(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042073
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24D 17/00 20220101AFI20220307BHJP
F24H 15/212 20220101ALI20220307BHJP
【FI】
F24D17/00 L
F24H1/10 302H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147260
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】竹原 正貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】村山 成樹
【テーマコード(参考)】
3L034
3L073
【Fターム(参考)】
3L034DA04
3L073AA15
3L073AA18
3L073AC10
3L073AD01
3L073AD05
3L073AD07
3L073AE06
(57)【要約】
【課題】 出湯停止中の機器の駆動音を小さくしながら、ミキシング弁を正常に維持できる給湯装置を提供する。
【解決手段】 加熱手段により加熱された湯と、給水管から供給された水とを混合し、ミキシング弁の開度をステッピングモータを駆動して変化させて混合湯を設定された湯温になるように調整する給湯装置であって、ミキシング弁の開度をステッピングモータで制御するミキシング弁制御回路と、出湯中か出湯停止中かを検出する出湯検出回路と、を備え、ミキシング弁制御回路は、出湯検出回路が出湯中を検出している場合に、ステッピングモータの駆動周波数を第1駆動周波数で駆動し、出湯検出回路が出湯停止中を検出している場合に、ステッピングモータの駆動周波数を第1駆動周波数より大きい第2駆動周波数で駆動する給湯装置
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段により加熱された湯と、給水管から供給された水とを混合し、
ミキシング弁の開度をステッピングモータを駆動して変化させて混合湯を設定された湯温になるように調整する給湯装置であって、
前記ミキシング弁の開度を前記ステッピングモータで制御するミキシング弁制御回路と、
出湯中か出湯停止中かを検出する出湯検出回路と、を備え、
前記ミキシング弁制御回路は、前記出湯検出回路が出湯中を検出している場合に、
前記ステッピングモータの駆動周波数を第1駆動周波数で駆動し、
前記出湯検出回路が出湯停止中を検出している場合に、
前記ステッピングモータの駆動周波数を前記第1駆動周波数より大きい第2駆動周波数で駆動することを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記ミキシング弁の開度が予め定められた基準開度となったときに、検出信号を前記ミキシング弁制御回路に出力するよう構成され、
前記ミキシング弁制御回路は、前記ステッピングモータに対して、前記ミキシング弁の開度を前記基準開度へ向けて、前記ミキシング弁から前記検出信号を受信するまで継続的に駆動させる基準位置初期化処理を実行し、
前記基準位置初期化処理は、出湯停止中に開始し、
前記ステッピングモータに対して、前記第2駆動周波数で駆動して、タイマーをカウント開始し、
前記タイマーが所定時間内に前記検出信号を受信した場合は、前記基準位置初期化処理を終了し、
前記タイマーが所定時間内に前記検出信号を受信しなかった場合は、
前記ステッピングモータに対して、前記第1駆動周波数で駆動することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記ステッピングモータが、前記第1駆動周波数で駆動する代わりに第1の励磁方式で駆動し、
前記第2駆動周波数で駆動する代わりに第1の励磁方式とは異なる第2の励磁方式で駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯装置に関し、特に湯と水を混合して設定温度の混合湯を得るようにした給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、出湯停止中において、次回の出湯に備えて、熱交換器内の温度の変化に応じたタイミングで、湯と水を混合して設定温度の混合湯を得るミキシング弁の混合弁体の開度の調整を行うものがある。(例えば、特許文献1参照)
また、出湯停止から所定時間経過後に基準位置初期化処理を実施し、前記ミキシング弁の混合弁体の位置を基準位置に戻す処理を行っているものがある。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-287280号公報
【特許文献2】特許第5502772号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ミキシング弁が駆動する際は、前記ミキシング弁を駆動する際の駆動音が発生するが、この従来のものでは、出湯中の場合は、本体給湯装置のバーナ部の燃焼音や出湯時に蛇口やシャワーから出る水音によって、前記ミキシング弁の駆動音についてユーザが不快に感じることはないが、出湯停止中の前記ミキシング弁の駆動音は、出湯停止中にもかかわらず前記ミキシング弁の駆動音が発生するため、ユーザに不快感を与えるという問題があった。
【0005】
そこで、前記ミキシング弁の駆動音に対する対策として、前記ミキシング弁を駆動するステッピングモータの駆動周波数を高くして前記ミキシング弁の駆動音を小さくすることは可能だが、一般には駆動周波数を高くすると駆動トルクは小さくなってしまい、これにより機器の経時変化により前記ミキシング弁の混合弁体に異物が固着して前記ミキシング弁を正常な開度に調整できず、設定温度の湯温に調整できないほか、前記ミキシング弁の基準位置初期化処理ができなくなってしまう可能性があった。
【0006】
本発明はかかる背景を鑑みてなされたものであり、出湯停止中の機器の駆動音を小さくしながら、前記ミキシング弁を正常に維持できる給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1では、加熱手段により加熱された湯と、給水管から供給された水とを混合し、ミキシング弁の開度をステッピングモータを駆動して変化させて混合湯を設定された湯温になるように調整する給湯装置であって、前記ミキシング弁の開度を前記ステッピングモータで制御するミキシング弁制御回路と、出湯中か出湯停止中かを検出する出湯検出回路と、を備え、前記ミキシング弁制御回路は、前記出湯検出回路が出湯中を検出している場合に、前記ステッピングモータの駆動周波数を第1駆動周波数で駆動し、前記出湯検出回路が出湯停止中を検出している場合に、前記ステッピングモータの駆動周波数を前記第1駆動周波数より大きい第2駆動周波数で駆動することを特徴としたことを特徴とした。
【0008】
請求項2では、前記ミキシング弁の開度が予め定められた基準開度となったときに、検出信号を前記ミキシング弁制御回路に出力するよう構成され、前記ミキシング弁制御回路は、前記ステッピングモータに対して、前記ミキシング弁の開度を前記基準開度へ向けて、前記ミキシング弁から前記検出信号を受信するまで継続的に駆動させる基準位置初期化処理を実行し、前記基準位置初期化処理は、出湯停止中に開始し、前記ステッピングモータに対して、前記第2駆動周波数で駆動して、タイマーをカウント開始し、前記タイマーが所定時間内に前記検出信号を受信した場合は、前記基準位置初期化処理を終了し、前記タイマーが所定時間内に前記検出信号を受信しなかった場合は、前記ステッピングモータに対して、前記第1駆動周波数で駆動することを特徴とすることを特徴とした。
【0009】
請求項3では、前記ステッピングモータが、前記第1駆動周波数で駆動する代わりに第1の励磁方式で駆動し、前記第2駆動周波数で駆動する代わりに第1の励磁方式とは異なる第2の励磁方式で駆動することを特徴とすることを特徴とした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1によれば、ステッピングモータの経時変化に伴ったカルキ詰まりや、異物の混入や弁固着により、ミキシング弁の混合弁体が動きにくくなった場合でも、出湯中は前記ステッピングモータの駆動周波数をトルク優先で駆動させる第1駆動周波数で駆動させるので、前記混合弁体の固着障害を解除でき、前記混合弁体が動かなくなってユーザが設定した設定温度の湯が出ないといったリスクを回避できる。また、出湯停止中は、主な駆動音の発生源がミキシング弁であり、前記ステッピングモータを第1駆動周波数より大きい第2駆動周波数で駆動させて、前記ステッピングモータを低騒音で駆動できる駆動周波数で駆動させるので、駆動音を低減でき、ユーザに不快感を与えることがなく快適に使用できる。
【0011】
請求項2では、出湯停止中に行う基準位置初期化処理で、前記ステッピングモータを低騒音の駆動周波数である前記第2駆動周波数で駆動させるので、駆動音を低減でき、ユーザに不快感を与えることがなく快適に使用でき、万一、前記第2駆動周波数では前記基準位置初期化処理が完了しなかった場合は、駆動トルクが大きい前記第1駆動周波数で前記ステッピングモータを駆動するので、前記混合弁体の固着障害を解消することができ、結果的にエラーの発生頻度を低減させ、機器が使用できなくなることを回避して快適に使用できる。
【0012】
請求項3では、前記ステッピングモータの駆動方法を、トルク優先で行う方式である前記第1駆動周波数で駆動させる代わりに、同じくトルク優先で駆動させる第1の励磁方式で駆動させ、さらに、前記ステッピングモータを低騒音で駆動させる方式である前記第2駆動周波数で駆動させる代わりに、同じく低騒音で駆動させる方式である第2の励磁方式で駆動させることにより、出湯中は前記ステッピングモータの固着障害を解消でき、前記混合弁体が動かなくなってユーザが設定した設定温度の湯が出ないといったリスクを回避でき、出湯停止中は駆動音を低減でき、ユーザに不快感を与えることがなく快適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】本発明の同実施形態のミキシング弁の制御回路ブロック図
【
図6】本発明の同実施形態のミキシング弁の基準位置初期化処理の制御フロー図
【
図7】本発明の第2の実施形態のミキシング弁の制御回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~
図7を参照して、本発明の実施形態に係る給湯装置を説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同種の構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
【0015】
図1に示すように、1は給湯装置で、大別して給湯回路2、風呂追焚き回路3、風呂湯張り回路4より構成されるものである。
【0016】
まず、給湯回路2について説明すると、5は給水管、6は給水の温度を検出する給水温度センサ、7は給水量を検出する給水流量センサ、8は給湯用熱交換器、9は出湯管、10は給湯用熱交換器8の出口側の湯温を検出する出湯温度センサ、11は給水管5から給湯用熱交換器8をバイパスして出湯管9に接続するバイパス管、12は出湯管9からの高温の湯とバイパス管11からの低温の水とを混合して適温に制御するミキシング弁、13は給湯管、14は混合された湯の温度を検出する給湯温度センサ、15は過流出を防止する水比例弁、16は給湯管13の端部に設けられた蛇口、17は給湯用熱交換器8を加熱する加熱手段としてのバーナ部、60は給湯用熱交換器8の表面温度を検出する熱交換器温度センサである。
【0017】
次に、風呂追焚き回路3について説明すると、18は浴槽、19は風呂戻り管、20は風呂往き管、21はバーナ部17により加熱される風呂用熱交換器、22は浴槽18内の湯を強制循環させる循環ポンプ、23は循環する浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、24は浴槽水の循環の有無を検出する流水スイッチ、25は浴槽18内の水位を圧力によって検出する圧力センサから成る水位検出器、26は後述する風呂湯張り回路4と風呂追焚き回路3を接続する湯張り三方弁である。
【0018】
次に、風呂湯張り回路4について説明すると、27は前記給湯回路2の給湯管13の下流側より分岐され、前記風呂追焚き回路3の湯張り三方弁26に接続された風呂湯張り管、28は風呂湯張り管27を開閉する湯張り電磁弁、29は風呂湯張り管27を通過する流量を検出する湯張り流量センサ、30は浴槽水の給湯回路2への逆流を防止するために二重に設けられた逆止弁で、予め設定された設定湯張り量の湯を浴槽18へ湯張りするものである。
【0019】
次に、31はマイクロコンピュータより構成されこの給湯装置1の制御を行う制御部である。
また、32は制御部31に接続されて給湯装置1の操作指示を行うリモコンで、風呂自動スイッチ33や風呂設定温度変更スイッチ34、給湯設定温度変更スイッチ35、追焚きスイッチ36などの各種操作スイッチと表示器37とが設けられているものである。
【0020】
更に
図2に示す如く、制御部31の入力側には給水温度センサ6、給水流量センサ7、出湯温度センサ10、熱交換器温度センサ60、水位検出器25などの上記した各種センサ群38や、前記した風呂自動スイッチ33や風呂設定温度変更スイッチ34、給湯設定温度変更スイッチ35、追焚きスイッチ36などの各種操作スイッチが接続されており、又出力側にはバーナ部17の燃焼を制御するバーナ駆動回路39、上記した湯張り三方弁26を制御する三方弁制御回路40、表示器37、循環ポンプ22、ミキシング弁12を駆動させるステッピングモータ46がそれぞれ接続されて通電制御されるものである。
【0021】
また、制御部31は、給水流量センサ7から入力された信号をもとに出湯中か出湯停止中かを判断する出湯検出回路52と、ミキシング弁12を制御するミキシング弁制御回路53と、ミキシング弁制御回路53が基準位置初期化処理を行うための制限時間をカウントするタイマー54を備える。
【0022】
次に
図3に示すミキシング弁12について説明する。
41は出湯管9からの湯が流通する湯流路42と、該湯流路42より稍小径でバイパス管11からの給水が流通する水流路43とを180度反対位置で対向させて連通した混合部で、内方には内部を空洞とし周壁半分以上を開放口44とした混合弁体45が備えられている。
【0023】
46は駆動軸47を介して混合弁体45を駆動するステッピングモータで、混合部41上方にネジ48で固定されている。49は混合部41の底部で混合弁体45の空洞部分と連通し湯と水の混合湯が流通する混合流路で、途中には混合湯温を検出する給湯温度センサ14が備えられている。
【0024】
制御部31は、リモコン32の給湯設定温度変更スイッチ35で設定された設定温度と、給湯温度センサ14が検出する実際の混合湯温との偏差値からステッピングモータ46の駆動を制御して、ミキシング弁12の混合弁体45の開度を調節することによって、湯と水の混合比を調節するものである。
【0025】
図4でミキシング弁12の駆動回路について説明する。
ミキシング弁制御回路53は、出湯検出回路52から入力された信号をもとに、ステッピングモータ46の駆動周波数の切り替えを行う駆動周波数切替回路50と、パルス発生を行う駆動パルス発生回路51とを備え、ステッピングモータ46を駆動させる。
【0026】
次にこの発明一実施形態の作動を
図5をもとに説明する。
今蛇口16を開いて出湯を開始すれば、ミキシング弁制御回路53は、S001にてこれを出湯検出回路52が給水流量センサ7により出湯として検出し、S002に遷移し、ステッピングモータ46の駆動に当たり、駆動トルク優先の第1駆動周波数(例えば180pps)でステッピングモータ46を駆動する。
【0027】
混合弁体45の開度の調整は、ミキシング弁制御回路53が、給湯設定温度変更スイッチ35からの信号をもとに、混合弁体45を湯と水との混合比が所定値になる位置に移動させ、湯流路42と水流路43の開口度を同時に調節する。
そして、湯流路42からは給湯用熱交換器8で加熱された湯が供給されると共に、水流路43からは冷水が供給されて混合部41で混合され混合流路49を介して供給され、給湯温度センサ14が実際の混合湯温を検出し設定温度との偏差値をもとに、ステッピングモータ46を再度駆動し混合弁体45の位置を最終的に微調整して決定するものであり、以後は設定温度の混合湯を得ることが出来るものである。
【0028】
これにより、出湯中は、経時変化に伴ったカルキ詰まりや、異物の混入や弁固着により、混合弁体45が動きにくくなった場合でも、出湯中は駆動周波数を第1駆動周波数で駆動させて、混合弁体45をトルク優先で駆動させるので、混合弁体45の固着障害を解消でき、混合弁体45が動かなくなってユーザが設定した設定温度の湯が出ないといったリスクを回避できる。
【0029】
次に、蛇口16を閉止すると、ミキシング弁制御回路53は、S001にて出湯検出回路52が給水流量センサ7により出湯停止として検出し、S003に遷移し、ステッピングモータ46の駆動に当たり、第1駆動周波数より大きい第2駆動周波数(例えば500pps)でステッピングモータ46を駆動する。
【0030】
これにより、出湯停止時に行う混合弁体45の開度調整では、第1駆動周波数より大きい第2駆動周波数で駆動させて、混合弁体45を低騒音で駆動できる駆動周波数で駆動させるので駆動音を低減でき、ユーザに不快感を与えることがなく快適に使用できる。
【0031】
次に、ミキシング弁12の基準位置初期化処理について
図6をもとに説明する。
ミキシング弁制御回路53は、出湯停止となってから所定時間経過後(例えば10分後)に、ミキシング弁12の基準位置初期化処理を行い、混合弁体45の基準開度の位置にズレが生じないようにしている。
【0032】
ミキシング弁制御回路53は、S004にて基準位置初期化処理にかかる時間の制限時間をカウントするタイマー54をリセットし、S005にてカウントを開始する。S006にてタイマー54が所定時間内であれば、S007にてステッピングモータ46を第1駆動周波数より低騒音で駆動できる第2駆動周波数(例えば500pps)で駆動させ、混合弁体45の回転範囲角度を規制する回転角規制部材(図示せず)に設けられた磁石とホール素子(図示せず)により、混合弁体45が所定位置にくると(すなわち回転角規制部材に設けられた磁石がホール素子上にくる)、S008にて前記ホール素子から検出信号を受信すると基準開度であると判断して基準位置初期化処理を終了する。基準開度でなかった場合はS006に遷移する。
【0033】
S006にてタイマー54が所定時間に達するとS009へ遷移し、タイマー54をリセットし、S010にてカウントを開始する。S011にてタイマー54が所定時間内であれば、S012にてステッピングモータ46をトルク優先で駆動できる第1駆動周波数(例えば180pps)で駆動させ、混合弁体45の回転範囲角度を規制する前記回転角規制部材に設けられた前記磁石と前記ホール素子により、混合弁体45が所定位置にくると、S013にて前記ホール素子から検出信号を受信すると基準開度であると判断して基準位置初期化処理を終了する。基準開度でなかった場合はS011に遷移する。
【0034】
S011にてタイマー54が所定時間に達するとS014へ遷移し、リモコン32の表示器37にてエラー発報を行って処理を終了する。
【0035】
これにより、S007では低騒音で駆動できる第2駆動周波数で駆動させたので、駆動音を低減でき、ユーザに不快感を与えることがなく快適に使用でき、万一、第2駆動周波数での駆動で所定時間内に基準開度とならなかった場合でも、S012で第2駆動周波数より駆動トルクが大きい第1駆動周波数で駆動させるので、カルキによる混合弁体45の固着を解除できる。
【0036】
次に、
図7にて第2の実施形態について説明する。
ミキシング弁制御回路53は、出湯検出回路52から入力された信号をもとに、ステッピングモータ46へのパルス発生を行う駆動パルス発生回路51と、トルク優先で駆動できる第1の励磁方式で駆動させる第1励磁方式駆動回路56aと、第1の励磁方式より低騒音優先で駆動できる第2の励磁方式で駆動させる第2励磁方式駆動回路56bと、第1励磁方式駆動回路56aをステッピングモータ46と接続する第1励磁方式優先スイッチ57aと、第2励磁方式駆動回路56bをステッピングモータ46と接続する第2励磁方式優先スイッチ57bとを備え、ステッピングモータ46を駆動させる。
【0037】
ミキシング弁制御回路53は、第1励磁方式優先スイッチ57aおよび第2励磁方式優先スイッチ57bは、いずれか一方のみがオンとなるように制御し、出湯中はトルク優先で駆動できる第1の励磁方式で駆動させ、出湯停止中は低騒音優先で駆動できる第2の励磁方式で駆動させる。
【0038】
これにより、出湯中は、経時変化に伴ったカルキ詰まりや、異物の混入や弁固着により、混合弁体45が動きにくくなった場合でも、出湯中は第1の励磁方式で駆動させて、混合弁体45をトルク優先で駆動させるので、混合弁体45の固着障害を解除でき、混合弁体45が動かなくなってユーザが設定した設定温度の湯が出ないといったリスクを回避できる。
また、出湯停止中は、第2の励磁方式で駆動させて、混合弁体45を低騒音で駆動させるので駆動音を低減でき、ユーザに不快感を与えることがなく快適に使用できる。
【0039】
なお、第1の励磁方式として2相励磁方式を、第2の励磁方式として2相励磁方式より駆動音が小さく振動が少ないとされる1-2相励磁方式を選んでもよい。
さらに、第1の励磁方式として(N+1)相励磁方式を、第2の励磁方式として(N+1)相励磁方式より駆動音が小さく振動が少ないとされ、N相励磁と(N+1)相励磁を交互に繰り返す方式のN-(N+1)相励磁方式を選んでもよい。
【0040】
さらに、2相励磁方式と1-2相励磁方式が、励磁相を入力パルスに応じてオンオフすることにより、一定角ずつ混合弁体45を回転させるのに対し、励磁相の1相の電流値を徐々に上げていき、もう1相の電流値を徐々に下げることによって一定角ずつ混合弁体45を回転させるマイクロステップ駆動を応用し、混合弁体45の回転ステップ角が大きくまたは制御電流値の大きい制御方式を第1の励磁方式に、逆に回転ステップ角が小さくまたは制御電流値の小さい制御方式を第2の励磁方式としてもよい。
【0041】
なお、この一実施形態では給水をバーナ部17の燃焼で直接加熱する直圧方式の給湯機で説明したが、これに限定されることなく、例えば常に一定温度の温水を貯湯しておく貯湯方式の給湯機でも良い。
【0042】
なお、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 給湯装置
12 ミキシング弁
45 混合弁体
46 ステッピングモータ
52 出湯検出回路
53 ミキシング弁制御回路
54 タイマー