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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041959
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】音声データ再生システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220304BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138938
(22)【出願日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】P 2020147131
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519407426
【氏名又は名称】株式会社ミューシグナル
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 晃一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】選択した1以上のスピーカ装置に複数種類の音声データから1種以上の音声データを配信する音声データ再生システムを提供する。
【解決手段】音声データ再生システム1は、管理装置3と、音声データを再生する複数のスピーカ装置5とからなる。複数のスピーカ装置5のそれぞれは、スピーカ装置5を識別するための一意の固有識別子を記憶した識別子記憶部5Aを備えている。管理装置3は、複数種類の音声データを記憶した音声データ記憶部9Aと、固有識別子を用いて、音声データを配信する先の1以上のスピーカ装置を選択するスピーカ装置選択部9Bと、複数種類の音声データから、配信する1種以上の音声データを選択する音声データ選択部9Cと、スピーカ装置選択部9Bによって選択された1以上のスピーカ装置5に対して、音声データ選択部9Cによって選択された1種以上の音声データを配信する音声データ配信部9Dとを備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と、
前記管理装置と電気通信回線を介して接続され、音声データによる駆動信号により駆動されて、音声データを再生する複数のスピーカ装置とからなる音声データ再生システムであって、
前記複数のスピーカ装置のそれぞれは、前記スピーカ装置を識別するための一意の固有識別子を記憶した識別子記憶部を備えており、
前記管理装置は、
複数種類の前記音声データを記憶した音声データ記憶部と、
前記固有識別子を用いて、前記音声データを配信する先の1以上の前記スピーカ装置を選択するスピーカ装置選択部と、
前記複数種類の音声データから、配信する1種以上の前記音声データを選択する音声データ選択部と、
前記スピーカ装置選択部によって選択された前記1以上のスピーカ装置に対して、前記音声データ選択部によって選択された前記1種以上の音声データを配信する音声データ配信部とを備えている音声データ再生システム。
【請求項2】
管理装置と、
前記管理装置と電気通信回線を介して接続され、音声データによる駆動信号により駆動されて、音声データを再生する複数のスピーカ装置とからなる音声データ再生システムであって、
前記複数のスピーカ装置のそれぞれは、前記スピーカ装置を識別するための一意の固有識別子を記憶した識別子記憶部及び複数種類の前記音声データを記憶した音声データ記憶部を備えており、
前記管理装置は、
前記固有識別子を用いて、前記音声データを再生する1以上の前記スピーカ装置を選択するスピーカ装置選択部と、
前記複数種類の音声データから、再生する1種以上の前記音声データを選択する音声データ選択部と、
前記スピーカ装置選択部によって選択された前記1以上のスピーカ装置に対して、前記音声データ選択部によって選択された前記1種以上の音声データを再生させる音声データ再生指令部とを備えている音声データ再生システム。
【請求項3】
前記スピーカ装置は、少なくとも前記電気通信回線への接続状態に関する情報を内容とする状態信号を発信する状態信号発信部を備えており、
前記管理装置は、前記状態信号に基づき、前記複数のスピーカ装置の前記電気通信回線への接続状態を監視可能になっている請求項1または2に記載の音声データ再生システム。
【請求項4】
前記スピーカ装置は、出力する音声の音量を調節する音量調節部を備えている請求項3に記載の音声データ再生システム。
【請求項5】
前記状態信号には、前記スピーカ装置に設定されている前記音量状態に関する情報がさらに含まれており、
前記管理装置は、前記状態信号に基づき、前記複数のスピーカ装置に設定されている音量を監視可能になっている請求項4に記載の音声データ再生システム。
【請求項6】
前記管理装置は、予め前記1種以上の音声データを配信する日時を予約する配信予約部をさらに備えており、
前記音声データ配信部は、予約された日時に、前記スピーカ装置選択部によって選択された前記1以上のスピーカ装置に対して、前記音声データ選択部によって選択された前記1種以上の音声データを配信する請求項1に記載の音声データ再生システム。
【請求項7】
前記管理装置は、予め前記1種以上の音声データを再生する日時を予約する再生予約部をさらに備えており、
前記音声データ再生指令部は、予約された日時に、前記スピーカ装置選択部によって選択された前記1以上のスピーカ装置に対して、前記音声データ選択部によって選択された前記1種以上の音声データを再生させる再生指令を送信する請求項2に記載の音声データ再生システム。
【請求項8】
前記スピーカ装置は、有線または無線通信手段により外部端末と接続し、前記外部端末から受信した音声データによる駆動信号により駆動されて、音声データを再生することが可能である請求項1に記載の音声データ再生システム。
【請求項9】
前記スピーカ装置は、再生した音声に関する履歴情報を記憶する履歴情報記憶部を備えている請求項1,2または8に記載の音声データ再生システム。
【請求項10】
前記複数のスピーカ装置のそれぞれは、時間計数部を備えており、
前記管理装置の前記音声データ再生指令部は、前記1種以上の音声データを再生させる再生開始時刻を含む前記再生指令を送信する際に、再生開始予定時刻に前記再生指令の到達遅延時間を考慮した時間を加えた時刻を前記再生開始時間として送信するようになっている請求項2に記載の音声データ再生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置と複数のスピーカ装置からなる音声データ再生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
働き方改革や、感染症予防策のため、いわゆるテレワークが盛んに行われるようになっている。各企業は、各社員が使用しているパソコンの稼働状況の監視や、各社員からの報告をベースとして、社員の管理・監督を行っている。
【0003】
テレワークの場合、企業側が従来行っていた社内放送による社員の管理(例えば、始業時・休憩時・終業時のチャイムによる勤務管理や、体操を行うための音声を流すことによる体調管理等)が困難である。
【0004】
従来から複数のスピーカを用いた一斉放送システム(例えば、特開2011-4319号公報(特許文献1)や特許第4140721号公報(特許文献2))が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-4319号公報
【特許文献2】特許第4140721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の一斉放送システムは、同じ内容を、一方的に一斉放送するためのシステムである。テレワーク中は、別々の環境にいる、様々な属性を有する社員に合わせた放送を行う必要があり、テレワークにおける社員の管理にそのまま使えるものではない。
【0007】
また従来の音声を配信するシステムには、複数のスピーカから管理者側が選択した1以上のスピーカに、管理者側が選択した音声データを配信する音声データ再生システムは無かった。
【0008】
本発明の目的は、選択した1以上のスピーカ装置に、複数種類の音声データから1種以上の音声データを配信する音声データ再生システムを提供することである。
【0009】
特に、本発明の具体的な目的は、テレワーク中の各社員に対して、各社員向けに、社内放送のように音声配信が可能な音声データ再生システムを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、選択した1以上のスピーカ装置に、複数種類の音声データから1種以上の音声データを再生させる音声データ再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、管理装置と、この管理装置と電気通信回線を介して接続され、音声データによる駆動信号により駆動されて、音声データを再生する複数のスピーカ装置とからなる音声データ再生システムに関するものである。
【0012】
本発明の音声データ再生システムにおいては、複数のスピーカ装置のそれぞれは、スピーカ装置を識別するための一意の固有識別子を記憶した識別子記憶部を備えており、管理装置は、複数種類の音声データを記憶した音声データ記憶部と、固有識別子を用いて、音声データを配信する先の1以上のスピーカ装置を選択するスピーカ装置選択部と、複数種類の音声データから、配信する1種以上の音声データを選択する音声データ選択部と、スピーカ装置選択部によって選択された1以上のスピーカ装置に対して、音声データ選択部によって選択された1種以上の音声データを配信する音声データ配信部とを備えている。
【0013】
音声データ配信部が、スピーカ装置選択部によって選択された1以上のスピーカ装置(言い換えると1以上のスピーカ装置からなるスピーカ装置のグループ)に対して、音声データ選択部によって選択された1種以上の音声データを配信する。そのため、複数の音声データから選択された任意の音声データを、選択された1以上のスピーカ装置(スピーカ装置のグループ)に対して配信することができる。言い換えると、1以上のスピーカ装置からなる複数のスピーカ装置のグループから選択した1以上のグループに、1種以上の音声データを配信することにより、各グループごとに異なる音声データを配信することが可能になる。
これにより、例えば、次のような配信が可能である:
・全社員(全グループのスピーカ装置)に対して始業時・休憩時・終業時のチャイムの音声データを配信
・特定の部署の社員(特定のグループに属するスピーカ装置)にのみウェブ会議の招集を行う音声データを配信
・シフト制を有する会社において、該社員のシフトに合わせた(グループに合わせた)始業時・休憩時・終業時のチャイムの音声データを配信。
【0014】
なお、本明細書において、「音声」の語は、音、声、音楽等を含む広い概念のものである。
【0015】
他に、本発明の音声データ再生システムは、スーパーマーケット等の店頭に配置する音声サイネージシステムや、BGM(バックグラウンドミュージック)配信システムとしても利用することができる。この場合には、例えば、店舗の各コーナーにスピーカ装置を配置し、管理端末から選択したスピーカ装置ごと(選択したグループに属するスピーカ装置ごと)に再生する音声データを管理することが可能である。
【0016】
スピーカ装置は、少なくとも電気通信回線への接続状態に関する情報を内容とする状態信号を発信する状態信号発信部を備えており、管理装置は、状態信号に基づき、複数のスピーカ装置の電気通信回線への接続状態を監視可能になっていてもよい。スピーカ装置の状態を監視することで、間接的にテレワーク中の社員の監視(スピーカ装置の状態監視)を行うことができる。
【0017】
スピーカ装置は、出力する音声の音量を調節する音量調節部を備えていてもよい。使い方は任意であるが、例えばテレワーク中の社員であれば、社員の側で音量調節ができ、仕事に集中したい社員や電話中の社員の場合には、音量を0(ゼロ)にすれば、聞こえなくすることもできる。
【0018】
状態信号には、スピーカ装置に設定されている音量状態に関する情報がさらに含まれており、管理装置は、状態信号に基づき、複数のスピーカ装置に設定されている音量を監視可能になっていてもよい。このようにすれば、スピーカ装置の状態を監視することで、間接的にテレワーク中の社員の監視を行うことができる。
【0019】
管理装置は、予め1種以上の音声データを配信する日時を予約する配信予約部をさらに備えていてもよい。この場合、音声データ配信部は、予約された日時に、スピーカ装置選択部によって選択された1以上のスピーカ装置に対して、音声データ選択部によって選択された1種以上の音声データを配信するようにしてもよい。このようにすれば、音声データの予約配信ができる。これにより、定時に始業時・休憩時・終業時のチャイムを鳴らしたり、体操を行うための音声を流すことで、社員の働くリズムの管理ができる。
【0020】
スピーカ装置は、有線または無線通信手段により外部端末と接続し、外部端末から受信した音声データによる駆動信号により駆動されて、音声データを再生することが可能であってもよい。このようにすれば、スピーカ装置の使用者が保有しているスマートフォンやパソコン等の端末と接続して、一般的なスピーカ装置のような使い方もできる。
【0021】
スピーカ装置は、再生した音声に関する履歴情報を記憶する履歴情報記憶部を備えていてもよい。このような履歴情報を確認することで、スピーカ装置の利用状況を確認することができる。また、発明者らの調査したところによると、人間は自然音を聴くことで精神的に安定するとのことである。そのため、自然音を再生させる場合には、その再生状況を履歴情報から確認することで、該社員が自身の、また、管理者側がテレワーク中の社員のメンタルチェックを行うことができる。
【0022】
本発明の音声データ再生システムにおいては、管理装置の代わりに、または、管理装置に加えて、複数のスピーカ装置のそれぞれが音声データ記憶部を備えるようにすることも可能である。この場合、管理装置は、スピーカ装置選択部によって選択された1以上のスピーカ装置に対して、音声データ選択部によって選択された1種以上の音声データを再生させる音声データ再生指令部を備えるように構成すればよい。このようにすると、予め、スピーカ装置の音声データ記憶部に音声データを記憶させておくことで、音声データを再生する際に、音声データを配信する必要がなくなり、スピーカ装置が通信環境がよくない場所に配置されていても、安定して音声データを再生することが可能となる。
【0023】
この場合、管理装置は、予め1種以上の音声データを再生する日時(日にちと時刻)を予約する再生予約部をさらに備え、音声データ再生指令部は、予約された日時に、スピーカ装置選択部によって選択された1以上のスピーカ装置に対して、音声データ選択部によって選択された1種以上の音声データを再生させる再生指令を送信するようにしてもよい。このようにすれば、音声データの予約再生ができる。
【0024】
通信環境によっては音声データを再生させる再生指令が各スピーカ装置に到達する時間にずれが生じる可能性がある。そのため、複数のスピーカ装置が接近して設置されている場合、同時に同じ内容の音声データの再生を指令しても、スピーカ装置からの音声がわずかにずれて、やまびこのような状態になることがある。そこで、複数のスピーカ装置のそれぞれに時間計数部を備えるようにして、管理装置の音声データ再生指令部は、1種以上の音声データを再生させる再生開始時刻を含む再生指令を送信する際に、再生開始予定時刻に再生指令の到達遅延時間を考慮した時間を加えた時刻を再生開始時間として送信するように構成されていてもよい。すなわち、例えば、再生開始予定時刻が「10時0分0秒」であった場合、ネットワークやハードウエアが原因となって発生する指令の到達遅延時間を考慮して、再生開始時刻を「10時0分10秒」として再生開始時刻を含む再生指令を送信する、ということである。このようにすれば、音声データを再生させる再生指令がずれて到達としたとしても、複数のスピーカ装置で再生開始時刻をある程度合わせることができる。
【0025】
本発明は、音声データ配信方法や、音声データ配信用コンピュータプログラムとしても捉えることができる。また、上述の音声データ配信システムに用いるスピーカ装置としても捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施の形態の音声データ再生システムの一例を示す図である。
図2】管理端末の表示部に表示される音声データ再生システムの管理画面の一例である。
図3】スケジュール設定画面の一例である。
図4】今すぐ再生設定画面の一例である。
図5】スピーカ装置の制御用ソフトウェアによる管理画面の一例である。
図6】音声データ再生システムの第2の実施の形態を示す図である。
図7】音声データ再生システムの第3の実施の形態を示す図である。
図8】管理端末の表示部に表示される音声データ再生システムの管理画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の音声データ再生システム1をテレワーク中の社員に配布したスピーカ装置を対象とした実施の形態(第1の実施の形態)を詳細に説明する。
【0028】
音声データ再生システム1は、管理装置3と、電気通信回線NWを介して接続された複数のスピーカ装置5(5a,5b・・・)から構成されている。管理装置3は、管理者が使用する管理端末7と、管理サーバ9から構成されている。この例では、スピーカ装置5は、テレワーク中の社員宅に配置され、管理端末7は、会社の管理部門や、社員の管理者宅に配置されている。
【0029】
スピーカ装置5のそれぞれは、スピーカ装置5を識別するための一意の固有識別子(機器ID)を記憶した識別子記憶部5Aと、スピーカ装置の状態を内容とする状態信号を発信する状態信号発信部5Bと、音量調節部5Cと、電気通信回線NWと接続された通信部5Dを備えている。また、有線または無線通信手段により外部端末と接続し、音声データを再生することもできる。
【0030】
管理端末7は、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、パソコン等が想定されるが、これらに限られるものではない。管理端末7は、表示画面を有する表示部7Aと、管理者が操作する操作部7Bと、プログラムを制御する制御部7Cと、データ記憶部7Dと、電気通信回線NWに接続された通信部7Eを備えている。管理端末7のデータ記憶部7Dには、予め、複数のスピーカ装置を制御するための制御プログラムをインストールしておく。これにより、制御部7Cにより制御プログラムを実行することで、電気通信回線NWを介して、管理サーバ9にアクセスし、表示部7Aに管理画面(図2)を表示することができる。本実施の形態では、管理端末7は1台として示してあるが、管理端末7を複数台用意し、複数の管理端末7で複数のスピーカ装置を管理することも可能である。
【0031】
管理サーバ9は、音声データ記憶部9Aと、スピーカ装置選択部9Bと、音声データ選択部9Cと、音声データ配信部9Dと、状態監視部9Eと、配信予約部9Fと、電気通信回線NWに接続された通信部9Gを備えており、管理端末7は、管理画面(図2)を介して、これらを利用することができる。音声データ記憶部9Aは、複数種類の音声データを記憶している。本明細書において、「音声」の語は、音、声、音楽等を含む広い概念のものである。スピーカ装置選択部9Bは、固有識別子を用いて、音声データを配信する先の1以上のスピーカ装置5を選択する。音声データ選択部9Cは、複数種類の音声データから、配信する1種以上の音声データを選択する。音声データ配信部9Dは、スピーカ装置選択部9Bによって選択された1以上のスピーカ装置5に対して、音声データ選択部9Cによって選択された1種以上の音声データを配信する。状態監視部9Eは、スピーカ装置5からの状態信号に基づきスピーカ装置5の状態を監視するものである。配信予約部9Fは、予め1種以上の音声データを配信する日時を予約するものである。
【0032】
図2は、管理端末7の表示部7Aに表示される音声データ再生システム1の管理画面の一例である。
【0033】
稼働状況表示部15には、登録されているスピーカ装置5の機器ID、表示名、接続状態(オンライン、オフライン、音楽再生中のいずれか)、設定されている音量が表示されている。
【0034】
モニター対象管理ボタン17は、登録するスピーカ装置5の数に増減が生じた場合に、登録・削除を行うためのボタンである。
【0035】
音源データ管理ボタン19は、配信する複数種類の音声データを試聴・追加・削除するためのボタンである。
【0036】
カレンダー表示部21は、配信日時をスケジュール設定する部分である。日付部分に設定されたボタンを押すと、図3のスケジュール設定画面が表示される。スケジュール設定画面には、スピーカ装置選択部9B、音声データ選択部9C、配信予約部9Fのそれぞれの設定部が表示されており、設定することで、予約した日時に、選択されたスピーカ装置5(選択されたグループに属するスピーカ装置5)に対して、選択された1種以上の音声データを配信することができる。これにより、定時に始業時・休憩時・終業時のチャイムを鳴らしたり、体操を行うための音声を流す、ということが可能になる。
【0037】
今すぐ再生設定ボタン23は、スケジュールにかかわらず今すぐに指定した音声データを配信するためのボタンである。ボタンを押すと、図4の今すぐ再生設定画面が表示される。今すぐ再生設定画面には、スピーカ装置選択部9B、音声データ選択部9Cのそれぞれの設定部が表示されており、設定することで、選択されたスピーカ装置5(選択されたグループに属するスピーカ装置5)に対して、選択された1種以上の音声データを配信することができる。
【0038】
メニューボタン25は、管理者アカウントの確認・変更及びログアウトを行うためのボタンである。カレンダーの開始曜日を日曜日にするか月曜日にするか等のオプションも選択できる。
【0039】
図5は、スマートフォンにインストールされたスピーカ装置5の制御プログラムによる管理画面である。この制御プログラムは、スピーカ装置5の直接の利用者、すなわち、テレワーク中の社員が利用するものである。この例では、Bluetooth(登録商標)等の無線通信手段により、スマートフォンとスピーカ装置5を接続している。音源リスト27から再生する音源を選択したり、再生コントロールパネル29から音量等を設定することができる。本実施の形態では、波の音等の自然音を音源として選択できるようになっている。また、メニューボタン31から、各種設定や、再生した音声に関する履歴情報をみることもできる。
【0040】
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の音声データ再生システムをBGM(バックグラウンドミュージック)配信システムとした実施の形態(第2の実施の形態)である。本実施の形態の構成は、第1の実施の形態と同様である。図6には、図1に示した実施の形態と同じ部材には、図1に付した符号の数に100の数を加えた数の符号を付して説明を省略する。
【0041】
本実施の形態では、店舗内の各所に、スピーカ装置105(105a乃至105d)を配置してあり、管理端末107(本例では、107a乃至107c)から選択したスピーカ装置ごと(選択したグループに属するスピーカ装置ごと)に再生する音声データを管理している。本実施の形態では、管理サーバ109は、音声データ記憶部109Aとして、音声データとしての音楽を記憶したストリーミングサーバを備えている。
【0042】
<第3の実施の形態>
図7及び図8は、本発明の音声データ再生システムをBGM(バックグラウンドミュージック)配信システムとした実施の形態(第3の実施の形態)である。図7及び図8には、図1及び図2に示した実施の形態と同じ部材には、図1及び図2に付した符号の数に200の数を加えた数の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施の形態では、スピーカ装置205は、さらに、時間計数部205Eと、音声データ記憶部205Fを備えている。また、管理装置203の管理サーバ209は、音声データ再生指令部209D′を備えている。
【0044】
時間計数部205Eが計数する時間は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が「NICT インターネット時刻供給サービス」により提供する日本標準時に基づいて定期的に日本標準時に設定されている(なお、他の時刻供給サービスや、管理端末207が有する時計機能と同期するようになっていてもよいのはもちろんである。また、日本以外の国等では、その国等の標準時に設定されていればよい)。
【0045】
音声データ記憶部205Fには、予め、再生する音声データ(本例では特にBGM)が記憶されている。管理サーバ209の音声データ記憶部209Aから新たに音声データを取得し、記憶することも可能である。
【0046】
音声データ再生指令部209D′は、スピーカ装置選択部209Bによって選択された1以上のスピーカ装置205に対して、音声データ選択部209Cによって選択された1種以上の音声データを再生させる再生指令を送信する。
【0047】
本実施の形態では、スピーカ装置205のそれぞれが音声データを有しているため、管理サーバ209からは、再生指令を送信するだけで、音声データの再生が開始されるようになっている。そのため、スピーカ装置205が通信環境がよくない場所に配置されていても、安定して音声データを再生することが可能となる。
【0048】
図8は、管理装置207の表示部207Aに表示される音声データ再生システム201の管理画面の一例である。
【0049】
稼働状況表示部215には、登録されているスピーカ装置205の機器ID、表示名、接続状態(オンライン、オフライン、音楽再生中のいずれか)、設定されている音量、スピーカ装置から流れている曲名(音声データ)が表示されている。
【0050】
また、稼働状況表示部215には、スピーカ装置選択部209Bの設定部であるチェックボックス233が各スピーカ装置205の欄に配置されており、また、稼働状況表示部215の右側には、音声データ選択部209Cの設定部235が配置されている。これにより、管理者は、再生指令を送信したいスピーカ装置に対応するチェックボックス233を選択してから、設定部235で音声データを選択するという簡易な操作で、スピーカ装置205を制御することが可能である。
【0051】
なお、通信環境によっては音声データを再生させる再生指令が各スピーカ装置に到達する時間にずれが生じる可能性がある。そのため、複数のスピーカ装置が接近して設置されている場合、同時に同じ内容の音声データの再生を指令しても、スピーカ装置からの音声がわずかにずれて、やまびこのような状態になることがある。そこで、本実施の形態では、再生指令を送信する際に、再生開始予定時刻に再生指令の到達遅延時間を考慮した時間を加えた時刻を再生開始時間として送信するようになっている。すなわち、例えば、再生開始予定時刻が「10時0分0秒」であった場合、ネットワークやハードウエアが原因となって発生する指令の到達遅延時間を考慮して、再生開始時刻を「10時0分10秒」として再生開始時刻を含む再生指令を送信する、というようにしてある(加算する時間は、一例であり、通信環境を考慮して増減させることが可能である)。このようにすれば、音声データを再生させる再生指令がずれて到達したとしても、複数のスピーカ装置で再生開始時刻をある程度合わせることができる。
【0052】
上記実施の形態は、一例として記載したものであり、その要旨を逸脱しない限り、本発明は本実施例に限定されるものではない。例えば、スーパーマーケット等の店頭に配置する音声サイネージとしても利用することができる。この場合には、例えば、店舗の各コーナーにスピーカ装置を配置し、管理端末から選択したスピーカ装置ごと(選択したグループに属するスピーカ装置ごと)に再生する音声データを管理することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 音声データ配信システム
3 管理装置
5 スピーカ装置
5A 識別子記憶部
5B 状態信号発信部
5C 音量調節部
5D 通信部
7 管理端末
7A 表示部
7B 操作部
7C 制御部
7D データ記憶部
7E 通信部
9 管理サーバ
9A 音声データ記憶部
9B スピーカ装置選択部
9C 音声データ選択部
9D 音声データ配信部
9E 状態監視部
9F 配信予約部
9G 通信部
15 稼働状況表示部
17 モニター対象管理ボタン
19 音源データ管理ボタン
21 カレンダー表示部
23 今すぐ再生設定ボタン
25 メニューボタン
27 音源リスト
29 再生コントロールパネル
31 メニューボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8