(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041771
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】高蛋白ミルクゼリーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 9/00 20160101AFI20220304BHJP
A23C 9/154 20060101ALI20220304BHJP
A23L 33/19 20160101ALN20220304BHJP
【FI】
A23L9/00
A23C9/154
A23L33/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020154974
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】591025462
【氏名又は名称】旭東化学産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】島田 覚
【テーマコード(参考)】
4B001
4B018
4B025
【Fターム(参考)】
4B001AC02
4B001AC03
4B001AC05
4B001AC21
4B001BC01
4B001BC07
4B001BC08
4B001EC05
4B018LB01
4B018LE01
4B018MD20
4B018MD33
4B018MD71
4B018ME02
4B018MF04
4B018MF05
4B025LB18
4B025LE07
4B025LG23
4B025LG26
4B025LG27
4B025LG32
4B025LG44
4B025LG53
4B025LK03
4B025LP01
4B025LP10
4B025LP12
(57)【要約】
【課題】高蛋白ミルクゼリーの新規な製造方法を提供すること。
【解決手段】高蛋白ミルクゼリーを作るとき、高蛋白の乳原料として、WPC-80(whey protein concentrate)、WPI(whey protein isolate)などを使用するのが一般的です。新規製造方法では、乳製品として、MPC(milk protein concrete)を使用します。乳たんぱくを80%含有するMPC80などを使用します。このことにより、製造しやすく、また出来た製品は味付けのバラエティー化が可能で、配合する栄養成分の多様化が実現されます。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高濃度の乳たんぱく質を含むpH中性のミルクプリンまたはpH酸性のミルクプリン。およびその製造方法。
【請求項2】
高濃度の乳たんぱく質を含むミルクプリンにするための材料として、MPC(milk protein concentrate)を使用すること。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高蛋白ミルクゼリー、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高蛋白食品は少量の食品摂取で多量のたんぱく質を効果的に摂取するための食品であって、高齢化社会には必須の商品となっている。食が細くなる高齢者にとって必須といえる。
発明者は高蛋白ミルクゼリーの製法についてあらたな製法を考案した。
高蛋白ミルクゼリーを作るとき、高蛋白の乳原料として、WPC-80(whey protein concentrate)、WPI(whey protein isolate)などを使用するのが一般的です。しかし、ミルクホエー蛋白の水溶液を加熱すると凝固する性質があります。加熱凝固を避けるには溶液のpHを3.2前後に調整する必要があります。また、ミネラルが含まれると、加熱凝固を促進することがあります。したがって、ミルクホエー蛋白を使ってミルクゼリーを製造するには制約が多く、様々な味付けや機能性をもたせることが困難と言わざるをえません。
【0003】
新規製造方法では、ミルクゼリーに配合する高蛋白乳製品として、MPC(milk protein concentrate)を使用します。WPCがホエー蛋白を含有するのに対しMPCは脱脂乳を原料として乳糖を除去したものであって、ホエーとカゼインを含み、その比率は牛乳成分の比率とほぼ同じとなる。MPCは加熱凝固がしにくく、ミネラルが共存するときも加熱凝固がしにくい性質があります。MPCを使用すれば、高蛋白ミルクゼリーの製造がしやすく、味付けのバラエティー化、配合する栄養成分の多様化が実現されます。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高濃度の乳たんぱくを含む 中性ミルクプリン、および酸性ミルクプリンを大量生産できるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは高蛋白乳製品としてMPCを使用する
【0006】
MPCであるMPC80には80%の乳たんぱく質が含まれるため、WPC80と置き換えるだけで同じ量の蛋白量がえられます。
MPC80の溶液は、中性、酸性を問わず、加熱したときに凝固することがなく、製造工程上問題が起こりづらくなります。
【発明の効果】
【0007】
乳たんぱくを多く処方した配合のpH中性ミルクプリンやpH酸性ミルクプリンを通常の製造ラインで大量生産することが可能になります。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
pH中性のミルクプリンでは、乳製品のすべて又は乳製品の一部をMPCに置き換えます。
【0009】
pH酸性のミルクプリンでは乳たんぱくの酸性時安定化のためのペクチン、大豆食物繊維、CMCなどの一品または複数を配合します。果汁や酸味料などで酸味を加えます。
【0010】
ミネラル強化、ビタミン強化など、必要に応じて配合します。
【実施例0011】
ゲル化剤製剤、グラニュ糖、MPCを混合し、水に攪拌分散
85℃以上に攪拌加熱し、ゲル化剤を溶解。
バニラフレーバー、クリームをよく混ぜこんで、90℃加熱殺菌後カップに充填
冷やし固めます。
熱凝固もなく、おいしい中性ミルクプリンを得る。
【0012】
【表1】
ゲル化剤製剤、グラニュ糖、MPC80を混合し、水に攪拌分散
85℃以上に攪拌加熱溶解し、ゲル化剤溶解
クエン酸、果汁をよく混ぜこんで、90℃加熱殺菌後カップに充填
冷やし固めます。
熱凝固もなく、おいしい酸性フルーツプリンを得る。