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特開2022-41787営業支援装置、営業支援方法及びそのためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041787
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】営業支援装置、営業支援方法及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220304BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220304BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20220304BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220304BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q10/06
G16Y20/40
G16Y40/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161892
(22)【出願日】2020-09-28
(62)【分割の表示】P 2020145340の分割
【原出願日】2020-08-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】519318580
【氏名又は名称】株式会社Magic Moment
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】村尾 祐弥
(72)【発明者】
【氏名】清家 良太
(72)【発明者】
【氏名】坂本 登史文
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】継続的に提供されるサービスのための営業支援方法において、サービス提供企業の担当者に、従来よりもCLTVを改善させる可能性の高い行動を提示することにある。
【解決手段】まず、営業支援装置110において、対象とする顧客に設定されたフェーズを取得する(S401)。次に、営業支援装置110は、設定されたフェーズに割り当てられたユーザー企業の1又は複数の担当者のうちのいずれかを選択する(S402)。そして、当該担当者の端末120に、設定されたフェーズにおいて顧客に提示可能な1又は複数のアクションのうちのいずれかを提示するためのアクション提示情報を送信する(S403)。アクション提示情報によって表示される入力項目のうちのすべての必須項目が入力されたか否かが判定され(S404)、必須項目が達成された場合には、そのことに応じて、対象顧客に次のフェーズが設定される(S405)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続的に提供されるサービスのための営業支援方法であって、
対象顧客に設定された、前記サービスの利用について顧客とサービス提供企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階のうちのいずれかの段階を取得する第1のステップと、
前記設定された段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択する第2のステップと、
前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記設定された段階において顧客に提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信する第3のステップと、
前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果として、すべての必須項目が入力されたことに応じて、前記対象顧客に次の段階を設定するステップと
を含むことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の営業支援方法であって、
前記第2のステップは、
各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が最も大きい担当者を選択するステップ
を含むことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1に記載の営業支援方法であって、
前記設定された段階は、2番目以降の段階であり、
前記第2のステップは、
各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に1又は複数の担当者を選択するステップ
を含み、
前記選択された1又は複数の担当者を表示するための担当者表示情報を、前段階において前記対象顧客に割り当てられた担当者の第2の端末に送信するステップと、
前記第2の端末から、前記担当者表示情報に基づいて表示された1又は複数の担当者のうちのいずれかの選択通知を受信するステップと、
前記選択通知に基づいて、前記設定された段階において前記対象顧客に割り当てる担当者を決定するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【請求項4】
請求項1に記載の営業支援方法であって、
各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者の行動履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の営業支援方法であって、
前記CLTVは、予測CLTVであることを特徴とする。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の営業支援方法であって、
前記対応づけは、各顧客を各段階で担当した担当に加えて、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客との最初の接点との対応づけをさらに含むことを特徴とする。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の営業支援方法であって、
前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示される1又は複数の入力項目の少なくとも一部を表示するためのアンケート表示情報を、前記行動提示情報を前記第1の端末に送信する前に、前記対象顧客が用いる第3の端末に表示するステップと、
前記第3の端末から、前記アンケート情報に基づいて表示されたアンケートに対する回答を受信するステップと、
前記回答の少なくとも一部を、前記入力項目表示情報と同時に又はその前後に前記第1の端末に送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【請求項8】
請求項1から7に記載の営業支援方法であって、
前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示されるいずれかの必須項目の入力に要する予測入力時間が所定の時間以上である場合に、前記入力表示情報を変更して前記必須項目を任意項目とするステップをさらに含むことを特徴とする。
【請求項9】
コンピュータに、継続的に提供されるサービスのための営業支援方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
対象顧客に設定された、前記サービスの利用について顧客とサービス提供企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階のうちのいずれかの段階を取得する第1のステップと、
前記設定された段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択する第2のステップと、
前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記設定された段階において顧客に提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信する第3のステップと、
前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果として、すべての必須項目が入力されたことに応じて、前記対象顧客に次の段階を設定するステップと
を含むことを特徴とする。
【請求項10】
継続的に提供されるサービスのための営業支援装置であって、
対象顧客に設定された、前記サービスの利用について顧客とサービス提供企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階のうちのいずれかの段階を取得し、
前記設定された段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択し、
前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記設定された段階において顧客に提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信し、
前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果として、すべての必須項目が入力されたことに応じて、前記対象顧客に次の段階を設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継続的に提供されるサービスのための営業支援装置、営業支援方法及びそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SaaS等の継続的に提供されるサービスのための営業活動において、成約に至り、その後サービスが解約されるまでの段階(フェーズ)を区分し、各フェーズにチームを割り当てて営業マネジメントを行う手法が知られている。サービスに応じてフェーズの単位は異なるものの、一例として、リードと呼ばれる見込顧客にサービスの概要を説明し、本商談の約束を取り付けることで商談機会の扉を開くナーチャリング、見込顧客との契約を成立させるクロージング、そして成約した顧客に利用を継続してもらうためのカスタマーサクセスに区分することができる。
【0003】
各チームの成績は、たとえば、自らが担当するフェーズに上がってきた案件のうち次のフェーズに進めた案件の割合によって評価することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各チームの成績は、当該サービスを提供する企業にとっての経営指標となる顧客生涯価値(Customer Lifetime Value(CLTV))と必ずしも直接的に結びついていない。CLTVとは、顧客がサービスを利用する期間全体に渡って支払う金額又はこれに対応する金額をいう。
【0005】
より具体的には、各チームの成績をKPIとして管理した場合、各チームは前のフェーズから受け取った案件をどれだけ直後のフェーズに渡すことができるかに終始してしまうことが避けられず、KPIの改善がサービス提供企業にとっての経営指標であるCLTVの改善に寄与するものであるのかが不明になっている。とはいえ、各チームの担当者(representative)としては、どのような行動を取ればよいか個別に判断をすることは容易ではない。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、継続的に提供されるサービスのための営業支援装置、営業支援方法、及びそのためのプログラムにおいて、サービス提供企業の担当者に、従来よりもCLTVを改善させる可能性の高い行動を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、継続的に提供されるサービスのための営業支援方法であって、対象顧客に設定された、前記サービスの利用について顧客とサービス提供企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階のうちのいずれかの段階を取得する第1のステップと、前記設定された段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択する第2のステップと、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記設定された段階において顧客に提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信する第3のステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様であって、前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果として、すべての必須項目が入力されたことに応じて、前記対象顧客に次の段階を設定するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様であって、前記第2のステップは、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が最も大きい担当者を選択するステップを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様であって、前記設定された段階は、2番目以降の段階であり、前記第2のステップは、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に1又は複数の担当者を選択するステップを含み、前記選択された1又は複数の担当者を表示するための担当者表示情報を、前段階において前記対象顧客に割り当てられた担当者の第2の端末に送信するステップと、前記第2の端末から、前記担当者表示情報に基づいて表示された1又は複数の担当者のうちのいずれかの選択通知を受信するステップと、前記選択通知に基づいて、前記設定された段階において前記対象顧客に割り当てる担当者を決定するステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第5の態様は、第1の態様であって、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者の行動履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、前記行動提示情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第6の態様は、第1の態様であって、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記設定された段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者の行動履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第7の態様は、第6の態様であって、前記変更は、前記入力項目表示情報により表示される入力項目のうちの任意項目を必須項目に変更することを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第8の態様は、第3から第7のいずれかの態様であって、前記CLTVは、予測CLTVであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第9の態様は、第8の態様であって、前記予測CLTVは、前記サービスの月額単価に予測継続月数を乗じた値又はこれに対応する値であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第10の態様は、第8の態様であって、前記予測CLTVは、前記サービスの月額単価に予測継続月数を乗じた値にさらに前記対象顧客が契約までに要した日数に反比例する値を乗じた値であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第11の態様は、第3から第10のいずれかの態様であって、前記CLTV又はこれに対応するスコアの合計金額に対応する値は、設定された段階より前のいずれかの段階を担当した担当者が前記対象顧客と同一である顧客との契約の範囲で算出したCLTV又はこれに対応するスコアの合計金額であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第12の態様は、第3から第10のいずれかの態様であって、前記対応づけは、各顧客を各段階で担当した担当に加えて、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客との最初の接点との対応づけをさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第13の態様は、第12の態様であって、前記CLTV又はこれに対応するスコアの合計金額に対応する値は、前記最初の接点が前記対象顧客と同一である顧客との契約の範囲で算出したCLTV又はこれに対応するスコアの合計金額であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の第14の態様は、第1から第13のいずれかの態様であって、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示される1又は複数の入力項目の少なくとも一部を表示するためのアンケート表示情報を、前記行動提示情報を前記第1の端末に送信する前に、前記対象顧客が用いる第3の端末に表示するステップと、前記第3の端末から、前記アンケート情報に基づいて表示されたアンケートに対する回答を受信するステップと、前記回答の少なくとも一部を、前記入力項目表示情報と同時に又はその前後に前記第1の端末に送信するステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第15の態様は、第1から第14の態様の営業支援方法であって、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示されるいずれかの必須項目の入力に要する予測入力時間が所定の時間以上である場合に、前記入力表示情報を変更して前記必須項目を任意項目とするステップをさらに含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第15の態様は、コンピュータに、継続的に提供されるサービスのための営業支援方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、対象顧客に設定された、前記サービスの利用について顧客とサービス提供企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階のうちのいずれかの段階を取得する第1のステップと、前記設定された段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択する第2のステップと、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記設定された段階において顧客に提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信する第3のステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第16の態様は、継続的に提供されるサービスのための営業支援装置であって、対象顧客に設定された、前記サービスの利用について顧客とサービス提供企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階のうちのいずれかの段階を取得し、前記設定された段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択し、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記設定された段階において顧客に提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、サービス提供企業の各担当者が用いる端末の表示画面に表示される内容を、販売対象のサービス及び営業活動のフェーズに応じて、適宜定めることによって、各担当者は、自らが用いる端末に表示される内容に沿って必要なコミュニケーションを顧客と取っていけばよく、過度に個別に判断をすることなく、効率的に営業活動を遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる営業支援装置を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態において、ナーチャリングフェーズの担当者に最初に表示される画面の一例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態において、ナーチャリングフェーズの担当者に2番目に表示される画面の一例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態にかかる営業支援方法の流れ図である。
図5】本発明の第2の実施形態にかかる営業支援方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態にかかる営業支援装置を示す。営業支援装置110は、インターネット等のコンピュータネットワークを介して営業支援装置110によって提供される営業支援サービスのユーザー企業の端末120と通信を行う。当該営業支援サービスでは、ユーザー企業毎にメンバーの登録が可能であり、各メンバーに対し、当該ユーザー企業が提供するサービスが有する複数のフェーズのうちのいずれを担当するかを設定することができる。また、当該営業支援サービスでは、各ユーザー企業の各顧客がいずれのフェーズに属するかが設定される。サーバ130は、ユーザー企業のサービスを提供するためのものであり、必要に応じて営業支援装置110とコンピュータネットワークを介して通信可能とされる。
【0028】
当該サービスは、継続的に提供されるものであり、当該サービスの利用について顧客とユーザー企業との間で契約が成立して、その後解約されるまでの期間を区分した複数の段階に分けて営業が行われる。本明細書において「継続的に提供されるサービス」とは、サービス提供企業と顧客との間の契約に基づいて、サービスの利用が一月を超えて継続し、複数回の支払が発生するサービスを言い、一例として月額課金サービスが挙げられる。
【0029】
営業支援装置110は、通信インターフェースなどの通信部111と、プロセッサ、CPU等の処理部112と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部113とを備え、各処理を行うためのプログラムを実行することによって構成することができる。営業支援装置110は、1又は複数の装置、コンピュータないしサーバを含むことがある。また、当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。当該プログラムは、記憶部113又は営業支援装置110からアクセス可能な記憶媒体114に記憶しておき、処理部112において実行することができる。記憶媒体114に記憶されたデータは、その全部又は一部を記憶部113にて記憶してもよい。本明細書において、営業支援装置110が用いるデータは、記憶部113又は記憶媒体114に記憶され、必要に応じて参照される。
【0030】
図2に、本発明の第1の実施形態において、ナーチャリングフェーズの担当者に最初に表示される画面の一例を示す。図2の画面200は、端末120を用いる担当者が担当可能なフェーズの1又は複数の顧客のうちのいずれかに対するアクションを提案する画面という意味で、以下「提案画面(suggestion screen)」と呼ぶ。担当者と顧客との組み合わせは、顧客に対して当該顧客と同一ステージを担当可能な担当者を割り当てる場合と、担当者に対して当該担当者が担当可能な1又は複数のステージのいずれかに属する顧客を割り当てる場合が考えられる。また、担当者と顧客との組み合わせは、顧客に対するアクションをさらに関連づけて、担当者と顧客と顧客に対するアクションの組み合わせとすることができる。
【0031】
ここで、本明細書において「顧客」とは、ユーザー企業のサービスを利用開始前の見込顧客に加えて、当該サービスを利用中の顧客を含む意味で用いる。
【0032】
あるメンバーが端末120を用いて当該サービスにアクセスした際、営業支援装置110は、たとえば当該メンバーがログインに用いたIDに基づいて当該メンバーを識別し、当該メンバーに既に関連づけられている顧客のための提案画面を端末120に表示することができる。あるいは、当該メンバーが識別された後に、当該メンバーが担当可能な1又は複数のフェーズのいずれかに属する顧客が関連づけられ、その後、当該顧客のための提案画面を端末120に表示してもよい。
【0033】
提案画面200には、「架電に進む」という行動(アクション)を取るためのボタン201が表示されている。加えて、当該アクションを取る理由202も表示される。この例では、「55 Gozilla Solutions」という企業のSaaS事業部が顧客であり、当該顧客の与件整理を架電の目的とすることが記載されている。
【0034】
提案画面200には、さらにナーチャリングフェーズにおいて入力すべき項目の項目達成率203を表示することが可能であり、担当者204は、この顧客と後どの程度の関わり合い(engagement)が必要であるのかを把握することができる。提案画面200はさらに、提案画面200が担当者204の端末120に表示されるまでの顧客に対するアクション及び顧客からのアクションの履歴205を表示してもよい。アクションの履歴205は、少なくとも部分的に、担当者がこの営業支援サービス上で行ったアクションを記録していくことで生成することができる。一例において、営業支援装置100により提供される営業支援サービスのための画面からアクションを開始することができる。
【0035】
また、提案画面200は、ユーザー企業が提供するサービスの利用(usage)の履歴206を表示してもよい。利用履歴206は、営業支援装置110が、ユーザー企業がサービス提供に用いているサーバ130と通信して、たとえばAPI連携によって取得可能である。ユーザー企業が提供するサービスは、たとえば無料で利用開始可能で、利用期間、利用範囲、利用量等に応じて有料となるものが想定され、そのような場合には、見込顧客であっても利用履歴206が存在することとなる。一例として、サービスを利用する上での初期設定の進捗率、サービスへのログイン頻度等を利用履歴206から取得することが可能である。
【0036】
担当者204は、アクション及び必要に応じてその理由を理解し、さらに必要に応じてアクション履歴205及び利用履歴206の少なくとも一部を確認し、アクションを取るためのボタン201をタップ又はクリックによって選択することで、端末120を次の画面に遷移させる。
【0037】
図3に、本発明の第1の実施形態において、ナーチャリングフェーズの担当者に2番目に表示される画面の一例を示す。図3の画面300は、端末120を用いる担当者が顧客とのコミュニケーションの結果を入力する画面という意味で、以下「入力画面(input screen)」と呼ぶ。入力される項目には、「今後の取り組み予定を確認する」のように担当者が顧客に質問をし、それに対する顧客の回答を入力することのほか、「顧客担当者の問題を具体化する」のように、顧客に対する架電というアクションの結果として得られた担当者の理解を入力することも含まれる。また、通話中に顧客に特定の説明を行ったことを入力することも含まれる。これらの入力は、通話中に行ってもよく、通話後に行ってもよい。また、通話時間を記録しておいてもよい。
【0038】
上述の説明では、アクションとして架電を挙げたが、他には、対面での面談、オンラインでの面談、メール送信、受信メール確認等のさまざまな種類が挙げられる。一例として、受信したメールをみながら入力画面で関連する項目を入力していくことができる。また、フェーズに応じて、入力画面300の入力欄は異なる。また、販売するサービスの価格により、商談の性質が異なり得るため、入力項目も異なることが考えられる。各フェーズについて定められた入力項目が、1又は複数のアクションを通じて埋められていく。入力項目には、必須項目と任意項目があり、提案画面200に表示された項目達成率203は、図2の例では、必須項目の達成率である。
【0039】
入力画面300において、入力すべき必須項目がすべて入力された場合、顧客に付与されたフェーズが、ナーチャリングフェーズから次のフェーズに切り替わる。次のフェーズが設定された顧客には、当該フェーズを担当可能な担当者が割り当てられ、当該担当者がアクションを取ることとなる。図3の例では、図2の「架電に進む」ボタン201が選択された後に、「電話を掛ける」というアクションを実行するためのボタン301がさらに選択されることで通話が始まる流れであるが、図2の「架電に進む」ボタン201が選択されたことに応じて通話を開始してもよい。いずれにしても、通話等のアクションが終了した後に担当者は必要な入力が完了したことを確認して、入力内容を保存する。具体的には、図3の「架電に進む」ボタン301をアクションの終了後には「保存する」という入力内容を保存するためのボタンに代替し、当該ボタンを担当者がタップ又はクリックにより選択することで、入力内容を記憶することが考えられる。一例において、記憶された入力内容が当該フェーズのすべての必須項目の内容を含む場合に当該顧客に次のフェーズを設定する。次のフェーズでは、適切なタイミングで、当該フェーズのための提案画面が当該顧客に割り当てられた担当者の端末に表示される。
【0040】
上述の説明を営業支援装置110の視点で改めて記述すると次のようになる。まず、営業支援装置110において、対象とする顧客に設定されたフェーズを取得する(S401)。次に、営業支援装置110は、設定されたフェーズに割り当てられたユーザー企業の1又は複数の担当者のうちのいずれかを選択する(S402)。そして、当該担当者の端末120に、設定されたフェーズにおいて顧客に提示可能な1又は複数のアクションのうちのいずれかを提示するためのアクション提示情報を送信する(S403)。アクション提示情報が送信されるタイミングは、適宜定められる。
【0041】
一例において、端末120の表示画面には、アクション提示情報に基づいて、提案画面200が表示され、さらに入力画面300が表示される。入力画面300は、顧客に対するアクションを介した当該顧客とのコミュニケーションの結果を入力するためのものであり、入力項目を表示させるための入力項目表示情報をアクション提示情報が含んでもよい。複数回に分けてアクション提示情報を送信することができ、そのうちのいずれかに入力項目表示情報を含むようにしてもよい。図2及び3では、提案画面200と入力画面300を別個の画面としたが、これらを同一の画面で表示してもよい。
【0042】
入力項目表示情報によって表示される入力項目のうちのすべての必須項目が入力されたか否かが判定され(S404)、必須項目が達成された場合には、そのことに応じて、対象顧客に次のフェーズが設定される(S405)。達成されていない場合には、営業支援装置110は、当該顧客に関連づけられた担当者に、アクション提示情報を後に再度送信する。図4の例では、送信先の担当者は、同一の担当者であるが、異なる担当者である場合には、必要に応じて、設定されたフェーズの担当者の選択(S402)が行われる。
【0043】
本実施形態において、アクション提示情報によって各担当者が用いる端末の表示画面に表示される内容を販売対象のサービス及び営業活動のフェーズに応じて、CLTV向上を考慮して適宜定めておき、加えて、アクション提示情報を送信するタイミング及び送信先となる担当者を適宜必要に応じて定めておくことによって、サービス提供企業の各担当者は、自らが用いる端末に表示される内容に沿って必要なコミュニケーションを顧客と取っていけばよく、過度に個別に判断をすることなく、効率的に営業活動を遂行することができる。
【0044】
上述の説明では、営業支援装置110は、設定されたフェーズに割り当てられたユーザー企業の1又は複数の担当者のうちのいずれかを選択したが、設定されたフェーズが2番目以降のフェーズの場合、設定されたフェーズに割り当てられた1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択して、前のフェーズの担当者の端末120に当該少なくとも一人の担当者を表示するための担当者表示情報を送信し、当該端末120からいずれかの担当者の選択通知を受信したことに応じて、新たなフェーズにおける担当者を決定してもよい。
【0045】
なお、「××のみに基づいて」、「××のみに応じて」、「××のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。また、一例として、「aの場合にbする」という記載は、明示した場合を除き、「aの場合に常にbする」こと、「aの直後にbする」ことを必ずしも意味しないことに留意されたい。また、「Aを構成する各a」という記載は、必ずしもAが複数の構成要素によって構成されることを意味するものではなく、構成要素が単数であることを含む。
【0046】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【0047】
また、図4において示される「開始」及び「終了」は、一例を示すものに過ぎず、本実施形態にかかる方法がS401によって必ず開始され、S405によって必ず終了することを意味するものではない。
【0048】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、設定されたフェーズに割り当てられた1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択する上で、当該フェーズに割り当てられた各担当者が担当した各顧客のCLTVを参照する。
【0049】
営業支援装置110では、各ユーザー企業の各顧客について、どのサービスについて、どのような経路(path)を通ってきたかを当該顧客のCLTVと関連づけて記憶している。たとえば、ナーチャリングフェーズを担当者a、クロージングフェーズを担当者e、そしてサクセスステージを担当者hが担当した顧客Xがいた場合、以下のように対応づけられたデータが経路ごとに記憶部113又は記憶媒体114に記憶される。
【0050】
【表1】
【0051】
上記表において、CLTVとして予測CLTVを示している。実CLTVは、顧客が契約を解約するまで定まらないため、顧客Xについて予測されるCLTVを算出し、記憶している。予測CLTVの算出方法は、一例として、対象となる顧客が契約したサービスの月額単価×予測継続月数とすることが挙げられる。月額単価として、実月額単価の代わりに、平均単価等、当該サービスを契約した過去の1又は複数の顧客の月額単価より求まる予測月額単価を用いてもよい。また、予測継続月数としては、当該サービスについて適切な定数を定めたり、平均継続月数等、当該サービスを契約した過去の1多は複数の顧客の継続月数より定まる予測継続月数を用いてもよい。また、すでに契約を解約した顧客については、実継続月数を用いてCLTVを算出することができる。上記表に示される240万円という予測CLTVでは、月額単価10万円のサービスを顧客Xが契約し、平均継続月数が24月である場合の値である。
【0052】
上記表には、さらに顧客Yについて、クロージングフェーズで担当者fが成約することができなかったこと、顧客Zについて、ナーチャリングフェーズで担当者aが商談を次のフェーズに進められなかったことを示している。
【0053】
予測CLTVは、当該サービスの月額単価に予測継続月数を乗じた値に、さらに対象顧客が契約までに要した日数、いわばサクセス日数に反比例する値を乗じた値とすることが好ましい。これは、発明者らが、サクセス日数は継続率の遅行指標となり得ることに着目し、サクセス日数が短いほどサービスの利用継続率が高く、よって実継続月数が長くなることが見込まれるためである。より具体的には、一例として、当該サービスの平均サクセス日数を対象顧客のサクセス日数で除した値をサクセス日数に反比例する値として用いることができる。上記表の例でいえば、平均サクセス日数が25日であるところ、顧客Xが24日で成約した場合、予測CLTVは250万円と算出される。サクセス日数に反比例する値は、サービスの予測サクセス日数を対象顧客のサクセス日数で除した値の定数倍とすることも考えられる。ここで、予測サクセス日数は、当該サービスを契約した過去の1又は複数の顧客のサクセス日数より求めることが挙げられる。また、定数aとして、0<a<1又は0<a≦1としたり、1以上の正数としたりすることが挙げられる。
【0054】
このように定まる各顧客のCLTVと各顧客を各フェーズで担当した担当者との対応づけを参照することによって、営業支援装置110は、設定されたフェーズにおいて、担当者ごとに、当該担当者が担当した顧客のCLTVの合計金額を算出することができる。代替的に、CLTVの合計金額ではなく、受け取った案件をどれだけ直後のフェーズに渡すことができたかという各担当者の成約率をCLTVに乗じて得られるスコアなどの合計金額を用いて、当該フェーズの担当者選択を行ってもよい。
【0055】
さらに、合計金額に対応する値として、設定されたフェーズにおける担当者ごとの合計金額ではなく、設定されたフェーズより前のいずれかのフェーズを担当した担当者が対象顧客と同一である顧客との契約の範囲で算出した合計金額を用いることができる。このようにすることによって、対象顧客のそれまでの経路に応じて、次のフェーズでCLTVを向上可能な担当者を割り当てることができる。また、上記のように、当該対応づけは、各顧客を各段階で担当した担当に加えて、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客の流入元となった当該顧客との最初の接点との対応づけをさらに含むことができる。この場合、CLTV又はこれに対応するスコアの合計金額に対応する値として、当該最初の接点が対象顧客と同一である顧客との契約の範囲で算出した合計金額を用いることができる。
【0056】
第1の実施形態で記述したように、設定されたフェーズに割り当てられた1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択する上で、前のフェーズの担当者の端末120に当該少なくとも一人の担当者を表示するための担当者表示情報を送信してもよい。すなわち、この例において、営業支援装置110は、まず、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各フェーズで担当した担当者との対応づけを参照して、設定されたフェーズにおいて、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に1又は複数の担当者を選択する(S501)。次に、当該1又は複数の担当者を表示するための担当者表示情報を、前のフェーズにおいて対象顧客に割り当てられた担当者の端末に送信する(S502)。そして、営業支援装置110は、当該端末からいずれの担当者を選択するかの選択通知を受信し(S503)、当該選択通知に応じて、設定されたフェーズの担当者を決定する(S504)。
【0057】
また、図5において示される「開始」及び「終了」は、一例を示すものに過ぎず、本実施形態にかかる方法がS501によって必ず開始され、S504によって必ず終了することを意味するものではない。
【0058】
(第3の実施形態)
第2の実施形態においては、次のフェーズで対象顧客に割り当てる担当者をCLTVの観点から選択することによって、サービス提供企業によって提供されるサービスのCLTVの向上可能性を高めるが、第3の実施形態では、設定されたフェーズにおいてCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はそれに対応する値が高い担当者の行動をその他の担当者にも表示される提案画面、入力画面等に反映することによって、当該サービスのCLTVの向上可能性を高める。
【0059】
営業支援装置110は、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各フェーズで担当した担当者との対応づけを参照して、設定されたフェーズにおいて、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者のアクション履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、アクション提示情報を変更する。
【0060】
一例として、最もCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい担当者が他の担当者による入力率の低い任意の入力項目を入力していた場合に、当該入力項目を必須項目とするように、アクション提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更することが挙げられる。このように、高い成果を上げる担当者のアクション特性を当該担当者が割当てられたフェーズのアクション提示情報に反映させて標準化させることが好ましい。
【0061】
また、高い成果を上げる担当者が必須項目のすべてを達成した際のアクションが、オンライン面談ではなくメール送信であった場合、各担当者に対するアクション提示情報によって提示されるアクションとして、メール送信を優先することが考えられる。
【0062】
ここでは、最もCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計金額又はこれに対応する値が大きい担当者の行動特性を反映させたが、CLTVの合計金額又はこれに対応する値が大きい順に選択した複数の担当者の行動特性を反映させるようにしてもよい。
【0063】
(第4の実施形態)
継続的に使用されるサービスにおいて、セールスベロシティと呼ばれる営業活動が進捗する速度が問題となる。一例として、入力項目表示情報により担当者の端末120に表示される入力項目の少なくとも一部を含むアンケート表示情報を当該担当者が担当する顧客の用いる端末(図示せず)に送信することができる。アンケート表示情報を入力項目表示情報が担当者に送信される前に当該担当者が担当する顧客に送信しておくことによって、当該顧客がアンケート表示情報により表示されるアンケートに事前に回答し、当該回答を営業支援装置110に送信することが可能となり、当該回答の少なくとも一部を入力項目表示情報に包含させて、あるいは入力項目表示情報に加えて、当該入力項目表示情報と同時に又はその前後に送信し、入力項目が担当者の端末120に表示される際に既に一部の入力項目を入力済みとして、セールスベロシティを高めることができる。
【0064】
また、別の例として、設定されたフェーズにおいて、必須項目が達成されるまでの目標時間を設定してもよい。そして、営業支援装置110は、当該サービスを契約した過去の1又は複数の顧客の必須項目の達成までの時間により定まる平均期間等の予測時間が当該目標時間よりも早い又は遅いことに応じて、各担当者にアクション提示情報が送信される期間、間隔等の時間的基準を変更してもよい。たとえば、当該予測時間が目標時間よりも短い場合、顧客とのコミュニケーションが円滑に進みやすくなっていることを意味し、各担当者にアクション提示情報を送信する間隔を短縮することが考えられる。
【0065】
また、別の例として、いずれかの必須項目の入力に要する時間が所定の時間以上である場合に、当該必須項目を任意項目とするように、アクション提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更してもよい。必須項目は、最終的な成約に向けて有益であるからこそ設定されるものであるが、商談時間を長期化し、商談数を低減させてしまう場合にはセールスベロシティを優先することが適切な可能性もある。そこで、ユーザー企業の1又は複数の担当者のうちのすくなくとも一部の者に対して送信する入力項目表示情報において、所定の時間以上を要する必須項目を任意項目とすることで、当該必須項目の必要性を検証することができる。より具体的には、アクション提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示されるいずれかの必須項目の入力に要する予測入力時間が所定の時間以上である場合に、当該入力表示情報を変更して当該必須項目を任意項目とする。ここで、予測入力時間は、当該サービスを契約した過去の1又は複数の顧客の入力時間より定まる平均入力時間等の予測時間とすることができる。
【符号の説明】
【0066】
110 営業支援装置
111 通信部
112 処理部
113 記憶部
114 記憶媒体
120 ユーザー企業の端末
130 ユーザー企業のサービスを提供するためのサーバ
200 提案画面
201 アクションを取るためのボタン
202 アクションを取る理由
203 達成率
204 担当者
205 アクション履歴
206 利用履歴
300 入力画面
301 アクションを実行するためのボタン
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2020-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続的に提供されるサービスのための営業支援方法であって、
コンピュータが、前記サービスの利用について顧客に対してサービス提供企業が行う営業活動の期間を区分した複数の段階のうちの特定の段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択するステップと、
前記コンピュータが、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果に応じて、すべての必須項目が入力されたか否かを判定するステップと、
前記コンピュータが、前記判定結果が肯定的である場合、前記対象顧客に次の段階を設定し、否定的である場合、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を再度送信するステップと
を含み、
前記選択は、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記特定の段階において担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計又はこれに対応する値が最も大きい担当者の選択であることを特徴とする。
【請求項2】
継続的に提供されるサービスのための営業支援方法であって、
コンピュータが、前記サービスの利用について顧客に対してサービス提供企業が行う営業活動の期間を区分した複数の段階のうちの特定の段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択するステップと、
前記コンピュータが、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果に応じて、すべての必須項目が入力されたか否かを判定するステップと、
前記コンピュータが、前記判定の結果が肯定的である場合、前記対象顧客に次の段階を設定し、否定的である場合、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を再度送信するステップと
含み、
各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記特定の段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者の行動履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の営業支援方法であって、
各顧客の前記CLTVは、予測CLTVであることを特徴とする。
【請求項4】
請求項からのいずれかに記載の営業支援方法であって、
前記対応づけは、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客との最初の接点との対応づけをさらに含むことを特徴とする。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の営業支援方法であって、
前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示される1又は複数の入力項目の少なくとも一部を表示するためのアンケート表示情報を、前記行動提示情報を前記第1の端末に送信する前に、前記対象顧客が用いる第3の端末に表示するステップと、
前記第3の端末から、前記アンケート表示情報に基づいて表示されたアンケートに対する回答を受信するステップと、
前記回答の少なくとも一部を、前記入力項目表示情報と同時に又はその前後に前記第1の端末に送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする。
【請求項6】
請求項1からに記載の営業支援方法であって、
前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報によって表示されるいずれかの必須項目の入力に要する予測時間が所定の時間以上である場合に、前記入力項目表示情報を変更して前記必須項目を任意項目とするステップをさらに含むことを特徴とする。
【請求項7】
コンピュータに、継続的に提供されるサービスのための営業支援方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記コンピュータが、前記サービスの利用について顧客に対してサービス提供企業が行う営業活動の期間を区分した複数の段階のうちの特定の段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択するステップと、
前記コンピュータが、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果に応じて、すべての必須項目が入力されたか否かを判定するステップと
前記コンピュータが、前記判定の結果が肯定的である場合、前記対象顧客に次の段階を設定し、否定的である場合、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を再度送信するステップと
を含み、
前記選択は、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記特定の段階において担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計又はこれに対応する値が最も大きい担当者の選択であることを特徴とする。
【請求項8】
コンピュータに、継続的に提供されるサービスのための営業支援方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記コンピュータが、前記サービスの利用について顧客に対してサービス提供企業が行う営業活動の期間を区分した複数の段階のうちの特定の段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択するステップと、
前記コンピュータが、前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信するステップと、
前記コンピュータが、前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果に応じて、すべての必須項目が入力されたか否かを判定するステップと
前記コンピュータが、前記判定の結果が肯定的である場合、前記対象顧客に次の段階を設定し、否定的である場合、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を再度送信するステップと
を含み、
各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記特定の段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者の行動履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更するステップをさらに含むことを特徴とする。
【請求項9】
継続的に提供されるサービスのための営業支援装置であって
記サービスの利用について顧客に対してサービス提供企業が行う営業活動の期間を区分した複数の段階のうちの特定の段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択し、
前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信し、
前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果に応じて、すべての必須項目が入力されたか否かを判定し、
前記判定の結果が肯定的である場合、前記対象顧客に次の段階を設定し、否定的である場合、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を再度送信し、
前記選択は、各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記特定の段階において担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計又はこれに対応する値が最も大きい担当者の選択であることを特徴とする。
【請求項10】
継続的に提供されるサービスのための営業支援装置であって、
前記サービスの利用について顧客に対してサービス提供企業が行う営業活動の期間を区分した複数の段階のうちの特定の段階に割り当てられた前記サービス提供企業の1又は複数の担当者のうちの少なくとも一人を選択し、
前記選択された少なくとも一人の担当者のうちのいずれかが用いる第1の端末に、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を送信し、
前記行動提示情報に基づいて前記第1の端末を用いる担当者が顧客に対して取る行動を介した前記顧客とのコミュニケーションの結果に応じて、すべての必須項目が入力されたか否かを判定し、
前記判定の結果が肯定的である場合、前記対象顧客に次の段階を設定し、否定的である場合、前記特定の段階において提示可能な1又は複数の行動のうちのいずれかを提示するための行動提示情報を再度送信し、
各顧客のCLTV又はこれに対応するスコアと各顧客を各段階で担当した担当者との対応づけを参照して、前記特定の段階において、担当した顧客のCLTV若しくはこれに対応するスコアの合計又はこれに対応する値が大きい順に選択された1又は複数の担当者の行動履歴のうちの少なくとも一部に基づいて、前記行動提示情報に含まれる入力項目表示情報を変更することを特徴とする。