(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041823
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】スライドレール組立体及びそのスライドレールキット
(51)【国際特許分類】
A47B 88/53 20170101AFI20220304BHJP
A47B 88/483 20170101ALI20220304BHJP
A47B 88/49 20170101ALI20220304BHJP
【FI】
A47B88/53
A47B88/483
A47B88/49
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011618
(22)【出願日】2021-01-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】109130318
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】游 凱文
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AB32
3B160AB45
3B160AB47
3B160EA13
3B160EA14
3B160EB61
3B160EB82
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スライドレール組立体及びそのスライドレールキットを提供する。
【解決手段】スライドレール組立体は、スライドレール24と構成要素26と作動部材とを備えたスライドレールキットを有する。構成要素は、スライドレールに可動に配置されている。作動部材は、構成要素を作動させるのに使用することができ、第1区間62と、第1区間に接続された第2区間64とを含む駆動部50を備えている。第1区間及び第2区間は、それぞれスライドレールの長手方向壁40に対して、第1横断方向高さH1及び第2横断方向高さH2を有する。第2横断方向高さは、第1横断方向高さよりも大きい。第1区間と長手方向壁とは、互いに支持しあい、第2区間を第2横断方向高さに保持する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レールと、
前記第1レールに対して長手方向に変位可能である第2レールであり、第1壁と、第2壁と、第2レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む第2レールと、
前記第2レールに可動に配置されている第1構成要素と、
前記第2レールに可動に配置されている第1作動部材であり、前記第1構成要素を駆動するために作動されるように構成され、第1作動部材は第1駆動部を含み、前記第1駆動部は、第1区間と、前記第1区間に接続された第2区間とを含む第1作動部材とを備え、
前記第1駆動部の前記第1区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して第1横断方向高さを有し、前記第2区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して第2横断方向高さを有し、前記第2横断方向高さは前記第1横断方向高さよりも大きく、
前記第1駆動部の前記第1区間と前記第2レールの前記長手方向壁とは、互いに支持しあい、前記第1駆動部の前記第2区間を前記第2横断方向高さに維持し、
前記第1作動部材が作動されたときに、前記第1駆動部の前記第2区間は、前記第1作動部材が前記第1構成要素を駆動するために、前記第1構成要素の第1対応部に接触する、スライドレール組立体。
【請求項2】
さらに、前記第2レールにいずれも可動に配置されている第2構成要素と第2作動部材とを備え、前記第2作動部材は、前記第2構成要素を駆動するために作動されるように構成され、
前記第2作動部材は第2駆動部を含み、前記第2駆動部は、第1所定区間と、前記第1所定区間に接続された第2所定区間とを含み、前記第2駆動部の前記第1所定区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して別の第1横断方向高さを有し、前記第2所定区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して別の第2横断方向高さを有し、別の前記第2横断方向高さは別の前記第1横断方向高さよりも大きく、
前記第2駆動部の前記第1所定区間と前記第2レールの前記長手方向壁とは、互いに支持しあい、前記第2駆動部の前記第2所定区間を別の前記第2横断方向高さに維持し、前記第2作動部材が作動されたときに、前記第2駆動部の前記第2所定区間は、前記第2作動部材が前記第2構成要素を駆動するために、前記第2構成要素の第2対応部に接触する請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
前記第1レールはブロック部を含み、前記第1構成要素と前記第2構成要素とはいずれも、第1状態及び第2状態のうちの一つにあることが可能であり、前記第2レールが前記第1レールに対して伸長位置にあって、かつ前記第1構成要素と前記第2構成要素とが前記第1状態にあるときに、前記第1構成要素と前記第2構成要素とは前記ブロック部の二つの端部にそれぞれ隣接し、前記第2レールが前記伸長位置から移動することを防止し、
スライドレール組立体はさらに、前記第2レールに配置された弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記第1構成要素と前記第2構成要素とに弾性力を加えるように構成され、これにより前記第1構成要素と前記第2構成要素とを前記第1状態に保持する請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記第1構成要素は動かされるように構成され、これにより、前記第1作動部材が作動されたときに前記第1状態から前記第2状態になるように構成され、前記第2レールが前記伸長位置から第1方向に変位することを可能にし、
前記第2構成要素は動かされるように構成され、これにより、前記第2作動部材が作動されたときに前記第1状態から前記第2状態になるように構成され、前記第2レールが前記第1方向と逆である第2方向に前記伸長位置から変位することを可能にする請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記第1駆動部の前記第2区間と前記第2レールの前記長手方向壁とは互いに支持しあい、前記第2区間は、前記第2区間が前記第2横断方向高さを有するように固着されたパッドを含む請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
前記ブロック部は前記第1レールの前端部に隣接する請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
さらに第3レールを備え、前記第1レールは前記第3レールと前記第2レールとの間に可動に取り付けられている請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第1構成要素と前記第2構成要素とは、それぞれ第1軸と第2軸とを介して前記第2レールに枢軸的に接続されている請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
第1レールと、
前記第1レールに対して長手方向に変位可能である第2レールであり、第1壁と、第2壁と、第2レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む第2レールと、
前記第2レールに可動に配置されている第1構成要素と、
前記第1構成要素を駆動するために作動されるように構成されている第1作動部材であり、第1駆動部を含み、前記第1駆動部は、第1区間と、前記第1区間に接続された第2区間とを含む第1作動部材とを備え、
前記第1駆動部の前記第1区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して第1横断方向高さを有し、前記第2区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して第2横断方向高さを有し、前記第2横断方向高さは前記第1横断方向高さよりも大きく、
前記第1作動部材が作動されたときに、前記第1駆動部の前記第2区間の第1ガイド機能部は、前記第1作動部材が前記第1構成要素を駆動するために、前記第1構成要素の第1対応部に接触する、スライドレール組立体。
【請求項10】
さらに、前記第2レールにいずれも可動に配置されている第2構成要素と第2作動部材とを備え、前記第2作動部材は、前記第2構成要素を駆動するために作動されるように構成され、
前記第2作動部材は第2駆動部を含み、前記第2駆動部は、第1所定区間と、前記第1所定区間に接続された第2所定区間とを含み、前記第2駆動部の前記第1所定区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して別の第1横断方向高さを有し、前記第2所定区間は、前記第2レールの前記長手方向壁に対して別の第2横断方向高さを有し、別の前記第2横断方向高さは別の前記第1横断方向高さよりも大きく、
前記第2作動部材が作動されたときに、前記第2駆動部の前記第2所定区間の第2ガイド機能部は、前記第2作動部材が前記第2構成要素を駆動するために、前記第2構成要素の第2対応部に接触する請求項9記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレールに関し、さらに詳しくは、信頼性のあるスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び2を参照して述べると、従来のスライドレール100は、長手方向の長さを有する。スライドレール100はその上に、第1ブロック部材102,第2ブロック部材104,第1作動部材106及び第2作動部材108を備えている。第1ブロック部材102と第2ブロック部材104とは、それぞれ第1軸A1及び第2軸A2を介してスライドレール100に枢軸的に接続され、これにより、スライドレール100が別のスライドレール101(
図2を参照する)に対して所定位置(例えば伸長位置)にあるときに、第2ブロック部材104と第1ブロック部材102とはそれぞれスライドレール101のブロック部Bの前端部と後端部とでブロックされ、開放方向にも後退方向にも所定位置からスライドレール100が変位することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許6935710号明細書
【特許文献2】米国特許9670956号明細書
【発明の概要】
【0004】
第1作動部材106と第2作動部材108とは、それぞれ第1ブロック部材102と第2ブロック部材104を駆動するのに用いられ、二つのブロック部材は、もはやスライドレール101のブロック部Bにブロックされない。第1作動部材106が第1ブロック部材102を駆動することを可能にする構造的な構成は、第2作動部材108が第2ブロック部材104を駆動することを可能にする構成と実質的に同じである。
図2に示すように、第1作動部材106は、均一な高さ、即ち単一の高さTを有する駆動部110を含む。従って、もし第1作動部材106の駆動部110と第1ブロック部材102の対応部112とが、外力又は予想されない要因によって変形又は位置的に変位された場合に、それらの間で横断方向に位置的に極端に大きな差や、予測されない差を生じる(例えば第1作動部材106の駆動部110は位置的に変形するか変位され、第1ブロック部材102は所定の横断方向Kに変位される)。第1作動部材106の駆動部110と第1ブロック部材102の対応部112の間での、係合の直後の接触の深さ(例えば、接触の横断方向での深さ)は、減じられることがある。これにより第1作動部材106が第1ブロック部材102を駆動することの妨げとなる。又は第1作動部材106の駆動部110と第1ブロック部材102の対応部112とは、第1作動部材106が第1ブロック部材102を全く駆動し得ないほど、互いに横断方向にずれてしまうことがある。これにより駆動不良となる。
【0005】
ユーザーのニーズは変化するので、信頼性を特徴とする、これまでと違うスライドレールの製品を開発することは、価値がある。
【0006】
本発明は、スライドレール組立体及びそのスライドレールキットに関する。
【0007】
本発明の一つの態様によれば、スライドレール組立体は第1レールと、第2レールと、第1構成要素と、第1作動部材とを備えている。第2レールは、第1レールに対して長手方向に変位可能であり、第1壁と、第2壁と、第2レールの第1壁及び第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む。第1構成要素は、第2レールに可動に配置されている。第1作動部材は、第2レールに可動に配置され、第1構成要素を駆動するために作動されるように構成され、第1駆動部を含み、第1駆動部は、第1区間と、第1区間に接続された第2区間とを含む。第1駆動部の第1区間は、第2レールの長手方向壁に対して第1横断方向高さを有し、第2区間は、第2レールの長手方向壁に対して第2横断方向高さを有し、第2横断方向高さは第1横断方向高さよりも大きく、第1駆動部の第1区間と第2レールの長手方向壁とは、互いに支持しあい、第1駆動部の第2区間を第2横断方向高さに維持し、第1作動部材が作動されたときに、第1駆動部の第2区間は、第1作動部材が第1構成要素を駆動するために、第1構成要素の第1対応部に接触する。
【0008】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、第2レールにいずれも可動に配置されている第2構成要素と第2作動部材とを備え、第2作動部材は、第2構成要素を駆動するために作動されるように構成され、第2作動部材は第2駆動部を含み、第2駆動部は、第1所定区間と、第1所定区間に接続された第2所定区間とを含み、第2駆動部の第1所定区間は、第2レールの長手方向壁に対して別の第1横断方向高さを有し、第2所定区間は、第2レールの長手方向壁に対して別の第2横断方向高さを有し、別の第2横断方向高さは別の第1横断方向高さよりも大きく、第2駆動部の第1所定区間と第2レールの長手方向壁とは、互いに支持しあい、第2駆動部の第2所定区間を別の第2横断方向高さに維持し、第2作動部材が作動されたときに、第2駆動部の第2所定区間は、第2作動部材が第2構成要素を駆動するために、第2構成要素の第2対応部に接触する。
【0009】
好ましくは、第1レールはブロック部を含み、第1構成要素と第2構成要素とはいずれも、第1状態及び第2状態のうちの一つにあることが可能であり、第2レールが第1レールに対して伸長位置にあって、かつ第1構成要素と第2構成要素とが第1状態にあるときに、第1構成要素と第2構成要素とはブロック部の二つの端部にそれぞれ隣接し、第2レールが伸長位置から移動することを防止する。
【0010】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、第2レールに配置された弾性部材を備え、弾性部材は、第1構成要素と第2構成要素とに弾性力を加えるように構成され、これにより第1構成要素と第2構成要素とを第1状態に保持する。
【0011】
好ましくは、第1構成要素は動かされるように構成され、これにより、第1作動部材が作動されたときに第1状態から第2状態になるように構成され、第2レールが伸長位置から第1方向に変位することを可能にする。
【0012】
好ましくは、第2構成要素は動かされるように構成され、これにより、第2作動部材が作動されたときに第1状態から第2状態になるように構成され、第2レールが第1方向と逆である第2方向に伸長位置から変位することを可能にする。
【0013】
好ましくは、ブロック部は第1レールの前端部に隣接する。
【0014】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに第3レールを備え、第1レールは第3レールと第2レールとの間に可動に取り付けられている。
【0015】
好ましくは、第1構成要素は第1軸を介して、第2構成要素は第2軸を介して、第2レールに枢軸的に接続されている。
【0016】
本発明の他の態様によれば、スライドレール組立体は第1レールと、第2レールと、第1構成要素と、第1作動部材とを備えている。第2レールは、第1レールに対して長手方向に変位可能であり、第1壁と、第2壁と、第2レールの第1壁及び第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む。第1構成要素は、第2レールに可動に配置されている。第1作動部材は、第1構成要素を駆動するために作動されるように構成され、第1駆動部を含み、第1駆動部は、第1区間と、第1区間に接続された第2区間とを含む。第1駆動部の第1区間は、第2レールの長手方向壁に対して第1横断方向高さを有し、第2区間は、第2レールの長手方向壁に対して第2横断方向高さを有し、第2横断方向高さは第1横断方向高さよりも大きく、第1作動部材が作動されたときに、第1駆動部の第2区間の第1ガイド機能部は、第1作動部材が第1構成要素を駆動するために、第1構成要素の第1対応部に接触する。
【0017】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、第2レールにいずれも可動に配置されている第2構成要素と第2作動部材とを備え、第2作動部材は、第2構成要素を駆動するために作動されるように構成され、第2作動部材は第2駆動部を含み、第2駆動部は、第1所定区間と、第1所定区間に接続された第2所定区間とを含み、第2駆動部の第1所定区間は、第2レールの長手方向壁に対して別の第1横断方向高さを有し、第2所定区間は、第2レールの長手方向壁に対して別の第2横断方向高さを有し、別の第2横断方向高さは別の第1横断方向高さよりも大きく、第2作動部材が作動されたときに、第2駆動部の第2所定区間の第2ガイド機能部は、第2作動部材が第2構成要素を駆動するために、第2構成要素の第2対応部に接触する。
【0018】
好ましくは、第1レールはブロック部を含み、第1構成要素と第2構成要素とはいずれも、第1状態及び第2状態のうちの一つにあることが可能であり、第2レールが第1レールに対して伸長位置にあって、かつ第1構成要素と第2構成要素とが第1状態にあるときに、第1構成要素と第2構成要素とはブロック部の二つの端部にそれぞれ隣接し、第2レールが伸長位置から移動することを防止する。
【0019】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに、第2レールに配置された弾性部材を備え、弾性部材は、第1構成要素と第2構成要素とに弾性力を加えるように構成され、これにより第1構成要素と第2構成要素とを第1状態に保持する。
【0020】
好ましくは、第1構成要素は動かされるように構成され、これにより、第1作動部材が作動されたときに第1状態から第2状態になるように構成され、第2レールが伸長位置から第1方向に変位することを可能にする。
【0021】
好ましくは、第2構成要素は動かされるように構成され、これにより、第2作動部材が作動されたときに第1状態から第2状態になるように構成され、第2レールが第1方向と逆である第2方向に伸長位置から変位することを可能にする。
【0022】
好ましくは、ブロック部は第1レールの前端部に隣接する。
【0023】
好ましくは、スライドレール組立体はさらに第3レールを備え、第1レールは第3レールと第2レールとの間に可動に取り付けられている。
【0024】
好ましくは、第1構成要素は第1軸を介して、第2構成要素は第2軸を介して、第2レールに枢軸的に接続されている。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、スライドレールキットはスライドレールと、第1構成要素と、第2構成要素と、第1作動部材と、第2作動部材とを備えている。スライドレールは、第1壁と、第2壁と、スライドレールの第1壁及び第2壁の間に接続された長手方向壁とを含む。第1構成要素及び第2構成要素は、スライドレールに可動に配置されている。第1作動部材及び第2作動部材は、スライドレールに可動に配置され、それぞれ第1構成要素及び第2構成要素を駆動するために作動されるように構成され、第1作動部材は第1駆動部を含み、第1駆動部は、第1区間と、第1区間に接続された第2区間とを含む。第1駆動部の第1区間は、スライドレールの長手方向壁に対して第1横断方向高さを有し、第2区間は、スライドレールの長手方向壁に対して第2横断方向高さを有し、第2横断方向高さは第1横断方向高さよりも大きく、第1駆動部の第1区間とスライドレールの長手方向壁とは、互いに支持しあい、第1駆動部の第2区間を第2横断方向高さに維持する。第2作動部材は第2駆動部を含み、第2駆動部は、第1所定区間と、第1所定区間に接続された第2所定区間とを含み、第2駆動部の第1所定区間は、スライドレールの長手方向壁に対して別の第1横断方向高さを有し、第2所定区間は、スライドレールの長手方向壁に対して別の第2横断方向高さを有し、別の第2横断方向高さは別の第1横断方向高さよりも大きく、第2駆動部の第1所定区間とスライドレールの長手方向壁とは、互いに支持しあい、第2駆動部の第2所定区間を別の第2横断方向高さに維持する。
【0026】
好ましくは、第1作動部材が作動されたときに、第1駆動部の第2区間の第1ガイド機能部は、第1作動部材が第1構成要素を駆動するために、第1構成要素の第1対応部に接触する。第2作動部材が作動されたときに、第2駆動部の第2所定区間の第2ガイド機能部は、第2作動部材が第2構成要素を駆動するために、第2構成要素の第2対応部に接触する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】従来のスライドレール組立体を示す概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の組み立てた状態の斜視図であり、スライドレール組立体は第1レール、第2レール及び第3レールを有する。
【
図4】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールと、第2レール上の二つの構成要素との分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールの概略図である。
【
図7】
図6の円で囲んだ領域VIIの拡大図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第1レールと第2レールとの間の構造、特に、二つの構成要素のうちの一つと、対応する作用部材の駆動部とを示す概略図である。
【
図8a】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第1レールと第2レールとの間の構造、特に、二つの構成要素のうちの一つと、対応する作用部材の駆動部とを示す別の概略図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第2レール及び第1レールが、第1状態にある二つの構成要素によって、それぞれに対してある一つの位置に保たれることを示す概略図である。
【
図11】二つの構成要素のうち一つが第2状態にあるときに、本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールが、第1方向に変位可能であることを示す概略図である。
【
図12】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第2レール及び第1レールが、第1状態にある二つの構成要素によって、それぞれに対してある一つの位置に保たれることを示す概略図である。
【
図13】二つの構成要素のうち別の一つが第2状態にあるときに、本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の第2レールが、第2方向に変位可能であることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図3及び4を参照して述べると、本発明の実施形態に係るスライドレール組立体20は、第1レール22,第2レール24,第1構成要素26及び第1作動部材28を備えている。好ましくはスライドレール組立体20は、さらに第3レール30を含み、第1レール22は第3レール30と第2レール24との間に可動に取り付けられるので、第3レール30(例えば外レール),第1レール22(例えば中間レール)及び第2レール24(例えば内レール)は、組み合わせで三部分のスライドレール組立体20を構成する。第1レール22,第2レール24及び第3レール30は、それぞれに対して互いに長手方向に変位できる。本実施形態で、X軸は長手方向(又はスライドレールの長さ方向又は変位方向)として、Y軸は横断方向(又はスライドレールの横方向)として、Z軸は縦方向(又はスライドレールの高さ方向)として定義されることは言及するに値する。
【0029】
第1レール22は、第1壁32aと、第2壁32bと、第1レール22の第1壁32a及び第2壁32bの間に接続された長手方向壁34とを含む。第1レール22の第1壁32a,第2壁32b及び長手方向壁34は、合わさって、第2レール24を受けるチャンネルを画定する。
【0030】
好ましくは、第1レール22は、第1レール22の前端部f1と隣接するブロック部36を備えている。ブロック部36は、接続部37を介して第1レール22の長手方向壁34に接続されてよい。又は別の実施形態では、第1レール22の長手方向壁34に直接形成されてよい。本発明なこの点では限定されない。
【0031】
好ましくは、ブロック部36は第1レール22の長手方向壁34に対して横に突出する突起である。
【0032】
第2レール24は、第1レール22に対して長手方向に変位できる。第2レール24は、第1壁38aと、第2壁38bと、第2レール24の第1壁38a及び第2壁38bの間に接続された長手方向壁40とを含む。さらに、第2レール24は前端部f2と後端部r2とを有する。
【0033】
第1構成要素26と第1作動部材28とは、第2レール24に可動に設けられている。好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第2構成要素42と第2作動部材44とを備え、これらも第2レール24に可動に設けられている。第1構成要素26,第1作動部材28,第2構成要素42及び第2作動部材44は、スライドレールキットを構成する。
【0034】
図4及び5に示すように、第1構成要素26と第2構成要素42とは、それぞれ第1軸46と第2軸48とを介して、第2レール24の長手方向壁40に枢軸的に接続されている。第1作動部材28は、第1構成要素26を駆動するために作動されるように構成され、第1作動部材28は第1駆動部50を含む。好ましくは、第1作動部材28はさらに、第1作動部52と、第1駆動部50及び第1作動部52の間に接続された長手方向延長部54を含む。第1駆動部50は第1構成要素26と隣接し、第1構成要素26を駆動するように構成されている。同様に、第2作動部材44は、第2構成要素42を駆動するために作動されるように構成され、第2作動部材44は第2駆動部56を含む。好ましくは、第2作動部材44はさらに、第2作動部58と、第2駆動部56及び第2作動部58の間に接続された長手方向延長部60を含む。第2駆動部56は第2構成要素42と隣接し、第2構成要素42を駆動するように構成されている。これに加えて、第1駆動部50は、第1区間62と、第1区間62に接続された第2区間64とを有する(
図5を参照する)。同様に、第2駆動部56は、第1所定区間66と、第1所定区間66に接続された第2所定区間68とを有する(
図5を参照する)。
【0035】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第2レール24に設けられた弾性部材70を備え、弾性部材70は、第1構成要素26と第2構成要素42とに弾性力を加えるように構成されている。例えば弾性部材70は、第1構成要素26に弾性力を加える第1弾性部72と、第2構成要素42に弾性力を加える第2弾性部74とを有する。
【0036】
好ましくは、第2レール24は、第1作動部材28を支持する少なくとも一つの第1保持部76と、第2作動部材44を支持する少なくとも一つの第2保持部78とをさらに備えている。
【0037】
図6,7及び8に示すように、第1作動部材28は、第1面L1と第2面L2としてそれぞれ定義される二つの反対側の面(side)を有する。第1作動部材28の第1駆動部50の第1区間62は、第2レール24の長手方向壁40に対して第1横断方向高さH1を有し、第2区間64は、第2レール24の長手方向壁40に対して第2横断方向高さH2を有する。この第2横断方向高さH2は第1横断方向高さH1よりも大きい(
図7及び8を参照する)。第1作動部材28が第1構成要素26とともに作用するように作動されたときに、第1駆動部50の第2区間64が、又はより具体的には第2区間64の第2横断方向高さH2が、第1駆動部50と第1構成要素26の第1対応部80との間の接触の深さd(例えば、接触の横断方向での深さ)が増加することを助ける。好ましくは、第2区間64は、第1ガイド機能部77を介して第1構成要素26の第1対応部80に接触し、第1ガイド機能部77は例えば、限定はされないが、傾斜面又は湾曲面である。さらに、第1駆動部50の第1区間62の第1面L1は、第2レール24の長手方向壁40の表面を支持し、またこれに支持される(即ち、二つの表面が相互に支持しあう)。第1区間62は第2区間64に接続され(又はこれに隣接し)、第2区間64を第2横断方向高さH2に保持する信頼性が高くされる。言い換えると、上述の構成は、第2区間64と第1構成要素26の第1対応部80との間の接触の深さdを維持することを助ける。これにより第1作動部材28の第2区間64と第1構成要素26の第1対応部80とが相互に作用することを確実にする(
図8を参照する)。従って、第1作動部材28の第1駆動部50と第1構成要素26の第1対応部80とが、相互に作動するように係合したときに、これらの間の接触が減少しないことを確実にし、第1作動部材28と第1構成要素26との間の相互作用の信頼性を高めることを確実にする。
図8aを参照して述べると、第1駆動部50の第1区間62の第1面L1が、第2レール24の長手方向壁40の表面を支持し、かつ、これにより支持される(即ち、二つの表面を相互に支持させる)ことに加えて、第1駆動部50の第2区間64の第1面L1が同様に、第2レール24の長手方向壁40の表面を支持し、かつ、これにより支持される(即ち、二つの表面を相互に支持させる)ように構成されてよい。パッド65が、はんだ付けにより、又はネジ/リベットを伴うロックにより第2区間64に接合され、これにより第2区間64は第2横断方向高さH2を有する。この代替の構成は、第1駆動部50と第2レール24の長手方向壁40との間で、一層良好な支持を与える。
【0038】
図6及び9に示すように、第2作動部材44は、第1面L1’と第2面L2’としてそれぞれ定義される二つの反対側の面を有する。第2作動部材44の第2駆動部56の第1所定区間66は、第2レール24の長手方向壁40に対して第1横断方向高さH1’を有し、第2所定区間68は、第2レール24の長手方向壁40に対して第2横断方向高さH2’を有する。この第2横断方向高さH2’は第1横断方向高さH1’よりも大きい(
図9を参照する)。第2作動部材44が第2構成要素42とともに作用するように作動されたときに、第2駆動部56の第2所定区間68が、又はより具体的には第2所定区間68の第2横断方向高さH2’が、第2駆動部56と第2構成要素42の第2対応部82との間の接触の深さ(例えば、接触の横断方向での深さ)が増加することを助ける。好ましくは、第2所定区間68は、第2ガイド機能部79を介して第2構成要素42の第2対応部82に接触し、第2ガイド機能部79は例えば、限定はされないが、傾斜面又は湾曲面である。さらに、第2駆動部56の第1所定区間66の第1面L1’が、第2レール24の長手方向壁40の表面を支持し、かつ、これにより支持される(即ち、二つの表面が相互に支持しあう)ことに加えて、第1所定区間66が第2所定区間68に接続される(又はこれに隣接する)ので、第2所定区間68が第2横断方向高さH2’に保たれる信頼性が高くされる。言い換えれば、上述の構成は、第2所定区間68と第2構成要素42の第2対応部82との間の接触の深さを維持することを助け、これにより、第2作動部材44の第2所定区間68と第2構成要素42の第2対応部82とが互いに作動させ得ることを確実にする(
図9を参照する)。従って、第2作動部材44の第2駆動部56と第2構成要素42の第2対応部82とが相互に作動するように係合したときに、これらの間の接触が減少しないことを確実にし、第2作動部材44と第2構成要素42との間の相互作用の信頼性を高めることを確実にする。
【0039】
図10を参照すると、第1構成要素26と第2構成要素42とは両方とも第1状態S1にある。より具体的には、弾性部材70の第1弾性部72が第1構成要素26に弾性力を与え、第1構成要素26を第1状態S1に保持する。第1構成要素26は第1状態S1にあるときに第2レール24の第1壁38aに突き当たる。同様に、弾性部材70の第2弾性部74が第2構成要素42に弾性力を与え、第2構成要素42を第1状態S1に保持する。第2構成要素42は第1状態S1にあるときに第2レール24の第1壁38aに突き当たる。
【0040】
第2レール24が第1レール22に対して伸長位置Pにあるときに、第2レール24の前端部f2は、第1レール22の前端部f1をある距離だけ越えて伸長する。第1構成要素26と第2構成要素42との両方が第1状態S1にありそれぞれブロック部36の二つの端部(例えば後端部と前端部)と隣接するので、第2レール24は第1方向D1にも第2方向D2にも伸長位置Pから移動することが妨げられる。この第1方向D1と第2方向D2とは互いに反対の方向である。
【0041】
図10及び11を参照して述べると、第1作動部材28が作動されたときに(例えば、ユーザーが第1作動部材28の第1作動部52に第1の力F1を与えたときに)、第1作動部材28は変位される。第1駆動部50の第2区間64の第1ガイド機能部77が第1構成要素26の第1対応部80(
図7及び8を参照する)に接触すると、第1作動部材28は第1構成要素26を動かすために(例えば旋回の動き)駆動するように使用されることができ、これにより、第1構成要素26を第1状態S1(
図10参照)から第2状態S2(
図11参照)にする。第2状態S2にある第1構成要素26は第2レール24の第1壁38aに突き当たらないので、第2レール24は第1方向D1に伸長位置Pから変位することが可能にされ、第1レール22のチャンネルから外されるようになる。なお、第1構成要素26が第2状態S2にあるときに弾性部材70の第1弾性部72が第1弾性力を蓄積していることは言及するに値する。ユーザーが第1の力F1を加えることを止めると、第1弾性部72が第1弾性力を解放することに応答して、第1構成要素26が第2状態S2から第1状態S1にもどる。
【0042】
図12及び13を参照して述べると、第2作動部材44が作動されたときに(例えば、ユーザーが第2作動部材44の第2作動部58に第2の力F2を与えたときに)、第2作動部材44は変位される。第2駆動部56の第2所定区間68の第2ガイド機能部79が第2構成要素42の第2対応部82(
図9を参照する)に接触すると、第2作動部材44は第2構成要素42を動かすために(例えば旋回の動き)駆動するように使用されることができ、これにより、第2構成要素42を第1状態S1(
図12参照)から第2状態S2(
図13参照)にする。第2状態S2にある第2構成要素42は第2レール24の第1壁38aに突き当たらないので、第2レール24は第2方向D2に伸長位置Pから後退位置へ変位することが可能にされる。なお、第2構成要素42が第2状態S2にあるときに弾性部材70の第2弾性部74が第2弾性力を蓄積していることは言及するに値する。ユーザーが第2の力F2を加えることを止めると、第2弾性部74が第2弾性力を解放することに応答して、第2構成要素42が第2状態S2から第1状態S1にもどる。
【0043】
上記によれば、上述の実施形態は、第1作動部材28の第1駆動部50と第1構成要素26の第1対応部80との間の接触は、外力又は予想されない要因によって損なわれないこと、そしてこれにより、第1作動部材28と第1構成要素26との間の相互作用の信頼性が高くされることを特徴とする。同じ技術的原理と技術的効果が、第2作動部材44の第2駆動部56(第1所定区間66及び第2所定区間68を含む)と第2構成要素42の第2対応部82とに当てはまる。
【0044】
本発明は、上述の好ましい実施形態によって開示されたものであるが、実施形態は発明の範囲を限定するものであることを意図しないことが理解されるものとする。出願人が図ろうとする特許の保護の範囲は、添付の請求項によって定義される。