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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042007
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】骨変位システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20220304BHJP
【FI】
A61B17/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021142089
(22)【出願日】2021-09-01
(31)【優先権主張番号】63/073,205
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521301079
【氏名又は名称】ネクストレミティ ソルーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEXTREMITY SOLUTIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】マシュー コイン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ジェー. デナム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】骨切り術の外科的処置中の良好に制御された変位、伸延、圧迫、および固定ができるシステムを提供する。
【解決手段】骨変位システムは、第1のアーム431および第2のアーム432を有する本体430を含む。第1のアームは、第1の骨部分107上に配置されるように構成されたプレートと係合するように構成された第1の脚部401に接続される。第2のアームは、第2の骨部分108に接続されるように構成された第2の脚部に接続される。力適用固定具は、第1のアームおよび第1の脚部に結合され、かつ第1のアームと第1の脚部との間に力を適用するように構成される。プレートは、力適用固定具によって適用される力によって、第2の骨部分に対して第1の骨部分が移動した後、ねじ372がプレートを第1の骨部分および第2の骨部分に接続可能なように位置合わせされたねじ穴を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨変位システムであって、
第1のアームおよび第2のアームを有する本体であって、
前記第1のアームが、第1の骨部分上に配置されるように構成されたプレートと係合するように構成された第1の脚部に接続され、
前記第2のアームが、第2の骨部分に接続されるように構成された第2の脚部に接続される、本体と、
前記第1のアームおよび前記第1の脚部に結合され、かつ前記第1のアームと前記第1の脚部との間に力を適用するように構成された、力適用固定具と、を備え、
前記プレートが、前記力適用固定具によって適用される前記力によって、前記第2の骨部分に対して前記第1の骨部分が移動した後、ねじが前記プレートを前記第1の骨部分および前記第2の骨部分に接続可能なように位置合わせされたねじ穴を有する、骨変位システム。
【請求項2】
前記本体が、アウトリガーアームに接続され、前記アウトリガーアームが、前記アウトリガーアームが前記第1の骨部分に沿って延在するように、前記プレートを越えてかつ前記本体から離れて、前記本体から延在し、前記アウトリガーアームが、ねじが前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に接続するように、前記ねじを位置合わせするための開口部を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記開口部が、前記第1の骨に接続するように構成され、かつ前記ワイヤに受け入れられて、前記第1の骨を前記第2の骨に接続するように構成されたカニューレねじをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の脚部が、前記第2の脚部および前記第2のアームを前記第2の骨に接続するためのワイヤを受け入れるように構成された、開口部を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
切断ガイドを位置合わせして、骨を前記第1の骨部分および前記第2の骨部分に切断するために、前記ワイヤを受け入れるように構成された前記切断ガイドをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の脚部が、前記第1の脚部および前記第1のアームを前記第1の骨に接続するためのワイヤを受け入れるように構成された、開口部を含み、前記プレートが、前記第1の骨部分および前記第2の骨部分に対して前記プレートを位置合わせするために前記ワイヤを受け入れるように構成された開口部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記プレートが、前記第1の骨部分を貫通することなく、前記第1の骨部分の上面に接触するように構成された非貫通底面を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のアームと前記第1の脚部との間に前記力適用固定具によって力を前記適用することが、前記第1の骨相対物および前記第2の骨部分を互いに対して伸延するように力を適用することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の脚部が、前記第1の骨部分に向かって前記第1のアームから下向きに延在し、前記第2の脚部が、前記第2の骨部分に向かって前記第2のアームから下向きに延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記本体と前記第2の脚部との間に第2の力を適用するように構成された第2の力適用固定具をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
骨を変位させるのに使用するための方法であって、
第1の骨部分上にプレートを配置することと、
本体に接続された第1の脚部を介して、前記本体の第1のアームを前記第1の骨部分に結合し、前記第1の骨部分上に配置された前記プレートと係合することと、
前記本体に接続された第2の脚部を介して、前記本体の第2のアームを第2の骨部分に結合することと、
前記第1のアームおよび前記第1の脚部に結合された力適用固定具を介して前記第1のアームと前記第1の脚部との間に力を適用して、前記第2の骨部分に対して前記第1の骨部分を移動させることと、
前記第2の骨部分に対して前記第1の骨部分を移動させた後、前記プレート中のプレート開口部を通るプレートねじを介して前記第1の骨部分および/または前記第2の骨部分に前記プレートを取り付けることと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記第1のアームを前記第1の骨部分に前記結合することが、ワイヤを前記第1の骨部分に接続し、前記第1のアームおよび前記第1の脚部を通る開口部に前記ワイヤを受け入れることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記本体が、アウトリガーアームに接続され、前記アウトリガーアームが前記第1の骨部分に沿って延在するように、前記プレートを越えて、かつ前記本体から離れて、前記本体から前記アウトリガーアームを延在することをさらに含み、前記アウトリガーアームが、ねじが第1の骨部分を第2の骨部分に接続するように、前記ねじを位置合わせするための開口部を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アウトリガーアームを前記第1の骨部分に接続するために、前記開口部にワイヤを受け入れることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アウトリガーアームを前記ワイヤから取り外し、前記ワイヤを覆うねじを受け入れ、かつ前記第1の骨部分を前記第2の骨部分に前記ねじによって接続することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の骨部分に前記プレートを前記配置することが、前記第1の骨部分を貫通することなく、前記第1の骨部分の上部外面上に前記プレートの底面全体を配置することを含み、前記第2の骨部分に対して前記第1の骨部分を前記移動させる前に、第2のプレート開口部中の第2のプレートねじによって、前記第1の骨部分または前記第2の部分に前記プレートを接続することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のアームと前記第1の脚部との間に前記力適用固定具によって力を前記適用することが、前記第2の骨部分に対して前記第1の骨を伸延するために力を適用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記本体および前記第2の脚部に結合された第2の力適用固定具を使用して、ユーザによって前記本体と前記第2の脚部との間に第2の力を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記本体の前記第2のアームを前記第2の骨部分に前記結合することが、前記第2の脚部および前記第2のアーム中の開口部を通るワイヤによって、前記第2のアームを前記第2の骨に接続することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記開口部を通る前記ワイヤによって、前記第2のアームを前記第2の骨に接続する前に、前記ワイヤ上の切断ガイドの開口部を受け入れることをさらに含み、前記第1の骨部分および第2の骨部分に骨を切断することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記開口部を通る前記ワイヤによって、前記第2のアームを前記第2の骨に接続して、前記第1の骨部分および前記第2の骨部分に対して前記プレートを位置合わせするときに、前記ワイヤ上の前記プレートの開口部をさらに受け入れる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年9月1日に出願された米国仮出願シリアル番号63/073,205に対する優先権を主張するものであり、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2020年2月10日に出願された米国仮出願シリアル番号62/972,369に関連しており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、2021年2月10日に出願された米国特許出願シリアル番号17/172,672に関連しており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0004】
本発明は、一般に、骨切り術、特に骨切り術中の骨の圧迫または伸延、変位、および固定に関する。
【背景技術】
【0005】
骨切り術の外科的処置中に、骨変位は、手動で実行され得る。現在の伸延技術は、可能な骨調製の量を制限し、既存の圧迫技術は、しばしば不十分な適合を提供する。現在の固定技術は、固定前に骨の位置を支持および維持するためのワイヤリングを伴い、しばしば不十分または不整列の固定につながる。
【0006】
したがって、骨切り術の外科的処置中の良好に制御された変位、伸延、圧迫、および固定の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、一態様では、第1のアームおよび第2のアームを有する本体を含む骨変位システムを提供する。第1のアームは、第1の骨部分上に配置されるように構成されたプレートと係合するように構成された第1の脚部に接続される。第2のアームは、第2の骨部分に接続されるように構成された第2の脚部に接続される。力適用固定具は、第1のアームおよび第1の脚部に結合され、かつ第1のアームと第1の脚部との間に力を適用するように構成される。プレートは、力適用固定具によって適用される力によって、第2の骨部分に対して第1の骨部分が移動した後、ねじがプレートを第1の骨部分および第2の骨部分に接続可能なように位置合わせされたねじ穴を有する。
【0008】
本発明は、一態様では、第1の骨部分にプレートを配置し、第1の骨部分に配置されたプレートと係合する本体に接続された第1の脚部を介して、本体の第1のアームを第1の骨部分に結合することを含む、骨を変位させるのに使用するための方法を提供する。本体の第2のアームは、本体に接続された第2の脚部を介して第2の骨部分に結合される。力は、第1のアームおよび第1の脚部に結合された力適用固定具を介して第1のアームと第1の脚部との間に適用され、第2の骨部分に対して第1の骨部分を移動させる。プレートは、第2の骨部分に対して第1の骨部分を移動させた後、プレート中の開口部を通るねじを介して第1の骨部分および第2の骨部分に取り付けられる。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の図面と併せて解釈される本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の態様による、骨に挿入されたガイドワイヤを受け入れる位置合わせガイドの斜視図である。
【0011】
図2】本発明の態様による、図1のガイドワイヤを受け入れるカットガイドの斜視図である。
【0012】
図3】本発明の態様による、図1のガイドワイヤを受け入れるカットガイドの斜視図である。
【0013】
図4】本発明の態様による、図1のガイドワイヤのうちの2つを受け入れる取り付けられたインプラントプレートの斜視図である。
【0014】
図5】本発明の一態様による、インプラントプレートと係合し、かつ本発明の一態様による、図4のガイドワイヤを受け入れるシフトジグの斜視図である。
【0015】
図6】本発明の態様による、骨の一部が圧縮および変位された図5のシフトジグの斜視図である。
【0016】
図7】本発明の態様による、インプラントプレートを通して骨にねじ込む図6のシフトジグの斜視図である。
【0017】
図8】本発明の態様による、ジグおよびワイヤが取り外された状態で骨に接続された図8のインプラントプレートの斜視図である。
【0018】
図9】本発明の態様による、骨と係合し、かつ図1のガイドワイヤを受け入れるシフトジグの斜視図である。
【0019】
図10】本発明の態様による、骨の一部が圧縮および変位された図9のシフトジグの斜視図である。
【0020】
図11】本発明の態様による、アウトリガーガイドワイヤを受け入れるアウトリガーに結合された図10のシフトジグの斜視図である。
【0021】
図12】本発明の態様による、アウトリガーが取り外され、かつアウトリガーガイドワイヤが残存する図11のシフトジグの斜視図である。
【0022】
図13】本発明の態様による、骨においてアウトリガーガイドワイヤの周りに配置されたカニューレねじを備えた図12のシフトジグの斜視図である。
【0023】
図14】本発明の態様による、骨と係合し、かつ図1のガイドワイヤを受け入れるシフトジグの斜視図である。
【0024】
図15】本発明の態様による、骨の一部が圧縮および変位された図14のシフトジグの斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0025】
本発明は、添付の図面を参照して、本発明による様々な例示的な実施形態に関して以下で詳細に考察される。以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を記載する。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細なしで実施され得ることは当業者には明らかであろう。他の例では、本発明の不必要な曖昧さを回避するために、周知の構造は、詳細に示されていない。さらに、本説明において、「上」、「下」、「左」、「後」、「右」、「前」、「垂直」、「水平」、およびそれらの派生語という用語は、図1に向けられた本発明に関連するものとする。
【0026】
以下の説明は、踵骨骨切り術の圧迫/伸延、変位、および固定に使用するためのシステム、方法、および装置を参照している。踵骨骨切り術は、踵骨の一部を切断して再配置し、位置合わせを修正することを伴う。しかしながら、当業者は、他の骨の骨切り術が前述のシステム、方法、および装置での使用に適していることを理解するであろう。同様に、様々な図、ステップ、手順、およびワークフローは、例としてのみ提示されており、説明されているシステム、方法、または装置は、異なる時間枠または順序でそれぞれのそれらのタスクまたは結果を実行するように制限するものではない。本発明の教示は、任意の骨切り術に関連する圧迫/伸延、変位、および固定に適用され得る。
【0027】
さらに、前述の技術分野、背景、簡単な要約、または以下の詳細な説明に示されているいかなる明示的または黙示的な理論に拘束される意図もない。添付の図面に示され、かつ以下の明細書に記載されている特定のデバイスおよびプロセスは、本発明の概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、特に明記しない限り、限定的であると見なされるべきではない。
【0028】
踵骨骨切り術システムは、図1~15における様々な実施形態に図示されている。図1を参照すると、位置合わせガイド100は、踵骨105の側面上に配置される。ガイド100は、例えば、本体117、本体117から延在するアーム115、および複数のガイドワイヤ150(例えば、K-ワイヤ)を受け入れるために、上面130から下面140に延在する複数のワイヤ穴120を有し得、その結果、ワイヤ150は、ガイド100を通って踵骨105などの骨内に延在し得る。ワイヤ150は、穴120の第1の穴114、第2の穴116、第3の穴118、および第4の穴119でそれぞれ受け入れられる第1のワイヤ154、第2のワイヤ156、第3のワイヤ158、および第4のワイヤ159を含み得、その結果、ワイヤおよび穴は、本体117の長手方向寸法に沿って長手方向に位置合わせされる。
【0029】
ガイド100は、図1における4つのワイヤ穴120を伴って図示されているが、ワイヤ穴120の数は、例えば、骨のサイズ、骨密度、および/または外科的欲求によって変動し得る。ワイヤ穴はまた、穴の境界面が様々な形状のワイヤを受け入れるために様々な形状であるように、本体117の表面を画定する穴によって境界付けられ得る。そのような穴に受け入れられたワイヤはまた、ねじ付きまたは滑らかであり得る。例えば、第2のワイヤ156および第3のワイヤ158は、ナットと係合するか、さもなければ他の物本体と係合するためのねじ山を有し得る。一例では、第1のワイヤ154および第4のワイヤ159は、ねじ付きでなくてもよい。ワイヤ穴120は、ガイドワイヤ150が挿入された状態で図示されているが、ガイドワイヤ150が挿入されたワイヤ穴120のインスタンスの数は、例えば、骨サイズ、骨密度、および/または外科的欲求によって変動し得る。ワイヤ穴120は、円形として図示されているが、ワイヤ穴120は、上記のようにガイドワイヤ150を収容するように構成された(例えば、成形および特定の寸法で作製)任意の形状であり得る。ガイドワイヤ150は、例えば、ガイド100を通って踵骨105に穿設された穴に挿入され得るか、またはワイヤ150は、そのような事前穿設なしに手で挿入され得る。
【0030】
ガイド100は、例えば、踵骨骨切り術の外科的処置中に、インプラントの位置を決定し、かつガイドワイヤ102を挿入して器具をガイドまたは位置付けるために使用され得る。図1に示され、上記のように、ガイドワイヤ150は、踵骨105の後方に向かって位置付けされた第1のガイドワイヤ154および第2のガイドワイヤ156、ならびに踵骨105の前方に向かって位置付けされた第3のガイドワイヤ158および第4のガイドワイヤ159を含み得る。踵骨骨切り術の外科的処置は、踵骨105の一部を切断することを伴うため、ガイドワイヤ150が挿入されたワイヤ穴120は、予想される踵骨切断の反対側に位置付けられ得る。例えば、第1のガイドワイヤ154および第2のガイドワイヤ156は、切断部の第1の側面上に位置付けられ得、一方、第3のガイドワイヤ158および第4のガイドワイヤ159は、切断部の第2の側面上に位置付けられ得る。
【0031】
ガイドワイヤ150がワイヤ穴120を介して踵骨105に挿入された後、ガイド100は、例えば、取り外され得る。カットガイド200は、図2に示されるように、ワイヤ150を覆って受け入れられ得る。第2のワイヤ156は、カットガイド200を通って延在する穴(図示せず)に受け入れられ得、ナット205にねじで接続され得る。第3のワイヤ158は、第3のワイヤ158がカットガイド200を通って延在するように、カットガイド200の穴(図示せず)に受け入れられ得る。図2に示されるように、カットスロット220は、第2のワイヤ156と第3のワイヤ158との間に存在し得る。図3に示される別の例では、カットガイド300は、バリガイドスロット320がカットスロット220の代わりになり得ることを除いて、カットガイド200と同一であり得る。踵骨105の部分を、カットスロット220(図2)における鋸、またはバリガイドスロット320(図3)におけるバリを介して、後部踵骨または第1の部分107および前部踵骨または第2の部分108(図4)に分離するために切断され得る。
【0032】
図4に示されるように、カットガイド200またはカットガイド300が踵骨105およびワイヤ150から取り外された後、穴356および358を有するインプラントプレート350が、第3のワイヤ158および第4のワイヤ159で受け入れられ得、その結果、プレート350の底面360は、踵骨105の第2の部分108の上面109に接触し得る。プレート350は、ねじ372がプレート350を通過し、プレート350を第2の部分108に接続するように、第1のねじ穴352および第2のねじ穴354を通って第2の部分108に向かって下向きに(例えば、ワイヤ150にほぼ平行に)延在するねじ372を介して踵骨105の第2の部分108に取り付けられ得る。プレート350はまた、底面360が、第2の部分108を貫通または延在することなく、上面109と相補的な形状(例えば、平坦な表面)を有するように構成(例えば、成形および特定の寸法で作製)され得る。
【0033】
図5~7に示されるように、骨調整機構またはシフトジグ400は、ジグ400の第1のガイドワイヤ154が第1の穴437に受け入れられ、第2のガイドワイヤ156が第2の穴440(図14)に受け入れられ、第3のガイドワイヤ158が第3の穴436に受け入れられ、第4のガイドワイヤ159が第4の穴438に受け入れられるように位置付けられ得る。シフトジグ400の第1の脚部またはカプラー401は、シフトジグ400の残部から(例えば、第1のアームから)下向きに延在し得、プレート350の上面351上に設置および/または接続され得る。カプラー401の上面351および下端402は、それらの間の係合または接続を容易にするために、相補的に成形され得る(例えば、平坦な表面として形成され得る)。ナット439を第1のガイドワイヤ154に接続して、ジグ400の本体から延在し、第1の骨部分107に接触し得る第2の脚部601(図9)における第2の穴440を通してジグ400を踵骨105の第1の部分107に接続し得る。
【0034】
シフトジグ400は、例えば、第2のアームまたはセグメント432にほぼ垂直な第1のアームまたはセグメント431、第2のセグメント432にほぼ垂直な第3のアームまたはセグメント433、第1のセグメント431にほぼ垂直な第4のアームまたはセグメント434から形成された本体430、および4つのセグメント間に開いた内部または空洞(時には存在する)を有し得る。第4のセグメント434は、例えば、第1のセグメント431から第3のセグメント433に向かって延在し得るが、第3のセグメント433とは接触せず、開口部を残す。
【0035】
カプラー401は、例えば、第1のセグメント431から接触プレート350まで下向きに延在し得る。第2の脚部601は、例えば、第2のセグメント433から第1の骨部分107に接触するように下向きに延在し得る。他の例では、カプラー401および/または第2の脚部601は、本体430の他の部分から下向きに延在して、第1の骨部分107および/または第2の骨部分108と接触、係合、および/または結合し得る。
【0036】
シフトジグ400は、例えば、図5~7に示されるように、圧縮伸延固定具403および変位固定具409を有し得る。圧縮伸延固定具409は、第3のセグメント433の反対側と移動可能に結合され得る。変位固定具409は、ガイドセグメント407に移動可能に結合され得る。カプラー401は、第4のセグメント434の長手方向寸法に対してほぼ垂直な方向に、かつ踵骨105に向かって、第4のセグメント434に接続され、そこから離れて延在し得る。第3の穴436および第4の穴438は、第4のセグメント434およびカプラー401を通って延在し、第1のガイドワイヤ154は、第1の穴437を通過し、第2のガイドワイヤ156は、第2の穴440を通過する(図14)。第3の穴436は、第4のガイドワイヤ159がそれを通過し、かつガイドセグメント407が第2の部分108に位置付けされた状態で、ガイドセグメント407を通って延在する。シフトジグ400の本体430の第1のセグメント431、第2のセグメント432、第3のセグメント433、および第4のセグメント434が図示されているが、シフトジグの他の実施形態は、例えば、より多くのセグメントまたはより少ないセグメントを有する構成を有し得、そのようなセグメントは、例えば、異なる形状の構成を有するシフトジグ(例えば、シフトジグ400)の本体(例えば、本体430)を形成する構成を有する。シフトジグ400は、正方形に配列されたセグメントを有するものとして図示されているが、他のセグメント構成を使用して、異なる形状を有するシフトジグおよびその本体を形成し得る。カプラー401は、第4のセグメント434に接続するものとして説明されているが、カプラーは、ジグ400の異なる部分に接続され、そこから下向きに延在し得る。
【0037】
図5~7を参照すると、圧縮伸延固定具403は、第1の動力ねじ411を受け入れるハウジング406を有し得る。第2のセグメント432は、例えば、外側面の長さに沿ってラック417を有し得、圧縮伸延固定具403は、ラック417と係合し、第1の動力ねじ411は、ラック417と移動可能に結合されたウォームギアとして機能する。圧縮伸延固定具403は、例えば、ドライバー(図示せず)によって操作される第1の動力ねじ411を作動させることによって、ラック417に沿って移動可能であり得る。
【0038】
ガイドセグメント407は、例えば、図6に示されるように、ガイドセグメント407および/またはラックポスト410が第2の部分107に着座した状態で、ねじ付きラックポスト410に結合され得る。変位固定具409は、第2の動力ねじ415を受け入れるハウジング408を含む。変位固定具409は、例えば、第4のセグメント434に接続され、かつ圧縮伸延固定具403の反対側の第1のセグメント431の側面上に配置され得る。変位固定具409のハウジング408は、例えば、ラックポスト410およびラックポスト410と移動可能に結合されたウォームギアとして機能する第2の動力ねじ415と係合し得る。変位固定具409は、例えば、ドライバーによって操作される第2の動力ねじ415を作動させることによってラックポスト410に沿って移動可能であり得、それにより、シフトジグ400の残部をラックポスト410に沿って移動させる。
【0039】
第1の動力ねじ411を操作することは、例えば、第1の部分107をほぼ前方/後方方向に移動させて、圧縮または伸延を提供し得る。動力ねじ415を操作することは、例えば、シフトジグ400および第1の部分107をほぼ内側/外側方向に移動させて、第2の部分108に対する第1の部分107の変位を提供し得る。圧縮伸延固定具403および変位固定具409の両方は、例えば、ドライバーがそれぞれ第1の動力ねじ411または第2の動力ねじ415と係合していないとき、それらの位置を維持するか、さらにはロックし得る。
【0040】
図6に示される例では、第1の部分107および第2の部分108は、変位固定具409の変位または動力ねじ415を駆動することによって、互いに対して垂直に変位され得る。第1の部分107および第2の部分108は、圧縮伸延固定具403の第1の動力ねじ411を駆動することによって、互いに対して圧縮され得る。
【0041】
図7~8に示されるように、ねじ370は、プレート350を第1の部分107に取り付けるために、ねじ372(上記)に対してある角度(例えば、鋭角)でプレート350中の第1の保持穴353および第2の保持穴355を通して挿入され、第1の部分107および第2の部分108を、上記の垂直変位および圧縮後に互いに対して所望の位置に保持し得る。ねじ370をそのように挿入する前に、穴を事前穿設するか、またはねじを事前穿設せずに踵骨105にねじ込み得る。さらに、プレート350は、例えば、ねじ372およびねじ370をそれぞれ受け入れるために、垂直方向に延在する部分651および水平方向に延在する部分652を有し得る。
【0042】
図8に示されるように、第1の部分107および第2の部分108が、プレート350、ねじ370、およびねじ372を介して互いに対して所望の位置に固定された後、ジグ400をワイヤ150から取り外し、続いてワイヤ150を踵骨105から取り外し得る。
【0043】
図9に示される例では、図2~3に対して上記のようにカットガイド200またはカットガイド300を使用して踵骨105が切断された後、図7に示され、上記のようにプレート350を第2の部分108に接続する代わりに、ジグ400をワイヤ150上で受け入れ得る。カプラー401は、上記のようにプレート350上で受け入れられる代わりに、第2の部分108上で受け入れられ得る。カプラー401の下端402は、上記のようにプレート350と係合する代わりに、第2の部分108との係合を容易にするように構成(例えば、成形および特定の寸法で作製)され得る。第2のワイヤ150は、踵骨105に対してジグ400を固定するために、ナット439にねじで接続され得る。
【0044】
上記のように、第1の部分107および第2の部分108は、図10に示されるように、変位固定具409および圧縮伸延固定具403を使用して、互いに対して垂直に移動し、かつ互いに対して圧縮または伸延され得る。
【0045】
図11に示されるように、アウトリガー500は、例えば、第1のセグメント431の開口部510で受け入れるなどによって、ジグ400に接続され得る。アウトリガー500は、上記の第1のセグメント431、第2のセグメント432、第3のセグメント433、および第4のセグメント434と実質的に同じ平面内に第5のアームまたはセグメント520を含み得る。第5のセグメント520は、第3のセグメント433から離れて延在し得、湾曲部540によって下向きに依存する部材550に接続され得、その結果、下向きに依存する部材550は、第1のセグメント431に対してほぼ垂直に位置合わせされた長手方向寸法を有し、部材550は、踵骨105の第2の部分108の側面に沿って延在する。ワイヤ受け入れ部材560は、下向きに依存する部材550に接続され得、第1のアウトリガーワイヤ572および第2のアウトリガーワイヤ574などのアウトリガーワイヤ570を受け入れるために、第1のアウトリガー開口部562および第2のアウトリガー開口部564などのワイヤ受け入れ開口部561を含み得る。ワイヤ570は、ワイヤ受け入れ部材560を通って第1の部分107および第2の部分108に延在し得る。ワイヤを挿入する前に、ワイヤの侵入を容易にするために、穴は踵骨105に事前穿設され得る。他の例では、アウトリガー500と同様のアウトリガーをアウトリガー500と同じ方法で位置合わせしながら、異なる成形および特定の寸法で作製することができる。
【0046】
図12に示されるように、アウトリガー500は、アウトリガーワイヤ570から取り外され、ワイヤ570を残してジグ400から分離され得る。カニューレねじ580は、アウトリガーワイヤ570上で受け入れられ得、図13に示されるように、第1の部分107および第2の部分108に接続するために第1の部分107および第2の部分108に打ち込まれ得る。図13に示されるように、ジグ400およびワイヤ570は、それによって、第2の部分108に対して第1の部分107を保持するカニューレねじ580を残し得る。
【0047】
図14~15に示される例では、図2~3に対して上記のように踵骨105がカットガイド200またはカットガイド300を使用して切断された後、ジグ400は、図9~10に対して示され、上記のようにワイヤ150上で受け入れられ得る。カプラー401は、上記のようにプレート350上の代わりに、第2の部分108上で受け入れられ得る。より具体的には、カプラー401の下端402は、第2の部分108との係合を容易にするように構成(例えば、成形および特定の寸法で作製)され得る。ナット439を第2のワイヤ156にねじ込む代わりに、ナット160を第3のワイヤ158にねじ込んで、踵骨105に対してジグ400を固定し得る。
【0048】
上記のように、第1の部分107および第2の部分108は、図14に示されるように、変位固定具409および圧縮伸延固定具403を使用して、互いに対して垂直に移動し、かつ互いに対して圧縮または伸延され得る。例えば、第2の部分108は、例えば、ドライバーによって操作される第2の動力ねじ415を作動させることによるラックポスト410に沿った変位固定具409の上方への移動が、それにより、第2の部分108を第1の部分107に対して上方に移動させ得るように、第2の部分を固定する第3のワイヤ158へのナット160の取り付けにより、変位固定具409を介して第1の部分107に対して垂直に持ち上げられ得る。
【0049】
上記のように、シフトジグ400は、踵骨骨切り術で使用するように構成(例えば、成形、特定の寸法で作製、または他の方法で配列)され得る。しかしながら、デバイスおよび手順は、圧縮/伸延および外側/内側の位置付けおよび固定を伴う骨の骨切り術手順で使用するように構成(例えば、成形、特定の寸法で作製、およびその他の方法で配列)され得る。さらに、シフトジグ400は、圧縮/伸延および背側/足底の位置付けおよび固定を伴う骨の骨切り術手順で使用するために構成(例えば、成形、特定の寸法で作製、およびその他の方法で配列)され得る。なおさらに、シフトジグ400は、圧縮/伸延および任意の相対的な横方向の骨の位置付けおよび固定を伴う骨の骨切り術手順で使用するように構成(例えば、成形、特定の寸法で作製、およびその他の方法で配列)され得る。
【0050】
本明細書では、本発明のいくつかの態様について説明および図示してきたが、同じ目的を達成するために、代替の態様および実施形態が当業者によって影響を受け得る。したがって、本発明の真の趣旨および範囲内にあるようなすべての代替の態様を網羅することが、添付の特許請求の範囲によって意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】