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特開2022-41676液量測定装置、液量測定システム、および液量測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041676
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】液量測定装置、液量測定システム、および液量測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/292 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
G01F23/292 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147023
(22)【出願日】2020-09-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】598134190
【氏名又は名称】株式会社柴崎製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 耕介
(72)【発明者】
【氏名】植竹 雅彦
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA06
2F014AB01
2F014AB02
2F014FA03
(57)【要約】
【課題】コストを抑えつつ、精度の高い液量測定が可能な液量測定装置等を提供する。
【解決手段】
マイクロプレート100におけるウェル101が形成された領域において、マイクロプレート100の第一表面100aに向けて赤外線を放射する光源10と、第一表面100aと光源10との間に配置されて、赤外線を屈折させてマイクロプレート100の面方向におけるウェル101の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる平行光Hとするレンズ11と、マイクロプレート100における第一表面100aとは反対側の第二表面100b側に配置されて、マイクロプレート100を透過した平行光Hを受光する光検出器13と、第二表面100bと光検出器13との間に配置されて、平行光Hを拡散させる光拡散部材12と、光検出器13で受光した平行光Hの光量からウェル101内の試料Sの液量を演算する演算装置14と、を備えている。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を透過する材料で形成された容器における収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定装置であって、
前記収容穴が形成された領域において、前記容器の第一表面に向けて赤外線を放射する光源と、
前記第一表面と前記光源との間に配置されて、前記赤外線を屈折させて前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光とするレンズと、
前記容器における前記第一表面とは反対側の第二表面側に配置されて、前記容器を透過した前記測定光を受光する光検出器と、
前記第二表面と前記光検出器との間に配置されて、前記測定光を拡散させる光拡散部材と、
前記光検出器で受光した前記測定光の光量から前記収容穴内の試料の液量を演算する演算装置と、
を備える液量測定装置。
【請求項2】
前記収容穴は、前記面方向に間隔をあけて前記容器に複数設けられ、
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、一セットずつ、各々の前記収容穴に向けて配置可能となっている請求項1に記載の液量測定装置。
【請求項3】
前記光拡散部材における前記面方向の幅寸法は、前記収容穴における前記面方向の最大幅寸法よりも大きい請求項1または2に記載の液量測定装置。
【請求項4】
前記光拡散部材と前記光検出器との距離は、前記測定光における前記面方向の幅寸法の0.5倍以上である請求項1から3のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項5】
前記光拡散部材と前記第二表面との距離は、10mm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項6】
前記光検出器の受光範囲の前記面方向の幅寸法は、前記測定光における前記面方向の幅寸法以下に設定される請求項1から5のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項7】
前記光検出器と前記第二表面との距離は、30mm以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項8】
前記レンズと前記第一表面との間、および、前記光拡散部材と前記第二表面との間のうちの少なくとも一方に配置される環状部材であって、自身の内周縁によって、前記測定光の幅を画定する開口絞りをさらに備える請求項1から7のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の液量測定装置と、
前記液量測定装置における前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットを支持して前記容器に対して前記面方向に相対移動させる移動装置と、
を備える液量測定システム。
【請求項10】
前記移動装置は、
前記面方向における第一方向に前記容器を移動させる第一移動部と、
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットを前記第一方向に交差する前記面方向における第二方向に移動させる第二移動部と、
を有する請求項9に記載の液量測定システム。
【請求項11】
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、一セットのみが設けられ、
前記移動装置は、前記セットを複数の前記収容穴に一つずつ順次配置する請求項9または10に記載の液量測定システム。
【請求項12】
前記収容穴は、前記面方向における第一方向、および前記第一方向に交差する前記面方向における第二方向に等間隔をあけて前記容器に複数設けられ、
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、前記第一方向に並んで複数設けられ、
前記移動装置は、前記第一方向に並ぶ複数の前記セットを前記第二方向に移動させる請求項9または10に記載の液量測定システム。
【請求項13】
赤外線を透過する材料で形成された容器における収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定方法であって、
前記収容穴が形成された領域において、前記容器の表面に向けて赤外線を放射する工程と、
前記赤外線を屈折させて前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光として前記容器に入射させる工程と、
前記容器を透過した前記測定光を拡散させる工程と、
拡散された前記測定光を受光する工程と、
受光された前記測定光の光量から前記収容穴内の液体試料の液量を演算する工程と、
を含む液量測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液量測定するための液量測定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロプレート等の容器の各ウェルに分注された液体試料の液量を測定する装置が知られている。そして、このような装置の一例は特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1の装置では、赤外線カメラによってウェル中の試料を撮影し、撮影した画像の濃淡からウェル中の試料の液量を測定可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-40705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら液量測定装置に赤外線カメラを用いた場合、装置のコストがかさむといった問題がある。特に特許文献1に記載の装置では、マイクロプレートの全体を一度に撮影可能とするためレンズサイズも大きくなってしまい、さらに高価になってしまう。
【0006】
そこで本発明は、コストを抑えつつ、精度の高い液量測定が可能な液量測定装置等を提供する。
【0007】
本発明の一態様に係る液量測定装置は、赤外線を透過する材料で形成された容器における収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定装置であって、前記収容穴が形成された領域において、前記容器の第一表面に向けて赤外線を放射する光源と、前記第一表面と前記光源との間に配置されて、前記赤外線を屈折させて前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光とするレンズと、前記容器における前記第一表面とは反対側の第二表面側に配置されて、前記容器を透過した前記測定光を受光する光検出器と、前記第二表面と前記光検出器との間に配置されて、前記測定光を拡散させる光拡散部材と、前記光検出器で受光した前記測定光の光量から前記収容穴内の試料の液量を演算する演算装置と、を備えている。
【0008】
また上記液量測定装置では、前記収容穴は、前記面方向に間隔をあけて前記容器に複数設けられ、前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、一セットずつ、各々の前記収容穴に向けて配置可能となっていてもよい。
【0009】
また上記液量測定装置では、前記光拡散部材における前記面方向の幅寸法は、前記収容穴における前記面方向の最大幅寸法よりも大きくともよい。
【0010】
また上記液量測定装置では、前記光拡散部材と前記光検出器との距離は、前記測定光における前記面方向の幅寸法の0.5倍以上であってもよい。
【0011】
また上記液量測定装置では、前記光拡散部材と前記第二表面との距離は、10mm以下であってもよい。
【0012】
また上記液量測定装置では、前記光検出器の受光範囲の前記面方向の幅寸法は、前記測定光における前記面方向の幅寸法以下に設定されてもよい。
【0013】
また上記液量測定装置では、前記光検出器と前記第二表面との距離は、30mm以下であってもよい。
【0014】
また上記液量測定装置は、前記レンズと前記第一表面との間、および、前記光拡散部材と前記第二表面との間のうちの少なくとも一方に配置される環状部材であって、自身の内周縁によって、前記測定光の幅を画定する開口絞りをさらに備えてもよい。
【0015】
また本発明の一態様に係る液量測定システムは、上記の液量測定装置と、前記液量測定装置における前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットを支持して前記容器に対して前記面方向に相対移動させる移動装置と、を備えている。
【0016】
また上記液量測定システムでは、前記移動装置は、前記面方向における第一方向に前記容器を移動させる第一移動部と、前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットを前記第一方向に交差する前記面方向における第二方向に移動させる第二移動部と、を有してもよい。
【0017】
また上記液量測定システムでは、前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、一セットのみが設けられ、前記移動装置は、前記セットを複数の前記収容穴に一つずつ順次配置してもよい。
【0018】
また上記液量測定システムでは、前記収容穴は、前記面方向における第一方向、および前記第一方向に交差する前記面方向における第二方向に等間隔をあけて前記容器に複数設けられ、前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、前記第一方向に並んで複数設けられ、前記移動装置は、前記第一方向に並ぶ複数の前記セットを前記第二方向に移動させてもよい。
【0019】
また本発明の一態様に係る液量測定方法は、赤外線を透過する材料で形成された容器における収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定方法であって、前記収容穴が形成された領域において、前記容器の表面に向けて赤外線を放射する工程と、前記赤外線を屈折させて前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光として前記容器に入射させる工程と、前記容器を透過した前記測定光を拡散させる工程と、拡散された前記測定光を受光する工程と、受光された前記測定光の光量から前記収容穴内の液体試料の液量を演算する工程と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0020】
上記の液量測定装置等によれば、コストを抑えつつ、精度の高い液量測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る液量測定システムの正面図である。
図2A】上記液量測定システムにおける液量測定装置の正面図であって、ウェルの底部に試料が存在する場合の液量測定の様子を示す図である。
図2B】上記液量測定システムにおける液量測定装置の正面図であって、ウェル内で片寄った位置に試料が存在する場合の液量測定の様子を示す図である。
図3A】上記液量測定システムの演算装置に記憶される換算テーブルの一例を示す実験結果のグラフである。
図3B】仮に光拡散部材が設けられない場合の実験結果のグラフである。
図4】第一変形例に係る液量測定システムの斜視図である。
図5】第二変形例に係る液量測定システムの斜視図である。
図6】第三変形例に係る液量測定システムの斜視図である。
図7】第四変形例に係る液量測定システムにおける液量測定装置の正面図である
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態の液量測定システム1は、例えば容器としてのマイクロプレート100のウェル101内の液体試料Sの液量を測定する液量測定装置2と、液量測定装置2をマイクロプレート100に対して相対移動させる移動装置3とを備えている。
【0023】
ここでマイクロプレート100は、後述する赤外線を透過可能な材料で形成されているとともに板状をなし、平行に配置された第一表面(下面)100aと第二表面(上面)100bとを有している。第二表面100bからは第一表面100aに向かってマイクロプレート100の厚さ方向(以下、プレート厚さ方向)に凹むようにして、プレート厚さ方向の中途位置まで延びるウェル101が複数形成されている。すべてのウェル101は同一形状をなしている。また複数のウェル101はマイクロプレート100の面方向(以下、プレート面方向とする)に、すなわち水平方向に等間隔をあけて並んでいる。より具体的には、プレート面方向におけるX方向(第一方向)、およびX方向に直交(交差)するY方向に複数のウェル101が規則的に並んでいる。
【0024】
各ウェル101内には各種分析、検査、試験等に用いられる液体試料Sが分注されて収容されるようになっている。なお本実施形態ではウェル101に収容される試料Sは水溶液である。水の吸光スペクトルのピーク波長は、1450〔nm〕程度であることが知られている。
【0025】
ここでウェル101の形状、大きさ、および数量は特に限定されるものではない。具体的には、ウェル101の数量としては24個、96個、384個等が例示される。またウェル101の底部の形状は平底状であったり、U字状であったり、V字状であったりしてもよい。
【0026】
(液量測定装置)
図2Aおよび図2Bに示すように液量測定装置2は、赤外線を放射する光源10と、光源10からの赤外線を屈曲させてマイクロプレート100へ入射させるレンズ11と、マイクロプレート100を透過した赤外線を拡散させる光拡散部材12と、光拡散部材12を通過した赤外線を受光する光検出器13と、光検出器13での受光量からウェル101内の試料Sの液量を演算する演算装置14とを備えている。
【0027】
(光源)
光源10は、例えば本実施形態では発光スペクトルのピーク波長が1450〔nm〕に設定された近赤外線LEDである。すなわち光源10は、近赤外線を放射する点光源である。図2Aおよび図2Bに示すように光源10は、マイクロプレート100の第一表面100aの下方に配置されてプレート厚さ方向に、第一表面100aに向けて近赤外線を放射する。試料Sの液量測定時には、光源10の中心が測定対象のウェル101の中心線CL上に位置する。以下、液量測定時の光源10の位置を測定位置とする。
【0028】
(レンズ)
レンズ11は平凸レンズであって、平面側を光源10側に向け、凸面側をマイクロプレート100の第一表面100a側に向けた状態で第一表面100aと光源10との間に配置されている。そしてレンズ11はプレート面方向に広がる板状をなしている。測定位置において、レンズ11の中心の位置は光源10の中心の位置に一致する。よってレンズ11の中心はウェル101の中心線CL上に位置する。
【0029】
レンズ11におけるプレート面方向の幅寸法は、測定対象のウェル101における最大幅寸法(ウェル101の直径)よりも若干大きい。これによりレンズ11は光源10から放射された赤外線をウェル101の幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光としての平行光H(断面円形となる範囲で、光の進行方向が中心線CLに略平行となる光))に変換してマイクロプレート100の第一表面100aに入射させるようになっている。測定位置において平行光Hは、測定対象のウェル101(101A)のみを通過するようになっている。すなわち、測定対象のウェル101(101A)に隣接するウェル101(101B)には平行光Hが入射しないよう、レンズ11の幅寸法が、ウェル101の最大幅寸法Wよりも大きく、かつ、ウェル101の最大幅寸法Wにウェル101同士の隙間Gの2倍を加えた値よりも小さくなるように、レンズ11のサイズが決定されている。
【0030】
レンズ11の凸面と第一表面100aとの距離(プレート厚さ方向の距離)は、10〔mm〕以下であることが好ましい。
【0031】
(光検出器)
光検出器13には、例えば本実施形態ではInGaAsフォトダイオードが採用される。光検出器13は、赤外線として1000〔nm〕以上1700〔nm〕以下の波長の近赤外線に対して高い受光感度を有している。光検出器13は、マイクロプレート100の第二表面100b側に配置されて、マイクロプレート100を透過した平行光Hを受光し、受光した光の強度に応じた信号(例えば電圧や電流)を発生する。フォトダイオードの形式は特に限定されないがPIN型またはAPD型が好適である。測定位置では光検出器13の中心はウェル101の中心線CL上に配置される。また光検出器13にはフォトダイオードに代えて、受光量によって電気抵抗が変化する光電導素子等を用いてもよい。ここで光検出器13とマイクロプレート100の第二表面100bとの距離(プレート厚さ方向の距離)は、30〔mm〕以下であることが好ましい。また光検出器13の受光範囲のプレート面方向の幅寸法は、平行光Hにおけるプレート面方向の幅寸法以下に設定されている。
【0032】
(光拡散部材)
光拡散部材12は、マイクロプレート100のプレート面方向に広がる板状をなす拡散板である。光拡散部材12は、例えば、内部や表面に光拡散微粒子を含有する円形状の樹脂プレートである。なお光拡散部材12はすりガラスであってもよい。
【0033】
光拡散部材12は、マイクロプレート100の第二表面100bと光検出器13との間に配置されている。光拡散部材12は、マイクロプレート100を透過した平行光Hを、自身の内部で各種方向に拡散させる。結果、光拡散部材12における光検出器13側の表面の輝度分布は、プレート面方向に平均化される。ここで「平均化」の概念には、輝度分布が完全に平均化される場合だけでなく、光拡散部材12によって輝度分布がなだらかになる場合も含まれる。
【0034】
光拡散部材12におけるプレート面方向の幅寸法(光拡散部材12の直径)は、ウェル101の最大幅寸法(ウェル101の直径)よりも大きく、平行光Hにおけるプレート面方向の幅寸法と同等又はそれ以上であることが好ましい。また光拡散部材12と光検出器13との間のプレート厚さ方向の距離は、平行光Hにおけるプレート面方向の幅寸法の0.5倍以上であるとよい。
(演算装置)
演算装置14は、光検出器13で受光した平行光Hの強度に応じて光検出器13で生じた信号値(電圧値や電流値)から、測定対象のウェル101中の試料Sの液量を演算する。演算装置14は、不図示のCPU、RAM、ROM等を含む計算機を有している。演算装置14は、ウェル101内の試料Sの液量と、光検出器13で発生する信号値との関係を示すテーブル等を予め記憶している。演算装置14ではこのテーブルを基に、試料Sの液量を演算するようになっている。具体的には例えば試料Sの液量が0μリットル時の光量(信号値)を100%とすると、図3Aに示すような換算テーブル(計算式であっても良いし、計算テーブルであってもよい)を演算装置14が有している。
【0035】
(移動装置)
次に移動装置3について説明する。なお移動装置3の構造は、特に下記の構造に限定されるものではない。図1に戻って本実施形態の移動装置3は、マイクロプレート100をプレート面方向におけるX方向のみに移動させる搬送テーブル(第一移動部)15と、搬送テーブル15に対して液量測定装置2における光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットをプレート面方向におけるY方向のみに移動させる水平駆動部(第二移動部)16とを有している。ここで本実施形態では、プレート面方向は水平方向に一致している。
【0036】
搬送テーブル15は、X方向に延びる例えばベルトコンベア等である。搬送テーブル15の上面にはマイクロプレート100が載置される。例えば、搬送テーブル15におけるX方向の上流側には不図示の分注装置における搬送装置200が配置され、搬送テーブル15におけるX方向の下流側には不図示の分析装置における搬送装置300が配置されている。マイクロプレート100は、分注装置における搬送装置200から搬送テーブル15に受け渡されて液量測定装置2によって試料Sの液量が測定された後に、分析装置における搬送装置300に受け渡されるようになっている。なお搬送テーブル15はX方向の両側にマイクロプレート100を往復移動させることも可能となっている。
【0037】
水平駆動部16は、モーターおよび動力伝達機構(ベルト又は歯車等)を有している。また水平駆動部16は光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットを支持する。水平駆動部16には制御装置17が設けられている。制御装置17は、不図示のCPU、RAM、ROM等を含む計算機を有している。制御装置17は光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13の移動経路を予め記憶している。移動経路としては、例えばY方向の一方に向かった後にY方法の他方に向かうようなジグザグ状の経路が挙げられる。制御装置17はこの移動経路に沿って、かつ搬送テーブル15の動きに同期させて搬送テーブル15の動作に合わせて光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットをY方向に移動させ、各々のウェル101に向けて順次配置していく。よって光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットが、一セットずつ、各々のウェル101に向けて順次配置され、光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットと、各ウェル101とが一対一となって液量の測定が行われる。なお制御装置17は水平駆動部16とともに搬送テーブル15の制御も行ってもよい。
【0038】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の液量測定システム1では、図2Aに示すように、光源10から放射された赤外線の一部がウェル101内の試料Sに吸光される。そしてウェル101内の試料Sの液量が多いほど赤外線の吸光量が多くなるため、ウェル101内の試料Sの液量が多いほど、光検出器13で受光される光量が少なくなる。そして光検出器13で受光される平行光Hの光量に応じて、図3Aのテーブルを利用して、演算装置14によって試料Sの液量を算出することができる。このように光源10と光検出器13とを測定に用いることで、非常に簡素な構造で、コストを抑えつつ、精度高く試料Sの液量測定が可能となる。
【0039】
ここで試料Sは、図2Bに示すように、ウェル101の底部のみにとどまらず、ウェル101の内壁面と底面とにわたって様々な位置に片寄った位置でウェル101内に収容されている場合がある。このような場合であっても、本実施形態の液量測定システム1では赤外線(平行光H)を各ウェル101においてウェル101の全体に入射させることができるため、ウェル101内の何れの位置に試料Sが存在していたとしても、試料Sの液量に応じて赤外線を吸光させることができ、試料Sの希釈・かさ増しのような前処理を行うことなく、容易に試料Sの液量測定が可能となる。つまり、試料Sを通過した平行光Hの透過映像ではなく、平行光Hの透過光量によって測定できるので、試料Sの片寄り等に柔軟に対応できる。
【0040】
また、可視光ではなく赤外線を用いて液量測定を行うため、一般的に知られたプレートリーダーのように試料Sの着色等の前処理も不要であり、光学フィルタ等の装置も不要となる。また本実施形態の光検出器13は可視光に対する受光感度が低い(または無い)ため、測定時に外部から可視光が入射することによる測定値に対する外乱を回避できる。
【0041】
さらに、光源10からの赤外線をレンズ11によって平行光Hに変換することで、光源10がウェル101の最大幅寸法に対して十分に小さい点光源からの拡散光であったとしても、ウェル101全体への赤外線の入射が可能となり、測定精度を向上することができる。
【0042】
また光拡散部材12を光検出器13とマイクロプレート100との間に設け、プレート面方向に光の輝度を平均化(平滑化・平準化)することで、光検出器13での受光量に誤差が生じてしまうことを抑え、測定精度の向上につながる。仮に光拡散部材12が設けられない場合には、図3Bに示すように測定精度にばらつきが生じてしまう。
【0043】
ここで本実施形態では上述のように光検出器13の受光範囲のプレート面方向の幅寸法は、平行光Hにおけるプレート面方向の幅寸法以下に設定されているため、マイクロプレート100を透過した平行光Hのすべてではなく、マイクロプレート100を透過した平行光Hの一部が光検出器13で受光される場合がある。しかし光拡散部材12を設けたことでプレート面方向の輝度分布が平均化されるため、光検出器13の受光面積の大きさにかかわらず、測定精度を確保できる。
【0044】
また移動装置3によって光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットをマイクロプレート100に対してX方向およびY方向に移動させ、順次、測定対象のウェル101に一つずつ配置していくことができる。よって、すべてのウェル101内の試料Sの液量を順次、自動で測定していくことができる。
【0045】
また光拡散部材12の幅寸法がウェル101の最大幅寸法よりも大きいことで、ウェル101を通過した平行光Hのすべてについて光拡散部材12を通過させることができる。よってウェル101を通過した平行光Hのすべてを平均化して光検出器13へ入射させることができ、試料Sがウェル101内で片寄っても、試料Sの液量と光検出器13での受光量の比例関係に誤差が生じてしまうことを抑え、測定精度の向上につながる。
【0046】
また光拡散部材12と光検出器13との距離を遠ざけ、好ましくはこの距離を平行光Hの幅寸法の0.5倍以上とすることで、光拡散部材12によって完全拡散光(輝度が方向によらず一定となる状態)となった平行光Hが、より平均化された位置において、平行光Hを光検出器13で受光することができるため、測定精度の向上につながる。
【0047】
また、光拡散部材12とマイクロプレート100との距離を近づけ、好ましくはこの距離を10〔mm〕以下とすることで、マイクロプレート100を透過した平行光Hが光拡散部材12から離れる方向に大きく拡散する前に光拡散部材12を通過させることができ、光拡散部材12を通過する光量を確保でき、光検出器13での受光量を確保でき、測定精度が向上する。
【0048】
さらに、光検出器13とマイクロプレート100との距離を近づけ、好ましくは光検出器13とマイクロプレート100の第二表面100bとの距離を30〔mm〕以下とすることで、光検出器13にノイズとしての外部からの光が入ってしまうことを回避できるとともに、装置全体のコンパクト化につながる。
【0049】
また移動装置3によって、マイクロプレート100をX方向に動作させることで測定が行われるため、マイクロプレート100を保持した不図示の分注装置に対して、本実施形態の液量測定システム1を容易に追加設置でき、既存の分注装置に液量測定の機能を容易に付加することができる。
【0050】
なお本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば上述の場合とは逆に、マイクロプレート100の第一表面100a側に光拡散部材12および光検出器13を配置し、第二表面100b側に光源10およびレンズ11を配置してもよい。
【0051】
また光源10における発光スペクトルのピーク波長は上述の場合に限定されず、試料Sの違いに応じて適宜設定可能である。例えば試料Sがエタノール溶液である場合には、発光スペクトルのピーク波長は1650〔nm〕となる光源を採用するとよい。
【0052】
また光源10は赤外線LEDである場合に限定されず、例えば赤外線電球であってもよい。また光源10は点光源である場合に限定されず、平行光Hを発する面光源であってもよい。この場合、複数のウェル101内の試料Sに対して一度に赤外線を照射することができる。ただしこの場合、ウェル101毎に赤外線を照射する場合に比べて測定精度が低下する可能性がある。しかしながら演算装置14でデータを補正する等によって、必要十分な測定精度を確保することが可能である。
【0053】
また、液量測定を行う前に、マイクロプレート100のキャリブレーションを行ってもよい。すなわち、例えばマイクロプレート100のウェル101に試料Sが収容されていない空の状態でウェル101に赤外線を入射させて光量を測定することで、液量0μリットルの場合の基準光量をメモリに保存してもよい。これによりマイクロプレート100毎の個体差に基づく補正値を得ることができ、この補正値を演算装置14に事前に入力しておく等によって、実際の試料Sの液量測定の際の精度を向上することができる。さらに、例えば、測定対象となる液培(ここでは水やエタノール)について、正しく測定された複数の規定量(例えば0μリットル、20μリットル、40μリットル)をマイクロプレート100のウェル101に貯留させ、このウェル101に赤外線を入射させて光量を測定することで、複数の規定液量に対応する基準光量をメモリに保存してもよい。これらの複数の規定液量に対応する基準光量により、マイクロプレート100毎における、光量-液量の相関に関する補正値を得ることができ、より一層、実際の試料Sの液量測定の際の精度を向上させることができる。
【0054】
また移動装置3は搬送テーブル15によってY方向にマイクロプレート100を移動させ、かつ、X方向に液量測定装置2を移動させてもよい。
【0055】
〔第一変形例〕
またマイクロプレート100の位置を固定した状態で、液量測定装置2を移動させて液量測定を行ってもよい。具体的には、図4に示すように移動装置3Aが支持柱20および支持台21と、支持柱20に支持された一対のアーム22と、支持柱20に対してアーム22をX方向に移動させる第一水平駆動部23と、支持柱をアーム22とともにY方向に移動させる第二水平駆動部24と、これら二つの駆動部23、24の動作を制御する制御装置25とを有していてもよい。
【0056】
支持柱20は、X方向およびY方向に直交(交差)するZ方向(鉛直方向)に延びている。
支持台21は支持柱20の下部を支持している。支持台21には例えばガイド溝(またはスライドレール)21aが設けられ、支持柱20をY方向にスライド移動可能に支持している。
一対のアーム22は、支持柱20に支持されてX方向に延びている。アーム22同士はZ方向に離れて配置されて、Z方向に対向している。
【0057】
下部のアーム22(22A)にはZ方向の上方に突出するように一つの光源10および一つのレンズ11が設けられている。また上部のアーム22(22B)にはZ方向の下方に突出するように、一つの光検出器13および一つの光拡散部材12が設けられている。すなわち、本実施形態では、光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13は一セットのみが設けられている。アーム22は例えば支持柱20に設けられた不図示の案内レールによって、支持柱20に対してX方向に相対移動可能となっている。マイクロプレート100は、一対のアーム22によってZ方向に挟まれるようにして配置可能となっている。
【0058】
第一水平駆動部23は、詳細な図示は省略するが、モーターおよび動力伝達機構(ベルト又は歯車等)を有している。第一水平駆動部23は支持柱20に設けられ、一対のアーム22を同期させて支持柱20に対してX方向にスライド移動させる。
【0059】
第二水平駆動部24は、詳細な図示は省略するが、モーターおよび動力伝達機構(ベルト又は歯車等)を有している。第二水平駆動部24は支持台21に設けられて、支持柱20とともに一対のアーム22をガイド溝21aに沿って支持台21に対してY方向にスライド移動させることが可能となっている。
【0060】
制御装置25は、第一水平駆動部23および第二水平駆動部24の動作を制御する。制御装置25は、不図示のCPU、RAM、ROM等を含む計算機を有している。制御装置25は光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13の移動経路Kを予め記憶している。この移動経路Kに合わせて、第一水平駆動部23および第二水平駆動部24を動作させてアーム22を移動させる。
【0061】
本実施形態では、光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13をX方向の一方に移動させた後にY方向の一方に移動させ、再びX方向の他方に移動させる。この動作を繰り返し、光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13の一セットをジグザグ状に移動させ、各々のウェル101に向けて順次配置していく。よって光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットが、一セットずつ、各々のウェル101に向けて順次配置され、光源10、レンズ11、光拡散部材12、および光検出器13のセットと、各ウェル101とが一対一となって液量の測定が行われる。ここで制御装置25は演算装置14と一体に設けられてもよいし、別体であってもよい
【0062】
〔第二変形例〕
また図5に示すように移動装置30は、支持柱20および支持台21と、支持柱20に固定支持された一対のアーム22と、支持柱20とともにアーム22をX方向(水平方向)に移動させる水平駆動部33と、水平駆動部33を制御する制御装置25とを有していてもよい。
【0063】
一対のアーム22は支持柱20からY方向に延びている。
下部のアーム22(22A)には、Z方向の上方に突出するように光源10およびレンズ11のセットが複数セット、Y方向に等間隔をあけて並んで設けられている。Y方向における光源10およびレンズ11のセットの間隔、数量は、Y方向におけるウェル101の間隔、数量に対応している。すなわち光源10およびレンズ11のセットをウェル101の一つ一つに対応させて配置することが可能となっている。なお光源10およびレンズ11はそれぞれ別々のアームに設けられてもよい。
【0064】
また上部のアーム22(22B)には、Z方向の下方に突出するように光検出器13および光拡散部材12のセットが複数セット、Y方向に等間隔をあけて並んで設けられている。Y方向における光検出器13および光拡散部材12のセットの間隔、数量は、Y方向におけるウェル101の間隔、数量に対応している。すなわち光検出器13および光拡散部材12のセットをウェル101の一つ一つに対応させて配置することが可能となっている。なお光検出器13および光拡散部材12はそれぞれ別々のアームに設けられてもよい。
【0065】
このような構成を有する場合においては、水平駆動部33によって一対のアーム22をX方向の一方に移動させることによって順次、ウェル101の列毎に液量測定を行うことができる。よってY方向に並ぶウェル101での液量測定を一度に終えることが可能であるため、短時間で液量の測定を完了することができる。
【0066】
なお第二変形例の移動装置30においては、マイクロプレート100のX方向の移動を上記の搬送テーブル15によって実行してもよい。
【0067】
〔第三変形例〕
また図6に示すように移動装置40は、支持柱20および支持台21と、支持柱20に固定支持された一対のアーム22と、支持柱20とともにアーム22をY方向(水平方向)に移動させる水平駆動部43と、水平駆動部43を制御する制御装置25とを有していてもよい。
【0068】
一対のアーム22は支持柱20からX方向に延びている。
下部のアーム22(22A)には、Z方向の上方に突出するように光源10およびレンズ11のセットが複数セット、X方向に等間隔をあけて並んで設けられている。X方向における光源10およびレンズ11のセットの間隔、数量は、X方向におけるウェル101の間隔、数量に対応している。すなわち光源10およびレンズ11のセットをウェル101の一つ一つに対応させて配置することが可能となっている。
【0069】
また上部のアーム22(22B)には、Z方向の下方に突出するように光検出器13および光拡散部材12のセットが複数セット、X方向に等間隔をあけて並んで設けられている。X方向における光検出器13および光拡散部材12のセットの間隔、数量は、X方向におけるウェル101の間隔、数量に対応している。すなわち光検出器13および光拡散部材12のセットをウェル101の一つ一つに対応させて配置することが可能となっている。
【0070】
このような構成を有する場合においては、水平駆動部43によって一対のアーム22をY方向の一方に移動させることによって順次、ウェル101の列毎に液量測定を行うことができる。よってX方向に並ぶウェル101での液量測定を一度に終えることが可能であるため、短時間で液量の測定を完了することができる。
【0071】
なお第三変形例の移動装置40においては、マイクロプレート100のY方向の移動を上記の搬送テーブル15によって実行してもよい。
【0072】
〔第四変形例〕
また図7に示すように、液量測定装置2は環状部材である開口絞り50をさらに備えていてもよい。開口絞り50は、レンズ11とマイクロプレート100における第一表面100aとの間、および光拡散部材12とマイクロプレート100における第二表面100bとの間にそれぞれ設けることができる。開口絞り50は例えば黒色で、かつ赤外線(近赤外光)を透過させない金属の板状をなし、板厚方向に貫通する案内孔を有している。レンズ11側の開口絞り50の案内孔の内径は、レンズ11を通過した平行光Hにおけるプレート面方向の幅寸法と一致、または平行光Hの幅寸法より小さくなっている。案内孔の内面は光吸収面50aとなっており、中心線CLに対して角度を有する光が光吸収面50aに到着すると、その光が吸収される。結果、開口絞り50を通過した平行光Hの平行度合いが良好になる。このような開口絞り50を設けることで、開口絞り50の内周縁によって平行光Hの幅を画定し、隣合うウェル101の平行光H同士が干渉し難くなることにより、光検出器13での受光量に基づいた液量測定の精度を向上することができる。なお開口絞り50はレンズ11と第一表面100aとの間、および光拡散部材12と第二表面100bとの間の一方のみに設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の液量測定装置等によれば、コストを抑えつつ、精度の高い液量測定が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 液量測定システム
2 液量測定装置
3、3A、30、40 移動装置
10 光源
11 レンズ
12 光拡散部材
13 光検出器
14 演算装置
25 制御装置
33 水平駆動部
43 水平駆動部
50 開口絞り
50a 光吸収面
100 マイクロプレート
100a 第一表面
100b 第二表面
101 ウェル
H 平行光(測定光)
S (液体)試料
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2020-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線を透過する材料で形成された容器における上面から下面に向かって凹む収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定装置であって、
前記収容穴が形成された領域において、前記上面および前記下面のうちの一方の面に向けて赤外線を放射する光源と、
前記一方の面と前記光源との間に配置されて、前記赤外線を屈折させて、前記上面が広がる方向である前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光とするレンズと、
前記容器における前記上面および前記下面のうちの他方の面側に配置されて、前記容器を透過した前記測定光を受光する光検出器と、
前記他方の面と前記光検出器との間に配置されて、前記測定光を拡散させる光拡散部材と、
前記光検出器で受光した前記測定光の光量から前記収容穴内の試料の液量を演算する演算装置と、
を備える液量測定装置。
【請求項2】
前記収容穴は、前記面方向に間隔をあけて前記容器に複数設けられ、
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、一セットずつ、各々の前記収容穴に向けて配置可能となっている請求項1に記載の液量測定装置。
【請求項3】
前記光拡散部材における前記面方向の幅寸法は、前記収容穴における前記面方向の最大幅寸法よりも大きい請求項1または2に記載の液量測定装置。
【請求項4】
前記光拡散部材と前記光検出器との距離は、前記測定光における前記面方向の幅寸法の0.5倍以上である請求項1から3のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項5】
前記光拡散部材と前記他方の面との距離は、10mm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項6】
前記光検出器の受光範囲の前記面方向の幅寸法は、前記測定光における前記面方向の幅寸法以下に設定される請求項1から5のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項7】
前記光検出器と前記他方の面との距離は、30mm以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項8】
前記レンズと前記一方の面との間、および、前記光拡散部材と前記他方の面との間のうちの少なくとも一方に配置される環状部材であって、自身の内周縁によって、前記測定光の幅を画定する開口絞りをさらに備える請求項1から7のいずれか一項に記載の液量測定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の液量測定装置と、
前記液量測定装置における前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットを支持して前記容器に対して前記面方向に相対移動させる移動装置と、
を備える液量測定システム。
【請求項10】
前記移動装置は、
前記面方向における第一方向に前記容器を移動させる第一移動部と、
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットを前記第一方向に交差する前記面方向における第二方向に移動させる第二移動部と、
を有する請求項9に記載の液量測定システム。
【請求項11】
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、一セットのみが設けられ、
前記移動装置は、前記セットを複数の前記収容穴に一つずつ順次配置する請求項9または10に記載の液量測定システム。
【請求項12】
前記収容穴は、前記面方向における第一方向、および前記第一方向に交差する前記面方向における第二方向に等間隔をあけて前記容器に複数設けられ、
前記光源、前記レンズ、前記光拡散部材、および前記光検出器のセットは、前記第一方向に並んで複数設けられ、
前記移動装置は、前記第一方向に並ぶ複数の前記セットを前記第二方向に移動させる請求項9または10に記載の液量測定システム。
【請求項13】
赤外線を透過する材料で形成された容器における上面から下面に向かって凹む収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定方法であって、
前記収容穴が形成された領域において、前記上面および前記下面のうちの一方の面に向けて赤外線を放射する工程と、
前記赤外線を屈折させて、前記上面が広がる方向である前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光として前記容器に入射させる工程と、
前記容器を透過した前記測定光を拡散させる工程と、
拡散された前記測定光を受光する工程と、
受光された前記測定光の光量から前記収容穴内の液体試料の液量を演算する工程と、
を含む液量測定方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様に係る液量測定装置は、赤外線を透過する材料で形成された容器における上面から下面に向かって凹む収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定装置であって、前記収容穴が形成された領域において、前記上面および前記下面のうちの一方の面に向けて赤外線を放射する光源と、前記一方の面と前記光源との間に配置されて、前記赤外線を屈折させて、前記上面が広がる方向である前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光とするレンズと、前記容器における前記上面および前記下面のうちの他方の面側に配置されて、前記容器を透過した前記測定光を受光する光検出器と、前記他方の面と前記光検出器との間に配置されて、前記測定光を拡散させる光拡散部材と、前記光検出器で受光した前記測定光の光量から前記収容穴内の試料の液量を演算する演算装置と、を備えている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また上記液量測定装置では、前記光拡散部材と前記他方の面との距離は、10mm以下であってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また上記液量測定装置では、前記光検出器と前記他方の面との距離は、30mm以下であってもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また上記液量測定装置は、前記レンズと前記一方の面との間、および、前記光拡散部材と前記他方の面との間のうちの少なくとも一方に配置される環状部材であって、自身の内周縁によって、前記測定光の幅を画定する開口絞りをさらに備えてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
また本発明の一態様に係る液量測定方法は、赤外線を透過する材料で形成された容器における上面から下面に向かって凹む収容穴に収容された液体試料の液量を測定する液量測定方法であって、前記収容穴が形成された領域において、前記上面および前記下面のうちの一方の面に向けて赤外線を放射する工程と、前記赤外線を屈折させて、前記上面が広がる方向である前記容器の面方向における前記収容穴の最大幅寸法よりも大きな領域に広がる測定光として前記容器に入射させる工程と、前記容器を透過した前記測定光を拡散させる工程と、拡散された前記測定光を受光する工程と、受光された前記測定光の光量から前記収容穴内の液体試料の液量を演算する工程と、を含んでいる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2B