に貼着されていることを特徴とする請求項1記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項4】
前記凸部(14A)と凹部(14)は、前記ワイパー(30)が往復回動する時の停止位置の手前位置(61)に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項5】
前記ガラス(20)は、上辺(50)、下辺(51)、第1側辺(52)及び第2側辺(53)を有する正四角形よりなり、前記ワイパー(30)の前記ワイパーブレード(40)の第1長手方向(L1)は、前記第1側辺(52)及び前記第2側辺(53)の第2長手方向(L2)に沿うか又は平行であり、かつ、前記上辺(50)及び下辺(51)の第3長手方向(L3)に対して直交関係であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項6】
前記ガラス(20)は、箱型カメラ(3)の前記筐体(3A)の前面(3Aa)に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項7】
前記箱型カメラ(3)は、監視装置(1)の旋回台(2)に設けられていると共に前記旋回台(2)と連動するように構成されていることを特徴とする請求項6記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項8】
前記ワイパー(30)は、1枚の前記ガラス(20)に対して1個のみ設けられ、かつ、前記ガラス(20)の第1、第2側辺(50、51)の何れか一方側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去装置。
【請求項9】
筐体(3A)に設けられたガラス(20)の表面(20A)に付着する水滴又は水分を、往復移動するワイパーブレード(40)によって除去するようにしたワイパー(30)による水滴除去方法において、前記ガラス(20)の表面(20A)の一部に、多数の凸部(14A)と凹部(14)が形成され、前記凸部(14A)は前記表面(20A)よりも突出して設けられ、前記凹部(14)は前記各凸部(14A)間に形成され、前記ワイパーブレード(40)が前記凸部(14A)を乗り越えた時に振動又は震えることにより、前記ワイパーブレード(40)に付着した水滴又は水分を前記ワイパーブレード(40)から除去するように構成したことを特徴とするワイパーによる水滴除去方法。
【請求項10】
前記凸部(14A)と凹部(14)は、前記ガラス(20)と同一材料よりなると共に前記ガラス(20)と一体に形成されていることを特徴とする請求項9記載のワイパーによる水滴除去方法。
【請求項11】
前記凸部(14A)と凹部(14)は、シート状の合成樹脂よりなると共に前記ガラス(20)の表面(20A)に貼着されていることを特徴とする請求項9記載のワイパーによる水滴除去装方法。
【請求項12】
前記凸部(14A)と凹部(14)は、前記ワイパー(30)が往復回動する時の停止位置の手前位置(61)に設けられていることを特徴とする請求項9ないし11の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去方法。
【請求項13】
前記ガラス(20)は、上辺(50)、下辺(51)、第1側辺(52)及び第2側辺(53)を有する正四角形よりなり、前記ワイパー(30)の前記ワイパーブレード(40)の第1長手方向(L1)は、前記第1側辺(52)及び前記第2側辺(53)の第2長手方向(L2)に沿うか又は平行であり、かつ、前記上辺(50)及び下辺(51)の第3長手方向(L3)に対して直交関係であることを特徴とする請求項9ないし12の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去方法。
【請求項14】
前記ガラス(20)は、箱型カメラ(3)の前記筐体(3A)の前面(3Aa)に設けられていることを特徴とする請求項9ないし13の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去方法。
【請求項15】
前記箱型カメラ(3)は、監視装置(1)の旋回台(2)に設けられていると共に前記旋回台(2)と連動するように構成されていることを特徴とする請求項14記載のワイパーによる水滴除去方法。
【請求項16】
前記ワイパー(30)は、1枚の前記ガラス(20)に対して1個のみ設けられ、かつ、前記ガラス(20)の第1、第2側辺(50、51)の何れか一方側に設けられていることを特徴とする請求項9ないし15の何れか1項に記載のワイパーによる水滴除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーによる水滴除去装置及び方法に関し、特に、ガラスの表面に設けられたワイパーにより、水滴等を除去する場合、ガラスの表面に設けた凸部を利用してワイパーブレードを振動させ、効率よく水滴等を除去するための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のワイパー装置としては、図3から図5で示される第1従来構成を挙げることができる。但し、この第1従来構成は、本出願人が社内製作していたもので、特に、文献等は存在していないため、ここでは省略する。
図3は、監視装置1を示し、その旋回台2には、箱型カメラ3が同時に旋回できるように構成されている。
前記箱型カメラ3の筐体3Aの前面3Aaのガラス20には、ワイパー30が矢印に沿って往復回動するように設けられている。
【0003】
前記ガラス20は、図4に示されるように、箱型カメラ3の形状に合うように、例えば、正四角形で構成され、その側辺20Aの長さ方向L1と平行に延設されたワイパー30が配設されている。
前記ワイパー30の一端は、ワイパー支持アーム32及び支軸32Aを介して駆動体32Bによって、矢印で示されるワイパー30の回動軌跡Kに沿って往復回動できるように構成されている。
【0004】
図5は、前記筐体3Aに設けられたガラス20を示す拡大図であり、前記ガラス20は、前記筐体3Aの内面3ACに貼着されている。
前記ガラス20の表面20Aには、前記ワイパー30のブレード保持部34に取付けられたワイパーブレード40が摺設するように構成されている。
【0005】
前述の第1従来構成の場合、ガラス20の表面20Aには何ら後加工が施されていないが、この第1従来構成の水滴除去効果を向上させるために提案されたものが図6から図10で示される特許文献1に開示された第2従来構成である。
図6は自動車のフロントのガラス20を示しており、前記ガラス20を保持するボディ50には、一対のワイパーブレード40を有する一対のワイパー30が回動自在に設けられている。
【0006】
前記各ワイパー30は、ワイパー支持アーム32とブレード保持部34とから構成され、前記ワイパーブレード40は前記ブレード保持部34の下部に保持されている。
前記ガラス20の下部分には、前記各ワイパーブレード40の摺動部40aがネック部38を介して摺設するように、一対のワイパーブレード保護部材10が貼着して設けられている。
前記各ワイパーブレード保持部材10は、図7で示されるように、その下部の滑り部18とこの滑り部18に延設された清掃部12とから構成されている。
【0007】
前記滑り部18は、その表面が滑りやすいように平面状に形成されており、前記清掃部12は、図8の断面図で示されるように、前記滑り部18に連続して形成された傾斜面12Aから構成されている。
前記傾斜面12Aには、複数の凹み14及びこの凹み14間に形成された凸部14Aが形成されている。
前記凸部14Aは、前記傾斜面18と同じ面で形成されているため、この傾斜面18より外側に突出することはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-292317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のワイパー装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
【0010】
すなわち、図3から図5で示される第1従来構成の場合、ワイパーブレード40でガラス20の表面に付着した水滴等を除去する場合、水滴等がワイパーブレード40に付着し、ワイパーブレード40が水滴を引きつれて来てしまい、いつまでたっても水滴を完全に除去することができなかった。
そのため、箱型カメラ3の中に設けられたカメラで画像を撮る場合に、明確な画像を得ることが極めて困難であった。
【0011】
前述の図6から図10で示される第2従来構成の場合、ワイパーブレード40が摺設する清掃部12の凸部14Aは、傾斜面12Aから上方又は外方へ突出していないため、ワイパーブレード40に対する凸部14Aの当りが十分でなく、ワイパーブレード40の汚れ状態によっては、十分に汚れが除去されないこともあった。
【0012】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、ガラスの表面に設けられたワイパーにより、水滴等を除去する場合、ガラスの面に設けた凸部を利用して効率よく水滴等を除去することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるワイパーによる水滴除去装置は、筐体に設けられたガラスの表面に付着する水滴又は水分を、往復移動するワイパーブレードによって除去するようにしたワイパーによる水滴除去装置において、前記ガラスの表面の一部に、多数の凸部と凹部が形成され、前記凸部は前記表面よりも突出して設けられ、前記凹部は前記各凸部間に形成され、前記ワイパーブレードが前記凸部を乗り越えた時に振動又は震えることにより、前記ワイパーブレードに付着した水滴又は水分を前記ワイパーブレードから除去するようにした構成であり、また、前記凸部と凹部は、前記ガラスと同一材料よりなると共に前記ガラスと一体に形成されている構成であり、また、凸部と凹部は、シート状の合成樹脂よりなると共に前記ガラスの表面に貼着されている構成であり、また、前記凸部と凹部は、前記ワイパー体が往復回動する時の停止位置の手前位置に設けられている構成であり、また、前記ガラスは、上辺、下辺、第1側辺及び第2側辺を有する正四角形よりなり、前記ワイパーの前記ワイパーブレードの第1長手方向は、前記第1側辺及び前記第2側辺の第2長手方向に沿うか又は平行であり、かつ、前記上辺及び下辺の第3長手方向に対して直交関係である構成であり、また、前記ガラスは、箱型カメラの前記筐体の前面に設けられている構成であり、また、前記箱型カメラは、監視装置の旋回台に設けられていると共に前記旋回台と連動する構成であり、また、前記ワイパーは、1枚の前記ガラスに対して1個のみ設けられ、かつ、前記ガラスの第1、第2側辺の何れか一方側に設けられている構成であり、また、本発明によるワイパーによる水滴除去方法は、筐体に設けられたガラスの表面に付着する水滴又は水分を、往復移動するワイパーブレードによって除去するようにしたワイパーによる水滴除去方法において、前記ガラスの表面の一部に、多数の凸部と凹部が形成され、前記凸部は前記表面よりも突出して設けられ、前記凹部は前記各凹部間に形成され、前記ワイパーブレードが前記凸部を乗り越えた時に振動又は震えることにより、前記ワイパーブレードに付着した水滴又は水分を前記ワイパーブレードから除去する方法であり、また、前記凸部と凹部は、前記ガラスと同一材料よりなると共に前記ガラスと一体に形成されている方法であり、また、前記凸部と凹部は、シート状の合成樹脂よりなると共に前記ガラスの表面に貼着されている方法であり、また、前記凸部と凹部は、前記ワイパー体が往復回動する時の停止位置の手前位置に設けられている方法であり、また、前記ガラスは、上辺、下辺、第1側辺及び第2側辺を有する正四角形よりなり、前記ワイパーの前記ワイパーブレードの第1長手方向は、前記第1側辺及び前記第2側辺の第2長手方向に沿うか又は平行であり、かつ、前記上辺及び下辺の第3長手方向に対して直交関係である方法であり、また、前記ガラスは、箱型カメラの前記筐体の前面に設けられている方法であり、また、前記箱型カメラは、監視装置の旋回台に設けられていると共に前記旋回台と連動する方法であり、また、前記ワイパーは、1枚の前記ガラスに対して1個のみ設けられ、かつ、前記ガラスの第1、第2側辺の何れか一方側に設けられている方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるワイパーによる水滴除去装置及び方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、筐体に設けられたガラスの表面に付着する水滴又は水分を、往復移動するワイパーブレードによって除去するようにしたワイパーによる水滴除去装置において、前記ガラスの表面の一部に、多数の凸部と凹部が形成され、前記凸部は前記表面よりも突出して設けられ、前記凹部は前記各凸部間に形成され、前記ワイパーブレードが前記凸部を乗り越えた時に振動又は震えることにより、前記ワイパーブレードに付着した水滴又は水分を前記ワイパーブレードから除去することにより、ワイパーブレードが凸部を乗り越える時の振動等によって水滴がワイパーブレードを離れ、水滴がワイパーブレードに付着しなくなり、ガラスの表面を常に水滴のない状態に保つことができる。また、前記凸部と凹部は、前記ガラスと同一材料よりなると共に前記ガラスと一体に形成されていることにより、ガラスを成形する時に、一体に凸部と凹部を作ることができ、極めて安価となる。
また、前記凸部と凹部は、シート状の合成樹脂よりなると共に前記ガラスの表面に貼着されていることにより、合成樹脂で形成され凸部と凹部を有するシート状部品をガラスに対して後付けでき、既存の全ての監視装置及び車等に適用できる。
また、前記凸部と凹部は、前記ワイパーが往復回動する時の停止位置の手前位置に設けられていることにより、ワイパーが停止する時、及び、停止から再び回動する時に、凸部によるワイパーブレードの水滴の付着を効果的に除去できる。
また、前記ガラスは、上辺、下辺、第1側辺及び第2側辺を有する正四角形よりなり、前記ワイパーの前記ワイパーブレードの第1長手方向は、前記第1側辺及び前記第2側辺の第2長手方向に沿うか又は平行であり、かつ、前記上辺及び下辺の第3長手方向に対して直交関係であることにより、小面積の正方形の四角形ガラスの水滴の除去を行うことができる。
また、前記ガラスは、箱型カメラの前記筐体の前面に設けられていることにより、小型の監視装置等のガラスの水滴除去を確実に行うことができる。
また、前記箱型カメラは、監視装置の旋回台に設けられていると共に前記旋回台と連動するように構成され、かつ、コンパクトであることにより、大雨時における大量の水滴がワイパーブレードに付着した場合でも、確実な水滴除去による明確な画像の撮像ができる。
前記ワイパーは、1枚の前記ガラスに対して1個のみ設けられ、かつ、前記ガラスの第1、第2側辺の何れか一方側に設けられていることにより、正四角形のガラスに対し、最も効率的な水滴除去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるワイパーによる水滴除去装置及び方法を示す構成図である。
図2図1の要部の断面図である。
図3】第1従来構成の監視装置を示す斜視図である。
図4図3のガラス部分を示す拡大図である。
図5図4の要部の断面図である。
図6】第2従来構成を示すガラスの正面構成図である。
図7図6のワイパーブレード保護部材を示す拡大平面図である。
図8図7の要部を示すA-A拡大断面図である。
図9図6のワイパーを示す拡大斜視図である。
図10図9のワイパーブレードを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によるワイパーによる水滴除去装置及び方法は、ガラスの表面に設けられたワイパーにより、水滴等を除去する場合、ガラスの表面に設けた凸部を利用してワイパーブレードを振動させ、効率よく水滴等を除去することである。
【実施例0017】
以下、図面と共に本発明によるワイパーによる水滴除去装置及び方法の好適な実施の形態について説明する。尚、図3の監視装置1の構成は本発明においても同等であるので、本発明の説明に援用する。
図1において符号20で示されるものは、前記箱型カメラ3の筐体3Aの前面3Aaに取付けられている。
【0018】
前記ガラス20は、一例として、上辺50、下辺51、第1側辺52及び第2側辺53を有する正四角形よりなり、ワイパー30のワイパーブレード40の第1長手方法L1は、前記第1側辺52及び第2側辺53の第2長手方向L2に沿うか、又は、平行であり、かつ、前記上辺50及び下辺51の第3長手方向L3に対して直交関係になるように構成されている。
前記ワイパー30は、ワイパー支持アーム32を介して、モータ等の駆動体32Bの支軸32Aに接続され、前記駆動体32Bの駆動によって前記ワイパー30が、矢印で示されるワイパー30の回動軌跡Kのように回動する。
【0019】
図1では、前記ワイパー30が前記ガラス20の表面20Aにおける停止位置60に停止している状態を示しており、このワイパー30の停止位置60の手前位置61には、多数の凸部14Aが形成され、各凸部14A間には、ガラス20の表面20Aからなる凹部14が形成されている。
尚、図1の構成では、前記ワイパー30は、前記ガラス20の左側に配設され、凸部14Aと凹部14が前記ガラス20の表面20Aの一部に形成されているが、この構成とは逆である、前記ワイパー30を右側に配設し、その手前に凸部14Aと凹部14を配置した構成とすることもできる。
【0020】
図2は、図1の要部の断面構成を示しており、前記筐体3Aの内面3Ac側に装着されたガラス20の表面20Aには、前述の凸部14Aと凹部14が形成されている。
また、前記筐体3Aの内面3Acに前記ガラス20が接着等で固定されているため、前記ガラス20の表面20Aには、筐体20の段差3Bが形成されているため、前記ワイパー30のオーバーランが発生しようとした場合でも、前記ワイパーブレード40が前記段差3Bに当接することによって停止される。
尚、前記ワイパー30は、前述の第2従来構成で説明した図9及び図10の構成と実質的に同等であるため、ここでは、二重説明を避けるために省略している。
前述の図1及び図2の構成において、前記ワイパー30を、前記往復回動軌跡Kに沿って往復回動させると、前記ワイパーが各凸部14Aを乗り越える毎に、振動又は震えが発生して水滴がワイパーブレード40から離れて除去され、良好なガラス20の透明度を維持することができる。
尚、前記ガラス20の形状は、正四角形が最も好適であるが、他の形状に対しても有効であることは述べるまでない。
【0021】
また、前記ガラス20には、一体成形によって、ガラス材料からなる凸部14Aを作ることができる。
また、前記凸部14Aと凹部14は、樹脂シートにて別体に製作し、ガラス20に貼着することもできる。
また、前記箱型カメラ3は、監視装置1の旋回台2に設けられている。
また、ワイパー30は、1枚のガラスに対して1個のみ設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明によるワイパーによる水滴除去装置及び方法は、ガラスの表面に、この表面から突出する凸部を形成しているため、ワイパーブレードかこの凸部を乗り越える時に振動又は震えが発生し、水滴が殆んど取れるため、自動車や監視装置に最適なワイパーとなる。
【符号の説明】
【0023】
1 監視装置
2 旋回台
3 箱型カメラ
3A 筐体
3Aa 前面
14 凹部
20 ガラス
20A 表面
30 ワイパー
32 ワイパー支持アーム
32A 支軸
32B 駆動体
34 ブレード保持部
50 上辺
51 下辺
52 第1側面
53 第2側辺
60 停止位置
61 手前位置
K ワイパーの往復回動軌跡
L1 第1長手方向
L2 第2長手方向
L3 第3長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10