(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041605
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220304BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20220304BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
G16Y10/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146908
(22)【出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】515117121
【氏名又は名称】株式会社ビープライス
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】玉城 貴也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
(57)【要約】
【課題】ユーザに適した担当者とユーザとのオンライン通話を実現するための情報処理方法等を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、オンライン通話による接客を要求するユーザからの通話要求を取得し、取得した前記通話要求に対応可能な担当者の内、前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付けるための受付画面情報を出力し、前記受付画面情報を用いて前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付け、指定された前記担当者とユーザとの間での前記オンライン通話による接客のための通話画面を提供する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン通話による接客を要求するユーザからの通話要求を取得し、
取得した前記通話要求に対応可能な担当者の内、前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付けるための受付画面情報を出力し、
前記受付画面情報を用いて前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付け、
指定された前記担当者とユーザとの間での前記オンライン通話による接客のための通話画面を提供する
情報処理方法。
【請求項2】
前記担当者の接客内容に対する前記ユーザのユーザ評価を取得し、
取得した前記ユーザのユーザ評価と、前記ユーザの接客を担当した前記担当者の担当者識別情報とを関連付けて記憶する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記ユーザ評価が所定値以上の場合、前記ユーザのユーザ情報の登録を受け付け、
受け付けた前記ユーザ情報と、前記ユーザ情報に対応する前記ユーザの接客を担当した前記担当者の担当者識別情報とを関連付けて記憶し、
前記ユーザ情報が記憶されたユーザからの前記通話要求に基づき、前記ユーザ情報に関連付けて記憶される前記担当者識別情報に対応する担当者を指定可能に表示する前記受付画面情報を出力する
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記担当者に関連付けられるECサイトにおける前記ユーザの商品購入実績を取得し、
取得した前記ユーザの商品購入実績と、前記ユーザの接客を担当した前記担当者の担当者識別情報とを関連付けて記憶する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記担当者の接客内容に対する前記ユーザのユーザ評価を取得し、
取得した前記ユーザのユーザ評価に基づき、前記担当者の接客スキルを導出する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記担当者に関連付けられるECサイトにおける前記ユーザの商品購入実績を取得し、
取得した前記商品購入実績に基づき、前記担当者の接客スキルを導出する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記通話画面を用いたオンライン通話における前記担当者の画像データ又はテキストデータを含む通話記録を取得し、
取得した前記通話記録に基づき、前記担当者の接客スキルを導出する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記担当者の接客スキルを表示するスキル画面情報を生成し、
生成した前記スキル画面情報を出力する
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記担当者の接客スキルに基づき、前記担当者に対する教育支援情報を導出する
請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記通話要求は、ECサイトのウェブページに表示される受付ボタンを介して取得される
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
オンライン通話による接客を要求するユーザからの通話要求を取得する通話要求取得部と、
前記通話要求取得部が取得した通話要求に対応可能な担当者の内、前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付けるための受付画面情報を出力する出力部と、
前記出力部が出力した受付画面情報を用いて前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付ける受付部と、
指定された前記担当者とユーザとの間での前記オンライン通話による接客のための通話画面を提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
オンライン通話による接客を要求するユーザからの通話要求を取得し、
取得した前記通話要求に対応可能な担当者の内、前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付けるための受付画面情報を出力し、
前記受付画面情報を用いて前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付け、
指定された前記担当者とユーザとの間での前記オンライン通話による接客のための通話画面を提供する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上で商品を購入するためのウェブサイトが多数存在している。このようなウェブサイトを介したオンラインショッピングにおいて、ユーザは、実店舗でのショッピング時のように担当者からの商品説明を受けることができないため、ウェブサイトの商品画像やコメントを参考に商品の購入を決定する。このため、購入した商品が想定したものと異なっていたなどの不満が発生する場合があった。
【0003】
このようなインターネットを利用したオンラインショッピングにおける課題を解決するため、店舗側の担当者とユーザとの間で双方会話を交わしながら、ユーザが買物を行える販売システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された販売システムは、必ずしもユーザに適した担当者による接客が行われるものではないという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、ユーザに適した担当者とユーザとのオンライン通話を実現するための情報処理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、オンライン通話による接客を要求するユーザからの通話要求を取得し、取得した前記通話要求に対応可能な担当者の内、前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付けるための受付画面情報を出力し、前記受付画面情報を用いて前記通話要求に対応する担当者の指定を受け付け、指定された前記担当者とユーザとの間での前記オンライン通話による接客のための通話画面を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザに適した担当者とユーザとのオンライン通話を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態における接客システムの概要図である。
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】担当者情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図4】通話情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図5】ユーザ端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】担当者端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】接客システムにて実行される通話画面提供の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】受付ボタンを含む表示画面の一例を示す模式図である。
【
図12】第2実施形態における接客システムにて実行されるユーザ評価の取得処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】ユーザ情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図15】第3実施形態における接客システムにて実行されるユーザ情報登録の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態における接客システムにて実行される通話画面提供の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】成果情報DBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図18】接客スキルDBのレコードレイアウトを例示する説明図である。
【
図19】第4実施形態における接客システムにて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における接客システムSの概要図である。接客システムSは、情報処理装置1、ユーザ端末装置2、担当者端末装置3及びECサーバ4を含む。ユーザ端末装置2、担当者端末装置3及びECサーバ4は、インターネット等のネットワークNを介して情報処理装置1に通信接続されている。
【0012】
情報処理装置1はサーバコンピュータである。情報処理装置1は、例えば、接客サービスの提供者によって管理される。情報処理装置1は、ユーザ端末装置2及び担当者端末装置3へ、ビデオチャットやテキストチャットのための通話画面を提供する。
【0013】
ユーザ端末装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報端末装置である。ユーザ端末装置2は、接客サービスを利用してオンライン接客を受けるユーザによって使用される機器である。本実施形態では複数のユーザが存在し、複数のユーザそれぞれがユーザ端末装置2を所有しているものとする。
【0014】
担当者端末装置3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の情報端末装置である。担当者端末装置3は、接客サービスによる接客を担当する担当者によって使用される機器である。担当者は、例えば接客サービスを利用する企業の従業員であり、実際に商品が陳列される店舗にてネットワークNを介してユーザを接客する。本実施形態では複数の担当者が存在し、複数の担当者それぞれが担当者端末装置3を所有しているものとする。
【0015】
ECサーバ4は、接客サービスを利用する企業のECサイトを提供するウェブサーバである。ECサーバ4は、例えば衣料品を販売する企業のECサイトを提供する。
【0016】
通常、オンラインショッピングを行うユーザは、実店舗での担当者からの説明に代えてECサイトのウェブページの説明を参考に商品の購入を決定する。商品に関する質問は、メール等の手段により企業へ問い合わせることもできるが、返信されるまでには時間を要することが多く、その間に購入意欲が消失してしまうユーザも多い。
【0017】
接客システムSでは、オンラインショッピングにおいて、ユーザと担当者とのリアルタイムでの通話を実現する接客サービスを実現する。ユーザは、ユーザ端末装置2を用いたECサイトの閲覧時に、ECサイトに表示される受付ボタンを押すことで接客サービスを利用することができる。接客サービスが開始されると、ネットワークNを介して、実店舗の担当者により所持される担当者端末装置3とリアルタイムで接続される。ユーザは、担当者とオンラインでの通話が可能となり、ウェブサイト上での買物であっても実際の店舗での買物と同じように販売員からの商品説明を受けることができる。ユーザは、オンライン接客終了後、担当者の接客内容を参考にしてECサイトの購入画面から商品を購入する。このように、ユーザは、接客サービスによるオンライン接客とECサイトでの商品購入とを組み合わせることで、実際に店舗を訪れているかのように買い物を楽しむことができる。
【0018】
このような接客システムSの構成及び詳細な処理内容について以下に説明する。
【0019】
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部10、記憶部11及び通信部12を備える。情報処理装置1は説明を容易にするために1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよいし、1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータの内の1つであってもよい。
【0020】
制御部10は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0021】
通信部12は、ネットワークNを介した通信を実現する通信デバイスである。制御部10は、通信部12を介してユーザ端末装置2及び担当者端末装置3へ通話画面を提供する。制御部10は、通信部12を介してユーザ端末装置2から接客内容に対するユーザ評価を取得する。
【0022】
記憶部11は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive )等の記憶装置を含む。記憶部11には、プログラム1Pを含む制御部10が参照するプログラム及びデータが記憶されている。制御部10は、プログラム1Pに基づき、後述する接客サービスの提供に関する処理を実行する。
【0023】
記憶部11に記憶されるプログラム1Pは、当該プログラム1Pを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体1Aにより提供されてもよい。記録媒体1Aは、例えば、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。この場合、制御部10は、不図示の読取装置を用いて記録媒体1Aからプログラム1Pを読み取り、読み取ったプログラム1Pを記憶部11に記憶する。また、記憶部11に記憶されるプログラム1Pは、通信部12を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部10は、通信部12を通じてプログラム1Pを取得し、取得したプログラム1Pを記憶部11に記憶する。なお記憶部11は、複数の記憶装置により構成されていてもよく、情報処理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0024】
また、記憶部11には、担当者情報DB(Data Base :データベース)111及び通話情報DB112が記憶されている。記憶部11には、その他ユーザ情報DB113、成果情報DB114及び接客スキルDB115等が記憶されていてもよい。ユーザ情報DB113、成果情報DB114及び接客スキルDB115については他の実施形態で詳述する。
【0025】
図3は、担当者情報DB111のレコードレイアウトを例示する説明図である。担当者情報DB111は、接客サービスによる接客を行う担当者に関する情報を格納するデータベースである。担当者情報DB111には、複数の担当者それぞれの担当者識別情報、属性情報、カテゴリ情報、担当者端末装置情報、対応可否情報等の情報が対応付けられて格納されている。担当者識別情報には、接客サービスによる接客担当者を識別する情報が含まれ、
図3の例では担当者IDが記録されている。属性情報には、例えば担当者の氏名、担当者が所属する企業を識別する企業ID等が含まれる。カテゴリ情報には、担当者のカテゴリ毎の対応能力を示すレベルが含まれている。カテゴリは、接客に対するユーザの通話目的に応じて、例えば商品知識、着回し、服装の系統等の複数カテゴリが設定されており、各カテゴリに対応付けて担当者の各カテゴリに対するレベルが記録されている。なお、カテゴリ情報は、各カテゴリに対するレベルが記録されるものに限定されず、担当者の推奨カテゴリのみが記録されてもよい。
【0026】
担当者端末装置情報とは、担当者がオンライン接客のために使用する担当者端末装置3を識別するための情報であり、例えばIPアドレス等が含まれる。対応可否情報とは、担当者がオンライン接客の対応が可能か否かを示す情報であり、例えば対応可能であることを示すフラグ(
図3の例では「0」)または対応不可であることを示すフラグ(
図3の例では「1」)が格納されている。情報処理装置1の制御部10は、企業の接客サービス登録の際に、企業のサーバ装置又は担当者端末装置3等に提供する登録用の画面を用いて担当者情報を取得する。また制御部10は、担当者端末装置3の通話画面の提供状況、後述するアプリプログラムの起動状況等に基づき、対応可否情報のフラグを随時更新する。
【0027】
図4は、通話情報DB112のレコードレイアウトを例示する説明図である。通話情報DB112は、ユーザと担当者との間で行われた接客サービスによる通話に関する情報を格納するデータベースである。通話情報DB112には、通話が行われた日時、企業識別情報、ECサイトの会員ID、担当者識別情報、ユーザ評価、通話記録等の情報が対応付けられて格納されている。企業識別情報には、通話要求を受け付けたECサイトに係る企業の識別情報が含まれ、
図4の例では企業IDが記録されている。ECサイトの会員IDには、ECサイトにおけるユーザの会員IDが含まれる。担当者識別情報には、接客を担当した担当者の担当者IDが含まれる。
【0028】
ユーザ評価には、通話後にユーザから受け付けた担当者の接客時の対応への評価が含まれる。ユーザ評価は、例えば1から5の数値を含み、数値が大きい程評価が高いことを示す。通話記録には、通話画面の通話データが格納されており、例えばビデオチャットに係る動画像データ又はテキストチャットに係るテキストデータ等が含まれる。制御部10は、通話画面の提供により取得した通話履歴や、ユーザ端末装置2を介して取得したユーザ評価等を通話情報DB112に記憶する。通話情報は、新たな通話が行われる都度記録される。なお、担当者情報DB111及び通話情報DB112の記憶内容は
図3及び
図4に示す例に限定されない。
【0029】
図5は、ユーザ端末装置2の構成を示すブロック図である。ユーザ端末装置2は、制御部20、記憶部21、通信部22、表示部23、操作部24、音声入力部25、音声出力部26、撮影部27を備える。
【0030】
制御部20は、CPU又はGPU等のプロセッサと、メモリ等を含む。制御部20は、プロセッサ、メモリ、記憶部21、及び通信部22を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部20は、記憶部21に記憶されているプログラムに基づき、各構成部を制御して処理を実行する。
【0031】
記憶部21は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部21には、制御部20が参照するプログラム及びデータが記憶されている。通信部22は、公衆通信網又はキャリアネットワークを含むネットワークNを介した情報処理装置1との通信を実現する通信デバイスである。制御部20は、通信部22を介し、情報処理装置1から提供される通話画面を受信するとともに、ユーザ評価、購入実績情報等の各種データを情報処理装置1へ送信する。表示部23は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を含む。表示部23は、制御部20からの指示に従って担当者とのビデオ通話画像又はチャットを含む通話画面情報を表示する。操作部24は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、例えば物理ボタン、マウス、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス等を含む。操作部24は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部20へ送出する。
【0032】
音声入力部25は、ユーザの音声情報の入力を受け付けるための音声入力デバイスであり、マイクロフォン等を用いる。音声入力部25は、音波を音声データに変換し、変換した音声データを制御部20に与える。音声出力部26は、音声を再生するための音声出力デバイスであり、スピーカ等を用いる。音声出力部26は、制御部20からの音声出力制御に従い、音声データを音波に変換して出力する。撮影部27は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )、又はCCD(Charge Coupled Device )等のイメージセンサを備えた撮影装置である。撮影部27は、制御部20の制御指示に基づき、ユーザの静止画又は動画を撮影する。
【0033】
図6は、担当者端末装置3の構成を示すブロック図である。担当者端末装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、操作部34、音声入力部35、音声出力部36、撮影部37を備える。担当者端末装置3のハードウェア構成はユーザ端末装置2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
図7は、接客システムSにて実行される通話画面提供の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、ステップをSと略す。
【0035】
担当者端末装置3の制御部30は、例えば操作部34を介して接客サービスに係るアプリケーションプログラムの実行指示を受け付け、接客サービスアプリを起動する(S11)。担当者は、例えば店舗に出勤した場合に接客サービスアプリの実行操作を行う。なお、担当者端末装置3は、担当者毎に割り当てられるものに限定されず、複数の担当者により共有されるものであってよい。この場合、接客サービスアプリの起動時に担当者のログインを受け付けることにより、担当者端末装置3を使用する担当者を識別するものであってよい。
【0036】
ユーザは、任意のタイミングで、ユーザ端末装置2を用いて企業のECサイトを閲覧する。ユーザ端末装置2の制御部20は、ブラウザを起動し、ユーザにより指定された企業のECサイトのURLを読み込み、ECサーバ4へHTTPリクエストを送信する。制御部20は、ECサーバ4からHTTPレスポンスを取得し、取得したHTTPレスポンスに基づきECサイトのウェブページを表示部23に表示する。ユーザは、ECサイトのアカウント情報を用いてログインした後、様々な商品画像を含むウェブページ(表示画面230)を閲覧する。ウェブページには、商品画像と共に、接客サービスの利用要求を受け付けるための受付ボタン2301が埋め込まれている。
【0037】
図8は、受付ボタン2301を含む表示画面230の一例を示す図である。ユーザ端末装置2の制御部20は、ECサーバ4から受信したHTTPレスポンスに基づき、ECサイトのウェブページである表示画面230を表示部23に表示する。表示画面230には、ECサイトで販売される商品に関する商品画像とともに、タップ等の方法でユーザが指定することによって通話要求の受付処理の指示が入力される受付ボタン2301が含まれている。ユーザは、オンライン接客を希望する場合、ブラウザ上で受付ボタン2301のクリック操作を行う。受付ボタン2301をユーザが指定することにより、操作部24に通話要求が入力され、制御部20は、通話要求を受け付ける。
【0038】
図7に戻り説明を続ける。制御部20は、受付ボタン2301を介して通話要求を取得する(S12)。制御部20は、取得した通話要求を情報処理装置1へ送信する(S13)。この場合において、通話要求には、ECサイトにおけるログイン処理により取得された企業ID及びECサイトの会員IDが関連付けられている。
【0039】
情報処理装置1の制御部10は、通話要求を受信し、関連付けられる企業ID及びECサイトの会員IDを記憶部11に一時的に記憶する(S14)。制御部10は、接客対応が可能な担当者を表示する受付画面情報を生成する(S15)。具体的には制御部10は、担当者DB111を参照して、通話要求に係る企業IDを含む担当者IDを特定する。さらに制御部10は、特定した担当者IDの内、対応可否情報に対応可能であることを示すフラグが記録されている担当者IDを特定し、特定した担当者IDの担当者情報を取得する。制御部10は、取得した担当者情報の担当者、すなわち接客対応可能な担当者の担当者氏名、顔画像等を含む受付画面情報を生成する。制御部10は、生成した受付画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(S16)。
【0040】
ユーザ端末装置2の制御部20は、受付画面情報を受信し(S17)、表示部23に受付画面231を表示する。受付画面231には、接客対応可能な複数の担当者と、チャット開始ボタンとが含まれている(
図9及び10参照)。制御部20は、受付画面231を介して担当者の指定(選択)を受け付ける(S18)。ユーザは、接客を希望する一の担当者を選択した状態でチャット開始ボタンをクリックする。制御部20は、選択された担当者の担当者IDを含む開始要求を取得し、取得した開始要求を情報処理装置1へ送信する(S19)。
【0041】
情報処理装置1の制御部10は、担当者IDを含む開始要求を受信し、担当者IDを記憶部11に一時的に記憶する(S20)。制御部10は、取得した担当者IDの担当者端末装置情報を特定し、特定した担当者端末装置情報にて識別される担当者端末装置3へ通話要求を送信する(S21)。
【0042】
担当者端末装置3の制御部30は、通話要求を受信し(S22)、通話要求を示す着信通知画面を表示部33に表示する。担当者は、着信通知を確認し、接客対応する場合には応答操作を行う。制御部30は、担当者が操作部34を操作することによる応答信号を取得する(S23)。制御部30は、取得した応答信号を情報処理装置1へ送信する(S24)。
【0043】
情報処理装置1の制御部10は、ユーザ端末装置2と担当者端末装置3との間での通話が可能か否かを判定する(S25)。担当者端末装置3から応答信号を受信していないことにより、通話可能でないと判定した場合(S25:NO)、制御部10は、処理を終了する。この場合において、制御部10は「接続できませんでした」等の接続不可を示す通知画面をユーザ端末装置2へ送信してもよい。制御部10はさらに、通知画面を介してユーザ端末装置2のメールアドレス等の登録を受け付けることにより、担当者が対応可能となったときにユーザ端末装置2へ対応可能通知を送信する構成であってもよい。又は、制御部10は、処理をS16に戻し、更新内容に基づき生成した対応可能な担当者を表示する受付画面情報をユーザ端末装置2へ出力し、再度担当者の指定を受け付けてもよい。
【0044】
一方、担当者端末装置3から応答信号を受信したことにより、通話可能と判定した場合(S25:YES)、制御部10は、ユーザ端末装置2及び担当者端末装置3にビデオチャット又はテキストチャットのための通話画面232を提供する(S26)。ユーザ端末装置2の表示部23及び担当者端末装置3の表示部33には、それぞれ通話画面232が表示される。制御部10は、通話中の担当者IDに対応する対応可否情報に対応不可フラグを格納する。上述の処理により、ユーザ端末装置2及び担当者端末装置3に通話画面が提供され、ユーザと担当者との間でネットワークNを介したリアルタイムでの通話が可能となる。
【0045】
図9は、第1例の受付画面231を示す模式図である。ユーザ端末装置2の制御部20は、情報処理装置1から受信した受付画面情報に基づき、受付画面231を表示部23に表示する。受付画面231は、例えばブラウザ上でポップアップ形式にて表示される。受付画面231には、対応可能な担当者を表示する担当者欄2311と、各担当者に対応付けた選択入力を受け付ける複数のチェックボックス2312と、チャットの開始を要求する開始ボタン2313,2314とが表示されている。
図9の例では、テキストチャットの開始を要求する場合に指定すべき開始ボタン2313と、ビデオチャットの開始を要求する場合に指定すべき開始ボタン2314とが含まれている。なお受付画面231はポップアップ表示されるものに限定されず、ウェブページから別の受付画面ページへ遷移するものであってよい。受付画面231には、その他接客サービスへのログインを受け付けるためのログインボタン2315が含まれてもよい。ログインボタン2315については他の実施形態で詳述する。
【0046】
情報処理装置1の制御部10は、ユーザ端末装置2から通話要求を受け付け、担当者DB111から通話要求に対応可能な担当者の担当者情報を読み出す。この場合において制御部10は、毎回ランダムに変更される表示順序に従い、対応可能な複数の担当者の中から所定数の担当者を読み出してよい。制御部10は、読み出した担当者情報に基づき、対応可能な担当者を一覧で表示する担当者欄2311と、各担当者に対応付けた選択入力を受け付ける複数のチェックボックス2312とを生成する。
図9の例では、担当者欄2311には、対応可能な担当者の顔画像及び氏名が含まれている。
図9に示す如く受付画面231が表示されている状態において、一の担当者に対応付けたチェックボックス2312及び開始ボタン2313,2314をユーザが指定することにより、操作部24に担当者の選択及び開始要求が入力され、制御部20は、担当者の選択及び開始要求を受け付ける。なお、担当者が全員対応不可能である場合には、制御部10は「対応できる担当者がおりません」等の接続不可を示す受付画面情報を生成するとよい。
【0047】
制御部10は、ユーザの通話目的に応じてより好適な担当者を表示するものであってもよい。
図10は、第2例の受付画面231を示す模式図である。
図10Aに示す受付画面231には、複数のカテゴリを含むカテゴリ欄2316と、各カテゴリに対応付けた選択入力を受け付ける複数のチェックボックス2317とが表示されている。例えばユーザが、商品について詳しい説明を第1に希望する場合、カテゴリ欄2316に示される「商品知識が豊富」の項目を選択する。通話目的に応じたカテゴリのチェックボックス2317をユーザが指定することにより、操作部24にカテゴリが入力される。制御部20は、カテゴリの選択を受け付け、選択内容を情報処理装置1へ送信する。
【0048】
情報処理装置1の制御部10は、選択内容を受信し、選択内容に応じた担当者を特定する。具体的には、制御部10は担当者DB111を参照して、選択されたカテゴリに対するレベルが所定値以上であり、かつ、対応可否情報に対応可能であることを示すフラグが記録されている担当者IDを特定し、特定した担当者IDの担当者情報を取得する。制御部10は、取得した担当者情報に基づき次の受付画面情報を生成し、ユーザ端末装置2へ送信する。次の受付画面情報に基づき表示される受付画面231には、
図10Bに示す如く、ユーザの通話目的に応じた担当者を一覧で表示する担当者欄2318が含まれている。担当者欄2318には、担当者毎のカテゴリ情報が含まれ、
図10Bの例では、各カテゴリのレベルに応じた数の星オブジェクトが表示されている。ユーザは、受付画面231にて各担当者の特徴を把握した上で通話を希望する担当者を選択することができるため、よりユーザに適した担当者を効率的に選択することができる。
【0049】
図11は、通話画面232の一例を示す模式図である。
図11は、
図9の受付画面231でビデオチャットの開始ボタン2314が選択されたことにより表示される通話画面232の例である。通話画面232には、ユーザを撮影したユーザ画像のフレームと、担当者を撮影した担当者画像のフレームとが含まれている。
【0050】
情報処理装置1の制御部10は、ユーザ及び担当者間で通話可能と判定した場合、ユーザ端末装置2及び担当者端末装置3に取得開始信号を送信し、ユーザ画像及び担当者画像それぞれの受信を開始する。ユーザ端末装置2の制御部20は、取得開始信号の受信に応じて、撮影部27を通じて画像の撮影を開始すると共に、音声入力部25を通じて音声データの取得を開始する。制御部20は、取得した音声付きの画像データの情報処理装置1への送信を開始する。同様に担当者端末装置3の制御部30は、撮影部37を通じて画像の撮影を開始すると共に、音声入力部35を通じて音声データの取得を開始する。制御部30は、取得した音声付きの画像データの情報処理装置1への送信を開始する。制御部10は、受信したユーザ画像及び担当者画像を各フレームに表示する通話画面情報を生成する。なお、ユーザは、受付画面231において、ユーザカメラのオン又はオフの設定ボタンを指定することで、ユーザ画像の撮影のオン/オフを選択することができる。カメラのオフ設定を指定された場合、ユーザ画像は取得されず、通話画面232には担当者画像のみが表示される。
【0051】
なお、受付画面231でテキストチャットの開始ボタン2313が選択された場合は、制御部10は、ユーザと担当者との間でテキストチャットのための通話画面を提供する。制御部10は、ユーザ端末装置2及び担当者端末装置3それぞれからリアルタイムでテキストデータを受信し、受信したテキストデータを表示する通話画面情報を生成し出力する。
【0052】
本実施形態によれば、ユーザが担当者を選択してオンライン通話を要求することで、ユーザに適した担当者とユーザとの間でのオンライン通話による接客が可能となる。ユーザは、企業のECサイトを閲覧中に、ECサイトのウェブページに埋め込まれた受付ボタンをクリックすることで、専用のアプリケーション等へのログインの必要なく、容易に接客サービスを利用することができる。ECサイトで取得される会員IDを利用することで、接客サービスの利用のためのユーザ負担を低減し、その後の商品購入の機会損失を抑制し得る。
【0053】
(第2実施形態)
第2実施形態では、担当者に対するユーザ評価を受け付ける構成を説明する。以下では、第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については第1実施形態の接客システムSと同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0054】
ユーザ評価とは、担当者の接客時の対応に対するユーザの評価である。情報処理装置1は、通話画面を用いたオンライン通話による接客の終了後、ユーザからユーザ評価を取得する。
図12は、第2実施形態における接客システムSにて実行されるユーザ評価の取得処理手順の一例を示すフローチャートである。例えば、通話画面232の提供後、通話画面232にてユーザが通話終了ボタンを指定することにより操作部24に終了通知が入力されると、以下の処理が実行される。
【0055】
ユーザ端末装置2の制御部20は、終了通知を取得し、取得した終了通知を情報処理装置1へ送信する(S31)。
【0056】
情報処理装置1の制御部10は、終了通知を受信する(S32)。制御部10は、通話画面を終了し、通話を切断する(S33)。担当者端末装置3の制御部30は、通話を終了し(S34)、通話画面の表示を終了する。担当者はオンライン接客を終了する。
【0057】
情報処理装置1の制御部10は、担当者の接客時の対応へのユーザ評価を受け付ける評価画面情報を生成する(S35)。制御部10は、生成した評価画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(S36)。
【0058】
ユーザ端末装置2の制御部20は、評価画面情報を受信し(S37)、受信した評価画面情報に基づく評価画面233を表示部23に表示する。
図13は、評価画面233の一例を示す模式図である。評価画面233には、例えば氏名等を含む担当者情報欄2331と、当該担当者に対するユーザ評価を受け付ける評価欄2332と、評価結果を送信する送信ボタンとが表示されている。評価欄2332には、5段階によるユーザ評価を受け付ける5個の星オブジェクトが含まれている。ユーザは自身の評価に応じた数の星オブジェクトを選択(有効化)し、送信ボタンを選択する。
図13の例では、4個の星オブジェクトが選択されており、すなわち操作部24にユーザ評価4が入力される。
【0059】
図12に戻り説明を続ける。制御部20は、操作部24によりユーザ評価を取得する(S38)。制御部20は、取得したユーザ評価を情報処理装置1へ送信する(S39)。
【0060】
情報処理装置1の制御部10は、ユーザ評価を受信する(S40)。制御部10は、担当者ID、ユーザ評価及び通話記録等を関連付けて通話情報DB112に記憶し(S41)、一連の処理を終了する。
【0061】
本実施形態によれば、通話終了後に連続して表示される評価画面により、接客利用直後のユーザの評価を確実に収集することができる。情報処理装置1は、オンラインに特化した接客サービスを提供することで、ネットワークNを介した通話画面を用いて行われる担当者の接客履歴や接客内容をデータ化して収集することができ、個々の接客内容に対するユーザ評価を連携させることができる。
【0062】
(第3実施形態)
第3実施形態では、高評価が得られたユーザのユーザ情報登録を受け付ける構成を説明する。以下では、第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については第1実施形態の接客システムSと同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
第3実施形態の情報処理装置1は、
図2に示す如く、記憶部11にユーザ情報DB113を記憶している。
図14は、ユーザ情報DB113のレコードレイアウトを例示する説明図である。ユーザ情報DB113は、接客サービスに登録するユーザに関する情報を格納するデータベースである。上述した通り、接客システムSは、ECサイトのウェブページを介してブラウザ上で接客サービスの利用要求を受け付ける構成であり、初期利用段階において接客サービス専用のユーザ登録は必須ではない。情報処理装置1は、ユーザ評価として高評価を取得した場合にのみ、ユーザ情報の登録を受け付ける。登録ユーザは、担当者の優先指名制度等の限定のサービスを享受することができる。
【0064】
ユーザ情報DB113には、登録を行った複数のユーザそれぞれを識別する接客サービスのユーザID、氏名等の属性情報、指名担当者等の情報が対応付けられて格納されている。指名担当者とは、ユーザから優先的に指名可能な担当者に関する情報であり、例えばユーザ評価で3以上の評価を受けた担当者に関する情報が含まれる。
図14の例では、指名担当者列には、指名可能な担当者それぞれの担当者IDが記録されている。
【0065】
図15は、第3実施形態における接客システムSにて実行されるユーザ情報登録の処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部10は、例えば
図12の処理の終了後、以下の処理を実行する。
【0066】
情報処理装置1の制御部10は、通話情報DB112を参照し、取得したユーザ評価と、予め設定されている閾値(例えば、ユーザ評価3)との大小関係を判断し、取得したユーザ評価が閾値以上であるか否かを判定する(S51)。ユーザ評価が閾値未満であると判定した場合(S51:NO)、制御部10は、ユーザ情報の登録を受け付けないと判断し処理を終了する。
【0067】
ユーザ評価が閾値以上であると判定した場合(S51:YES)、制御部10は、接客サービスのユーザ登録を受け付けるための登録画面情報を生成し、生成した登録画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(S52)。
【0068】
ユーザ端末装置2の制御部20は、登録画面情報を受信し(S53)、受信した登録画面情報に基づく登録画面を表示部23に表示する。ユーザは、ユーザ端末装置2の操作部24を介し、ユーザアカウントに対応付けて氏名、メールアドレス、パスワード等のユーザ情報を入力する。制御部20は、操作部24によりユーザ情報を取得する(S54)。制御部20は、取得したユーザ情報を情報処理装置1へ送信する(S55)。
【0069】
情報処理装置1の制御部10は、ユーザ情報を受信する(S56)。制御部10は、通話情報DB112からユーザの接客を担当した担当者の担当者識別情報等を読み出す。制御部10は、読み出した担当者識別情報を含む指名担当者、取得したユーザ情報等をユーザIDに関連付けてユーザ情報DB113に記憶し(S57)、一連の処理を終了する。
【0070】
上述の処理において、制御部10は、ユーザ情報が登録済みのユーザからのユーザ評価を取得した場合には、S52からS56の処理を省略し、登録済みのユーザIDに係る指名担当者に、高評価であった担当者IDを追加してよい。担当者の評価が低評価であった場合には、低評価であった担当者の担当者IDは追加されず、指名担当者には登録されない。上述の処理によれば、担当者に対する高評価を取得した場合にユーザと高評価の担当者とがマッチングされ、当該担当者が指名担当者として登録される。ユーザ情報登録後、ユーザは接客サービスにログインすることで、以前に接客を受けた担当者を優先的に指名することができる。
【0071】
図16は、第3実施形態における接客システムSにて実行される通話画面提供の処理手順の一例を示すフローチャートである。第1実施形態の
図7と共通する処理については同一の番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0072】
担当者端末装置3の制御部30は、例えば操作部34を介して接客サービスに係るアプリケーションプログラムの実行指示を受け付け、接客サービスアプリを起動する(S11)。ユーザ端末装置2の制御部20は通話要求を取得し(S12)、取得した通話要求を情報処理装置1へ送信する(S13)。通話要求には、ECサイトにおけるログイン処理により取得された企業ID及びECサイトの会員IDが関連付けられている。
【0073】
情報処理装置1の制御部10通話要求を受信する(S14)。制御部10は、接客サービスのログインを受け付けるログインボタン2315を含む受付画面情報を生成し(S15)、ユーザ端末装置2へ送信する(S16)。
【0074】
ユーザ端末装置2の制御部20は、受付画面情報を受信し(S17)、ログインボタン2315を含む受付画面231を表示部23に表示する。ユーザは、ログインボタン2315を操作し、表示されるログイン画面上にてアカウント情報を用いてユーザ情報を入力する。ユーザ端末装置2の制御部20は、操作部24により接客サービスのユーザIDを取得し、取得した接客サービスのユーザIDを情報処理装置1へ送信する(S61)。
【0075】
情報処理装置1の制御部10は、接客サービスのユーザIDを受信する(S62)。制御部10は、ユーザ情報DB113から当該ユーザIDに対応付けられる指名担当者の担当者IDを読み出す。さらに制御部10は、担当者DB111を参照し、読み出した担当者IDのうち、通話要求に係る企業IDに対応する担当者IDを特定する。制御部10は、特定した担当者IDを優先指名可能な担当者として優先的に表示する第2の受付画面情報を生成し、生成した第2の受付画面情報をユーザ端末装置2へ送信する(S63)。
【0076】
ユーザ端末装置2の制御部20は、第2の受付画面情報を受信し(S64)、受信した第2の受付画面情報に基づく第2の受付画面を表示部23に表示する。第2の受付画面には、例えば、通常の受付画面にて表示される担当者欄、チェックボックス及び開始ボタンに加え、指名担当者欄が含まれている。指名担当者欄には、優先指名可能な担当者の顔画像及び氏名等と、前回の通話日時等とが対応付けて表示されている。ユーザは、指名担当者又は他の担当者から、接客を希望する担当者を選択する。制御部20は、第2の受付画面を介して担当者の指定(選択)を受け付ける(S65)。以降、接客システムSは第1実施形態と同様にS19からS26の処理を実行することにより、選択された担当者とユーザとのオンライン通話のための通話画面の提供処理を行う。
【0077】
上述の処理において、制御部10は、ログイン処理を受け付けた後、ログインユーザに対するマイページ等へのリンクを含む第2の受付画面情報を表示してもよい。マイページには、例えば指名担当者の一覧、過去のチャットデータのログ等が表示される。制御部10は、マイページの表示を指定する入力操作を受け付けた場合、通話情報DB112及びユーザ情報DB113を参照して、ユーザIDに関連付けられる指名担当者を一覧で表示する指名担当者一覧、過去の通話画面の通話記録等を表示するマイページ情報を生成しユーザ端末装置2へ送信する。ユーザ情報の登録を行うことで過去の担当者との通話ログを確認することができるため、接客サービスの付加価値を向上できる。
【0078】
本実施形態によれば、ユーザ情報とユーザ評価とを関連付けることにより、ユーザ評価の高い担当者を優先的に表示することができる。ユーザに適した担当者をより効率的に選択してオンライン通話を行うことができるため、ユーザの利便性が向上される。接客サービスの初期段階でユーザ情報を必要とせず、ユーザ評価が高い場合にのみ登録画面を提供することで、継続利用の可能性の高いユーザ情報のみを効率的に収集することができる。
【0079】
(第4実施形態)
第4実施形態では、担当者の接客スキルを出力する構成を説明する。以下では、第4実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。後述する構成を除く他の構成については第1実施形態の接客システムSと同様であるので、共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0080】
第4実施形態の情報処理装置1は、
図2に示す如く、記憶部11に成果情報DB114及び接客スキルDB115を記憶している。
図17は、成果情報DB114のレコードレイアウトを例示する説明図である。成果情報DB114は、担当者の接客対応に対する成果に関する情報を格納するデータベースである。成果情報DB114には、接客サービスを利用したユーザのECサイトにおける購入実績情報と、当該ユーザを接客した担当者の担当者識別情報とが対応付けられて格納されている。購入実績情報には、ユーザがECサイトで購入した商品に関する情報が含まれ、例えば企業ID、ECサイトの会員ID、購入日時、商品ID、購入数量、商品単価等が格納されている。情報処理装置1は、通話終了後にユーザ端末装置2を介して購入実績情報を取得し、コンバージョンとして成果情報DB114に記憶する。
【0081】
図18は、接客スキルDB115のレコードレイアウトを例示する説明図である。接客スキルDB115は、担当者の接客スキルに関する情報を格納するデータベースである。接客スキルとは、担当者の接客能力に対する評価情報であり、例えば実際に接客を担当したユーザからのユーザ評価、ユーザの商品購入実績、通話記録等に基づき総合的に判定される。本実施形態では、接客スキルは100点満点の点数で示される。接客スキルDB115には、評価対象期間、担当者ID、ユーザ評価、接客対応回数、販売金額、販売件数、接客内容評価、接客スキル、順位、教育支援情報等が対応付けられて格納されている。ユーザ評価には、評価対象期間内に収集されたユーザ評価の平均点が含まれる。制御部10は、通話記録DB112を参照して、評価対象期間内に記録された担当者ID毎の全ユーザ評価を抽出する。制御部10は、例えば全ユーザ評価の合計値の平均を算出することで評価対象期間のユーザ評価を算出する。制御部10は、各ユーザ評価に所定の重み付けを行った合計値を算出してもよい。例えば評価者であるユーザの接客サービス利用回数に応じて、ユーザ評価に重みを付与し、利用回数の多いユーザのユーザ評価がより強く反映される構成であってよい。
【0082】
接客対応回数には、評価対象期間内の接客対応回数が記録されている。制御部10は、通話情報DB112を参照して、各担当者IDが対応付けられる通話情報の内、通話日時が評価対象期間内に含まれる通話情報の数を算出する。販売金額及び販売件数には、評価対象期間内に収集された販売金額及び販売件数の合計値がそれぞれ記録されている。情報処理装置1は、成果情報DB114を参照して、評価対象期間内にコンバージョンとして記録された各担当者IDに係る購入実績情報を抽出し、販売金額及び販売件数の合計値をそれぞれ算出する。
【0083】
接客内容評価には、担当者の接客内容に対する評価情報が記録されている。接客内容評価は、例えば1から5の数値で示される。制御部10は、通話記録の画像データ又はテキストデータに基づき、担当者の表情、言葉使い、商品知識等を評価する。制御部10は、例えば画像データを解析し、通話中における笑顔の回数を算出し、回数に応じて接客内容を判定する。笑顔の合計回数が多い程、接客内容がよく、すなわち接客内容評価の点数が高いと判定される。制御部10は、例えば通話音声又はテキストデータを解析し、通話中において所定のキーワードが検出されたか否かを判定することで、接客内容評価を導出してもよい。制御部10は、その他機械学習の手法を用いて、画像データ又はテキストデータに基づき担当者の接客内容評価を導出してもよい。制御部10は、ユーザ側の反応を接客内容の評価要素としてもよい。ユーザの表情、声のトーン等のリアクションを判定要素に加えることでより適切な評価を出力することができる。制御部10は、評価対象期間内に取得した各通話記録に対し、接客内容評価を導出する。制御部10は、接客内容評価の平均値を接客スキルDB115に記録する。
【0084】
接客スキルには、評価対象期間における接客スキルが記録される。制御部10は、ユーザ評価、接客対応回数、販売金額、販売件数及び接客内容評価に基づき、各担当者の接客スキルを算出する。例えば、項目毎に評価点を算出し、算出した評価点の合計値を接客スキルとする。接客スキルは100点満点となるよう各項目点が設定されている。なお、接客スキルは、項目毎に100点満点で算出されてもよい。すなわち、接客スキルは、多数の評価項目に基づく総合評価であってもよく、各評価項目に基づく個別評価であってもよい。順位には、担当者の接客スキルから判定される順位が記録される。制御部10は、同一企業IDを有する担当者IDの接客スキル点数に基づき、各担当者の順位を算出する。順位には、その他合計販売金額、合計販売件数等の複数の評価項目に対する順位が記録されてもよい。
【0085】
教育支援情報には、接客スキル向上のための教育支援に関する情報が記録される。教育支援情報は、例えば企業毎に設定される教育プログラムに関する情報が含まれている。
記憶部11には、企業毎に複数の接客スキルDB115が記憶されている。なお、成果情報DB114及び接客スキルDB115の記憶内容は
図17及び
図18に示す例に限定されない。
【0086】
図19は、第4実施形態における接客システムSにて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。通話画面を終了した後、ユーザはECサイトに戻り、商品購入手続きを行う。商品購入処理を完了し、例えばサンキューページ等のコンバージョンタグが設置されたウェブページが表示されると以下の処理が実行される。
【0087】
ECサイトの表示画面230に埋め込まれた受付ボタン2301をクリック操作しオンライン接客を利用したユーザが、コンバージョンタグが設置されたウェブページに到達した場合、コンバージョンとして計測される。ユーザ端末装置2の制御部20は、コンバージョンの発生を検出し、購入実績情報を含むコンバージョン情報を取得する(S71)。購入実績情報には、購入手続きに関する企業ID、ECサイトの会員ID、購入日時及び購入内容等が含まれている。制御部20は、取得したコンバージョン情報を情報処理装置1へ送信する(S72)。
【0088】
情報処理装置1の制御部10は、コンバージョン情報を受信する(S73)。なお制御部10は、ECサーバ4と通信することによりコンバージョン情報を取得してもよい。制御部10は、通話情報DB112を参照して、ユーザの接客を担当した担当者を特定する(S74)。具体的には、制御部10は、通話情報DB112を参照して、コンバージョン情報のECサイトの会員IDを含む最新の通話情報を特定し、ECサイトの会員IDに対応する担当者識別情報を読み出す。制御部10は、読み出した担当者識別情報と購入実績情報とを関連付けてコンバージョンとして成果情報DB114に記憶する(S75)。
【0089】
制御部10は、担当者の接客スキルを導出するか否かを判定する(S76)。例えば制御部10は、月1回等所定の評価タイミングにおいて接客スキルを導出する。評価タイミングでないことにより、接客スキルを導出しないと判定した場合(S76:NO)、制御部10は処理を終了する。
【0090】
評価タイミングであることにより、接客スキルを導出すると判定した場合(S76:YES)、制御部10は、接客スキルの導出処理を行う(S77)。具体的には、制御部10は、評価対象である担当者IDを特定し、通話情報DB112及び成果情報DB114等を参照して、評価対象期間における担当者ID毎のユーザ評価、接客対応回数、販売金額、販売件数、接客内容評価をそれぞれ算出する。制御部10は算出したこれらユーザ評価、接客対応回数、販売金額、販売件数、接客内容評価に基づき接客スキル及び順位を導出する。
【0091】
制御部10は、導出した接客スキルに基づき、担当者の接客スキルに応じた教育支援情報を導出する(S78)。制御部10は、例えば、接客スキル点数と、接客スキル向上のためのスキルアップ講座情報とを対応付けて記憶する教育プログラムデータベースを参照し、接客スキルに応じたスキルアップ講座情報(教育支援情報)を特定する。制御部10は、収集した通話記録データを教育支援情報に活用してもよい。例えば、判定対象である担当者より接客スキルの評価の高い担当者に係るビデオチャットの画像データを、教育支援情報となる接客手本画像として導出してもよい。
【0092】
制御部10は、担当者ID毎に導出した接客スキル及び教育支援情報を表示するスキル画面情報を生成する(S79)。制御部10は、各担当者IDに対応する担当者端末装置情報を特定し、生成したスキル画面情報を各担当者IDに対応する担当者端末装置3へ送信する(S80)。
【0093】
担当者端末装置3の制御部30は、スキル画面情報を受信する(S81)。制御部30は、受信したスキル画面情報に基づくスキル画面330を表示部33に表示し(S82)、一連の処理を終了する。
【0094】
上述の処理において、制御部10は所定のタイミングで接客スキルを導出するものに限定されない。例えば、制御部10は、担当者端末装置3からの表示要求に応じて任意のタイミングで接客スキルを導出し、導出した接客スキルに基づきスキル画面情報を生成・送信するものであってよい。スキル画面330は、接客サービスアプリの初期画面として起動時に表示されてもよい。
【0095】
図20は、スキル画面330の一例を示す模式図である。
図20の例では、スキル画面330には、評価対象である担当者の氏名等の担当者情報欄3301、評価対象期間3302、接客スキル欄3303、教育支援情報欄3304等が含まれている。接客スキル欄3303には、接客対応回数、販売金額及び販売件数等の接客実績と、接客スキルとが表示され、さらに接客スキル、販売金額及び販売件数それぞれにおける順位が表示されている。教育支援情報欄3304には、スキルアップ講座へのリンク情報が表示されている。情報処理装置1の制御部10は、接客スキルDB115を参照して、各担当者IDに対応付けられる接客実績、接客スキル、順位、教育支援情報を取得し、担当者氏名、評価対象期間等を関連付けて表示するスキル画面情報を生成する。
【0096】
上述の処理において、スキル画面情報は担当者端末装置3に出力されるものに限定されず、例えば、各担当者の所属する企業のサーバ装置に出力されてもよい。この場合において制御部10は、スキル画面情報に限らず、接客スキルDB115に記憶するユーザ評価、接客対応回数、販売金額、販売件数、接客内容評価、接客スキル等の各種データを出力してよい。さらに制御部10は、上記の各評価項目の算出に用いた、通話情報DB112及び成果情報DB114に記憶する各種データを出力してよい。企業の管理者は、各担当者の接客内容や販売実績に関する各種データを取得することで、担当者毎のオンライン通話による接客状況を認識することができる。
【0097】
本実施形態によれば、情報処理装置1は、オンライン通話による接客担当者の接客内容に関連付けて記億される多様な情報に基づき、担当者の接客スキルを適切に評価することができるため、オンライン通話に基づく情報の利用価値を向上することができる。
【0098】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0099】
S 接客システム
1 情報処理装置
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
1P プログラム
111 担当者情報DB
112 通話情報DB
113 ユーザ情報DB
114 成果情報DB
115 接客スキルDB
2 ユーザ端末装置
3 担当者端末装置
4 ECサーバ