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特開2022-41776Web会議アプリケーション用の中継装置
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  • 特開-Web会議アプリケーション用の中継装置 図1
  • 特開-Web会議アプリケーション用の中継装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041776
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】Web会議アプリケーション用の中継装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/145 20060101AFI20220304BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04B7/145
H04N7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020155861
(22)【出願日】2020-08-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】304045686
【氏名又は名称】亀田 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】亀田 芳彦
【テーマコード(参考)】
5C164
5K072
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164GA02
5C164MA02S
5C164MA07S
5C164PA31
5C164PA41
5C164VA07P
5C164VA09P
5K072AA19
5K072BB02
5K072BB03
5K072BB04
5K072BB15
5K072BB20
5K072BB25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】二つのWeb会議アプリケーションを同時に使用し、その会議音声及び画面を双方の会議に伝え、利用者に好適な音声及び画面中継装置を提供する。
【解決手段】音声共有を音波ではなく、画面共有をWebカメラを使うことなく、電気信号で直接中継を担う装置であって、Web会議アプリAを用いるパソコンをA、Web会議アプリBを用いるパソコンをBとするとき、音声中継はパソコンAのライン出力を減衰器を通してパソコンBのマイク入力に接続し、一方のパソコンBのライン出力を減衰器を通してパソコンAのマイク入力に接続する。これにより音波を介さず、従って周囲の雑音を拾うこともなく高音質で会議の音声を共有できる。画面中継は、パソコンをAの画像をHDMI端子から抽出し、Webカメラの出力フォーマットになるよう画像変換してパソコンBのUSB端子に接続することにより煩雑な撮影作業避けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコンのヘッドフォン用入力端子に挿入するピンジャックを2個具備し、1方のピンジャックのライン出力を減衰器を通してもう1方のピンジャックのマイク入力に接続し、同じく、もう1方のピンジャックのライン出力を減衰器を通してもう1方のピンジャックのマイク入力に接続する配線構成を成す音声中継装置。
【請求項2】
パソコンのHDMI端子から映像信号を取り出し、Webカメラのフォーマットへ変換してUSB端子へ出力する機能を具備する画像中継装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2を併せて具備した中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二つのWeb会議アプリケーションを同時に使用し、その会議音声及び画面を双方の会議に伝え、利用者に好適な音声及び画面中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地を結ぶ会議ではTV会議や電話会議が使われてきた。その後、IT技術の進展によりでWeb会議アプリケーションを使う例が増えてきた。Web会議アプリケーションは最近では10種類程度が多く使われているがデファクトスタンダードが無いため複数のWeb会議アプリケーションを使わざるを得ず、それらは相互の連携が出来ないという課題がある。相互の連携とは音声と画面の共有である。
【先行技術文献】
【0003】
調査した範囲では無い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Web会議アプリケーションは企業や機関では一般的に特定のアプリケーションのベンダーと契約し、そのアプリケーションのみ使用を認めているケースが大部分である。セキュリティの観点から例えば会社AはWeb会議のアプリケーションAのみ使用が認められ、会社BはWeb会議のアプリケーションBのみ使用が認められているというのが一般的である。
【0005】
この為、会議の主催者が使用するアプリケーションに対して異なるWeb会議アプリケーションの使用のみを許諾された参加者はテレビ会議での参加を余儀なくされている。
【0006】
Web会議では通常、音声と画面もしくは画面に映したファイルの共有を行い、会議を進行させる。通常は1つのWeb会議アプリケーションで会議を行うので課題は特にない。しかし、2つのWeb会議アプリケーションで会議を同時進行させる場合は音声と画面の共有は難しい。
【0007】
具体的に難しさを説明する。図1に示すようにパソコンを2台(PC-A1とPC-B1)用意し、一方のパソコンのスピーカ音(テレビ会議の音声)を一方のマイクで拾い、もう一方のパソコンのマイクで受ける。このため、音声品質が劣化するという課題が生ずる。画面共有は一方のパソコンに附属しているカメラで画面を撮影し、それをもう1台のパソコンのWeb会議のファイル共有機能を使用して共有する方法があるが、カメラで画面を撮影するのは距離、視野、視線方向の設定が難しく、煩雑な作業を強いられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの課題を解決する手段を提供する。
以下、この発明の実施例について、図2を参照して説明する。
【0009】
図2の20、点線で囲ったブロックが本装置であり、大きく、音声中継部分と画像中継部分に分かれる。
まず、音声中継部分を説明する。
パソコンのヘッドフォンコネクタ端子には一般的にマイク入力とライン出力がある。ライン出力はヘッドフォンあるいは外部スピーカを駆動する信号である。なお、パソコンによってはマイク入力とライン出力が別々の端子になっているものがあるが本質的な差はない。マイク入力とライン出力が別々のものに対しては分岐ケーブルで対応が出来る。
【0010】
パソコンAにはWeb会議アプリAが搭載、パソコンBにはWeb会議アプリBが搭載されているとする。パソコンAのヘッドフォンコネクタ端子には本装置のプラグ23を挿入し、同様にパソコンBのヘッドフォンコネクタ端子には本装置のプラグ24を挿入する。
【0011】
音声信号の流れを説明する。パソコンAのライン出力は減衰器に入力され減衰器の出力はパソコンBのマイク入力に入る。同様に、パソコンBのライン出力は減衰器を通ってパソコンAのマイク入力に入る。
【0011】
ここで、減衰器について説明する。
パソコンのマイクはダイナミック型や焦電型が使われ、マイク入力の信号レベルは一般的に数mVである。一方、ライン出力は主にイアフォンやヘッドフォンを駆動するため信号レベルは数百mV程度である。
従って、ライン出力は約1/100に減衰させてマイク入力信号とする。
【0012】
以上の構成によりアプリAの参加者とアプリBの参加者が本発明の音声中継機能により中継されて会議が実施できる。その際、物理的なマイクやスピーカーは使用しないので外部雑音の混入はないことを特徴としている。
【0013】
次に画像中継部分を説明する。Web会議では一般的に画面もしくは画面に映したファイルの共有を行い、ファイルを修正しつつ会議を進行させることが多い。図2のPC-A1にはWeb会議アプリAが動作し、画面にはファイルの内容が表示されているものとする。パソコンには通常、外部表示器のためにHDMI端子があり、端子には画面の画像信号がある。この画像信号を図2の画像変換器26に入力し、変換された画像信号をパソコンBのUSB端子へ接続する。
【0014】
USB端子への接続の目的を説明する。パソコンには通常、正面上部にWebカメラが搭載されており、このカメラで撮影した映像をWeb会議で映すことが多い。一方、さらに高画質などの目的で外部接続のWebカメラも接続が可能で、一般的にはUSB接続で行われる。接続するとパソコンのOSがWebカメラであることを認識する。この仕組みを本発明で用いている。つまり、画像変換器の出力はWebカメラに相当するよう構成する。
【0015】
パソコンPC-B1ではWebアプリBにより、デスクトップ画面を参加者に共有できる。具体的にはカメラアプリでUSB経由で入力されたカメラ映像を画面一杯に表示させる。
【0016】
以上の構成によりアプリAの参加者とアプリBの参加者が本発明の画像中継機能により中継されて会議が実施できる。その際、物理的なWebカメラは使用しないので撮像の設定などは必要ない。
【0017】
なお、図2において画像変換は片方向であるが、画像変換器を1個追加することにより両方向の画像変換ができることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0018】
本発明により二つの異なるWeb会議アプリケーションを同時に使用し、その会議音声と画面を双方の会議に音波やWebカメラの像ではなく電子信号で伝えることが出来、人手による設定や音波利用の際に外部雑音を拾うなどの問題を回避して、両会議の参加者に良質な音声信号と画像を届けることが出来る。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2020-12-14
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二つのWeb会議アプリケーションを同時に使用し、その会議音声及び画面を双方の会議に伝え、利用者に好適な音声及び画面中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地を結ぶ会議ではTV会議や電話会議が使われてきた。その後、IT技術の進展によりでWeb会議アプリケーションを使う例が増えてきた。Web会議アプリケーションは最近では10種類程度が多く使われているがデファクトスタンダードが無いため複数のWeb会議アプリケーションを使わざるを得ず、それらは相互の連携が出来ないという課題がある。相互の連携とは音声と画面の共有である。
【先行技術文献】
【0003】
調査した範囲では無い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Web会議アプリケーションは企業や機関では一般的に特定のアプリケーションのベンダーと契約し、そのアプリケーションのみ使用を認めているケースが大部分である。セキュリティの観点から例えば会社AはWeb会議のアプリケーションAのみ使用が認められ、会社BはWeb会議のアプリケーションBのみ使用が認められているというのが一般的である。
【0005】
この為、会議の主催者が使用するアプリケーションに対して異なるWeb会議アプリケーションの使用のみを許諾された参加者はテレビ会議での参加を余儀なくされている。
【0006】
Web会議では通常、音声と画面もしくは画面に映したファイルの共有を行い、会議を進行させる。通常は1つのWeb会議アプリケーションで会議を行うので課題は特にない。しかし、2つのWeb会議アプリケーションで会議を同時進行させる場合は音声と画面の共有は難しい。
【0007】
具体的に難しさを説明する。図1に示すようにパソコンを2台(PC-A1とPC-B1)用意し、一方のパソコンのスピーカ音(テレビ会議の音声)を一方のマイクで拾い、もう一方のパソコンのマイクで受ける。このため、音声品質が劣化するという課題が生ずる。画面共有は一方のパソコンに附属しているカメラで画面を撮影し、それをもう1台のパソコンのWeb会議のファイル共有機能を使用して共有する方法があるが、カメラで画面を撮影するのは距離、視野、視線方向の設定が難しく、煩雑な作業を強いられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの課題を解決する手段を提供する。
以下、この発明の実施例について、図2を参照して説明する。
【0009】
図2の20、点線で囲ったブロックが本装置であり、大きく、音声中継部分と画像中継部分に分かれる。まず、音声中継部分を説明する。
パソコンのヘッドフォンコネクタ端子には一般的にマイク入力とライン出力がある。ライン出力はヘッドフォンあるいは外部スピーカを駆動する信号である。なお、パソコンによってはマイク入力とライン出力が別々の端子になっているものがあるが本質的な差はない。マイク入力とライン出力が別々のものに対しては分岐ケーブルで対応が出来る。
【0010】
パソコンAにはWeb会議アプリAが搭載、パソコンBにはWeb会議アプリBが搭載されているとする。パソコンAのヘッドフォンコネクタ端子には本装置のプラグ23を挿入し、同様にパソコンBのヘッドフォンコネクタ端子には本装置のプラグ24を挿入する。
【0011】
音声信号の流れを説明する。パソコンAのライン出力は減衰器に入力され減衰器の出力はパソコンBのマイク入力に入る。同様に、パソコンBのライン出力は減衰器を通ってパソコンAのマイク入力に入る。
【0011】
ここで、減衰器について説明する。
パソコンのマイクはダイナミック型や焦電型が使われ、マイク入力の信号レベルは一般的に数mVである。
一方、ライン出力は主にイアフォンやヘッドフォンを駆動するため信号レベルは数百mV程度である。
従って、ライン出力は約1/100に減衰させてマイク入力信号とする。
【0012】
以上の構成によりアプリAの参加者とアプリBの参加者が本発明の音声中継機能により中継されて会議が実施できる。その際、物理的なマイクやスピーカーは使用しないので外部雑音の混入はないことを特徴としている。
【0013】
次に画像中継部分を説明する。Web会議では一般的に画面もしくは画面に映したファイルの共有を行い、ファイルを修正しつつ会議を進行させることが多い。図2のPC-A1にはWeb会議アプリAが動作し、画面にはファイルの内容が表示されているものとする。パソコンには通常、外部表示器のためにHDMI端子があり、端子には画面の画像信号がある。この画像信号を図2の画像変換器26に入力し、変換された画像信号をパソコンBのUSB端子へ接続する。
【0014】
USB端子への接続の目的を説明する。パソコンには通常、正面上部にWebカメラが搭載されており、このカメラで撮影した映像をWeb会議で映すことが多い。一方、さらに高画質などの目的で外部接続のWebカメラも接続が可能で、一般的にはUSB接続で行われる。接続するとパソコンのOSがWebカメラであることを認識する。この仕組みを本発明で用いている。つまり、画像変換器の出力はWebカメラに相当するよう構成する。
【0015】
パソコンPC-B1ではWebアプリBにより、デスクトップ画面を参加者に共有できる。具体的にはカメラアプリでUSB経由で入力されたカメラ映像を画面一杯に表示させる。
【0016】
以上の構成によりアプリAの参加者とアプリBの参加者が本発明の画像中継機能により中継されて会議が実施できる。その際、物理的なWebカメラは使用しないので撮像の設定などは必要ない。
【0017】
なお、図2において画像変換は片方向であるが、画像変換器を1個追加することにより両方向の画像変換ができることは言うまでもない。
【発明の効果】
【0018】
本発明により二つの異なるWeb会議アプリケーションを同時に使用し、その会議音声と画面を双方の会議に音波やWebカメラの像ではなく電子信号で伝えることが出来、人手による設定や音波利用の際に外部雑音を拾うなどの問題を回避して、両会議の参加者に良質な音声信号と画像を届けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】 画面共有の一般的な方法を示す図
図2】 本発明に係る中継装置の構成図