(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041793
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】内燃機関の低騒音メインベアリングカバー
(51)【国際特許分類】
F16C 9/02 20060101AFI20220304BHJP
F16F 15/10 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
F16C9/02
F16F15/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176167
(22)【出願日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】202010894652.X
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520409578
【氏名又は名称】哈爾濱工程大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】国 傑
(72)【発明者】
【氏名】張 新玉
(72)【発明者】
【氏名】張 文平
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲イェー▼
【テーマコード(参考)】
3J033
【Fターム(参考)】
3J033AA05
3J033GA01
3J033GA05
3J033GA11
3J033GA12
3J033GA20
(57)【要約】
【課題】内燃機関の低騒音メインベアリングカバーを提供すること。
【解決手段】メインベアリングカバー本体を含み、前記メインベアリングカバー本体は、内燃機関本体メインベアリングシートに接続され、前記メインベアリングカバー本体に防振体が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体との間には防振構造が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体は接続ピースを介して接続され、前記防振構造はS字型構造と油膜ギャップを含み、前記防振体には、油進入通路が設置され、前記油進入通路は前記油膜ギャップと連通している。メインベアリングの負荷によって引き起こされるメインベアリングの振動源の制御問題を解決した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関本体のメインベアリングシートに接続されるメインベアリングカバー本体を含む内燃機関の低騒音メインベアリングカバーであって、
前記メインベアリングカバー本体に防振体が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体との間には防振構造が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体は接続ピースを介して接続され、前記防振構造はS字型構造と油膜ギャップを含み、前記防振体には、油進入通路が設置されて、前記油進入は前記油膜ギャップと連通している
ことを特徴とする内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項2】
前記S字型の構造は、メインベアリングカバー本体に沿って軸方向に貫通し、前記S字型の構造のエッジをフィレット処理し、前記油膜ギャップはメインベアリングカバー本体の軸方向に沿って貫通し、油膜ギャップの両側にいずれもS字型構造が設置されている
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項3】
接続ピースには、弧状のリミットキースロットと弧状のリミットキーが含まれ、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の両端には、対応して弧状リミットキースロットが設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の弧状リミットキースロットとの間には弧状リミットキーが設置されている
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項4】
前記弧状のリミットキースロット及び弧状のリミットキーは、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の間の油膜ギャップの両端に位置し、前記弧状のリミットキースロット及び弧状のリミットキーはいずれも曲率があり、前記弧状のリミットキースロット及び弧状のリミットキーの曲率中心がメインベアリングの円心と一致する
請求項3に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項5】
前記油進入通路は前記防振体のラジアル方向に沿って貫通し、潤滑油を前記油進入通路経路で前記油膜ギャップに入れるために使用される
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項6】
前記油進入通路は、対称的に二つ設置され、二つの前記油進入通路は、軸方向において、前記防振体の断面の中心に位置し、各前記油進入通路は同じ側にある2つのS字型構造の間に位置し、対応する前記油膜ギャップは二つあり、各前記油膜ギャップには1つの油進入通路が接続されている
請求項5に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項7】
前記防振体の、前記油膜ギャップに近い側に油貯留孔が設置され、前記油貯留孔は、軸方向に貫通する円形の孔であり、滑油を貯留するために使用される
請求項6に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項8】
前記メインベアリングカバー本体の両側は、エンドシールボルトを介してエンドシールカバープレートに接続されている
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項9】
前記エンドシールカバープレートと前記メインベアリングカバー本体との間にはエンドシールガスケットが配置される
請求項8に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項10】
前記メインベアリングカバー本体にはメインベアリングボルト穴が設置され、前記メインベアリングカバー本体は、メインベアリングボルトが前記メインベアリングボルト穴を通すことによって内燃機関本体のメインベアリングシートに固定される
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機技術分野に関し、特に、内燃機関の低騒音メインベアリングカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、内燃機関の振動および騒音制御に対する要求はますます高まっており、内燃機関の騒音レベルは、内燃機関設計の重要な指標となっている。内燃機関の騒音源には、燃焼騒音、機械騒音、空力騒音がある。その中でも、燃焼騒音や機械騒音は、構造的放射騒音と呼ばれ、内燃機関構造の表面から放射されることである。既存の実験結果によれば、機械本体とその付属品によって生成される騒音が、内燃機関の総騒音の50~70%を占めて、メインベアリング荷重は、車体構造の振動と放射騒音を引き起こす主な励振源の1つであり、エンジンフットの振動を引き起こす主な原因であるため、メインベアリングの負荷によって引き起こされる振動を制御することは、内燃機関の低振動および低騒音設計の主な方法の1つである。
【0003】
現在、内燃機関のメインベアリングの負荷や振動の伝達経路を制御する既存の方法では、主にメインベアリング近傍にリブビーム構造を追加したり、ダイヤフラムを厚くしたりして構造剛性を高めている。このアプローチの欠点は、全体の重量が大幅に増加し、内燃機関の振動と騒音の現在の制御効果が限界に達しており、メインベアリングの負荷が依然として内燃機関の騒音構造の主な原因の1つであることである。
【0004】
同時に、内燃機関の構造振動と放射騒音の制御に関する関連文献・レポートの解決する主な問題は、クランクコネクティングロッドメカニズムのキネティックモデルの改善、ピストンスカートプロファイルの最適化、ベアリングの潤滑性能の最適化、クランクシャフトの曲げねじり連成振動解析、クランクシャフトの3次元振動モデルの最適化などであり、メインベアリング荷重又はその振動制御は、焦点とは見なされていない。
【0005】
クランクシャフトの振動制御は、主にねじり振動ダンパーを設置してクランクシャフトのねじり振動を制御するか、縦振動ダンパーを設置してクランクシャフトの軸方向振動を制御し、間接的にクランクシャフトの曲げ振動を制御する。しかし、メインベアリングの振動は、ねじり振動ダンパーや縦振動ダンパーの設置では効果的に抑制されておらず、さらに、強化される場合がある。そのため、従来技術では、内燃機関のメインベアリングの制振の制御方法や制御メカニズムの研究はほとんど行われておらず、内燃機関のメインベアリングの振動を制御し、それによって機械本体に伝わる振動を制御することは、早急に解決する必要のある重要な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、メインベアリング負荷によって引き起こされるメインベアリング振動源の制御問題を解決するために、内燃機関の低騒音メインベアリングカバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の解決策を提供する:
内燃機関の低騒音メインベアリングカバーであって、メインベアリングカバー本体を含み、上記メインベアリングカバー本体は、機関のメインベアリングシートに接続され、前記メインベアリングカバー本体に防振体が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体との間には防振構造が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体は接続ピースを介して接続され、前記防振構造はS字型構造と油膜ギャップを含み、前記防振体には、油進入通路が設置されて、前記油進入通路は前記油膜ギャップと連通している。
【0008】
好ましくは、前記S字型の構造は、メインベアリングカバー本体の軸方向に沿って貫通し、前記S字型の構造のエッジをフィレット処理し、前記油膜ギャップは前記メインベアリングカバー本体の軸方向に沿って貫通し、油膜ギャップの両側にいずれもS字型構造が設置されている。
【0009】
好ましくは、接続ピースには、弧状のリミットキースロットと弧状のリミットキーが含まれ、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の両端には、対応して前記弧状リミットキースロットが設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の弧状リミットキースロットとの間には弧状リミットキーが設置されている。
【0010】
好ましくは、前記弧状のリミットキースロット及び弧状のリミットキーは、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の間の油膜ギャップの両端に位置し、防振体の両端のラジアル方向における変位を制限し、防振体の両端の円周方向の変位を可能にするために使用され、前記弧状のリミットキースロット及び弧状のリミットキーはいずれも曲率があり、且つ前記弧状のリミットキースロット及び弧状のリミットキーの曲率中心はメインベアリングの円心と一致する。
【0011】
好ましくは、前記油進入通路は前記防振体のラジアル方向に沿って貫通し、潤滑油を前記油進入通路経由で前記油膜ギャップに入れるために使用される。
【0012】
好ましくは、前記油進入通路は、対称的に二つ設置され、二つの前記油進入通路は、軸方向において、前記防振体の断面の中心に位置し、各前記油進入通路は同じ側にある2つのS字型構造の間に位置し、対応する前記油膜ギャップは二つあり、各前記油膜ギャップには1つの前記油進入通路が接続されている。
【0013】
好ましくは、前記防振体の、前記油膜ギャップに近い側に、軸方向に貫通する円形の孔である油貯留孔が設置され、前記油貯留孔は、潤滑油を貯留するために使用される。
【0014】
好ましくは、前記メインベアリングカバー本体の両側は、エンドシールボルトを介してエンドシールカバープレートに接続されている。
【0015】
好ましくは、前記エンドシールカバープレートと前記メインベアリングカバー本体との間にはエンドシールガスケットが配置される。
【0016】
好ましくは、前記メインベアリングカバー本体にはメインベアリングボルト穴が設置され、前記メインベアリングカバーは、メインベアリングボルトが前記メインベアリングボルト穴を通過することによって機関本体のメインベアリングシートに固定される。
【発明の効果】
【0017】
従来技術と比較して、本発明は以下の技術的効果を達成した:
1.メインベアリングカバーにはS字型構造、油膜ギャップ、油進入通路等を加工し、追加の品質(Additional quality)は、エンドシールカバープレート、エンドシールボルト、エンドシールガスケットのみであり、内燃機関のメインベアリング近くの領域にリブビーム構造を追加するか、ダイヤフラムの厚さを増やすことによって構造の剛性を高める技術的対策よりはるかに小さく、
2.S字型構造と油膜ギャップなどの構造がメインベアリング穴に近く、どちらも防振の役割を果し、また、既存のメインベアリングカバーとの相性も良く、単独で使用されても良いが、既存のメインベアリングカバーをベースにして使用されてもよく、メインベアリングカバーの振動をさらに減衰させることができて、メインベアリングボルトから機械本体に伝わる振動を大幅に低減し、それによりエンジンフットの振動をさらに低減し、機械全体の振動と騒音を低減し、
3.油膜ギャップの潤滑油は、メインベアリング潤滑油回路に直接由来し、エンドシールカバープレートの隙間からオイルパンに漏れ出るので、追加の給油及び給油システムが不要で、システムがシンプルである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の内燃機関の低騒音メインベアリングカバーの各部品の接続の概略図
【
図2】本発明の内燃機関の低騒音メインベアリングカバーの組立構造の概略図
【
図3】本発明の内燃機関の低騒音メインベアリングカバーのエンドシールガスケットとリミットキーの組立の概略図
【
図4】本発明の内燃機関の低騒音メインベアリングカバーの防振構造とリミットキースロット、油貯留孔構造の概略図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態又は従来技術の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では実施例に必要な図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は本発明の一部にすぎないことは明らかであり、当業者にとって、創造的な作業なしに、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【0020】
本発明の実施例の技術的解決策は、本発明の実施例の図面と併せて以下に明確且つ完全に説明されるが、明らかに、説明される実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の実施例の一部にすぎない。本発明の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内に属する。
【0021】
本発明は、メインベアリング荷重によるメインベアリング振動源の制御問題を解決するために内燃機関の低騒音メインベアリングカバーを提供することを目的とする。
【0022】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点がより明らかで理解しやすくなるように、図面及び特定の実施例と併せて、以下でさらに詳細に説明する。
【0023】
実施例1
図1~4に示すように、本実施例は、内燃機関の低騒音メインベアリングカバーを提供し、メインベアリングカバー本体1を含み、メインベアリングカバー本体1はメインベアリングシートの上に接続され、メインベアリングカバー本体1には、頂部の両側にメインベアリングボルト穴10が設置されており、使用中にメインベアリングカバー本体1は、インベアリングボルトがメインベアリングボルト穴10を通すことによって機械本体のメインベアリングシートに固定される。
【0024】
本実施例では、メインベアリングカバー本体1に防振体2が設置され、メインベアリングカバー本体1と防振体2との間に防振構造が設置され、防振構造には、S字型構造3と油膜ギャップ4が含まれる。防振体2には、油膜ギャップ4と連通する油進入通路6が設置され、動作中、メインベアリングブッシュとメインジャーナルとの間の潤滑油は、油進入通路6を介して油膜ギャップ4に入り、且つ満たすことができる。動作中、防振体2がメインジャーナルから荷重を受けると、変形し、主にS字型構造3及び油膜ギャップ4の中のスクイーズフィルムとベアリングキャップ本体1との相互作用によって防振を行う。
【0025】
本実施例では、
図4に示すように、S字型構造3はメインベアリングカバー本体1の軸方向に沿って貫通し、S字型構造3のエッジは応力集中を防ぐためにフィレット処理を受けて、そのうち、S字型構造3は油膜ギャップ4の両端に配置され、S字型構造3から除去された材料部分は、油膜ギャップ4と連通している。
【0026】
本実施例では、油膜ギャップ4は、メインベアリングカバー本体1の軸方向に沿って貫通する。
【0027】
本実施例では、防振体2の、油膜ギャップ4に近い側に油貯留孔5が設置され、油貯留孔5は、軸方向の貫通する円孔であり、防振体2とメインベアリングカバー本体1との相対運動が大きい場合に、油膜ギャップ4と油進入通路6の油量不足を防ぐため、一定量の油を貯留するために使用される。
【0028】
本実施例では、油進入通路6は、防振体2のラジアル方向に沿って貫通し、潤滑油を油進入通路6経路で油膜ギャップ4に入れるために使用され、さらに、油進入通路6は、対称的に2つ設置され、軸方向において、防振体2の断面の中心に位置し、各油進入通路6は同じ側にある2つのS字型構造3の間に位置し、対応する油膜ギャップ4は二つあり、2つの油膜ギャップ4はメインベアリングカバー本体1と防振体2との間には対称に分布し、各油膜ギャップ4には油進入通路6が接続されており、各油膜ギャップ4の両側にはS字型構造3が設置されて、合計4つのS字型構造3が設置されている。
【0029】
本実施例では、メインベアリングカバー本体1と防振体2とは、弧状のリミットキースロット12と弧状のリミットキー11とからなる接続ピースを介して接続され、メインベアリングカバー本体1と防振体2の間にある油膜ギャップ4の両端には、対応して弧状のリミットキースロット12が設置され、メインベアリング蓋本カバー1と防振体2の弧状のリミットキースロット12との間には、防振体2の両端でのラジアル方向における変位を制限し、防振体2の両端で周方向変位を可能にするために使用される弧状のリミットキー11が設置される。弧状のリミットキースロット12及び弧状のリミットキー11は、いずれも曲率があり、弧状のリミットキースロット12及び弧状のリミットキー11の曲率中心はメインベアリングの円心と一致する。
【0030】
本実例では、メインベアリングカバー本体1の両側にはエンドシールボルト8を介してエンドシールカバープレート7が接続されており、エンドシールカバープレート7とメインベアリングカバー本体1との間にエンドシールガスケット9が設置されている。エンドシールガスケット9の機能は、エンドシールカバープレート7と防振体2の間に油膜ギャップ4の油の排出口としてキャップを残すことであり、油膜ギャップ4の油は、エンドシールガスケット9が残した隙間からしか流出できず、スロットル(throttle)効果があり、減衰効果がある。
【0031】
上記の減衰効果は、防振体2とメインベアリングカバー本体1との間のS字型構造3とともに、低騒音メインベアリングカバーの防振効果を実現し、防振体2にクランクシャフト負荷が作用すると、防振効果の存在により、メインベアリングボルトを介して機械本体に伝わる振動が大幅に低減される。
【0032】
内燃機関のメインベアリング振動は、主に各シリンダーの点火前後に発生し、このとき、メインベアリング荷重は垂直に下向きで、メインベアリングカバーに作用し、本発明によって提供される低騒音メインベアリングカバーは、内燃機関のメインベアリングカバーの振動を抑制し、又は振動エネルギーを分散することにより、内燃機関の振動と騒音を効果的に低減する。
【0033】
本発明では、本発明の原理及び実施方式を説明するために特定の例が使用されているが、上記の実施例への説明は、本発明の方法および中核アイデアを理解しやすくするためにのみ使用されると同時に、当業者にとって、本発明のアイデアによれば、特定の実施形態及び適用の範囲について修正を行うことでもよい。要約すると、本明細書の内容は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0034】
メインベアリングカバー本体1、防振体2、S字型構造3、油膜ギャップ4、油貯留孔5、油進入通路6、エンドシールカバープレート7、エンドシールボルト8、エンドシールガスケット9、メインベアリングボルト穴10、弧状のリミットキー11、弧状のリミットキースロット12
【手続補正書】
【提出日】2021-12-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関本体のメインベアリングシートに接続されるメインベアリングカバー本体を含む内燃機関の低騒音メインベアリングカバーであって、
前記メインベアリングカバー本体に防振体が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体との間には防振構造が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体は接続ピースを介して接続され、前記防振構造はS字型弾性体と油膜用間隙部を含み、前記防振体には、油進入通路が設置されて、前記油進入通路は前記油膜用間隙部と連通し、
前記S字型弾性体は、メインベアリングカバー本体に沿って軸方向に貫通し、前記S字型弾性体をフィレット処理し、前記油膜用間隙部はメインベアリングカバー本体の軸方向に沿って貫通し、油膜用間隙部の両側にいずれもS字型弾性体が設置され、
接続ピースには、弧状のキー溝と弧状のキーが含まれ、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の両端には、対応して弧状キー溝が設置され、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の弧状キー溝との間には弧状キーが設置され、
前記弧状キー溝及び前記弧状キーは、前記メインベアリングカバー本体と前記防振体の間の油膜用間隙部の両端に位置し、前記弧状キー溝及び前記弧状キーはいずれも曲率があり、前記弧状キー溝及び前記弧状キーの曲率中心がメインベアリングの円心と一致し、
前記油進入通路は前記防振体のラジアル方向に沿って貫通し、潤滑油を前記油進入通路経路で前記油膜用間隙部に入れるために使用され、
前記油進入通路は、対称的に二つ設置され、二つの前記油進入通路は、軸方向において、前記防振体の断面の中心に位置し、各前記油進入通路は2つのS字型弾性体の間に位置し、対応する前記油膜用間隙部は二つあり、各前記油膜用間隙部に1つずつ油進入通路が接続され、
前記防振体の、前記油膜用間隙部に近い側に油貯留孔が設置され、前記油貯留孔は、軸方向に貫通する円形の孔であり、滑油を貯留するために使用される
ことを特徴とする内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項2】
前記メインベアリングカバー本体の両側は、エンドシールボルトを介してエンドシールカバープレートに接続されている
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項3】
前記エンドシールカバープレートと前記メインベアリングカバー本体との間にはエンドシールガスケットが配置される
請求項2に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。
【請求項4】
前記メインベアリングカバー本体にはメインベアリングボルト穴が設置され、前記メインベアリングカバー本体は、メインベアリングボルトが前記メインベアリングボルト穴を通すことによって内燃機関本体のメインベアリングシートに固定される
請求項1に記載の内燃機関の低騒音メインベアリングカバー。