IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社oneAの特許一覧

<>
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図1
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図2
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図3
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図4A
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図4B
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図5A
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図5B
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図5C
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図6
  • 特開-施設の利用状況表示システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041592
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】施設の利用状況表示システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220304BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20220304BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220304BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
A63F7/02 328
A63F5/04 683
A63F5/04 682
A63F5/04 603A
H04M11/00 301
H04Q9/00 311J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146882
(22)【出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA27
2C088CA28
2C088CA31
2C182CE01
2C182EA03
2C182EA12
2C182EA16
2C182EB01
5K048BA34
5K048EB12
5K048FB01
5K048FB05
5K048HA21
5K201BA02
5K201BA18
5K201CC08
5K201CC10
5K201EC06
5K201EF09
(57)【要約】
【課題】複数の施設の混雑状況を同時かつ即座に把握できるようにする。
【解決手段】施設利用状況表示システムは、管理コンピュータ1と遊技情報表示装置4とを備える。管理コンピュータ1が、所定の時間毎にそれぞれの施設の利用状況を示す利用状況情報を取得し、当該複数の施設の利用状況を各遊技情報表示装置に通知する。遊技情報表示装置4では、操作部43を介して施設の利用状況を表示させるための利用状況表示操作を受け付けた場合に、表示画面Wに遊技場のフロアマップMP及び当該フロアマップMPに掲載されている各施設の利用状況を表示させる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設が設けられた遊技場において当該施設の利用状況を表示させるための利用状況表示システムであって、
前記複数の施設のそれぞれに設けられた利用状況確認センサから出力されたそれぞれの前記施設の利用状況を示す利用状況情報をネットワークを介して受信する管理コンピュータと、
前記管理コンピュータと各遊技機との間にそれぞれ設けられ、前記遊技機の遊技情報を表示させるための複数の遊技情報表示装置とを備え、
前記遊技情報表示装置は、前記遊技機の遊技情報を表示させるための表示部と、前記遊技場のフロアマップが格納された記憶部と、前記表示部の表示を切り替えるための操作部とを有し、
前記管理コンピュータが、所定の時間毎に前記利用状況情報を取得し、
前記遊技情報表示装置が、前記操作部を介して前記施設の利用状況を表示させるための利用状況表示操作を受け付けた場合に、前記表示部に前記フロアマップを表示させ、かつ、当該フロアマップに掲載されている前記複数の施設に前記管理コンピュータから受信したそれぞれの最新の前記利用状況情報を表示させる、利用状況表示システム。
【請求項2】
前記遊技情報表示装置の記憶部には、互いに異なる複数のフロアについての前記フロアマップが記憶され、
前記遊技情報表示装置は、前記操作部を介して前記利用状況表示操作を受け付けた場合に、前記複数のフロアマップのうち、当該遊技情報表示装置が設置されている設置フロアの設置フロアマップ、または、当該遊技情報表示装置に事前に登録された登録フロアマップを最初に表示させる、請求項1に記載の利用状況表示システム。
【請求項3】
前記遊技情報表示装置の記憶部には、互いに異なる複数のフロアについての前記フロアマップが記憶され、
前記遊技情報表示装置では、前記操作部を介して、前記表示部に表示させる前記フロアマップを切り替える切替操作ができるように構成されている、請求項1に記載の利用状況表示システム。
【請求項4】
前記操作部は、前記表示部の表示を、前記フロアマップの表示画面から利用者が休憩中であることを示す休憩画面に切り替える切替操作部を含む、請求項1から3のいずれかに記載の利用状況表示システム。
【請求項5】
前記遊技情報表示装置は、前記利用状況表示操作を受け付けた場合に、前記表示部に前記フロアマップとともに前記遊技機の遊技情報を表示させる、請求項1から4のいずれかに記載の利用状況表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場において、遊技機に対応して設けられた遊技情報表示装置に遊技場内の施設の利用状況(混雑状況を含む、以下同じ)を表示させるための利用状況表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物内のトイレの混雑状況について、利用者に利用状況情報を提供する装置やシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、通信機能を持つトイレ・洗面所の使用者を検知できる設備機器をネットワーク接続し、その動作状況や動作間隔からそこのトイレルームの利用状況や、混雑度合いを判断して、その情報を遠方より知ることができるトイレ利用状況判断装置が示されている。
【0004】
特許文献2には、各トイレの個室に関する最新使用状況と直近期間に関する直近使用状況とから個室使用可能予測数を計算し、トイレ使用可能予測数を示すトイレナビゲーション画面を利用者端末へ配信する技術が示されている。
【0005】
特許文献3には、遊技場や飲食店などにおいて、離れた場所から喫煙エリアの情報を確認することができる喫煙エリアシステムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-171969号公報
【特許文献2】特開2018-009289号公報
【特許文献3】特開2020-084606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のシステムには改善の余地があった。
【0008】
例えば、特許文献1では、案内図が記載された表示板の各トイレ表示部付近にランプ等の表示器を埋め込んで対応したり、それら全体を画面で構成して表示パネルで表示させたりする例が示されているが、利用者が施設の使用状況を確認するために、表示装置の設置場所まで見に行く必要があり、面倒であるという問題がある。また、遊技場の通路に表示装置を設置すると、災害時の避難誘導の妨げになる恐れがある。
【0009】
また、特許文献2では、利用者(遊技場では利用者)の携帯端末装置を利用して施設の使用状況を表示させるが、利用者がトイレの利用状況の確認だけのために遊技を行う店舗毎にWebサイトからアプリをインストールして利用することは利便性やセキュリティーの問題もあり考えにくい。
【0010】
引用文献3は、設置場所として遊技場が想定されたシステムではあるが、複数の施設については想定されていない。また、遊技場内のどこに喫煙エリアがあるのかを知らない利用者にとって、利便性が高いとはいえず、改善の余地があった。
【0011】
上記の点に鑑み、本発明は、上記問題を解決しつつ、遊技場の利用者の離席時間をできるだけ短くして遊技台の稼働率向上につなげることを目的とする。さらに、感染症対策として、遊技場内の3密(密室、密着、密接)を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1態様は、複数の施設が設けられた遊技場において当該施設の利用状況を表示させるための施設利用状況表示システムに関し、施設利用状況表示システムは、前記複数の施設のそれぞれに設けられた利用状況確認センサから出力されたそれぞれの前記施設の利用状況情報をネットワークを介して受信する管理コンピュータと、前記管理コンピュータと各遊技機との間にそれぞれ設けられ、前記遊技機の遊技情報を表示させるための複数の遊技情報表示装置とを備え、前記遊技情報表示装置は、前記遊技機の遊技情報を表示させるための表示部と、前記遊技場のフロアマップが格納された記憶部と、前記表示部の表示を切り替えるための操作部とを有し、前記管理コンピュータが、所定の時間毎に前記複数の施設の前記利用状況情報を取得し、前記遊技情報表示装置が、前記操作部を介して前記施設の利用状況を表示させるための利用状況表示操作を受け付けた場合に、前記表示部に前記フロアマップを表示させ、かつ、当該フロアマップに掲載されている前記複数の施設に前記管理コンピュータから受信したそれぞれの最新の前記利用状況情報を表示させる。
【0013】
ここで、「複数の施設」には、例えば、遊技場内に設置されたトイレ、喫煙室、休憩室(休憩スペース)、飲食店(飲食スペース)、精算カウンター、案内カウンターなどが含まれる。
【0014】
また、「利用状況確認センサ」には、例えば、施設内を撮影するカメラ、人感センサ、ドアの開閉センサ、マグネットセンサなどが含まれる。
【0015】
上記態様によると、遊技場の利用者(以下、単に利用者という)が離席せずに、遊技情報表示装置の表示画面でトイレ、休憩室などの利用状況を確認できるので、利用者の不必要な離席や、長時間の離席を回避することができ、遊技機の稼働率の向上につなげることができる。具体的には、従来は、例えば、喫煙室を利用する人が喫煙室に向かい、喫煙室がいっぱいの場合、喫煙室の前で空くのを待ち、出てくる人と入れ替わり喫煙室を利用することになる。そうすると、利用者の離席時間を長くさせることになり遊技台の稼働率を低下させる要因となる。しかしながら、本態様のシステムを導入することで、利用者は、喫煙室に行くタイミングをずらしたり、他の施設の訪問順序を変更することが想定され、利用者の不必要な離席や、長時間の離席を回避することができる。また、利用者は、フロアマップに掲載された複数の施設(休憩所およびトイレなど)の利用状況について同時にかつ即座に確認することができるので、利用者の利便性の向上を図ることができる。また、混雑している施設を回避するための情報を遊技機を離席させることなく利用者に提供することで、空いている他の施設(種類の異なる施設を含む)に利用者を誘導させることができる。これにより、感染症対策として、遊技場内の3密(密室、密着、密接)を防ぐ目的にもつながる。
【0016】
上記態様の施設利用状況表示システムにおいて、前記遊技情報表示装置の記憶部には、ビルのように複数階を有する店舗の場合、互いに異なる複数のフロアについての前記フロアマップが記憶され、前記遊技情報表示装置は、前記操作部を介して前記利用状況表示操作を受け付けた場合に、前記複数のフロアマップのうち、当該遊技情報表示装置が設置されている設置フロアの設置フロアマップ、または、当該遊技情報表示装置に事前に登録された登録フロアマップを最初に表示させる、ように構成されていてもよい。
【0017】
これにより、利用者は、最初に自分が遊技しているフロアの情報を確認することができるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0018】
上記態様の施設利用状況表示システムにおいて、前記遊技情報表示装置の記憶部には、互いに異なる複数のフロアについての前記フロアマップが記憶され、前記遊技情報表示装置では、前記操作部を介して、前記表示部に表示させる前記フロアマップのフロアを切り替える切替操作ができるように構成されていてもよい。
【0019】
これにより、複数のフロアがある遊技場においても、利用者が遊技機から離席せずに、遊技情報表示装置から遊技場内の異なるフロアの施設の利用状況について即座に確認することができる。
【0020】
上記態様の施設利用状況表示システムにおいて、前記操作部は、前記表示部の表示を、前記フロアマップの表示画面から利用者が休憩中であることを示す休憩画面に切り替える切替操作部を含む、としてもよい。
【0021】
これにより、利用者が施設の利用状況を確認して、施設に向かう場合に、すぐに休憩表示に切り替えることができるので、利用者の利便性を高めることができる。
【0022】
上記態様の施設利用状況表示システムにおいて、前記遊技情報表示装置は、前記利用状況表示操作を受け付けた場合に、前記表示部に前記フロアマップとともに前記遊技機の遊技情報を表示させる、としてもよい。
【0023】
これにより、利用者が、遊技情報表示装置で遊技機の遊技情報を確認して遊技を楽しみつつ、施設の利用状況を確認することができるようになる。すなわち、利用者の利便性を高めるとともに、遊技台の稼働率向上につなげることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、利用者の離席時間をできるだけ短くして遊技台の稼働率向上につなげることができる。上記に加えて、利用者の利便性向上や感染症対策も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】施設利用状況表示システムを含む全体構成のイメージ図
図2】管理コンピュータと遊技情報表示装置の接続例を示すイメージ図
図3】管理コンピュータ及び遊技情報表示装置のブロック図
図4A】遊技情報表示装置にフロアマップを表示させた例を示す正面図
図4B】遊技情報表示装置に休憩画面を表示させた例を示す正面図
図5A】遊技情報表示装置に遊技情報を表示させた例を示す正面図
図5B】遊技情報表示装置にフロアマップを表示させた例を示す正面図
図5C】遊技情報表示装置に遊技情報及びフロアマップを表示させた例を示す正面図
図6】施設利用状況表示システムの動作例を示すフローチャート
図7】フロアマップの他の表示画面例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。また、以下の説明では、本発明に関連のある構成を中心に説明をするものとする。
【0027】
<施設利用状況表示システムの構成>
図1は、施設利用状況表示システムを含む全体構成のイメージ図を示し、図2は、管理コンピュータと遊技情報表示装置の接続例を示す。
【0028】
図1及び図2に示すように、施設利用状況表示システムは、管理コンピュータ1と、管理コンピュータ1と各遊技機32との間にそれぞれ設けられた複数の遊技情報表示装置4とを備える。
【0029】
図2に示すように、パチンコホール等の遊技場には、遊技場の管理を行うための管理コンピュータ1と、中継ユニット21を介して管理コンピュータ1と双方向通信可能に接続された複数の島管理ユニット22とを備える。島管理ユニット22は、遊技島Gごとに設けられている。遊技島Gでは、複数の遊技機ユニット3が通路に沿って横並びに並べて配置され、かつ、2つの通路の間では遊技機ユニット3同士が背中あわせになるように配置される。
【0030】
遊技機ユニット3は、遊技機32(例えば、パチンコ機、パチスロ機)と、該遊技機32の遊技情報や該遊技機32に対応したキャラクター画像等を表示する前述の遊技情報表示装置4と、入出力装置31とを備える。入出力装置31は、遊技機32および遊技情報表示装置4と、島管理ユニット22との間に設けられる。遊技機32から出力された遊技情報は、入出力装置31を経由して遊技情報表示装置4に入力される。なお、入出力装置31の機能を遊技情報表示装置4に内蔵させてもよい。
【0031】
図1に示すように、管理コンピュータ1は、インターネットなどのネットワークを介してクラウドサーバCSに接続される。遊技場には、トイレ、喫煙室、休憩室(休憩スペース)、飲食店(飲食スペース)、精算カウンター、案内カウンターなどの複数の施設がある。図1の例では、遊技場に、3つのトイレP1~P3と、2つの休憩室R5,R6が設けられ、それぞれが、ネットワークを介してクラウドサーバCSに接続された例を示す。以下の説明では、複数のトイレを区別しないで説明するときに単にトイレPと記載する場合があり、複数の休憩室を区別しないで説明するときに単に休憩室Rと記載する場合がある。
【0032】
それぞれのトイレPには、複数の個室PLが設けられ、各個室PLにドアの開閉状態を検知するための開閉センサDが取り付けられている。各開閉センサDで検知された各個室PLのドアの開閉状態、すなわち、各個室PLの利用状況は、ゲートウェイGWを介してクラウドサーバCSに送信される。開閉センサDは、施設の利用状況を確認するための利用状況確認センサの一例である。なお、トイレPに設置する利用状況確認センサは、開閉センサDに限定されず、開閉センサDに加えてまたは代えて、人感センサやカメラ、マグネットセンサのような他のセンサを用いてもよい。なお、開閉センサDには、従来から知られている構成を採用でき、ここではその詳細説明を省略する。
【0033】
それぞれの休憩室Rには、休憩室Rの利用者数を検知するために、休憩室R内の様子を撮影するカメラCが設けられている。カメラCで撮影された各休憩室Rの画像(映像を含む)は、ゲートウェイGWを介してクラウドサーバCSに送信される。カメラCは、前述の利用状況確認センサの一例である。なお、休憩室Rに設置する利用状況確認センサは、カメラCに限定されず、カメラCに加えてまたは代えて、人感センサのような他のセンサを用いてもよい。
【0034】
管理コンピュータ1とクラウドサーバCSとの間は、例えば、HTTP通信で接続される。例えば、クラウドサーバCSでは、開閉センサDの検知結果やカメラCでの撮影結果に基づいて各施設(トイレPや休憩室R)の利用状況を把握できるように構成されている。そして、管理コンピュータ1は、所定の時間毎に、定期的にクラウドサーバCSから、複数の施設(図1ではトイレP及び休憩室R)の利用状況を示す利用状況情報を取得する。施設の利用状況情報は、例えば、各施設の利用人数の情報であったり、最大許容人数に対する利用人数の割合の情報であったりする。なお、管理コンピュータ1は、クラウドサーバCSを介さずに、複数の施設(図1ではトイレP及び休憩室R)から利用状況確認センサの出力(開閉センサDの検知結果やカメラCでの撮影結果)を直接受信するようにしてもよい。なお、クラウドサーバCSは、管理コンピュータ1に加えて、遊技場に設けられたサイネージ7や、管理コンピュータ1とは別に設けられた管理サーバー8に利用状況情報を送信するように構成されていてもよい。
【0035】
図3に示すように、管理コンピュータ1は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、表示部16と、入力部17とを備える。
【0036】
通信部11は、クラウドサーバCSに接続され、前述のとおり、定期的にクラウドサーバCSから、複数の施設の利用状況を示す利用状況情報を取得する。通信部11で受信された利用状況情報は、記憶部13に記憶される。
【0037】
記憶部13には、遊技場のフロアマップMPが格納されている。遊技場が複数のフロアを有している場合には、複数のフロアについてのフロアマップMPが格納されている。ここで、複数のフロアとは、遊技場がビルのように複数階を有する店舗の場合に階ごとに設定されてもよいし、例えば、遊技場が広い場合等において、同じ階をいくつかのフロア領域に区画して複数のフロアとしてもよい。
【0038】
制御部12は、記憶部13に格納されたプログラムを実行することで、通信部11、表示部16等、管理コンピュータ1の各構成要素を制御する。例えば、遊技場の管理者は、管理コンピュータ1の表示部16の表示画面を確認しながら入力部17を操作することにより、フロアマップMPと施設の利用状況情報との紐づけ作業を行うことができるようになっている。入力部17は、キーボードやマウスを含み、表示部16がタッチパネルの場合、表示部16と一体に構成される。
【0039】
具体的には、管理者は、入力部17を操作して、遊技情報表示装置4の表示画面を設定するための表示画面設定ソフトウェアを起動し、各トイレPの開閉センサDや休憩室RのカメラCの利用状況を表示させるための識別子QをフロアマップMP上の施設の位置に配置する。制御部12では、上記の管理者の操作を受けて、フロアマップMP上の座標位置に識別子Qを紐づけて表示させる。これにより、施設の利用状況情報が受信された際に、それぞれの施設に、各施設の利用状況情報を紐づけできるようになっている。制御部12での処理の結果は、記憶部13に保存される。表示部16には、上記各ソフトウェアに係る操作画面および編集画面等の各種表示が行われる。フロアマップMPへの識別子の表示については、図4A図5B及び図5Cに例示しており、後ほど説明する。
【0040】
遊技情報表示装置4は、通信部41と、表示部42と、操作部43と、制御部44と、記憶部45とを備える。
【0041】
通信部41は、入出力装置31等を介して管理コンピュータ1との間で情報通信する機能を有する。具体的に、通信部41は、管理コンピュータ1もしくは島管理ユニット22からの指示を受けまたは自機内での処理に基づいて管理コンピュータ1や島管理ユニット22に遊技情報や呼出情報を送信したり、管理コンピュータ1からフロアマップMPや施設の利用状況情報等を受信したりする機能を有する。通信部41に受信された情報は、記憶部45に格納される。フロアマップMPは、例えば、遊技場が閉店している間に、管理コンピュータ1から各遊技情報表示装置4に送信される。このように、フロアマップMPをあらかじめ送信しておくことによって、遊技場の開店時間中は、施設の利用状況情報のみを更新すればよくなるので、管理コンピュータ1と各遊技情報表示装置4との通信量を削減することができる。遊技情報表示装置4に格納されているフロアマップMPは、管理コンピュータ1から受信された時点では、管理コンピュータ1のものと同じである。なお、図示しないが、格納先の遊技情報表示装置4の位置や、その遊技情報表示装置4の属する遊技島Gがわかるような表示がフロアマップMPにされてもよい。例えば、遊技島Gの色を変えたり、利用者の位置を示すような識別子を配置することで対応できる。そうすることで、利用者は、遊技している遊技機32から各施設への経路が把握しやすくなる。後述する図5Cでは、遊技島Gのうち、遊技情報表示装置4の属する遊技島G1がわかるように表示されている例を示している。
【0042】
図4(4A,4B)には、遊技情報表示装置4の構成例を示す。以下では、図4A図4Bをまとめて図4と称することがある。
【0043】
図4の例において、表示部42は、7セグメントディスプレイ421と液晶ディスプレイ422とが左右に並べて配置され、その周囲が逆U字状の発光部49で囲まれた構成を有する。7セグメントディスプレイ421には、制御部44の制御を受けて、遊技機32の遊技情報を示す数値データが数字を用いて表示される。遊技情報は、通信部41を介して遊技機32から受信された稼働データなどに基づいて制御部44において作成される情報である。液晶ディスプレイ422は、制御部44の制御を受けて、その表示内容を自由に設定することができる。液晶ディスプレイ422の液晶表示画面には、例えば、7セグメントディスプレイ421に表示される数値データ以外の遊技情報(例えば、スランプグラフやスタート回数履歴グラフのようなグラフデータや大当たり中の演出画像を含む)、図4Aに示すフロアマップMP、図4Bに示す利用者が休憩中であることを示す休憩画面、遊技場のイベント情報などが表示される。
【0044】
図4Aのフロアマップ情報では、左右2列で図面縦方向に並べて配置された複数の遊技島Gと、4つのトイレP1~P4が設けられたフロアについての表示例を示している。図4Aにおいて、各トイレP1~P4の近傍には、それぞれのトイレP1~P4の利用状況を表示する識別子Q1~Q4が表示されている。識別子Q1~Q4に表示させる施設の利用状況情報は、管理コンピュータ1が主体となって定期的に更新されてもよいし、利用者から後述するマップ呼出ボタン433の操作等があった場合に、それに応じて遊技情報表示装置4から管理コンピュータ1に情報の更新リクエストを送信し、そのリクエストに応じて施設の利用状況情報が更新されるようにしてもよい。なお、以下の説明では、識別子Q1~Q4について、特に区別しない場合、単に識別子Qと呼ぶものとする。後述する図5の説明についても同様である。
【0045】
ここで、識別子Qの表示形態は、特に限定されない。例えば、図4図5に示されるように、空きがあることを示す「空」、やや混雑していることを示す「混」、満室であることを示す「満」のように、文字で施設の利用状況が表現されていてもよい。より具体的には、例えば、施設として5人入れる喫煙ブースがあった場合に、2人しか入っていなければ「空」を表示し、5 人入っていれば「満」を表示し、4人なら「混」を表示するといった設定がされる。なお、識別子Qとして、図6に示すように、アイコンなどの図形や記号、数字を用いて施設の利用状況が表示されてもよい。また、図6のように、人の識別子を表示させ、その表示される人数を異ならせたり、色を変えることで施設の利用状況を示すようにしてもよい。
【0046】
図4において、操作部43は、正面視において、遊技情報表示装置4の左下端部に設けられた呼出ボタン431と、遊技情報表示装置4の右下部に横並びに配置された休憩ボタン432、マップ呼出ボタン433及び設定ボタン434とを備える。呼出ボタン431は、利用者がホールスタッフを呼び出すために用いられる。休憩ボタン432は、切替操作部の一例であり、休憩画面を表示させるために用いられる。マップ呼出ボタン433は、フロアマップMPを呼びたすために用いられる。設定ボタン434は、利用者が数値データ以外の遊技情報の表示内容を切り替えるために用いられる。図4Bは、休憩ボタン432が押された際に表示される休憩画面の一例であり、操作部43としての休憩解除ボタン(「通常へ戻る」と記載)が液晶ディスプレイ422(タッチパネル)上に設けられた例を示している。なお、休憩解除ボタンは、休憩ボタン432、マップ呼出ボタン433及び設定ボタン434のように機械スイッチであってもよい。
【0047】
図5(5A,5B)には、遊技情報表示装置4の他の構成例を示す。以下の説明では、図4との相違点を中心に説明するものとする。また、図5A図5B及び図5Cをまとめて図5と称することがある。
【0048】
図5において、表示部42は、例えば、一部または全部がタッチパネルに対応した液晶ディスプレイ423を有する。液晶ディスプレイ423の表示画面には、図4の7セグメントディスプレイ421及び液晶ディスプレイ422に表示されていた情報が表示される。操作部43は、図4とほぼ同じ機能のボタンが図4とほぼ同じような場所に設けられている。なお。図5では、休憩ボタン432、マップ呼出ボタン433及び設定ボタン434の一部が液晶ディスプレイ423の表示画面にタッチパネルとして設けられている点が図4と異なる。または、図5では、発光部49の位置と形状が図4と若干異なる。
【0049】
図5Aは、通常時の通常画面NW、すなわち、利用者が遊技中の画面例である。そして、通常画面NWの表示中に、例えば、利用者によってマップ呼出ボタン433が押されると、図5BのフロアマップMPの表示に切り替わるようになっている。すなわち、遊技情報表示装置4では、マップ呼出ボタン433が押されたことを検知した場合に、表示部42にフロアマップMPを表示させる。また、フロアマップMPに掲載されている複数の施設に管理コンピュータ1から受信したそれぞれの最新の利用状況情報を表示させることができるようになっている。図4の例についても同様である。
【0050】
例えば、図5BのフロアマップMPでは、上下2列で図面横方向に遊技島Gが並べて設けられており、フロアに施設が10施設ある例を示している。具体的には、図5Bの遊技場には、4つのトイレP1~P4と、4つの休憩室R5~R8と、精算カウンターR9と、飲食店R10とがある。そして、図5BのフロアマップMPにおいて、それぞれの施設の近傍には、利用状況を示す識別子Qが表示されている。図5Bにおいて、Q1~Q4は図4と同様にトイレP1~P4の利用状況をそれぞれ示している。そして、Q5~Q8はそれぞれ休憩室R5~R8の利用状況、Q9は精算カウンターR9の利用状況、Q10は飲食店R10の利用状況をそれぞれ示す。また、図5Bでは、操作部43の一部の操作ボタンがタッチパネルで構成されているので、図5Bのフロアマップの表示画面では、フロアマップMPを変更する「前ページ」「次ページ」という操作ボタン435,436と、通常画面に戻るための戻るボタン437とが設けられている。
【0051】
なお、図5Bにおいても、識別子Q(Q1~Q10)に表示させる施設の利用状況情報の更新は、図4Aと同様であり、管理コンピュータ1が主体となって定期的に更新されてもよいし、マップ呼出ボタン433の操作等に基づいて更新されるようにしてもよい。
【0052】
また、図5Cに示すように、遊技情報表示装置4でマップ呼出ボタン433が押されたことが検知された場合に、図5Aの通常画面NWで表示されていた遊技情報と、フロアマップMPとが並べて表示されるようにしてもよい。図5Cの例では、液晶ディスプレイ423の左側の領域A1に遊技情報が表示され、右側の領域A2にフロアマップMPが表示されている。
【0053】
次に、図7を参照しつつ、利用状況表示システムの動作について説明する。図7の例では、遊技場には4つのフロアがあり、第1フロアマップから第4フロアマップの4つのフロアマップが用意されているものとする。
【0054】
まず、ステップS1では、表示部42には、図5Aに示されるような通常画面が表示される。そして、マップ呼出ボタン433が押されると、処理はステップS2に進み、表示部42には、1つ目のフロアマップMP(第1フロアマップ)が表示される。このフロアマップMPの識別子Qには、最新の施設利用状況が反映される。最初に表示させるフロアマップMPは、例えば、複数のフロアマップ(ここでは4つ)のうち、マップ呼出ボタン433が操作がされた遊技情報表示装置4が設置されているフロアのマップ(設置フロアマップに相当)である。これにより、利用者に対して、その利用者が遊技しているフロアの情報を最初に提示することができる。なお、最初に表示させるフロアマップMPはこれに限定されない。例えば、遊技情報表示装置4に事前に登録された登録フロアマップを最初に表示させるようにしてもよい。登録フロアマップは、特に限定されないが、例えば、遊技場が複数階からなるような場合に、最も低層階を登録フロアマップとしてもよいし、案内カウンターや精算カウンターがある場所を登録フロアマップとしてもよい。また、前述のとおり、フロアマップに利用者の位置や遊技機32の位置を示す表示(識別子など)がされてもよい。
【0055】
ステップS2において、操作部43が操作されていない状態で20秒が経過するか、戻るボタン437が押されると、処理はステップS1に戻り、表示部42には通常画面が表示される。なお、後述するステップS3~S5においても、操作部43が操作されていない状態で20秒が経過するか、戻るボタン437が押されると、処理はステップS1に戻り、表示部42には通常画面が表示される。
【0056】
また、ステップS2において、休憩ボタン432が押されると、処理はステップS6に進み、表示部42には休憩画面(図4B参照)が表示される。利用者は、フロアマップMPの表示画面を見ながら、休憩するかどうかを検討し、休憩する場合には、そのまま休憩ボタン432を押して休憩にはいることができるようになっている。このように、利用者が施設の利用状況を確認し、施設に向かう場合には、すぐに休憩表示に切り替えることができるので、利用者の利便性を高めることができる。なお、後述するステップS3~S5においても、休憩ボタン432が押されると、処理はステップS6に進み、表示部42には休憩画面(図4B参照)が表示される。
【0057】
ステップS2において、次のフロアマップに進むことを示す操作ボタン436(以下、次ページボタン436という)が押されると、処理はステップS3に進み、2つ目のフロアマップMP(第2フロアマップ)が表示される。
【0058】
ステップS3において、次ページボタン436が押されると、処理はステップS4に進み、3つ目のフロアマップMP(第3フロアマップ)が表示される。また、ステップS3において、前のページに戻ることを示す操作ボタン435(以下、前ページボタン435という)が押されると、処理はステップS2に戻り、第1フロアマップMPが表示される。
【0059】
同様に、ステップS4において、次ページボタン436が押されると、処理はステップS5に進み、4つ目のフロアマップMP(第4フロアマップ)が表示される。また、ステップS4において、前ページボタン435が押されると、処理はステップS3に戻り、第2フロアマップMPが表示される。
【0060】
図示しないが、ステップS5では、次ページがないので、次ページボタンは表示されない。そして、ステップS5において、前ページボタン435が押されると、処理はステップS4に戻り、第3フロアマップMPが表示される。
【0061】
以上のように、本実施形態によると、管理コンピュータ1が、所定の時間毎に複数の施設の利用状況情報を取得する。そして、遊技情報表示装置4が、操作部43を介して施設の利用状況を表示させるための利用状況表示操作を受け付けた場合に、表示部42にフロアマップMPを表示させ、かつ、フロアマップMPに掲載されている複数の施設に管理コンピュータ1から受信したそれぞれの施設の最新の利用状況情報を表示させるようになっている。
【0062】
これにより、利用者が離席せずに、遊技情報表示装置の表示画面でトイレ、休憩室などの利用状況を確認できるので、利用者の不必要な離席や、長時間の離席を回避することができ、遊技機32の稼働率の向上につなげることができる。また、利用者の利便性を向上させるとともに、遊技場内の3密(密室、密着、密接)を防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、複数の施設の混雑状況を同時かつ即座に把握できるので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0064】
1 管理コンピュータ
4 遊技情報表示装置
32 遊技機
42 表示部
43 操作部
45 記憶部
432 休憩ボタン(切替操作部)
MP フロアマップ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7