(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042026
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】障害者支援の情報処理方法、プログラム及び障害者支援の情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20220307BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137084
(22)【出願日】2020-08-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】513068702
【氏名又は名称】株式会社ミライロ
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100154357
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】垣内 俊哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】チケット購入等のインターネットを介した手続きに関して、障害者支援サービスの利便性をより向上させる障害者支援の情報処理方法、プログラム及び障害者支援の情報処理装置を提供する。
【解決手段】障害者支援の情報処理方法は、少なくとも1つのコンピュータが、公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて障害者に関する認証済み情報を生成することと、サービス提供システムから障害者へサービスが提供されるように、障害者側装置から取得したサービス提供システムへの提供指示に基づいて、認証済み情報を含む障害者に関する情報をサービス提供システムに提供することと、を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコンピュータが、
公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて、障害者側装置から取得した障害者に関する情報に対する認証済み情報を生成することと、
サービス提供システムから前記障害者へサービスが提供されるように、前記障害者側装置から取得した前記サービス提供システムへの提供指示に基づいて、前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供することと、
を実行する、障害者支援の情報処理方法。
【請求項2】
前記サービスは、チケットの提供、有体物の提供、無体物の提供、輸送手段の提供のうちのいずれかである、
請求項1に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項3】
前記障害者に関する情報は、前記障害者側装置から取得した情報から推定された情報を含む、
請求項1又は2に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
前記サービス提供システムに提供される前記障害者に関する情報を、予め前記障害者側装置から入力するように、前記障害者に促すアラートを前記障害者側装置に出力させる情報を送信すること、
を更に実行する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供するときに前記障害者側装置から入力された変更情報を取得することと、
取得した前記変更情報に基づいて、記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することと
を更に実行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
前記記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することに伴い、前記変更情報に付随する情報の入力を前記障害者に促す情報を前記障害者側装置に出力すること
を更に実行する、
請求項5に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項7】
前記記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することは、
前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を第1のサービス提供システムに提供するときに前記障害者側装置から入力される第1の変更情報に基づいて、該第1の変更情報の関連情報を導き出し、該関連情報を用いて第2のサービス提供システムに提供される情報の記憶を行うこと
を含む、
請求項5又は6に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項8】
前記記憶を行うことは、
予め記憶された上位下位概念情報を参照して、前記第1の変更情報の上位概念情報を導き出すこと
を更に含む
請求項7に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
第3のサービス提供システムへのアクセスにかかわらず前記障害者側装置から入力された、前記障害者に関する情報のうちの前記認証済み情報以外の入力情報を取得することと、
取得した前記入力情報に基づいて関連情報を導き出し、該関連情報を用いて第4のサービス提供システムに提供される情報の記憶を行うこと
を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項10】
前記第4のサービス提供システムに提供される情報の前記記憶を行うことは、
予め記憶された上位下位概念情報を参照して、前記入力情報の上位概念情報を導き出すこと
を更に含む
請求項9に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法を実行する制御部を備えた、障害者支援の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害者支援の情報処理方法、プログラム及び障害者支援の情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
障害者が、鉄道及びタクシーなどの交通機関並びに博物館及び遊戯施設などの施設を利用するためのチケット等を購入する際に、料金の割引又はサービスなどを受けることが可能な場合が多くある。通常、ユーザー(障害者)は、割引又はサービスを受ける際に、割引又はサービスなどの提供を行う者(以下、「サービス提供者」という)に障害者手帳を提示する。
【0003】
ここで、障害者手帳について説明する。障害者手帳とは、障害のある人が取得することができる手帳の総称である。
【0004】
図1は、地方自治体が発行した身体障害者手帳100である。障害者手帳には、障害の種別に応じて、身体障害のある人に交付される身体障害者手帳、知的障害のある人に交付される療育手帳及び精神疾患のある人に交付される精神障害者保健福祉手帳などの種類がある。また、障害者手帳には障害の程度を示す等級が記載されている。この等級のほかに、主に鉄道運賃の割引に関して用いられるために定められた「第1種」及び「第2種」という区分がある。鉄道以外のサービス提供者も、上記の等級又は区分に基づいてサービスを提供している。また、タクシーなどのサービスにおいては、障害者の車いすを運ぶなどの付随的サービスを提供している場合がある。
【0005】
例えば、身体障害者手帳の場合、障害の程度は、1級から6級までの等級が定められている。
図1の例では、身体障害程度等級101が「2級」であることが示されている。
【0006】
また、
図1の例では、旅客鉄道株式会社旅客運賃減額102が「第1種」であることが示されている。
【0007】
そして、サービス提供者は、ユーザーにより提示された障害者手帳を目視により確認し、ユーザーに対して料金の割引などのサービスの提供を行うか否かを判断する。
【0008】
割引を自動化するために、ユーザーが個人番号カードと精算用カードを施設側に設定された装置に読み込ませることにより、割引された料金の精算を行うサービスを提供する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【0009】
また、身体障害者が運賃の割引を受けるために、タクシーの車載端末が身体障害者の保持するIDカードを読み取ることによって、タクシーの運賃を自動的に割り引く技術がある(例えば特許文献2参照)。
【0010】
しかしながら、サービスを利用するたびに、サービス提供者に障害者手帳、カードなどを提示することは煩雑であると共に、障害者の受けるサービスの多様化にこたえるには限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2015-95153号公報
【特許文献2】特開平4-77984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、近年、各種チケットを、例えばイベント、展示会又は交通機関で用いるチケットをインターネットを介して購入することが一般になりつつある。このようなチケット購入に際しても、障害者手帳の提示を含む障害者の負担を軽減することが望まれる。
【0013】
本発明は、上記のような点に鑑み、チケット購入等のインターネットを介した手続きに関して、障害者支援サービスの利便性をより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
開示の技術により、少なくとも1つのコンピュータが、公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて、障害者側装置から取得した障害者に関する情報に対する認証済み情報を生成することと、サービス提供システムから前記障害者へサービスが提供されるように、前記障害者側装置から取得した前記サービス提供システムへの提供指示に基づいて、前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供することと、を実行する、障害者支援の情報処理方法が提供される。本開示の技術は、その障害者支援の情報処理方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムにも存する。また、本開示の技術は、前述の障害者支援の情報処理方法を実行する制御部を備えた、障害者支援の情報処理装置にも存する。
【発明の効果】
【0015】
開示の技術によれば、障害者支援サービスの利便性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】第1の実施形態の障害者支援システムの全体構成
【
図4】障害者サービス支援サーバーのハードウェアブロック図
【
図6】障害者サービス支援サーバーのソフトウェアブロック図
【
図7】障害者手帳から読み取られた個人情報及び障害者手帳原本情報の例
【
図8A】端末装置が実行する処理のフローチャート(1)
【
図8B】端末装置が実行する処理のフローチャート(2)
【
図9】障害者サービス支援サーバーが実行する処理のフローチャート
【
図10】障害者サービス支援サーバーが実行する処理のフローチャート
【
図11】第2の実施形態の障害者支援システムの全体構成
【
図12】第2の実施形態における、障害者サービス支援サーバーの記憶領域のブロック図
【
図13】第2の実施形態における、障害者サービス支援サーバーのソフトウェアブロック図
【
図14】第2の実施形態における、障害者サービス支援サーバーが実行する処理のフローチャート
【
図15】第2の実施形態における、障害者サービス支援サーバーが更に実行する処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、一実施形態について説明する。
ただし、以下に説明する実施形態はあくまでも例示であり、特許請求の範囲の内容をそれらに限定するためのものではない。
【0018】
本開示の第1の実施形態について説明する。
本実施形態は、例えば、ユーザー(障害者)が航空機の搭乗チケットを購入する際に、料金の割引を受けるために、スマートフォンなどの端末装置を介して取得した障害者に関する情報(障害者情報)をインターネットを介して提供するようなケースを想定している。
もちろん、航空機以外の交通機関のチケットを購入するとき、施設を利用するチケットを購入するとき、その他のサービスの提供を受けるためのチケットを購入するときにも本実施形態が適用できることは、当業者には明らかである。例えば、博物館、カラオケ店などの施設に入場する際に、入場料金の割引チケットを購入するために、本実施形態を適用することができる。
【0019】
<障害者支援システムの全体構成>
図2は、本実施形態に係る障害者支援サービスを実現するための障害者支援システム200の全体構成である。
【0020】
障害者支援システム200は、
図2に示すように、障害者サービス支援サーバー210、公的サーバー220、端末装置230、サービス提供サーバー240を有する。
【0021】
障害者サービス支援サーバー210は、障害者支援サービスを提供する者が管理するサーバーである。障害者サービス支援サーバー210は、障害者支援用の情報処理装置の一例である。
【0022】
障害者支援システム200において、障害者サービス支援サーバー210には、障害者支援プログラムがあらかじめインストールされている。
【0023】
障害者サービス支援サーバー210は、ユーザー(障害者)により端末装置230から送信された、障害者手帳に記載された情報を含む個人情報を取得し、保存する。また、障害者サービス支援サーバー210は、ユーザーが保持する端末装置230から送信されたパーミッション情報を用いて、公的サーバー220から障害者手帳原本情報を取得する。そして、個人情報を障害者手帳原本情報と照合し、照合した結果に基づいて、ユーザーが所持する端末装置230に整合情報を提供する。整合情報は、認証済み情報の一例である。この整合情報は、ここでは、障害者サービス支援サーバー210にも保持されて記憶される。障害者手帳原本情報は、第2の情報の一例である。
【0024】
なお、障害者サービス支援サーバー210は、障害者支援サービスを提供する者によって管理される。
【0025】
サービス提供サーバー240は、航空会社など、サービス提供者(サービス提供主体)が管理するサーバーである。例えば、障害者は、端末装置230を用いて航空機の搭乗チケットの購入手続きを、サービス提供サーバー240を介して行うことができる。その際に、障害者が福祉機器の一例としての車いすを使用している場合には、車いすを使用している情報が、端末装置230又は障害者サービス支援サーバー210から、サービス提供サーバー240に送られるようにしてもよい。
【0026】
サービス提供サーバー240が、障害者からの搭乗チケットの購入手続きの指示を受け取ると、車いすを利用している情報も受け取ることができるため、サービス提供者である航空会社は、障害者に対して、車いすの利用者に適したサービスの提供を行うことができる。サービス提供サーバー240は、複数の異なるサービス提供者の各々が管理できるよう、複数存在していてもよい。
【0027】
なお、サービス提供サーバー240はそのサーバー240が運営するチケット購入サイトとみなすことができる。サーバー240が運営するチケット購入サイトで購入できるチケットはここでは航空機の搭乗チケットである。しかし、サービス提供者に応じて、購入できるチケットは、美術館・博物館等の入場チケット、野球場などのスポーツ施設の入場チケット、電車等の乗車チケットなどであってもよい。
【0028】
公的サーバー220は、例えば、政府又は自治体などの公的な組織が管理するサーバーである。
【0029】
公的サーバー220は、各ユーザーの障害者手帳原本情報を含む各種の個人に関する情報を、各ユーザーに紐づけて管理している。
【0030】
端末装置230は、ユーザー(障害者)の装置(障害者側装置)であり、表示画面を備えたスマートフォンなどのモバイル端末、ラップトップ端末又はデスクトップ型コンピュータなどでもよい。障害者側装置は、障害者自身により操作される装置であることに限定されず、例えば障害者の介助者等により操作される装置であってもよい。
【0031】
端末装置230は、ユーザー(障害者)により所持されていることを想定している。障害者支援システム200において、端末装置230には、ユーザーの装置用の障害者支援プログラム(以下、第1プログラム)があらかじめインストールされている。ユーザーは、端末装置230にアカウントの情報を入力することにより、障害者サービス支援サーバー210に接続する。
【0032】
また、端末装置230は、障害者情報を表示することができる。
【0033】
障害者サービス支援サーバー210と公的サーバー220とは、インターネットなどのネットワーク250により、互いに接続されている。同様に、障害者サービス支援サーバー210と端末装置230とは、インターネットなどのネットワーク250により、互いに接続されている。サービス提供サーバー240は、端末装置230又は障害者サービス支援サーバー210と、インターネットなどのネットワーク250により相互に接続されていることが望ましい。
【0034】
<端末装置のハードウェア構成>
図3は、端末装置230のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
端末装置230は、
図3に示すように、CPU301、記憶装置302、表示・操作部303、通信部304、撮影部305及び記憶制御部306などを有する。記憶制御部306は、外部メモリ307に対する情報の記憶及び読出しを制御する。外部メモリ307には、USBメモリ、メモリカードなどが挙げられる。ユーザーの装置用の障害者支援プログラムつまり第1プログラムは、記憶装置302又は外部メモリ307に記憶され得る。
【0036】
CPU301は、端末装置230の全体を統括的に制御する演算装置であり、端末装置230の制御部に相当する。CPU301は、特に、第1プログラムを実行し、本実施形態の障害者支援サービスを提供する。第1プログラムは、CPU301により実行される。
【0037】
記憶装置302は、ユーザーの各種個人情報、第1プログラムなどを記憶する。
【0038】
表示・操作部303は、ユーザーへの情報の提示及びユーザーによる操作の受付を行う。表示・操作部303は、例えば、タッチパネルを有する。
【0039】
通信部304は、電話通信網を介する通信を制御することができる。また、通信部304は、ICカードなどから情報を取得できるように、例えば、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を有していてもよい。
【0040】
撮影部305は、レンズ及びイメージセンサなどを有し、撮影した画像を取得する。
【0041】
<障害者サービス支援サーバーのハードウェア構成>
図4は、障害者サービス支援サーバー210のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
障害者サービス支援サーバー210は、
図4に示すように、CPU401、RAM402、ROM403、HDD404、ネットワークI/F405、などを有する。
【0043】
CPU401は、障害者サービス支援サーバー210の全体を統括的に制御する演算装置であり、制御部に相当する。CPU401は、例えば、RAM402、ROM403又はHDD404に保存されているプログラムを実行する。
【0044】
HDD404は、障害者に関する情報(障害者情報)、障害者手帳原本情報を含む、各種の情報を記録することができる。本実施形態の障害者支援プログラム(以下、第2プログラム)は、HDD404又はその他のRAM402、ROM403などの記憶部に記憶され得る。CPU401は、特に、第2プログラムを実行し、本実施形態の障害者支援サービスを提供する。第2プログラムは、CPU401により実行される。
【0045】
ネットワークI/F405は、公的サーバー220、端末装置230及びサービス提供サーバー240との間での通信を実現するインターフェースである。障害者サービス支援サーバー210は、ネットワークI/F405を介して、公的サーバー220及び端末装置230と情報の送受信を行う。
【0046】
<端末装置のブロック図>
図5は、端末装置230のブロック図である。
【0047】
端末装置230は、障害者サービス支援サーバー接続部510、公的サーバー接続部520、データ生成部530、データ保存部540、画面生成部550、サービス提供サーバー接続部560及び指示受取部570を有する。
【0048】
障害者サービス支援サーバー接続部510は、個人情報提供部511、パーミッション情報提供部512及び整合情報取得部513を備える。
【0049】
個人情報提供部511は、障害者手帳から取得したユーザーの個人情報を障害者サービス支援サーバー210に送信する。個人情報提供部511は、障害者手帳から取得した個人情報以外の情報を含む障害者に関する情報も障害者サービス支援サーバー210に送信することができる。
【0050】
パーミッション情報提供部512は、公的サーバー220から取得したパーミッション情報を障害者サービス支援サーバー210に送信する。
【0051】
整合情報取得部513は、個人情報を障害者手帳原本情報と照合した結果である整合情報を障害者サービス支援サーバー210から受信する。
【0052】
公的サーバー接続部520は、認証要求部521及びパーミッション情報取得部522を備える。
【0053】
認証要求部521は、ユーザーの本人確認のための情報(本人確認情報)を公的サーバー220に送信する。
【0054】
パーミッション情報取得部522は、障害者サービス支援サーバー210による公的サーバー220へのアクセスを許可するパーミッション情報を公的サーバー220から受信する。
【0055】
データ生成部530は、障害者手帳からユーザー(障害者)の個人情報を生成する。
【0056】
データ生成部530は、障害者手帳の画像から、OCR機能を利用して、ユーザー(障害者)の個人情報を生成してもよい。或いは、データ生成部530は、障害者手帳の画像を障害者サービス支援サーバー210に送り、障害者サービス支援サーバー210が障害者手帳の画像から抽出した個人情報を受け取ることで、個人情報を生成してもよい。
【0057】
サービス提供サーバー接続部560は、サービス提供サーバー240に対して、つまりチケット購入サイトにおいて、例えば、チケット購入用の個人情報の送信及び車いすなどの補助器具の情報の送信、サービスの提供に関する種々の情報の送受信を行うことができる。
【0058】
データ保存部540は、データ生成部530が生成した各種のデータ、障害者サービス支援サーバー接続部510、公的サーバー接続部520及びサービス提供サーバー接続部560が取得した各種のデータを保存する。
【0059】
画面生成部550は、例えば、障害者手帳の画像、障害者手帳に記載された個人情報を含む障害者に関する情報、又は個人情報と公的機関のシステムの公的サーバー220に保存された障害者手帳原本情報との照合結果に関連する整合情報を含む表示画面を生成する。整合情報(認証済み情報)には、この照合において個人情報と障害者手帳原本情報に共通する項目の全ての照合の結果が一致したか否かを示す情報に加えて、照合が未だ実行されていないことを示す情報が含まれていてもよい。
【0060】
指示受取部570は、ユーザー(障害者)からの指示を受け取る。指示には、車いすなどの補助器具を利用していること等の情報入力及び保存の指示、障害者情報画面の表示の指示、搭乗チケットの購入等のオンラインでのサービス提供依頼の指示、照合指示などが挙げられる。
【0061】
<障害者サービス支援サーバーのブロック図>
図6は、障害者サービス支援サーバー210のブロック図である。
【0062】
障害者サービス支援サーバー210は、端末装置接続部610、公的サーバー接続部620、データ保存部630、データ照合部640及び、サービス提供サーバー接続部650を有する。
【0063】
端末装置接続部610は、個人情報取得部611及び整合情報提供部612を有する。
【0064】
個人情報取得部611は、障害者手帳から取得されたユーザーの個人情報を端末装置230から受信する。個人情報取得部611は、障害者手帳から取得されたユーザーの個人情報以外の情報を含む障害者に関する情報も取得してよい。
【0065】
整合情報提供部612は、個人情報を公的サーバー220から取得された障害者手帳原本情報と照合した結果である整合情報を端末装置230に送信する。なお、ここでは、整合情報提供部612は、HDD404等にその整合情報を保存することも併せて行う。
【0066】
公的サーバー接続部620は、障害者手帳原本情報取得部621を有する。
障害者手帳原本情報取得部621は、公的サーバー220に対して障害者手帳原本情報を要求し、公的サーバー220から障害者手帳原本情報を受信する。
【0067】
サービス提供サーバー接続部650は、サービス提供サーバー240に対して、例えば、整合情報の送信及び車いすなどの補助器具の情報の送信つまり障害者に関する情報の送信、サービスの提供に関する種々の情報の送受信を行うことができる。
【0068】
なお、端末装置230のサービス提供サーバー接続部560と、障害者サービス支援サーバー210のサービス提供サーバー接続部650とは、両者のうちいずれか一方が、サービス提供サーバー240と接続してもよいし、両者が連携してサービス提供サーバー240に接続してもよい。
【0069】
データ保存部630は、端末装置接続部610、公的サーバー接続部620及びサービス提供サーバー接続部650が取得した各種のデータを保存することができる。データ保存部630は、整合情報の保存も行ってもよい。
【0070】
データ照合部640は、データ保存部630が保存する個人情報と公的サーバー220から取得された障害者手帳原本情報とを照合する。
【0071】
<障害者手帳原本情報>
図7は、障害者手帳から読み取られた個人情報及び障害者手帳原本情報の一例である。
【0072】
障害者手帳原本情報は、
図7(b)に示すように、各ユーザー(障害者)の障害種別/等級/発行元自治体/番号/発行日/更新日を含む。障害者手帳原本情報は、政府などの公的な組織が管理する公的サーバー220に保存されている。
【0073】
障害者サービス支援サーバー210は、端末装置230から取得したユーザーの個人情報をアカウントに紐づけて保持している。
【0074】
障害者サービス支援サーバー210が管理する個人情報は、
図7(a)に示すように、氏名/生年月日/障害種別/等級/旅客運賃減額/発行元自治体/番号/有効期限/発行日/更新日を含む。
【0075】
ユーザー(障害者)は、障害者支援サービスを利用する場合、事前に、自らの個人情報を障害者サービス支援サーバー210に登録しておくことができる。既に説明したように、この個人情報は、障害者手帳の撮影画像から取得されたデータを含む。
【0076】
障害者サービス支援サーバー210は、障害者手帳から抽出された情報を含む個人情報と、公的サーバー220から受信した障害者手帳原本情報とを照合する。
【0077】
この照合において、個人情報と障害者手帳原本情報の両方に共通して存在するすべての項目について一致した場合、障害者サービス支援サーバー210は、個人情報が、公的サーバー220が保持している障害者手帳原本情報と整合していることを含む整合情報を生成する。
【0078】
一方、この照合において1つでも一致しない項目があった場合、障害者サービス支援サーバー210は、個人情報が障害者手帳原本情報と整合していないことを含む整合情報を生成する。この場合、端末装置230に対して、整合していないことを通知し、障害者手帳の画像の再取得、個人情報の再送信などを依頼するとよい。
【0079】
<端末装置が実行する処理>
図8A及び
図8Bは、端末装置230が実行する処理のフローチャートである。
【0080】
なお、
図8A及び
図8Bに示される処理は、端末装置230のCPU301が、端末装置230にインストールされた第1プログラムを実行することにより実現される。
【0081】
前提として、ユーザー(障害者)は、自己の所有する端末装置230を用いて、自己のアカウントを登録して、ユーザーIDとパスワードを保持しているものとする。アカウントの登録は、端末装置230を障害者サービス支援サーバー210に接続して行われる。ユーザーIDとパスワードの組合せは、障害者サービス支援サーバー210に保存される。なお、アカウントの登録は、上記の処理に限られるものではなく、既存のSNSのアカウントを利用してアカウント登録がなされてもよいし、生体認証、携帯電話などを利用した二段階認証などが併用されてもよい。ユーザー登録の際に、ユーザーの名前、生年月日、住所、メールアドレス、電話番号などが登録されてもよい。
【0082】
まず、
図8Aを用いて、端末装置230が整合情報を受信するまでの処理について説明する。なお、端末装置230は、障害者サービス支援サーバー210から整合情報を受信するまでは、デフォルトの整合情報を保持していてもよい。デフォルトの整合情報には、照合が未だ行われていない情報が含まれていることが望ましい。
【0083】
ユーザー(障害者)により、既に登録されたアカウントに対して、IDとパスワードとを利用して、ログインがなされる。ログインが成功すると、端末装置230と障害者サービス支援サーバー210との間での情報交換が可能となる。(S801)
【0084】
端末装置230は、ユーザー(障害者)が所有する障害者手帳に記載されている個人情報を取得する。なお、この個人情報は、障害者手帳に記載されている情報のうちの一部の情報であってもよい。また、この個人情報に加えて、障害者手帳には記載されていない情報、例えばユーザー(障害者)が車いすを使用していることなどの補助器具の情報が別途取得されてもよい。こうして、個人情報を含む障害者に関する情報は取得され得る。
【0085】
障害者に関する情報すなわち個人情報及び補助器具の情報が、端末装置230の記憶装置302などに記憶される。なお、障害者に関する情報は、第1の情報の一例である。(S802)。
【0086】
例えば、ユーザーが端末装置230に備えられたイメージセンサにより障害者手帳を撮像すると、端末装置230は、撮影された画像から、障害者手帳のイメージ画像を取得する。そして、端末装置230は、障害者手帳に記載された個人情報(
図7を参照)を文字認識処理により取得する。取得された個人情報は、障害者サービス支援サーバー210に送信される。この文字認識においては、各障害者手帳のフォーマットをあらかじめ記憶しておき、記録されたフォーマットを用いて、文字認識の精度を高めることができる。例えば、まず、どのフォーマットの障害者手帳であるかを認識する。例えば、フォーマットがA県の障害者手帳のフォーマットであることが分かれば、どの位置にどのような情報が記載されているかが予測できる。このため、そのフォーマットに基づいて、文字認識を行うことにより、より精度の高い文字認識を行うことができる。
【0087】
或いは、既に説明したように、障害者サービス支援サーバー210が、このイメージ画像から障害者手帳に記載された個人情報(
図7を参照)を文字認識処理により取得してもよい。この個人情報は、障害者サービス支援サーバー210から端末装置230に送られることになる。なお、障害者サービス支援サーバー210における文字認識処理の結果に対して、オペレータによる目視チェックが併用されてもよい。
【0088】
ユーザー(障害者)により、公的機関の情報との整合チェックを行う指示があったか否かがチェックされる(S803)。このチェックがNOであれば、処理は、終了する。このチェックがYESであれば、処理はS804に移る。
【0089】
ユーザー(障害者)は、障害者手帳の提示に代えて、読み取らせた障害者情報を端末装置230に表示させることで、種々のサービスを受けることができる。
【0090】
例えば、端末装置230は、端末装置230に備えられた近距離無線通信を介して、公的機関に記録されているユーザー自身を特定する本人確認情報が記録されたICカードと通信を行う。
【0091】
この本人確認情報は、暗号化された形で、端末装置230を経由して、公的サーバー220に受信される。本人確認情報が有効なものである場合には、ユーザー(障害者)の本人確認がなされ端末装置230と公的サーバー220との接続が確立する(S804)。
【0092】
ユーザー(障害者)の本人確認がなされると(S805でY)、障害者サービス支援サーバー210による公的サーバー220へのアクセスを許可するパーミッション情報を、端末装置230が公的サーバー220から受信する。端末装置230は、受信したパーミッション情報を障害者サービス支援サーバー210に転送する(S806)。
【0093】
なお、ユーザー(障害者)の本人確認が公的サーバー220により否定された場合は接続が拒否され(S805でN)、処理は終了する。
【0094】
障害者サービス支援サーバー210は、端末装置230から受信したパーミッション情報を用いて公的サーバー220から障害者手帳原本情報を受信し、個人情報と整合しているか否かを照合する。この照合の処理については、
図9において説明する。
【0095】
端末装置320は、この照合の結果である整合情報を障害者サービス支援サーバー210から受信する(S807)。
【0096】
障害者手帳に記載された個人情報が公的サーバー220により保持されている障害者手帳原本情報に合致している場合、以上の処理を済ませておくことにより、ユーザーは、搭乗チケットの購入時、例えばその料金の割引などのサービスを利用する際に、認証されている旨が付加された障害者情報を、障害者サービス支援サーバー210又は端末装置230からサービス提供サーバー240又はそのサーバー240により運営されているチケット購入サイトなどに提示することができる。
【0097】
次に、
図8Bを用いて、端末装置230における他の処理について説明する。
ユーザー(障害者)により、既に登録されたアカウントに対して、IDとパスワードとを利用して、ログインがなされる。ログインが成功すると、端末装置230と障害者サービス支援サーバー210との間での情報交換が可能となる(S822)。
【0098】
ログインがなされると、ユーザーの指示が、補助器具を必要とすることなどの情報の入力であるか否かが判断される(S824)。
【0099】
ユーザーの指示が情報の入力であった場合、ユーザーによって入力された情報が端末装置230に保存される(S826)。
【0100】
ユーザーの指示が情報の入力でなかった場合、画面表示の指示であるか否かが判断される(S828)。
【0101】
ユーザーの指示が画面表示の指示であった場合(S828でY)、障害者に関する情報が端末装置230に表示される(S830)。
【0102】
ユーザーの指示が画面表示の指示でなかった場合(S828でN)、オンラインでの各種のサービスを要求する指示であるか否かが判断される(S832)。
【0103】
ユーザーの指示がオンラインでのサービスの要求であった場合(S832でY)、ユーザーの指示及び障害者に関する情報の少なくとも一部がサービス提供サーバー240へ送信される。これによって、例えばユーザーの指示が搭乗チケットの購入である場合、航空会社のサービス提供サーバー240はユーザーを特定することができる。障害者に関する情報は、端末装置230からサービス提供サーバー240に送られてもよいし、端末装置230からの障害者サービス支援サーバー210への指示に基づいて、障害者サービス支援サーバー210からサービス提供サーバー240に送られてもよい。(すなわち、障害者に関する情報は、端末装置230に保存され、かつ障害者サービス支援サーバー210において管理されていることが望ましい。)
【0104】
また、例えば、ユーザーが車いすを利用している情報(補助器具の情報)も航空会社のサービス提供サーバー240に送信されるようにすることが望ましい。
【0105】
加えて、サービス提供サーバー240に送られる情報には、整合情報が含まれていることが望ましい。整合情報がサービス提供サーバー240に送られることにより、個人情報が公的サーバーに保存されている障害者手帳原本情報と整合していることを、航空会社が確認することができるため、航空会社は、障害者に関する情報を考慮しつつ、安心して搭乗チケットの販売を行うことができる(S834)。
【0106】
ユーザーの指示が上記のいずれの指示でもなかった場合は(S832でN)、処理を終了する。
【0107】
なお、
図8(A)及び
図8(B)は、端末装置230の処理の一例であって、その他の処理が行われてもよいことは言うまでもない。
【0108】
<障害者支援サービスにおいて障害者サービス支援サーバーが実行する処理>
図9は、障害者情報支援サービスにおいて障害者サービス支援サーバー210が実行する処理のフローチャートである。
【0109】
なお、
図9に示される処理は、障害者サービス支援サーバー210のCPU401が、HDD404などの記憶部に記憶されている障害者支援プログラムつまり第2プログラムを実行することにより実現される。
【0110】
図8AのS802において端末装置230がユーザー(障害者)の障害者手帳に記載された個人情報を取得すると、障害者サービス支援サーバー210は、端末装置230から個人情報を受信する。或いは、端末装置230から、障害者手帳の画像を受信することにより、障害者サービス支援サーバー210が、OCRの機能を利用して、障害者手帳に記載された個人情報を取得してもよい。(S901)。
【0111】
その後、
図8AのS806において端末装置230がパーミッション情報を転送することにより、障害者サービス支援サーバー210は、パーミッション情報を受信する(S902)。
【0112】
パーミッション情報を受信すると、障害者サービス支援サーバー210は、公的サーバー220に接続し、その通信に基づいて、公的サーバー220に保存されているユーザーの障害者手帳原本情報を取得する(S903)。
【0113】
そして、障害者サービス支援サーバー210は、S901で取得した個人情報とS903で取得した障害者手帳原本情報とを照合し(S904)、照合した結果である障害者に関する認証済み情報を、つまり整合情報を生成する。そして、障害者サービス支援サーバー210は、その整合情報を端末装置230に送信する(S905)。これにより、端末装置230は、整合情報を取得することができる(
図8AのS807)。なお、前述のように、ここでは、障害者サービス支援サーバー210は、自己の記憶領域に、その整合情報を記憶する。
【0114】
<サービス提供サーバーのチケット購入のための情報提供の処理>
図10は、サービス提供サーバー240のチケット購入サイトでのチケット購入の処理のフローチャートであり、ここでは障害者サービス支援サーバー210での処理のフローチャートである。
【0115】
なお、
図10の処理は、端末装置230がチケット購入サイトにアクセスしてチケット購入を行う際に(
図8BのS834)、障害者サービス支援サーバー210にアクセスして、端末装置230又は障害者サービス支援サーバー210から障害者に関する情報、好ましくは整合情報を、更に好ましくは、それに付随する補助器具の情報等をも、サービス提供サーバー240に提供する処理である。障害者サービス支援サーバー210がサービス提供サーバー240に提供する整合情報は、端末装置230から取得した障害者に関する情報のうちの上記個人情報(
図7、
図9のS901)に対して生成した認証済み情報に相当する。
【0116】
図10に示される処理は、障害者サービス支援サーバー210のCPU401が、HDD404などの記憶部に記憶されている障害者支援プログラムつまり第2プログラムを実行することにより実現される。
【0117】
ユーザー(障害者)が、端末装置230を介してサービス提供サーバー240のチケット購入サイトに接続しているときに、障害者サービス支援サーバー210にアクセスしてログインする(S1001)。これにより、サービス提供サーバー240への種々の情報の提供指示を障害者サービス支援サーバー210は端末装置230から取得する。そして、障害者サービス支援サーバー210は、サービス提供システムのサービス提供サーバー240からユーザー(障害者)へサービスが提供されるように、記憶している整合情報及び/又は補助器具の情報を含むユーザー(障害者)に関する情報をサービス提供サーバー240に提供することができる(S1002)。
【0118】
なお、既に説明したように、障害者サービス支援サーバー210との通信により端末装置230が整合情報を保持している場合には、端末装置230は、直接的に、サービス提供サーバー240に整合情報を提供してもよい。
【0119】
障害者サービス支援サーバー210は、サービス提供サーバーに提供される障害者に関する情報を、予め障害者側装置つまり端末装置230から入力するように、障害者に促すアラートを端末装置230に出力させる情報を送信することを更に実行するとよい。予め障害者側装置つまり端末装置230から入力される障害者に関する情報は、前述の補助器具の情報を含む障害者に関する情報に限定されず、サービス提供サーバー240から要求される情報、又は要求される可能性の高い情報を含んでもよい。障害者サービス支援サーバー210は、サービス提供サーバー240から要求される情報、又は要求される可能性の高い情報を、予め保持しておくことが望ましい。このため、障害者サービス支援サーバー210は、サービス提供サーバー240から要求される情報、又は要求される可能性の高い情報をユーザー(障害者)の端末装置230から入力するように、好ましくは事前に入力しておくように促すメッセージを、換言するとアラートを端末装置230に出力させる情報を送信することが望ましい。
【0120】
ユーザー(障害者)は、端末装置230に表示されるこのメッセージに応じて、サービス提供サーバー240から要求される情報、又は要求される可能性の高い情報を、予め入力しておくことができる。これらの情報は、障害者サービス支援サーバー210に送信されて管理され得る。
【0121】
このようにすることによって、ユーザー(障害者)は、サービス提供サーバー240から、スムーズに目的のチケットを購入することができる。
【0122】
なお、サービス提供サーバー240から要求される情報、又は要求される可能性の高い情報は、例えば、上述の車いすなどの補助器具を利用していること等の情報を含み得、介助の必要性、介助者の情報なども含むことができるとよい。
【0123】
以上のとおり、上記実施形態によれば、ユーザー(障害者)は、サービス提供サーバー240のチケット購入サイトでのチケット購入時、障害者手帳の提示などをせずに、チケット購入サイトでのチケット購入のために認証済みの障害者情報等を、つまり整合情報又はその整合情報を含む障害者に関する情報をチケット購入サイトに提供することができる。これにより、チケット購入のたびに行われる身障者に関する情報等の入力を省くことを可能にし、よって障害者支援サービスの利便性をより向上させることを可能にする。また、これに伴い、ユーザー(障害者)は、障害者補助、障害者割引等の利益をより的確に享受することが可能になる。
【0124】
上記実施形態では、それぞれコンピュータである端末装置230と、障害者サービス支援サーバー210とが連携して、障害者支援の情報処理方法を実行した。つまり、端末装置230と、障害者サービス支援サーバー210とは、公的な組織の管理下にあるシステムである公的サーバー220との通信に基づいて障害者に関する情報に対する認証済み情報つまり整合情報を生成した。そして、端末装置230及び障害者サービス支援サーバー210のいずれかが、ユーザーの装置である端末装置230から取得したサービス提供サイト、より具体的にはチケット購入サイトへの提供指示に基づいて、その認証済み情報を含むユーザー(障害者)に関する情報をそのサイトにつまりサービス提供主体側に提供した。しかし、整合情報の生成及びその提供は、端末装置230と、障害者サービス支援サーバー210との連携により実現されることに限定されず、それらのいずれか一方のみにより実質的に実現されてもよい。そして、上記実施形態では、端末装置230に第1プログラムがインストールされ、障害者サービス支援サーバー210に第2プログラムがインストールされた。上記実施形態では、障害者支援プログラムは、第1プログラムと第2プログラムとの組み合わせからなる。しかし、障害者支援プログラムは、1つのプログラムのみで構成されてもよい。
【0125】
上記実施形態では、サービス提供主体側のサービス提供サイトに整合情報等を提供した。しかし、サービス提供主体側のサービス提供システムは、そのようなサービス提供サイトに限定されず、コンピュータにインストールされたサービス提供用のアプリケーションであってもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、航空機のチケット購入について説明した。しかし、サービス提供主体側から提供されるサービスは、そのようなチケットに限定されず、デジタル商材、ポイント、物販商品、各種権利であってもよい。更に、割引等されてユーザーが優遇されるものは、運賃等に限定されず、ポイント、手数料、送料、利用料等であってもよい。要するに、サービスは、チケットの提供、有体物の提供、無体物の提供、輸送手段の提供のうちのいずれかであるとよい。
【0127】
例えば、上述のように障害者サービス支援サーバー210から認証済み情報を含む障害者に関する情報をサービス提供サーバー240に提供することにより、端末装置230は、サービス提供サーバー240から、その障害者に関する情報に応じて割引などのメリットが得られる特別なチケットなどを受け取ってもよい。具体例としては、東日本旅客鉄道株式会社によるSuica(登録商標)などの交通系電子カードを挙げることができる。この交通系電子カードが障害者の端末装置230に登録される際においても、障害者サービス支援サーバー210から認証済み情報、例えば整合情報を含む障害者に関する情報をサービス提供サーバー240に提供することで、端末装置230は、障害者に関する情報に応じた割引などのサービスが受けられる情報が記憶された特別な交通系電子カードの登録が可能になる。したがって、ユーザーは端末装置230に登録されたこの特別な交通系電子カードを利用することで、運賃の割引などのサービスを受けることが可能になる。なお、このように端末装置230に記録される電子カードは、上記のような交通系の電子カードに限定されない。端末装置230に記憶され得る電子カードのその他の例としては、リチャージャブルなカード、利用の都度引き落としがなされるカード、クレジットカード、ポイントカードなどに所定のメリットを与えるものであってもよいことは言うまでもない。例えば、ポイントカードでは、通常のポイント加算率よりも高い加算率でポイントが貯まる特別なポイントカードであってもよい。
【0128】
なお、障害者サービス支援サーバー210からサービス提供システムに、例えばサービス提供サーバー240に提供される障害者に関する情報は、端末装置230から取得した情報に限定されず、その取得した情報から推定された情報を含むことができる。以下では、この点に関する実施形態を説明する。
【0129】
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、障害者サービス支援サーバー210が、複数のサービス提供サーバー240ごとに提供可能な情報を保持する点で、第1の実施形態と主として相違する。以下では、この相違点及びそれに関連する処理について、主として説明し、重複する説明を省略する。以下の説明では、既に説明した構成要素と同じ又は類似する構成要素には、上記説明で用いた符号を同様に付す。なお、第2の実施形態に関しても、第1の実施形態にて上記したように同様の効果が奏され、上記した種々の変更、修正などが可能である。
【0130】
ここで、説明を容易にするために、第2の実施形態の障害者支援システム200Aにおける障害者サービス支援サーバー210は、3つのサービス提供サーバー240と連携することができると仮定する。なお、第2の実施形態の障害者支援システムにおけるサービス提供サーバー240の数は3つであるが、1つでも、2つでも、4つ以上であってもよい。3つのサービス提供サーバー240は、第1鉄道会社が管理する第1サービス提供サーバー240Aと、第2航空会社が管理する第2サービス提供サーバー240Bと、第3タクシー会社が管理する第3サービス提供サーバー240Cとである(
図11参照)。端末装置230はこれらのサービス提供サーバー240A、240B、240Cのそれぞれに、独立して接続することができる。その接続に伴い、障害者サービス支援サーバー210からサービス提供サーバー240(240A、240B、240C)への上記したような情報の提供などのサービスを受けることができる。
【0131】
障害者サービス支援サーバー210は、その記憶領域に、例えばHDD404に、第1から第3サービス提供サーバー240A、240B、240Cのそれぞれに対応した情報を記憶する。ここでは、
図12に示すように、HDD404に、第1サービス提供サーバー240Aに対応した第1記憶領域MAと、第2サービス提供サーバー240Bに対応した第2記憶領域MBと、第3サービス提供サーバー240Cに対応した第3記憶領域MCとがある。更に、HDD404には、障害者に関する認証済み情報つまり上記整合情報を記憶する共通記憶領域MMがあり、また関連用語の情報を記憶する関連記憶領域MRがある。関連記憶領域MRには、予め関連用語の情報が記憶されている。障害者サービス支援サーバー210は、あるサービス提供サーバー240に提供される情報が更新されたときに、その変更情報に基づいて、そのサービス提供サーバー240の記憶領域の記憶済みの情報を更新する。そして、これに伴い、障害者サービス支援サーバー210は、あるサービス提供サーバー240に提供される情報が更新されたときに、その変更情報に基づいて、他のサービス提供サーバー240に提供される情報の記憶を行う。この「記憶」は、「更新」を含む。
【0132】
図13は、第2の実施形態における、障害者サービス支援サーバー210のブロック図である。第2の実施形態における障害者サービス支援サーバー210は、端末装置接続部610と、データ保存部630との各機能部の構成の点で、第1の実施形態における障害者サービス支援サーバー210と相違する。なお、第2の実施形態における障害者サービス支援サーバー210は、第1の実施形態における障害者サービス支援サーバー210の上記機能を概ね備える。
【0133】
端末装置接続部610は、個人情報取得部611及び整合情報提供部612に加えて、入力情報取得部613及び追加情報催促部614を有する。
【0134】
入力情報取得部613は、端末装置230がサービス提供サーバー240に接続しているときに、端末装置230から新たに入力された情報を取得する。端末装置230がサービス提供サーバー240に接続しているとき、ユーザー(障害者)は障害者サービス支援サーバー210にログインしている(
図10のS1001)。これに伴い、障害者サービス支援サーバー210は、整合情報及び/又は補助器具の情報を含むユーザー(障害者)に関する情報をサービス提供サーバー240に提供する((
図10のS1002)。このとき、ユーザーはサービス提供サーバー240に提供された情報又は提供されようとしている情報を端末装置230の表示などを介して知ることができ、変更があるときにはその変更の情報(変更情報)を入力することができる。このときに入力された情報を、入力情報取得部613は取得する。
【0135】
データ保存部630は、端末装置接続部610、公的サーバー接続部620及びサービス提供サーバー接続部650が取得した各種のデータを保存することができる。データ保存部630は、データ更新部631を備える。データ更新部631は、入力情報取得部613が取得した情報を用いて、そのときのサービス提供サーバー240に関する記憶領域の情報を更新する。例えば、入力情報取得部613が取得した情報が、第1サービス提供サーバー240Aに関連した補助器具の情報である場合を考える。例えば、補助器具の情報は、「杖」という情報であったが、「電動式車いす」、「折り畳み不可」という情報の入力があったとき、データ更新部631は、第1サービス提供サーバー240Aに対応した第1記憶領域MAの補助器具の情報を、「電動式車いす」、「折り畳み不可」という情報で更新する。つまり、障害者サービス支援サーバー210は、認証済み情報つまり整合情報を含む障害者に関する情報をサービス提供システムに提供するときに端末装置230から入力された変更情報を取得し、取得したその変更情報に基づいて、記憶済みの障害者に関する情報を更新することを行う。
【0136】
このように、第1サービス提供サーバー240Aに関してそれまで記憶していた情報とは異なる情報、例えば「電動式車いす」、「折り畳み不可」という補助器具の情報の入力があったとき、第1サービス提供サーバー240Aに対応した第1記憶領域MAの補助器具の情報をそれらの情報で更新する。これは、ユーザ(障害者)により実際に入力されたデータでの更新であるので、この更新されたデータに「実際に入力されたデータ」属性、換言すると実データ属性が付与されるとよい。なお、それまでの「杖」という情報は、更新により消去されてもよく、又は、過去のデータとして保存してもよい。「杖」というデータを保存する場合、その後に第1サービス提供サーバー240Aに接続したときに、「杖」という情報も活用できる場合には、活用されるとよい。
【0137】
また、障害者サービス支援サーバー210は、認証済み情報つまり整合情報を含む障害者に関する情報をあるサービス提供システム(第1のサービス提供システム)に提供するときに端末装置230から入力された変更情報(第1の変更情報)に基づいて、その第1の変更情報の関連情報を導き出し、該関連情報を用いて別のサービス提供システム(第2のサービス提供システム)に提供される情報の記憶を行うことを実行する。この記憶を行うことは、上記更新に付随し、その更新に含まれ得る。
【0138】
上記関連記憶領域MRでは、例えば、「電動式車いす」、「手動式車いす」の上位概念に、「車いす」、「歩行に支障あり」が定義されている。また、「車いす」に関する「折り畳み不可」に関しては、「固定式」が類義語として定義されている。このように、関連記憶領域MRには、上位下位概念の用語及び類義語が、例えばツリー状にまとめられ、検索可能に記憶されている。つまり、関連記憶領域MRには、上位概念及び下位概念で関連付けられた用語等に関する情報(以下、上位下位概念情報)が記憶されている。
【0139】
この場合、第1サービス提供サーバー240Aの補助器具の情報が「電動式車いす」、「折り畳み不可」という変更情報で更新されるとき、この変更情報を用いて、第2サービス提供サーバー240Bの第2記憶領域MBの補助器具の情報及び/又は第3サービス提供サーバー240Cの第3記憶領域MCの補助器具の情報の記憶が行われる。このとき、第2記憶領域MB及び/又は第3記憶領域MCの補助器具の情報が「電動式車いす」、「折り畳み不可」という変更情報をそのまま用いて記憶可能であるとよい。しかし、そうでない場合、その変更情報から推定された情報である関連情報を、例えば、予め記憶している上位下位概念情報を参照してその変更情報の上位概念情報を導き出し、それを用いて記憶することが行われる。上位概念情報などの関連情報の導出に際して、関連記憶領域MRに記憶されている情報が参照される。データ更新部631は、第2航空会社が管理する第2サービス提供サーバー240Bに関して、例えば、「折り畳み不可」の類義語扱いの「固定式」という情報を導き出す。このとき、第2サービス提供サーバー240Bのチケット購入サイト等の入力項目情報が参照されるとよい。また、データ更新部631は、第3タクシー会社が管理する第3サービス提供サーバー240Cに関して、例えば、「電動式車いす」に関する上位概念情報を検索し、「車いす」という情報を導き出す。こうして導き出した上位概念情報に基づいて、他のサービス提供サーバーに提供される情報を更新等することが行われる。
【0140】
このように、障害者サービス支援サーバー210が認証済み情報を含む障害者に関する情報を第1のサービス提供システムに提供するときに端末装置230から入力された第1の変更情報に基づいて、その第1の変更情報の関連情報を導き出し、該関連情報を用いて別の第2のサービス提供システムに提供される情報の記憶つまり更新等を行う。このときの関連情報は、ユーザ(障害者)により実際に入力されたデータではなく、実際に入力されたデータから推定されたデータである。そこで、この更新等されたデータに「推定されたデータ」属性、換言すると推定データ属性が付与されるとよい。こうすることで、推定データ属性が付与された情報については、第2のサービス提供システムを利用する際に、ユーザーに確認が求められたり、確認が促されたりするとよい。なお、それまでに記憶されていた情報は、更新により消去されることなく、保存されているとよい。ユーザーによる確認により推定データ属性の情報の利用が否定されたとき、それまでに記憶されていた情報をそれまでと同じように利用するためである。
【0141】
例えば、障害度が進む場合、障害のレベルが上がる場合もあれば、障害が回復に向かう場合もある、或いは、一進一退を繰り返す場合もある。また、例えば、複数の補助器具を使い分けているユーザーもいる。ユーザーには、折り畳みできる車いすと電動車いすの両方を所有していて使い分ける場合もある。このため、データは、特に推定データ属性が付与された情報については、それで上書きせずに、過去の入力データも保存しておき、直近のデータをデフォルトとして採用し、過去のデータも選択できるようにするとよい。また、複数のデータの入力した時期がわかるようにして直近の入力データをデフォルトとして用いることとし、過去にさかのぼって、過去に入力したデータを選択できるようにしてもよい。
【0142】
端末装置接続部610の追加情報催促部614は、データ更新部631の上記更新処理に伴い、ユーザーによる追加入力が好ましい項目がある場合に、上記変更情報に付随する情報の入力を端末装置230に促す表示又は音声を端末装置230に出力する。例えば、第1サービス提供サーバー240Aに関する「車いす」の入力項目欄に車いすの大きさに関する任意の項目があるとき、この項目は、「電動式車いす」、「折り畳み不可」という変更情報では埋めることができない。そこで、この項目の入力を事前に又は率先して行うように、追加情報催促部614は端末装置230に更なる入力を促してもよい。
【0143】
本第2の実施形態における、障害者サービス支援サーバー210における上記処理について、
図14のフローチャートに基づいて更に説明する。なお、以下の説明は、一例として、端末装置230が第1サービス提供サーバー240Aに接続したときに、障害者サービス支援サーバー210が端末装置230から新たに入力された情報を取得した場合を想定する。
【0144】
なお、
図14に示される処理は、障害者サービス支援サーバー210のCPU401が、HDD404などの記憶部に記憶されている障害者支援プログラムつまり第2プログラムを実行することにより実現される。
【0145】
障害者サービス支援サーバー210は、第1サービス提供サーバー240Aに関して入力情報を取得する(S1401)。このときの入力情報は、補助器具の情報であり、「電動式車いす」、「折り畳み不可」という変更情報である。
【0146】
障害者サービス支援サーバー210は、取得した第1サービス提供サーバー240Aに関する変更情報を用いて、第1サービス提供サーバー240Aの第1記憶領域MAの補助器具の情報を更新する(S1402)。これにより、第1記憶領域MAの補助器具の情報は、「杖」から、「電動式車いす」、「折り畳み不可」に書き換えられる。
【0147】
今回の変更情報は、補助器具の情報である。障害者サービス支援サーバー210は、第2及び第3サービス提供サーバー240B、240Cとも連携し、いずれについても補助器具の情報についての項目を有する記憶領域MB、MCを有する。したがって、障害者サービス支援サーバー210は、上記データ更新部631の機能により、第1サービス提供サーバー240Aに関しての変更情報で、第2及び第3サービス提供サーバー240B、240Cに関しての情報を更新等できると判定する(S1403でY)。
【0148】
しかし、第1から第3サービス提供サーバー240A、240B、240Cの入力項目には揺らぎがあるので、その変更情報をそのままでは利用できないことが多い(S1404でY)。なお、項目が同じであり、その変更情報をそのままでは利用できるとき(S1404でN)、後述するS1407の処理が行われる。
【0149】
変更情報をそのままでは利用できないとき(S1404でY)、上位概念で対応可であるか否かが判定される(S1405)。これは、第1から第3サービス提供サーバー240A、240B、240Cの入力項目を比較することで行われる。このとき、障害者サービス支援サーバー210は、関連記憶領域MRに記憶する情報を参照するとよい。
【0150】
上位概念で対応可であるとき(S1405でY)、障害者サービス支援サーバー210は、関連記憶領域MRに記憶する情報を用いて、例えば上位下位概念情報を参照して、上位概念情報を導き出す(S1406)。そして、障害者サービス支援サーバー210は、その上位概念情報を用いて第2、第3サービス提供サーバー240B、240Cに提供される情報の記憶を、例えば更新を行う(S1407)。
【0151】
一方、変更情報をそのまま利用できるとき(S1404でN)、第1サービス提供サーバー240Aの変更情報での第2、第3サービス提供サーバー240B、240Cに提供される情報の記憶が実行される(S1407)。
【0152】
他方、第1サービス提供サーバー240Aに関しての変更情報で、第2及び第3サービス提供サーバー240B、240Cに提供される情報の記憶ができないとき(S1403でN)又は、上位概念で対応可でないとき(S1405でN)、追加情報催促部614が機能する。これにより、障害者サービス支援サーバー210は、変更情報に付随する情報つまり追加情報の入力をユーザーに促すように、それを促す旨の表示又は音声などの情報を、端末装置230へ出力する(S1408)。これにより、ユーザーから追加情報の入力があるとき、障害者サービス支援サーバー210は、その追加情報で、第2記憶領域MB及び/又は第3記憶領域MCの各情報を更新する。
【0153】
以上述べたように、あるサービス提供サーバーで入力された変更情報を用いて他のサービス提供サーバーに提供される情報の記憶を行うので、ユーザーへの障害者支援サービスの利便性を更に高めることが可能になる。そして、その記憶を行うことが、変更情報のそのままでの活用及びその上位概念情報の活用(或いは同義語の情報の活用)に限定されているのであれば、記憶する情報に問題があること又は意図せず更新されることを防ぐことが可能になる。
【0154】
上記したように、第2の実施形態では、第1のサービス提供システムに関する第1の変更情報に基づいて、その第1の変更情報の関連情報を導き出し、該関連情報を用いて別の第2のサービス提供システムに提供される情報の記憶つまり更新等を行った。しかし、この関連情報の導出及び活用は、これに限定されない。例えば、サービス提供システムへのアクセスにかかわらず、例えば非アクセス時に、障害者側装置から入力された情報(入力情報)に基づいて関連情報を導き出して、それを活用してもよい。
【0155】
例えば、サービス提供システム(第3のサービス提供システム)へのアクセスにかかわらず障害者側装置から入力された、障害者に関する情報のうちの認証済み情報以外の入力情報を取得し、その入力情報に基づいて関連情報を導き出し、その関連情報を用いてサービス提供システム(第4のサービス提供システム)に提供される情報の記憶を行ってもよい。この例について、
図15のフローチャートに基づいて説明する。ただし、
図15のフローチャートでは、
図14の上記ステップに対応するステップには、
図14と同じステップ番号を付していて、これにより重複した詳細な説明を省略する。
【0156】
なお、
図15に示される処理は、第2の実施形態の障害者支援システム200Aにおいて、障害者サービス支援サーバー210のCPU401が、HDD404などの記憶部に記憶されている障害者支援プログラムつまり第2プログラムを実行することにより実現され得る。
【0157】
図15のフローチャートに基づいた以下の説明では、障害者側装置である端末装置230の情報入力画面を介して入力された「電動式車いす」、「折り畳み不可」という補助器具の情報が障害者サービス支援サーバー210で取得された場合について説明する。その情報入力画面は、いずれかのサービス提供システムにその端末装置230がアクセスしているか否かにかかわらず、予め障害者に関する情報のうちの認証済み情報以外の情報つまり入力情報を入力するための画面であり、例えば補助器具の情報を入力可能にするものである。
【0158】
障害者サービス支援サーバー210は、端末装置230の情報入力画面を介して入力された入力情報を取得する(S1401)。このときの入力情報は、補助器具の情報であり、「電動式車いす」、「折り畳み不可」という情報である。このステップS1401は、上記入力情報取得部613により行われるとよい。
【0159】
障害者サービス支援サーバー210は、更に、端末装置230の情報入力画面を介して入力された新サービスの指定の情報を取得する(S1501)。例えば、障害者サービス支援サーバー210から情報提供可能なサービス又は会社のリストから、上記第3タクシー会社に関連付けられた「タクシーサービス」を選択したとの情報が取得される。
【0160】
第3タクシー会社の第3サービス提供サーバー240Cに関しての情報は、端末装置230の情報入力画面からの入力情報そのものをそのままでは利用できない(S1404でY)。なお、入力画面から入力された情報をそのまま利用できる新サービスの指定の情報を取得したとき(S1404でN)、後述するS1407の処理が行われる。
【0161】
入力情報をそのままでは利用できないとき(S1404でY)、上位概念で対応可であるので、障害者サービス支援サーバー210は、関連記憶領域MRに記憶する情報を用いて、例えば上位下位概念情報を参照して、上位概念情報を導き出す(S1406)。そして、障害者サービス支援サーバー210は、その上位概念情報を用いて新サービスの第3サービス提供サーバー240Cに提供される情報の記憶を、例えば更新を行う(S1407)。このステップS1407は、データ保存部630、そのうちの特にデータ更新部631により行われるとよい。
【0162】
一方、入力情報をそのまま利用できる新サービスの指定の情報を取得したとき(S1404でN)、その新サービスのサービス提供サーバー、例えば第1サービス提供サーバー240Aに提供される情報の記憶が実行される(S1407)。
【0163】
このように、障害者側装置の上記情報入力画面の項目は、障害者サービス支援サーバー210から情報を提供可能なサービス提供サーバー240のいずれに対しても対応できるように、障害者サービス支援サーバー210の管理者等により構築されている。更に、上記情報入力画面の項目は、端末装置230からのより少ない入力でいずれのサービス提供サーバー240に対しても対応可能であるように、障害者サービス支援サーバー210の管理者等により構築されている。
【0164】
以上述べたように、サービス提供サーバー240へのアクセスにかかわらず、障害者側装置を介して入力された入力情報に基づいて、関連記憶領域MRに記憶する情報、例えば上位下位概念情報を用いて、上位概念情報などの関連情報を導き出して、それを活用することができる。したがって、ユーザー(障害者)による入力を更に軽減可能になる。
【0165】
なお、上記の各実施形態の処理に含まれる各ステップは、矛盾の無い限り順番を入れ換えて実行することができる。また、矛盾の無い限り、複数のステップを同時に実行してもよく、或いは特定のステップがスキップされてもよい。
【符号の説明】
【0166】
200 障害者支援システム
210 障害者サービス支援サーバー
220 公的サーバー
230 端末装置
240、240A、240B、240C サービス提供サーバー
250 ネットワーク
302 記憶装置
303 表示・操作部
304 通信部
305 撮影部
306 記憶制御部
307 外部メモリ
510 障害者サービス支援サーバー接続部
511 個人情報提供部
512 パーミッション情報提供部
513 整合情報取得部
520 公的サーバー接続部
521 認証要求部
522 パーミッション情報取得部
530 データ生成部
540 データ保存部
550 画面生成部
560 サービス提供サーバー接続部
610 端末装置接続部
611 個人情報取得部
612 整合情報提供部
613 入力情報取得部
614 追加情報催促部
620 公的サーバー接続部
621 障害者手帳原本情報取得部
630 データ保存部
631 データ更新部
640 データ照合部
650 サービス提供サーバー接続部
【手続補正書】
【提出日】2022-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコンピュータが、
公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて、障害者側装置から取得した障害者に関する情報に対する認証済み情報を生成することと、
サービス提供システムから前記障害者へサービスが提供されるように、前記障害者側装置から取得した前記サービス提供システムへの提供指示に基づいて、前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供することと、
を実行し、
前記障害者に関する情報は、前記サービス提供システムから要求される情報又は要求される可能性の高い情報を含み、
前記少なくとも1つのコンピュータは、複数の前記サービス提供システムの各々に対応する前記障害者に関する情報を、記憶領域を分けて管理する、
障害者支援の情報処理方法。
【請求項2】
前記障害者に関する情報は、前記障害者側装置から取得した情報から推定された情報を含む、
請求項1に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項3】
少なくとも1つのコンピュータが、
公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて、障害者側装置から取得した障害者に関する情報に対する認証済み情報を生成することと、
サービス提供システムから前記障害者へサービスが提供されるように、前記障害者側装置から取得した前記サービス提供システムへの提供指示に基づいて、前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供することと、
を実行し、
前記障害者に関する情報は、前記障害者側装置から取得した情報から推定された情報を含む、
障害者支援の情報処理方法。
【請求項4】
前記サービスは、チケットの提供、有体物の提供、無体物の提供、輸送手段の提供のうちのいずれかである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
前記サービス提供システムに提供される前記障害者に関する情報を、予め前記障害者側装置から入力するように、前記障害者に促すアラートを前記障害者側装置に出力させる情報を送信すること、
を更に実行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供するときに前記障害者側装置から入力された変更情報を取得することと、
取得した前記変更情報に基づいて、記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することと
を更に実行する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
前記記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することに伴い、前記変更情報に付随する情報の入力を前記障害者に促す情報を前記障害者側装置に出力すること
を更に実行する、
請求項6に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項8】
少なくとも1つのコンピュータが、
公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて、障害者側装置から取得した障害者に関する情報に対する認証済み情報を生成することと、
サービス提供システムから前記障害者へサービスが提供されるように、前記障害者側装置から取得した前記サービス提供システムへの提供指示に基づいて、前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供することと、
前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供するときに前記障害者側装置から入力された変更情報を取得することと、
取得した前記変更情報に基づいて、記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することと、
前記記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することに伴い、前記変更情報に付随する情報の入力を前記障害者に促す情報を前記障害者側装置に出力すること
を実行する、
障害者支援の情報処理方法。
【請求項9】
前記記憶済みの前記障害者に関する情報を更新することは、
前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を第1のサービス提供システムに提供するときに前記障害者側装置から入力される第1の変更情報に基づいて、該第1の変更情報の関連情報を導き出し、該関連情報を用いて第2のサービス提供システムに提供される情報の記憶を行うこと
を含む、
請求項6から8のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項10】
前記記憶を行うことは、
予め記憶された上位下位概念情報を参照して、前記第1の変更情報の上位概念情報を導き出すこと
を更に含む
請求項9に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンピュータが、
第3のサービス提供システムへのアクセスにかかわらず前記障害者側装置から入力された、前記障害者に関する情報のうちの前記認証済み情報以外の入力情報を取得することと、
取得した前記入力情報に基づいて関連情報を導き出し、該関連情報を用いて第4のサービス提供システムに提供される情報の記憶を行うこと
を含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピュータが、
公的な組織の管理下にあるシステムとの通信に基づいて、障害者側装置から取得した障害者に関する情報に対する認証済み情報を生成することと、
サービス提供システムから前記障害者へサービスが提供されるように、前記障害者側装置から取得した前記サービス提供システムへの提供指示に基づいて、前記認証済み情報を含む前記障害者に関する情報を前記サービス提供システムに提供することと、
第3のサービス提供システムへのアクセスにかかわらず前記障害者側装置から入力された、前記障害者に関する情報のうちの前記認証済み情報以外の入力情報を取得することと、
取得した前記入力情報に基づいて関連情報を導き出し、該関連情報を用いて第4のサービス提供システムに提供される情報の記憶を行うこと
を実行する、
障害者支援の情報処理方法。
【請求項13】
前記第4のサービス提供システムに提供される情報の前記記憶を行うことは、
予め記憶された上位下位概念情報を参照して、前記入力情報の上位概念情報を導き出すこと
を更に含む
請求項11又は12に記載の障害者支援の情報処理方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の障害者支援の情報処理方法を実行する制御部を備えた、障害者支援の情報処理装置。