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  • 特開-センサ固定構造及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041334
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】センサ固定構造及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/20 20160101AFI20220304BHJP
【FI】
H02K11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146466
(22)【出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 優佑
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611UA04
5H611UB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モータとセンサとを、結合用ネジを用いることなく、簡単かつ強固に一体結合させるようにした構成と方法を提供する。
【解決手段】本発明によるセンサ固定構造及び方法は、所定の肉厚(第1厚さW1)からなる筒体32を一面31に一体に有するモータケース30と、前記筒体32の内側に挿入又は嵌入して設けられたセンサ25と、前記センサ25の端部外周25aに形成された環状溝24と、前記筒体32の一部に形成され、その基部35よりも肉薄(第2厚さW2)の加締め用壁36と、からなり、前記加締め用壁36は前記環状溝24と対応し、前記加締め用壁36を前記環状溝24内に曲折させることにより、前記モータケース30と前記センサ25が、加締め結合されている構成と方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の肉厚(第1厚さW1)からなる筒体(32)を一面(31)に一体に有するモータケース(30)と、前記筒体(32)の内側に挿入又は嵌入して設けられたセンサ(25)と、前記センサ(25)の端部外周(25a)に形成された環状溝(24)と、前記筒体(32)の一部に形成され、その基部(35)よりも肉薄(第2厚さW2)の加締め用壁(36)と、からなり、前記加締め用壁(36)は前記環状溝(24)と対応し、前記加締め用壁(36)を前記環状溝(24)内に曲折させることにより、前記モータケース(30)と前記センサ(25)は、加締め結合されていることを特徴とするセンサ固定構造。
【請求項2】
前記加締め用壁(36)は、全体が円筒体(32A)よりなる形状、複数の独立した突片(36A)が形成された形状、及び、複数のスリット(36B)が形成された形状、の何れかよりなることを特徴とする請求項1記載のセンサ固定構造。
【請求項3】
前記曲折後の前記加締め用壁(36)の先端部(36a)は、前記環状溝(24)の角部(24c)に当接していることを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ固定構造。
【請求項4】
前記モータケース(30)及び前記センサ(25)は、円盤形をなしていることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のセンサ固定構造。
【請求項5】
所定の肉厚(第1厚さW1)からなる筒体(32)を一面(31)に一体に有するモータケース(30)と、前記筒体(32)の内側に挿入又は嵌入して設けられたセンサ(25)と、前記センサ(25)の端部外周(25a)に形成された環状溝(24)と、前記筒体(32)の一部に形成され、その基部(35)よりも肉薄(第2厚さW2)の加締め用壁(36)と、を用い、前記加締め用壁(36)は前記環状溝(24)と対応し、前記加締め用壁(36)を前記環状溝(24)内に曲折させることにより、前記モータケース(30)と前記センサ(25)は、加締め結合されることを特徴とするセンサ固定方法。
【請求項6】
前記加締め用壁(36)は、全体が円筒体(32A)よりなる形状、複数の独立した突片(36A)が形成された形状、及び、複数のスリット(36B)が形成された形状、の何れかを用いることを特徴とする請求項5記載のセンサ固定方法。
【請求項7】
前記曲折後の前記加締め用壁(36)の先端部(36a)は、前記環状溝(24)の角部(24c)に当接していることを特徴とする請求項5又は6記載のセンサ固定方法。
【請求項8】
前記モータケース(30)及び前記センサ(25)は、円盤形をなしていることを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載のセンサ固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ固定構造及び方法に関し、特に、モータのモータケースとセンサのセンサケースとを固定する場合に、モータケースに設けた筒体の一部をセンサケースの環状溝内に加締めることにより、センサケースをモータケースに結合させるための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたモータケースに対してセンサケースを固定させる構成及び方法としては、例えば、特許文献1の構成を図9として挙げることができる。
図9において符号10で示されるものは、巻線型のレゾルバ20とモータ5からなるサーボモータであり、前記レゾルバ20は、ロータリートランス11を有していることによりセンサ25を構成している。
【0003】
前記モータ5を構成するためのモータケース30内には、軸受6を介してモータ軸7が回転自在に設けられ、前記モータ軸7は前記レゾルバ20のレゾルバロータ21に接続されている。
前記レゾルバ20のセンサケース22に設けられた複数の第1ネジ23が前記モータケース30内に螺入することにより、前記センサケース22と前記モータケース30は、一体状のサーボモータ10となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-27933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のセンサとモータの結合構造においては、ネジを用いていたため、モータの後端に取り付けるセンサは、実際には、取付爪とネジによって固定され、取付爪はネジと同数必要であり、ネジ締めには時間を要していた。
また、ネジ締めには、メスネジタップ用の広さと座面が必要となり、センサ以上のスペースを必要としていた。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、モータのモータケースとセンサのセンサケースとを固定する場合に、モータケースに設けた筒体の一部をセンサケースの環状溝内に加締めることにより、センサケースをモータケースに結合させるようにした構成と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるセンサ固定構造は、所定の肉厚からなる筒体を一面に一体に有するモータケースと、前記筒体の内側に挿入又は嵌入して設けられたセンサと、前記センサの端部外周に形成された環状溝と、前記筒体の一部に形成され、その基部よりも肉薄の加締め用壁と、からなり、前記加締め用壁は前記環状溝と対応し、前記加締め用壁を前記環状溝内に曲折させることにより、前記モータケースと前記センサは、加締め結合されている構成であり、また、前記加締め用壁は、全体が円筒体よりなる形状、複数の独立した突片が形成された形状、及び、複数のスリットが形成された形状、の何れかよりなる構成であり、また、前記曲折後の前記加締め用壁の先端部は、前記環状溝の角部に当接している構成であり、また、前記モータケース及び前記センサは、円盤形をなしている構成であり、また、本発明によるセンサ固定方法は、所定の肉厚からなる筒体を一面に一体に有するモータケースと、前記筒体の内側に挿入又は嵌入して設けられたセンサと、前記センサの端部外周に形成された環状溝と、前記筒体の一部に形成され、その基部よりも肉薄の加締め用壁と、を用い、前記加締め用壁は前記環状溝と対応し、前記加締め用壁を前記環状溝内に曲折させることにより、前記モータケースと前記センサは、加締め結合される方法であり、また、前記加締め用壁は、全体が円筒体よりなる形状、複数の独立した突片が形成された形状、及び、複数のスリットが形成された形状、の何れかを用いる方法であり、また、前記曲折後の前記加締め用壁の先端部は、前記環状溝の角部に当接している方法であり、また、前記モータケース及び前記センサは、円盤形をなしている方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるセンサ固定構造及び方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、所定の肉厚からなる筒体を一面に一体に有するモータケースと、前記筒体の内側に挿入又は嵌入して設けられたセンサと、前記センサの端部外周に形成された環状溝と、前記筒体の一部に形成され、その基部よりも肉薄の加締め用壁と、からなり、前記加締め用壁は前記環状溝と対応し、前記加締め用壁を前記環状溝内に曲折させることにより、前記モータケースと前記センサは、加締め結合される構成と方法であるため、加締め用壁を環状溝内に加締めることにより、簡単にモータケースとセンサとを強固に結合でき、サーボモータの量産性を向上させることができる。
また、前記加締め用壁は、全体が円筒体よりなる形状、複数の独立した突片が形成された形状、及び、複数のスリットが形成された形状、の何れかを用いることにより、加締め用壁は曲折が容易となり、加締め作業が容易となる。
また、前記曲折後の前記加締め用壁の先端部は、前記環状溝の角部に当接していることにより、曲折した加締め用壁の固定が確実となり、加締めの信頼性が向上する。
前記モータケース及び前記センサは、円盤形をなしていることにより、偏平型のセンサとモータを簡単に、かつ、強固に結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態によるセンサ固定構造及び方法におけるモータケースを示す斜視図である。
図2図1のモータケースとセンサを示す斜視図である。
図3図2のモータケースとセンサを加締めた状態の斜視図である。
図4図3の断面図である。
図5図4のA部の加締め前の状態を示す要部の拡大断面図である。
図6図5の加締め後の状態を示す要部の拡大断面図である。
図7図1の加締め用壁に突片を用いた他の形態を示す拡大斜視図である。
図8図7の加締め用壁にスリットを用いた他の形態を示す拡大斜視図である。
図9】従来構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によるセンサ固定構造及び方法は、モータのモータケースとセンサのセンサケースとを固定する場合に、モータケースに設けた筒体の一部をセンサケースの環状溝内に加締めることにより、センサケースをモータケースに結合させることである。
【実施例0011】
以下、図面と共に本発明によるセンサ固定構造及び方法の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来構成と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。
図1において符号30で示されるものは円盤状をなすモータケースであり、このモータケース30の中心部には、その一面31から一体に立上り、かつ、所定の肉厚(第1厚さW1)からなる筒体32が形成されている。
【0012】
前記筒体32の中心には、貫通孔33が形成され、センサ25の端部外周25aには、図5及び図6で明確に示されているように、環状溝24が形成されている。
【0013】
前記筒体32には、図5に示されるように、前記モータケース30の半径方向に沿って所定の厚さのうちの肉厚(第1厚さW1)からなる基部35及びこの基部35よりも肉薄(第2厚さW2)の加締め用壁36によって構成されている。すなわち、W1>W2の関係に設定されている。
【0014】
前記筒体32の内側には、図3から図6で示されるように、前記センサ25が、挿入又は嵌合によって設けられ、前記加締め用壁36が前記環状溝24に対応している。
前記加締め用壁36を前記環状溝24内に、図示しない治具によって曲折させて加締める(図5から図6の状態)ことにより、前記モータケース30と前記センサ25とは、互いに分離不能に強固に加締め結合されている。
前記加締め用壁36の先端部36aは、図6で示されるように、加締め後、前記環状溝24の内側の角部24cに当接している。
これによって、前記センサ25とモータケース30とは、強固に接続されている。
【0015】
前記加締め用壁36は、前述の図1から図6に開示した前記筒体32のように全体が円筒体32Aよりなる形状、図7で示されるように、複数の独立した突片36Aが形成された形状、及び、図8のように、複数のスリット36Bが形成された形状の何れかを採用することができる。
尚、図1及び図2で示されるように、前述の突片36A及びスリット36B等が形成されていない筒状の加締め用壁36の場合には、加締め治具として、強力な構成を必要とするが、突片36A又はスリット36Bが形成されている加締め用壁36を用いた場合には、前述よりも弱い加締め力の治具でも加締めが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明によるセンサ固定構造及び方法は、モータケースから立ち上げた筒体の一部に肉薄の加締め用壁を形成し、この加締め用壁を、センサの外周に形成された環状溝の中に曲折することにより、モータケースとセンサとが一体状に結合でき、簡単な構成でサーボモータの組立てができる。
【符号の説明】
【0017】
24 環状溝
24c 角部
25 センサ
25a 端部外周
30 モータケース
31 一面
32 筒体
32A 円筒体
33 貫通孔
35 基部
36 加締め用壁
36A 突片(加締め用壁)
36B スリット
36a 先端部
W1 第1厚さ(肉厚)
W2 第2厚さ(肉薄)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9