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特開2022-42063患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード及び当該飛沫感染防止フードの形成方法、及び当該飛沫感染防止フードの廃棄処分方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042063
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード及び当該飛沫感染防止フードの形成方法、及び当該飛沫感染防止フードの廃棄処分方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 10/00 20060101AFI20220307BHJP
   A61G 13/12 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
A61G10/00 Z
A61G13/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147240
(22)【出願日】2020-09-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】392003731
【氏名又は名称】株式会社品川通信計装サービス
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松崎 辰夫
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341KK10
4C341LL18
4C341MS02
(57)【要約】
【課題】材質に可撓性の樹脂フイルムが用いられて、患者治療ごとに治療後に直ちに廃棄処分することを可能として、折り畳み可能とされて縮小化可能とする。
【解決手段】材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成された、当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成された、当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成されること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項2】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、
胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部とから形成され、
前記胴体構体部が、透明であって当該樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部と当該樹脂フイルム製の環状パイプで形成された、当該天井部に接合された胴体環状パイプを備え、
前記端部構体部が、両端部に、当該胴体構体部の前記天井部及び前記胴体環状パイプに接合された端部環状パイプを備え、一方の端部構体部が、前記天井部に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプの端部に接合され、双方の胴体環状パイプの間の幅を前記端部環状パイプの長さよりも短くする幅決定部材を備え、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とから可撓状構体、及び前記双方の環状パイプに空気が導入されたときに、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成可能で、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該空気が導出されると幾重にも折り畳まれて縮小化すること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項3】
請求項2に記載された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードにおいて、
前記幅決定部材が、樹脂フイルム製の環状パイプで形成されることを特徴とする医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項4】
請求項2に記載された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードにおいて、
前記幅決定部材が、樹脂フイルム製のシートで形成され、前記端部構体部の一方の端面が当該樹脂フイルム製シートでカバーされることを特徴とする医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項5】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成方法であって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成された、当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とを形成し、
当該胴体構体部と当該胴体構体部によって幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成し、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、幾重にも折り畳まれて縮小化すること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード形成方法。
【請求項6】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード形成方法であって、
幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、
胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部とから形成し、
前記胴体構体部が、透明であって当該樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部と当該樹脂フイルム製の環状パイプで形成された、当該天井部に接合された胴体環状パイプを備え、
前記端部構体部が、両端部に、当該胴体構体部の前記天井部及び前記胴体環状パイプに接合された端部環状パイプを備え、一方の端部構体部が、前記天井部に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプ構体部の端部に接合され、双方の胴体環状パイプ構体部の間の幅を前記端部環状パイプの長さよりも短い幅決定部材を備え、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とから幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び前記双方の環状パイプに空気が導入されたときに、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成し、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該空気が導出されると幾重にも折り畳まれて縮小化すること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成方法。
【請求項7】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになる胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプに一体化された端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの廃棄処分方法であって、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備され、
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、前記端部構体部及び前記側方構体部のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態を形成し、当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成し、当該患者の治療前の折り畳み、縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分可能とすること
を特徴とする飛沫感染防止フードの廃棄処分方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の発する飛沫から医療従事者を防護する簡易型の飛沫感染防止フード及び当該飛沫感染防止フードの形成方法、及び当該飛沫感染防止フードの廃棄処分方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療従事者を感染から守るため飛沫感染防止アクリルフード(エアロゾルボックスともいわれる。)が用いられる。当該飛沫感染防止アクリルフードは、ベッドの上でも安定するように2本脚構造とされ、作業スペースを確保したものとされ、患者治療時に飛散する吐出物の付着を防止し、菌あるいは匂いからのガードを行って、医療従事者の安全、患者の衛生、安全を確保する。
【0003】
特許文献1には、透明な板あるいはシート状のものからなり、側面部分と天井部分からなり、開口部を持つ、覆い状の医療用感染防護器具が記載される。
【0004】
特許文献2には、アーチ型の本体の背面、上面及び側面を覆った構造の患者用簡易隔離フードが記載される。
【0005】
特許文献3には、患者を受け入れるための内部領域を画成する可撓性の壁と、
前記可撓性の壁に接してこれを患者から離して保持するように支える内部サポート、すなわちプラスチックチューブのステーと、
前記内部と外部との間で空気を流通させ、前記内外部の間の生物学的隔離を行うための換気用ポートを備えた折り畳み可能な人間用隔離装置が記載される。
【0006】
特許文献4には、不使用時には折り畳んで小さくでき、使用時に組み立てて対象者を有効に隔離する組み立て式の隔離用フード装置が記載される。
【0007】
特許文献5には、内部に空気を充填したチューブからなるフレームを有する構造物が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2509875号公報
【特許文献2】実用新案登録第3159341号公報
【特許文献3】特表2003-523217号公報
【特許文献4】特開2004-344320号公報
【特許文献5】実用新案登録第3183137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードは、従来飛沫感染防止アクリルフードで形成されており、患者治療後における飛沫感染防止アクリルフードの清掃が多大の負担となっていた。また、飛沫感染防止アクリルフードの廃棄処分することは、大きさを持った構造から容易ではない。
【0010】
従来、患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成に可撓性の樹脂フイルムが用いられていない。
【0011】
特許文献1、2に記載された構造のものにあっては、固形体が用いられているので、患者治療ごとに治療後に直ちに廃棄処分することを想定していないし、廃棄処分するとしても容易ではない。
【0012】
特許文献3、4に記載された構造のものは、人間全体を隔離収納するものであり、折り畳み可能な構造ではあるが、患者治療ごとに治療後に直ちに廃棄処分することを想定していないし、廃棄処分するとしても容易ではない。
【0013】
特許文献5に記載の構造物にあっては、内部に空気を充填したチューブからなるフレームであるので、軽量で組み立て・撤収作業が簡単であるという特徴を有するが、患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの構成を備えていない。
【0014】
本発明は、かかる点に鑑み、材質に可撓性の樹脂フイルムが用いられて、患者治療ごとに治療後に直ちに廃棄処分することを可能として、折り畳み可能とされて縮小化され、患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードが以下の構成を有して形成される。
【0016】
飛沫感染防止フードを構成する材質が、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルムからなる。好ましくは、飛沫感染防止フードを構成する材質が、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルムのみからなる。
【0017】
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプ及びシートが用いられて、胴体構体部と当該胴体構体部に接合、一体化された端部構体部とが形成される。当該胴体構体部に、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられる。具体的には、材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルムが用いられて、透明の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び当該可撓性の樹脂フイルムが用いられて、当該天井部に接合された胴体環状パイプを持つ胴体構体部と、当該胴体環状パイプに接合した端部環状パイプを備える端部構体部とによって飛沫感染防止フードが形成される。当該胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部が形成される。
【0018】
端部構体部は、幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成可能である。
【0019】
形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードは、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、幾重にも折り畳まれて縮小化する。
【0020】
本発明は、材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになる胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプに一体化された端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードが治療後に幾重にも折り畳まれて廃棄処分する方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルムが用いられて、当該胴体構体部と当該端部構体部に上述した可撓状構体、及び固定状構体の2つの形態を有する構体を形成することができる。
【0022】
固定状構体の形態で患者の頭部から上半身を収納して治療に供され、空気が導出されると、何らの外力を要することなく直ちに可撓状構体の形態となって、縮小化され幾重にも折り畳み可能とされ、縮小されて直ちに廃棄処分可能な患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードが提供される。
【0023】
飛沫感染防止フードは、主要な構成である当該胴体構体部と当該端部構体部が可撓性の樹脂フイルムで構成されることで、当該患者治療ごとに治療後に縮小されて直ちに廃棄処分することが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例の全体構成を示す全体図
図2】本発明の実施例の展開図
図3】本発明の実施例を構成する部品を示す図
図4】本発明の実施例の構体形成工程を示す工程図
図5】胴体構体部と端部構体部とを一体化して構体を形成するステップを示す図
図6】飛沫感染防止フードの廃棄処分方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施例の全体構成を示す全体図である。
【0027】
図1に、本発明の実施例の患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード100の全体構成が示される。
【0028】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード100(以下、飛沫感染防止フード100という。)は、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、胴体構体部1と胴体構体部1に一体化された2つの端部構体部2、3とから形成される。頭部側の端部構体部を端部構体部2で、そして上半身側の端部構体部を端部構体部3で表示する。
【0029】
胴体構体部1が、透明(半透明を含む。)であって樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーする天井部4と樹脂フイルム製の環状パイプで形成された、天井部4に接合された胴体環状パイプ5、6を備える。天井部4には、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口7、8が設けられる。腕挿入口7、8が本例では左右側の双方に設けられているが、左右側の片側に2個設けられてもよい。
【0030】
端部構体部2、3は、両端部に、胴体構体部1の天井部4及び胴体環状パイプ5、6の端部に接合された端部環状パイプ11、12を備え、一方の端部構体部である頭部側の端部構体部2が、天井部4に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプ5、6の端部に接合された樹脂フイルム製のシート13を備える。この樹脂フイルム製のシート13は、双方の胴体環状パイプ5、6の間の幅を端部環状パイプ11,12の長さよりも短くする幅決定部材としての作用を持ち、端部構体部2の端面を全面的にカバーする作用を持つ。
【0031】
幅決定部材は、樹脂フイルム製の環状パイプで形成されてもよい。この場合には端部構体部2の端面を全面的にカバーする作用はない。
【0032】
胴体構体部1と端部構体部2、3によって幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成可能である。
【0033】
形成された固定状構体は、内方に、診療台15の上に横臥する患者16の頭部17から上半身18を離間して収納可能とする。形成された可撓状構体は、幾重にも折り畳まれて縮小化する。
【0034】
このように、飛沫感染防止フード100が、材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成された、当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成される。
【0035】
当該胴体構体部と当該端部構体部によって幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成可能であり、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、幾重にも折り畳まれて縮小化することができる。
【0036】
図2は、本発明の実施例の展開図である。
【0037】
図3は、本発明の実施例を構成する部品を示す図である。
【0038】
図2において、実施例を構成する部品の断面形状を示す。
【0039】
図2及び図3において、飛沫感染防止フード100は、2つの胴体環状パイプ5、6、天井部4を形成する樹脂フイルム製のシート、2つの端部環状パイプ11、12、樹脂フイルム製の幅決定シート13からなる。
【0040】
2つの胴体環状パイプ5、6及び2つの端部環状パイプ11、12は、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプであり、内部に空気を充填することができ、内部に空気が充填されると直線状をなす。内部の空気が導出されると、幾重にも折り畳みが可能な可撓状を呈する。
【0041】
2つの胴体環状パイプ5、6及び2つの端部環状パイプ11、12は、空気を充填可能な極めて軽量な環状パイプ10からなる。環状パイプ10は、空気が充填されていないときには、平な1枚の樹脂フイルムのごとくになる。環状パイプ10のパイプ長の途中に複数の狭小な平面部21を備え、それぞれの平面部21は、平面部21によって分けられた隣接するパイプ部を連通する連通孔22が設けられる。環状パイプ10の両側の端面24は、閉塞される。平面部21は、2つの端部環状パイプ11、12に、平面部で曲げて所要の曲げ形状とすることに有効である。すなわち平面部21は、端部環状パイプ11、12の折り曲げ形状形成部となり、医療従事者が患者の状態を視認しやすい曲げ形状を形成することができる。
【0042】
このように、平面部21を設けることで、端部環状パイプ11、12の幅を設定したときに、端部環状パイプ11、12の曲げ形状を各種の形状にすることができる。平面部21を設けなければ、端部環状パイプ11、12は、端面を固定すると、半円形状に曲げられる。
【0043】
また、環状パイプ10は、パイプ端部に空気導入装置23を備え、人為による空気導入及び空気排出制御装置(図示せず。)の操作によって空気導入装置23を介して空気導入がなされ、以後空気充填保持がなされる。環状パイプ10は、空気の充填が完了すると環状パイプ形状を呈し、一定の形状に固定される。固定されるが、剛性ではなく柔軟性を持つ。空気排出は、環状パイプ10の任意の箇所に排出孔を形成することでなし得る。
【0044】
空気導入装置23は、小片のゴム体を空気未充填の、環状パイプ10の任意の箇所に接着剤で接合することで形成できる。空気ポンプ(図示せず)に注射針を備え、注射針を、当該ゴム体及び持った環状パイプ10の1枚の樹脂フイルムを貫通させ、手動であるいは自動で空気ポンプを操作して環状パイプ10に空気導入することができる。注射針を引き抜けば、注射針孔が自動的に塞がれる。空気を導出するときには、環状パイプ10の任意の箇所に任意の道具で排出孔を形成することでなし得る。
【0045】
本例では、2つの胴体環状パイプ5、6及び2つの端部環状パイプ11、12が同一径で形成された例が示されるが、これらは異径であってもよい。
【0046】
幅決定シート13は、ここでは半楕円形に形成された例が採用された。本例では、幅決定シート13は、半楕円形に形成されたが、この形状に限定されず、例えば半円形等の円形形状が適宜選択される。
【0047】
幅決定シート13は、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートであり、圧力が作用すると、環状パイプ形状と同様に一定の形状に固定され、半楕円形の最長幅で2つの胴体環状パイプ5、6の幅を決定付ける。
【0048】
樹脂フイルムは、プラスチックフイルムともいわれ、樹脂フイルムになる幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプ及びシートは市販されており、適宜選択された大きさ・形状・材質の市販品を適宜使用することができる。
【0049】
樹脂フイルムは、典型的には、ポリプロピレン(PP),ポリエステル(PET)、ナイロン(PA)、あるいはポリエチレンから製造される。他にポリエチレンフラレート、ポリ塩化樹脂フイルム、ピリスチレン、ABS,アクリルになる樹脂フイルムが用いられ得る。そして、樹脂フイルムの物性については広く公開されている。密度については、各材料に特有の値があり、厚さについても材料によって、例えば12μ、20μ、25μ、30μ、20~60μのものがあるが、いずれにしてもμオーダーの極薄であるという特徴がある。ポリプロピレン(PP)は、
・光沢があり、透明性が高い
・防湿性、耐水性に優れている
・耐熱性、耐油性、耐ボイル性に優れている
・引張強度・引き裂き強度にすぐれている
・印刷の発色が良い
等の特徴を備えており、本発明の飛沫感染防止フード100に好んで用いられるが、ポリプロピレン(PP)に限定されない。
【0050】
図4は、本発明の実施例の構体形成工程を示す工程図である。
【0051】
図4(1)は、胴体環状パイプに天井部を接合して形成された胴体構体部1を示す。
【0052】
図4(2)は、端部環状パイプに幅決定用のシートを接合して形成された端部構体部及び、胴体構体部と端部構体部とを一体化して形成された構体を示す。
【0053】
図4(1)において、台(図示せず。)上に空気の充填がない胴体環状パイプ5、6を載置し、その上に天井部4の端部を重ねて配置し、重ね部30を形成する。重ね部30を固定状態にして、熱源をレーザーとしたレーザー樹脂溶着装置の先端31を重ね部30に対向させてレーザー照射することで、レーザー照射線32を形成し、胴体環状パイプ5、6に天井部4を接合することで、もって、胴体環状パイプ5、6に天井部4を接合した胴体構体部1が形成される。
【0054】
本例では、レーザー照射することで、レーザー照射線32を形成しているが、他の樹脂溶着装置を用いて、設定された加熱線に一括した樹脂溶着のための熱量を与えて一括樹脂溶着を行うようにしてもよい。また、接着樹脂を用いて、接合線に沿って接着剤接合を行ってもよい。
【0055】
図4(2)において、構体20が、図4に示すステップで胴体構体部1に端部構体部2、3を一体化することで形成される。
【0056】
図5は、胴体構体部と端部構体部とを一体化して構体を形成するステップを示す図である。
【0057】
ステップ1
半円形状の台35を準備する。台35は、平面及び横幅が一定の断面区形状の帯状をなす。台35の横面をA面、平面をB面とする。
【0058】
ステップ2
半円形上の台35上に空気の充填がない、A面に、一点鎖線で示す端部環状パイプ11を載置する。図において、端部環状パイプ11は、透明あるいは半透明であるので台35を実線で示す。
【0059】
ステップ3
その上に2点鎖線で示す幅決定用のシート13の端部を重ねて配置し、重ね部36を形成する。
【0060】
ステップ4
重ね部36を固定状態にして、熱源をレーザーとしたレーザー樹脂溶着装置の先端37を重ね部36に対向させてレーザー照射することで、レーザー照射接合線であるレーザー照射線38を形成し、端部環状パイプ11に幅決定用のシート13を接合する。レーザー樹脂溶着装置以外の溶着装置を用いることができる。
【0061】
もって、端部環状パイプ11に幅決定用のシート13を接合した頭部側の端部構体部2を形成する。
【0062】
ステップ5
次に、B面に、端部構体部2を形成した状態で、半円形状の台35上に空気の充填がない胴体構体部1を載置する。胴体構体部1は、図4(1)で示される工程で1枚のシートのごとくになる。
【0063】
ステップ6
端部構体部2の端部に胴体構体部1の端部を重ねた重ね部40を形成する。重ね部40を固定状態にして、熱源をレーザーとしたレーザー樹脂溶着装置の先端41を重ね部40に対向させてレーザー照射することで、レーザー照射線42を形成して接合線を形成し、胴体構体部1に端部構体部2を接合、一体化する。
【0064】
もって、胴体構体部1に端部構体部2を一体化する。
【0065】
ステップ7
一体化された胴体構体部1に端部構体部2から台35を取り外す。
【0066】
上半身側の端部環状パイプ12についても同様にして胴体環状パイプ5、6及び天井部4を接合して、胴体構体部1に端部構体部3を一体化する。
【0067】
胴体構体部1に端部構体部2、3を一体化し、全体が一体化された構体20を形成する。
【0068】
図1に戻って、胴体構体部1は、空気充填状態で、1mの長さとすることができる。幅決定用のシート13に代表される幅決定部材を用いた場合、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とされる。図1に示されるように横臥する患者の頭部から上半身を等間隔で離間して収納する場合には、看護師などの医療従事者は、特別な固形状あるいは嵩を要する部材を用いず、上半身側の端部環状パイプ12の間隔を狭めて接着用テープを用いて診療台15に固着することで実行する。この場合、接着用テープを用いて診療台15に固着する手段を採るので、飛沫感染防止フードの使用及び治療後の飛沫感染防止フードの即時廃棄の障害とならない。
【0069】
胴体構体部1及び端部構体部2、3のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態の飛沫感染防止フード100が形成されると、看護師などの医療従事者は、診療台15の上に横臥する患者16に当該飛沫感染防止フード100を被せる。この場合に、幅決定用のシート13を患者16の頭部17の外側に設定する。
【0070】
飛沫感染防止フード100の内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納した状態で、医師は、腕挿入口7、8から両手を内包に差し入れて当該患者16の治療を開始する。治療の際に患者16から発せられる嘔吐物は、飛沫感染防止フード100によって遮断され、医師、看護師などの医療従事者にまで飛散することが阻止される。嘔吐物以外の飛散物についても同様である。通常、これらの飛散物が端部構体部2の外側方に飛散することがなく、胴体構体部1で阻止可能であるが、幅決定用のシート13を用いることで、側方に飛散した飛散物を端部構体部2の外側方にまで飛散することを防止することができる。
【0071】
長手方向1m×直角方向80cmの長さの飛沫感染防止フード100を形成した場合、治療後、長手方向に1回目の半折りをすると長さが50×80cm(面積1/2)となり、直角方向に2回目の半折りをすると長さが50×40cm(面積1/4)となり、長手方向に3回目の半折りをすると長さが25×40cm(面積1/8)となり、横方向に4回目の半折りをすると長さが25×20cm(面積1/16)となり、さらに折り込むことでタテヨコ10cm程度の廃棄物とすることができ、飛沫感染防止フードの廃棄処分が極めて容易となる。本実施例において、上述したように規則正しく折り畳まず、胴体構体部1及び端部構体部2,3の所定の箇所から空気を抜いて全体の形状をアトランダムにくしゃくしゃに縮小しても縮小化の効果が有り、折り畳みの概念に入る。
【0072】
図6は、飛沫感染防止フードの廃棄処分方法を示す図である。
【0073】
図6において、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットが準備される。(S1)
複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備される。(S2)
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、胴体構体部1及び端部構体部2、3のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態が形成される。(S3)
当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成する。(S4)
当該患者の治療前の折り畳み、全体長さが 10cm以内の廃棄物に縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分可能とする。(S5)
本実施例によれば、患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになる胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプに一体化された端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの廃棄処分方法であって、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備され、
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、前記端部構体部及び前記側方構体部のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態を形成し、当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成し、当該患者の治療前の折り畳み、縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分可能とする飛沫感染防止フードの廃棄処分方法が形成される。
【0074】
本実施例によれば、材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルムが用いられて、上述した可撓状構体、及び固定状構体の2つの形態を有する構体を形成することができる。
【0075】
固定状構体の形態で患者の頭部から上半身を収納して治療に供され、空気が導出されると、何らの外力を要することなく直ちに可撓状構体の形態となって、縮小化され幾重にも折り畳み可能とされ、縮小されて直ちに廃棄処分可能な患者の発する飛沫、特に患者の発する嘔吐物が付着することから医療従事者を防護する飛沫感染防止フードが提供される。
【0076】
飛沫感染防止フードは、主要な構成である当該胴体構体部と当該端部構体部が可撓性の樹脂フイルムで構成されることで、軽量で安価とされ、当該患者治療ごとに治療後に縮小されて直ちに廃棄処分することが可能とされる。
【符号の説明】
【0077】
100…患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード(飛沫感染防止フードという。)、1…胴体構体部、2…頭部側の端部構体部、3…上半身側の端部構体部、4…天井部、5、6…胴体環状パイプ、7、8…腕挿入口、10…環状パイプ、11、12…端部環状パイプ、13…幅決定用のシート、15…診療台、16…患者、20…構体、21…平面部、22…連通孔、23…空気導入装置、37、41…レーザー樹脂溶着装置の先端、36、40…重ね部、 レーザー照射線…38、42。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とが一体形成され、当該胴体構体部と当該端部構体部とが一体化された飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳み可能とされること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項2】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、
胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部とから形成され、
前記胴体構体部が、透明であって当該樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部と当該樹脂フイルム製の環状パイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプを備え、
前記端部構体部が、両端部に、当該胴体構体部の前記天井部及び前記胴体環状パイプに接合された端部環状パイプを備え、一方の端部構体部が、前記天井部に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプの端部に接合され、双方の胴体環状パイプの間の幅を前記端部環状パイプの長さよりも短くする幅決定部材を備え、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とから可撓状構体、及び前記双方の環状パイプに空気が導入されたときに、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成可能で、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該空気が導出されると当該胴体構体部と当該端部構体部とが一体化された飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳み可能とされること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項3】
請求項2に記載された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードにおいて、
前記幅決定部材が、樹脂フイルム製の環状パイプで形成されることを特徴とする医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項4】
請求項2に記載された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードにおいて、
前記幅決定部材が、樹脂フイルム製のシートで形成され、前記端部構体部の一方の端面が当該樹脂フイルム製シートでカバーされることを特徴とする医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項5】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成方法であって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とを形成し、
当該胴体構体部と当該胴体構体部によって幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成し、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該胴体構体部と当該端部構体部とを一体化し、当該胴体構体部と当該端部構体部とを一体化した飛沫感染防止フードを幾重にも折り畳みすること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード形成方法。
【請求項6】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード形成方法であって、
内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、
胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部とから形成し、
前記胴体構体部が、透明であって当該樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部と当該樹脂フイルム製の環状パイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプを備え、
前記端部構体部が、両端部に、当該胴体構体部の前記天井部及び前記胴体環状パイプに接合された端部環状パイプを備え、一方の端部構体部が、前記天井部に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプ構体部の端部に接合され、双方の胴体環状パイプ構体部の間の幅を前記端部環状パイプの長さよりも短い幅決定部材を備え、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とから幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び前記双方の環状パイプに空気が導入されたときに、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成し、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該胴体構体部と当該端部構体部とを一体化し、当該空気を導出させるときに当該胴体構体部と当該端部構体部とで一体化された飛沫感染防止フードを幾重にも折り畳むこと
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成方法。
【請求項7】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになり、前記シートに当該パイプが重ね配置されて接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプに一体化された内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳み可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになる端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの廃棄処分方法であって、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備され、
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、前記端部構体部及び前記側方構体部のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態を形成し、当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、当該胴体構体部と当該端部構体部とを幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成し、当該胴体構体部と当該端部構体部とが一体化し、当該胴体構体部と当該端部構体部とで一体化された飛沫感染防止フードを当該患者の治療前の形態に幾重にも折り畳み、縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分すること
を特徴とする飛沫感染防止フードの廃棄処分方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
図6において、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットが準備される。(S1)
複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備される。(S2)
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、胴体構体部1及び端部構体部2、3のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態が形成される。(S3)
当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成する。(S4)
当該患者の治療前の折り畳み、全体長さが 10cm以内の廃棄物に縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分可能とする。(S5)
本実施例によれば、患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになる胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプに一体化された端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの廃棄処分方法であって、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備され、
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、前記端部構体部及び前記側方構体部のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態を形成し、当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成し、当該患者の治療前の形態に折り畳み図6S4参照)、縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分可能とする飛沫感染防止フードの廃棄処分方法が形成される。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とが一体形成され、当該胴体構体部と当該端部構体部とが一体化された飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳み可能とされること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項2】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、
胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部とから形成され、
前記胴体構体部が、透明であって当該樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部と当該樹脂フイルム製の環状パイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプを備え、
前記端部構体部が、両端部に、当該胴体構体部の前記天井部及び前記胴体環状パイプに接合された端部環状パイプを備え、一方の端部構体部が、前記天井部に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプの端部に接合され、双方の胴体環状パイプの間の幅を前記端部環状パイプの長さよりも短くする幅決定部材を備え、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とから可撓状構体、及び前記双方の環状パイプに空気が導入されたときに、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成可能で、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該空気が導出されると当該胴体構体部と当該端部構体部とが一体化された飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳み可能とされること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項3】
請求項2に記載された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードにおいて、
前記幅決定部材が、樹脂フイルム製の環状パイプで形成されることを特徴とする医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項4】
請求項2に記載された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードにおいて、
前記幅決定部材が、樹脂フイルム製のシートで形成され、前記端部構体部の一方の端面が当該樹脂フイルム製シートでカバーされることを特徴とする医療従事者を防護する飛沫感染防止フード。
【請求項5】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成方法であって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプの端部にそれぞれに接合した端部環状パイプを持つ端部構体部とを形成し、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とによって幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成し、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該胴体構体部と当該端部構体部とを一体化し、当該胴体構体部と当該端部構体部とを一体化した飛沫感染防止フードを幾重にも折り畳みすること
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード形成方法。
【請求項6】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フード形成方法であって、
内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製の環状パイプと幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートからなり、
胴体構体部と当該胴体構体部に一体化された端部構体部とから形成し、
前記胴体構体部が、透明であって当該樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部と当該樹脂フイルム製の環状パイプで形成され、前記シートに当該パイプが重ね配置されて当該天井部に接合された胴体環状パイプを備え、
前記端部構体部が、両端部に、当該胴体構体部の前記天井部及び前記胴体環状パイプに接合された端部環状パイプを備え、一方の端部構体部が、前記天井部に対して直角方向で、双方の胴体環状パイプ構体部の端部に接合され、双方の胴体環状パイプ構体部の間の幅を前記端部環状パイプの長さよりも短い幅決定部材を備え、
当該胴体構体部と当該胴体構体部とから幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体、及び前記双方の環状パイプに空気が導入されたときに、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の2つの構体形態を形成し、内方に、横臥する患者の頭部から上半身を離間して収納可能とし、当該胴体構体部と当該端部構体部とを一体化し、当該空気を導出させるときに当該胴体構体部と当該端部構体部とで一体化された飛沫感染防止フードを幾重にも折り畳むこと
を特徴とする患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの形成方法。
【請求項7】
患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードであって、
材質に、幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のシートで形成された、上面をカバーし、外方から医療従事者が患者に向けて腕を挿入可能とした腕挿入口が設けられた天井部及び内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳みが可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになり、前記シートに当該パイプが重ね配置されて接合された胴体環状パイプから形成された胴体構体部と、当該胴体環状パイプに一体化された内部に空気が導入されと一定の形状に固定され、空気が導出されると幾重にも折り畳み可能な可撓性の樹脂フイルム製のパイプになる端部環状パイプを持つ端部構体部とによって形成された患者の発する飛沫から医療従事者を防護する飛沫感染防止フードの廃棄処分方法であって、
患者の治療前に、それぞれ幾重にも折り畳まれて縮小化した状態で保持された複数個の飛沫感染防止フードセットからそれぞれの環状パイプに空気導入前の1つの飛沫感染防止フードが幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態で準備され、
当該患者の治療の際に、当該1つの飛沫感染防止フードについて、前記胴体構体部及び前記端部構体部のそれぞれの環状パイプに空気を導入して、固定されたフード形状の構造に維持可能な固定状構体の形態を形成し、当該患者の治療後に、使用済の飛沫感染防止フードについて、前記双方の環状パイプから空気を導出して、当該胴体構体部と当該端部構体部とを幾重にも折り畳みが可能な可撓状構体の形態を形成し、当該胴体構体部と当該端部構体部とが一体化し、当該胴体構体部と当該端部構体部とで一体化された飛沫感染防止フードを当該患者の治療前の形態に幾重にも折り畳み、縮小化して患者の治療ごとに直ちに廃棄処分すること
を特徴とする飛沫感染防止フードの廃棄処分方法。