(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041972
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】電子式シフトレンジ切換装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20220304BHJP
G05G 1/08 20060101ALI20220304BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20220304BHJP
【FI】
B60K20/02 G
G05G1/08 B
G05G5/03 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139877
(22)【出願日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0110473
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521382827
【氏名又は名称】エルエス オートモーティブ テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒュン セオン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジン ハン
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA24
3D040AA33
3D040AA35
3D040AB01
3D040AC36
3D040AC60
3D040AF07
3J070AA14
3J070BA04
3J070BA41
3J070BA51
3J070BA71
3J070CA42
3J070CC71
3J070CD05
3J070CD06
3J070DA02
3J070EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンパクトで、かつ重畳要素を排除したシンプルな構造により複合的な動作を実現可能にすることで、耐久性を増大させ、操作信頼性を向上させる構造の電子式シフトレンジ切換装置を提供する。
【解決手段】車両の変速レンジを調整する電子式シフトレンジ切換装置であって、ハウジングユニット100と、一端が前記ハウジングユニットの外部に露出し、他端は前記ハウジングユニットの内部に配置され、かつ前記ハウジングユニットに対して回動可能に配置されるシフトノブユニット200と、前記シフトノブユニットの回転の中断の有無を調整し、予め設定された条件で前記シフトノブユニットの位置をPレンジにオートアライメント復帰させるロッキングコレクションインテグレーテットユニットと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の変速レンジを調整する電子式シフトレンジ切換装置であって、
ハウジングユニット100と、
一端がハウジングユニット100の外部に露出し、他端がハウジングユニット100の内部に配置され、かつハウジングユニット100に対して回動可能に配置されるシフトノブユニット200と、
前記シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整し、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるロッキングコレクションインテグレーテットユニット300と、を含むことを特徴とする、
電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項2】
前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、単数個のシングル駆動器410を含むインテグレーテットシングル駆動ユニット400と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて前記シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整するインターロッキングユニット500と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるセルフコレクションユニット600と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項3】
前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、前記シングル駆動器410と接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達するシングル駆動器伝達部430と、少なくとも一部が前記シングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達部440と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項4】
前記シングル駆動器伝達部430は、前記シングル駆動器410の駆動軸に配置されるシングル駆動第1伝達部431と、前記シングル駆動第1伝達部431と噛み合って回動するシングル駆動第2伝達部433と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項5】
前記シングルシェアリング伝達部440は、前記シングル駆動器伝達部430側と直接接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達する シングルシェアリング伝達ギア部450を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項6】
前記シングルシェアリング伝達ギア部450は、前記シングル駆動器伝達部430側とギア比を異ならせて一体に形成されるシングルシェアリング伝達駆動ギア451と、前記シングルシェアリング伝達駆動ギア451と噛み合うシングルシェアリング伝達メインギア453と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項7】
前記シングルシェアリング伝達部440は、前記シングルシェアリング伝達ギア部450の回転状態を検知するシングルシェアリング伝達検知ギア部460をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項8】
前記シングルシェアリング伝達検知ギア部460は、前記シングルシェアリング伝達メインギア453側とギア比を異ならせて一体に形成されるシングルシェアリング伝達検知メインギア461と、前記シングルシェアリング伝達検知メインギア461と噛み合って回動するシングルシェアリング伝達検知サブギア463と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項9】
前記インターロッキングユニット500は、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400により可動可能であるトリガーカムピン部520と、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、少なくとも他の一部が前記トリガーカムピン部520により直接接触駆動して前記シフトノブユニット200の回転を中断するインターロッキングカムピン部510と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項10】
前記トリガーカムピン部520は、トリガーピン収容部525と、一端が前記トリガーピン収容部525の内側に弾性支持されるトリガーピン弾性部523と、一端が前記トリガーピン弾性部523と接触して弾性支持されるトリガーピン521と、前記トリガーピン収容部525から離隔して配置され、少なくとも一部が前記トリガーピン521の他端と常時接触状態を成すトリガーピンカム527と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項11】
前記トリガーピンカム527は、前記シングル駆動ユニット400の少なくとも一側に一体に形成されることを特徴とする請求項10に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項12】
前記トリガーピン521は、一端が前記トリガーピン弾性部523と接触して弾性支持され、他端が前記トリガーピンカム527と常時接触状態を成すトリガーピンボディ5211と、前記トリガーピンボディ5211の他の一側と一体に連結されて前記インターロッキングカムピン部510側と接触するトリガーピンインターロッキングコンタクタ5213と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項13】
前記インターロッキングカムピン部510は、前記ハウジングユニット100のハウジングシャフト130の内部に形成されるインターロッキングピン収容部515と、前記インターロッキングピン収容部515の内部に配置され、一端が前記インターロッキングピン収容部515の内側に弾性支持されるインターロッキングピン弾性部513と、一端が前記インターロッキングピン弾性部513と接触して弾性支持されるインターロッキングピン511と、前記インターロッキングピン収容部515から離隔して配置され、少なくとも一部が前記インターロッキングピン511の他端と常時接触状態を成すインターロッキングピンカム517と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項14】
前記インターロッキングピン511は、一端が前記インターロッキングピン弾性部513と接触して弾性支持され、他端が前記インターロッキングピンカム517と常時接触状態を成すインターロッキングピンボディ5111と、前記インターロッキングピンボディ5111の他の一側と一体に連結され、前記トリガーカムピン部520側と接触するインターロッキングピントリガーコンタクタ5113と、を含み、前記トリガーカムピン部520側の少なくとも一部は、シフトノブユニット200の回動中心に向かって駆動される場合にともに駆動して、インターロッキングピンカム517との接触状態を解除可能であることを特徴とする請求項13に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項15】
前記インターロッキングピントリガーコンタクタ5113とトリガーカムピン部520側の少なくとも一部の接触点上で、前記インターロッキングピントリガーコンタクタ5113が前記トリガーカムピン部520側の少なくとも一部よりも前記シフトノブユニット200の回動中心側により近くに位置することを特徴とする請求項14に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項16】
前記セルフコレクションユニット600は、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を受けて可動可能であるセルフコレクションリードリブ610と、前記セルフコレクションリードリブ610と接触可能に離隔配置され、前記セルフコレクションリードリブ610により駆動力の伝達を受けて前記シフトノブユニット200の回動中心に沿って回動可能であるセルフコレクションフォロウィングリブ620と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項17】
前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、前記シングル駆動器410と直接接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達するシングル駆動器伝達部430と、少なくとも一部が前記シングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達部440と、を含み、前記インターロッキングユニット500は、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400により可動可能であるトリガーカムピン部520と、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、少なくとも他の一部が前記トリガーカムピン部520により直接接触駆動して前記シフトノブユニット200の回転を中断するインターロッキングカムピン部510と、を含み、前記電子式シフトレンジ切換装置10は、前記シフトノブユニット200およびシングルシェアリング伝達部440の回転状態を検知するシフトレンジ検知ユニット800をさらに含み、前記セルフコレクションリードリブ610は、前記シングルシェアリング伝達部440の一側に配置され、前記セルフコレクションフォロウィングリブ620は、前記シフトレンジ検知ユニット800の一側に配置されることを特徴とする請求項16に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項18】
前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、前記シフトノブユニット200が前記ハウジングユニット100の少なくとも一部に対して回動する場合、前記シフトノブユニット200の回動動作を触覚的に検知するディテントユニット700をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項19】
前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、前記シフトノブユニット200が前記ハウジングユニット100の少なくとも一部に対して回動する場合、前記シフトノブユニット200の回動動作を触覚的に検知するディテントユニット700をさらに含み、前記ディテントユニット700は、前記ハウジングユニット100のハウジングシャフト130の外周に離隔配置されるディテントプロファイルカム740と、ディテント収容部730と、少なくとも一端がディテント収容部730に可動可能に収容配置され、他端がディテントプロファイルカム740側と直接接触するディテントピン710と、前記ディテントピン710を弾性支持するディテント弾性部720と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項20】
前記セルフコレクションユニット600は、前記セルフコレクションリードリブ610と前記セルフコレクションフォロウィングリブ620が係止されてともに駆動される場合、前記ディテントピン710の少なくとも一部と前記ディテントプロファイルカム740側との直接接触を解除させるセルフコレクションディテントリトラクション部630を含むことを特徴とする請求項19に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項21】
前記セルフコレクションディテントリトラクション部630は、リトラクション収容部637と、少なくとも一部が前記リトラクション収容部637に可動可能に収容配置されるリトラクションピン631と、前記リトラクションピン631を弾性支持するリトラクション弾性部633と、前記リトラクションピン631の一端と常時接触状態を成すリトラクションカム635と、前記ディテントピン710に一体に形成されて前記リトラクションピン631と接触可能であり、前記リトラクションピン631が駆動する場合にともに可動可能であるリトラクションディテントピンコンタクタ639と、を含むことを特徴とする請求項20に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項22】
前記リトラクションディテントピンコンタクタ639と前記リトラクションピン631側の少なくとも一部の接触点上において、前記リトラクションディテントピンコンタクタ639が、前記リトラクションピン631側の少なくとも一部よりも前記シフトノブユニット200の回動中心側により近くに位置することを特徴とする請求項21に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項23】
前記リトラクションピン631は、前記リトラクション弾性部633により弾性支持されるリトラクションピンボディ6311と、前記リトラクションピンボディ6311と一体に形成され、前記リトラクションディテントピンコンタクタ639と接触するリトラクションピンディテントコンタクタ6313と、を含むことを特徴とする請求項21に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項24】
少なくともシフトノブユニット200の回転状態を検知するシフトレンジ検知ユニット800をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項25】
前記シフトレンジ検知ユニット800は、前記シフトノブユニット200と連結されてともに可動されるシフトレンジ検知メイン可動部810と、前記シフトレンジ検知メイン可動部810と相対可動可能に連結されるシフトレンジサブ可動部820と、前記シフトレンジサブ可動部820に配置されるシフトレンジ検知可動部830と、前記シフトレンジ検知可動部830に対応する位置に前記ハウジングユニット100の内部に位置固定されて配置されるサブシフトレンジ検知固定部840と、を含むことを特徴とする請求項24に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項26】
前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、単数個のシングル駆動器410を含むインテグレーテットシングル駆動ユニット400と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて前記シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整するインターロッキングユニット500と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるセルフコレクションユニット600と、を含み、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、前記シングル駆動器410と接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達するシングル駆動器伝達部430と、少なくとも一部が前記シングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達部440と、を含み、前記シングルシェアリング伝達部440は、前記シングル駆動器伝達部430側と直接接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達ギア部450と、前記シングルシェアリング伝達ギア部450の回転状態を検知するシングルシェアリング伝達検知ギア部460と、をさらに含み、前記シングルシェアリング伝達検知ギア部460は、シングルシェアリング伝達メインギア453側とギア比を異ならせて一体に形成されるシングルシェアリング伝達検知メインギア461と、前記シングルシェアリング伝達検知メインギア461と噛み合って回動するシングルシェアリング伝達検知サブギア463と、を含み、前記シフトレンジ検知ユニット800は、前記シングルシェアリング伝達検知サブギアに配置されるシフトレンジシェアリング伝達検知駆動部860と、前記シフトレンジシェアリング伝達検知駆動部860に対応する位置に、ユニット基板900上に配置されるシフトレンジシェアリング伝達検知固定部850と、を含むことを特徴とする請求項25に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【請求項27】
前記シフトノブユニット200は前記ハウジングユニット100に対して回動可能に配置され、前記シフトノブユニット200は前記シフトノブユニット200の回動を制限するノブストッパー部260、270をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電子式シフトレンジ切換装置。
【請求項28】
前記ノブストッパー部260、270は、前記ハウジングユニット100に配置されるノブストッパーボディ260と、前記シフトノブユニット200側に配置され、予め設定された角度範囲で前記ノブストッパーボディ260と係止されることで、前記シフトノブユニット200と前記ノブストッパーボディ260との間の相対回動を制限するノブストッパー対応部270と、を含むことを特徴とする請求項27に記載の電子式シフトレンジ切換装置10。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取り付けられるスイッチであって、車両変速レンジの選択動作、および/またはロック・アンロック乃至セルフアライン復帰動作を実現し、かつコンパクトな構造を成す変速シフトレンジ切換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のスイッチにおいて、種々の機能のスイッチが複合的に集約される傾向にあるが、機能の増大に伴い、その構造が複雑となり、複雑な構造による誤作動の可能性も増大している。
【0003】
特に、車両の単なる便宜的機能だけでなく、車両の必須機能、例えば、変速レンジを変化させる変速レバーも機械電子式乃至電子式スイッチに転換されているが、かかるスイッチ装置は、その類型によって、それぞれ耐久性や操作感、および操作感による操作認知力などの利点と欠点を有する。
【0004】
しかし、車両用装置という点から、耐久性およびユーザの操作による操作状態の認知の重要性が強調されており、従来技術に係るスイッチ構造は、構造的な制約により、構成要素が占める空間が過大であるか、または操作上の不便などが引き起こされるという問題を伴っていた。特に、スイッチの構成の個別動作のため、それぞれの構成要素が個別配置されていることにより、コンパクトなスイッチ装置の実現が非常に困難であった。
【0005】
特に、最近の車両変速スイッチは、シフトバイワイヤによる電子式構成を成しており、電子式構成の特性上、種々の安全要素が付加される傾向がある。しかしながら、機能の追加により装置が複雑となり、重畳する構成要素による原価上昇、および誤作動やメンテナンスの問題を伴っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の問題を解決するために発明されたものであって、本発明の目的は、コンパクトで、かつ重畳要素を排除したシンプルな構造により複合的な動作を実現可能にすることで、耐久性を増大させ、より正確な動作を実現可能にすることにより、操作空間を最小化し、かつ製造コストを低減させ、操作信頼性を向上させる構造の電子式シフトレンジ切換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の変速レンジを調整する電子式シフトレンジ切換装置であって、
ハウジングユニット100と、一端がハウジングユニット100の外部に露出し、他端がハウジングユニット100の内部に配置され、かつハウジングユニット100に対して回動可能に配置されるシフトノブユニット200と、前記シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整し、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるロッキングコレクションインテグレーテットユニット300と、を含むことを特徴とする電子式シフトレンジ切換装置10を提供する。
【0008】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、単数個のシングル駆動器410を含むインテグレーテットシングル駆動ユニット400と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて前記シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整するインターロッキングユニット500と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるセルフコレクションユニット600と、を含んでもよい。
【0009】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、前記シングル駆動器410と接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達するシングル駆動器伝達部430と、少なくとも一部が前記シングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達部440と、を含んでもよい。
【0010】
前記シングル駆動器伝達部430は、前記シングル駆動器410と直接接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達してもよい。
【0011】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シングル駆動器伝達部430は、前記シングル駆動器410の駆動軸に配置されるシングル駆動第1伝達部431と、前記シングル駆動第1伝達部431と噛み合って回動するシングル駆動第2伝達部433と、を含んでもよい。
【0012】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シングルシェアリング伝達部440は、前記シングル駆動器伝達部430側と直接接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達ギア部450を含んでもよい。
【0013】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シングルシェアリング伝達ギア部450は、前記シングル駆動器伝達部430側とギア比を異ならせて一体に形成されるシングルシェアリング伝達駆動ギア451と、前記シングルシェアリング伝達駆動ギア451と噛み合うシングルシェアリング伝達メインギア453と、を含んでもよい。
【0014】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シングルシェアリング伝達部440は、前記シングルシェアリング伝達ギア部450の回転状態を検知するシングルシェアリング伝達検知ギア部460をさらに含んでもよい。
【0015】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シングルシェアリング伝達検知ギア部460は、前記シングルシェアリング伝達メインギア453側とギア比を異ならせて一体に形成されるシングルシェアリング伝達検知メインギア461と、前記シングルシェアリング伝達検知メインギア461と噛み合って回動するシングルシェアリング伝達検知サブギア463と、を含んでもよい。
【0016】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記インターロッキングユニット500は、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400により可動可能であるトリガーカムピン部520と、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、少なくとも他の一部が前記トリガーカムピン部520により直接接触駆動して前記シフトノブユニット200の回転を中断するインターロッキングカムピン部510と、を含んでもよい。
【0017】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記トリガーカムピン部520は、トリガーピン収容部525と、一端が前記トリガーピン収容部525の内側に弾性支持されるトリガーピン弾性部523と、一端が前記トリガーピン弾性部523と接触して弾性支持されるトリガーピン521と、前記トリガーピン収容部525から離隔して配置され、少なくとも一部が前記トリガーピン521の他端と常時接触状態を成すトリガーピンカム527と、を含んでもよい。
【0018】
前記トリガーピン収容部525は前記ハウジングユニット100の内部に形成されてもよく、前記トリガーピン弾性部523は前記トリガーピン収容部525の内部に配置されてもよい。
【0019】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記トリガーピンカム527は、前記シングル駆動ユニット400の少なくとも一側に一体に形成されてもよい。
【0020】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記トリガーピン521は、一端が前記トリガーピン弾性部523と接触して弾性支持され、他端が前記トリガーピンカム527と常時接触状態を成すトリガーピンボディ5211と、前記トリガーピンボディ5211の他の一側と一体に連結されて前記インターロッキングカムピン部510側と接触するトリガーピンインターロッキングコンタクタ5213と、を含んでもよい。
【0021】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記インターロッキングカムピン部510は、前記ハウジングユニット100(より具体的には、ハウジングシャフト130))の内部に形成されるインターロッキングピン収容部515と、前記インターロッキングピン収容部515の内部に配置され、一端が前記インターロッキングピン収容部515の内側に弾性支持されるインターロッキングピン弾性部513と、一端が前記インターロッキングピン弾性部513と接触して弾性支持されるインターロッキングピン511と、前記インターロッキングピン収容部515から離隔して配置され、少なくとも一部が前記インターロッキングピン511の他端と常時接触状態を成すインターロッキングピンカム517と、を含んでもよい。
【0022】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記インターロッキングピン511は、一端が前記インターロッキングピン弾性部513と接触して弾性支持され、他端が前記インターロッキングピンカム517と常時接触状態を成すインターロッキングピンボディ5111と、前記インターロッキングピンボディ5111の他の一側と一体に連結され、前記トリガーカムピン部520側と接触するインターロッキングピントリガーコンタクタ5113と、を含み、前記トリガーカムピン部520側の少なくとも一部は、シフトノブユニット200の回動中心に向かって駆動される場合にともに駆動して、インターロッキングピンカム517との接触状態を解除可能であってもよい。
【0023】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記インターロッキングピントリガーコンタクタ5113とトリガーカムピン部520側の少なくとも一部の接触点上で、前記インターロッキングピントリガーコンタクタ5113が前記トリガーカムピン部520側の少なくとも一部よりも 前記シフトノブユニット200の回動中心側により近くに位置してもよい。
【0024】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記セルフコレクションユニット600は、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を受けて可動可能であるセルフコレクションリードリブ610と、前記セルフコレクションリードリブ610と接触可能に離隔配置され、前記 セルフコレクションリードリブ610により駆動力の伝達を受けて前記シフトノブユニット200の回動中心に沿って回動可能であるセルフコレクションフォロウィングリブ620と、を含んでもよい。
【0025】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、前記シングル駆動器410と直接接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達するシングル駆動器伝達部430と、少なくとも一部が前記シングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達部440と、を含み、前記インターロッキングユニット500は、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400により可動可能であるトリガーカムピン部520と、少なくとも一部が前記ハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、少なくとも他の一部が前記トリガーカムピン部520により直接接触駆動して前記シフトノブユニット200の回転を中断するインターロッキングカムピン部510と、を含み、前記電子式シフトレンジ切換装置10は、前記シフトノブユニット200およびシングルシェアリング伝達部440の回転状態を検知するシフトレンジ検知ユニット800をさらに含み、前記セルフコレクションリードリブ610は、前記シングルシェアリング伝達部440の一側に配置され、前記セルフコレクションフォロウィングリブ620は、前記シフトレンジ検知ユニット800の一側に配置されてもよい。
【0026】
前記セルフコレクションリードリブ610は、前記シングルシェアリング伝達部440の一側に一体に連結配置され、前記セルフコレクションフォロウィングリブ620は、前記シフトレンジ検知ユニット800の一側に一体に連結配置されてもよい。
【0027】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、前記シフトノブユニット200が前記ハウジングユニット100の少なくとも一部に対して回動する場合、前記シフトノブユニット200の回動動作を触覚的に検知するディテントユニット700をさらに含んでもよい。
【0028】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、前記シフトノブユニット200が前記ハウジングユニット100の少なくとも一部に対して回動する場合、前記シフトノブユニット200の回動動作を触覚的に検知するディテントユニット700をさらに含み、前記ディテントユニット700は、前記ハウジングユニット100のハウジングシャフト130の外周に離隔配置されディテントプロファイルカム740と、ディテント収容部730と、少なくとも一端がディテント収容部730に可動可能に収容配置され、他端がディテントプロファイルカム740側と直接接触するディテントピン710と、前記ディテントピン710を弾性支持するディテント弾性部720と、を含んでもよい。
【0029】
前記ディテント収容部730は前記ハウジングシャフト130の内部に形成されが、前記ディテント弾性部720は少なくとも一部が前記ディテント収容部730の内部に配置され、少なくとも一端が前記ディテントピン710と接触してもよい。
【0030】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記セルフコレクションユニット600は、前記セルフコレクションリードリブ610と前記セルフコレクションフォロウィングリブ620が係止されてともに駆動される場合、前記ディテントピン710の少なくとも一部と前記ディテントプロファイルカム740側との直接接触を解除させるセルフコレクションディテントリトラクション部630を含んでもよい。
【0031】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記セルフコレクションディテントリトラクション部630は、リトラクション収容部637と、少なくとも一部が前記リトラクション収容部637に可動可能に収容配置されるリトラクションピン631と、前記リトラクションピン631を弾性支持するリトラクション弾性部633と、前記リトラクションピン631の一端と常時接触状態を成すリトラクションカム635と、前記ディテントピン710に一体に形成されて前記リトラクションピン631と接触可能であり、前記リトラクションピン631が駆動する場合にともに可動可能であるリトラクションディテントピンコンタクタ639と、を含んでもよい。
【0032】
前記リトラクション収容部637は前記ハウジングシャフト130に形成され、前記リトラクション弾性部633は一端が前記リトラクションピン631と接触し前記リトラクションピン631を弾性支持してもよい。
【0033】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記リトラクションディテントピンコンタクタ639と前記リトラクションピン631側の少なくとも一部の接触点上において、前記リトラクションディテントピンコンタクタ639が、前記リトラクションピン631側の少なくとも一部よりも前記シフトノブユニット200の回動中心側により近くに位置してもよい。
【0034】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記リトラクションピン631は、前記リトラクション弾性部633により弾性支持されるリトラクションピンボディ6311と、前記リトラクションピンボディ6311と一体に形成され、前記リトラクションディテントピンコンタクタ639と接触するリトラクションピンディテントコンタクタ6313と、を含んでもよい。
【0035】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記電子式シフトレンジ切換装置は、少なくともシフトノブユニット200の回転状態を検知するシフトレンジ検知ユニット800をさらに含んでもよい。
【0036】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シフトレンジ検知ユニット800は、前記シフトノブユニット200と連結されてともに可動されるシフトレンジ検知メイン可動部810と、前記シフトレンジ検知メイン可動部810と相対可動可能に連結されるシフトレンジ検知サブ可動部820と、前記シフトレンジサブ可動部820に配置されるシフトレンジ検知可動部830と、前記シフトレンジ検知可動部830に対応する位置に前記ハウジングユニット100の内部に位置固定されて配置されるサブシフトレンジ検知固定部840と、を含んでもよい。
【0037】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、単数個のシングル駆動器410を含むインテグレーテットシングル駆動ユニット400と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて前記シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整するインターロッキングユニット500と、前記シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるセルフコレクションユニット600と、を含み、前記インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、前記シングル駆動器410と接触し、前記シングル駆動器410で生成された駆動力を受けて前記インターロッキングユニット500側に伝達するシングル駆動器伝達部430と、少なくとも一部が前記シングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達するシングルシェアリング伝達部440と、を含み、前記シングルシェアリング伝達部440は、前記シングル駆動器伝達部430側と直接接触して駆動力の伝達を受け、前記インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達する シングルシェアリング伝達ギア部450と、前記シングルシェアリング伝達ギア部450の回転状態を検知するシングルシェアリング伝達検知ギア部460と、をさらに含み、 前記シングルシェアリング伝達検知ギア部460は、前記シングルシェアリング伝達メインギア453側とギア比を異ならせて一体に形成されるシングルシェアリング伝達検知メインギア461と、前記シングルシェアリング伝達検知メインギア461と噛み合って回動するシングルシェアリング伝達検知サブギア463と、を含み、前記シフトレンジ検知ユニット800は、前記シングルシェアリング伝達検知サブギアに配置されるシフトレンジシェアリング伝達検知駆動部860と、前記シフトレンジシェアリング伝達検知駆動部860に対応する位置に、前記ユニット基板900上に配置されるシフトレンジシェアリング伝達検知固定部850と、を含んでもよい。
【0038】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記シフトノブユニット200は前記ハウジングユニット100に対して回動可能に配置され、前記シフトノブユニット200は前記シフトノブユニット200の回動を制限するノブストッパー部260、270をさらに含んでもよい。
【0039】
前記電子式シフトレンジ切換装置において、前記ノブストッパー部260、270は、前記ハウジングユニット100に配置されるノブストッパーボディ260と、前記シフトノブユニット200側に配置され、予め設定された角度範囲で前記ノブストッパーボディ260と係止されることで、前記シフトノブユニット200と前記ノブストッパーボディ260との間の相対回動を制限するノブストッパー対応部270と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によると、車両の変速レバー装置のシフトバイワイヤ機能を実現し、操作信頼性および耐久性を増大させる電子式シフトレンジ切換装置を提供することができる。
【0041】
また、本発明の電子式シフトレンジ切換装置は、特定の信号の流入前に、シフトノブユニットの回動のロック・アンロック動作のインターロッキング動作を実現することで車両安全性を強化させ、ロック・アンロック動作の実現をシンプルに構成することで、組み立ておよびメンテナンス性を増大させることもでき、コンパクトな構成を可能とする
【0042】
また、本発明の電子式シフトレンジ切換装置は、車両のエンジンオフ後に予め設定された変速レンジへのオートアライメント復帰動作を実現することで、後で始動させた時に発生し得る安全事故の危険性を防ぐことができ、このようなシンプルな構成により、組み立ておよびメンテナンス性を増大させ、コンパクトな構成を可能とする。
【0043】
また、本発明の電子式シフトレンジ切換装置は、インターロッキング動作実現およびセルフコレクション動作を実現するにあたり、重畳構成要素を排除し、単数個の駆動要素による動作実現を可能にすることで、誤作動やメンテナンスの問題が遮断または最小化させ、コスト低減による原価競争力の向上を増大させることもできる。
【0044】
本発明の電子式シフトレンジ切換装置は、シフトバイワイヤを実現するための変速ロータリスイッチ構造を中心に記述したが、本発明の作動構造は、車両の種々のスイッチング機能実現に適用されることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の概略的な斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の概略的な分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のシフトノブユニットの概略的な部分分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の部分分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の部分斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の部分側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の部分平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置において、
図7のH-H線に沿って取った概略的な部分分解縦断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の部分底面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置の部分底面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のP変速レンジのインターロッキングユニットのロック・アンロック状態の概略的な部分横断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のP変速レンジのインターロッキングユニットのロック・アンロック状態の概略的な部分横断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のP変速レンジのノブストッパー部の概略的な部分横断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のR変速レンジのインターロッキングユニットの概略的な部分横断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のR変速レンジのノブストッパー部の概略的な部分横断面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のN変速レンジのインターロッキングユニットのロック・アンロック状態の概略的な部分横断面図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のN変速レンジのインターロッキングユニットのロック・アンロック状態の概略的な部分横断面図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のN変速レンジのノブストッパー部の概略的な部分横断面図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のD変速レンジのインターロッキングユニットの概略的な部分横断面図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のD変速レンジのノブストッパー部の概略的な部分横断面図である。
【
図21】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のS変速レンジのインターロッキングユニットの概略的な部分横断面図である。
【
図22】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のS変速レンジのノブストッパー部の概略的な部分横断面図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニット(self-correction unit)の動作過程を示す概略的な斜視図である。
【
図24】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットの動作過程を示す概略的な斜視図である。
【
図25】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットの動作過程を示す概略的な斜視図である。
【
図26】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットの動作過程を示す概略的な斜視図である。
【
図27】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットのセルフコレクションディテントリトラクション(self-correction detent retraction)部の動作過程を示す概略的な部分平面図である。
【
図28】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットのセルフコレクションディテントリトラクション部の動作過程を示す概略的な部分平面図である。
【
図29】本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットのセルフコレクションディテントリトラクション部の動作過程を示す概略的な部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態による電子式シフトレンジ切換装置について詳述する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を附すに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面の上に表示されていてもできる限り同じ符号を附していることに留意されたい。また、本発明を説明するに当たって、関連する公知構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0047】
本発明は、車両の変速レンジを調整する電子式シフトレンジ切換装置であって、
図1および
図2に示されたように、本発明の電子式シフトレンジ切換装置10は、ハウジングユニット100と、シフトノブユニット200と、ロッキングコレクションインテグレーテットユニット(locking correction integrated unit)300と、を含む。
【0048】
ハウジングユニット100はハウジングカバー110とハウジングベース120を含んでおり、ハウジングカバー110とハウジングベース120が互いに締結されて内部空間を形成し、形成された内部空間に他の構成要素が配置可能である。ハウジングカバー110にはハウジングカバー貫通口111が配置されており、下記のシフトノブユニット200の一端が内部に配置され、他端が外部に露出して、ユーザ、特に運転者の操作を可能とする。
ハウジングカバー110の側面にはカバー締結部113が備えられ、ハウジングベース120の側面にはベース締結部123が備えられており、カバー締結部113とベース締結部123が互いに係止されることで、ハウジングカバー110とハウジングベース120が不所望に分離離脱されることが防止される。また、ボルトなどの別の締結部材によりハウジングカバー110とハウジングベース120とを締結してもよい。
【0049】
ハウジングカバー110とハウジングベース120が形成する内部空間には後述のユニット基板900が配置されて他の構成要素の電気的信号を伝達し、これは、基板コネクター(不図示)により外部装置と電気的連結構造を形成する。
【0050】
そして、本発明のハウジングユニット100はハウジングシャフト130をさらに含み、ハウジングシャフト130は、本発明のシフトノブユニット200の安定した回動支持構造を形成することができる。場合によって、ハウジングシャフトはハウジングベースとともに一体に形成されることもできるが、本実施形態のように、分離結合される構成を取ってもよい。
【0051】
ハウジングシャフト130の上端には、後述のシフトノブユニットのストッピング機能を行うノブストッパー部260、270の一部構成が配置されてもよい。
【0052】
図2および
図3に示されたように、本発明のシフトノブユニット200は、一端がハウジングユニット100の外部に露出し、他端がハウジングユニット100の内部に配置され、かつハウジングユニット100に対して回動可能に配置される。
【0053】
より具体的には、本実施形態におけるシフトノブユニット200は、ノブアウターボディ210と、ノブインナーボディ220と、ノブスカートボディ230と、ノブキャップ250と、を含むが、シフトノブユニット200はこれに限定されず、運転者などにより回動動作を成す範囲で、設計仕様によって多様に変形可能である。
【0054】
ノブアウターボディ210の外周面にはノブアウターボディグルーブ211が形成されており、運転者が握って回転動作を行う際における滑りを防止することができる。
【0055】
ノブアウターボディ210の上端にはノブキャップ250が配置されて外装仕上げを成すことができ、ノブアウターボディ210の内側にはノブインナーボディ220が係止されることで、ノブアウターボディ210とノブインナーボディ220の相対回動が制限され、一体に形成されたようにともに回動動作を成すことができる。
【0056】
本実施形態において、ノブアウターボディ210とノブインナーボディ220との間にはノブスカートボディ230が配置されている。ノブスカートボディ230は、ノブインナーボディ220よりも広い外径を有し、ハウジングカバー貫通口111側から投映した時に、ハウジングカバー貫通口111を内部に含み、より広い有効面積を有することで、異物がハウジングユニット100の内部に流入されることを防止することができる。
【0057】
ノブキャップ250は、ノブアウターボディ210の上端側と連結され、外装の仕上げを成すことができるが、場合によって、ノブキャップ250の位置に別のタッチパッドなどのスイッチング検知素子が配置され、別の入力部を構成する構造を取ってもよい。
【0058】
本発明の電子式シフトレンジ切換装置10は、変速レンジの選択のためのセレクタースイッチで実現される点から、シフトノブユニット200の回転方向が予め設定された角度範囲内でのみ許容され、それ以外の領域では制限される構成を取ってもよい。すなわち、シフトノブユニット200は、ハウジングユニット100のハウジングシャフト130に回動可能に配置されており、シフトノブユニット200はノブストッパー部260、270をさらに含む。ノブストッパー部260、270は、シフトノブユニット200の回動を制限する。
【0059】
より具体的には、本発明のノブストッパー部260、270は、ノブストッパーボディ260と、ノブストッパー対応部270と、を含む。ノブストッパーボディ260はハウジングユニット100のハウジングシャフト130に配置されており、ノブストッパーボディ260はノブストッパーメインボディ261とノブストッパーシャフトボディ263を含む。
ノブストッパーメインボディ261には、予め設定された角度範囲のノブストッパーメインボディ凹溝部267が形成されており、ノブストッパーメインボディ凹溝部267を区切るようにノブストッパーメインボディ261の側面にはノブストッパーメインボディ接触面265が備えられる。ハウジングシャフト130側に形成されたハウジングシャフト締結部131側にはノブストッパーシャフトボディ締結部269が形成されており、ノブストッパーシャフトボディ締結部269はノブストッパーシャフトボディ263と締結され、位置固定状態を形成することができる。
【0060】
ノブストッパー対応部270はシフトノブユニット200側に配置されており、ノブストッパーメインボディ凹溝部267を区切るようにノブストッパーメインボディ261の側面にはノブストッパーメインボディ接触面265が備えられる。予め設定された角度範囲でノブストッパーボディ260と係止されることで、シフトノブユニット200とノブストッパーボディ260との間の相対回動を制限することにより、窮極的に、ノブストッパーメインボディ接触面265は、シフトノブユニット200の回動によってノブストッパー対応部270と係止され、シフトノブユニット200の回動角度範囲を制限することができる。
【0061】
図13、
図15、
図18、
図20、
図22には、シフトノブユニット200の回動によって選択されるP変速レンジ、R変速レンジ、N変速レンジ、D変速レンジ、S変速レンジの位置での、ノブストッパーボディ260およびノブストッパー対応部270の相対位置変動乃至相対位置制限状態が示されている。
図13におけるP変速レンジの位置からシフトノブユニット200の回動は、反時計回り方向への回動は制限され、
図15におけるR変速レンジおよび
図18におけるN変速レンジの位置での相対回動は可能であり、
図20におけるD変速レンジまでの時計回り方向へのシフトノブユニット200の回動が許容される。場合によって、
図22のようにS変速レンジへの時計回り方向へのシフトノブユニット200の回動が許容されるが、この場合、シフトノブユニット200は下方に所定の加圧回動を成す構造を取り、上端に位置固定されたノブストッパーボディ260とノブストッパー対応部270との接触回動制限状態が解除され、時計回り方向への追加的な回動によるS変速レンジの選択が行われてもよい。この場合、シフトノブユニット200の下端には弾性部(不図示)が備えられ、反時計回り方向への原位置およびシフトノブユニット200に対する加圧力の除去後に、通常の変速レンジ範囲内でのノブストッパーボディ260とノブストッパー対応部270との相対位置変動乃至相対接触制限構造を形成してもよい。
【0062】
一方、
図4から
図6に示されたように、本発明のロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、シフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整し、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させる。すなわち、本発明は、車両の急発進や誤操作による事故の発生を防止するために、車両の始動後にPレンジやNレンジにある際にも、車両のブレーキを踏んで車両ブレーキセンサからのブレーキングオン信号が入力されない場合にはロック状態を維持し、車両ブレーキセンサからのブレーキングオン信号が入力された場合のみにロックを解除する回転中断構造を取る。また、車両のエンジンオフ後、安全ではないDレンジなどに位置する際には、オートアライメントにより車両の変速レンジを、予め設定されたレンジ、すなわち、例えば本実施形態ではPレンジにオートアライメント復帰させることで、後で再搭乗して始動する時に変速レンジにより引き起こされる問題の発生を防止することができる。ここで、本発明でのロッキングコレクションインテグレーテットユニットの回転中断およびオートアライメント復帰駆動は、単数個の駆動器により行われる。
【0063】
より具体的には、ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300は、インテグレーテットシングル駆動ユニット400と、インターロッキングユニット500と、セルフコレクションユニット600と、を含む。
【0064】
インテグレーテットシングル駆動ユニット400は単数個のシングル駆動器410を含み、インテグレーテットシングル駆動ユニット400のシングル駆動器410は、本実施形態では電気モータで実現され、電気モータのタイプについては所定の設計仕様によって多様に選択可能である。
【0065】
インターロッキングユニット500は、シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いてシフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整し、セルフコレクションユニット600は、シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて、予め設定された条件でシフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させる。
【0066】
図7には一部構成の平面図が示されており、
図8には
図7の断面図が示されている。先ず、駆動側、すなわち、インテグレーテットシングル駆動ユニット400を見ると、インテグレーテットシングル駆動ユニット400のシングル駆動器410は、制御部(不図示)からの駆動制御信号に応じて駆動し駆動力を発生させる。このような駆動力は、駆動条件によって速度やトルクなどを異ならせて動作可能であるため、シフトノブユニット200の回動を制限させたり、車両のエンジンオフ後の変速レンジのオートアライメント復帰動作を実現可能とする。
【0067】
インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、シングル駆動器410を維持するためのシングル駆動器ホルダー420をさらに備えるが、場合によって、シングル駆動器ホルダー420に電気的連結のためのコネクターがさらに備えられてもよい。
【0068】
インテグレーテットシングル駆動ユニット400は、シングル駆動器伝達部430と、シングルシェアリング伝達部440と、をさらに含み、シングル駆動器伝達部430はシングル駆動器410と接触し、シングル駆動器410で生成された駆動力を受けてインターロッキングユニット500側に伝達し、本実施形態では、シングル駆動伝達部430とシングル駆動器410は直接接続しているが、設計仕様によって多様に変形可能である。
【0069】
シングル駆動器伝達部430は、シングル駆動第1伝達部431と、シングル駆動第2伝達部433と、を含む。シングル駆動第1伝達部431とシングル駆動第2伝達部433はギア伝達構造で形成されるが、これは一例であり、場合によって、ベルトプーリ伝達構造など、多様に変形可能である。
【0070】
シングル駆動第1伝達部431はシングル駆動器410の駆動軸に配置され、シングル駆動第2伝達部433はシングル駆動第1伝達部431と噛み合って回動する。シングル駆動第1伝達部431は、一端がシングル駆動器410の駆動軸に連結されるウオームギアタイプで実現され、シングル駆動第2伝達部433は、シングル駆動第1伝達部431に噛み合うウォームホィールギアタイプで形成される。シングル駆動第2伝達部433は、後述のシングルシェアリング伝達ギア部450のシングルシェアリング伝達駆動ギア451と一体に形成される構造を成す。
【0071】
より具体的には、シングルシェアリング伝達部440は、少なくとも一部がシングル駆動器伝達部430側と接触して駆動力の伝達を受け、インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力をインターロッキングユニット500およびセルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達する。
【0072】
シングルシェアリング伝達部440はシングルシェアリング伝達ギア部450を含む。シングルシェアリング伝達ギア部450は、シングル駆動器伝達部430側と直接接触して駆動力の伝達を受け、インターロッキングユニット500の動作許容のための可動力および前記駆動力を前記インターロッキングユニット500および前記セルフコレクションユニット600側にそれぞれ伝達する。
【0073】
シングルシェアリング伝達ギア部450は、シングルシェアリング伝達駆動ギア451と、シングルシェアリング伝達メインギア453と、を含む。本実施形態では、シングルシェアリング伝達駆動ギア451とシングルシェアリング伝達メインギア453とが互いに外接するスパーギア構造で形成されるが、設計仕様によって多様に変形可能である。
【0074】
シングルシェアリング伝達駆動ギア451は、シングル駆動器伝達部430側とギア比を異ならせて一体に形成され、互いに同軸構造をなして回動中心を共有するが、互いに異なる半径のギア比により回転速度の調整が可能である。また、シングルシェアリング伝達メインギア453はシングルシェアリング伝達駆動ギア451と噛み合い、これにより、シングルシェアリング伝達メインギア453の回動力がインターロッキングユニット500および/またはセルフコレクションユニット600側に伝達されることができる。
【0075】
また、前記シングルシェアリング伝達部440はシングルシェアリング伝達検知ギア部460をさらに含むことができる。シングルシェアリング伝達検知ギア部460は、シングルシェアリング伝達ギア部450の回転状態を検知するための構成要素を提供し、下記のシフトレンジ検知ユニット800の一部構成が配置されることができる。
【0076】
より具体的には、シングルシェアリング伝達検知ギア部460は、シングルシェアリング伝達検知メインギア461と、シングルシェアリング伝達検知サブギア463と、を含み、シングルシェアリング伝達検知メインギア461は、シングルシェアリング伝達メインギア453側とギア比を異ならせて一体に形成され、シングルシェアリング伝達検知サブギア463は、シングルシェアリング伝達検知メインギア461と噛み合って回動する。これにより、シングルシェアリング伝達ギア部450の回転状態を検知するための構成要素を提供し、下記のシフトレンジ検知ユニット800の一部構成が配置されることで、後述のインターロッキングユニットおよびセルフコレクションユニットの一部構成の位置状態情報を確認可能である。
【0077】
インテグレーテットシングル駆動ユニットのこのような構成により、単数個が配置されるシングル駆動器410で生成された駆動力は、シングル駆動伝達部およびシングルシェアリング伝達部により、インターロッキングユニット500およびセルフコレクションユニット600のロック・アンロックやオートアライメント復帰動作実現のための駆動力として生成されて伝達される。
【0078】
インターロッキングユニット500は、シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いてシフトノブユニット200の回転の中断の有無を調整するが、インターロッキングユニット500は、トリガーカムピン部520と、インターロッキングカムピン部510と、を含む。
【0079】
トリガーカムピン部520は、少なくとも一部がハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、インテグレーテットシングル駆動ユニット400により可動可能である。
【0080】
より具体的には、トリガーカムピン部520は、トリガーピン収容部525と、トリガーピン弾性部523と、トリガーピン521と、トリガーピンカム527と、を含む。
【0081】
トリガーピン収容部525はハウジングユニット100の内部に形成されるが、トリガーピン収容部525は、より具体的には、ハウジングシャフト130の内部に形成される。すなわち、ハウジングシャフト130の下端外周にトリガーピン収容部525が形成されて空間を形成し、トリガーピン収容部525の開放された一側を介して、他の構成要素がトリガーピン弾性部523とトリガーピン521が可動可能に収容配置されることができる。
【0082】
トリガーピン弾性部523はトリガーピン収容部525の内部に配置され、一端がトリガーピン収容部525の内側に弾性支持され、トリガーピン弾性部523はコイルタイプのバネで実現されるが、場合によって、別のピンタイプのバネで実現されてもよいなど、弾性力を提供する範囲で設計仕様によって多様に変形可能である。
【0083】
トリガーピン521は、一端がトリガーピン弾性部523と接触して弾性支持される構造を取るが、トリガーピン521の他端は、トリガーピン収容部525の開放された空間を介して対応配置されるトリガーピンカム527と接触する。
【0084】
トリガーピン521は、トリガーピンボディ5211と、トリガーピンインターロッキングコンタクタ5213と、を含む。トリガーピンボディ5211は、一端がトリガーピン弾性部523と接触して弾性支持され、他端がトリガーピンカム527と常時接触状態を成しており、トリガーピンインターロッキングコンタクタ5213は、トリガーピンボディ5211の他の一側と一体に連結されてインターロッキングカムピン部510側と接触する。
本実施形態において、トリガーピンインターロッキングコンタクタ5213は、トリガーピンボディ5211の上端の一側から上部に向かって延びて形成される構造を取ることで、本実施形態ではトリガーピン521が逆T字形状で実現されるが、本発明のトリガーピン521がこれに限定されるものではない。
【0085】
トリガーピンカム527は、トリガーピン収容部525から離隔して配置され、少なくとも一部が トリガーピン521の他端と常時接触状態を成すが、本実施形態においてトリガーピンカム527は、インテグレーテットシングル駆動ユニット400の少なくとも一側、より具体的には、シングル駆動ユニット400のシングルシェアリング伝達部440のシングルシェアリング伝達ギア部450に含まれるシングルシェアリング伝達メインギア453の下端の底面内側に形成される構造を取るが(
図9および
図10参照)、設計仕様によって多様な位置が選定可能である。
トリガーピンカム527は、トリガーピンカムロック部527lと、トリガーピンカムアンロック部527uと、を含む。トリガーピンカムロック部527lとトリガーピン521が接する場合、トリガーピン521は、図面において突出状態を形成し、後述のインターロッキングピン511を中心方向に加圧せず、トリガーピンカムアンロック部527uとトリガーピン521が接する場合、トリガーピン521は、図面において収容状態を形成し、後述のインターロッキングピン511を中心方向に加圧することで、インターロッキングピン511とインターロッキングピンカム517の後述のPレンジ乃至Nレンジでの係止状態をアンロックさせるロック解除状態を形成することができる。
【0086】
一方、インターロッキングカムピン部510は、少なくとも一部がハウジングユニット100の内部に可動可能に配置され、少なくとも他の一部がトリガーカムピン部520により直接接触駆動してシフトノブユニット200の回転を中断する。
【0087】
インターロッキングカムピン部510は、インターロッキングピン収容部515と、インターロッキングピン弾性部513と、インターロッキングピン511と、インターロッキングピンカム517と、を含む。インターロッキングピン収容部515はハウジングユニット100の内部に形成され、より具体的には、インターロッキングピン収容部515はハウジングユニット100のハウジングシャフト130の内部に形成される。インターロッキングピン収容部515は、ハウジングシャフト130の外周に一端が開放された構造の溝空間構造で形成され、インターロッキングピン収容部515にはインターロッキングピン弾性部513とインターロッキングピン511が可動可能に収容配置される。本実施形態において、インターロッキングピン収容部515はトリガーピン収容部525と連通して一体に形成されるが、場合によって、連結されていない別の空間として形成されてもよいなど、多様に変形可能である。
【0088】
インターロッキングピン弾性部513はインターロッキングピン収容部515の内部に配置され、一端がインターロッキングピン収容部515の内側に弾性支持される。インターロッキングピン弾性部513はコイルバネタイプで実現されるが、所定の方向、すなわち、インターロッキングピン収容部515の開放された空間を介してインターロッキングピン511に弾性力を提供する範囲で、多様な選択が可能である。
【0089】
インターロッキングピン511は、一端がインターロッキングピン弾性部513と接触して弾性支持され、インターロッキングピンカム517は、インターロッキングピン収容部515から離隔して配置され、少なくとも一部がインターロッキングピン511の他端と常時接触状態を成す。
【0090】
インターロッキングピンカム517(
図11など参照)は、後述のシフトレンジ検知ユニット800のシフトレンジ検知メイン駆動部810の内側に形成される構成を取る。インターロッキングピン511は、シフトレンジ検知メイン駆動部810と別のもので形成され、かつ相対回動が発生することなく一体に連結される構成を取ってもよいなど、多様に変形可能である。
インターロッキングピンカム517は、中心から半径方向への距離によるカムプロファイルを備えるが、
図11、
図12、
図14、
図16、
図17、
図19、および
図21に示されたように、インターロッキングピンカム517は、インターロッキングピンカムPレンジ部517Pと、インターロッキングピンカムRレンジ部517Rと、インターロッキングピンカムNレンジ部517Nと、インターロッキングピンカムDレンジ部517Dと、インターロッキングピンカムSレンジ部517Sと、を含む。
【0091】
インターロッキングピンカムPレンジ部517Pは電子式シフトレンジ切換装置10のPレンジセレクションを、インターロッキングピンカムRレンジ部517Rは電子式シフトレンジ切換装置10のRレンジセレクションを、インターロッキングピンカムNレンジ部517Nは電子式シフトレンジ切換装置10のNレンジセレクションを、インターロッキングピンカムDレンジ部517Dは電子式シフトレンジ切換装置10のDレンジセレクションを、インターロッキングピンカムSレンジ部517Sは電子式シフトレンジ切換装置10のSレンジセレクションを成した時に取るポジションのカムプロファイル部を指す。インターロッキングピンカムPレンジ部517PとインターロッキングピンカムNレンジ部517Nは、回転中心から半径方向への距離がより大きく、後述のインターロッキングピンボディ5111の端部の収容空間を形成し、インターロッキングピンカムRレンジ部517RとインターロッキングピンカムDレンジ部517DとインターロッキングピンカムSレンジ部517Sは、回転中心から半径方向への距離がインターロッキングピンカムPレンジ部517PとインターロッキングピンカムNレンジ部517Nの場合より小さく、後述のインターロッキングピンボディ5111の端部と接する領域を形成する。
【0092】
この際、インターロッキングピン511は、インターロッキングピンボディ5111と、インターロッキングピントリガーコンタクタ5113と、を含み、インターロッキングピンボディ5111は、一端がインターロッキングピン弾性部513と接触して弾性支持され、他端がインターロッキングピンカム517と常時接触状態を成す。インターロッキングピントリガーコンタクタ5113は、インターロッキングピンボディ5111の他の一側と一体に連結され、トリガーカムピン部520側と接触する。前述のトリガーピン521と同様に逆T字形状の構造を形成するが、具体的な形状は設計仕様によって変形可能であることは、前述のとおりである。
【0093】
本実施形態のインターロッキングユニット500において、トリガーカムピン部520とインターロッキングカムピン部510との間には、場合によって、干渉動作が発生し得る。すなわち、トリガーカムピン部520側の少なくとも一部は、シフトノブユニット200の回動中心に向かって駆動される場合にともに駆動して、インターロッキングピンカム517との接触状態を解除可能である。
【0094】
換言すれば、トリガーカムピン部520側の少なくとも一部がシフトノブユニット200の回動中心に向かって駆動される場合、インターロッキングカムピン部510のインターロッキングピン511の少なくとも一部はトリガーピン521とともに駆動し、インターロッキングピン511とインターロッキングピンカム517の接触状態を解除可能である。
【0095】
より具体的には、
図4に示されたように、インターロッキングピントリガーコンタクタ5113とトリガーカムピン部520側の少なくとも一部の接触点上で、インターロッキングピントリガーコンタクタ5113がトリガーカムピン部520側の少なくとも一部よりもシフトノブユニット200の回動中心側により近くに位置する。トリガーカムピン部520のトリガーピン521がシフトノブユニット200の回動中心側に移動する場合、トリガーピン521のトリガーピンインターロッキングコンタクタ5213はインターロッキングピントリガーコンタクタ5113と当接し、トリガーピンインターロッキングコンタクタ5213がシフトノブユニット200の回動中心側に移動する際にインターロッキングピントリガーコンタクタ5113もともに移動して、インターロッキングピンボディ5111の端部とインターロッキングピンカム517の当接によるロック・アンロック状態の形成乃至変化が発生することができる。
【0096】
一方、本発明の一実施形態に係るセルフコレクションユニット600はシングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を用いて、予め設定された条件で前記シフトノブユニット200の位置をPレンジにオートアライメント復帰させるが、セルフコレクションユニット600は、セルフコレクションリードリブ610と、セルフコレクションフォロウィングリブ620と、を含む。 セルフコレクションリードリブ610は、シングル駆動ユニット400から伝達された駆動力を受けて可動可能であり、セルフコレクションフォロウィングリブ620は、セルフコレクションリードリブ610と接触可能に離隔配置され、セルフコレクションリードリブ610により駆動力の伝達を受けてシフトノブユニット200の回動中心に沿って回動可能である。
【0097】
この際、本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置10のセルフコレクションリードリブ610は、シングルシェアリング伝達部440の少なくとも一側、より具体的には、シングルシェアリング伝達ギア部450のシングルシェアリング伝達メインギア453側に一体に連結配置され、セルフコレクションフォロウィングリブ620は、シフトレンジ検知ユニット800のシフトレンジ検知メイン駆動部810側に一体に形成される構造を取ることができる。
【0098】
すなわち、本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置10は、シフトノブユニット200およびシングルシェアリング伝達部440の回転状態を検知するシフトレンジ検知ユニット800をさらに含み、セルフコレクションリードリブ610はシングルシェアリング伝達部440の少なくとも一側に一体に連結配置され、セルフコレクションフォロウィングリブ620はシフトレンジ検知ユニット800の少なくとも一側に一体に連結配置される。
【0099】
かかる構成により、シングル駆動器410の駆動力はシングル駆動伝達部430を介して伝達され、シングル駆動シェアリング伝達部440のシングルシェアリング伝達ギア部450によりシングルシェアリング伝達メインギア453が回動し、シングルシェアリング伝達メインギア453に一体に形成されたセルフコレクションリードリブ610の位置が変わる。これにより、セルフコレクションフォロウィングリブ620を押して所定の位置、すなわち、Pレンジの位置まで移動させることにより、シフトレンジ検知メイン駆動部810側に形成されたインターロッキングピンカム517との係止形成構造を成すことで、エンジンオフ後にさらに再搭乗してエンジンオン状態に切り替える時に発生する、シフトレンジの誤位置による始動制限が発生することを防止することもできる。
【0100】
一方、本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置10の前記ロッキングコレクションインテグレーテットユニット300はディテントユニット700をさらに含むことができ、ディテントユニット700は、シフトノブユニット200がハウジングユニット100の少なくとも一部に対して回動する場合、シフトノブユニット200の回動動作を触覚的に検知する。
【0101】
より具体的には、ディテントユニット700は、ディテントプロファイルカム740と、ディテント収容部730と、ディテントピン710と、ディテント弾性部720と、を含む。
【0102】
ディテントプロファイルカム740は、ハウジングユニット100のハウジングシャフト130の外周に離隔配置されており、本実施形態において、ディテントプロファイルカム740は、別のリングタイプのボディ構造の内側面にカムプロファイルが形成される構造を取る。本実施形態では具体的に示されていないが、ディテントプロファイルカム740の形状とパターンは多様に選択可能である。ディテント収容部730はハウジングシャフト130の内部に形成されるが、本実施形態においてディテント収容部730は、ハウジングシャフト130を貫通して配置される構造を取っているが、設計仕様によって多様に変形可能である。
【0103】
ディテントピン710は、少なくとも一端がディテント収容部730に可動可能に収容配置され、他端がディテントプロファイルカム740側と直接接触しており、ディテント弾性部720は、少なくとも一部がディテント収容部730の内部に配置され、少なくとも一端がディテントピン710と接触してディテントピン710を弾性支持する。
【0104】
本実施形態において、ディテントピン710は、180度対向して配置される構成を取ることで示されているが、単数個のみが配置される構成にしてもよく、配置角度が変形可能であるなど、設計仕様によって多様に変形可能である。
【0105】
この際、本発明のセルフコレクションユニット600は、ディテントピン710の動作実現を制限する構成をさらに取ってもよい。すなわち、本発明のセルフコレクションユニット600はセルフコレクションディテントリトラクション部630を含み、セルフコレクションディテントリトラクション部630は、セルフコレクションリードリブ610とセルフコレクションフォロウィングリブ620が係止されてともに駆動される場合、ディテントピン710の少なくとも一部とディテントプロファイルカム740側との直接接触を解除させる。
【0106】
より具体的には、セルフコレクションディテントリトラクション部630は、リトラクション収容部637と、リトラクションピン631と、リトラクション弾性部633と、リトラクションカム635と、リトラクションディテントピンコンタクタ639と、を含む。
【0107】
リトラクション収容部637は、ハウジングシャフト130の外周に開放された形態の溝構造で形成されており、本実施形態では、リトラクション収容部637がインターロッキングピン収容部515の180度反対側の領域に形成される構造を取っているが、これに限定されない。
【0108】
リトラクションピン631は、少なくとも一部がリトラクション収容部637に可動可能に収容配置されており、リトラクション弾性部633は、一端がリトラクションピン631と接触し、他端がリトラクション収容部637の内側によって接触支持される構造を有することで、リトラクションピン631を弾性支持する。また、リトラクションカム635は、リトラクション弾性部633により支持されるリトラクションピン631の一端と常時接触状態を成す。
【0109】
リトラクションピン631は、リトラクションピンボディ6311と、リトラクションピンディテントコンタクタ6313と、を含み、リトラクションピンボディ6311は、リトラクション弾性部633により弾性支持される。本実施形態において、リトラクションピンディテントコンタクタ6313は、リトラクションピンボディ6311の一側から延びて形成されて一体に形成され、リトラクションディテントピンコンタクタ639と接触する。
【0110】
リトラクションディテントピンコンタクタ639は、ディテントピン710に一体に形成されてリトラクションピン631と接触可能であり、リトラクションピン631が駆動する場合にともに可動可能である。
【0111】
この際、リトラクションディテントピンコンタクタ639とリトラクションピン631側の少なくとも一部の接触点上において、リトラクションディテントピンコンタクタ639が、リトラクションピン631側の少なくとも一部よりもシフトノブユニット200の回動中心側により近くに位置する。
すなわち、シフトノブユニット200の回動中心から半径方向にリトラクションディテントピンコンタクタ639の外側面は、リトラクションピンディテントコンタクタ6313の内側面と接触する構造であり、リトラクションカム635のカムプロファイルによってリトラクションピンボディ6311との接触状態が変わる構造を有することで、リトラクションピンボディ6311がシフトノブユニット200の中心方向に駆動される場合、リトラクションピンディテントコンタクタ6313の内側面と接触するリトラクションディテントピンコンタクタ639の外側面を介して駆動力がディテントピン710に伝達され、リトラクションディテントピンコンタクタ639に連結されるディテントピン710はシフトノブユニット200の中心方向に後退駆動されることで、ディテントピン710とディテントプロファイルカム740との接触状態が解除され、セルフコレクションユニット600によるP変速レンジのセルフアライン復帰状態の形成のための復帰動作時に、ディテントユニット700のディテントピン710とディテントプロファイルカム740とのディテント接触音や振動が発生することを防止することもできる。
【0112】
また、本発明の電子式シフトレンジ切換装置10はシフトレンジ検知ユニット800をさらに含み、シフトレンジ検知ユニット800は、少なくともシフトノブユニット200の回転状態を検知する。
【0113】
すなわち、シフトレンジ検知ユニット800は、シフトレンジ検知メイン可動部810と、シフトレンジ検知サブ可動部820と、シフトレンジ検知可動部830と、サブシフトレンジ検知固定部840と、を含む。シフトレンジ検知メイ可動部810は、シフトノブユニット200と連結されてともに可動され、シフトレンジサブ可動部820は、シフトレンジ検知メイン可動部810と相対可動可能に連結され、シフトレンジ検知可動部830は、シフトレンジサブ可動部820に配置され、シフトレンジ検知固定部840は、シフトレンジ検知可動部830に対応する位置にユニット基板900上に配置されており、ユニット基板900はハウジングユニット100の内部に位置固定されて配置される。本実施形態において、シフトレンジ検知可動部830はマグネットで実現され、シフトレンジ検知固定部840は磁気検知センサで実現される。
【0114】
また、本実施形態におけるシフトレンジ検知ユニット800は、シフトノブユニット200の他にも、上記のようにシングルシェアリング伝達メインギア453の駆動動作状態を検知し、ロッキングコレクションインテグレーテットユニットによるインターロッキングユニット500のシフトノブユニット200の回動のロック・アンロック動作、および/またはエンジンオフ後に、予め設定された変速レンジ以外の位置の変速レンジを、予め設定された変速レンジ、例えば、P変速レンジへセルフアライン復帰させる動作を実現するために、該当構成の位置情報を検知するための構成要素をさらに備えてもよい。
【0115】
すなわち、シフトレンジ検知ユニット800は、シフトレンジシェアリング伝達検知 可動部860と、シフトレンジシェアリング伝達検知固定部850と、をさらに含むことができる。シフトレンジシェアリング伝達検知可動部860はシングルシェアリング伝達検知サブギアに配置され、シフトレンジシェアリング伝達検知固定部850は、シフトレンジシェアリング伝達検知可動部860に対応する位置に、ユニット基板900上に配置されており、シフトレンジシェアリング伝達検知可動部860はマグネットで実現され、シフトレンジシェアリング伝達検知固定部850は磁気検知センサで実現されて、シングルシェアリング伝達メインギア453側の回動を検知し、インターロッキングユニット500およびセルフコレクションユニット600の動作状態および位置情報を把握することができる。
【0116】
以下、図面を参照して本発明の電子式シフトレンジ切換装置10の作動過程を説明する。先ず、電子式シフトレンジ切換装置10は、運転者がエンジンをON状態に切り替えても直ぐに操作が不可能であるように形成される。例えば、電子式シフトレンジ切換装置10は、P変速レンジを形成するようにモード設定された状態で、運転者がブレーキペダルを踏み込んでブレーキセンサからブレーキON信号が生成され、車両の制御部(不図示)によりシングル駆動器410にロック/アンロック動作実現のための駆動制御信号を印加し、駆動制御信号の入力を受けたシングル駆動器410は所定の回動動作を実行する。これは、シングル駆動伝達部430を介して伝達されてシングルシェアリング伝達メインギア453の回動が発生し、これにより、シングルシェアリング伝達メインギア453の 下部底面に配置されたインターロッキングユニット500のトリガーピンカム527とトリガーピン521との相互接触状態の変化が発生する。すなわち、上述のように、トリガーピンカム527は、トリガーピン収容部525から離隔して配置され、少なくとも一部が トリガーピン521の他端と常時接触状態を成すが、本実施形態においてトリガーピンカム527は、インテグレーテットシングル駆動ユニット400の少なくとも一側、より具体的には、シングル駆動ユニット400のシングルシェアリング伝達部440のシングルシェアリング伝達ギア部450に含まれるシングルシェアリング伝達メインギア453の下端の底面内側に形成される構造を取る。
トリガーピンカム527は、トリガーピンカムロック部527lと、トリガーピンカムアンロック部527uと、を含む。トリガーピンカムロック部527lとトリガーピン521が接する場合、トリガーピン521は、図面において突出状態を形成し、後述のインターロッキングピン511を中心方向に加圧せず、トリガーピンカムアンロック部527uとトリガーピン521が接する場合、トリガーピン521は、図面において収容状態を形成し、後述のインターロッキングピン511を中心方向に加圧することで、インターロッキングピン511とインターロッキングピンカム517の後述のPレンジでの係止状態をアンロックさせるロック解除状態を形成することができる(
図9および
図10参照)。これは、Nレンジにおける係止状態をアンロックさせる解除状態を形成する場合にも同様に適用される(
図16および
図17参照)。
このようなロッキングコレクションインテグレーテットユニット300の、単一のシングル駆動器を含むインテグレーテットシングル駆動ユニット400からの駆動力を用いて、インターロッキングユニット500の動作によるロック・アンロック状態の切り替えにより、所定の回動動作の断続が可能である。シフトノブユニット200の回動により、R変速レンジ(
図14参照)、D変速レンジ(
図19参照)、S変速レンジ(
図21参照)におけるトリガーピン521とトリガーピンカムアンロック部527uとの接触によるアンロック状態の維持により、インターロッキングカムピン部510のアンロック状態を形成することで、シフトノブユニット200の回動が安定して行われることができる。
【0117】
一方、
図23から
図26に示された本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットの動作過程を示す概略的な斜視図、および
図27から
図29に示された本発明の一実施形態に係る電子式シフトレンジ切換装置のセルフコレクションユニットのセルフコレクションディテントリトラクション部の動作過程を示す概略的な部分平面図のように、運転者がエンジンをOFFしてエンジンOFF信号が発生し、かつ運転者の意図しなかった操作によって電子式シフトレンジ切換装置10のシフトノブユニット200の位置状態がP変速レンジやN変速レンジではなくD変速レンジなどを成す場合、車両の制御部(不図示)は、変速レンジの位置オートアライメント復帰動作のために、インテグレーテットシングル駆動ユニット400からの駆動力によりセルフコレクションユニット600を作動させることができる。
すなわち、エンジンOFF信号が発生した時に、制御部(不図示)が現在の変速レンジがD変速レンジであると検知した場合、制御部は、シングル駆動器410側に駆動制御信号を印加し、シングル駆動器410の駆動力はシングル駆動伝達部430を介して伝達され、シングル駆動シェアリング伝達部440のシングルシェアリング伝達ギア部450によりシングルシェアリング伝達メインギア453が回動し、シングルシェアリング伝達メインギア453に一体に形成されたセルフコレクションリードリブ610の位置が変わる。これにより、セルフコレクションフォロウィングリブ620を押して所定の位置、すなわち、Pレンジの位置まで移動させることにより、シェアリングレンジ検知メイン駆動部810側に形成されたインターロッキングカム517との係止形成構造を成すことで、エンジンオフ後にさらに再搭乗してエンジンオン状態に切り替える時に発生する、シフトレンジの誤位置による始動制限を防止することもできる。
【0118】
このような過程で、ディテントユニットとセルフコレクションディテントリトラクション部630との間の常時接触状態を解除し、不要な騷音発生などを防止するためにセルフコレクションディテントリトラクション部630が作動できることは前述のとおりである。
【0119】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それらと同等の範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0120】
100 ハウジングユニット
200 シフトノブユニット
300 ロッキングコレクションインテグレーテットユニット
400 インテグレーテットシングル駆動ユニット
500 インターロッキングユニット
600 セルフコレクションユニット
700 ディテントユニット
800 シフトレンジ検知ユニット