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特開2022-41387エアコン室外機の吹出熱風温度低下装置及び該装置を具備したエアコン室外機
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  • 特開-エアコン室外機の吹出熱風温度低下装置及び該装置を具備したエアコン室外機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041387
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】エアコン室外機の吹出熱風温度低下装置及び該装置を具備したエアコン室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/42 20110101AFI20220304BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
F24F1/42
F24F1/0007 361C
F24F13/22 225
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146547
(22)【出願日】2020-09-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】591195994
【氏名又は名称】株式会社ミヤデン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英司
【テーマコード(参考)】
3L050
3L054
【Fターム(参考)】
3L050BF03
3L054BA02
3L054BB01
3L054BB03
(57)【要約】
【課題】エアコンのドレンホースから排水されるドレン水を有効利用して、室外機から吹き出される熱風の温度を低下させることが可能であると共に、ドレンホースによる不具合発生を一挙に解決することが可能なエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置及び該装置を具備したエアコン室外機を提供する。
【解決手段】設置部材とパイプ部材及び通気性フィルター部材を備えた吹出熱風温度低下装置をエアコン室外機に設置したり一体的に配設し、ドレンホースを介してパイプ部材内に供給されたドレン水を、パイプ部材の底面部に設けた流下口から通気性フィルター部材を流下させることにより、エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコン室外機の所定位置に取付可能な設置部材と、該設置部材に連設されエアコン室内機に基端が接続されたドレンホースの先端が接続されてドレンホース内のドレン水が供給されるパイプ部材と、該パイプ部材の下方に略垂直状態で配設されて前記パイプ部材内に供給されるドレン水が流下可能な通気性フィルター部材を備え、
前記パイプ部材の底面部に所定の形態で設けたドレン水の流下口から前記通気性フィルター部材にドレン水を流下させることにより、前記エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されていることを特徴とするエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項2】
前記設置部材は、前記エアコン室外機の上面に設置可能な略平板状の板状体で形成され、該板状体の前端部に前記パイプ部材が略水平状態で配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項3】
前記板状体は、前記エアコン室外機の上面の温度上昇を抑制可能な遮熱機能か、前記上面を保護可能な保護機能か、あるいは前記上面に意匠的効果が得られる外観向上機能の少なくとも一つの機能を有することを特徴とする請求項2に記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項4】
前記パイプ部材は、その内部に所定形態の流下口を有する隔壁板を配設することにより、当該パイプ部材の内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、前記隔壁板の流下口と前記下部空間底部に形成されるドレン水の流下口の位置が上下方向で互いに異なるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項5】
前記通気性フィルター部材は、所定厚さの不織布、編目状部材もしくは蜂の巣状部材で形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項6】
熱交換器と圧縮機及びファンが内蔵され、エアコン室内機の熱交換器との間で冷媒と圧縮機を使い熱移動させて冷暖房を行うエアコン室外機であって、
前記ファン前方の筐体に設けられた吹出口の内外の少なくとも一方に、前記吹出口から吹き出される熱風の温度を前記室内機から排水されるドレン水を利用して冷却可能な吹出熱風温度低下装置が一体的に配設されていることを特徴とする吹出熱風温度低下装置を具備したエアコン室外機。
【請求項7】
前記吹出熱風温度低下装置は、前記ドレン水を排水するドレンホースの先端が接続可能なパイプ部材と、該パイプ部材の底面部の下方に略垂直状態で配設された通気性フィルター部材を有し、前記パイプ部材内に前記ドレンホースからドレン水が供給されると共に、該パイプ部材内のドレン水が当該パイプ部材の底面部に設けた流下口から前記通気性フィルター部材に供給されることを特徴とする請求項6に記載の吹出熱風温度低下装置を具備したエアコン室外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機器としての例えば家庭用や事業所用等のエア・コンデイシヨナー(以下エアコンという)の、室外機の吹出口から吹き出される熱風(温風)の温度を低下し得る、エアコン室外機の吹出熱風温度低下装置及び該装置を具備したエアコン室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば家庭用のエアコンにおいては、室内の壁面上部に設置されるエアコン室内機(以下室内機という)と、室外の外壁近傍の地面上等に設置されるエアコン室外機(以下室外機という)を有し、これら室外機と室内機にそれぞれ内蔵された熱交換器の間を、冷媒と圧縮機を使い熱移動させることで冷暖房を行うようにしている。
【0003】
そして、室内機の熱交換器で熱交換する際に発生するドレン(ドレイン)水は、室内機内に設けたドレンパン(水受け皿)に収容し、このドレンパンにドレンホースの上端(基端)を接続しドレンホースの下端(先端)を室外機の近傍まで配管することで、ドレン水を室外機近傍の地面に設けた排水溝等に排水するようにしている。なお、空調装置のドレンホースに関する公報としては、例えば特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-194041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の室外機と室内機を有するエアコンにおいては、ドレンホースの先端が地面上に開口状態で設置され、ドレンホース内のドレン水をそのまま室外機近傍の地面上等に垂れ流し状態で排水しているため、ドレン水自体の有効利用が行われないばかりか、ドレンホースに次のような不具合が発生する場合がある。
【0006】
すなわち、ドレンホースの先端を単に地面上に開口状態で設置(放置)すると、この開口からゴキブリや昆虫等がエアコン不作動(特に冬場のように使用頻度が少ない)時にドレンホース内に進入して住み付く場合があり、衛生面で好ましくないばかりか、エアコン作動時のドレン水の排出性能に悪影響を与える場合がある。また、ドレンホースの先端が開口していると、屋外の風が強い場合等に、開口から風がドレンホース内に進入して「ポコポコ音」がする等、エアコン作動(使用)時に異音が発生する状態となって室内の静寂性を保つことが難しく、例えば風の進入を防止するための部材を別途購入して一々取り付ける等して対応している。
【0007】
また、従来のエアコンにおいては、室外機で熱交換された温度の高い空気が室外機のファンの回転によって室外機外(大気中)に温風(以下、本発明では熱風という)として放出(放熱)されるが、この熱風も室外機の筐体前面に設けた吹出口を介して外部にそのままの状態で吹き出しされているのが実状である。
【0008】
ところで、近年、地球の温暖化が進み、各地で外気温上昇等の異常気象が発生しており、その対策が世界的規模で検討されている。特に、近年外気温の上昇による熱中症が多発し、その対策としてエアコンの冷房使用必要不可欠となっている。このような情勢の中、出願人は、略全ての家庭に普及している家庭用エアコンの冷房や除湿運転時に、エアコンの室外機から吹き出される(放出される)熱風の温度を、エアコン性能を低下させることなく少しでも低くすることができたら、熱中症対策と同時に外気温の低下にも寄与できるのではないかという考えの基に、現在何等利用されていないドレン水の有効利用について鋭意研究し、本発明に至ったものである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、エアコンのドレンホースから排水されるドレン水を有効利用して、室外機から吹き出される熱風の温度を低下させることが可能であると共に、ドレンホースによる不具合発生を一挙に解決することが可能なエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置及び該装置を具備したエアコン室外機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、エアコン室外機の所定位置に取付可能な設置部材と、該設置部材に連設されエアコン室内機に基端が接続されたドレンホースの先端が接続されてドレンホース内のドレン水が供給されるパイプ部材と、該パイプ部材の下方に略垂直状態で配設されて前記パイプ部材内に供給されるドレン水が流下可能な通気性フィルター部材を備え、前記パイプ部材の底面部に所定の形態で設けたドレン水の流下口から前記通気性フィルター部材にドレン水を流下させることにより、前記エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記設置部材が、前記エアコン室外機の上面に設置可能な略平板状の板状体で形成され、該板状体の前端部に前記パイプ部材が略水平状態で配設されていることを特徴とする。このとき、前記板状体は、請求項3に記載の発明のように、前記エアコン室外機の上面の温度上昇を抑制可能な遮熱機能か、前記上面を保護可能な保護機能か、あるいは前記上面に意匠的効果が得られる外観向上機能の少なくとも一つの機能を有することが好ましい。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記パイプ部材が、その内部に所定形態の流下口を有する隔壁板を配設することにより、当該パイプ部材の内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、前記隔壁板の流下口と前記下部空間底部に形成されるドレン水の流下口の位置が上下方向で互いに異なるように設定されていることを特徴とする。さらに、請求項5に記載の発明は、前記通気性フィルター部材が、所定厚さの不織布、編目状部材もしくは蜂の巣状部材で形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、熱交換器と圧縮機及びファンが内蔵され、エアコン室内機の熱交換器との間で冷媒と圧縮機を使い熱移動させて冷暖房を行うエアコン室外機であって、前記ファン前方の筐体に設けられた吹出口の内外の少なくとも一方に、前記吹出口から吹き出される熱風の温度を前記室内機から排水されるドレン水を利用して冷却可能な吹出熱風温度低下装置が一体的に配設されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、前記吹出熱風温度低下装置が、前記ドレン水を排水するドレンホースの先端が接続可能なパイプ部材と、該パイプ部材の底面部の下方に略垂直状態で配設された通気性フィルター部材を有し、前記パイプ部材内に前記ドレンホースからドレン水が供給されると共に、該パイプ部材内のドレン水が当該パイプ部材の底面部に設けた流下口から前記通気性フィルター部材に供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、設置部材とパイプ部材及び通気性フィルター部材を備えて、パイプ部材の底面部に所定形態で設けたドレン水の流下口から通気性フィルター部材にドレン水を流下させることにより、エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されているため、エアコンのドレンホースから排水されるドレン水を有効利用して、室外機から吹き出される熱風の温度を低下させることができる等、エアコン室外機による外気温の上昇抑制等に寄与することができる。
【0016】
また同時に、ドレンホースから排水されるドレン水をそのまま地面上に排水する必要がなくなり、ドレンホースの先端開口を吹出熱風温度低下装置で略閉塞とすることができるため、衛生面での低下やエアコン作動時のドレン水の排出性能の低下を確実に防止できると共に、屋外の風のドレンホース内への進入を防止して、「ポコポコ音」等のエアコン作動時の異音の発生がなくなり室内の静寂性を十分に保つことができたり、風の進入を防止するための部材等の設置も不要になる等、ドレンホースに係わる各種不具合を一挙に解決することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、設置部材が、エアコン室外機の上面に設置可能な略平板状の板状体で形成され、この板状体の前端部にパイプ部材が略水平状態で配設されているため、吹出熱風温度低下装置をエアコン室外機の上面を利用して簡単に例えば着脱可能に設置できる等、設置部材の設置の容易化及び汎用性とメンテナンスの容易化等を図ることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、設置部材としての板状体が、遮熱機能か保護機能あるいは外観向上機能の少なくとも一つの機能を有するため、所定形態の板状体を使用することで、エアコン室外機に従来にない遮熱効果や保護効果及び意匠効果等を得ることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、パイプ部材の内部に流下口を有する隔壁板を配設することにより、パイプ部材の内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、隔壁板と下部空間底部の各流下口の位置が上下方向等で互いに異なるように設定されているため、パイプ部材の上部空間内に供給されたドレン水を下部空間内に分散状態で流下しつつ、下部空間の底面部から下方の通気性フィルター部材の上面全域にドレン水を良好に流下できて、熱風の温度低下効率をより向上させることができる。
【0020】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、通気性フィルター部材が、不織布、編目状部材もしくは蜂の巣状部材に形成されているため、所定形態のフィルター部材を使用することで、パイプ部材から流下するドレン水の通気性フィルター部材の通過時間を長くすること等ができて、熱風の温度低下の効率を一層向上させることができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明によれば、ファン前方の筐体に設けられた吹出口の内外の少なくとも一方に、吹出口から吹き出される熱風の温度を室内機から排水されるドレン水を利用して冷却可能な吹出熱風温度低下装置が一体的に配設されているため、請求項1に記載の発明と同様に、ドレン水を有効利用して室外機から吹き出される熱風の温度を低下させることができ、エアコン室外機による外気温の上昇抑制等に寄与したり、ドレンホースによる各種不具合発生を一挙に解決することができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、吹出熱風温度低下装置がパイプ部材と通気性フィルター部材を有し、パイプ部材内にドレンホースからドレン水が供給されると共に、パイプ部材内のドレン水がパイプ部材の底面部に設けた流下口から通気性フィルター部材に供給されるため、エアコン室外機の筐体に吹出熱風温度低下装置をコンパクトに内蔵等ができて、同室外機の大型化や外観の低下を防止することができると共に、予め吹出熱風温度低下装置が筐体に一体的に組み付けられているため、当該室外機の設置作業等を従来と略同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係わる吹出熱風温度低下装置を使用したエアコンの一実施形態を示す全体構成図
図2】同そのエアコン室外機部分の斜視図
図3】同エアコン室内機部分の要部拡大斜視図
図4】同吹出熱風温度低下装置の正面図
図5】同その側面図
図6】同図4のA部の拡大断面図
図7】同図6のB-B線矢視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係わる吹出熱風温度低下装置1は、室内機3と共に家庭用のエアコンを構成する室外機2の筐体の上面2fから前面2gにかけて設置されている。
【0025】
すなわち、吹出熱風温度低下装置1は、図4及び図5に示すように、室外機2の上面2fに載置される設置部材4と、この設置部材4の幅(前後)方向の一端側下面に配設された所定長さのパイプ部材5と、このパイプ部材5の下面(底面部)に配設された通気性フィルター部材6を有している。
【0026】
前記設置部材4は、例えば遮熱(断熱)効果を有する木材、樹脂等の板状体で形成され、室外機2の上面2fの略全面を覆って載置状態で配設される。このとき、設置部材4としては、遮熱効果以外に、室外機2の上面2fを保護する効果や上面2fに意匠的効果等が得られる適宜の材質や色彩の板状体が使用されている。また、設置部材4の所定位置には、後述するドレンホース9の先端部を固定支持するために使用される開口4aが設けられている。
【0027】
また、前記パイプ部材5は、例えば樹脂製で室外機2の略左右幅方向に対応する長さの円形パイプで形成され、設置部材4の一端側(前端側)下面に適宜の固着手段で固着されている。このパイプ部材5の両端は閉塞されると共に、図6及び図7に示すように、内部の中心位置に隔壁板7が固着配置されることにより、内部空間が上下の二層構造、すなわち上部空間5a1と下部空間5a2の二空間を有する構造とされている。
【0028】
そして、パイプ部材5の最上部の長手方向の中央部には、後述するドレン水の流入口(供給口)としての円孔からなる開口5bが一つ形成されると共に、パイプ部材5の前記開口5bと上下直径方向で対向する底面部には、前記ドレン水の流下口(流出口)としての円孔もしくは楕円孔等からなる開口5cが円形パイプの長手方向に沿って所定数形成されている。
【0029】
また、パイプ部材5内に内蔵された前記隔壁板7の所定位置には、パイプ部材5の上部空間5a1内に流入したドレン水を下部空間5a2内に流通させる多数の円孔からなる流下口としての開口7aが形成されている。このとき、隔壁板7の開口7aと底面部の開口5cは、上面から見た場合、その開口位置が円形パイプ5aの長手方向や直径方向で上下で一致しないように設定されている。
【0030】
前記通気性フィルター部材6は、前記パイプ部材5の底面部に、下方に略垂直状態で延設するように適宜の固着手段で固着されており、方形状の例えば樹脂製の外枠6aとこの外枠6a内に配設されたフィルター素材6bを備えている。このとき、フィルター素材6bは、例えば厚手の不織布、樹脂や金属製の網目状部材あるいは蜂の巣状部材等で形成され、所定の厚さを有して通気性が十分に確保される構造となっている。なお、図面においては、説明の便宜上、大きな網目を有する網目状部材で示している。
【0031】
また、通気性フィルター部材6の外枠6aの上辺には、前記パイプ部材5の底面部の開口5cと上下方向で連通する開口6a1(図7参照)が、所定形態で形成されている。なお、通気性フィルター部材6は、エアコン作動時に、室外機2の吹出口2eから吹き出される熱風に晒されるため、耐熱性に優れた材質が使用される。また、フィルター素材6bは、例えば外枠6aに対して取り外し可能とされて、その清掃や交換等が行えるようになっている。
【0032】
なお、フィルター素材6bとしては、前述したように、図示する糸材6b1が規則的に連結された網目状部材に限定されず、例えば不織布や糸材6b1を不規則(ランダムに)連結した網目状部材、あるいは内部に規則的もしくは不規則的に多数の空間が形成された蜂の巣状部材等、所定の通気性を有しかつドレン水が自然流下可能な適宜の素材を使用することができる。
【0033】
また、前記設置部材4の大きさ等の形状は、室外機2の形状に応じて設定されるが、室外機2に後述する如く設置した際に、通気性フィルター部材6が室外機2の吹出口2eの前方(外方)略全域を覆う大きさが熱風の温度低下の効果の点で適切であるため、例えば現存する室外機2の外形や吹出口2eの大きさ等に応じて複数種類設定することが好ましい。
【0034】
ところで、前記室外機2は、図1に示すように、筐体内部に熱交換器2aとファン2b及び圧縮機2cや弁2dが配設され、住宅等の建物11の外壁12の内面上部に設置された室内機3に、冷媒循環用の2本の配管8a、8bと、図2に示す電気配線8cによって接続されている。また、室内機3は、図3に示すように、その筐体内に熱交換器3aとファン3b及びドレンパン3cが配設され、熱交換器3aで発生する水滴15は、熱交換器3aの下方に配置されたドレンパン3c内に自然落下して収容され、このドレンパン3cにその基端が接続されているドレンホース9を介して屋外の室外機2側に排水されるようになっている。
【0035】
これにより、室外機2と室内機3でエアコンが構成され、図1に示すように、熱交換器2a、3aを内蔵した室外機2と室内機3との間を、冷媒と圧縮機2cを使って熱移動させることで、冷房(除湿)や暖房を行うようになっている。
【0036】
次に、前記吹出熱風温度低下装置1の設置方法とその動作について説明する。先ず、前記吹出熱風温度低下装置1は、設置部材4を地面13上に設置台17(図1及び図2参照)を介して設置されている既存の室外機2の上面2fに載置することで、室外機2の吹出口2eの前方に所定の間隔d(図5参照)を有して取付設置される。この設置時、先ず室内機3に接続されている配管8a、8bと電気配線8cは、既存(現状)のままとし、ドレンホース9の室外機2側の所定長さ部分のみを位置変更できるフリーな状態とする。
【0037】
そして、このドレンホース9のフリーな部分の先端を、室外機2の上面2fに設置されて、上下方向に連通状態となっている設置部材4の開口4aとパイプ部材5の開口5bに、図6及び図7の二点鎖線で示すように上方から差し込む等して接続(連結)する。また、ドレンホース9の室外機2の上面2f上に位置する先端部分は、例えば設置部材4に設けた図示しない開口を利用して設置部材4に結束バンドで連結する等して、設置部材4上に固定的に配置する。
【0038】
なお、ドレンホース9の室外機2側のフリーな部分は、吹出熱風温度低下装置1の設置部材4の地面13からの高さ位置より少なくとも高い位置に設定して、ドレンホース9の全長に完全な水勾配が形成されるようにして配管することが好ましい。これにより、室内機3のドレンパン3cから排出されるドレン水がドレンホース9を介して、設置されている前記吹出熱風温度低下装置1に良好に供給されることになる。
【0039】
なお、室外機2に設置された吹出熱風温度低下装置1は、図5に示すように、通気性フィルター部材6が室外機2の吹出口2eの前方に所定間隔dを有して垂下状態で配置されるが、この間隔dは、熱風の吹出性能に悪影響を与えない範囲で、できるだけ小さくすることが好ましいが、この間隔dを室外機2の吹出能力等に応じてその前後方向の位置(寸法)が調整できるように配置しても良い。また、吹出熱風温度低下装置1は、屋外の風による揺れ等を防止するために、図5の二点鎖線で示すように、複数の適宜形態の支持部材14で室外機2の前面2gに、例えば吹出口2eや吹出口2eに配設されるルーバのスリット等を利用して固定支持するようにしても良い。
【0040】
このようにして設置された吹出熱風温度低下装置1は、次のようにして動作する。すなわち、室内のリモコン操作等で、エアコンの例えば冷房を作動させると、室内機3が室内の高温の空気を室内機3内に図1の矢印ハの如く取り込み熱交換器3aで急速に冷やし、この冷やされた空気が矢印ニの如く室内に冷風として排出される。このとき、図3に示すように、空気中に含まれる水分が水滴15となり、これが熱交換器3aに付着して下方に落下し、ドレンパン3cに収容されてドレンホース9を介して室内機3から室内機2側に自然流下で排水される。
【0041】
一方、室外機2は、室内機3で取り込んだ高温の空気を熱交換器2aで熱交換すると共に圧縮器2cで圧縮することで、冷風として室内機3に供給する。このとき、室外機2の熱交換器2aによる熱交換の際に発生する高温の空気は、熱交換器2aの前方に設けられたファン2bの回転によって、図1の矢印イの如く前面2gの吹出口2eから室外機2外(大気中)に熱風として放出(放熱)、すなわち吹き出される。
【0042】
この熱風は、吹出口2eの所定距離d前方に設置されている吹出熱風温度低下装置1の通気性フィルター部材6のフィルター素材6bを通過(通気)して、吹出熱風温度低下装置1の外方に放出される。また同時に、エアコンの冷房や除湿運転時に発生する前記ドレン水は、前記ドレンホース9を流下して吹出熱風温度低下装置1のパイプ部材5内に供給される。このとき、室内機3内のドレンパン3c内のドレン水は、ドレンホース9の全域に水勾配が設定されていることから、パイプ部材5内に良好に供給されることになる。
【0043】
そして、吹出熱風温度低下装置1のパイプ部材5内に供給されたドレン水は、図6及び図7に示すように、パイプ部材5の開口5bから先ず上部空間5a1内に供給(流入)されて、これが間壁板7の前記開口7aから下部空間5a2内に流下する。このとき、隔壁板7の開口7aを例えば隔壁板7の幅方向の中央とその両端部に設けることで、上部空間5a1内に供給されたドレン水が、隔壁板7の中央の開口7aから下方に直接流下したり、隔壁板7の両端部の開口7aからパイプ部材5の内面に沿って流下し、底面部の最深部に設けた開口5cからパイプ部材5外、すなわちドレン水が図の矢印ロのようにして流下して通気性フィルター部材6の上部に供給されることになる。
【0044】
この通気性フィルター部材6の外枠6a上辺の前記開口6a1を介して供給されたドレン水は、フィルター素材6bの糸材6b1の表面に付着しつつ下方にゆっくりと自然流下する。この流下時のフィルター素材6bの糸材6b1に付着しているドレン水で、糸材6b1間の隙間16を通過している室外機2の熱風が冷やされる、すなわち、室外機2の熱風がドレン水の水分を含んだフィルター素材6bの隙間16を通過する際に、ドレン水の蒸発が起こり、気化熱が奪われてフィルター素材6bの温度が低下し、このフィルター素材6bを通過した風が外方に排出されることで、結果として室外機2から吹き出される熱風の温度が低下することになる。
【0045】
なお、外気温度(室内機3内温度)の高低にも影響されるが、エアコンの冷房運転や除湿運転時には、ドレン水が略連続的に排水される状態となることから、前記吹出熱風温度低下装置1によるこのドレン水の利用で、室外機2から炊き出される熱風の温度を所定温度低下させることが可能になる。つまり、前記吹出熱風温度低下装置1は、従来垂れ流し状態とされていたドレン水を有効利用することで、従来何等対策の取られていない室外機2の熱風の温度を低下できるようにしたものであり、エアコンの既存の設置台数等を考慮した場合、温暖化対策等として大いに期待できるものである。
【0046】
このように、前記吹出熱風温度低下装置1によれば、設置部材4とパイプ部材5及び通気性フィルター部材6を備えて、パイプ部材5の底面部に所定形態で設けた開口5cから通気性フィルター部材6にドレン水を流下させることにより、室外機2の吹出口2eから吹き出される熱風の温度を低下可能に構成されているため、エアコンのドレンホース9から排水されるドレン水を有効利用して、室外機2からの熱風の温度を低下させることができて、室外機2による外気温の上昇抑制等に寄与することができる。
【0047】
また同時に、ドレンホース9から排水されるドレン水をそのまま地面13上に排水する必要がなくなり、ドレンホース9の先端開口を吹出熱風温度低下装置1(パイプ部材5や通気性フィルター部材6)で略閉塞状態とすることができるため、衛生面での低下やエアコン作動時のドレン水の排出性能の低下を確実に防止できる。また、屋外の風のドレンホース9内への進入を防止できて、「ポコポコ音」等のエアコン作動時に異音の発生がなくなり室内の静寂性を十分に保つことができたり、風の進入を防止するための部材等の設置も不要となる等、ドレンホース9に係わる従来の各種不具合を一挙に解決することができる。
【0048】
また、設置部材4が、室外機2の上面2fに設置可能な略平板状の板状体で形成され、この板状体の前端部にパイプ部材5が略水平状態で配設されているため、吹出熱風温度低下装置1を室外機2の上面2f等を利用して簡単に例えば着脱可能に設置できる等、設置の容易化及び汎用性と清掃等のメンテナンスの容易化を図ることができる。また、設置部材4としての板状体が、遮熱機能か保護機能あるいは外観向上機能の少なくとも一つの機能を有するため、所定の板状体を使用することで、室内機2に従来にない遮熱効果や保護効果及び意匠効果等を得ることができる。
【0049】
さらに、パイプ部材5の内部の長手方向全域に開口7aを有する隔壁板7を配設することにより、パイプ部材5の内部が上部空間5a1と下部空間5a2の上下二層構造で構成されると共に、隔壁板7の開口7aとパイプ部材5の開口5cの位置が上下方向等で互いに異なるように設定されているため、パイプ部材5の上部空間5a1内に供給されたドレン水を下部空間5a2内に分散状態で流下しつつ、下部空間5a2の底面部から下方の通気性フィルター部材6の上面全域にドレン水を良好に流下できて、熱風の温度低下効率をより向上させることができる。
【0050】
また、通気性フィルター部材6のフィルター素材6bが、例えば厚手の不織布や、編目状部材もしくは蜂の巣状部材等で形成されているため、所定のフィルター素材6bを使用することで、パイプ部材5から流下するドレン水の通気性フィルター部材6の通過時間を長くすることができて、熱風の温度低下の効率を一層向上させることができる。
【0051】
ところで、以上の説明では、吹出熱風温度低下装置1を既存の室外機2に取付設置(後付け)できる例について説明したが、本発明は、これに限定されず、室外機2の製造段階で前記吹出熱風温度低下装置1を組み込む、すなわち吹出熱風温度低下装置1を室外機2に内蔵する等して両者を一体化をすることも勿論可能である。この場合は、前記吹出熱風温度低下装置1を前記パイプ部材5と前記通気性フィルター部材6で構成し、これを室外機2の筐体内のファン3cとファン3c前方の筐体内面との間に、前記設置部材4に相当する適宜の取付装置等で取り付けたり、筐体前面2gに適宜の取付装置等で直接取り付ければよい。
【0052】
このように構成しても、室外機2のファン2b前方の吹出口2eの内面や外面(前面2g外側)の少なくとも一方に、吹出熱風温度低下装置1が一体的に配設できるため、前記実施形態と同様に、ドレン水を有効利用して室外機2から吹き出される熱風の温度を低下させることができたり、ドレンホース9による各種不具合発生を一挙に解決することが可能になる。
【0053】
また、吹出熱風温度低下装置1がパイプ部材5と通気性フィルター部材6で構成され、これらが室外機2の筐体内に配設されたり前面2gに密着固定されて室外機2に一体化されるため、吹出熱風温度低下装置1をコンパクトに形成しつつ内蔵等ができて、室外機2の大型化や外観の低下を防止することができると共に、予め吹出熱風温度低下装置1が筐体に一体的に組み付けられているため、当該室外機2の設置作業等を従来と略同様に行うことができる。
【0054】
なお、前記実施形態においては、設置部材4を室外機2の上面2fに水平状態で載置したが、例えば室外機2の前面2g側が低くなる前後傾斜状態で載置して、ドレン水の流入を一層促進してもよいし、設置部材4の長手方向の両端部等に下方に延設した鍔部を設け、室外機2の上面の3辺に被せて設置部材4の設置状態を安定させる形態としてもよい。
【0055】
また、前記パイプ部材5の形態も上記形態に限定されず、例えばパイプ部材5を中央が高く両端部が低くなる略山型形状もしくは円弧形状としたり、ドレンホース9の先端側を分岐し、ドレンホース9を円形直線状のパイプ部材5の長手方向中央とその両端側等長手方向の複数箇所に接続して複数箇所からドレン水を供給するようにして、ドレン水がパイプ部材5の長手方向の全域に略均等に流れるようにしても良い。
【0056】
また、パイプ部材5は円形パイプに限らず、楕円パイプや角パイプ等を使用することも可能であり、例えば角パイプを使用した場合は、通気性フィルター部材6の上面部との連結が良好となって、フィルター素材6bへの均一なドレン水の供給が可能になる。さらに、パイプ部材5の各開口5b、5cの位置や大きさ、形状等も前記実施形態に限定されず、例えば各開口の大きさを流入口の位置に応じて異ならせたり直線状の配置に限らず千鳥状に配置する等、パイプ部材5内に良好なドレン水の流れを生じさせる適宜の形態を使用することができる。
【0057】
さらに、前記実施形態においては、室外機2の熱風が吹出熱風温度低下装置1の通気性フィルタ部材6を略前方向に通過するが、例えばフィルター部材6bを蜂の巣状で形成した場合等には、蜂の巣を形成する空間(開口)のフィルター部材6bの幅方向前後の指向方向を所定方向に傾斜させることにより、熱風の通過方向を前方向以外(斜め上方向や斜め左右方向)としてもよい。このように構成すれば、例えば室外機2の前方に隣家の壁面や庭木等が存在する場合に、熱風によるこれらへの悪影響を抑制することもできて、吹出熱風温度低下装置1の安心かつ安全な設置が可能になる。
【0058】
このように、前記実施形態における、吹出熱風温度低下装置1を構成する設置部材4やパイプ部材5及び通気性フィルター部材6の形態、及び吹出熱風温度低下装置1へのドレンホース9の取付形態等は一例であって、前記実施形態と同等の作用効果が得られかつ本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、家庭用エアコンへの適用に限らず、各種店舗等の事業所用エアコン等、室外機と室内機を備える全てのエアコンに利用できる。
【符号の説明】
【0060】
1・・・吹出熱風温度低下装置、2・・・室外機、2a・・・熱交換器、2b・・・ファン、2c・・・圧縮器、2e・・・吹出口、2f・・・上面、2g・・・前面、3・・・室内機、3a・・・熱交換器、3b・・・ファン、3c・・・ドレンパン、4・・・設置部材、4a・・・開口、5・・・パイプ部材、5a・・・円形パイプ、5a1・・・上部空間、5a2・・・下部空間、5b、5c・・・開口、6・・・通気性フィルター部材、6a・・・外枠、6a1・・・開口、6b・・・フィルター素材、6b1・・・糸材、7・・・隔壁板、7a・・・開口、9・・・ドレンホース、14・・・支持部材、16・・・隙間、d・・・間隔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
ところで、近年、地球の温暖化が進み、各地で外気温上昇等の異常気象が発生しており、その対策が世界的規模で検討されている。特に、近年外気温の上昇による熱中症が多発し、その対策としてエアコンの冷房使用が必要不可欠となっている。このような情勢の中、出願人は、略全ての家庭に普及している家庭用エアコンの冷房や除湿運転時に、エアコンの室外機から吹き出される(放出される)熱風の温度を、エアコン性能を低下させることなく少しでも低くすることができたら、熱中症対策と同時に外気温の低下にも寄与できるのではないかという考えの基に、現在何等利用されていないドレン水の有効利用について鋭意研究し、本発明に至ったものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置は、エアコン室外機の所定位置に取付可能な設置部材と、該設置部材に連設されエアコン室内機に基端が接続されたドレンホースの先端が接続されてドレンホース内のドレン水が供給される所定長さのパイプ部材と、該パイプ部材の下方に略垂直状態で配設されて前記パイプ部材内に供給されるドレン水が流下可能な通気性フィルター部材を備え、前記パイプ部材は、その内部に所定形態の流下口を有する隔壁板を配設することにより、当該パイプ部材の内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、前記隔壁板の流下口と前記下部空間の底面部に形成されるドレン水の流下口の位置が上下方向で互いに異なるように設定され、前記パイプ部材の底面部に所定の形態で設けたドレン水の流下口から前記通気性フィルター部材にドレン水を流下させることにより、前記エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記通気性フィルター部材が、所定厚さの不織布、編目状部材もしくは蜂の巣状部材で形成されていることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、請求項5に記載の吹出熱風温度低下装置を具備したエアコン室外機は、熱交換器と圧縮機及びファンが内蔵され、エアコン室内機の熱交換器との間で冷媒と圧縮機を使い熱移動させて冷暖房を行うエアコン室外機であって、前記ファン前方の筐体に設けられた吹出口の内外の少なくとも一方に、前記吹出口から吹き出される熱風の温度を前記エアコン室内機から排水されるドレン水を利用して冷却可能で前記ドレン水を排水するドレンホースの先端が接続可能な吹出熱風温度低下装置が一体的に配設され、前記吹出熱風温度低下装置は、内部に所定形態の流下口を有する隔壁板を配設することにより内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、前記隔壁板の流下口と前記下部空間の底面部に形成されるドレン水の流下口の位置が上下方向で互いに異なるように設定された所定長さのパイプ部材と、該パイプ部材の底面部の下方に略垂直状態で配設された通気性フィルター部材を有することを特徴とする
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明のうち請求項1に記載のエアコン室外機の熱風吹出温度低下装置によれば、設置部材とパイプ部材及び通気性フィルター部材を備えて、パイプ部材の底面部に所定形態で設けたドレン水の流下口から通気性フィルター部材にドレン水を流下させることにより、エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されているため、エアコンのドレンホースから排水されるドレン水を有効利用して、室外機から吹き出される熱風の温度を低下させることができる等、エアコン室外機による外気温の上昇抑制等に寄与することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
さらに、パイプ部材の内部に流下口を有する隔壁板を配設することにより、パイプ部材の内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、隔壁板と下部空間の底面部の各流下口の位置が上下方向等で互いに異なるように設定されているため、パイプ部材の上部空間内に供給されたドレン水を下部空間内に分散状態で流下しつつ、下部空間の底面部から下方の通気性フィルター部材の上面全域にドレン水を良好に流下できて、熱風の温度低下効率をより向上させることができる
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、設置部材が、エアコン室外機の上面に設置可能な略平板状の板状体で形成され、この板状体の前端部にパイプ部材が略水平状態で配設されているため、吹出熱風温度低下装置をエアコン室外機の上面を利用して簡単に例えば着脱可能に設置できる等、設置部材の設置の容易化及び汎用性とメンテナンスの容易化等を図ることができる
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、設置部材としての板状体が、遮熱機能か保護機能あるいは外観向上機能の少なくとも一つの機能を有するため、所定形態の板状体を使用することで、エアコン室外機に従来にない遮熱効果や保護効果及び意匠効果等を得ることができる
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、通気性フィルター部材が、不織布、編目状部材もしくは蜂の巣状部材形成されているため、所定形態のフィルター部材を使用することで、パイプ部材から流下するドレン水の通気性フィルター部材の通過時間を長くすること等ができて、熱風の温度低下の効率を一層向上させることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、請求項5に記載の吹出熱風温度低下装置を具備したエアコン室外機によれば、ファン前方の筐体に設けられた吹出口の内外の少なくとも一方に、吹出口から吹き出される熱風の温度を室内機から排水されるドレン水を利用して冷却可能な吹出熱風温度低下装置が一体的に配設されているため、請求項1に記載の発明と同様に、ドレン水を有効利用して室外機から吹き出される熱風の温度を低下させることができ、エアコン室外機による外気温の上昇抑制等に寄与したり、ドレンホースによる各種不具合発生を一挙に解決することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、吹出熱風温度低下装置がパイプ部材と通気性フィルター部材を有し、パイプ部材内にドレンホースからドレン水が供給されると共に、パイプ部材内のドレン水がパイプ部材の底面部に設けた流下口から通気性フィルター部材に供給されるため、エアコン室外機の筐体に吹出熱風温度低下装置をコンパクトに内蔵等ができて、同室外機の大型化や外観の低下を防止することができると共に、予め吹出熱風温度低下装置が筐体に一体的に組み付けられているため、当該室外機の設置作業等を従来と略同様に行うことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコン室外機の所定位置に取付可能な設置部材と、該設置部材に連設されエアコン室内機に基端が接続されたドレンホースの先端が接続されてドレンホース内のドレン水が供給される所定長さのパイプ部材と、該パイプ部材の下方に略垂直状態で配設されて前記パイプ部材内に供給されるドレン水が流下可能な通気性フィルター部材を備え、
前記パイプ部材は、その内部に所定形態の流下口を有する隔壁板を配設することにより、当該パイプ部材の内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、前記隔壁板の流下口と前記下部空間の底面部に形成されるドレン水の流下口の位置が上下方向で互いに異なるように設定され、
前記パイプ部材の底面部に所定の形態で設けたドレン水の流下口から前記通気性フィルター部材にドレン水を流下させることにより、前記エアコン室外機の吹出口から吹き出される熱風の温度が低下可能に構成されていることを特徴とするエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項2】
前記設置部材は、前記エアコン室外機の上面に設置可能な略平板状の板状体で形成され、該板状体の前端部に前記パイプ部材が略水平状態で配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項3】
前記板状体は、前記エアコン室外機の上面の温度上昇を抑制可能な遮熱機能か、前記上面を保護可能な保護機能か、あるいは前記上面に意匠的効果が得られる外観向上機能の少なくとも一つの機能を有することを特徴とする請求項2に記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項4】
前記通気性フィルター部材は、所定厚さの不織布、編目状部材もしくは蜂の巣状部材で形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエアコン室外機の吹出熱風温度低下装置。
【請求項5】
熱交換器と圧縮機及びファンが内蔵され、エアコン室内機の熱交換器との間で冷媒と圧縮機を使い熱移動させて冷暖房を行うエアコン室外機であって、
前記ファン前方の筐体に設けられた吹出口の内外の少なくとも一方に、前記吹出口から吹き出される熱風の温度を前記エアコン室内機から排水されるドレン水を利用して冷却可能で前記ドレン水を排水するドレンホースの先端が接続可能な吹出熱風温度低下装置が一体的に配設され、
前記吹出熱風温度低下装置は、内部に所定形態の流下口を有する隔壁板を配設することにより内部が上部空間と下部空間の上下二層構造で構成されると共に、前記隔壁板の流下口と前記下部空間の底面部に形成されるドレン水の流下口の位置が上下方向で互いに異なるように設定された所定長さのパイプ部材と、該パイプ部材の底面部の下方に略垂直状態で配設された通気性フィルター部材を有することを特徴とする吹出熱風温度低下装置を具備したエアコン室外機