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特開2022-41982モジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法
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  • 特開-モジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法 図1
  • 特開-モジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041982
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】モジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20220304BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
G05B19/042
G05B9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021140380
(22)【出願日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】10 2020 122 870.8
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518050263
【氏名又は名称】ピルツ ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Pilz GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】バウクネヒト,ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】ロッツィンゲル,フロリアン
【テーマコード(参考)】
5H209
5H220
【Fターム(参考)】
5H209DD06
5H209GG06
5H209HH21
5H209JJ01
5H209JJ05
5H220BB07
5H220CC05
5H220CX01
5H220CX05
5H220JJ02
5H220JJ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モジュール列に配設された複数の電子モジュールを有するモジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションする方法を提供する。、
【解決手段】ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツール(2)のグラフィカルユーザインターフェース(4)を用いて、安全スイッチ装置の安全機能の数および安全スイッチ装置の論理要件を選択する工程と、複数の電子モジュールタイプから電子モジュールを自動的に選択することによって、コンフィギュレーションツール(2)を用いて安全スイッチ装置のコンフィギュレーションを生成する工程と、安全スイッチ装置のコンフィギュレーションをコンフィギュレーションデータセット(5)としてコンフィギュレーションデータベース(3)に格納する工程とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1列に配設された複数の電子モジュール(10.1~10.n)を有するモジュール式安全スイッチ装置(1)をコンフィギュレーションするための方法であって、
ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツール(2)のグラフィカルユーザインターフェース(4)を用いて、安全スイッチ装置(1)の安全機能の数および安全スイッチ装置(1)の論理要件を選択する工程と、
前の工程で選択された安全スイッチ装置(1)の安全機能、および安全スイッチ装置(1)の論理要件を実現するための複数の電子モジュールタイプから電子モジュール(10.1~10.n)を自動的に選択することによって、コンフィギュレーションツール(2)を用いて安全スイッチ装置(1)のコンフィギュレーションを生成する工程と、
安全スイッチ装置(1)のコンフィギュレーションをコンフィギュレーションデータセット(5)としてコンフィギュレーションデータベース(3)に格納する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
コンフィギュレーションツール(2)は、モジュール式安全スイッチ装置(1)の電子モジュール(10.1~10.n)の配線図であって、検索可能にコンフィギュレーションデータベース(3)に格納され、コンフィギュレーションデータセット(5)にリンクされるか、またはコンフィギュレーションデータセット(5)の一部を形成する配線図を生成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンフィギュレーションツール(2)は、モジュール式安全スイッチ装置(1)の安全関連特性データであって、検索可能にコンフィギュレーションデータベース(3)に格納され、コンフィギュレーションデータセット(5)にリンクされるか、またはコンフィギュレーションデータセット(5)の一部を形成する安全関連特性データを演算することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
コンフィギュレーションツール(2)は、モジュール式安全スイッチ装置(1)の電子モジュール(10.1~10.n)のそれぞれに対して、コンフィギュレーションデータセット(5)の少なくとも一部を形成する英数字の識別子を生成し、該英数字の識別子は、当該電子モジュール(10.1~10.n)およびモジュール式安全スイッチ装置(1)のモジュール列におけるその取り付け位置を一意に特定するように選択されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
コンフィギュレーションツール(2)は、モジュール式安全スイッチ装置(1)の電子モジュール(10.1~10.n)の少なくとも一部に対して、コンフィギュレーションデータセット(5)の少なくとも一部を形成する追加の英数字識別子を生成し、該追加の英数字識別子は、少なくとも1つのロータリスイッチ(100)の位置、特に当該電子モジュール(10.1~10.n)のラッチ式ポテンショメータの位置を一意に特定するように選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各電子モジュール(10.1~10.n)の英数字識別子に対して、チェックデジット、特にチェックサムを生成することを特徴とする、請求項4または5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール式安全スイッチは、従来から様々な実施形態で知られている。それらは、特に、危険な状況が発生したときに、技術設備または機械を、人にとって危険でない状態に安全に移行させる目的のために役立つ。この目的のために、たとえば、緊急停止スイッチ、非常停止スイッチ、ライトグリッド、ライトカーテン、安全マット、安全柵位置スイッチ、3Dレーザースキャナなどであり得る信号送信機からの対応する信号が入力側で受信され、安全評価される。出力側では、出力回路の1以上の安全出力接点が制御される。これらの出力接点を介して、危険な状況が発生した場合、接触器、バルブなどのアクチュエータは、接続されている機械または技術設備が人にとって危険でない状態になるように制御される。
【0003】
このような安全スイッチ装置は、少なくとも1つのモジュール列に配設された、特定の機能を持つ複数の電子モジュールを含む。安全スイッチ装置のモジュールデザインは、複数の電子モジュールが個別に組立てられ、それらが電気的に相互接続され、それらが、所望の安全機能をモジュール式安全スイッチ装置に共に付与するようにコンフィギュレーションされるという、アプリケーション固有のコンフィギュレーションを可能にする。安全機能が大きく異なるモジュール式安全スイッチ装置を組立てることが可能である電子モジュールの例としては、入力モジュールであって、1つ以上の信号送信機からの入力信号を、たとえば、センサまたは緊急指令装置からの入力信号などを受信し、必要に応じて処理することが可能である入力モジュール、出力モジュールであって、出力信号をそれらに接続された1つ以上のアクチュエータに出力することが可能である出力モジュール、入出力複合モジュール(いわゆるI/Oモジュール)、制御モジュールであって、出力モジュールへの入力の割り当てを制御することが可能な制御モジュール、インタフェースモジュール、通信モジュール、フィールドバスコントローラ、フィールドバスカプラなどがある。
【0004】
モジュール式安全スイッチ装置の製造において、電子モジュールは、少なくとも1つのモジュール列に並べられ、それに応じて電気的に接続され、安全性の観点から特定の用途に必要な機能を提供可能であるようにコンフィギュレーションされる。このようなモジュール式安全スイッチ装置のコンフィギュレーションは、特定のアプリケーションの目的に応じて、しばしば比較的複雑になることがある。なぜなら、所望の安全機能を実現するためには、たとえば論理積演算を考慮して実装する必要があるからである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、コンフィギュレーションプロセスを簡略化し、さらにその後の組立てプロセスも簡略化することが可能であるモジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法を提供することである。
【0006】
この課題の解決手段は、請求項1の特徴を備えたモジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法を提供する。従属請求項は、本発明の有利なさらなる実施形態に関する。
【0007】
本発明に従った方法は、利用可能な複数の電子モジュールタイプから選択される、複数の電子モジュールを備えたモジュール式安全スイッチ装置をコンフィギュレーションするための方法であって、
ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツールのグラフィカルユーザインターフェースを用いて、安全スイッチ装置の安全機能の数および安全スイッチ装置の論理要件を選択する工程と、
前の工程で選択された、安全スイッチ装置の機能および安全スイッチ装置の論理要件を実現するために、複数の電子モジュールタイプから電子モジュールを自動的に選択することで、コンフィギュレーションツールを用いて安全スイッチ装置のコンフィギュレーションを生成する工程と、
コンフィグレーションをコンフィグレーションデータセットとしてコンフィグレーションデータベースに保存する工程と、を含む。
【0008】
本発明に従った方法においては、ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツールによってサポートされることによって、モジュール式安全スイッチ装置の非常に複雑なコンフィギュレーションを大幅に簡略化することが可能である。好ましくはインターネットを介してユーザに提供されるグラフィカルユーザインターフェースは、コンフィギュレーションツールを簡単かつ直感的に操作することができる。ユーザは、インタラクティブなユーザ入力を行うことが可能であり、たとえば、モジュール式安全スイッチ装置に与えられる適切な論理要件を定義することができる。また、コンフィギュレーションプロセスにおいては、たとえば、制御対象の設備または機械に存在する特定の信号装置、特に、非常停止または緊急停止ボタン、安全ゲート、ライトグリッドなどの信号装置、または入力信号を安全に評価しなければならないセンサ、出力モジュールによって安全に制御しなければならないアクチュエータなどをユーザによって選択することが可能である。このように、モジュール式安全スイッチ装置の入力および出力は、コンフィギュレーションツールを使ってコンフィギュレーションすることが可能である。ここに述べる方法の基本的な考え方は、コンフィギュレーションツールが、ユーザの入力に応じて、自動化されたプロセスでモジュール式安全スイッチ装置のコンフィギュレーションを生成するというものであり、この目的のためにユーザ側に特別な専門知識を必要としない。ユーザがモジュール式安全スイッチ装置に求める要件は、コンフィギュレーションツールによって処理される。コンフィギュレーションツールは、利用可能な電子モジュールタイプから、ユーザの具体的な要求に対応し、必要な安全機能を実現するモジュール式安全スイッチ装置をコンパイルする。コンフィギュレーションツールは、対応するモジュールの組み合わせをコンフィギュレーションデータセットとして出力し、このコンフィギュレーションデータセットは、コンフィギュレーションデータベースに検索可能な形で格納される。このコンフィギュレーションデータセットは、モジュール式安全スイッチ装置の組立て中に、コンフィギュレーションデータベースから取得して、それに応じて処理されることが可能である。
【0009】
好ましい実施形態においては、コンフィギュレーションツールは、電子モジュールの配線図であって、検索可能にコンフィギュレーションデータベースに格納され、コンフィギュレーションデータセットにリンクされるか、またはコンフィギュレーションデータセットの一部を形成する配線図を生成する。この配線図は、安全スイッチ装置の個々の電子モジュールが、メーカにおいて、あるいは引き続いての、使用場所での最終組立ての際に、どのように相互に配線されなければならないかを示すものであり、これによって、モジュール式安全スイッチ装置は、所望の安全機能および論理要件を実現することが可能である。
【0010】
特に好ましい実施形態においては、コンフィギュレーションツールは、モジュール式安全スイッチ装置の安全関連特性データであって、検索可能にコンフィギュレーションデータベースに格納され、コンフィギュレーションデータセットにリンクされるか、またはコンフィギュレーションデータセットの一部を形成する安全関連特性データを演算することが可能である。
【0011】
有利な実施形態においては、コンフィギュレーションツールは、モジュール式安全スイッチ装置の電子モジュールのそれぞれに対して、コンフィギュレーションデータセットの少なくとも一部を形成する英数字の識別子を生成する。この英数字の識別子は、当該電子モジュールと、モジュール式安全スイッチ装置の少なくとも1つのモジュール列におけるその取付け位置とを一意に特定するように選択される。本願の文脈において、「英数字の識別子」という用語は、文字および/または数字から形成される識別子を意味すると理解される。個々の電子モジュールには、たとえば、電子モジュールとその取付け位置を一意に特定する、2つの英数字を用いた英数字の識別子を付けることができる。これによって、個々の電子モジュールから、モジュール式安全スイッチ装置の少なくとも1つのモジュール列を形成することを大幅に簡素化することが可能である。製造時に電子モジュールを組立てる際の明確な順序は、たとえば、コンフィギュレーションデータベースに検索可能に格納されているコンフィギュレーションデータセットにおいて電子モジュールが識別される英数字の順序から得られる。コンフィギュレーションツールは、文字長が、特にモジュール式安全スイッチ装置の電子モジュールの数を反映したものになっている、安全スイッチ装置全体の英数字の識別子を生成する。
【0012】
特に有利な実施形態においては、コンフィギュレーションツールは、モジュール式安全スイッチ装置の電子モジュールの少なくとも一部に対して追加の英数字の識別子を生成し、この追加の英数字の識別子は、コンフィギュレーションデータセットの少なくとも一部を形成し、この追加の英数字の識別子は、当該電子モジュールの少なくとも1つのロータリスイッチ、特にラッチ式ポテンショメータの位置を一意に特定するように選択される。たとえば、追加の英数字の識別子を形成し、モジュール式安全スイッチ装置の所望のコンフィギュレーションにコンフィギュレーションされる当該電子モジュールのロータリスイッチ、特にラッチ式ポテンショメータの位置を一意に定義する2以上の追加の英数字を備えることも可能である。
【0013】
好ましい実施形態においては、各電子モジュールの英数字の識別子に対して、チェックデジット、特にチェックサムを生成することが可能である。これによって、特に整合性チェックが可能となり、モジュール式安全スイッチ装置が誤ったコンフィギュレーションで製造されることを防ぐことが可能である。
【0014】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図を参照した、好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】複数の電子モジュールから構成されたモジュール式安全スイッチ装置の概略図である。
図2】本発明に従ったモジュール式安全スイッチ装置のコンフィギュレーション方法の詳細を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、図1を参照して、モジュール式安全スイッチ装置1の基本構造を以下に詳しく説明する。モジュール式安全スイッチ装置1は、少なくとも1つのモジュール列に配設された複数n個の電子モジュール10.1~10.nを有している。第1電子モジュール10.1は、好ましくは、モジュール式安全スイッチ装置1の中央制御モジュールを形成し、しばしばヘッドモジュールとも呼ばれる。残りの電子モジュール10.2~10.nは、用途に応じて様々な種類の電子モジュールから選択される。残りの電子モジュール10.2~10.nは、たとえば、入力モジュールであって、たとえば、センサまたは緊急指令装置からの入力信号など、1つ以上の信号送信機からの入力信号を安全に受信し、必要に応じて処理することが可能である入力モジュール、出力モジュールであって、それに接続された1つ以上のアクチュエータに出力信号を安全に出力することが可能である出力モジュール、入力と出力を有する、複合入出力モジュール(いわゆるI/Oモジュール)、およびインタフェースモジュール、フィールドバスコントローラ、フィールドバスカプラなどとすることが可能である。使用される電子モジュール10.1~10.nの数およびタイプは、モジュール式安全スイッチ装置1の使用目的および用途に直接依存し、特に達成すべき安全レベルにも依存する。一般的に、モジュール式安全スイッチ装置1のタスクは、センサまたは検出装置によって検出される危険な状況が発生したときに、モジュール式安全スイッチ装置1に接続されたアクチュエータを安全指向の方法でオフに切り換え、危険な状況が終了した後に再び作動させることである。
【0017】
モジュール式安全スイッチ装置1の使用目的によっては、モジュール構造のコンフィギュレーションが非常に複雑で困難な場合があり得る。以下においては、モジュール式安全スイッチ装置1のコンフィギュレーションプロセスおよびその後の組立てプロセスを大幅に簡略化可能である方法を説明する。
【0018】
少なくとも1つのモジュール列に配設された複数の電子モジュール10.1~10.nを有するモジュール式安全スイッチ装置1をコンフィギュレーションするそのような方法は、以下に説明する工程、を含む。
【0019】
最初の工程においては、ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツール2のグラフィカルユーザインターフェース4を用いて、安全スイッチ装置1の安全機能の数および安全スイッチ装置1の論理要件が、ユーザによって選択される。このソフトウェアベースのコンフィギュレーションツール2は、演算装置によって実行される。グラフィカルユーザインターフェース4は、表示装置によってユーザに表示される。この表示装置は、必ずしも、ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツール2を実行する演算装置に接続された表示装置である必要はない。たとえば、ソフトウェアベースのコンフィギュレーションツール2を実行する演算装置にインターネットを介して接続されている、たとえば、コンピュータ、タブレットPC、携帯電話などの他の演算装置の表示装置を用いて、グラフィカルユーザインターフェース4を表示することが可能である。
【0020】
次の工程においては、コンフィギュレーションツール2によって、利用可能な多数の電子モジュールタイプから、電子モジュール10.1~10.nを自動的に選択することで、安全スイッチ装置1のコンフィギュレーションが生成される。このコンフィギュレーションによって,前の工程で選択された安全スイッチ装置1の安全機能および安全スイッチ装置1における論理要件を実現することが可能である。
【0021】
次いで、安全スイッチ装置1のこのコンフィギュレーションは、好ましくは、モジュール式安全スイッチ装置1のメーカにおいて、コンフィギュレーションデータセット5としてコンフィギュレーションデータベース3に検索可能に格納される。
【0022】
このコンフィギュレーションプロセスにおいては、ユーザは、たとえば、技術設備内に、特定の安全要件に準拠する必要があるいくつかの保護ゾーンを前もって設定する。コンフィギュレーションツール2は、好ましくは、特定された安全要件に適した、特に信号装置および/またはセンサなどの信号送信機と、アクチュエータと、信号送信機およびアクチュエータの動作に必要な電子モジュール10.1~10.nとを自動化プロセスにおいて独立して選択するようにコンフィギュレーションされる。信号送信機およびアクチュエータは、コンフィギュレーションプロセス中に、ユーザによって特定されることも可能である。さらに、コンフィギュレーションツール2によって、好ましくは、保護ゾーン間で維持すべき距離など、モジュール式安全スイッチ装置1の様々な安全特性データを演算することが可能である。好ましくは、この安全特性データも、検索可能かつコンフィギュレーションデータセット5にリンク可能なように、コンフィギュレーションデータベース3に格納される。
【0023】
好ましくは、コンフィギュレーションツール2は、さらに、電子モジュール10.1~10.nの配線図であって、検索可能にコンフィギュレーションデータベース3に格納され、コンフィギュレーションデータセット5とリンクされるか、コンフィギュレーションデータセット5の一部を形成する配線図を生成することができる。この配線図は,安全スイッチ装置1の個々の電子モジュールがメーカで直接あるいはその後の使用場所での最終組立ての際にどのように相互に配線されなければならないかを示すものであり、これによって、モジュール式安全スイッチ装置は、所望の安全機能および論理要件を実現することが可能である。
【0024】
好ましくは、コンフィギュレーションツール2は、モジュール式安全スイッチ装置1の電子モジュール10.1.~10.nのそれぞれに対して英数字の識別子を生成することができ、英数字の識別子は、電子モジュール10.1.~10.n、およびモジュール式安全スイッチ装置1のモジュール列におけるその取付け位置を一意に特定するように選択される。
【0025】
個々の電子モジュール10.1.~10.nは、たとえば、電子モジュール10.1.~10.nとその実装位置とを一意に特定する、2つの英数字からなる4桁の英数字の識別子(位置識別子)を有することが可能である。たとえば、2以上の追加の英数字を備えることが可能であり、この追加の英数字は、追加の識別子(設定識別子)を形成し、正しいコンフィギュレーションのために組立て中に設定されるべき、関連する電子モジュール10.1.~10.nの1つまたは複数のロータリスイッチ100の位置、特に1つまたは複数のラッチ式ポテンショメータの位置を一意に定義する。電子モジュール10.1.~10.nが後に実装されるべき一意の順序は、たとえば、コンフィギュレーションデータベース3に検索可能に格納されているコンフィギュレーションデータセット5において電子モジュール10.1.~10.nが識別される、英数字の順序から生成することが可能である。
【0026】
コンフィギュレーションツール2は、このようにして、モジュール式安全スイッチ装置1全体の英数字の識別子であって、コンフィギュレーションデータベース3に、少なくともコンフィギュレーションデータセット5の一部として検索可能であるように格納され、その文字長が、特に、電子モジュール10.1.~10.nの数も反映している識別子を生成する。
【0027】
さらに有利なさらなる形態として、電子モジュール10.1~10.nのそれぞれの英数字の識別子に対して、チェックデジット、特にチェックサムを生成することが可能である。これによって、特に整合性チェックが可能となり、顧客が、所望のコンフィギュレーションのモジュール式安全スイッチ装置1を得ないことを防ぐことができる。
【0028】
検索可能にコンフィギュレーションデータベース3に格納されたコンフィギュレーションデータセット5は、たとえば、モジュール式安全スイッチ装置1のメーカにおいて製造依頼が出された後に読み出すことが可能である。モジュール式安全スイッチ装置1のシステムコンフィギュレーションは、好ましくは、メーカの特別な生産テーブルで作製される。これら生産テーブルは、コンフィギュレーションデータベース3からモジュール式安全スイッチ装置1のコンフィギュレーションデータセット5を受け取る。ソフトウェアプログラムが、コンフィギュレーションデータセット5から、作業者のためにモジュール式安全スイッチ装置1の視覚的表現を作成し、それは表示装置に表示される。この視覚的表示と配線図を使用して、電子モジュール10.1~10.nのモジュール式安全スイッチ装置1のコンフィギュレーションが非常に簡単に行われることができる。
図1
図2
【外国語明細書】