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特開2022-41889インピンジメントパネルの支持構造、および製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041889
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】インピンジメントパネルの支持構造、および製造方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/12 20060101AFI20220304BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220304BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20220304BHJP
   F02C 7/18 20060101ALN20220304BHJP
【FI】
F01D25/12
B33Y10/00
B22F10/28
F01D25/12 E
F02C7/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021108605
(22)【出願日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】17/007,108
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ドワイト・ベリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ウォルター・ゴイク
(72)【発明者】
【氏名】クレイ・トーマス・グリフィス
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018KA12
(57)【要約】
【課題】一体型燃焼ノズル用の様々な冷却構成要素を提供する。
【解決手段】インピンジメントパネル(130、134)は、内側ライナセグメントまたは外側ライナセグメントの一方の外面(131、135)に沿って配置されたインピンジメントプレート(136)を有する。インピンジメントプレート(136)は、離散ジェットで冷却剤を内側ライナセグメントまたは外側ライナセグメントの外面(131、135)に向けて導く複数のインピンジメント開口(139)を画定する。インピンジメントパネル(130、134)は、インピンジメントプレート(136)から収集ダクト(142)に延びる入口部分(140)を含む。インピンジメントパネル(130、134)は、互いに離間した複数の支持体(194)をさらに含む。複数の支持体(194)は、入口部分(140)、収集ダクト(142)、およびインピンジメントプレート(136)の間に延び、それらに結合される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピンジメント冷却を外面(131、135)に提供するように構成されたインピンジメントパネル(130、134)であって、
前記外面(131、135)に沿って配置されたインピンジメントプレート(136)であって、離散ジェットで冷却剤を前記外面(131、135)に向けて導く複数のインピンジメント開口(139)を画定するインピンジメントプレート(136)と、
前記インピンジメントプレート(136)から離間し、収集通路(144)を画定する収集ダクト(142)と、
前記インピンジメントプレート(136)から前記収集ダクト(142)に延びる入口部分(140)と、
前記インピンジメントプレート(136)ならびに前記入口部分(140)および前記収集ダクト(142)の少なくとも1つに結合された少なくとも1つの支持体(194)と
を備える、インピンジメントパネル(130、134)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの支持体(194)は、前記入口部分(140)、前記収集ダクト(142)、および前記インピンジメントプレート(136)の間に延び、それらに結合される、請求項1に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの支持体(194)は、前記インピンジメントプレート(136)に固定的に結合された第1の端部(196)から前記収集ダクト(142)に固定的に結合された第2の端部(198)に延びる、請求項1に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの支持体(194)は、前記第1の端部(196)と前記第2の端部(198)との間に延びる第1の側面(197)および第2の側面(199)を含み、前記第1の側面(197)は、前記入口部分(140)に固定的に結合される、請求項3に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの支持体(194)の前記第2の側面(199)は、前記インピンジメントプレート(136)と約10°~約75°の角度(200)を形成する、請求項4に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの支持体(194)は、前記入口部分(140)と約10°~約90°の角度(202)を形成する、請求項1に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項7】
前記インピンジメントパネル(130、134)は、互いに結合された複数のインピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)を備える、請求項1に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項8】
前記複数のインピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の各インピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)は、前記インピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の第1の端部(196)と前記インピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の第2の端部(198)との間に延び、前記第1の端部(196)は、前記インピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の前記インピンジメントプレート(136)から延びるフランジ(212)を含み、前記フランジ(212)は、前記インピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)と一体的に形成される、請求項7に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項9】
エンドプレート(211)が、前記複数のインピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の少なくとも1つのインピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の前記第2の端部(198)に固定的に結合され、前記エンドプレート(211)は、前記少なくとも1つのインピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)の前記第2の端部(198)を隣り合うインピンジメントパネル(130、134)セグメント(182)のそれぞれのフランジ(212)に結合する、請求項8に記載のインピンジメントパネル(130、134)。
【請求項10】
インピンジメントパネル(130、134)を製作するための方法(1600)であって、
(a)粉末床(1120)内の粉末層を照射して融着領域を形成するステップ(1602)であって、前記粉末床(1120)は、ビルドプレート(1002)上に配置されるステップと、
(b)前記粉末床(1120)の第1の側面(197)から前記粉末床(1120)の上にリコータアーム(1160)を通過させることによって、前記粉末床(1120)の上に後続の粉末層を提供するステップ(1604)と、
(c)前記インピンジメントパネル(130、134)が前記ビルドプレート(1002)上に形成されるまで、ステップ(a)および(b)を繰り返すステップ(1606)とを含み、前記インピンジメントパネル(130、134)は、
複数のインピンジメント開口(139)を画定するインピンジメントプレート(136)と、
前記インピンジメントプレート(136)から離間し、集合通路(144)を画定する収集ダクト(142)と、
前記インピンジメントプレート(136)から前記収集ダクト(142)に延びる入口部分(140)と、
前記インピンジメントプレート(136)ならびに前記入口部分(140)および前記収集ダクト(142)の少なくとも1つに結合された少なくとも1つの支持体(194)と
を備える、
方法(1600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガスタービンエンジン用の一体型燃焼ノズルに関する。より具体的には、本開示は、一体型燃焼ノズル用の様々な冷却構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達の目的で様々な産業および用途で利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションと、排気セクションとを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に上昇させ、この圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体および燃料(例えば、天然ガス)は、燃焼セクション内で混合され、燃焼チャンバ内で燃焼して高圧および高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を発生する。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、例えば、発電機に接続されたロータシャフトを回転させ、電気を発生することができる。次いで、燃焼ガスは、排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
多くのターボ機械燃焼器では、燃焼ガスは、燃料ノズルから下流に延び、タービンセクションへの入口で終端する燃焼ライナによって少なくとも部分的に画定された高温ガス経路を通って、ガスタービンのタービンセクションの入口に向かって送られる。したがって、タービンセクション内の高い燃焼ガス温度は、一般に、燃焼ガスとタービンとの間のより大きな熱および運動エネルギー伝達に対応し、それによってターボ機械の全体的な出力を向上させる。しかし、高い燃焼ガス温度は、燃焼器の様々な構成要素に浸食、クリープ、および/または低サイクル疲労をもたらし、それによってその全体的な耐久性を制限する可能性がある。
【0004】
したがって、圧縮機セクションからの圧縮された作動流体などの冷却媒体を燃焼ライナの様々な部分に送ることによって典型的には達成される、燃焼器の構成要素の冷却が必要である。しかし、圧縮機セクションからの圧縮された作動流体の大部分を利用すると、タービンセクションで利用される作動流体の量が減少するため、ターボ機械の全体的な動作効率に悪影響を及ぼす可能性がある。
したがって、ターボ機械燃焼器を冷却するための改善されたシステムが当技術分野において望まれている。特に、圧縮機からの圧縮された作動流体を効率的に利用するシステムが有用であろう。
【発明の概要】
【0005】
本開示によるアセンブリおよび方法の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されており、または説明から明らかとなり、または本技術の実践を通して学ぶことができる。
【0006】
一実施形態によれば、インピンジメントパネルが提供される。インピンジメントパネルは、インピンジメント冷却を外面に提供するように構成される。インピンジメントパネルは、外面に沿って配置されたインピンジメントプレートを有する。インピンジメントプレートは、離散ジェットで冷却剤を外面に向けて導く複数のインピンジメント開口を画定する。インピンジメントパネルは、インピンジメントプレートから収集ダクトに延びる入口部分を含む。少なくとも1つの支持体は、インピンジメントプレートならびに入口部分および収集ダクトの少なくとも1つに結合される。
【0007】
別の実施形態によれば、一体型燃焼器ノズルが提供される。一体型燃焼器ノズルは、内側ライナセグメントと外側ライナセグメントとの間に半径方向に延びる燃焼ライナを含む。燃焼ライナは、前端部分、後端部分、第1の側壁、および第2の側壁を含む。燃焼ライナの後端部分は、タービンノズルを画定する。一体型燃焼器ノズルは、インピンジメントパネルをさらに含む。インピンジメントパネルは、内側ライナセグメントまたは外側ライナセグメントの一方の外面に沿って配置されたインピンジメントプレートを有する。インピンジメントプレートは、離散ジェットで冷却剤を内側ライナセグメントまたは外側ライナセグメントの一方の外面に向けて導く複数のインピンジメント開口を画定する。インピンジメントパネルは、インピンジメントプレートから収集ダクトに延びる入口部分を含む。少なくとも1つの支持体は、インピンジメントプレートならびに入口部分および収集ダクトの少なくとも1つに結合される。
【0008】
さらに別の実施形態によれば、インピンジメントパネルを製作するための方法が提供される。方法は、粉末床内の粉末層を照射して融着領域を形成するステップを含む。粉末床は、ビルドプレート上に配置される。方法は、粉末床の第1の側面から粉末床の上にリコータアームを通過させることによって、粉末床の上に後続の粉末層を提供するステップをさらに含む。方法は、インピンジメントパネルがビルドプレート上に形成されるまで、照射ステップおよび提供ステップを繰り返すステップをさらに含む。インピンジメントパネルは、複数のインピンジメント開口を画定するインピンジメントプレートを含む。インピンジメントパネルは、インピンジメントプレートから収集ダクトに延びる入口部分をさらに含む。少なくとも1つの支持体は、インピンジメントプレートならびに入口部分および収集ダクトの少なくとも1つに結合される。
【0009】
本アセンブリおよび方法のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されよう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、明細書における説明と併せて本技術の原理を説明するのに役立つ。
【0010】
当業者へと向けられた本システムおよび方法の作製および使用の最良の態様を含む、本アセンブリの完全かつ実施可能な開示が、添付の図を参照する本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による、ターボ機械の概略図である。
図2】本開示の実施形態による、ターボ機械の例示的な燃焼セクションの上流図である。
図3】本開示の実施形態による、第1の側面から見た一体型燃焼器ノズルの斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、第2の側面から見た一体型燃焼器ノズルの斜視図である。
図5】本開示の実施形態による、分解された様々な冷却構成要素を有して示される、一体型燃焼器ノズルの斜視図である。
図6】本開示の実施形態による、ターボ機械の半径方向に沿った一体型燃焼器ノズルの断面概略図である。
図7】本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズルの外側ライナセグメントの一部の拡大断面図である。
図8】本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズルの内側ライナセグメントの一部の拡大断面図である。
図9】本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズルの他の構成要素から隔離された、2つのインピンジメントパネルおよび冷却インサートの半径方向Rに沿った平面図である。
図10】本開示の実施形態による、ターボ機械の軸方向Aに沿ったインピンジメントパネルのパネルセグメントの断面図である。
図11】本開示の実施形態による、ターボ機械の半径方向Rに沿った図10に示すパネルセグメントの平面図である。
図12】本開示の実施形態による、パネルセグメントの断面斜視図である。
図13】本開示の実施形態による、中心軸に沿った図10図12に示すパネルセグメントの第1の端部の平面図である。
図14】本開示の実施形態による、中心軸に沿った図10図12に示すパネルセグメントの第2の端部の平面図である。
図15】本開示の実施形態による、物体を生成するための付加製造システムの概略/ブロック図である。
図16】本開示の実施形態による、インピンジメントパネルを製作するための方法のフローチャートである。
図17】本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズルから隔離され、ビルドプレート上に位置決めされ、一列のインピンジメント部材のうちの1つが切り取られているインピンジメント冷却装置の斜視図である。
図18】本開示の実施形態による、インピンジメント冷却装置が一体型燃焼器ノズルのキャビティ内に位置決めされた、ターボ機械の半径方向Rに沿った一体型燃焼器ノズルの拡大断面図である。
図19】本開示の実施形態による、単一のインピンジメント部材の断面図である。
図20】本開示の実施形態による、ターボ機械の半径方向Rに沿ったインピンジメント部材および2つの隣り合うインピンジメント部材の一部の拡大断面図である。
図21】本開示の実施形態による、余分な材料の除去前のインピンジメント壁スタンドオフの拡大図である。
図22】本開示の実施形態による、余分な材料の除去後のインピンジメント壁スタンドオフの拡大図である。
図23】本開示の実施形態による、インピンジメント冷却装置を製作するための方法のフローチャートである。
図24】本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズルの他の構成要素から隔離された、冷却インサートの斜視図である。
図25】本開示の実施形態による、ターボ機械の軸方向Aに沿った冷却インサートの断面図である。
図26】本開示の実施形態による、ターボ機械の半径方向Rに沿った冷却インサートの断面図である。
図27】本開示の実施形態による、ターボ機械の円周方向Cに沿った冷却インサートの断面図である。
図28】本開示の実施形態による、2つの対向して配置された冷却インサートの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本アセンブリの実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、本技術の説明のために提供するものであって、本技術を限定するものではない。実際、特許請求される技術の範囲または趣旨を逸脱せずに、修正および変更が本技術において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または記載された特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、別の実施形態において使用することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にあるそのような修正および変更を包含することを意図している。
【0013】
詳細な説明は、図面の特徴を参照するために、数字および文字の符号を使用する。図面および説明における類似または同様の符号は、本発明の類似または同様の部分を指して使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の位置または重要性を示すことを意図するものではない。
【0014】
本明細書で使用する場合、「上流」(または「前方」)、および「下流」(または「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は、流体が流れてくる方向を指し、「下流」は、流体が流れていく方向を指す。「半径方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に垂直な相対的な方向を指し、「軸方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行および/または同軸に整列する相対的な方向を指し、「円周方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線の周囲に延びる相対的な方向を指す。「概して」、「実質的に」、「およそ」、または「約」などの近似の用語は、記載された値のプラスマイナス10%の範囲内の値を含む。角度または方向の文脈で使用されるとき、そのような用語は、記載された角度または方向のプラスマイナス10度の範囲を含む。例えば、「概して垂直」は、任意の方向、例えば、時計回りまたは反時計回りの垂直から10度の範囲内の方向を含む。
【0015】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定を意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。
【0016】
ここで図面を参照すると、図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示しており、これは、図示の実施形態ではガスタービン10である。産業用または陸上用のガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本開示は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用および/または産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の本発明は、限定はしないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン、または船舶用ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械に使用することが可能である。
【0017】
示すように、ガスタービン10は、一般に、入口セクション12と、入口セクション12の下流に配置された圧縮機14と、圧縮機14の下流に配置された燃焼セクション16と、燃焼セクション16の下流に配置されたタービン18と、タービン18の下流に配置された排気セクション20とを含む。加えて、ガスタービン10は、圧縮機14をタービン18に結合する1つまたは複数のシャフト22を含んでもよい。
【0018】
動作中、空気24は、入口セクション12を通って圧縮機14に流れ、そこで空気24が次第に圧縮され、これにより圧縮空気26が燃焼セクション16に提供される。圧縮空気26の少なくとも一部は、燃焼セクション16内で燃料28と混合され、燃焼されて燃焼ガス30を発生する。燃焼ガス30は、燃焼セクション16からタービン18に流れ、そこで(運動および/または熱)エネルギーが燃焼ガス30からロータブレード(図示せず)に伝達され、シャフト22を回転させる。機械的回転エネルギーは、その後、圧縮機14への動力供給および/または発電など、様々な目的のために使用されてもよい。次いで、タービン18から出る燃焼ガス30は、排気セクション20を介してガスタービン10から排気され得る。
【0019】
図2は、本開示の様々な実施形態による、燃焼セクション16の上流図を示す。図2に示すように、燃焼セクション16は、外側ケーシングまたは圧縮機吐出ケーシング32によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。圧縮機吐出ケーシング32は、燃焼器16の様々な構成要素を少なくとも部分的に囲む高圧プレナム34を少なくとも部分的に画定することができる。高圧プレナム34は、圧縮機14(図1)と流体連通し、圧縮空気26をそこから受け取ることができる。様々な実施形態において、図2に示すように、燃焼セクション16は、ガスタービンシャフト22と一致し得るガスタービン10の軸方向中心線38の周囲に円周方向に配置されたいくつかの一体型燃焼器ノズル100を含む、セグメント化された環状燃焼システム36を含む。
【0020】
図3は、第1の側面から見た一体型燃焼器ノズル100の斜視図を示す。同様に、図4は、本開示の実施形態による、第2の側面から見た一体型燃焼器ノズル100の斜視図を示す。図2図3、および図4にまとめて示すように、セグメント化された環状燃焼システム36は、複数の一体型燃焼器ノズル100を含む。本明細書でさらに説明するように、各燃焼器ノズル100は、第1の側壁116と、第2の側壁118とを含む。特定の実施形態では、側壁と下流タービンノズル120の対応する正圧側および負圧側の一体化に基づいて、第1の側壁は正圧側壁であり、第2の側壁は負圧側壁である。本明細書で行われる正圧側壁および負圧側壁への言及は、特定の実施形態を表すものであり、そのような言及は説明を容易にするためになされており、そのような言及は、特定の文脈が特に指示しない限り、任意の実施形態の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0021】
図3および図4にまとめて示すように、各円周方向に隣接する一対の燃焼器ノズル100は、それらの間のそれぞれの一次燃焼ゾーン102およびそれぞれの二次燃焼ゾーン104を画定し、それによって一次燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104の環状アレイを形成する。一次燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104は、燃焼ライナ110によって、それぞれ隣接する一次燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104から円周方向に分離されるか、または流体的に隔離される。
【0022】
図3および図4にまとめて示すように、各燃焼器ノズル100は、内側ライナセグメント106と、外側ライナセグメント108と、内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108との間に延びる中空または半中空の燃焼ライナ110とを含む。複数(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の燃焼ライナ110を内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108との間に位置決めすることができ、それによってシールを必要とする隣接するライナセグメントの間の接合部の数を減らすことができると考えられる。本明細書における説明を容易にするために、それぞれの内側および外側ライナセグメント106、108の間に単一の燃焼ライナ110を有する一体型燃焼器ノズル100を参照するが、ライナセグメントと燃焼ライナの比は2:1である必要はない。図3および図4に示すように、各燃焼ライナ110は、前端または上流端部分112と、後端または下流端部分114と、図3に示される特定の例示的な実施形態における正圧側壁である第1の側壁116と、図4に示される特定の例示的な実施形態における負圧側壁である第2の側壁118とを含む。
【0023】
セグメント化された環状燃焼システム36は、燃料噴射モジュール117をさらに含む。図示の例示的な実施形態では、燃料噴射モジュール117は、複数の燃料ノズルを含む。燃料噴射モジュール117は、それぞれの燃焼ライナ110の前端部分112に設置されるように構成される。本明細書における説明の目的のために、複数の燃料ノズルを含む燃料噴射モジュール117は、「束管燃料ノズル」と呼ぶことができる。しかし、燃料噴射モジュール117は、任意のタイプの燃料ノズルまたはバーナ(旋回燃料ノズルまたはスウォズルなど)を含むかまたは備えることができ、特許請求の範囲は、特に明記しない限り、束管燃料ノズルに限定されるべきではない。
【0024】
各燃料噴射モジュール117は、それぞれの燃焼器ノズル100の2つの円周方向に隣接する燃焼ライナ110の間で少なくとも部分的に円周方向に、および/またはそれぞれの内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108との間で少なくとも部分的に半径方向に延びることができる。軸方向多段燃料噴射動作中、燃料噴射モジュール117は、予混合された燃料および空気(すなわち、第1の可燃性混合物)の流れをそれぞれの一次燃焼ゾーン102に提供する。
【0025】
少なくとも一実施形態では、図3および図4に示すように、燃焼ライナ110の1つまたは複数の下流端部分114は、燃焼生成物の流れをタービンブレードに向けて導いて加速する概して翼形部形状のタービンノズル120に移行する。したがって、各燃焼ライナ110の下流端部分114は、前縁のない翼形部と考えることができる。一体型燃焼器ノズル100が燃焼セクション16内に装着されると、タービンノズル120は、タービン18のタービンロータブレードの段のすぐ上流に位置決めすることができる。
【0026】
本明細書で使用する場合、「一体型燃焼器ノズル」という用語は、燃焼ライナ110と、燃焼ライナの下流のタービンノズル120と、燃焼ライナ110の前端112から後端114に延びる内側ライナセグメント106(タービンノズル120によって具現化される)と、燃焼ライナ110の前端112から後端114に延びる外側ライナセグメント108(タービンノズル120によって具現化される)とを含むシームレス構造を指す。少なくとも一実施形態では、一体型燃焼器ノズル100のタービンノズル120は、第1段タービンノズルとして機能し、第1段のタービンロータブレードの上流に位置決めされる。
【0027】
上述したように、一体型燃焼器ノズル100の1つまたは複数は、内側ライナセグメント106、外側ライナセグメント108、燃焼ライナ110、およびタービンノズル120を含む一体または単一の構造または本体として形成される。一体型燃焼器ノズル100は、鋳造、付加製造(3D印刷など)、または他の製造技法を介して、一体型またはシームレス構成要素として作製することができる。燃焼器ノズル100を単一または一体型の構成要素として形成することによって、燃焼器ノズル100の様々な特徴の間のシールの必要性を低減または排除することができ、部品数およびコストを低減することができ、組み立てステップを単純化または排除することができる。他の実施形態では、燃焼器ノズル100は、溶接などによって製作されてもよく、または異なる製造技法から形成されてもよく、ある技法で作製された構成要素は、同じまたは別の技法によって作製された構成要素に接合される。
【0028】
特定の実施形態においては、各一体型燃焼器ノズル100の少なくとも一部またはすべてを、セラミックマトリックス複合材(CMC)または他の複合材料から形成することができる。他の実施形態では、各一体型燃焼器ノズル100の一部またはすべて、より具体的には、タービンノズル120またはその後縁は、酸化に対する耐性が高い材料(例えば、遮熱コーティングでコーティングされている)から作製されてもよく、または酸化に対する耐性が高い材料でコーティングされてもよい。
【0029】
別の実施形態(図示せず)では、燃焼ライナ110の少なくとも1つは、燃焼ライナ110の長手方向(軸方向)軸と整列された後縁に先細になっていてもよい。すなわち、燃焼ライナ110は、タービンノズル120と一体化されていなくてもよい。これらの実施形態では、燃焼ライナ110およびタービンノズル120の不均一な数を有することが望ましい場合がある。先細の燃焼ライナ110(すなわち、タービンノズル120が一体化されていないもの)は、一体型タービンノズル120(すなわち、一体型燃焼器ノズル100)を有する燃焼ライナ110と交互または何らかの他のパターンで使用することができる。
【0030】
燃焼ライナ110の少なくとも1つは、それぞれの燃焼ライナ110の正圧側壁116および負圧側壁118のそれぞれの開口部を通って延びる少なくとも1つの火炎伝播管122を含むことができる。火炎伝播管122は、円周方向に隣接する一体型燃焼器ノズル100の間の円周方向に隣接する一次燃焼ゾーン102の火炎伝播および点火を可能にする。
【0031】
多くの実施形態では、図3に示すように、各燃焼ライナ110は、正圧側壁116に沿って画定された複数の半径方向に離間した正圧側噴射出口164を含むことができ、正圧側燃料噴射器160はそれを通って延びることができる(図6)。図4に示すように、各燃焼ライナ110は、負圧側壁118に沿って画定された複数の半径方向に離間した負圧側噴射出口165を含むことができ、負圧側燃料噴射器161はそれを通って延びることができる(図6)。各それぞれの一次燃焼ゾーン102は、一対の円周方向に隣接する一体型燃焼器ノズル100の対応する正圧側噴射出口164および/または負圧側噴射出口165の上流に画定される。各二次燃焼ゾーン104は、一対の円周方向に隣接する一体型燃焼器ノズル100の対応する正圧側噴射出口164および/または負圧側噴射出口165の下流に画定される。複数の正圧側噴射出口164は、一体型燃焼器ノズル100の軸方向中心線に対して共通の半径方向もしくは噴射面に、または燃料噴射パネル110の下流端部分114から共通の軸方向距離に存在するものとして図2に示されているが、特定の実施形態では、正圧側噴射出口164の1つまたは複数は、半径方向に隣接する正圧側噴射出口164に対して軸方向に互い違いに配置され、それによって特定の正圧側噴射出口164の下流端部分114に対する正圧側噴射出口164の軸方向距離をオフセットすることができる。同様に、図4は、共通の半径方向もしくは噴射面に、または燃料噴射パネル110の下流端部分114から共通の軸方向距離にある複数の負圧側噴射出口165を示しているが、特定の実施形態では、負圧側噴射出口165の1つまたは複数は、半径方向に隣接する負圧側噴射出口165に対して軸方向に互い違いに配置され、それによって特定の負圧側噴射出口165の下流端部分114に対する負圧側噴射出口165の軸方向距離をオフセットすることができる。
【0032】
セグメント化された環状燃焼システム36の動作中、各一体型燃焼器ノズル100およびセグメント化された環状燃焼システム36全体の機械的性能を向上させるために、各一体型燃焼器ノズル100の正圧側壁116、負圧側壁118、タービンノズル120、内側ライナセグメント106、および/または外側ライナセグメント108の1つまたは複数を冷却することが必要な場合がある。冷却要件に対応するために、各一体型燃焼器ノズル100は、様々な空気通路またはキャビティを含むことができ、様々な空気通路またはキャビティは、圧縮機吐出ケーシング32内に形成された高圧プレナム34および/または各燃焼ライナ110内に画定された予混合空気プレナム144と流体連通することができる。
【0033】
図5は、本開示の実施形態による、分解された様々な冷却構成要素を有して示される、一体型燃焼器ノズル100の斜視図を示している。様々な実施形態において、示すように、各燃焼ライナ110の内部部分は、正圧側壁116と負圧側壁118との間に画定することができ、1つまたは複数のリブ128、129によって様々な空気通路またはキャビティ124、126に仕切ることができる。特定の実施形態では、空気キャビティ124、126は、圧縮機吐出ケーシング32または他の冷却源から空気を受け取ることができる。リブまたは隔壁128、129は、燃焼ライナ110の内部部分内に延び、複数の空気キャビティ124、126を少なくとも部分的に形成または分離することができる。特定の実施形態では、リブ128、129の一部またはすべては、構造的支持を燃焼ライナ110の正圧側壁116および/または負圧側壁118に提供することができる。
【0034】
特定の実施形態では、図5に示すように、各一体型燃焼器ノズル100は、外側ライナセグメント108の外面131に沿って延びる1つまたは複数の外側インピンジメントパネル130を含むことができる。外側インピンジメントパネル130は、外側ライナセグメント108の形状または形状の一部に対応する形状を有することができる。多くの実施形態では、外側インピンジメントパネル130は、外側インピンジメントパネル130に沿った様々な位置に画定された複数のインピンジメント孔139を画定し得る(図7)。多くの実施形態では、図3および図4に最もよく示すように、外側インピンジメントパネル130は、インピンジメント冷却を外側ライナセグメント108全体に提供するために、キャビティ124、126の両側に配置されてもよい。
【0035】
同様に、各一体型燃焼器ノズル100は、内側ライナセグメント106の外面135に沿って延びる内側インピンジメントパネル134を含むことができる。内側インピンジメントパネル134は、内側ライナセグメント106の形状または形状の一部に対応する形状を有することができる。多くの実施形態では、図3および図4に最もよく示すように、内側インピンジメントパネル134は、インピンジメント冷却を内側ライナセグメント106全体に提供するために、キャビティ124、126の両側に配置されてもよい。
【0036】
図5に示すように、一体型燃焼器ノズル100の1つまたは複数は、燃焼ライナ110の前端112に近接して位置決めされた冷却インサート400と、燃焼ライナ110の後端114に近接して位置決めされたインピンジメント冷却装置300とをさらに含むことができる。以下に詳細に示され説明されるように、冷却インサートは、冷却インサート400が燃焼ライナ110の内部に収容されて冷却を提供するように、キャビティ124内に位置決めされ得る。同様に、インピンジメント冷却装置300は、インピンジメント冷却装置300が燃焼ライナ110の内部に収容されて冷却を提供するように、キャビティ126内に収容され得る。以下でより詳細に説明するように、冷却インサート400とインピンジメント冷却装置300の両方は、空気キャビティ126に相補的な形状の、一端または両端に開口部を有する実質的に中空(または半中空)の構造として形成されてもよい。動作中、圧縮機吐出ケーシング32からの空気は、冷却インサート400および/またはインピンジメント冷却装置300の一方または両方を通って流れることができ、ここで空気は、燃焼ライナ110の内面に衝突する離散ジェットとしてインピンジメント孔を通って流れることができ、それによって熱が燃焼ライナ110の内面から冷却空気に対流的に伝達することを可能にする。以下で詳細に説明するように、燃焼ライナ110の内面に衝突した後、冷却インサート400および/またはインピンジメント冷却装置300を通過した空気の一部は、燃焼ライナ110を通って燃料噴射器に向かって流れることができ、ここで空気は燃料と混合され、二次燃焼ゾーン104での燃焼に使用され得る。このようにして、燃焼ライナ110を冷却するために使用される空気は、タービンセクション18で仕事を発生するためにも使用され、それによってガスタービン10の全体的な効率を高める。
【0037】
多くの実施形態では、示すように、内側ライナセグメント106を通して設置された第1の冷却インサート400および外側ライナセグメント108を通して設置された第2の冷却インサート400などの2つの冷却インサート400を、空気キャビティ124内に設置することができる。このようなアセンブリは、一体型燃焼器ノズル100が、キャビティ124の半径方向寸法を通る単一のインピンジメント空気インサート400の挿入を防止する火炎伝播管122を含む際に有用であり得る。あるいは、2つ以上のインピンジメント空気インサート400を、所与のキャビティ内で、例えば、火炎伝播管122の両側に、軸方向A(軸方向Aは、例えば、図6に示されている)に順次位置決めすることができる。
【0038】
図6は、本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズル100の断面概略図を示している。図6に示すように、一体型燃焼器ノズル100は、正圧側燃料噴射器160をさらに含むことができる。多くの実施形態では、一体型燃焼器ノズル100は、半径方向Rに沿って互いに離間した複数の正圧側燃料噴射器160を含むことができる。例えば、正圧側燃料噴射器160の各々は、負圧側壁118に近接した燃焼ライナ110内に位置決めされた入口162から正圧側噴射出口164に延びることができる。同様に、多くの実施形態では、一体型燃焼器ノズル100は、半径方向Rに沿って互いに離間した複数の負圧側燃料噴射器161を含むことができる。例えば、負圧側燃料噴射器161の各々は、正圧側壁116に近接した燃焼ライナ110内に位置決めされた入口166から負圧側噴射出口165に延びることができる。燃料噴射器160、161は、燃焼ガスがタービンセクション18に入り仕事を発生するために使用される前に燃焼ガスの温度を上昇させるために、燃料と空気の二次混合物を一次燃焼ゾーン102の下流の二次燃焼ゾーン104に提供し得る。
【0039】
様々な実施形態において、図6に示すように、燃料噴射器160、161は、冷却インサート400とインピンジメント冷却装置300との間に軸方向に位置決めされてもよい。特定の実施形態では、正圧側燃料噴射器160は、インピンジメント冷却装置300と負圧側燃料噴射器161との間に軸方向に位置決めされ得る。同様に、負圧側燃料噴射器161は、冷却インサート400と正圧側燃料噴射器160との間に軸方向に位置決めされてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、一体型燃焼器ノズル100は、フレーム168と、リブ128、129とを含むことができる。フレーム168は、燃料噴射器160、161の周囲に延び、それらを支持することができる。さらに、フレーム168は、燃料噴射器160、161に入る前に空気が移動するための経路を少なくとも部分的に画定し得る。リブ128、129の各々は、正圧側壁116と負圧側壁118との間に延びてもよい。図6に示すように、リブ128、129は、燃料噴射器160、161と冷却インサート400またはインピンジメント冷却装置300との間の流体連通を提供するために、貫通して画定された1つまたは複数の開口部を含むことができる。
【0041】
示すように、様々な矢印は、燃焼ライナ110内の空気の流路を示している。例えば、一体型燃焼器ノズル100は、プレインピンジメント空気152と、ポストインピンジメント空気または使用済み冷却空気154とをさらに含むことができる。図6に示すように、プレインピンジメント空気152は、それぞれ壁402、403の各々に画定された第1の複数のインピンジメント開口404(図24)および第2の複数のインピンジメント開口405(図25)を介して冷却インサート400から出ることができる。同様に、プレインピンジメント空気152は、インピンジメント部材302の各々に画定された複数のインピンジメント開口304(図17)を介してインピンジメント冷却装置300から出ることができる。インピンジメント開口304、404、405は、離散ジェットでプレインピンジメント空気152を導き、正圧側壁116の内面156または負圧側壁118の内面158に衝突させるようなサイズおよび向きにすることができる。空気の離散ジェットは、内面156、158に衝突し(またはぶつかり)、内面156、158の上に空気の薄い境界層を形成し、壁116、118と空気との間の最適な熱伝達を可能にする。例えば、インピンジメント開口304、404、405は、ぶつかる表面、例えば、壁116、118の内面156、158に垂直になるように、プレインピンジメント空気を配向することができる。空気が内面156、158に衝突すると、空気はエネルギー伝達を受け、したがって異なる特性を有するため、空気は「ポストインピンジメント空気」および/または「使用済み冷却空気」と呼ばれることがある。例えば、使用済み冷却空気154は、衝突プロセス中に使用済み冷却空気154が燃焼ライナ110から熱を除去しているため、プレインピンジメント空気152よりも高い温度および低い圧力を有することができる。
【0042】
インピンジメント冷却装置300から出る空気の流路を参照すると、図6に示すように、プレインピンジメント空気152は、複数のインピンジメント開口304を介してインピンジメント部材302の各々から出て、側壁116、118の内面156、158に衝突する。その時点で、空気は、側壁116、118から熱を除去することによってエネルギー伝達を受け、したがってポストインピンジメント空気154になる。次いで、ポストインピンジメント空気154は、方向を反転させ、インピンジメント部材302の間に画定されたギャップ172(図18)を通って流れる。図6に示すように、インピンジメント冷却装置300は、インピンジメント部材302の間に画定されたギャップ172からポストインピンジメント空気154を受け取る収集通路174をさらに画定することができる。ギャップ172と収集通路174の両方は、好ましくは、ポストインピンジメント空気154がプレインピンジメント空気152から離れるように移動するための経路を提供する。これは、ポストインピンジメント空気154がプレインピンジメント空気152の流れを妨げる、すなわち、横切って流れて妨害するのを防止し、プレインピンジメント空気152がその高速を維持し、壁116、118を効果的に冷却することを可能にするので有利である。ポストインピンジメント空気154が収集通路174内に入ると、軸方向Aとほぼ反対の方向、すなわち、燃焼ガスの方向とは反対の方向に流れることができる。図6に示すように、ポストインピンジメント空気154は、収集通路174から、リブ129に画定された1つまたは複数の孔を通って、正圧側燃料噴射器160の周囲を流れ、負圧側燃料噴射器161の入口166に流入することができる。このようにして、インピンジメント冷却装置300を通って流れるすべての空気は、インピンジメント冷却と燃焼ガス生成の両方に利用され、圧縮機セクション14からの廃棄空気の量を最小限に抑え、したがってガスタービン10の全体的な性能を高める。
【0043】
ここで冷却インサート400から出る空気の流路を参照すると、図6に示すように、プレインピンジメント空気152は、複数のインピンジメント開口404、405を介して壁402、403から出て、側壁116、118の内面156、158に衝突し得る。その時点で、空気は、側壁116、118から熱を除去することによってエネルギー伝達を受け、したがってポストインピンジメント空気154になる。次いで、ポストインピンジメント空気154の一部は方向を変え、軸方向Aと反対の方向、すなわち、燃焼ガスの方向とは反対の方向に流れる。図6に示すように、次にポストインピンジメント空気154は、方向を反転させ、壁402、403の間に画定された収集通路406を通って移動することができる。収集通路406は、ポストインピンジメント空気154を正圧側燃料噴射器160に向けて導くことができる。このようにして、収集通路406は、好ましくは、ポストインピンジメント空気154がプレインピンジメント空気152から離れるように移動するための経路を提供する。これは、ポストインピンジメント空気154がプレインピンジメント空気152の流れを妨げる、すなわち、横切って流れて妨害するのを防止し、プレインピンジメント空気152がその高速を維持し、壁116、118を効果的に冷却することを可能にするので有利である。ポストインピンジメント空気154が収集通路406内に入ると、正圧側燃料噴射器160の入口162に向かって案内され得る。例えば、ポストインピンジメント空気154は、収集通路406から、リブ128に画定された1つまたは複数の開口部を通って、負圧側燃料噴射器161の周囲を流れ、正圧側燃料噴射器160の入口162に流入することができる。このようにして、冷却インサート400を通って流れるすべての空気は、インピンジメント冷却と燃焼ガス生成の両方に利用され、圧縮機セクション14からの廃棄空気の量を最小限に抑え、したがってガスタービン10の全体的な性能を高める。
【0044】
図7は、一体型燃焼器ノズル100の例示的な実施形態による、外側ライナセグメント108の一部の拡大断面図を示し、図8は、内側ライナセグメント106の一部の拡大断面図を示している。多くの実施形態では、一体型燃焼ノズル100は、インピンジメント冷却を外側ライナセグメント108および内側ライナセグメント106全体に提供するために、燃焼ライナ110の両側に外側インピンジメントパネル130および内側インピンジメントパネル134を含むことができる。
【0045】
図7および図8に示すように、外側インピンジメントパネル130と内側インピンジメントパネル134の両方は、それぞれ外側ライナセグメント108および内側ライナセグメント106の外面131、135に沿って配置されたインピンジメントプレート136を含むことができる。例えば、外側インピンジメントパネル130のインピンジメントプレート136は、外側ライナセグメント108の外面131、すなわち、半径方向外側の表面に沿って配置され得る。同様に、内側インピンジメントパネル134のインピンジメントプレート136は、内側ライナセグメント106の外面135、すなわち、半径方向内側の表面に沿って配置され得る。例示的な実施形態では、示すように、各インピンジメントプレート136は、半径方向Rに沿ってそれぞれの外面131、135から離間して、それらの間に冷却流ギャップ138を形成することができる。例えば、外側インピンジメントパネル130に関して、インピンジメントプレート136は、半径方向Rに沿って外側ライナセグメントの外面131から外側に離間され、それによってそれらの間に冷却流ギャップ138を形成してもよい。同様に、内側インピンジメントパネル134のインピンジメントプレート136は、半径方向Rに沿って内側ライナセグメント106の外面135から内側に離間され、それによってそれらの間に冷却流ギャップ138を形成してもよい。
【0046】
図7および図8に示すように、様々な矢印は、インピンジメントパネル130、134内の空気の流路を表すことができる。例示的な実施形態では、高圧プレナム34は、半径方向Rに沿ってインピンジメントプレート136を通して画定された複数のインピンジメント孔139を介して冷却流ギャップ138と流体連通してもよい。具体的には、インピンジメント孔139は、離散ジェットで高圧プレナム34からのプレインピンジメント空気152を導き、外側ライナセグメント108および内側ライナセグメント106の外面131、135に衝突させるようなサイズおよび向きにすることができる。次いで、プレインピンジメント空気152の離散ジェットは、外面131、135に衝突し(またはぶつかり)、外面131、135の上に空気の薄い境界層を形成することができ、ライナセグメント106、108と空気との間の最適な熱伝達を可能にする。空気が外面131、135に衝突すると、空気はエネルギー伝達を受け、したがって異なる特性を有するため、空気は「ポストインピンジメント空気」および/または「使用済み冷却空気」と呼ばれることがある。例えば、使用済み冷却空気154は、衝突プロセス中に燃焼ライナセグメント106、108から熱を除去しているため、プレインピンジメント空気152よりも高い温度および低い圧力を有することができる。
【0047】
例示的な実施形態では、入口部分140は、インピンジメントプレート136から収集ダクト142に延びる。図7に示すように、収集ダクト142は、入口部分140を介して冷却流ギャップ138からポストインピンジメント空気154を受け取り、ポストインピンジメント空気154を燃料噴射器160、161(図6)内で利用される冷却インサート400の低圧入口408に向けて案内する収集通路144を画定することができる。多くの実施形態では、図7に示すように、入口部分140は、冷却流ギャップ138と収集通路144との間に通路を提供することができる。例えば、入口部分140は、入口部分140が冷却流ギャップ138を収集通路144に直接流体結合するように、インピンジメントプレート136から収集ダクト142に直接延びてもよい。様々な実施形態において、図10に示すように、入口部分140は、互いに離間した側壁150を含み得る。側壁150は、ポストインピンジメント空気154の通過のためにインピンジメントプレート130を通る細長いスロット形状の開口部188(図11)を画定するように、互いに平行にインピンジメントプレート136に沿って軸方向に延びることができる。
【0048】
特定の実施形態では、図10に示すように、各収集ダクト142は、矩形領域を画定する断面形状を有することができる。例えば、各収集ダクト142は、半径方向内側壁146と、半径方向外側壁148と、半径方向内側壁146と半径方向外側壁148との間に延びる側壁141とを含むことができる。特定の実施形態では、収集ダクト142の側壁141は、互いに平行であり、半径方向内側/外側壁146、148よりも長くてもよく、これにより有利には、収集ダクト142は、インピンジメント孔139と重なり合わず、高圧プレナム34と冷却流ギャップ138との間の空気流を妨げることなく、大きな収集領域を有することができる。他の実施形態(図示せず)では、収集ダクトは、円形、楕円形、ダイヤモンド形、正方形、または他の適切な多角形などの任意の適切な断面形状を有することができ、したがって、特許請求の範囲に具体的に記載されない限り、任意の特定の断面形状に限定されるべきではない。
【0049】
図10に示すように、入口部分140は第1の幅176を画定してもよく、収集ダクト142は第2の幅178を画定してもよい。より具体的には、第1の幅176は、入口部分140の側壁150の間に画定されてもよい。同様に、収集ダクト142の第2の幅178は、収集ダクト142の側壁141の間に画定されてもよい。インピンジメントプレート136によってインピンジメント冷却することができる面積の量を最大にするために、収集ダクト142の第2の幅178に対して第1の幅176を可能な限り小さくすることが有利であり得る。例えば、例示的な実施形態では、収集ダクト142の第2の幅178は、入口部分140の第1の幅176よりも大きくてもよい。
【0050】
多くの実施形態では、図9に示すように、収集ダクト142は、第1の収集ダクト142’であってもよく、インピンジメントパネル130は、インピンジメントパネル130から延びる第2の収集ダクト142’’をさらに含んでもよい。示すように、第1の収集ダクト142’および第2の収集ダクト142’’は、互いに離間していてもよく、軸方向Aに互いに概して平行に延びてもよい。そのような実施形態では、各収集ダクト142’、142’’は、冷却流ギャップ138と収集通路144との間に通路を提供するそれぞれの入口部分140を介してインピンジメントプレート136に結合されてもよい。例えば、それぞれの入口部分140は各々、冷却流ギャップ138をそれぞれの収集通路144に直接流体結合するように、インピンジメントプレート136から収集ダクト142に直接延びてもよい。
【0051】
図9は、一体型燃焼器ノズルの他の構成要素から隔離された、2つのインピンジメントパネル131および冷却インサート400の半径方向Rに沿った平面図を示している。図9に示すように、インピンジメントパネル131は、外側インピンジメントパネル130および/または内側インピンジメントパネル134のいずれかまたは両方を表すことができる。多くの実施形態では、インピンジメントパネル130の各々は、冷却インサート400の低圧入口408に結合することができる。特定の実施形態では、収集ダクト142の各々は、接続ダクト180を介して低圧入口408に結合することができる。いくつかの実施形態(図示せず)では、収集ダクト142は、冷却インサート400のそれぞれの低圧入口408に直接結合してもよい。以下で詳細に説明するように、冷却インサート400の低圧入口408は、収集通路406と直接流体連通することができ、したがって負圧側燃料噴射器161と流体連通することができる。このようにして、収集ダクト142は、有利には、ポストインピンジメント空気154が燃料噴射器に移動するための通路を提供し、空気を二次燃焼ゾーン104内で燃焼ガスを発生するために使用することができる。
【0052】
多くの実施形態では、インピンジメントパネル130は、前端から後端まで連続的に延びる単一の本体であってもよい。しかし、例示的な実施形態では、図9に示すように、インピンジメントパネル130は、互いに結合された複数のパネルセグメント182を含むことができる。例えば、多くの実施形態では、インピンジメントパネル130は、互いに結合された前方セグメント184および後方セグメント186などの2つのパネルセグメント182を含み得る。他の実施形態では、インピンジメントパネルは、前方セグメント184、中間セグメント185、および後方セグメント186などの3つ以上のセグメントを含んでもよい。そのような実施形態では、前方セグメント184および後方セグメント186は各々、示すように、中間セグメント185に独立して結合することができる。インピンジメントパネル130をパネルセグメント182に分割することにより、有利には、一度に付加製造などによって製造されるインピンジメントパネル130の数を増やすことができ、製造コストを節約することができる。
【0053】
図11に隠れ線で示されるように、パネルセクション182の各々の入口部分140は、それぞれのインピンジメントプレート136を通る細長いスロット開口部188をさらに画定することができ、ポストインピンジメントの空気154が冷却ギャップから収集ダクト142に流れることを可能にする。いくつかの実施形態(図示せず)では、細長いスロット開口部188は、パネルセグメント182の間で連続していてもよい。
【0054】
様々な実施形態において、図9に示すように、収集ダクト142の各々は、前端190から後端192に、すなわち、軸方向Aに断面で収束することができる。より具体的には、収集ダクト142の側壁141は、インピンジメントパネル130の前端190から後端に互いに向かって収束することができ、それによって、軸方向Aに延びるにつれて収集ダクト142の第2の幅178および断面積を徐々に減少させる。インピンジメントパネル130の前端190から後端192まで収集ダクト142の断面積を徐々に減少させることにより、ポストインピンジメント空気154に有利に影響を与え、冷却インサート400に向かって、すなわち、軸方向とは反対の方向に流すことができる。
【0055】
動作中、収集ダクト142は、冷却流ギャップ138から使用済み冷却空気を受け取ることができる。本明細書で使用する場合、「ポストインピンジメント空気」および/または「使用済み冷却空気」という用語は、表面に既に衝突し、したがってエネルギー伝達を受けた空気を指す。例えば、使用済み冷却空気は、外面131、135に衝突する前よりも高い温度および低い圧力を有することができ、これにより使用済み冷却空気は、一体型燃焼ノズル内でさらに冷却するのに理想的ではなくなる。しかし、収集ダクト142は、有利には、使用済み冷却空気を収集し、一次燃焼ゾーン102または二次燃焼ゾーン104のいずれかで使用するために、使用済み冷却空気を1つまたは複数の燃料噴射器、例えば、燃料噴射モジュール117および/または燃料噴射器160および161の一方または両方に向けて導く。このようにして、インピンジメントパネル130は、最初にライナセグメント106、108を冷却するために空気を利用し、次にタービンセクション18に動力を供給する燃焼ガスを発生するために空気を使用することによって、高圧プレナム34からの空気を効率的に利用する。
【0056】
多くの実施形態では、パネルセグメント182の各々は、単一の構成要素として一体的に形成されてもよい。すなわち、例えば、インピンジメントプレート136、入口部分140、収集ダクト142、およびパネルセグメント182の任意の他のサブ構成要素などのサブ構成要素の各々は、単一の本体として共に製造することができる。例示的な実施形態では、これは、本明細書に記載の付加製造システム1000を利用することによって行うことができる。しかし、他の実施形態では、鋳造または他の適切な技法などの他の製造技法が使用されてもよい。これに関して、付加製造方法を利用して、インピンジメントパネル130の各パネルセグメント182は、連続的な金属の単一片として一体的に形成することができ、したがって、従来の設計と比較してより少ないサブ構成要素および/または接合部を含み得る。付加製造による各パネルセグメント182の一体形成は、有利には、組み立てプロセス全体を改善することができる。例えば、一体形成は、組み立てなければならない別個の部品の数を減らすことにより、関連する時間および全体としての組み立てコストを低減する。加えて、例えば、漏れ、別個の部品間の接合品質、および全体の性能に関する既存の問題を有利に低減することができる。いくつかの実施形態では、インピンジメントパネル130全体は、単一の構成要素として一体的に形成されてもよい。
【0057】
図10は、本開示の実施形態による、軸方向Aに沿ったインピンジメントパネル130のパネルセグメント182の断面図を示し、図11は、半径方向Rに沿ったパネルセグメント182の平面図を示している。図10および図11に示すパネルセグメント182の特徴は、前方セグメント184、中間セグメント185、および/または後方セグメント186など、本明細書に記載のパネルセグメントのいずれかに組み込むことができることが理解されよう。
【0058】
図10および図11に示すように、パネルセグメント182は、入口部分140、収集ダクト142、およびインピンジメントプレート136の間に延び、それらと一体的に形成された、構造的支持を提供するための1つまたは複数の支持体194をさらに含むことができる。様々な実施形態において、各支持体194は、インピンジメントプレート136と収集ダクト142との間に延びる平坦なプレートとして実質的に成形されてもよい。特定の実施形態では、各支持体194は、インピンジメントプレート136と一体的に形成された第1の端部196から、収集ダクト142と一体的に形成された第2の端部198に延びることができる。例示的な実施形態では、支持体194は、パネルセグメント182に固定的に結合されてもよく、例えば、支持体194は、パネルセグメント182に溶接および/またはろう付けされる別個の構成要素であってもよい。このようにして支持体194を利用することにより、収集ダクト142に追加の構造的完全性が提供され、これにより有利には、動作中のガスタービン10の振動力に起因するインピンジメントパネル130の損傷を防止することができる。
【0059】
特定の実施形態では、支持体194の各々は、支持体194の各々の第1の端部196と第2の端部198との間、すなわち、インピンジメントプレート136と収集ダクト142との間に延びる第1の側面197および第2の側面199を含む。図10に示すように、第1の端部196、第2の端部198、第1の側面197、および第2の側面199は、支持体194の周囲を集合的に画定してもよい。多くの実施形態では、支持体194の第1の側面197は、入口部分140の側壁150の一方に沿って延び、これと一体的に形成される。例示的な実施形態では、支持体194の第2の側面199は、角度200でインピンジメントプレート136から延びる概して直線であってもよい。
【0060】
例えば、多くの実施形態では、各支持体194の第2の側面199は、インピンジメントプレート136と約10°~約75°の角度200を形成することができる。他の実施形態では、各支持体194の第2の側面199は、インピンジメントプレート136と約20°~約65°の角度200を形成してもよい。様々な実施形態において、各支持体194の第2の側面199は、インピンジメントプレート136と約30°~約55°の角度200を形成してもよい。特定の実施形態では、各支持体194の第2の側面199は、インピンジメントプレート136と約40°~約50°の角度200を形成してもよい。
【0061】
例示的な実施形態では、第2の側面199の角度200は、有利には、追加の構造的支持をインピンジメントパネル130に提供し、それによってガスタービン10の動作中にインピンジメントパネル130への振動損傷を防止することができる。加えて、第2の側面199の角度200は、追加の構造的支持をインピンジメントパネル130の付加製造プロセス中に収集ダクト142に提供することができ、有利には、インピンジメントパネル130の歪みおよび/または欠陥の可能性を低減する。例えば、本明細書で説明するインピンジメントプレート136に対する第2の側面199の角度200は、付加製造システム1000(図15)を使用して製作されている間に、支持体194がオーバーハングする、すなわち、過度の厚さ対厚さの変化を有することを防止することができる。その結果、その複雑な幾何学的形状のために従来の手段を介して製造することが困難であり得るインピンジメントパネル130は、部品に欠陥または変形を引き起こすことなく、付加製造システム1000を使用して製作することができる。
【0062】
図11に示すように、支持体194の各々は、入口部分140(図11に破線で示す)と角度202を形成することができる。より具体的には、支持体194の各々は、入口部分140の側壁150と角度202を形成することができる。多くの実施形態では、角度202は斜めであってもよく、これにより好ましくは、支持体194がインピンジメントプレート136に沿ってさらに延びることが可能である。しかし、他の実施形態(図示せず)では、支持体194の1つまたは複数は、入口部分140に垂直であってもよい。
【0063】
様々な実施形態において、入口部分140の側壁150と支持体194との間の角度202は、約10°~約90°であり得る。他の実施形態では、入口部分140の側壁150と支持体194との間の角度202は、約20°~約70°であってもよい。特定の実施形態では、入口部分140の側壁150と支持体194との間の角度202は、約30°~約60°であってもよい。多くの実施形態では、入口部分140の側壁150と支持体194との間の角度202は、約40°~約50°であってもよい。
【0064】
図11に示すように、パネルセグメント182は、入口部分140の側壁150に概して平行であり得る中心軸206をさらに含むことができる。多くの実施形態では、パネルセグメント182が一体型燃焼器100に設置されるとき、中心軸206は、ガスタービン10の軸方向Aと同軸に延びることができる。他の実施形態では、中心軸206は、パネルセグメントが一体型燃焼器ノズル100に設置されるとき、軸方向Aに概して平行に延びることができる。
【0065】
図12は、本開示の実施形態による、パネルセグメント182の断面斜視図を示している。パネルセグメント182は、中心軸206(図11)に沿って、第1の端部208から第2の端部210に延びることができる。図13は、中心軸206に沿ったパネルセグメント182の第1の端部208の例示的な実施形態の平面図を示し、図14は、中心軸206に沿ったパネルセグメント182の第2の端部210を示している。
【0066】
図13に示すように、パネルセグメント182の第1の端部208は、インピンジメントパネルから延びるフランジ212を含む。様々な実施形態において、フランジ212は、パネルセグメント182の第1の端部208から延びる概して平坦なプレートであってもよい。より具体的には、フランジ212は、接続面213(図13)を画定するために、パネルセグメント182の第1の端部208におけるインピンジメントプレート136、入口部分140、および収集ダクト142に垂直であり、そこから離れて延びることができる。接続面213は、有利には、複数のパネルセグメント182が、溶接、ろう付け、または他の適切な方法などの手段によって互いに固定的に結合されることを可能にする。多くの実施形態では、フランジ212はまた、パネルセグメント182の全体的な剛性および構造的完全性を高め、それによってガスタービン10の動作中に構成要素に生じ得る振動損傷を防止することができる。
【0067】
多くの実施形態では、フランジ212は、収集プレート136、入口部分140、収集ダクト142、およびフランジ212が連続的な金属の単一片であり得るように、パネルセグメント182と一体的に形成されてもよい。そのような実施形態では、フランジ212はまた、製造上の利点を提供することができる。例えば、フランジ212は、一般に、パネルセグメント182の特徴を囲み、付加製造プロセス中に収集ダクト142に対する追加の構造的支持を提供する。
【0068】
図14に示すように、いくつかの実施形態では、インピンジメントパネル182の第2の端部210は、第1の端部208の場合のように、共に一体的に形成されたフランジ212を含まなくてもよい。図14の破線によって示されるように、エンドプレート211が、第2の端部210に取り付けられ、固定的に結合されてもよい。例えば、エンドプレート211は、インピンジメントパネルセグメント182とは完全に別個の構成要素であってもよい。多くの実施形態では、インピンジメントパネルセグメント182の製造が完了した後に、エンドプレート211を第2の端部210に溶接またはろう付けすることができる。第2の端部210に固定的に結合されるエンドプレート211は、フランジ212と実質的に同様の幾何学的形状を有してもよいが、一体的に形成されるのではなく別個の構成要素である。エンドプレート211は、(図9に示すように)インピンジメントパネルセグメント182の第2の端部210を隣り合うインピンジメントパネルセグメントの第1の端部208に結合するように機能することができる。例示的な実施形態では、インピンジメントパネルセグメント182のエンドプレート211は、隣り合うインピンジメントパネルセグメント182のフランジ212に固定的に結合することができる。インピンジメントパネルセグメント182をこのように結合することは、エンドプレート211およびフランジ212がそれらの間の容易でエラーのない溶接を提供する比較的平坦で滑らかな表面であるため、有利であり得る。他の実施形態では、第1の端部208と第2の端部210の両方がフランジ212を含んでもよく、パネルセグメント182の第1の端部208のフランジ212は、隣り合うパネルセグメント182の第2の端部210のフランジ212に固定的に結合してもよい。
【0069】
付加製造システムおよびプロセスの例を示すために、図15は、本明細書に記載のパネルセグメント182、冷却インサート400、および/またはインピンジメント冷却装置300などの物体1220を生成するための付加製造システム1000の概略/ブロック図を示す。図15は、直接金属レーザ焼結(DMLS)または直接金属レーザ溶融(DMLM)用に構成された付加製造システムを表すことができる。付加製造システム1000は、物体1220(これは、本明細書に記載のパネルセグメント182、冷却インサート400、および/またはインピンジメント冷却装置300を表すことができる)などの物体を製作する。例えば、物体1220は、レーザ1200などの光源によって生成されたエネルギービーム1360を使用して粉末材料(図示せず)を焼結または溶融することによって、層ごとに製作することができる。エネルギービームによって溶融される粉末は、リザーバ1260によって供給され、リコータアーム1160を使用してビルドプレート1002上に均一に分散し、レベル1180に粉末を維持し、粉末レベル1180の上方に延びる余分な粉末材料を廃棄物容器1280に除去する。エネルギービーム1360は、ガルボスキャナ1320の制御の下で構築中の物体の断面層を焼結または溶融する。ビルドプレート1002は下げられ、別の粉末層がビルドプレートおよび構築中の物体上に分散され、次いでレーザ1200によって引き続き粉末の溶融/焼結が行われる。プロセスは、物体1220が溶融/焼結した粉末材料から完全に構築されるまで繰り返される。レーザ1200は、プロセッサおよびメモリを含むコンピュータシステムによって制御することができる。コンピュータシステムは、層ごとに走査パターンを決定し、走査パターンに従って粉末材料を照射するようにレーザ1200を制御することができる。物体1220の製作が完了した後、様々な後処理手順を物体1220に適用することができる。後処理手順は、例えば、吹き飛ばしまたは吸引による余分な粉末の除去を含む。他の後処理手順には、応力緩和プロセスが挙げられる。加えて、熱的および化学的後処理手順を使用して、物体1220を仕上げることができる。
【0070】
図16は、本開示の実施形態による、インピンジメントパネル(例えば、本明細書に記載のインピンジメントパネル130、131、134の1つ)を製作する方法1600を定義する一連のステップ1602~1606のフローチャートである。方法1600は、本明細書に記載の付加製造システム1000または別の適切なシステムなどの付加製造システムを使用して実行することができる。図16に示すように、方法1600は、粉末床1120内の粉末層を照射して融着領域を形成するステップ1602を含む。多くの実施形態では、図15に示すように、粉末床1120は、融着領域がビルドプレート1002に固定的に取り付けられるように、ビルドプレート1002上に配置されてもよい。方法1600は、粉末床1120の第1の側面から粉末床1120の上に後続の粉末層を提供するステップ1604を含むことができる。方法1600は、インピンジメントパネルが粉末床1120に形成されるまで、ステップ1602および1604を繰り返すステップ1606をさらに含む。
【0071】
図17は、一体型燃焼器ノズルから隔離され、ビルドプレート1002上に位置決めされ、一列のインピンジメント部材のうちの1つが切り取られているインピンジメント冷却装置300の斜視図を示している。後述するように、インピンジメント冷却装置300は、例えば、付加製造システム1000によって、ビルドプレート1002上に付加製造することができる。図17は、本開示の実施形態による、ビルドプレート1002から取り外して一体型燃焼器ノズル100に設置する前のインピンジメント冷却装置300を図示する。
【0072】
図17に示すように、インピンジメント冷却装置300は、第1の端部306から第2の端部308まで、構築方向と一致し得る半径方向Rに延びてもよい。多くの実施形態では、インピンジメント冷却装置300は、インピンジメント部材302の第1の列320およびインピンジメント部材302の第2の列322に配置された、複数のインピンジメント部材302を含む。インピンジメント部材302の第1の列320の各インピンジメント部材302は、インピンジメント冷却装置300の第1の端部306の第1のフランジ310から第2の端部308のそれぞれの閉鎖端312に延びてもよい。同様に、インピンジメント部材302の第2の列322の各インピンジメント部材302は、インピンジメント冷却装置300の第1の端部306の第2のフランジ311から第2の端部308のそれぞれの閉鎖端312に延びてもよい。このようにして、インピンジメント部材302の第1の列320および第2の列322は各々、キャビティ126への設置中に互いに対して移動することが可能な単一の構成要素であってもよく、これにより有利には、インピンジメント部材302の列320、322と壁116、118との間の距離を互いに独立して設定することが可能になる。
【0073】
他の実施形態では、各インピンジメント部材302は、インピンジメント冷却装置300内の他のインピンジメント部材302に対して移動することが可能な、それ自体の完全に別個の構成要素であってもよい。そのような実施形態では、各インピンジメント部材302は、それぞれのフランジから延びることができる。各インピンジメント部材302が別個の構成要素である実施形態では、インピンジメント部材は、一体型燃焼器ノズル内に個々に設置することができ(すなわち、一度に1つ)、各スタンドオフ356、358は、インピンジメント部材302の設置とその動作の両方の間に、各インピンジメント部材302の間に適切なサイズのギャップが配置されることを確実にするように機能することができる。
【0074】
例示的な実施形態では、インピンジメント部材302の各々は、フランジ310、311に画定されたそれぞれの開口部313からそれぞれの閉鎖端312(図19)に延びる実質的に中空体であってもよい。図17の実施形態は、11個のインピンジメント冷却部材302を有するインピンジメント冷却装置300を示しているが、インピンジメント冷却装置300は、任意の数、例えば、4つ、6つ、8つ、12個、14個、またはそれ以上の数のインピンジメント部材302を有することができる。様々な実施形態において、図17に示すように、複数のインピンジメント部材302の各インピンジメント部材302は、インピンジメント部材302の間および収集通路174(図6)に流れるポストインピンジメント空気154のためのギャップ172を画定するために、直接隣り合うインピンジメント部材302から離間してもよい。多くの実施形態では、複数のインピンジメント開口304は、複数のインピンジメント部材302の各インピンジメント部材302に画定されてもよい。
【0075】
図18は、インピンジメント冷却装置300がキャビティ126内に位置決めされた、半径方向Rに沿った一体型燃焼器ノズル100の拡大断面図を図示する。図18に示すように、一体型燃焼器ノズル100は、正圧側壁116と負圧側壁118との間の中間に画定され得るキャンバ軸318をさらに含むことができる。例えば、キャンバ軸318は、正圧側壁116および負圧側壁118の湾曲に対応するように湾曲されてもよく、かつ/または輪郭付けられてもよい。横方向Tは、キャンバ軸318に対して直交して画定され得る。より具体的には、横方向Tは、キャンバ軸318に沿った各位置でキャンバ軸318に接する線から外側に、かつこれに垂直に延びることができる。
【0076】
特定の実施形態では、複数のインピンジメント部材302の各インピンジメント部材302は、中実壁316から離間したインピンジメント壁314を含む。例示的な実施形態では、複数のインピンジメント開口は、プレインピンジメント空気152を壁116、118(図6)の内面156、158に向けて導くために、インピンジメント壁314に画定されてもよい。中実壁316は、インピンジメント壁314と対向して配置されてもよい。多くの実施形態では、各それぞれのインピンジメント部材302の中実壁316は、横方向Tに沿ってキャンバ軸318の直接外側にあってもよく、それによりインピンジメント部材302の中実壁316は、収集通路174の境界を集合的に画定する。本明細書で使用する場合、「中実」という用語は、空気または他の流体が通過することができないように、不透過性の1つまたは複数の壁を指すことができる。例えば、中実壁316の各々は、すべての空気が冷却のために壁116、118の内面156、158に向けて確実に導かれるように、プレインピンジメント空気152が逃げることを可能にするインピンジメント開口、孔、または空隙を有さなくてもよい。
【0077】
特定の実施形態では、図18に示すように、複数のインピンジメント部材302は、正圧側壁116に近接して配置されたインピンジメント部材302の第1の列320と、負圧側壁118に近接して配置されたインピンジメント部材302の第2の列322とを含むことができる。例えば、インピンジメント部材の第1の列320および第2の列322は、横方向Tに離間するように、キャンバ軸318の両側に配置されてもよい。図18に示すように、収集通路174は、インピンジメント部材302の第1の列320と第2の列322との間に画定されてもよい。より具体的には、収集通路174は、インピンジメント部材302の第1の列320の中実壁316とインピンジメント部材302の第2の列322の中実壁316との間に集合的に画定されてもよい。図6に示し、上述したように、収集通路174は、ポストインピンジメント空気154を受け取り、負圧側燃料噴射器161(図6)などの燃料噴射器に向けて導くように機能することができる。
【0078】
特定の実施形態では、インピンジメント部材302の第1の列320およびインピンジメント部材の第2の列322は、インピンジメント冷却装置300の後端324から前端326まで、すなわち、燃焼ゾーン102、104内の燃焼ガスの方向とは反対に、互いに離れて分岐する。例えば、インピンジメント部材302の第1の列320およびインピンジメント部材の第2の列322は、インピンジメント冷却装置300の後端324から前端326まで横方向に互いに離れて分岐する。このようにして、第1の列320のインピンジメント部材302と第2の列322のインピンジメント部材302との間の横方向距離は、後端324から前端326まで徐々に増加することができ、それによってポストインピンジメント空気154が負圧側燃料噴射器161に向かって移動するように影響を及ぼす。
【0079】
図18に示すように、第1の列320の各それぞれのインピンジメント部材302のインピンジメント壁314は、第1の列320のインピンジメント壁314が正圧側壁116の輪郭に集合的に対応するように、正圧側壁116の一部に対応するように輪郭付けられてもよい。同様に、第2の列322の各それぞれのインピンジメント部材302のインピンジメント壁314は、第2の列322のインピンジメント壁314が負圧側壁118の輪郭に集合的に対応するように、負圧側壁118の一部に対応するように輪郭付けられてもよい。壁116、118の輪郭を一致させることは、有利には、それぞれの壁116、118からの所望の横方向距離を維持する。多くの実施形態では、インピンジメント壁314とそれぞれの壁116、118との間の横方向距離は、ほぼ一定であってもよい。
【0080】
特定の実施形態では、複数のインピンジメント部材302の各インピンジメント部材302は、インピンジメント壁314と中実壁316との間に各々延びる第1の中実側壁328および第2の中実側壁330を含むことができる。図18に示すように、各インピンジメント部材302の第1の中実側壁328および第2の中実側壁330は、互いに離間して対向して配置されてもよい。様々な実施形態において、各インピンジメント部材302の第1の中実壁328および第2の側壁330は、横方向Tに互いに概して平行であってもよい。図18に示すように、複数のインピンジメント部材の各インピンジメント部材の第1の中実側壁328、第2の中実壁330、インピンジメント壁314、および中実壁316は、高圧プレナム34と流体連通する内部容積332を集合的に画定する。例示的な実施形態では、インピンジメント部材302の各々は、概して矩形の断面積を画定することができる。しかし、他の実施形態(図示せず)では、インピンジメント部材302の各々は、円形、ダイヤモンド形、三角形、または他の適切な断面形状を有する断面積を画定することができる。
【0081】
特定の実施形態では、図6図18、および図20に示すように、ギャップ172を直接隣り合うインピンジメント部材302の間に画定することができ、これは有利には、ポストインピンジメント空気154が収集通路174に移動するための経路を提供する。様々な実施形態において、ギャップ172の各々は、インピンジメント部材の第1の側壁328と直接隣り合うインピンジメント部材302の第2の側壁330との間に直接画定されてもよい。このようにして、複数のインピンジメント部材302の各インピンジメント部材302は、少なくとも1つのギャップ172を部分的に画定する。図18に示すように、ギャップ172の各々は、それぞれの位置でキャンバ軸318に概して平行な方向に、インピンジメント部材302の第1の側壁328と隣り合うインピンジメント部材302の第2の側壁330との間に画定されてもよい。他の実施形態(図示せず)では、各インピンジメント部材302は、ダイヤモンド形の断面積を画定し得る。そのような実施形態では、第1の側壁328および第2の側壁330は、キャンバ軸に対して傾斜していてもよく、これにより有利には、インピンジメント空気の圧力降下を低減することができる。
【0082】
図19は、キャンバ軸318に沿った単一のインピンジメント部材302の断面図を図示する。図20は、本開示の実施形態による、半径方向Rに沿ったインピンジメント部材302および2つの隣り合うインピンジメント部材302の一部の拡大断面図を示している。図19および図20に示すインピンジメント部材302の特徴は、本明細書に記載の複数のインピンジメント部材302のインピンジメント部材302のいずれかに組み込むことができることを理解されたい。例示的な実施形態では、図19および図20に示すように、インピンジメント部材302は、第1の突出部334と、第2の突出部335と、それらの間に延びる複数の交差支持体346とをさらに含んでもよい。多くの実施形態では、第1の突出部334はインピンジメント壁314上に配置されてもよく、第2の突出部335は中実壁316上に配置されてもよく、複数の交差支持体346は各々、第1の突出部334から内部容積332を通って第2の突出部335に延びてもよい。突出部334、335の各々は、それぞれの壁314、316からインピンジメント部材302の軸方向中心線336(図19)に向かって延びることができる。より具体的には、第1の突出部334は、インピンジメント壁314の内面338から軸方向中心線336に向かって直接延びてもよい。同様に、第2の突出部335は、中実壁316の内面340から軸方向中心線336に向かって直接延びてもよい。様々な実施形態において、第1の突出部334は、例えば、インピンジメント部材302の開放端313と閉鎖端312との間で、インピンジメント壁314の全長に沿って半径方向に延びてもよい。
【0083】
特定の実施形態では、図20に示すように、各突出部334、335は、それぞれの壁314、316と第2の部分344との間に概して垂直に延びる第1の部分342を含んでもよい。各突出部334、335の第2の部分344は、突出部334、335が各々T字形断面を画定するように、それぞれの第1の部分342に概して垂直に延びてもよい。突出部334、335は、有利には、インピンジメント部材302の各々の剛性を改善し、したがって、インピンジメント冷却装置300全体の剛性を改善する。インピンジメント冷却装置300の剛性を高めることにより、動作中にガスタービン10の振動力によって引き起こされる損傷を防止することができる。例えば、突出部334、335は、一体型燃焼ノズル100の微小振動によって引き起こされるインピンジメント冷却装置300の故障を防止するために、インピンジメント冷却装置300により望ましい固有振動数を与えることができる。
【0084】
図19および図20に示すように、交差支持体346の各々は、第1の支持バー348および第2の支持バー350を含むことができ、これらはインピンジメント部材302の内部容積332内に配置された交点352(図19)で互いに交差する。特定の実施形態では、交差支持体346の各々の第1の支持バー348および第2の支持バー350は、第1の突出部334と第2の突出部335との間に延び得る。より具体的には、交差支持体346の各々の第1の支持バー348および第2の支持バー350は、第1の突出部334の第2の部分344と第2の突出部335の第2の部分344との間に直接延びてもよい。他の実施形態(図示せず)では、交差支持体の各々の第1の支持バー348および第2の支持バー350は、突出部が存在しないように、インピンジメント壁の内部と中実壁の内部との間に直接延びてもよい。
【0085】
多くの実施形態では、図19に示すように、第1の支持バー348および第2の支持バーは各々、フランジ310に対して斜め、すなわち、平行でも垂直でもない角度354を形成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の支持バー348および第2の支持バー350は各々、フランジ310と約15°~約75°の角度354を形成し得る。他の実施形態では、第1の支持バー348および第2の支持バー350は各々、フランジ310と約25°~約65°の角度354を形成してもよい。様々な実施形態において、第1の支持バー348および第2の支持バー350は各々、フランジ310と約35°~約55°の角度354を形成してもよい。特定の実施形態では、第1の支持バー348および第2の支持バー350は各々、フランジ310と約40°~約50°の角度354を形成してもよい。角度354は、有利には、追加の構造的完全性および内部ブレースをインピンジメント部材302の各々に提供し、ガスタービン10の振動力による損傷を防止する。加えて、後述するように、支持バー348、350の角度354は、欠陥または変形なしにインピンジメント部材302を付加製造することを可能にする。例えば、本明細書に記載の付加製造システム1000などを用いて層ごとに付加製造されるとき、支持バー348、350の角度は、有利には、構成要素の変形および/または全体的な崩壊を引き起こす可能性がある、交差支持体346の有害となり得るオーバーハングを防止する。例えば、インピンジメント部材302を横切って垂直に延びる支持バーは、付加製造システムを使用して製造することが困難および/または不可能であり得る。したがって、支持バー348、350とフランジ310との間の角度354は、良好である。
【0086】
多くの実施形態では、図17図20にまとめて示すように、インピンジメント冷却装置300は、インピンジメント部材302の各々から延びるスタンドオフ356、358をさらに含むことができる。スタンドオフ356、358は、インピンジメント部材302から外側に延びる実質的に平坦なプレートとして成形することができる。多くの実施形態では、スタンドオフは、隣り合うインピンジメント部材302および/または燃焼ライナ110の壁116、118などの周囲の表面から各インピンジメント部材302を離間させることができる。スタンドオフ356、358は、燃焼ライナ310のインピンジメント冷却およびポストインピンジメント空気154の収集通路174への再循環を最適化するために、インピンジメント部材302を周囲の表面から所望の距離に保つように構成することができる。
【0087】
特定の実施形態では、スタンドオフは、側壁スタンドオフ356と、インピンジメント壁スタンドオフ358とを含むことができる。図17に示すように、多くの実施形態では、少なくとも1つの側壁スタンドオフ356および少なくとも1つのインピンジメント壁スタンドオフ358は、各インピンジメント部材302上のフランジ310、311に近接して配置され得る。様々な実施形態において、少なくとも1つの側壁スタンドオフ356および少なくとも1つのインピンジメント壁スタンドオフ358は、複数のインピンジメント部材302の各インピンジメント部材302の閉鎖端312に近接して配置されてもよい。インピンジメント冷却装置300の第1の端部306および第2の端部308に近接してスタンドオフ356、358を配置することにより、有利には、隣り合うインピンジメント部材302の間およびインピンジメント部材302と燃焼ライナ110の壁116、118との間のより均一な支持および間隔を提供することができる。
【0088】
特定の実施形態では、図20に示すように、側壁スタンドオフ356は各々、インピンジメント部材302の第1の中実側壁328から隣り合うインピンジメント部材302の第2の中実側壁330に延び、それらを結合することができる。例示的な実施形態では、側壁スタンドオフ356の長さは、ギャップ172の距離を設定することができ、隣接するインピンジメント部材302を互いに結合することができる。例えば、一列のインピンジメント部材302、例えば第1の列320および/または第2の列322は、側壁スタンドオフ356の1つまたは複数を介してその列内の隣り合うインピンジメント部材302に連結されてもよい。このようにして、側壁スタンドオフ356は、インピンジメント部材302の間に適切な空間を維持するように機能する。加えて、側壁スタンドオフ356は、有利には、追加の構造的支持をインピンジメント冷却装置300に提供することによって、付加製造プロセス中に比較的細いインピンジメント部材302の変形を防止する。
【0089】
様々な実施形態において、図18に示すように、インピンジメント壁スタンドオフ358は、インピンジメント部材302と燃焼ライナ110の壁116、118の一方との間に適切な空間を維持するように機能することができる。例えば、例示的な実施形態では、インピンジメント壁スタンドオフ358は、インピンジメント壁314から延び、燃焼ライナ310の壁116、118の一方に接触することができ、これらは燃焼ライナ310の第1の側壁116または第2の側壁118の一方であり得る。例えば、側壁スタンドオフ356とは異なり、インピンジメント壁スタンドオフ358は両端で結合されておらず、インピンジメント冷却装置300が燃焼ライナ110に設置されると、一端でインピンジメント壁314と一体的に形成され、正圧側壁116または負圧側壁118のいずれかの内面と接触する。このようにして、インピンジメント壁スタンドオフ358は、燃焼ライナ110に取り外し可能に結合することができる。例示的な実施形態では、側壁スタンドオフ358の長さは、インピンジメント壁314と燃焼ライナ310の壁116または118との間に配置されたギャップの距離を設定することができる。
【0090】
図21および図22は、本開示の実施形態による、インピンジメント部材302のインピンジメント壁314から燃焼ライナ310の壁116、118のうちの1つ(破線で示す)に延びるインピンジメント壁スタンドオフ358の拡大図を示している。より具体的には、図20は、例えば、付加製造システム1000によって製造された直後であるが後加工の前のインピンジメント壁スタンドオフ358を示している。多くの実施形態では、インピンジメント壁スタンドオフの各々は、壁116または118を越えて延びるスタンドオフ358の長さ360によって示されるように、余分な材料または長さ360を有するように製造することができる。図21に示すように、最適な冷却性能のためにインピンジメント壁314と壁116、118との間の所望の公差を維持するために、スタンドオフ358の余分な材料または長さ360を除去することができる。
【0091】
図22は、インピンジメント冷却装置300のインピンジメント壁スタンドオフ358の例示的な実施形態を示しているが、図21は、本明細書に開示された様々な他のスタンドオフ(インピンジメントパネル130上に配置されたスタンドオフおよび/または冷却インサート400上に配置されたスタンドオフなど)を表すことができる。
【0092】
特定の実施形態では、インピンジメント冷却装置300内のインピンジメント部材の各列320、322は、単一の構成要素として一体的に形成されてもよい。すなわち、サブ構成要素の各々、例えば、フランジ310、311、インピンジメント部材302、第1の突出部334、第2の突出部335、複数の交差支持体346、スタンドオフ356、358、およびインピンジメント部材302の各列320、322の任意の他のサブ構成要素の1つは、単一の本体として共に製造されてもよい。例示的な実施形態では、これは、本明細書に記載の付加製造システム1000を利用することによって行うことができる。しかし、他の実施形態では、鋳造または他の適切な技法などの他の製造技法が使用されてもよい。これに関して、付加製造方法を利用して、インピンジメント部材302の各列320、322は、連続的な金属の単一片として一体的に形成することができ、したがって、従来の設計と比較してより少ないサブ構成要素および/または接合部を含み得る。付加製造によるインピンジメント部材302の各列320、322の一体形成は、有利には、組み立てプロセス全体を改善することができる。例えば、一体形成は、組み立てなければならない別個の部品の数を減らすことにより、関連する時間および全体としての組み立てコストを低減する。加えて、例えば、漏れ、別個の部品間の接合品質、および全体の性能に関する既存の問題を有利に低減することができる。いくつかの実施形態(図示せず)では、インピンジメント冷却装置300全体は、単一の構成要素として一体的に形成されてもよい。そのような実施形態では、インピンジメント冷却装置は、インピンジメント部材302のすべてがそこから延びる第1のフランジ310および第2のフランジ311ではなく、単一のフランジを有してもよい。
【0093】
図23は、本開示の実施形態による、インピンジメント冷却装置300を製作する方法2300を定義する一連のステップ2302~2306のフローチャートである。方法2300は、本明細書に記載の付加製造システム1000または別の適切なシステムなどの付加製造システムを使用して実行することができる。図23に示すように、方法2300は、粉末床1120内の粉末層を照射して融着領域を形成するステップ2302を含む。多くの実施形態では、図15に示すように、粉末床は、融着領域がビルドプレート1002に固定的に取り付けられるように、ビルドプレート1002上に配置されてもよい。方法2300は、粉末床1120の第1の側面から粉末床1120の上に後続の粉末層を提供するステップ2304を含むことができる。方法2300は、インピンジメント冷却装置300が粉末床1120に形成されるまで、ステップ2302および2304を繰り返すステップ2306をさらに含む。
【0094】
図24は、本開示の実施形態による、一体型燃焼器ノズル100の他の構成要素から隔離された、冷却インサート400の斜視図を示している。図24に示すように、冷却インサート400は、第1の端部410と第2の端部412との間に延びてもよい。多くの実施形態では、冷却インサート400は、冷却インサート400の第1の端部410において壁402、403の間に延び、それらを概して囲むフランジ414を含む。多くの実施形態では、フランジ414は、冷却インサート400、高圧プレナム34、および/または本明細書に記載のインピンジメントパネル130の1つまたは複数の間の流体連通を提供する1つまたは複数の開口部を画定することができる。様々な実施形態において、フランジ414は、冷却インサート400を内側ライナセグメント106または外側ライナセグメント108の一方に結合することができる。以下でより詳細に説明するように、フランジ414は、高圧プレナム34と冷却インサート400の第1の壁および第2の壁との間の流体連通を提供するために、第1の開放端418と第2の開放端428の両方を画定することができる。このようにして、フランジ414内に画定された第1の開放端418および第2の開放端428は、高圧空気入口として機能することができる。多くの実施形態では、冷却インサート400は、フランジ414内に画定された低圧入口408をさらに含むことができる。図6および図9に最もよく示すように、低圧入口408は、インピンジメントパネル130の収集ダクト142と冷却インサート400(図9)の収集通路406との間の流体連通を提供し得る。
【0095】
図25は、本開示の実施形態による、軸方向Aに沿った冷却インサート400の断面図を示し、図26は、半径方向Rに沿った断面図を示し、図27は、円周方向Cに沿った冷却インサート400の断面図を示している。図25に示すように、冷却インサート400は、冷却インサートの壁402、403の間に延びる軸方向中心線401を含むことができる。例示的な実施形態では、冷却インサート400が一体型燃焼器ノズル100に設置されるとき、軸方向中心線401は、ガスタービン10の半径方向Rと一致し得る。
【0096】
図25に示すように、冷却インサート400は、内部に第1の通路416を画定する第1の壁402を含んでもよい。示すように、第1の壁402は、フランジ414内に画定された第1の開放端418から第1の閉鎖端420に概して半径方向に延びてもよい。このようにして、第1の壁402は、フランジ414に画定された第1の開放端418を介して高圧プレナム34から空気を受け取る実質的に中空の本体であってもよい。特定の実施形態では、第1の壁402は、第1の中実側面424から離間した第1のインピンジメント側面422を含む。示すように、第1の通路416は、第1のインピンジメント側面422と第1の中実側面424との間に直接画定されてもよい。様々な実施形態において、第1のインピンジメント側面422は、第1の通路416から燃焼ライナ110(図5)の第1の側壁(例えば、正圧側壁116)に向かって空気を導くように構成され得る、第1の複数のインピンジメント開口404を画定することができる。多くの実施形態では、第1の複数のインピンジメント開口404は、離散ジェットでプレインピンジメント空気152を導き、正圧側壁116の内面156に衝突させるようなサイズおよび向きにすることができる。空気の離散ジェットは、内面156に衝突し(またはぶつかり)、内面156の上に空気の薄い境界層を形成し、正圧側壁116と空気との間の最適な熱伝達を可能にする。
【0097】
同様に、冷却インサート400は、第1の壁402から離間した第2の壁403をさらに含んでもよい。多くの実施形態では、第2の壁403は、内部に第2の通路426を画定してもよい。示すように、第1の壁402は、フランジ414内に画定された第2の開放端428から第2の閉鎖端430に概して半径方向に延びてもよい。このようにして、第2の壁403は、フランジ414に画定された第2の開放端428を介して高圧プレナム34から空気を受け取る実質的に中空の本体であってもよい。特定の実施形態では、第2の壁403は、第2の中実側面434から離間した第2のインピンジメント側面432を含む。示すように、第2の通路426は、第2のインピンジメント側面432と第2の中実側面434との間に直接画定されてもよい。様々な実施形態において、第2のインピンジメント側面432は、第2の通路426から燃焼ライナ110(図5)の第2の側壁(例えば、負圧側壁118)に向かって空気を導くように構成され得る、第2の複数のインピンジメント開口405を画定することができる。多くの実施形態では、第2の複数のインピンジメント開口405は、離散ジェットでプレインピンジメント空気152を導き、負圧側壁118の内面158に衝突させるようなサイズおよび向きにすることができる。空気の離散ジェットは、内面158(図6)に衝突し(またはぶつかり)、内面158の上に空気の薄い境界層を形成し、負圧側壁118と空気との間の最適な熱伝達を可能にする。
【0098】
本明細書で使用する場合、「中実」という用語は、空気または他の流体が通過することができないように、不透過性の1つまたは複数の壁を指すことができる。例えば、第1の中実側面424および第2の中実側面434は、すべての空気が冷却のために壁116、118の内面156、158に向けて確実に導かれるように、プレインピンジメント空気152が逃げることを可能にするインピンジメント開口、孔、または空隙を有さなくてもよい。
【0099】
図25に示すように、第1の壁402は、第1のインピンジメント側面422と第1の中実側面424との間に延びる支持体438の第1の列436を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、各支持体438は、第1のインピンジメント側面422と第1の中実側面424との間に直接延びてもよく、その結果、有利には、追加の構造的完全性を第1の壁402に提供する。図25に示すように、支持体438の第1の列436の各支持体438は、第1の中実側面424と斜角440を形成してもよく、これにより支持体438は、付加製造システム(本明細書に記載の付加製造システム1000など)を介して第1の壁402により製造されることが可能になる。例えば、多くの実施形態では、支持体438の第1の列436の各支持体438は、第1の中実側壁424と約10°~約80°の斜角440を形成し得る。他の実施形態では、支持体438の第1の列436の各支持体438は、第1の中実側壁424と約20°~約70°の斜角440を形成してもよい。特定の実施形態では、支持体438の第1の列436の各支持体438は、第1の中実側壁424と約30°~約60°の斜角440を形成してもよい。多くの実施形態では、支持体438の第1の列436の各支持体438は、第1の中実側壁424と約40°~約50°の斜角440を形成してもよい。
【0100】
同様に、第2の壁403は、第2のインピンジメント側面432と第2の中実側面434との間に延びる支持体444の第2の列442を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持体444の第2の列442の各支持体444は、第2のインピンジメント側面432と第2の中実側面434との間に直接延びてもよく、その結果、有利には、追加の構造的完全性を第2の壁403に提供する。図25に示すように、支持体444の第2の列442の各支持体444は、第2の中実側面434と斜角446を形成してもよく、これにより支持体444は、付加製造システム(本明細書に記載の付加製造システム1000など)を介して第2の壁403により製造されることが可能になる。例えば、多くの実施形態では、支持体444の第2の列442の各支持体444は、第2の中実側壁434と約10°~約80°の斜角446を形成し得る。他の実施形態では、支持体444の第2の列442の各支持体444は、第2の中実側壁434と約20°~約70°の斜角446を形成してもよい。特定の実施形態では、支持体444の第2の列442の各支持体444は、第2の中実側壁434と約30°~約60°の斜角446を形成してもよい。多くの実施形態では、支持体444の第2の列442の各支持体444は、第2の中実側壁434と約40°~約50°の斜角446を形成してもよい。
【0101】
支持体438、444の斜角440、446は、壁402、403が欠陥または変形を最小限に抑えて、または全く伴わずに付加製造されることを可能にする。例えば、本明細書に記載の付加製造システム1000などを用いて層ごとに付加製造されるとき、支持体438、444の斜角440、446は、有利には、構成要素の変形および/または全体的な崩壊を引き起こす可能性がある、支持体438、444の有害となり得るオーバーハングを防止する。例えば、インピンジメント部材を横切って垂直に延びる支持体は、付加製造システムを使用して製造することが困難および/または不可能であり得る。したがって、支持体438、444と中実壁424、434との間の斜角440、446は、良好である。
【0102】
図26に示すように、第1のインピンジメント側面422は、第1の壁、例えば、正圧側壁116に対応する第1の輪郭を含み得る。同様に、多くの実施形態では、第2のインピンジメント側面は、第2の壁、例えば、負圧側壁116に対応する第2の輪郭を含むことができる。このようにして、インピンジメント側面422、432は各々、軸方向Aにおいてそれぞれの側壁116、118から一定の間隔を維持することができ、それによってインピンジメント冷却を最適化する。本明細書で使用する場合、互いに「対応する」輪郭は、各々が1つまたは複数の方向に一致するまたはほぼ同一の曲率を有する2つ以上の壁または表面を意味することができる。
【0103】
多くの実施形態では、図26に示すように、第1のインピンジメント側面422は、軸方向Aに延びるにつれて第1の中実壁424から離れるように分岐し得る。同様に、第2のインピンジメント側面432は、軸方向Aに延びるにつれて第2の中実壁434から離れるように分岐し得る。より具体的には、第1の壁402は、第1の平行部分448と、第1の分岐部分450とを含むことができる。第1の壁402の第1の平行部分448は、冷却インサート400の前端に近接して配置され得る。図26に示すように、第1の平行部分448において、第1のインピンジメント側面422は、第1の中実側面424に概して平行であってもよい。第1の壁402の第1の分岐部分450は、第1の平行部分448から連続的に延びてもよい。第1の分岐部分450において、第1のインピンジメント側面422は、軸方向Aに延びるにつれて第1の中実壁424から離れるように徐々に分岐することができ、それにより壁の間のギャップが軸方向Aに徐々に増加する。同様に、第2の壁403は、第2の平行部分452と、第2の分岐部分454とを含むことができる。第2の壁403の第2の平行部分452は、冷却インサート400の前端に近接して配置され得る。図26に示すように、第2の平行部分452において、第2のインピンジメント側面432は、第2の中実側面434に概して平行であってもよい。第2の壁403の第2の分岐部分454は、第2の平行部分452から連続的に延びてもよい。多くの実施形態では、第2の分岐部分452において、第2のインピンジメント側面432は、軸方向Aに延びるにつれて第2の中実壁434から離れるように徐々に分岐することができ、それにより壁の間のギャップが軸方向Aに徐々に増加する。
【0104】
特定の実施形態では、収集通路406が、第1の中実側面424と第2の中実側面434との間に画定されてもよい。例えば、多くの実施形態では、第1の中実側面424および第2の中実側面434は、収集通路406がそれらの間に画定されるように、互いに離間していてもよい。多くの実施形態では、第1の中実側面424および第2の中実側面434は各々、軸方向Aと半径方向Rの両方に互いに平行に延びる実質的に平坦なプレートであってもよい。収集通路406は、1つまたは複数の供給源から(高圧プレインピンジメント空気と比較して)低圧空気を受け取り、二次燃焼ゾーン104で使用するために前記低圧空気を燃料噴射器160、161に案内することができる。例えば、収集通路406は、フランジ414内に画定された低圧入口408を介して冷却インサート400に結合されたインピンジメントパネル130の収集ダクト142の1つまたは複数から低圧空気の第1の供給源を受け取ることができる。収集通路406用の低圧空気の別の供給源は、図6に示すように、インピンジメント側面から出て壁116、118に衝突したポストインピンジメント空気154であってもよい。
【0105】
図24図27にまとめて示すように、低圧空気を燃料噴射器160、161に向けて案内するために、1つまたは複数のガイドベーン456が、第1の中実側面424と第2の中実側面434との間に延び得る。様々な実施形態において、各ガイドベーン456は、第1の中実側面424と第2の中実側面434との間に直接延び、それによって冷却インサート400の第1の壁402を冷却インサート400の第2の壁403に結合することができる。特定の実施形態では、ガイドベーン456は、低圧空気がガイドベーン456に沿って燃料噴射器160、161に向かって移動することができるように、収集通路406内に配置することができる。多くの実施形態では、ガイドベーン456の各々は、互いに連続的に延びる弓形部分458および直線部分460を含むことができる。弓形部分458は、冷却インサート400の前端に近接して配置され得る。ガイドベーン456の直線部分460は、弓形部分458から冷却インサート400の後端に向かって延びてもよい。多くの実施形態では、ガイドベーンの直線部分460は、冷却インサートが一体型燃焼器ノズル100に設置されるとき、軸方向Aに概して平行であってもよい。
【0106】
図24図26にまとめて示すように、第1のインピンジメント側面は、冷却インサート400が一体型燃焼器ノズル100内に設置されるとき、第1のインピンジメント側面422から第1の側壁(例えば、正圧側壁116)に延びる第1のスタンドオフ462のセットを含むことができる。同様に、多くの実施形態では、第2のインピンジメント側面は、第2のインピンジメント側面432から第2の側壁(例えば、負圧側壁118)に延びる第2のスタンドオフ464のセットを含む。スタンドオフ462、464の各セットは、インピンジメント側面422、432と燃焼ライナ110の壁116、118の一方との間に適切な空間を維持するように機能することができる。例えば、例示的な実施形態では、スタンドオフは、各それぞれのインピンジメント側面から延び、燃焼ライナ110の壁116、118に接触することができる。例えば、スタンドオフは、両端では結合されないが、冷却インサート400が燃焼ライナ110に設置されると、一端でインピンジメント側面422、432と一体的に形成され、正圧側壁116または負圧側壁118のいずれかの内面と接触する。このようにして、スタンドオフ462、464は、燃焼ライナ110に取り外し可能に結合することができる。例示的な実施形態では、スタンドオフ462、464の長さは、インピンジメント側面と燃焼ライナ110の壁116、118との間に配置されたギャップの距離を設定することができる。
【0107】
図28は、本開示の実施形態による、2つの対向して配置された冷却インサート400の拡大図を示している。より具体的には、図25は、2つの対向して配置された冷却インサート400の閉鎖端420を示している。特定の実施形態では、各閉鎖端420は、火炎伝播管122の周囲に湾曲する弓形部分466を含むことができる。火炎伝播管が予め設定されていない他の実施形態(図示せず)では、閉鎖端は、(例えば、軸方向Aに)直線に延びてもよい。
【0108】
多くの実施形態では、冷却インサート400の各々は、単一の構成要素として一体的に形成されてもよい。すなわち、サブ構成要素の各々、例えば、第1の壁402、第2の壁403、フランジ414、ガイドベーン456、スタンドオフ462、464、および冷却インサート400の任意の他のサブ構成要素は、単一の本体として共に製造されてもよい。例示的な実施形態では、これは、本明細書に記載の付加製造システム1000を利用することによって行うことができる。しかし、他の実施形態では、鋳造または他の適切な技法などの他の製造技法が使用されてもよい。これに関して、付加製造方法を利用して、冷却インサート400は、連続的な金属の単一片として一体的に形成することができ、したがって、従来の設計と比較してより少ないサブ構成要素および/または接合部を含み得る。付加製造による冷却インサート400の一体形成は、有利には、組み立てプロセス全体を改善することができる。例えば、一体形成は、組み立てなければならない別個の部品の数を減らすことにより、関連する時間および全体としての組み立てコストを低減する。加えて、例えば、漏れ、別個の部品間の接合品質、および全体の性能に関する既存の問題を有利に低減することができる。
【0109】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0110】
10 ガスタービン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション
16 燃焼セクション、燃焼器
18 タービンセクション
20 排気セクション
22 ガスタービンシャフト
24 空気
26 圧縮空気
28 燃料
30 燃焼ガス
32 圧縮機吐出ケーシング
34 高圧プレナム
36 環状燃焼システム
38 軸方向中心線
100 一体型燃焼器ノズル、一体型燃焼ノズル
102 一次燃焼ゾーン
104 二次燃焼ゾーン
106 内側ライナセグメント
108 外側ライナセグメント
110 燃焼ライナ、燃焼噴射パネル
112 前端部分、上流端部分
114 後端、下流端部分
116 第1の側壁、正圧側壁
117 燃料噴射モジュール
118 第2の側壁、負圧側壁
120 下流タービンノズル、一体型タービンノズル
122 火炎伝播管
124 空気キャビティ
126 空気キャビティ
128 リブ、隔壁
129 リブ、隔壁
130 外側インピンジメントパネル、インピンジメントプレート
131 外面、インピンジメントパネル
134 内側インピンジメントパネル
135 外面
136 インピンジメントプレート、収集プレート
138 冷却流ギャップ
139 インピンジメント孔
140 入口部分
141 側壁
142 収集ダクト
142’ 第1の収集ダクト
142’’ 第2の収集ダクト
144 予混合空気プレナム、収集通路
146 半径方向内側壁
148 半径方向外側壁
150 側壁
152 プレインピンジメント空気
154 ポストインピンジメント空気、使用済み冷却空気
156 内面
158 内面
160 正圧側燃料噴射器
161 負圧側燃料噴射器
162 入口
164 正圧側噴射出口
165 負圧側噴射出口
166 入口
168 フレーム
172 ギャップ
174 収集通路
176 第1の幅
178 第2の幅
180 接続ダクト
182 インピンジメントパネルセグメント、パネルセクション
184 前方セグメント
185 中間セグメント
186 後方セグメント
188 細長いスロット開口部
190 前端
192 後端
194 支持体
196 第1の端部
197 第1の側面
198 第2の端部
199 第2の側面
200 角度
202 角度
206 中心軸
208 第1の端部
210 第2の端部
211 エンドプレート
212 フランジ
213 接続面
300 インピンジメント冷却装置
302 インピンジメント部材、インピンジメント冷却部材
304 インピンジメント開口
306 第1の端部
308 第2の端部
310 第1のフランジ、燃焼ライナ
311 第2のフランジ
312 閉鎖端
313 開口部、開放端
314 インピンジメント壁
316 中実壁
318 キャンバ軸
320 第1の列
322 第2の列
324 後端
326 前端
328 第1の中実側壁
330 第2の中実側壁
332 内部容積
334 第1の突出部
335 第2の突出部
336 軸方向中心線
338 内面
340 内面
342 第1の部分
344 第2の部分
346 交差支持体
348 第1の支持バー
350 第2の支持バー
352 交点
354 角度
356 側壁スタンドオフ
358 インピンジメント壁スタンドオフ、側壁スタンドオフ
360 長さ
400 冷却インサート、インピンジメント空気インサート
401 軸方向中心線
402 第1の壁
403 第2の壁
404 第1の複数のインピンジメント開口
405 第2の複数のインピンジメント開口
406 収集通路
408 低圧入口
410 第1の端部
412 第2の端部
414 フランジ
416 第1の通路
418 第1の開放端
420 第1の閉鎖端
422 第1のインピンジメント側面
424 第1の中実側面、第1の中実側壁
426 第2の通路
428 第2の開放端
430 第2の閉鎖端
432 第2のインピンジメント側面
434 第2の中実側面、第2の中実側壁
436 第1の列
438 支持体
440 斜角
442 第2の列
444 支持体
446 斜角
448 第1の平行部分
450 第1の分岐部分
452 第2の平行部分
454 第2の分岐部分
456 ガイドベーン
458 弓形部分
460 直線部分
462 第1のスタンドオフ
464 第2のスタンドオフ
466 弓形部分
1000 付加製造システム
1002 ビルドプレート
1120 粉末床
1160 リコータアーム
1180 粉末レベル
1200 レーザ
1220 物体
1260 リザーバ
1280 廃棄物容器
1320 ガルボスキャナ
1360 エネルギービーム
1600 方法
2300 方法
A 軸方向
C 円周方向
R 半径方向
T 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【外国語明細書】