(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041933
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】モーションサポートデバイス抽象化部を局所的に適用可能かつ更新可能な中央調整に基づく車両制御構造
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
G01M17/007 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021135798
(22)【出願日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】20193869.3
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ・ステンブラット
(72)【発明者】
【氏名】レオ・レイン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ハンソン
(72)【発明者】
【氏名】ランス・ヒギンス
(72)【発明者】
【氏名】アンデルシュ・マグヌソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】様々な異なるタイプのモーションサポートデバイス(MDS)をモニタ及び制御するために容易に再構成可能な、センサ、ホイールエンドコンピュータ(WEC)を提供する。
【解決手段】大型車両の1つ以上のMDS240,250,260、270のそれぞれの動作をモニタ、制御するように構成されている。MSDA221は、外部の車両ユニットコンピュータ210とそれぞれのMDSの動作機能との間の制御インターフェースを提供する。WEC220は、各MSDについて、WECに接続されている各MSDがそれぞれのMSDAに適合するように、適合するMSDAを特定するように配置されている。WEC220は、WECに接続されているMSDをモニタ、制御するためのVUC210からのモニタコマンド、制御コマンドを受信して、適合するMSDAのそれぞれを介してMSDを制御するように配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のモーションサポートデバイス抽象化部(MSDA)を提供して実行し、大型車両(100)の1つ以上のモーションサポートデバイス(MSD;240,250,260,270)のそれぞれの動作をモニタ及び/又は制御するホイールエンドコンピュータ(WEC;220,800)であって、
モーションサポートデバイス抽象化部が、外部の車両ユニットコンピュータ(VUC;210,210’)とそれぞれのモーションサポートデバイスの動作機能との間の制御インターフェース及びモニタインターフェースを提供し、
前記ホイールエンドコンピュータ(220,800)が、各モーションサポートデバイスについて、前記ホイールエンドコンピュータに接続されている各モーションサポートデバイスがそれぞれのモーションサポートデバイス抽象化部に適合するように、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスのセットの中から適合するモーションサポートデバイス抽象化部を特定するように配置され、
前記ホイールエンドコンピュータ(220,800)が、前記車両ユニットコンピュータ(210,210’)からモニタコマンド及び/又は制御コマンドを受信し、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスを夫々モニタ及び/又は制御して、適合する前記モーションサポートデバイス抽象化部のそれぞれを介して前記モーションサポートデバイスを制御するように構成された、
ホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項2】
前記ホイールエンドコンピュータ(220,800)が、置換可能な複数のモーションサポートデバイス抽象化部を取得して保存するように配置された、
請求項1に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項3】
車輪ブレーキ(240)、アクティブサスペンションデバイス(250)、推進デバイス(260)、及び/又はパワーステアリングデバイス(270)のいずれかを含む1つ以上の接続されているデバイスを、複数の置換可能な前記モーションサポートデバイス抽象化部に基づいて制御するための出力ポート(245,255,265)を含む、
請求項1又は2に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項4】
車輪ブレーキ(240)、アクティブサスペンションデバイス(250)、推進デバイス(260)、及び/又はパワーステアリングデバイス(270)のいずれかを含む1つ以上の接続されているデバイスからデータを受信するための入力ポート(245,255,265)を含み、接続されているデバイスからのデータが、複数の置換可能な前記モーションサポートデバイス抽象化部において適合する前記モーションサポートデバイス抽象化部によって解釈されるように配置された、
請求項1~3のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項5】
1つ以上のデフォルトのモーションサポートデバイス抽象化部を保存し、複数の置換可能な前記モーションサポートデバイス抽象化部の中から適合するモーションサポートデバイス抽象化部が特定できない場合、デフォルトのモーションサポートデバイス抽象化部をモーションサポートデバイスに関連付けるように配置された、
請求項1~4のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項6】
1つ以上の更新版のモーションサポートデバイス抽象化部を受信し、受信した前記更新版のモーションサポートデバイス抽象化部によって保存された対応するモーションサポートデバイス抽象化部を置換するように構成された、
請求項1~5のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項7】
外部のモーションサポートデバイス抽象化部のリポジトリに接続し、1つ以上の更新版のモーションサポートデバイス抽象化部を特定し、特定された前記更新版のモーションサポートデバイス抽象化部をダウンロードして、ダウンロードした前記更新版のモーションサポートデバイス抽象化部によって保存された対応するモーションサポートデバイス抽象化部を置換するように構成された、
請求項1~6のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項8】
前記ホイールエンドコンピュータにおいて現在有効な前記モーションサポートデバイス抽象化部のセットが、前記ホイールエンドコンピュータの用途に認証されていることを検証するための認証プロトコルを実行するように配置された、
請求項1~7のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項9】
前記ホイールエンドコンピュータに現在接続されているモーションサポートデバイスが、前記ホイールエンドコンピュータの用途に認証されていることを検証するための認証プロトコルを実行するように配置され、前記ホイールエンドコンピュータに現在接続されている前記モーションサポートデバイスが、適合するモーションサポートデバイス抽象化部のそれぞれを介して、前記ホイールエンドコンピュータと通信するように構成された制御ユニットを含む、
請求項1~8のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項10】
前記認証プロトコルが、要求応答手続きを含む、
請求項8又は9に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項11】
それぞれのホイールエンドセンサ及び/又は車軸センサに関連付けられた1つ以上のデータ処理アルゴリズムを取得して保存するように配置され、前記ホイールエンドコンピュータが、ホイールエンドセンサ及び/又は車軸センサからセンサデータを取得し、前記ホイールエンドセンサ及び/又は車軸センサに関連付けられたデータ処理アルゴリズムを実行して前記センサデータを処理するように配置された、
請求項1~10のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項12】
前記データ処理アルゴリズムが、車輪回転角度、車輪速度、車輪力、及び/又は車輪トルク、タイヤの摩耗、ブレーキパッドの摩耗、並びに温度によって変化する能力のいずれかを、センサデータに基づいて推定するためのアルゴリズムを含む、
請求項11に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項13】
前記データ処理アルゴリズムが、前記ホイールエンドモジュールに関連付けられたタイヤに依存するように構成された、
請求項11又は12に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1つに記載の複数のホイールエンドコンピュータ(220,800)に接続するためのインターフェースを含む、車両ユニットコンピュータ(VUC;210,210’)。
【請求項15】
請求項14に記載の車両ユニットコンピュータ(210,210’)を含む、連結式の大型車両(100)の車両ユニット(110,120)。
【請求項16】
ホイールエンドコンピュータ(WEC;220,800)によって1つ以上のモーションサポートデバイス(MSD;240,250,260,270)を制御する方法であって、
外部の車両ユニットコンピュータ(VUC;210,210’)から、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスの1つ以上の機能を制御及び/又はモニタするためのインターフェースを提供する、複数の置換可能なモーションサポートデバイス抽象化部を取得して保存すること(S1)と、
各モーションサポートデバイスについて、前記ホイールエンドコンピュータに現在接続されているモーションサポートデバイスのセットの中から適合するモーションサポートデバイス抽象化部を特定し、接続されている各モーションサポートデバイスが適合するモーションサポートデバイス抽象化部のそれぞれと関連付けられるようにすること(S2)と、
前記車両ユニットコンピュータ(210,210’)からの制御コマンド及び/又はモニタコマンドを受信して、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスを制御及びモニタすること(S3)と、
それぞれのモーションサポートデバイスのドライバを介して、前記モーションサポートデバイスを制御及び/又はモニタすること(S4)と、
を含む方法。
【請求項17】
プログラムが制御ユニット(800)のコンピュータ上又は処理回路(810)上で実行されるとき、請求項16のステップを実行するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム(920)。
【請求項18】
プログラム製品が制御ユニット(800)のコンピュータ上又は処理回路(810)上で実行されるとき、請求項16のステップを実行するためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム(920)を保持するコンピュータ可読媒体(910)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車輪の近くに配置されたコンピュータ、ホイールエンドコンピュータ(WEC)に関する。コンピュータは、クラッチ、内燃機関、電動モータ、摩擦ブレーキ、ショックアブソーバ、及びパワーステアリングデバイスなど、車両のモーションに関与する機械的なデバイスを、それぞれのインターフェースを介してモニタ及び制御する、ソフトウェアのモーションサポートデバイス抽象化部を実行するように配置されている。
【0002】
本発明は、トラック、バス、及び建設機械などの大型車両に適用することができる。セミトレーラ車両やトラックなどの貨物輸送車両に関して主に本発明を説明するが、本発明は、この特定のタイプの車両に限定されず、乗用車などの他のタイプの車両にも使用することができる。
【背景技術】
【0003】
車両は、機構、空気圧、油圧、エレクトロニクス、及びソフトウェアに関して常に複雑になっている。セミトレーラトラックなどの現代の大型車両は、内燃機関、電気機械、摩擦ブレーキ、回生ブレーキ、ショックアブソーバ、エアベローズ、及びパワーステアリングポンプなど、広範囲にわたる異なる物理デバイスを含むことができる。これらの物理デバイスは、通例、モーションサポートデバイス(MSD)として知られている。MSDは個々に制御可能であり、例えば、摩擦ブレーキ、即ち、負のトルクが1つの車輪に作用する一方、ことによると同じ車軸にある車両の他の車輪が同時に使用されて、電気機械によって正のトルクを生成することができる。
【0004】
中央の車両ユニットコンピュータ(VUC)で実行される最近提案された車両モーション管理(VMM)機能は、MSDとの組み合わせに頼って車両を動作させ、所望のモーション効果を得る一方、同時に車両安定性、費用効果性、及び安全性を維持する。国際公開第2019/072379号明細書は、車輪ブレーキが選択的に使用されて、大型車両による回頭動作をアシストする一例を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MSDの異なるサプライヤは、通常、MSD機能をモニタ及び制御するプロプライエタリソフトウェア(proprietary software)を提供し、一部のサプライヤはまた、サプライヤのMSDを制御するプロプライエタリホイールエンドコンピュータを提供する。しかしながら、市場におけるMSDの生態システム(ecosystem)が成長すると、1台の車両上の異なるサプライヤからのMSDの共存の必要性が増加する。従って、車両上の異なるタイプのMSDをモニタ及び制御し、調整を容易にする車両制御構造が必要である。
【0006】
また、市場における異なるタイプのMSDの有効性が成長すると、所定の車両に現在搭載されているMSDが、車両の要求を満たす仕様を有し、車両機能を保証していることを検証する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の目的は、様々な異なるタイプのモーションサポートデバイス(MDS)をモニタ及び制御するために容易に再構成可能な、MDSと一体的に形成されたセンサ、及び/又はMDSとは別体のセンサを含む、ホイールエンドコンピュータ(WEC)を提供することである。この目的は、1つ以上のモーションサポートデバイス抽象化部(MSDA)を提供して実行し、大型車両の1つ以上のそれぞれのMSDの動作をモニタ及び/又は制御するように構成されたWECによって、少なくとも部分的に得られる。MSDAは、外部の車両ユニットコンピュータ(VUC)とそれぞれのMSDの動作機能との間の制御インターフェース、及び/又はモニタインターフェースを提供する。WECは、各MSDについて、WECに接続されているMSDのセットの中から適合するMSDAを特定し、WECに接続されている各MSDがそれぞれのMSDAに適合するように配置されている。WECはまた、WECに接続されているMSDをモニタ及び/又は制御するVUCから、モニタコマンド及び/又は制御コマンドを夫々受信し、それぞれ適合するMSDAを介してMSDを制御するように配置されている。
【0008】
このように、車両の異なるタイプのMSDをモニタ及び制御し、調整を容易にする車両制御構造が提供される。MSDAを置換することができるので、WECに接続されているMSDの変化の原因となる、ソフトウェアアップデートに容易に対応することができる。全体的に見れば、車両のMSDフローラ(flora)の変更が、WECで実行されるMSDAに対応する変更によって容易に調整できるので、車両に搭載された特定のタイプのMSDに車両制御機能がもはやそれほど依存せず、これによって、より柔軟な設計構造が可能となる。
【0009】
いくつかの態様によれば、WECは、複数の置換可能なMSDAを取得して保存するように配置されている。この複数の置換可能なMSDAは、車両のMSDの変更をさらに単純化する。新しいMSDが車両に接続されて、WECにも接続されると、WECは、そのMSDAを介して適合するMSDAを探すことができる。適合するMSDAが見つかると、このMSDAを使用して新たにインストールされたMSDを制御することができる。WECは、車輪ブレーキ、アクティブサスペンションデバイス、推進デバイス、及び/又はパワーステアリングデバイスのいずれかを含む、1つ以上の接続されているデバイスを複数の置換可能なMSDAに基づいて制御する出力ポートを含むことができる。
【0010】
いくつかの態様によれば、WECは、車輪ブレーキ、アクティブサスペンションデバイス、推進デバイス、及び/又はパワーステアリングデバイスのいずれかを含む、1つ以上の接続されているデバイスからデータを受信する入力ポートを含んでいる。このように、接続されているデバイスからのデータは、複数の置換可能なMSDAの中の適合するMSDAによって解釈することができる。従って、全体的な車両制御構造は、新しいタイプのMSDが設計に含まれるか、1つのサプライヤからのMSDが他のサプライヤからのMSDによって置換されても、再設計する必要はない。なぜならば、(都合よく置換可能な)MSDを使用してデータを解釈し、より高層の制御アルゴリズムが使用できるフォーマットにデータを変換するからである。
【0011】
いくつかの態様によれば、WECは、1つ以上のデフォルトのMSDAを保存して、複数の置換可能なMSDAの中から適合するMSDAを特定できない場合、デフォルトのMSDAをMSDに関連付けるように配置されている。従って、新しいキーボードやコンピュータマウスなどの未知の周辺デバイスがパーソナルコンピュータに接続された場合に起こることと同様に、たとえ適合するMSDAが見つからなくても、デフォルトのMSDAを使用して、MSDから少なくとも一部の機能を得ることができる。例えば、MSDの全機能の能力の使用を可能とする適合するドライバが見つかるまで、先進的なスリップ制御機能以外の限られた制動機能で、サービスブレーキを潜在的に使用することができる。
【0012】
いくつかの態様によれば、WECは、1つ以上の更新版のMSDAを受信し、保存された対応するMSDAを、受信した更新版のMDSAで置換するように構成されている。このメカニズムによって、車両のフリート(fleet)においてMSDを制御する制御構造が常に最新のものになることを保証するために使用することができる、効率的な集中型のアップデート手続きが可能になる。ソフトウェアのエラーをフィックス、及び性能を最適化するアップデートのパッチは、便利で効率的な方法で、車両のフリートに配信することができる。例えば、WECは、外部のMSDAリポジトリに接続され、1つ以上の更新版のMSDAを特定し、特定した更新版のMSDAをダウンロードし、保存された対応するMSDAをダウンロードした更新版のMSDAによって置換するように構成することができる。
【0013】
いくつかの態様によれば、WECはまた、WECにおいて現在有効なMSDAのセットがWECの用途に認証されているかを検証する、認証プロトコルを実行するように配置されている。このように、MSDAが、制御構造に課せられた要求を満たすことを保証できる。サードパーティのソフトウェアは、所定のタイプの車両での使用が保証され、保証されたサードパーティのソフトウェアだけが、WECで実行することを許可することができる。同様なメカニズムを使用して、車両に接続されているMSDが車両に課せられた要求を満たすことを検証することができる。従って、いくつかの態様によれば、WECはまた、WECに現在接続されているMSDがWECの用途に認証されているかを検証する認証プロトコルを実行するように配置されている。ここで、WECに現在接続されているMSDは、それぞれ適合するMSDAを介して、WECと通信するように構成された制御ユニットを含んでいる。
【0014】
いくつかの態様によれば、WECは、それぞれのホイールエンドセンサ及び/又はアクスルセンサに関連付けられた1つ以上のデータ処理アルゴリズムを取得して保存するように配置されている。そして、WECは、ホイールエンドセンサ及び/又はアクスルセンサからセンサデータを取得し、ホイールエンドセンサ及び/又はアクスルセンサに関連付けられたデータ処理アルゴリズムを実行してセンサデータを処理するように配置されている。これは、データ処理アルゴリズムが、車両に現在搭載されているMSDのセットに適合できることを意味している。ここで、MSDのサプライヤ及び他の者は、有利なことに、特定のMDSに適合するようにカストマイズされたデータ処理アルゴリズムを提供することができる。そのようなデータ処理アルゴリズムは、例えば、車輪回転角度、車輪速度、車輪力、及び/又は車輪トルク、タイヤの摩耗、ブレーキパッドの摩耗、及び温度による能力変化のいずれかを、センサデータに基づいて推定するアルゴリズムを含んでいてもよい。データ処理アルゴリズムはまた、ホイールエンドモジュールに関連付けられたタイヤに依存して構成可能であってもよい。これは、タイヤメーカーが、所定のタイヤに特に適合するソフトウェアモジュールを提供することができることを意味している。従って、タイヤの特性に依存するアルゴリズムは、有利なことに、車両に取り付けられた特定のタイヤを最適化することができる。
【0015】
本明細書はまた、方法、制御システム、制御ユニット、コンピュータプログラム、コンピュータ可読媒体、コンピュータプログラム製品、及び上述した利点に関連付けられた車両を開示する。
【0016】
一般的に、特許請求の範囲で使用するすべての用語は、本明細書で明確に他の方法で定義されない限り、本技術分野における通常の意味に従って解釈される。「要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなど」へのすべての言及は、要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つの例に言及するように公然と解釈される。本明細書に記載の任意の方法のステップは、明確に述べない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲、及び以下の説明を検討すれば明確になるであろう。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下で説明する実施形態以外の実施形態を生み出せることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付の図面を参照し、以下、例として挙げられる本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
【
図2】ホイールエンド制御装置及びモニタ装置を概略的に示している。
【
図3】大型車両の制御及びモニタの階層を示している。
【
図6】車両ユニットの組み合わせの制御システムを示している。
【
図9】コンピュータプログラム製品の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明の特定の態様を示す添付の図面を参照して、以下、本発明についてより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態及び態様に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は一例を提示するものであって、この開示が一貫して終了し、本技術分野の当業者に本発明の範囲を詳細に伝える。同様な符号は、説明の全体を通して同様な要素を指す。
【0020】
本発明は、本明細書に記載、及び図面に示されている実施形態に限定されないと理解すべきである。むしろ、当業者であれば、添付の特許請求の範囲の範囲内で、多くの変更及び修正をなし得ることを理解するであろう。
【0021】
図1は、本明細書に記載の技術を有利に適用することができる、貨物輸送の例示的な車両100を示している。車両100は、少なくともいくつかが駆動輪である前輪150及び後輪160に支持された、トラクタ又は牽引車両110を含んでいる。トラクタ110は、周知の方法で第5輪によって連結された、トレーラ車輪170に支持された第1のトレーラユニット120を牽引するように構成されている。トレーラ車輪は、通常、制動輪であるが、1つ以上のアクスル上の駆動輪を含んでいてもよい。
【0022】
トラクタ110は、様々な種類の機能を制御して、推進、制動及び操舵を成し遂げるVUC130を含んでいる。いくつかのトレーラユニット120もまた、トレーラの様々な機能を制御する制御ユニット140を含んでいる。
【0023】
車両100は、オプションとして、無線ネットワーク180への無線リンク185を確立するように配置された無線通信送受信機を含んでいる。このように、制御ユニット130,140は、無線ネットワーク180に接続されているリモートサーバ190をアクセスして、データをアップロード及びダウンロードすることができる。
【0024】
図3をまた参照すると、トラクタ110の制御ユニット130(及びことによるとトレーラ120の制御ユニット140もまた)を、いくつかの機能が高位階層の交通状況管理(TSM)ドメインに含まれることができ、いくつかの他の機能が低位階層に駐在する車両モーション管理(VMM)ドメインに含まれることができる、階層構造の機能構造に従って配置することができる。TSMは、例えば、10秒の時間間隔(time horizon)で走行動作(driving operation)を計画し、VMMをモニタ及び制御する。この時間枠は、例えば、車両100が曲路を通り抜けるのにかかる時間に対応している。TSMによって計画及び実行される車両の操縦は、加速度情報及び曲路情報に関連付けることができる。TSMは、VMMから、安全かつ堅牢な方法でTSMからの要求を満たす力配分を実行する、所望の加速度情報及び曲路情報を連続して要求する。
【0025】
VMMは、約1秒の時間間隔で動作し、加速度情報及び曲路情報を制御コマンドに連続的に変換して、車両の異なるMSDによって起動された、車両モーション機能を制御する。VMMはまた、車両が停止(turn off)、駐車、走行、後退又は前進するかを決定する機能を管理する。車両が走行していれば、VMMは、モーション推定を実行、即ち、しばしばMSDに接続して、車両に配置された様々なセンサを使用して動作をモニタすることによって、位置、速度、加速度、車両の組み合わせにおける異なるユニットの連結角度を決定する。
【0026】
また、VMMは、力発生及び協調を管理、即ち、TSMからの要求を満たすために、要求された力が何であるかを決定して、例えば、TSMによって要求された加速度情報に従って車両を加速、及び/又はTSMによって要求された車両による特定の曲路モーションを引き起こす。この力は、例えば、前後方向の力、左右方向の力、及び異なるタイプのトルクを含むことができる。
【0027】
各MSDは、WECによって提供及び実行される、それぞれのMSD抽象化部(MSDA)に関連付けられる。MSDAは、外部の車両ユニットコンピュータ(VUC)とそれぞれのMSDの動作機能との間の制御インターフェース、及び/又はモニタインタフェースを提供する。
【0028】
MSDAは、本開示のいくつかの態様によれば、通常、電気回路を駆動するように配置された、コンピュータのオペレーティングシステムで見られる、ソフトウェアドライバと類似している。MSDAは、1つ以上のセンサも潜在的に含む機械的なデバイスを駆動するように配置された、ソフトウェアモジュールとして見ることができる。従って、いくつかの態様によれば、MSDAは、MSDドライバとも呼ぶことができる。
【0029】
図3を再度参照すると、VMMは、車両の組み合わせにおいて、MSDAを介して様々なMSDの調整を行い、所望の車両のアクションを得る。これは、推進デバイス、摩擦ブレーキ、補助ブレーキ、サスペンションデバイス、及びステアリングデバイスの調整が必要である可能性がある。(加速度情報及び曲率情報などの)TSM要求とVMM層によるMSDアクションとの間の変換の例は、一般的に知られており、従って、本明細書では詳細に説明しない。
【0030】
MSDAは、その制御インターフェースの使用が、例えば、VMMによって、MSDAが実際のMSDアクションを行うことになる場合、一般的に、その動作をモニタ及び制御することを可能にするインターフェースを提供する。このインターフェースは、古典的な信号を指向するインタラクションパターンだけでなく、クライアント/サーバ、及び発行者(publisher)/契約者(subscriber)のメカニズムを介して提供することができる。車両の一部分に取り付けられた油圧式のドラムブレーキ、及び車両の他の部分に取り付けられたディスクブレーキや、車両の一部の車輪を制動する電気式のドラムブレーキ、及び他の車輪を制動するディスクブレーキや、車両の一部分に取り付けられた直流式の電動モータ、及び車両のいくつかの他の部分に取り付けられた交流式の電動モータなど、車両の組み合わせに同時に搭載された類似の機能を有する異なるタイプのMSDが存在することができる。従って、異なるMSDAは、VMMなどの上位レイヤの機能に向かって、異なる種類のインターフェースを提示することができる。
【0031】
第5輪連結、ドローバーなどの他の車両部品は、MDSとも見做すことができ、従って、それぞれのMSDAに関連付けることができる。第5輪連結は、例えば、連結角度値を取得することができる、WEC上で動作しているMSDAと関連付けることができる。同様に、牽引フックユニットは、トレーラが現在牽引フックに連結されているかに関して、データを提供するMSDAに関連付けることができる。
【0032】
MSDAを伴うますます多くのMSDが市場で利用可能になるので、同じ電子制御ユニット(ECU)、より具体的にはWECを使用して、異なるサプライヤからの複数のMSDAを提供することによって、1つ以上のタイプのMSDを動作させることができることが利点となる。
【0033】
図3は、
図1に関して上述した車両などの車両100の制御に使用する、例示的な制御構造300の概要を示している。TSM及びVMMについては上述した。TSMは、インターフェースAを介してVMMと通信する。このインターフェースは、通常、イーサネットインターフェースなどの有線インターフェースであるが、無線リンクを含む他のタイプのインターフェースも可能である。
【0034】
上記の説明によれば、VMMは、複数のMSDAに接続されている。この接続は、インターフェースBを介している。このインターフェースは、通常、有線のデジタルインターフェースであるが、無線のインターフェースも可能である。
【0035】
そして、各MSDAは、インターフェースCを介してそれぞれのMSDを制御する。このインターフェースCは、通常、制御されるMSDのタイプに依存している。それは、アナログ信号とデジタル信号との両方を含むことができ、機械式、油圧式及び空気圧式の信号さえ可能である。MSDは、インターフェースCを介してアクセスすることができる、様々なセンサを含んでいてもよい。
【0036】
様々なMSD及びセンサは、異なるタイプであってもよく、異なるサプライヤからのものであってもよい。従って、WEC220は、所望の効果を得るために、センサ又はMSDのタイプ及びブランドに依存する制御コマンドに適合させる必要がある可能性がある。
【0037】
提案されたMSDAに基づく構造を実装することによって、1つ以上のWEC上で動作しているVMMと異なるMSDAとの間の標準化されたインターフェースBを使用することが可能になる。そして、WECは、通常、標準化されたフォーマットで、異なるMSDについてインターフェースCで接続して動作させるとともに、VMM機能へとステータス及び能力を報告する。
【0038】
様々なホイールエンドセンサは、車輪に関連して、及び/又はMSDに関連して配置することができる。例えば、車輪速度センサは、車輪の回転速度を示す出力信号を提供する。力センサは、サスペンションユニットに関連して配置することができ、車輪の現在の通常負荷に関する情報を提供する。これらの出力信号は、センサからセンサまで異なる形式でフォーマットされていてもよく、例えば、車輪スリップを推定するアルゴリズムが、車輪速度データを提供するどのセンサであるかに依存して異なっていてもよい。MSDAを使用してそのような違いを吸収し、より高位のレイヤ機能に向かってより統合されたインターフェースを提示してもよい。
【0039】
図2は、WEC220を備えた装置200を示している。VUC210上で動作しているソフトウェアは、WEC220上で提供及び実行されるMSDAへの制御コマンドを生成し、WEC220上で動作しているMSDAからのステータス及び能力のレポートを受信する。この情報の交換は、いくつかの実装では、標準化されたインターフェース215を介して行うことができる。VUC210は、上述した車両制御ユニット130の一部を形成することができ、VMM、及びことによると
図3に関連して説明したTSMなどの機能も実装することができる。VUC210は、例えば、上述したリモートサーバ190への通信リンク280を形成可能にする、無線又は有線の1つ以上の通信モジュールを更に含んでいてもよい。
【0040】
WEC220は、潜在的に異なるタイプの様々なMSDとインターフェースで接続するポートを含んでいる。この明細書における「ポート」は、物理的なアクチュエータ又はセンサへのアナログ又はデジタルの電気的接続であってもよい。ポートはまた、物理的なアクチュエータ又はセンサデバイスへのアナログ接続及び/又はデジタル接続の集合体(collection)を含んでいてもよい。
【0041】
図2は、車輪ブレーキ240、アクティブサスペンションデバイス250、及び電気機械260、及びパワーステアリングデバイス270のそれぞれへのポート又はインターフェース245,255,265を示している。電気機械260は、正のトルク及び負のトルクの両方を生成するように配置することができる。
【0042】
各車輪230、又は車両100の車輪の少なくともサブセットは、その特定の車輪に関連したMSD240,250,260,270を制御するWEC220に関連付けることができる。車輪の端部により近い機能を動かすことによって、車輪スリップ制御などの多くの機能を遅延の少ない制御ループ及び高制御帯域幅で局所的に実行することができるので、制御ループがより短くなる。WECが車両のアクスルに関連付けられた機能を制御することができると認識されたい。この場合、WECは、ことによるとアクスルコンピュータとより適切に呼ばれるが、本明細書では一般的にWECを使用する。
【0043】
WEC220は、異なるサプライヤからソフトウェアを提供するように構成され、車両メーカからの標準的なホイールエンドセンサが、摩耗状態、摩耗要因、タイヤを交換する予測時間など、タイヤの特性を予測する、タイヤサプライヤからのアルゴリズムと共に使用される。従って、MSDAは、他のソフトウェアモジュールとインターフェースで接続され、機能を増やすことができる。そのような他のソフトウェアモジュールは、ソフトウェアモジュールのプラグインという形態であり、MSDAによって増加及び/又は改良された機能を提供することができる。例えば、WECは、車輪をモニタするMSDAを含むと考えることができる。車輪は、所定のタイヤサプライヤからのタイヤを有している。このタイヤサプライヤは、車輪のMSDAにプラグインされたとき、タイヤの現在の特性を推定して、摩耗状態、摩耗要因、及びタイヤを交換する予測時間など、タイヤの将来の特性を予測可能にする、ソフトウェアプラグインモジュールを供給することができる。タイヤが異なるメーカからのタイヤに交換されたならば、プラグインモジュールを、ことによると新しいタイヤのサプライヤによって開発された、新しいタイヤにより適合したプラグインモジュールに交換することができる。
【0044】
車輪回転角度センサ、車輪速度センサ、車輪力センサ及び/又は車輪トルクセンサ、ホイールハブ温度センサ、ブレーキディスク温度センサ、空気圧センサ、車輪加速度センサなどの様々なホイールエンドセンサ290、並びに空気圧などのタイヤセンサは、上述したように、車輪230に関連して配置することができる。WEC220は、オプションとして、これらのセンサからの測定データ及びステータス報告を受信して測定データを処理し、インターフェース215を介してVUC210への利用可能若しくは報告されるアクティビティを作成し、又はホイールエンドモジュール制御のためにWECにおいて直接使用される、様々なメトリックス及びパラメータを推定するように構成されている。測定データは、この明細書において、例えば、MSD上のコンピュータによって前処理された、ただのアナログ値又はデジタル値を含んでいてもよい。MSDが先進的なコンピュータをすべて含む場合、WECは、MSDとVUCとの間の情報を転送する、ハブ又はスイッチの機能と同様な機能へと戻る。
【0045】
要するに、本明細書では、大型車両100上の1つ以上のMSD240,250,260,270のそれぞれの動作をモニタ及び/又は制御するように構成された、1つ以上の置換可能なMSDAを提供及び実行する新規なタイプのWEC220を実装することが提案される。MSDAが、WECの外部のVUC210,210’間の制御インターフェース及び/又はモニタリングインターフェース、並びにそれぞれのMSDの動作機能を提供すると認識されたい。WEC220は、各MSDについて、WECに接続されている各MSDなどが、MSDのセットの中から適合するMSDAを特定し、WECに接続されている各MSDがそれぞれのMSDAに適合するように配置されている。WEC220はまた、VUC210,210’から、WECに接続されているMSDをモニタ及び/又は制御するモニタコマンド及び/又は制御コマンドを受信して、それぞれに適合したMSDAを介してMSDを制御するように配置されている。
【0046】
これは、WECによってサポートされたMSDの数がWECにおけるMSDAの有効性に依存することを意味している。MSDのサプライヤが互換性を持つMSDを提供したいのであれば、サプライヤがそのMSDのMSADを単に開発して、MSDと共にMSDAを供給することができる。MSDAがVUCに関して透明性を提供するので、車両メーカは、異なるサプライヤからのMSD間で選択することが自由になる。また、WECが特有のMSDAにそれぞれインストールされるMSDによって、異なるMSDに適合することができるので、潜在的に異なるサプライヤ及び異なるタイプのWECを使用して複数の異なるMSDを制御することができる。
【0047】
例えば、2つ以上の異なるタイプの摩擦ブレーキが市場で利用可能であり、摩擦ブレーキとWECとの間の物理的な制御インターフェースがすべてのブレーキで同じであると考える。さらに、工場が、第1のタイプの摩擦ブレーキを欠品しているが、第2のタイプの在庫をまだ持っていることを考える。そして、何らかの理由により大型車両が1つ以上の摩擦ブレーキを交換する必要がある場合、車両上の他の摩擦ブレーキが第1のタイプのものであっても、第2のタイプの摩擦ブレーキのサプライヤからの摩擦ブレーキを使用することができる。2つのタイプの摩擦ブレーキの特性及び応答特性が多分異なっており、例えば、1つのタイプの摩擦ブレーキが他のタイプのものと比較して、所定の制御信号レベルにより強い制動効果を与えることができる。しかしながら、車両制御アルゴリズム、即ち、VVM及びTSMは、適合するMSDAが各WECに接続される摩擦ブレーキのタイプでインターフェースに接続されることを見られる限り、この違いを原因とするために調整される必要はない。
【0048】
MSDAベースの制御構造はまた、車両に現在搭載されているMSDAが所定の車両に課せられている仕様及び要求を満たすことを確認するために有利に使用することができる。例えば、上述した第2のタイプの摩擦ブレーキが、特定のタイプの車両の用途に認証されていないこと考える。そして、新しいタイプのMSDAをインストールするときに認証手続きが必要であれば、認証されていない摩擦ブレーキに適合するMSDAはパスされて、新しいタイプの摩擦ブレーキへの切り替えは許可されない。
【0049】
いくつかの態様によれば、MSDは、2つの基本タイプに分類することができる。第1のタイプのMSDは、それらが完成、安定、単純であるという意味で堅牢であるMSD、及び/又は車両メーカによって広く検証されたものである。そのようなMSDについて、MSDからWECへの入出力(I/O)が設計され、MSDの複雑さの大部分がWECへと移されるように、ことによるとMSD上のマイクロコントローラの必要性を避けることができる。すべてのソフトウェア定義の機能のほとんどが、そのような第1のタイプのMSDのためにWEC上で実行されるわけではない。
【0050】
第2のタイプのMSDは、第1のタイプのMSDとは多少反対であり、例えば、未完成、不安定、及び/又は非常に複雑であるMDSである。これらのMSDについて、WECに関する通信インターフェースを定義することが望ましく、MSD制御及び機能のモニタをWECに持っていく代わりに、MSDサプライヤにMSDの開発を取り扱かわさせる。結局、第2のタイプのMSDは、もちろん時間とともに第1の対応のMSDに進化させることができる。
【0051】
もちろん、機能がWECとMSDのマイクロコントローラとの間で分配される場合、2つ以上のタイプを第1及び第2のタイプの2つの両極端の中間で定義することができる。
【0052】
有利なことに、電気機械などのMSDが故障した場合、もう1つのMSD、ことによると異なるタイプ又はブランドのものと置換することができる。新しいMSDのための適切なMSDAが利用可能であり、かつMSDAが以前(並びに、MSDが同様にアナログ及びデジタルのI/Oと互換である)のものと同じインターフェースを提供する限り、置換は簡単である。
【0053】
MSDAは、通常、それぞれのMSDへの物理的なインターフェースの特定の形態のために開発されると認識されたい。MSDAがMSDとインターフェースを接続するWEC上の一般的なI/Oを使用する場合、WEC及びMSDAの信号インターフェースのアナログポートとデジタルポートとの間のマッピング又は関連付けを構成することができる。
【0054】
オプションとして、WEC220はまた、1つ以上のデフォルトのMSDAを保存し、置換可能な複数のMSDAの中から適合するMSDAが特定できない場合、デフォルトのMSDAをMSDに関連付けるように配置されている。デフォルトのMSDAは、MSDの全特徴のセットを含んでいないが基本動作を可能にする、所定のMSDを使用するための基本機能を提供することができる。例えば、サポートされていない車輪ブレーキが、より先進的な車輪スリップ制御機能ではなく、デフォルトのドライバによって動作して基本の制動動作を行うことができる。ここで、MSD及びMSDAはまた、同じI/Oポートに電気的に接続されてこれを取得して動作し、これによって、MSDは、同じ(全く類似していない)電気的特性を持つ必要がある。
【0055】
MSDAに基づくこの制御構造の利点は、WEC220がフィールドで1つ以上の更新版のMSDAを受信して、受信した更新版のMSDAによって、保存された対応するMSDAを置換するように構成できることである。このように、制御構造を最新に保つことができ、バグフィックスなどをフィールドで、即ち、ソフトウェアアップグレードのために物理的にサービスセンターを訪れることなく、適用することができる。1つ以上の更新版のMSDAは、例えば、VUC及び
図1に関連して上述したリモートサーバ190への無線リンクを介して、WEC220によって受信することができる。
【0056】
WECは、パーソナルコンピュータの通常の動作と同様に、信頼されている1つ以上のMSDAのリポジトリにインストールされたMSDAに、利用可能な更新版があるかを定期的に探すように構成することができる。これらの更新版は、例えば、信頼されているMSDAのリポジトリを実装することができる、VUC210又はリモートサーバ190において維持することができる。ここで、VUC210又はリモートサーバ190では、MSD及びMSDAの両方の異なるサプライヤ(開発者)が、新しく検証されたMSDA、及び検証された更新版を既存のMSDAにアップロードすることができる。従って、いくつかの態様によれば、WEC220は、外部のMSDAのリポジトリに接続され、1つ以上の更新版のMSDAを特定し、特定された更新版のMSDAをダウンロードし、ダウンロードされた更新版のMSDAによって保存されている対応するMSDAを置換するように構成されている。更新版のMSDAを特定するために、バージョン番号及び/又はタイムスタンプをMSDAに関連付けることができる。ドライバはまた、信頼されている権威者による検証後に、信頼されている権威者によってデジタル署名されることができる。このように、VUC及び/又はWECは、ダウンロードされたMSDAが信頼できること、即ち、ダウンロードされたMSDAがリポジトリで利用可能になる前に必要なテスト及び検証を受けたことを確認することができる。
【0057】
WEC220はまた、WECにおいて現在有効なMSDAがWECの用途に認証されていることを検証する、認証プロトコルを実行するように配置されていてもよい。この認証プロトコルは、例えば、WECがMSDAを要求して、MSDAによる応答が正しいものであることを検証する、要求応答手順に基づいていてもよい。
【0058】
要求-応答プロトコルの最も簡単な例は、要求がパスワードを求め、有効な応答が正しいパスワードである、通常のパスワード認証である。もちろん、例えば、公開鍵暗号などに基づく周知の他の要求-応答プロトコルを使用して、所定のMSDAの使用を認証することもできる。WEC、VUC又はリモートサーバ190さえ、承認されたMSDの最新のリストを維持してもよい。
【0059】
WEC220が、車載のマイクロコントローラ又は処理装置を含む、MSD240,250,260,270又はセンサ装置290に接続されたとき、それがまた要求を出し、正しい応答が車載のMSDのマイクロコントローラ、又はセンサの処理回路から得られなければ、WECは、警告信号を発するか、要求が正しく応答されるまで車両が動作しないようにすることができる。
【0060】
車両の動作領域(vehicle operational domain)は、一般的に、車両が設計された走行シナリオ及びユースケースのセットである。車両の動作領域以外の動作は、車両が意図されていない何かのために使用されることを意味する。所定のWECによって使用することができる承認されたMSDAを構成するものは、WECが搭載された車両100の動作領域に依存して構成されていてもよい。いくつかの車両は、MSD上において、他の車両よりも厳格な要求に関連付けられていてもよい。例えば、危険な物資を輸送する大型車両は、より危険でない物資を輸送する大型車両と比較して、搭載されたMSDにおいて、より厳格な要求を出すことができる。この要求はまた、車両によって実行されている現在の輸送任務に依存して構成されていてもよい。いくつかの態様によれば、新しいMSDがWECに接続されると、WECは、現在の車両及び設計動作領域(operational design domain)の用途のために、ことによるとリモートサーバ190に配置されている、承認済のMSDAのデータベースをアクセスする。MSDA及びMSDがそのリストに見つからなければ、WECは警告信号を発するか、又は車両が動作しないようにさえすることができる。例えば、車両に課せられる要求を満たさない車両に新しい摩擦ブレーキが取り付けられると、WECによって警告信号を発することができる。この警告信号は、VUCに車両の設計動作領域、例えば、制限最高速度を制限させるか、VMMの力配分ルーチンにより厳格な制限を課すようにしてもよい。
【0061】
WEC220は、オプションとして、ことによるとMSDと結合して配置される、1つ以上のホイールエンドセンサ290を管理するように配置されている。そして、WEC220は、それぞれのホイールエンドモジュールのセンサと関連付けられた1つ以上の処理アルゴリズムを取得して保存するように配置されていてもよい。本開示のいくつかの態様によれば、センサは、装置の特性と見做される。例えば、車輪をMSDAに関連付けることができ、このMSDAが現在の車輪圧力及び現在の車輪速度などの特性をカプセル化することができる。
【0062】
MSDAに含まれるこれらのデータ処理アルゴリズムは、所定のセンサからのデータをどのように処理して特定の結果を得て、そして潜在的に、報告する前にこの結果をどのようにフォーマットするかを記述している。そして、データ処理アルゴリズムは、異なるサプライヤからの異なるタイプのセンサ間での変更を説明するために、センサのタイプに応じて異なるように構成されていてもよい。それから、WECは、ホイールエンドモジュールのセンサからセンサデータを取得し、ホイールエンドモジュールのセンサに特に関連付けられたデータ処理アルゴリズムを実行して、標準化されたインターフェース215でVUCに報告することができる、結果及びフォーマットにセンサデータを処理することができる。これは、センサを自由に選択して車両に搭載し、新しいタイプのセンサを説明するために必要な適合性が、古いタイプのセンサをサポートした同じコンピューティングプラットフォーム上のWECソフトウェアに大部分含まれるという、追加の恩恵をもたらす。関連するデータ処理アルゴリズムがWECにローディングするために利用可能である限り、センサから報告された実際のセンサデータのフォーマットにかかわらず、潜在的に標準化されたインターフェースを介して、所望のフォーマットで要求された情報を受信するVUCに対して、センサの選択が透明になる。データ処理アルゴリズムは、例えば、車輪回転角度、車輪速度、車輪力、及び/又は車輪トルクのいずれかをセンサデータに基づいて推定するためのアルゴリズム及び/又はパラメータを含むことができる。データ処理アルゴリズムはまた、オプションとして、ホイールエンドモジュールに関連付けられたタイヤに依存するように構成することができる。異なるタイヤは、WECによって説明することができる異なる特性を有していてもよい。そして、タイヤのサプライヤは、実際のタイヤと共に関連するソフトウェアルーチンを提供することができ、これによって、WECによって実行されるデータ処理及びパラメータの推定をカストマイズして、特定のタイプのタイヤについて最適化することができる。
【0063】
図4は、上述したように、複数のWEC220に接続するためのインターフェースを含んだVUC210を示している。各車輪は、それぞれのWEC220によって制御されている。その代わりに、1つのWECが、車軸、又は車軸のグループごとに配置されていてもよい。異なるサプライヤからの異なるタイプのMSDは、異なる車輪230a,230b,230c,230d,230e,230fに搭載され、これらのMSDが、WEC220に接続されているMSDについて適合するMSDAを実装するそれぞれのWECを介して、VUCによって制御されていてもよい。上述したように、いくつかのWECは、この状況がまれであっても、正しいMSDAを利用可能でないことを原因とする、1つ以上の接続されているMSDを制御するデフォルトのMSDAを使用することができる。VUC210上で実行されているVMMの機能と異なるWEC上で実行されている制御ルーチンとの間の通信は、標準化されたインターフェースフォーマットに応じてフォーマットされてもよい。
【0064】
VUC210は、
図1に示されるセルラー通信ネットワークの無線基地局など、リモートネットワークに接続するための通信モジュール410に接続されている。そのようなネットワークは、第三世代の協力プログラム(3GPP)によって定義された、第四世代の4Gセルラーネットワーク、及び第五世代のネットワークを含んでいてもよい。
【0065】
図5は、車両ユニット110において、VUC210とWEC220との間の通信のための代替的なレイアウトを示している。ここでは、
図4に示すVUCと異なるWECとの間のポイントツーポイント接続の代わりに、2つのデイジーチェーンリンク215’がVUCをWECに接続している。VUC210とWEC220との間の通信が途絶えることなく、デイジーチェーンリンクの一方が切断できるので、このようにかなりの冗長性を提供することができる。
【0066】
図6は、2つの車両ユニット110,120を含む車両100を概略的に示している。このトレーラユニット120はまた、ここではVUC210’を含んでいる。このVUC210’は、スレーブモードで動作し、マスターモードで動作しているトラクタのVUC210によって制御されている。2つのVUC間の通信リンク610は、イーサネットリンクなどの有線通信リンクであってもよい。通信リンクはまた、無線リンク、又は無線リンクと有線リンクとの組み合わせであってもよい。
【0067】
図7は、上述した少なくとも一部を集約した方法を示すフローチャートである。1つ以上のMSD240,250,260,270をWEC220によって制御する方法が図示されている。この方法は、MSDAが外部の車両ユニットコンピュータ210,210’からWECに接続されている1つ以上のMSDの機能を制御及び/又は管理するためのインターフェ―スを提供する、複数の置換可能なMSDAを取得して保存すること(S1)を含んでいる。この方法はまた、各MSDについて、接続されている各MSDが適合するそれぞれのMSDAに関連付けられるように、WECに現在接続されているMSDのセットの中から適合するMSDAを特定すること(S2)と、WECに接続されているMSDを制御するためのVUC210,210’からの制御コマンドを受信すること(S3)と、それぞれのMSDAを介してMSDを制御すること(S4)と、を含んでいる。
【0068】
図8は、いくつかの機能ユニットに関して、本明細書に記載の実施形態によるWEC220又はVUC210,210’など、制御ユニット800の構成要素を概略的に示している。この制御ユニット800は、大型車両100の上述した制御について、少なくとも一部の機能を実行するように構成されている。適切な中央処理装置CPU、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサDSPなどの1つ以上の任意の組み合わせを使用して、例えば、記憶媒体820の形態をとる、コンピュータプログラム製品に保存されたソフトウェア命令を実行可能な、処理回路810が提供されている。処理回路810は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC、又はフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAとしてさらに提供されていてもよい。特に、処理回路810は、制御ユニット101に、
図7に関連して説明した方法などの動作又はステップのセットを実行させるように構成されている。例えば、記憶媒体820は、動作のセットを保存することができ、処理回路810は、記憶媒体820から動作のセットを検索して、制御ユニット800に動作のセットを実行させるように構成されていてもよい。動作のセットは、実行可能な命令のセットとして提供されていてもよい。従って、処理回路810は、本明細書に開示されるような方法を実行するように配置されている。
【0069】
記憶媒体820はまた、例えば、磁気メモリ、光学メモリ、固体メモリ、又は離れて搭載されたメモリの任意の1つ、又は任意の組み合わせとすることができる、持続的な記憶装置を含んでいてもよい。
【0070】
制御ユニット800は、少なくとも1つの外部装置と通信するためのインターフェース830を更に含んでいてもよい。そのように、インターフェース830は、アナログ及びデジタルの構成要素、並びに有線通信又は無線通信のための適切な数のポートを含む、1つ以上の無線機及び受信機を含んでいてもよい。
【0071】
処理回路810は、例えば、インターフェース830及び記憶媒体820にデータ及び制御信号を送信することによって、インターフェース830からデータ及び報告を受信することによって、及び記憶媒体820からデータ及び命令を検索することによって、制御ユニット800の一般的な動作を制御する。制御ノードの他の構成要素、並びに関連する機能は、本明細書で提示される概念を不明りょうにしないように省略するものとする。
【0072】
図9は、プログラム製品がコンピュータ上で実行されるとき、
図7に示す方法を実行するためのプログラムコード手段920を含む、コンピュータプログラムを保持するコンピュータ可読媒体910を示している。コンピュータ可読媒体及びコード手段は、コンピュータプログラム製品900を共に形成することができる。
【0073】
本明細書で説明するMSDAは、WEC上にロードされる、コンパイルされたバイナリデータの一部を形成することができると認識されたい。従って、いくつかの実装については、置換されるMDSAは、複数のMDSAを含むバイナリデータを再コンパイルして、WEC上のバイナリデータを新しくコンパイルされたバイナリデータに置換される必要があることを認識されたい。単一のバイナリデータとは対照的に、MSDの実装エンティティはまた、もちろん、いくつかのファイルを含んでいてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のモーションサポートデバイス抽象化部(MSDA)を提供して実行し、大型車両(100)の1つ以上のモーションサポートデバイス(MSD;240,250,260,270)のそれぞれの動作をモニタ及び/又は制御するホイールエンドコンピュータ(WEC;220,800)であって、
モーションサポートデバイス抽象化部が、外部の車両ユニットコンピュータ(VUC;210,210’)とそれぞれのモーションサポートデバイスの動作機能との間の制御インターフェース及びモニタインターフェースを提供し、
前記ホイールエンドコンピュータ(220,800)が、各モーションサポートデバイスについて、前記ホイールエンドコンピュータに接続されている各モーションサポートデバイスがそれぞれのモーションサポートデバイス抽象化部に適合するように、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスのセットの中から適合するモーションサポートデバイス抽象化部を特定するように配置され、
前記ホイールエンドコンピュータ(220,800)が、前記車両ユニットコンピュータ(210,210’)からモニタコマンド及び/又は制御コマンドを受信し、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスを夫々モニタ及び/又は制御して、適合する前記モーションサポートデバイス抽象化部のそれぞれを介して前記モーションサポートデバイスを制御するように構成された、
ホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項2】
前記ホイールエンドコンピュータ(220,800)が、置換可能な複数のモーションサポートデバイス抽象化部を取得して保存するように配置された、
請求項1に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項3】
車輪ブレーキ(240)、アクティブサスペンションデバイス(250)、推進デバイス(260)、及び/又はパワーステアリングデバイス(270)のいずれかを含む1つ以上の接続されているデバイスを、複数の置換可能な前記モーションサポートデバイス抽象化部に基づいて制御するための出力ポート(245,255,265)を含む、
請求項1又は2に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項4】
車輪ブレーキ(240)、アクティブサスペンションデバイス(250)、推進デバイス(260)、及び/又はパワーステアリングデバイス(270)のいずれかを含む1つ以上の接続されているデバイスからデータを受信するための入力ポート(245,255,265)を含み、接続されているデバイスからのデータが、複数の置換可能な前記モーションサポートデバイス抽象化部において適合する前記モーションサポートデバイス抽象化部によって解釈されるように配置された、
請求項1~3のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項5】
1つ以上のデフォルトのモーションサポートデバイス抽象化部を保存し、複数の置換可能な前記モーションサポートデバイス抽象化部の中から適合するモーションサポートデバイス抽象化部が特定できない場合、デフォルトのモーションサポートデバイス抽象化部をモーションサポートデバイスに関連付けるように配置された、
請求項1~4のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項6】
1つ以上の更新版のモーションサポートデバイス抽象化部を受信し、受信した前記更新版のモーションサポートデバイス抽象化部によって保存された対応するモーションサポートデバイス抽象化部を置換するように構成された、
請求項1~5のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項7】
外部のモーションサポートデバイス抽象化部のリポジトリに接続し、1つ以上の更新版のモーションサポートデバイス抽象化部を特定し、特定された前記更新版のモーションサポートデバイス抽象化部をダウンロードして、ダウンロードした前記更新版のモーションサポートデバイス抽象化部によって保存された対応するモーションサポートデバイス抽象化部を置換するように構成された、
請求項1~6のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項8】
前記ホイールエンドコンピュータにおいて現在有効な前記モーションサポートデバイス抽象化部のセットが、前記ホイールエンドコンピュータの用途に認証されていることを検証するための認証プロトコルを実行するように配置された、
請求項1~7のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項9】
前記ホイールエンドコンピュータに現在接続されているモーションサポートデバイスが、前記ホイールエンドコンピュータの用途に認証されていることを検証するための認証プロトコルを実行するように配置され、前記ホイールエンドコンピュータに現在接続されている前記モーションサポートデバイスが、適合するモーションサポートデバイス抽象化部のそれぞれを介して、前記ホイールエンドコンピュータと通信するように構成された制御ユニットを含む、
請求項1~8のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項10】
前記認証プロトコルが、要求応答手続きを含む、
請求項8又は9に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項11】
それぞれのホイールエンドセンサ及び/又は車軸センサに関連付けられた1つ以上のデータ処理アルゴリズムを取得して保存するように配置され、前記ホイールエンドコンピュータが、ホイールエンドセンサ及び/又は車軸センサからセンサデータを取得し、前記ホイールエンドセンサ及び/又は車軸センサに関連付けられたデータ処理アルゴリズムを実行して前記センサデータを処理するように配置された、
請求項1~10のいずれか1つに記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項12】
前記データ処理アルゴリズムが、車輪回転角度、車輪速度、車輪力、及び/又は車輪トルク、タイヤの摩耗、ブレーキパッドの摩耗、並びに温度によって変化する能力のいずれかを、センサデータに基づいて推定するためのアルゴリズムを含む、
請求項11に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項13】
前記データ処理アルゴリズムが、前記ホイールエンドモジュールに関連付けられたタイヤに依存するように構成された、
請求項11又は12に記載のホイールエンドコンピュータ(220,800)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1つに記載の車両ユニットコンピュータ(VUC;210,210’)、及び複数のホイールエンドコンピュータ(220,800)を含むシステムであって、前記車両ユニットコンピュータが、前記複数のホイールエンドコンピュータ(220,800)に接続するためのインターフェースを含む、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムを含む、連結式の大型車両(100)の車両ユニット(110,120)。
【請求項16】
ホイールエンドコンピュータ(WEC;220,800)によって1つ以上のモーションサポートデバイス(MSD;240,250,260,270)を制御する方法であって、
外部の車両ユニットコンピュータ(VUC;210,210’)から、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスの1つ以上の機能を制御及び/又はモニタするためのインターフェースを提供する、複数の置換可能なモーションサポートデバイス抽象化部を取得して保存すること(S1)と、
各モーションサポートデバイスについて、前記ホイールエンドコンピュータに現在接続されているモーションサポートデバイスのセットの中から適合するモーションサポートデバイス抽象化部を特定し、接続されている各モーションサポートデバイスが適合するモーションサポートデバイス抽象化部のそれぞれと関連付けられるようにすること(S2)と、
前記車両ユニットコンピュータ(210,210’)からの制御コマンド及び/又はモニタコマンドを受信して、前記ホイールエンドコンピュータに接続されているモーションサポートデバイスを制御及びモニタすること(S3)と、
それぞれのモーションサポートデバイス抽象化部を介して、前記モーションサポートデバイスを制御及び/又はモニタすること(S4)と、
を含む方法。
【請求項17】
プログラムがコンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータに請求項16に記載の方法のすべてのステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム(920)。
【請求項18】
コンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータに請求項16に記載の方法のすべてのステップを実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体(910)。
【外国語明細書】