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特開2022-41915聴覚デバイスのフィルタ目詰まりの検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041915
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】聴覚デバイスのフィルタ目詰まりの検出
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20220304BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04R25/00 J
H04R1/10 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021131367
(22)【出願日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】PA202070561
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アナス イェルモ ミカエルセン
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル プラトー クールマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー デュセゴー
(72)【発明者】
【氏名】アンシア ボット
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BA15
5D005BB00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】聴覚デバイスフィルタの目詰まりを検出するためのデバイス、システム、及び方法を提供する。
【解決手段】聴覚デバイスと、聴覚デバイスに関連するアクセサリデバイスと、サーバと、を含む聴覚システムにおいて、サーバを実装するために使用されるか又はサーバに含まれる電子デバイス300は、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得する入力部302と、聴覚デバイスの使用に関する情報に少なくとも部分的に基づいて聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出する処理ユニット310と、フィルタの目詰まりを示す信号を提供する出力部312と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成された入力部と、
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニットと、
前記フィルタの前記目詰まりを示す信号を提供するように構成された出力部と、
を備える、電子デバイス。
【請求項2】
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、音量増大の量、音量調整の回数、前記音量増大の量又は前記音量調整の回数が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、前記聴覚デバイスにおける聴覚プログラムの変更の回数、前記聴覚プログラムの前記変更の頻度、前記聴覚プログラムの前記変更が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報が、前記聴覚デバイスのリブートの回数、前記聴覚デバイスの前記リブートの頻度、前記リブートが発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、1日当たりの前記聴覚デバイスの使用の継続時間、前記使用の前記継続時間の変化、又は両方の組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、最後のフィルタ交換の日付、フィッティングの日付、前記聴覚デバイスを使用しているときのユーザアクティビティのログ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記処理ユニットは、音量の変化が特定の期間内に閾値を超えるという基準を充足することに少なくとも部分的に基づいて、前記聴覚デバイスの前記フィルタの前記目詰まりを検出するように構成され、前記閾値は3db以上を含む、及び/又は前記特定の期間は3週間未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記処理ユニットは、
期間内の音量の変化が音量変化閾値を超えるかどうかを判定すること、
前記期間内のリブートの回数がリブート閾値を超えているかどうかを判定すること、
前記期間内のプログラムの変更の回数がプログラム変更閾値を超えているかどうかを判定すること、又は
これらの2つ以上の任意の組み合わせ
によって、前記聴覚デバイスの前記フィルタの前記目詰まりを検出するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記処理ユニットは、ニューラルネットワークモデルを使用して前記フィルタの前記目詰まりを検出するように構成され、及び/又は、前記処理ユニットは、機械学習を実行するように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記電子デバイスは、サーバを備え、前記サーバは、前記聴覚デバイスと通信する、前記聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスと通信する、又は、前記両方と通信するように構成されており、
前記サーバは、前記聴覚デバイス及び/又は前記アクセサリデバイスによる受信のために、前記フィルタの前記目詰まりを示す前記信号を提供するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本分野は、聴覚デバイスに関し、より詳細には、聴覚デバイスフィルタの目詰まりを検出するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
補聴器、ヘッドセット、イヤホンなどの聴覚デバイスは、1つ又は複数のフィルタを有することがある。例えば、補聴器は、マイクロホンを保護するためのマイクロホンフィルタ、及び/又は補聴器内のレシーバを保護するためのレシーバフィルタを有することがある。
【0003】
聴覚デバイスの通常の使用によって、聴覚デバイスフィルタは、時がたつにつれて詰まることがある。聴覚デバイスフィルタが詰まると、聴覚デバイスは、望ましく音を出力することができないか、又は全く音を出力することができない。例えば、マイクロホンフィルタが目詰まりした場合、マイクロホンは、ユーザの周囲の環境音を検出することができない。その結果、聴覚デバイスは、環境音を表す音をユーザに提供することができない。また、レシーバフィルタが目詰まりした場合、聴覚デバイスのレシーバは、聴覚デバイスのユーザが受けるための音を出力することができない。
【0004】
目詰まりした聴覚デバイスフィルタは、ユーザにとって重大な問題である。ユーザが好ましく音を聞くことができない場合、ユーザが聴覚デバイスを使用することを思いとどまらせる可能性があるからである。聴覚デバイスが補聴器である場合、ユーザは、補聴器を使用することを思いとどまることがあるか、及び/又はユーザの聴力損失が悪化したと誤って考えることがある。場合によっては、ユーザは、補聴器が故障していると考えて、補聴器を製造業者又は聴覚専門家に送り返すこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
時には、ユーザが聴覚専門家(例えば、補聴器のフィッタ、補聴器の小売業者など)に補聴器の性能の問題について伝えた際、聴覚専門家はフィルタの目詰まりの問題を見落とす場合がある。その後、聴覚専門家は、補聴器を製造業者に送り返す場合がある。製造業者は、フィルタを交換する必要があることを除いて、補聴器に何の故障もないことを見出す場合がある。その間、聴覚専門家は、ユーザの補聴器が製造業者によって修理されるまで、ユーザが使用するための一時的な補聴器を提供する場合がある。このように、聴覚デバイスのフィルタ交換は、聴覚デバイスのユーザにとって不便であり、聴覚専門家及び聴覚デバイスの製造業者にとって、費用がかかり非効率的な運用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電子デバイスは、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成された入力部と、聴覚デバイスの使用に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニットと、フィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成された出力部と、を備える。
【0007】
任意選択的に、聴覚デバイスの使用に関する情報は、音量増大の量、音量調整の回数、音量増大の量又は音量調整の回数が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む。
【0008】
任意選択的に、聴覚デバイスの使用に関する情報は、聴覚デバイスにおける聴覚プログラムの変更の回数、聴覚プログラムの変更の頻度、聴覚プログラムの変更が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む。
【0009】
任意選択的に、聴覚デバイスの使用に関する情報は、聴覚デバイスのリブートの回数、聴覚デバイスのリブートの頻度、リブートが発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む。
【0010】
任意選択的に、聴覚デバイスの使用に関する情報は、1日当たりの聴覚デバイスの使用の継続時間、使用の継続時間の変化、又は両方の組合せを含む。
【0011】
任意選択的に、聴覚デバイスの使用に関する情報は、最後のフィルタ交換の日付、フィッティングの日付、聴覚デバイスを使用しているときのユーザアクティビティのログ、又はこれらの2つ以上の組合せを含む。
【0012】
任意選択的に、処理ユニットは、音量の変化が特定の期間内に閾値を超えるという基準を充足することに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0013】
任意選択的に、閾値は3db以上を含む、及び/又は、特定の期間は3週間未満である。
【0014】
任意選択的に、処理ユニットは、期間内の音量の変化が音量変化閾値を超えるかどうかを判定すること、期間内のリブートの回数がリブート閾値を超えるかどうかを判定すること、期間内のプログラムの変更の回数がプログラム変化閾値を超えるかどうかを判定することと、又はこれらの2つ以上の任意の組合せによって、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0015】
任意選択的に、処理ユニットは、ニューラルネットワークモデルを使用してフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0016】
任意選択的に、処理ユニットは、機械学習を実行するように構成される。
【0017】
任意選択的に、フィルタは、マイクロホンフィルタ又はレシーバフィルタを備える。
【0018】
任意選択的に、電子デバイスはサーバを備える。
【0019】
任意選択的に、サーバは、聴覚デバイスと通信する、聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスと通信する、又は両方と通信するように構成され、サーバは、聴覚デバイス及び/又はアクセサリデバイスによる受信のために、フィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成される。
【0020】
任意選択的に、サーバは、聴覚専門家デバイスと通信するように構成され、サーバは、聴覚専門家デバイスによる受信のために、フィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成される。
【0021】
任意選択的に、サーバは、聴覚デバイスから、聴覚専門家デバイスから、聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスから、又はこれらの2つ以上の組合せから、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成される。
【0022】
聴覚システムは、電子デバイスと、聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスと、を備え、アクセサリデバイスは、聴覚デバイスの使用に関する情報を聴覚デバイスから取得し、聴覚デバイスの使用に関する情報をサーバに提供するように構成される。
【0023】
任意選択的に、電子デバイスは、聴覚デバイスと通信するように構成されたアクセサリデバイスを備える。
【0024】
任意選択的に、アクセサリデバイスは、聴覚専門家デバイスと通信するように構成され、アクセサリデバイスは、聴覚専門家デバイスによる受信のために、フィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成される。
【0025】
任意選択的に、アクセサリデバイスは、聴覚デバイス及び/又はサーバによる受信のために、フィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成される。
【0026】
任意選択的に、アクセサリデバイスは、聴覚デバイスから、聴覚専門家デバイスから、サーバから、又はこれらの2つ以上の組合せから、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成される。
【0027】
任意選択的に、電子デバイスは、聴覚デバイスを備える。
【0028】
任意選択的に、聴覚デバイスは、マイクロホン信号を生成するように構成されたマイクロホンと、マイクロホン信号に基づく出力を生成するように構成された聴力損失補償ユニットと、出力に基づいて音を生成するように構成されたレシーバとを備える。
【0029】
任意選択的に、聴覚デバイスの入力部は、聴覚デバイスの制御部の操作によって生じる制御信号を受信することによって、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成される。
【0030】
任意選択的に、聴覚デバイスの入力部は、アクセサリデバイスから、聴覚専門家デバイスから、サーバから、又はこれらの2つ以上の組み合わせから、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成される。
【0031】
電子デバイスは、聴覚デバイスの使用に関連するユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースと、聴覚デバイスに関するデバイス情報を表示するように構成された画面と、ユーザ入力を処理して、聴覚デバイスの使用に関する使用情報を生成するように構成された処理ユニットと、聴覚デバイスの使用に関する使用情報をサーバに提供するように構成された通信ユニットと、を備え、通信ユニットは、また、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを示す信号を受信するように構成され、信号は、聴覚デバイスの使用に関する使用情報に基づいている。
【0032】
他の及びさらなる態様及び特徴は、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面は、実施形態の設計及び有用性を示しており、そこでは類似の要素が共通の参照番号によって参照される。利点及び目的がどのように得られるかをより良く理解するために、添付の図面を参照して、実施形態のより具体的な説明を記載する。これらの図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。
【0034】
図1】聴覚デバイスと、聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスと、サーバと、を含む聴覚システムを示す。
【0035】
図2図1のアクセサリデバイスの例を示す。
【0036】
図3図1のサーバを実装するために使用され得る、又は図1のサーバに含まれ得る、電子デバイスの例を示す。
【0037】
図4】聴覚デバイスの例を示す。
【0038】
図5図1の聴覚システムの変形例を示す。
【0039】
図6】アクセサリデバイスの別の例を示す。
【0040】
図7】聴覚デバイスの別の例を示す。
【0041】
図8】聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出する方法を示す。
【0042】
図9】本明細書で説明する1つ又は複数の電子デバイスを実装することに特化した処理システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。図面は、一定の縮尺で描かれていることもあれば、描かれていないこともあり、同様の構造又は機能の要素は、図面全体にわたって同様の参照番号によって表されることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、本発明の網羅的な説明として、又は本発明の範囲に対する限定として意図されていない。さらに、図示された実施形態は、図示された態様又は利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、又はそのように明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態で実施することができる。
【0044】
図1は、聴覚デバイス20と、聴覚デバイス20に関連するアクセサリデバイス30と、サーバ40とを含む聴覚システム10を示す。サーバ40は、聴覚デバイス製造業者に関連付けられてもよく(例えば、聴覚デバイス製造業者によって所有又は制御されてもよく)、又は聴覚デバイス製造業者とは異なる別の関係者に関連付けられてもよい。聴覚デバイス20は、聴覚デバイス20のユーザ70の聴力損失を補償するように構成された補聴器である。いくつかの実施形態では、ユーザ70は、2つの聴覚デバイス20(例えば、左右の聴覚デバイス)を装着することができる。他の実施形態では、ユーザ70は、1つの聴覚デバイス20のみを装着することができる。図示の実施形態では、アクセサリデバイス30は、ユーザ70の携帯電話であり、聴覚デバイス20の動作を制御するように構成されたアプリケーションを含む。アクセサリデバイス30は、Bluetooth(登録商標)通信ユニットやケーブルなどの通信コンポーネントを介して聴覚デバイス20と通信するように構成されうる。アクセサリデバイス30は、ネットワーク50(例えば、インターネット)を介してサーバ40と通信するようにも構成されている。他の実施形態では、アクセサリデバイス30は、コンピュータ、ラップトップ、iPad(登録商標)、タブレット、リモコン、充電器、テレビ、又は他の電子デバイスのいずれかであってもよい。
【0045】
使用中、ユーザ70は、アクセサリデバイス30に記憶されたアプリケーションを介して聴覚デバイス20の動作を制御するために、アクセサリデバイス30にユーザ入力を提供することができる。例えば、ユーザ70は、聴覚デバイス20の音量を調整するため、聴覚デバイス20内の聴覚処理プログラムを変更するため、聴覚デバイス20の動作モードを変更するため、又は聴覚デバイス20の動作を制御するための他の任意の機能を実行するために、アクセサリデバイス30内のアプリケーションを使用することができる。そして、アクセサリデバイス30は、ユーザ入力を処理して聴覚デバイス20の使用に関する使用情報を生成し、ネットワーク50を介したサーバ40による受信のために使用情報を送信する。
【0046】
図示の実施形態では、サーバ40は、聴覚デバイス20の使用に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出(例えば、判定)するように構成される。「検出する(detect)」という用語、又は「検出する(detecting)」などの他の同様の用語は、決定する(たとえば、アルゴリズム又はプロセスに基づいて結果又は条件を決定する)行為又は機能を含み、感知する行為又は機能に限定されるべきではないことに留意されたい。目詰まりが検出される聴覚デバイス20のフィルタは、マイクロホンフィルタ又はレシーバフィルタであってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20の使用に関する情報は、音量増大の量、音量調整の回数、音量増大の量又は音量調整の回数が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。このような場合、サーバ40の処理ユニットは、音量増大の量、音量調整の回数、音量増大の量又は音量調整の回数が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、音量増大の量に関する情報は、(フィッティングされた値に対する又はある期間よりも前に発生した以前の値に対する)db量の増大として表されてもよい。他の実施形態では、音量増大の量に関する情報は、(フィッティングされた値に対する又はある期間よりも前に発生した以前の値に対する)増大のパーセンテージ又は増大の係数として表されてもよい。例えば、増大の係数は、dB2/dB1として計算されてもよく、ここで、dB2は、調節された音量であり、dB1は、フィッティングされた値(例えば、聴覚デバイス20のフィッティング中に決定された基準値)又は少し前(例えば、2週間前)に発生した以前の値である。
【0049】
代替的に又は追加的に、聴覚デバイス20の使用に関する情報は、聴覚デバイス20における聴覚プログラムの変更の回数、聴覚プログラムの変更の頻度、聴覚プログラムの変更が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。このような場合、サーバ40の処理ユニットは、聴覚デバイスにおける聴覚プログラムの変更の回数、聴覚プログラムの変更の頻度、聴覚プログラムの変更が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0050】
代替的に又は追加的に、聴覚デバイス20の使用に関する情報は、聴覚デバイス20のリブートの回数、リブートの頻度、リブートが発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。このような場合、サーバ40の処理ユニットは、聴覚デバイス20のリブートの回数、リブートの頻度、リブートが発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0051】
代替的に又は追加的に、聴覚デバイス20の使用に関する情報は、1日当たりの聴覚デバイスの使用の継続時間、使用の継続時間の変化、又は両方の組み合わせを含んでもよい。そのような場合、サーバ40の処理ユニットは、1日当たりの聴覚デバイスの使用の継続時間、使用の継続時間の変化、又は両方の組合せに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0052】
代替的に又は追加的に、聴覚デバイス20の使用に関する情報は、最後のフィルタ交換の日付、フィッティングの日付、聴覚デバイス20を制御するために実行されたユーザアクティビティのログ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。このような場合、サーバ40の処理ユニットは、最後のフィルタ交換の日付、フィッティングの日付、聴覚デバイス20を制御するために実行されたユーザアクティビティのログ、又はこれらの2つ以上の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態では、使用情報は、ある特定の期間にわたる数値として表される上記の情報のいずれかであってもよい。例えば、使用情報は、期間内の音量の変化、期間内のリブートの回数、期間内のプログラムの変更の回数などであってもよい。場合によっては、期間内の音量の変化は、期間当たりの音量の変化として表されてもよい。同様に、期間内のリブートの回数は、期間当たりのリブートの回数として表されてもよい。また、期間内のプログラムの変更の回数は、期間当たりのプログラムの変更の回数として表されてもよい。期間は、1ヶ月、3週間、2週間、3日などであってもよい。また、ある期間にわたる値は、ある期間にわたる平均値であってもよい。例えば、ある期間内の音量の変化は、ある期間内の音量の平均変化であってもよい。同様に、ある期間内のリブートの回数は、ある期間内の平均リブート回数であってもよい。また、ある期間内のプログラム変更の回数は、ある期間内のプログラム変更の平均回数であってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、上記情報の任意の組合せ、又は本明細書で説明される情報の任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、音量の変化量がある期間内に閾値を超えるという基準を充足することに少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成されてもよい。例えば、前記閾値は3db以上であってもよく、及び/又は、前記期間は3週間未満であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、ある特定の期間(例えば、3週間、2週間など)内に音量の変化が第1の閾値(例えば、3db)を超えるかどうかを判定すること、及び、1日当たりの聴覚デバイス20の使用の継続期間の減少が第2の閾値を超えるかどうかを判定することによって、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成される。例えば、サーバ40によって受信された使用情報が、(1)ユーザ70が聴覚デバイス20の音量を3日以内に5db増加させるように調整したこと、及び(2)(例えば、音量が調整された後又は音量が調整された期間において)ユーザ70が聴覚デバイス20の使用を50%を超えて減少させたことを示す場合、サーバ40の処理ユニットは、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしたと判定してもよい。
【0057】
フィルタの目詰まりを判定するための上記の技術は、フィルタの目詰まりを聴力損失と区別できるため有利である。フィルタが目詰まりした状態及び聴力損失が増大した状態の双方において、ユーザ70は、音量出力を増大させるように聴覚デバイス20を制御し得る。しかしながら、聴力損失の悪化は、一般に、目詰まりしたフィルタと比較して、はるかにゆっくりと生じる。例えば、ユーザの聴力損失は、年に2~3dbまたはそれより少ない程度に悪化することがある。一方、フィルタが目詰まりした場合、使用者は、3週間またはそれより短い期間内に聴覚デバイスの音量出力を3db以上増加させることがある。したがって、ユーザ70が、聴覚デバイス20によって出力される音の音量を短期間内に大幅に増大させる場合、ユーザが音を聞くことができないことは、聴力損失に起因するよりも、目詰まりしたフィルタに起因する可能性が高い。同様に、ユーザ70が、聴覚デバイス20内の動作モード及び/又は聴覚プログラムを短期間にわたって著しく調整する場合、ユーザが音を好ましく聞くことができないことは、聴力損失に起因するよりも、目詰まりしたフィルタに起因する可能性が高い。
【0058】
加えて、目詰まりしたフィルタを判定するにあたり、1日当たりの装着時間の変化を考慮する手法が有利である。これは、1日あたりの装着時間が長かった後、急激に短くなった場合には、フィルタの目詰まりの兆候となるためである。(1)短期間内の音量の変化、及び(2)装着時間の変化の両方を考慮すると、目詰まりしたフィルタの判定をより正確に行うことができるので、目詰まりしたフィルタを判定するのに有利である。他の実施形態では、装着時間の変化は考慮に含まれない場合もある。
【0059】
他の実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、ある期間内の音量の変化が音量変化閾値を超えるかどうかを判定すること、ある期間内のリブートの回数がリブート閾値を超えるかどうかを判定すること、ある期間内のプログラム変更の回数がプログラム変更閾値を超えるかどうかを判定すること、又はこれらの2つ以上の任意の組合せによって、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成され得る。
【0060】
さらなる実施形態では、目詰まりしたフィルタと相関し得るユーザの他の「奇妙な」1又は複数の挙動を考慮して、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしているかどうかを判定してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、聴覚デバイス20の使用に関する情報が1つ又は複数の基準を充足するかどうかを判定することによって、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成され得る。1つ又は複数の基準は、サーバ40内に設定された1つ又は複数の所定のルールとすることができる。他の実施形態では、1つ又は複数の基準は、アクセサリデバイス30、聴覚デバイス20、聴覚専門家80の聴覚専門家デバイス60、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせに設定された1つ又は複数の所定のルールであってもよい。
【0062】
他の実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、ニューラルネットワークモデルを使用してフィルタの目詰まりを検出するように構成されてもよい。このような場合、サーバ40の処理ユニットは、機械学習を行うように構成されうる。機械学習は、聴覚デバイスの使用に関する様々なタイプの使用情報を、目詰まりしたフィルタの検出と相関させてもよい。機械学習は、ニューラルネットワークモデルを生成するために利用されてもよく、ニューラルネットワークモデルは、次に、聴覚デバイスの目詰まりしたフィルタを検出するために利用される。場合によっては、ニューラルネットワークモデルは、サーバ40に常駐してもよい。他の実施形態では、ニューラルネットワークモデルは、アクセサリデバイス30、聴覚デバイス20、聴覚専門家デバイス60、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせに送信されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、ネットワーク50を介して、アクセサリデバイス30から、聴覚専門家80の聴覚専門家デバイス60から、聴覚デバイス20から、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせから送信される、聴覚デバイス20に関する使用情報を取得してもよい。使用情報は、ユーザ70が聴覚デバイス20をどのように使用するかを示す任意の情報、及びユーザ70が聴覚デバイス20をどのように使用するかに影響を与え得るか、又は関連付けられ得る(例えば、関連し得る、影響し得る等の)任意の情報などの、聴覚デバイス20に関する任意の情報であってもよい。非限定的な例として、使用情報は、音量増大の量、音量調整の回数、前記音量増大の量又は前記音量調整の回数が発生した期間、聴覚デバイスにおける聴覚プログラムの変更の回数、聴覚プログラムの変更の頻度、聴覚プログラムの変更が発生した期間、1日当たりの聴覚デバイスの使用の継続時間、前記使用の継続時間の変化、最後のフィルタ交換の日付、フィッティングの日付、聴覚デバイスを使用しているときのユーザアクティビティのログ、最後のフィッティングからの時間、聴覚デバイス20の構成、聴覚デバイス20が新しいデバイスであるかどうか、聴覚デバイス20が改修されたデバイスであるかどうか(フィルタがどのくらい古いかを示し得る)、又はこれらの2つ以上の任意の組合せであってもよい。場合によっては、使用情報は、聴覚専門家デバイス60からの情報も含んでもよい。例えば、聴覚専門家デバイス60は、聴覚デバイスをユーザにフィッティングさせるように構成されたフィッティングソフトウェアを含んでもよい。いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20のフィッティングに関する情報が、使用情報として含まれてもよい(フィッティングに関する情報は、ユーザ70が聴覚デバイス20をどのように使用するかに影響を及ぼし得るため)。いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、目詰まりしたフィルタと相関する使用情報のパターンを探すために機械学習を実行し、これらのパターンに基づいてモデルを決定するように構成されてもよい。次いで、サーバ40の処理ユニットは、そのモデルを使用して、様々なそれぞれのユーザについてのそれぞれの使用情報に基づいて、様々な聴覚デバイスについて目詰まりしたフィルタを検出することができる。
【0064】
ある実施形態では、機械学習は、目詰まりしたフィルタと相関することが検証された事前学習データと相関する、収集されたデータ内のパターンを見つけるために、サーバ40によって実行されてもよい。他の実施形態では、機械学習は、アクセサリデバイス30によって、聴覚デバイス20によって、聴覚専門家デバイス60によって、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせによって実行されてもよい。
【0065】
本明細書で使用されるように、用語「ニューラルネットワーク」は、入力に対する動的状態応答によって情報を処理する、いくつかの相互接続された処理要素から構成される任意のコンピューティングデバイス、システム、又はモジュールを指す。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークは、深層学習能力及び/又は人工知能を有してもよい。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークは、単に、1つ又は複数のデータセットを使用して訓練することができる任意のコンピューティング要素であってもよい。
非限定的な例として、ニューラルネットワークは、パーセプトロン、フィードフォワードニューラルネットワーク、放射基底ニューラルネットワーク、深層フィードフォワードニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、長/短期記憶ニューラルネットワーク、ゲート型リカレントユニット、自己符号化器ニューラルネットワーク、変分自己符号化器ニューラルネットワーク、ノイズ除去自己符号化器ニューラルネットワーク、スパース自己符号化器ニューラルネットワーク、マルコフ連鎖ニューラルネットワーク、ホップフィールドニューラルネットワーク、ボルツマンマシン、制限付きボルツマンマシン、深層信念ネットワーク、畳み込みネットワーク、逆畳み込みネットワーク、深層畳み込みインバースグラフィックネットワーク、敵対的生成ネットワーク、リキッドステートマシン、エクストリームラーニングマシン、エコーステートネットワーク、深層残差ネットワーク、コホネンネットワーク、サポートベクターマシン、ニューラルチューリングマシン、モジュラーニューラルネットワーク、シーケンスツーシーケンスモデル等、又はこれらの任意の組合せであってもよい。
【0066】
サーバ40の処理ユニットが、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしたと判定した後、サーバ40の処理ユニットは、フィルタの目詰まりを示す信号を生成してもよい。いくつかの実施形態では、サーバ40の処理ユニットは、サーバ40内のモジュールによる受信のための信号を生成することができる。サーバ40内のモジュールは、信号に基づいて1つ又は複数のメッセージ及び/又は通知を生成し、1つ又は複数のメッセージ及び/又は通知を、ネットワーク50を介してアクセサリデバイス30に、聴覚デバイス20に、聴覚専門家80の聴覚専門家デバイス60に、又はこれらの2つ以上の任意の組合せに送信するように構成され得る。他の実施形態では、サーバ40の処理ユニットによって生成された信号は、サーバ40によって、ネットワーク50を介して、アクセサリデバイス30、聴覚デバイス20、聴覚専門家デバイス60、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせに送信されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス30がサーバ40から信号/メッセージ/通知を受信した後、アクセサリデバイス30内のアプリケーションは、聴覚デバイス20が目詰まりしたフィルタを有することをユーザ70に通知するためのグラフィックを生成してもよい。代替的に又は追加的に、アクセサリデバイス30は、聴覚デバイス20が目詰まりしたフィルタを有することをユーザ70に知らせる音声通知を聴覚デバイス20に出力させるための制御信号を生成してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、聴覚専門家デバイス60がサーバ40から信号/メッセージ/通知を受信した後、聴覚専門家デバイス60は、グラフィカルユーザインターフェースを介して、聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタについて聴覚専門家80に通知することができる。聴覚専門家デバイス60は、グラフィカルユーザインターフェースを生成するためのアプリケーションを含んでもよい。アプリケーションはまた、聴覚専門家80がユーザ70と連絡を取ることを支援するように、及び/又は聴覚デバイス20のフィルタを交換するプロセスにおいてユーザ70を支援するように構成されてもよい。
【0069】
図2は、図1のアクセサリデバイス30の一例を示す。アクセサリデバイス30は、聴覚デバイス20の使用に関連するユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェース202と、聴覚デバイス20に関するデバイス情報を表示するように構成された画面204と、ユーザ入力を処理して聴覚デバイス20の使用に関する使用情報を生成するように構成された処理ユニット210と、サーバ40に聴覚デバイスの使用に関する使用情報を提供し、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを示す信号を受信するように構成された通信ユニット220とを含む。非限定的な例によれば、ユーザインターフェース202は、1つ又は複数のボタン、1つ又は複数のノブ、1つ又は複数のスイッチ、キーボード、マウス、タッチパッド、トラックボール、タッチスクリーン、画面下のタッチセンシティブ層、ユーザが1つ又は複数の入力を入力することができるグラフィカルインターフェース、又はユーザ入力を受信することができる任意のデバイス及び/又はアプリケーションであってもよい。処理ユニット210は、ハードウェア、ソフトウェア、又は両方の組合せを含んでもよい。非限定的な例によれば、処理ユニット210のハードウェアは、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は複数の集積回路を含んでもよい。通信部220は、無線通信を行う無線ユニットであってもよいし、ケーブルにデータを出力したり、ケーブルからデータを受信したりするケーブルインタフェースであってもよい。他の実施形態では、通信ユニット220は、ハードウェアインターフェース又はソフトウェアインターフェースなどの任意の通信インターフェースであってもよい。
【0070】
図3は、図1のサーバ40を実装するために使用され得るか又は含まれ得る電子デバイス300の一例を示す。電子デバイス300は、聴覚デバイス20の使用に関する情報を取得するように構成された入力部302と、聴覚デバイス20の使用に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニット310と、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成された出力部312とを含む。電子デバイス300の処理ユニット310は、ハードウェア、ソフトウェア、又は両方の組合せを含んでもよい。非限定的な例によれば、処理ユニット310のハードウェアは、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は複数の集積回路を含んでもよい。
【0071】
入力部302は、処理ユニット310に情報を提供するための通信インターフェースであってもよく、通信インターフェースは、ハードウェアインターフェース及び/又はソフトウェアインターフェースであってもよい。いくつかの実施形態では、入力部302は、アクセサリデバイス30から、聴覚デバイス20から、聴覚専門家デバイス60から、又はこれらの2つ以上の任意の組合せなど、サーバ40の外部の1つ又は複数のデバイスから聴覚デバイス20の使用に関する情報を受信してもよい。他の実施形態では、入力部302は、電子デバイス300内のモジュール、又はサーバ40内のモジュールなどのモジュールから、聴覚デバイス20の使用に関する情報を受信してもよい。いくつかの実施形態では、入力部302は無線ユニットであってもよい。他の実施形態では、入力部302はケーブルコネクタであってもよい。さらなる実施形態では、入力部302はアンテナを含んでもよい。
【0072】
出力部312は、フィルタの目詰まりを示す信号を出力するための通信インターフェースであってもよく、通信インターフェースは、ハードウェアインターフェース及び/又はソフトウェアインターフェースであってもよい。いくつかの実施形態では、出力部312は、電子デバイス300内のモジュール、又はサーバ40内のモジュールなどのモジュールに信号を出力してもよい。他の実施形態では、出力部312は、アクセサリデバイス30、聴覚デバイス20、聴覚専門家デバイス60、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせなど、サーバ40の外部の1つ又は複数のデバイスに信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、出力部312は、無線ユニットであってもよい。他の実施形態では、出力部312はケーブルコネクタであってもよい。さらなる実施形態では、出力部312は、1つ又は複数のアンテナを含んでもよい。さらに別の実施形態では、入力部302及び出力部312は、同じ無線ユニット、同じケーブルコネクタ、同じアンテナなどの、同じ通信インターフェースとして実装されてもよい。
【0073】
図4は、聴覚デバイス20の一例を示す。聴覚デバイスは、マイクロホン410、聴力損失補償ユニット420、レシーバ430、通信ユニット440、及びユーザ制御部450を含む。マイクロホン410は、ユーザ70の外部環境からの音を受信し、受信した音に基づいてマイクロホン信号を生成するように構成される。聴力損失補償ユニット420は、ユーザ70の聴力損失を補償するための信号処理を行い、マイクロホン410からのマイクロホン信号に基づいて出力を生成するように構成される。レシーバ430は、聴力損失補償部420からの出力に基づいて、ユーザ70の鼓膜が受けるための音を生成するように構成されている。通信ユニット440は、ユーザ70の別の聴覚デバイス20、アクセサリデバイス30、サーバ40、聴覚専門家デバイス60などの1つ又は複数のデバイスと通信するように構成される。通信ユニット440は、1つ又は複数の無線通信ユニット及び/又は1つ又は複数のケーブルコネクタであってもよい。いくつかの実施形態では、通信ユニット440は、1つ又は複数のアンテナを含んでもよい。ユーザ制御部450は、1つ又は複数のボタン、1つ又は複数のノブ、1つ又は複数のスイッチ、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。ユーザ制御部450は、聴覚デバイス20のユーザ70が聴覚デバイス20の動作を制御することを可能にするように構成される。例えば、ユーザ70は、ユーザ制御部450を操作して、音量を調整したり、聴覚デバイス20の動作モードを変更したり、聴覚デバイス20の聴覚プログラムを変更したり、聴覚デバイス20の動作パラメータを変更したりすることができる。
【0074】
聴覚デバイス20は、イン・ザ・カナル(ITC)補聴器、完全イン・カナル(CIC)補聴器、インビジブル・イン・ザ・カナル(IIC)補聴器、レシーバ・イン・ザ・イヤ(RITE)補聴器、レシーバ・イン・カナル(RIC)補聴器などの補聴器であってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20は、任意選択的に、環境音を検出するための追加のマイクロホンをさらに含んでもよい。このような場合、マイクロホンは音の指向性を共に提供する。目詰まりが検出される聴覚デバイス20のフィルタは、両方のマイクロホン用であってもよい。
【0076】
他の実施形態では、聴覚デバイス20は補聴器でないことがある。代わりに、聴覚デバイス20は、ヘッドセット、イヤホン、聴覚保護デバイスなどであってもよい。いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20は、マイクロホン410を含まないことがある。また、いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20は、聴力損失補償ユニット420を含まないことがある。他の実施形態では、聴覚デバイス20は、ユーザ70の聴覚に関連する信号処理を提供するように構成された処理ユニットを含むことがある。例えば、処理ユニットは、ノイズ低減、ノイズキャンセレーション、音声認識、低音調整、高音調整、フェードバランス、ユーザ入力の処理等を実行するように構成されることがある。
【0077】
上記の実施形態では、サーバ40は、聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタを検出するものとして説明した。他の実施形態では、聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタの検出は、アクセサリデバイスによって及び/又は聴覚デバイス20によって実行されてもよい。図5は、図1の聴覚システム10の変形例を示す。図5の聴覚システム10は、サーバ40が聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタの検出に必要でないことを除いて、図1のものと同じである。そのような場合、アクセサリデバイス30は、聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタを検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス30は、図3の電子デバイス300を含んでもよく、電子デバイス300は、聴覚デバイス20の使用に関する情報に少なくとも部分的に基づいて聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニット310を含む。図6は、アクセサリデバイス30の一例を示す。図6のアクセサリデバイス30は、アクセサリデバイス30が電子デバイス300の構成要素302、310、312をさらに含むことを除いて、図2のものと同じである。特に、図6のアクセサリデバイス30は、聴覚デバイス20の使用に関連するユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェース202と、聴覚デバイス20に関するデバイス情報を表示するように構成された画面204と、ユーザ入力を処理して聴覚デバイス20の使用に関する使用情報を生成するように構成された処理ユニット(第1の処理ユニット)210と、通信ユニット220とを含む。通信ユニットと220は、無線通信ユニットであってもよいし、ケーブルコネクタであってもよい。いくつかの実施形態では、通信ユニット220は、聴覚デバイス20、聴覚専門家デバイス60、サーバ、記憶デバイスなどの1つ又は複数のデバイスと通信するように構成された1つ又は複数のアンテナを備えてもよい。
【0078】
アクセサリデバイス30は、また、第1の処理ユニット210及び/又は通信ユニット220から使用情報を受信するように構成された入力部302を含む。例えば、ユーザ70は、ユーザインターフェース202を操作して、聴覚デバイス20の音量を調整し、聴覚デバイス20の動作モードを変更し、聴覚デバイス20の聴覚プログラムを変更し、聴覚デバイス20の動作パラメータを変更し、又はこれらの2つ以上の任意の組合せを行うことができる。次に、第1の処理ユニット210は、ユーザ入力を処理して使用情報を生成し、それを入力部302に渡す。別の例として、通信ユニット220は、聴覚デバイス20に関する使用情報を(例えば、聴覚デバイス20から、聴覚専門家デバイス60からなど)受信してもよく、使用情報を入力部302に渡してもよい。アクセサリデバイス30は、使用情報に少なくとも部分的に基づいて聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニット(第2の処理ユニット)310も含む。アクセサリデバイス30は、フィルタの目詰まりを示す信号を提供するように構成された出力部312をさらに含む。出力部312は、ユーザ70に提示するために画面204に、及び/又は通信ユニット220に、信号を提供してもよい。
【0079】
場合によっては、通信ユニット220は、聴覚デバイス20に信号を送信して、聴覚デバイス20のフィルタを交換する時期であることをユーザ70に通知する警告又はメッセージ(例えば、オーディオメッセージ)を聴覚デバイス20に出力させてもよい。次いで、ユーザ70は、フィルタ交換のために聴覚専門家80の予約をスケジュールしてもよく、又はフィルタ交換の支援のために聴覚デバイス製造業者に連絡してもよい。
【0080】
代替的に又は追加的に、通信ユニット220は、信号を聴覚専門家デバイス60に(例えば、インターネットのようなネットワークを介して)送信し、聴覚専門家80に、聴覚デバイス20がフィルタ交換を必要とすることを知らせてもよい。聴覚専門家80は、聴覚デバイス20のフィルタを交換するためにユーザ70に予約をスケジュールするようにユーザ70に連絡してもよく、及び/又はフィルタ交換に関して聴覚デバイス製造業者に連絡してもよい。
【0081】
代替的に又は追加的に、通信ユニット220は、聴覚デバイス製造業者に信号を送信してもよい。このような信号に応答して、聴覚デバイス製造業者は、交換用フィルタを聴覚専門家80又はユーザ70に送付してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、通信ユニット220は、サーバ(例えば、サーバ40)又は記憶デバイス(例えば、クラウドストレージ)に信号を送信してもよい。場合によっては、通信ユニット220は、聴覚デバイス20に関する関連情報と共に信号をサーバ又は記憶デバイスに送信してもよい。いくつかの実施形態では、関連情報は、使用情報であってもよい。また、いくつかの実施形態では、信号及び使用情報を受信するサーバ又は記憶デバイスは、聴覚デバイス製造業者のサーバ又は記憶デバイスであってもよい。
【0083】
使用中、ユーザ70は、聴覚デバイス20及び/又はアクセサリデバイス30を操作して、聴覚デバイス20の動作を制御することができる。例えば、ユーザは、聴覚デバイス20の制御部を操作して、聴覚デバイス20によって出力される音の音量を調整することができる。そのような場合、聴覚デバイス20は、使用情報(例えば、音量の変化)をアクセサリデバイス30に送信してもよい。アクセサリデバイス30の通信ユニット220は、使用情報を受信し、使用情報を入力部302に提供する。次に、処理ユニット310は、使用情報を処理して、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしているかどうかを判定する。代替的に又は追加的に、ユーザ70は、ユーザインターフェース202を介してアクセサリデバイス30を操作して、聴覚デバイス20によって出力される音の音量を変更し、聴覚デバイス20の動作モードを変更し、聴覚デバイス20の聴覚プログラムを変更し、聴覚デバイス20の動作パラメータを変更する等を行ってもよい。次いで、第1の処理ユニット210は、ユーザ入力を処理して使用情報を生成し、使用情報を入力部302に渡す。次に、処理ユニット310は、使用情報を処理して、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしているかどうかを判定する。
【0084】
処理ユニット310が、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしていると判定した場合、処理ユニット310は、次いで、信号を生成してもよく、そのような信号を出力部312を介して提供してもよい。出力部312は、フィルタが目詰まりしていることをユーザ70に知らせるために、画面204内に表示するための信号を提供してもよく、及び/又は、聴覚デバイス20、聴覚専門家デバイス60、サーバ、記憶デバイス、又はこれらの2つ以上の任意の組合せなどの1つ又は複数のデバイスに信号を送信するために、信号を通信ユニットに提供してもよい。
【0085】
さらなる実施形態では、聴覚デバイス20自体が、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成されてもよい。図7は、聴覚デバイス20の別の例を示す。図7の聴覚デバイス20は、入力部302、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニット310、及び出力部312をさらに含むことを除いて、図6に示されたものと同じである。図示の実施形態では、入力部302は、聴覚デバイス20のユーザ制御部450から聴覚デバイス20の使用に関する情報、及び/又は通信ユニット440からの情報を受信するように構成される。例えば、ユーザ70は、ユーザ制御部450を操作して、聴覚デバイス20から出力される音の音量を調整したり、聴覚デバイス20の動作モードを変更したり、聴覚デバイス20の聴覚プログラムを変更したり、聴覚デバイス20の動作パラメータを変更したりすることがある。これらのユーザ入力に関する情報は、入力部302に提供されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、ユーザ70は、アクセサリデバイス30を操作して、聴覚デバイス20から出力される音の音量を調整したり、聴覚デバイス20の動作モードを変更したり、聴覚デバイス20の聴覚プログラムを変更したり、聴覚デバイス20の動作パラメータを変更したりすることがある。そのような場合、アクセサリデバイス30は、聴覚デバイス20の通信ユニット440による受信のために、そのようなユーザ入力に関する情報を送信してもよい。いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20の通信ユニット440は、聴覚専門家デバイス60から、製造業者から、サーバから、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせから、聴覚デバイス20に関する情報を受信してもよい。通信ユニット440は、受信された情報を入力部302に提供するように構成される。処理ユニット310は、入力部302によって受信された情報に少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりを検出するように構成される。
【0086】
処理ユニット310が、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしていると判定した場合、処理ユニット310は、次いで、信号を生成し、その信号をレシーバ430及び/又は通信ユニット440に提供してもよい。いくつかの実施形態では、信号は、レシーバ430に、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしていることをユーザ70に知らせるための音声警告又はメッセージを出力させてもよい。信号が通信ユニット440に送信される実施形態では、通信ユニット440は、アクセサリデバイス30、聴覚専門家デバイス60、サーバ(例えば、サーバ40)、記憶デバイス、聴覚デバイス製造業者に関連付けられたデバイス、又はこれらの任意の組合せなどによる1つ又は複数のデバイスによる受信のための信号を提供してもよい。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス30によって受信された信号は、アクセサリデバイス30に、目詰まりしたフィルタについてユーザ70に通知するメッセージを表示させてもよい。次いで、ユーザ70は、聴覚専門家80又は聴覚デバイス製造業者に連絡して、フィルタの交換を手配してもよい。いくつかの実施形態では、聴覚専門家デバイス60によって受信された信号は、聴覚専門家デバイス60に、聴覚専門家80に聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタについて知らせるメッセージを表示させてもよい。次いで、聴覚専門家80は、フィルタの交換の手配をするために、ユーザ70に連絡してもよい。
【0087】
上記の実施形態では、目詰まりしたフィルタを検出するように構成された処理ユニット310は、サーバ40の一部、アクセサリデバイス30の一部、又は聴覚デバイス20の一部として説明されている。他の実施形態では、処理ユニット310は、聴覚専門家デバイス60に実装されてもよい。さらなる実施形態では、処理ユニット310は、デバイス20、30、40、60のうちの2つ以上において実装されてもよい。
【0088】
また、いくつかの実施形態では、聴覚デバイス20、アクセサリデバイス30、サーバ40、聴覚専門家デバイス60、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせは、目詰まりしたフィルタと相関可能な、又は聴覚デバイス20の使用(例えば、聴覚デバイス20を使用しているときのユーザアクティビティ)を目詰まりしたフィルタと相関させるために機械学習によって使用可能な、聴覚デバイス20の使用に関する情報を取得するためのデータ収集ソフトウェアを備えていてもよい。
【0089】
図8は、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するための方法800を示す。方法800は、サーバ(例えば、サーバ40)、アクセサリデバイス(例えば、アクセサリデバイス30)、聴覚デバイス(例えば、聴覚デバイス10)、聴覚専門家デバイス(例えば、聴覚専門家デバイス60)、又はこれらの2つ以上の組み合わせによって実行され得る。方法800は、聴覚デバイスの使用に関する情報を取得すること(項目802)を含む。方法800は、また、聴覚デバイスの使用に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出すること(項目804)を含む。方法800は、フィルタの目詰まりを示す信号を提供すること(項目806)をさらに含む。
【0090】
聴覚デバイス20の目詰まりしたフィルタを判定するための本明細書に記載されるデバイス、システム、及び方法は、目詰まりしたフィルタを識別するためにユーザ70がいかなる特定の試験も実行することを必要としないため、有利である。代わりに、聴覚デバイス20を使用する際のユーザ70の行動は、(例えば、聴覚デバイス20及び/又はアクセサリデバイス30で実行されたアクティビティのログを介して)聴覚デバイス20の通常の使用中に監視され、監視されたアクティビティは、聴覚デバイス20のフィルタが目詰まりしているかどうかを判定するために利用される。したがって、ユーザ70は、ユーザ70が聴覚デバイス20を使用している間に、自分の行動がフィルタの目詰まりを識別するのを助けるために使用されていることさえ気付かないことがある。本明細書に記載される目詰まりしたフィルタを判定する技術は、また、目詰まりしたフィルタを識別する際にユーザ70を支援し、その結果、ユーザ70は、自分の聴力損失が悪化したかどうかを誤って心配することがないため有利である。さらに、本明細書に記載のデバイス、システム、及び方法は、聴覚専門家及び/又は聴覚デバイス製造業者が、聴覚デバイス20のユーザ70にフィルタ交換を適時かつ効果的に提供するのを支援する。
【0091】
また、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、フィルタが完全に目詰まりする前に、聴覚デバイス20のフィルタの目詰まりの検出を可能にし得る。例えば、本明細書に記載される技術は、フィルタが少なくとも50%目詰まりしたとき、少なくとも60%目詰まりしたとき、少なくとも70%目詰まりしたとき、少なくとも80%目詰まりしたとき、少なくとも90%目詰まりしたときなどに、フィルタの目詰まりの検出を可能にし得る。他の実施形態では、本明細書に記載の技術は、フィルタが完全に目詰まりしたときに、フィルタの目詰まりの検出を可能にし得る。したがって、本明細書で使用される場合、用語「目詰まりした(clogged)」又は「目詰まり(clogging)」などの他の類似の用語のいずれかは、完全に詰まっている場合もあればそうではない場合もあるフィルタの状態、例えば、少なくとも50%目詰まりした、少なくとも60%目詰まりした、少なくとも70%目詰まりした、少なくとも80%目詰まりした、又は少なくとも90%目詰まりしたフィルタの状態を指す。
【0092】
(専用処理システム)
【0093】
図9は、本明細書で説明する1つ又は複数の電子デバイスを実装するための専用処理システムを示す。例えば、処理システム1600は、アクセサリデバイス30、サーバ40、又は聴覚専門家デバイス60を実装してもよい。また、いくつかの実施形態では、処理システム1600又は処理システム1600の少なくとも一部は、処理ユニット210、処理ユニット310、又は聴力損失補償ユニット420の一例であってもよい。
【0094】
処理システム1600は、情報を通信するためのバス1602又は他の通信メカニズムと、情報を処理するためのバス1602と結合されたプロセッサ1604とを含む。処理システム1600はまた、プロセッサ1604によって実行される情報及び命令を記憶するためにバス1602に結合されたランダムアクセスメモリ又は他の動的記憶デバイスなどのメインメモリ1606を含む。メインメモリ1606はまた、プロセッサ1604によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。プロセッサシステム1600は、さらに、プロセッサ1604のための静的情報及び命令を記憶するために、バス1602に結合された読み出し専用メモリ1608又は他の静的記憶デバイスを含む。磁気ディスク又は光ディスクなどのデータ記憶デバイス1610が提供され、情報及び命令を記憶するためにバス1602に結合される。
【0095】
プロセッサシステム1600は、ユーザに情報を表示するために、バス1602を介して、画面又はフラットパネルなどのディスプレイ167に結合されてもよい。英数字及び他のキー、又はタッチスクリーンを含む入力デバイス1614は、情報及びコマンド選択をプロセッサ1604に通信するためにバス1602に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ1604に方向情報及びコマンド選択を通信し、ディスプレイ167上のカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部1616である。この入力デバイスは、通常、デバイスが平面内の位置を指定することを可能にする第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y)の2つの軸における2つの自由度を有する。
【0096】
いくつかの実施形態で、プロセッサシステム1600は、本明細書で説明される様々な機能を実行するために使用されうる。いくつかの実施形態によれば、そのような使用は、プロセッサ1604がメインメモリ1606に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行することに応答して、プロセッサシステム1600によって提供される。当業者は、本明細書で説明される機能及び方法に基づいて、そのような命令を準備する方法が分かるであろう。このような命令は、記憶デバイス1610のような別のプロセッサ読み取り可能媒体からメインメモリ1606に読み取られてもよい。メインメモリ1606に含まれる命令のシーケンスを実行することにより、プロセッサ1604は、本明細書に記載するプロセスステップを実行する。マルチプロセッシング構成の1つ又は複数のプロセッサを、メインメモリ1606に含まれる命令のシーケンスを実行するために使用してもよい。代替の実施形態では、本明細書で説明する様々な実施形態を実施するために、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用してもよい。したがって、実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特定の組合せにも限定されない。
【0097】
本明細書で使用される「プロセッサ読取り可能媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ1604に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むが、これらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性媒体には、例えば、記憶デバイス1610などの光ディスク又は磁気ディスクが含まれる。不揮発性媒体は、一時的でない媒体の一例と考え得る。揮発性媒体は、メインメモリ1606のようなダイナミックメモリを含む。揮発性媒体は、一時的でない媒体の例と考え得る。伝送媒体は、バス1602を構成する配線を含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。また、伝送媒体は、音波または無線及び赤外線データ通信中に生成されるような光波の形態をとり得る。
【0098】
プロセッサ読取り可能媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、後述する搬送波、又はプロセッサが読み取ることができる任意の他の媒体が含まれる。
【0099】
プロセッサ読取り可能媒体の様々な形態は、実行のために1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスをプロセッサ1604に搬送することに関与してもよい。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスク上で搬送されてもよい。リモートコンピュータは、命令をその動的メモリにロードし、インターネットやローカルネットワークなどのネットワークを介して命令を送信してもよい。処理システム1600に対してローカルな受信ユニットは、ネットワークからデータを受信し、バス1602上にデータを提供してもよい。バス1602は、データをメインメモリ1606に搬送し、そこからプロセッサ1604が命令を検索して実行する。メインメモリ1606によって受信された命令は、プロセッサ1604による実行の前又は後のいずれかで、任意選択的に記憶デバイス1610に記憶されてもよい。
【0100】
処理システム1600は、バス1602に結合された通信インターフェース1618も含む。通信インターフェース1618は、ローカルネットワーク1622に接続されているネットワークリンク1620への双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェース1618は、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり、対応するタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供してもよい。別の例として、通信インターフェース1618は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであってもよい。無線リンクを実装することも可能である。任意のそのような実装形態では、通信インターフェース1618は、様々なタイプの情報を表すデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0101】
ネットワークリンク1620は、典型的には、1つまたは複数のネットワークを介して他のデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1620は、ローカルネットワーク1622を介して、ホストコンピュータ1624、又は放射線ビーム源又は放射線ビーム源に動作可能に結合されたスイッチなどの機器1626への接続を提供してもよい。ネットワークリンク1620を介して搬送されるデータストリームは、電気信号、電磁信号又は光信号を含んでもよい。種々のネットワークを通る信号及び処理システム1600との間でデータを搬送するネットワークリンク1620及び通信インターフェース1618を通る信号は、情報を搬送する搬送波の例示的な形態である。処理システム1600は、ネットワーク、ネットワークリンク1620、及び通信インターフェース1618を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信してもよい。
【0102】
また、以下の項目のいずれかに記載の電子デバイスも開示される:
(項目1)聴覚デバイスの使用に関する情報を取得するように構成された入力部と、
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを検出するように構成された処理ユニットと、
前記フィルタの前記目詰まりを示す信号を提供するように構成された出力部と、
を、備える、電子デバイス。
(項目2)前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、音量増大の量、音量調整の回数、音量増大の量又は音量調整の回数が発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、項目1に記載の電子デバイス。
(項目3)前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、前記聴覚デバイスにおける聴覚プログラムの変更の回数、前記聴覚プログラムの前記変更の頻度、前記聴覚プログラムの前記変更が発生した時間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、項目1又は2の記載の電子デバイス。
(項目4)前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、前記聴覚デバイスのリブートの回数、前記聴覚デバイスの前記リブートの頻度、前記リブートが発生した期間、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、項目1~3のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目5)前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、前記聴覚デバイスの1日当たりの使用の継続時間、前記使用の前記継続時間の変化、又は両方の組み合わせを含む、項目1~4のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目6)前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報は、最後のフィルタ交換の日付、フィッティングの日付、前記聴覚デバイスを使用しているときのユーザアクティビティのログ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む、項目1~5のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目7)前記処理ユニットは、音量の変化が特定の期間内に閾値を超えるという基準を充足することに少なくとも部分的に基づいて、前記聴覚デバイスの前記フィルタの前記目詰まりを検出するように構成される、項目1~6のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目8)前記閾値は、3db以上を含む、及び/又は、前記特定の期間は、3週間未満である、項目7に記載の電子デバイス。
(項目9)前記処理ユニットは、
期間内の音量の変化が音量変化閾値を超えるかどうかを判定すること、
前記期間内のリブートの回数がリブート閾値を超えているかどうかを判定すること、
前記期間内のプログラムの変更の回数がプログラム変更閾値を超えているかどうかを判定すること、又は
これらの2つ以上の任意の組み合わせ
によって、前記聴覚デバイスの前記フィルタの前記目詰まりを検出するように構成されている、項目1~8のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目10)前記処理ユニットは、ニューラルネットワークモデルを用いて前記フィルタの前記目詰まりを検出するように構成されている、項目1~9のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目11)前記処理ユニットは、機械学習を実行するように構成されている、項目1~10のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目12)前記フィルタは、マイクロホンのフィルタ又はレシーバのフィルタを含む、項目1~11のいずれかに記載の処理システム。
(項目13)前記電子デバイスは、サーバを備える、項目1~12のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目14)前記サーバは、前記聴覚デバイスと通信する、前記聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスと通信する、又は両方と通信するように構成されており、
前記サーバは、前記聴覚デバイス及び/又は前記アクセサリデバイスによる受信のために、前記フィルタの前記目詰まりを示す前記信号を提供するように構成されている、項目13に記載の電子デバイス。
(項目15)前記サーバは、聴覚専門家デバイスと通信するように構成され、前記サーバは、前記聴覚専門家デバイスによる受信のために、前記フィルタの前記目詰まりを示す前記信号を提供するように構成される、項目13~14のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目16)前記サーバは、前記聴覚デバイスから、聴覚専門家デバイスから、前記聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスから、又はこれらの2つ以上の組み合わせから、前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報を取得するように構成される、項目13~15のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目17)項目13~16のいずれかに記載の前記電子デバイスと、前記聴覚デバイスに関連付けられたアクセサリデバイスとを備える聴覚システムであって、前記アクセサリデバイスは、前記聴覚デバイスの前記使用に関する情報を前記聴覚デバイスから取得し、前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報を前記サーバに提供するように構成されている、聴覚システム。
(項目18)前記電子デバイスは、前記聴覚デバイスと通信するように構成されたアクセサリデバイスを備える、項目1~16のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目19)前記アクセサリデバイスは、聴覚専門家デバイスと通信するように構成され、前記アクセサリデバイスは、前記聴覚専門家デバイスによる受信のために、前記フィルタの前記目詰まりを示す前記信号を提供するように構成されている、項目18に記載の電子デバイス。
(項目20)前記アクセサリデバイスは、前記聴覚デバイス及び/又は前記サーバによる受信のために、前記フィルタの前記目詰まりを示す前記信号を提供するように構成されている、項目18~19のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目21)前記アクセサリデバイスは、前記聴覚デバイスから、前記聴覚専門家デバイスから、前記サーバから、又はこれらの2つ以上の組み合わせから、前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報を取得するように構成されている、項目18~20のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目22)前記電子デバイスが、前記聴覚デバイスを備える、項目1~21のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目23)前記聴覚デバイスは、
マイクロホン信号を生成するように構成されたマイクロホンと、
前記マイクロホン信号に基づく出力を生成するように構成された聴力損失補償ユニットと、
前記出力に基づいて音を生成するように構成されたレシーバと、
を備える、項目22に記載の電子デバイス。
(項目24)前記聴覚デバイスの前記入力部は、前記聴覚デバイスの制御部の操作によって生じる制御信号を受信することによって、前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報を取得するように構成されている、項目22~23のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目25)前記聴覚デバイスの前記入力部は、前記アクセサリデバイスから、前記聴覚専門家デバイスから、前記サーバから、又はこれらの2つ以上の組み合わせから、前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記情報を取得するように構成されている、項目22~24のいずれかに記載の電子デバイス。
(項目26)聴覚デバイスの使用に関連するユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースと、
前記聴覚デバイスに関するデバイス情報を表示するように構成された画面と、
前記ユーザ入力を処理して、前記聴覚デバイスの前記使用に関する使用情報を生成するように構成された処理ユニットと、
前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記使用情報をサーバに提供するように構成された通信ユニットと、
を備え、
前記通信ユニットは、また、前記聴覚デバイスのフィルタの目詰まりを示す信号を受信するように構成され、前記信号は、前記聴覚デバイスの前記使用に関する前記使用情報に基づいている、電子デバイス。
【0103】
特定の特徴が示され、説明されたが、それらは、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図しておらず、様々な変更及び修正が、特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者に明らかであることが理解されるであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。特許請求の範囲に記載された発明は、全ての代替物、修正物、及び均等物を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】