(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042242
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】灰の再生品を製造する方法、および灰の再生品を製造するシステム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/70 20220101AFI20220307BHJP
B09B 3/00 20220101ALI20220307BHJP
【FI】
B09B3/00 304G
B09B3/00 ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147575
(22)【出願日】2020-09-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】504281433
【氏名又は名称】株式会社福岡建設合材
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】奴留湯 誉幸
(72)【発明者】
【氏名】福岡 大造
(72)【発明者】
【氏名】工藤 慶太
(72)【発明者】
【氏名】峯松 正貴
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AA37
4D004AB03
4D004BA02
4D004CA15
4D004CA34
4D004CC03
4D004CC06
4D004CC15
4D004DA03
4D004DA10
4D004DA16
4D004DA17
(57)【要約】
【課題】灰の状態に変動が生じても、適切な環境規制物質濃度で管理した灰の再生品を製造する方法を提供する。
【解決手段】環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造する方法であって、灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析工程(S11)と、灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出工程(S21)と、前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合工程(S31)とを有する、灰の再生品を製造する方法。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造する方法であって、
灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析工程と、
灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合工程とを有する、
灰の再生品を製造する方法。
【請求項2】
前記分析工程で分析する灰の元素が、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Br、Ag、Cd、およびPbからなる群から選択される5以上の元素を分析するものである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記素材が、灰、固化材、水、および薬剤である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬剤が、石こう、石灰、塩化カルシウム、硫化ナトリウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミドロス、および有機系キレート薬剤からなる群から選択される1以上の薬剤である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
環境規制物質が、フッ素、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、ヒ素、セレン、およびホウ素からなる群から選択される請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造するシステムであって、
灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析手段と、
灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出手段と、
前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合手段とを有する、
灰の再生品を製造するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灰の環境規制物質を低減して、灰の再生品を製造する方法、および灰の再生品を製造するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電は、電力会社等の発電所や、各種の工場などでも行われており、重要な電力源である。この火力発電には、石炭やバイオマスなど、様々な燃料源が用いられており、発電に伴い、焼却灰が生じる。また、火力発電以外にも、熱源としての利用や、廃棄物の焼却処理などでも焼却灰が生じる。
【0003】
これらの焼却灰には、重金属などの環境規制物質が含まれる場合もある。焼却灰の最終処分としては、埋め立て処理や、セメントなどの建材等への利用などが行われる。この最終処分を行う前に、焼却灰に対して環境規制物質の処理などが必要となる。
【0004】
これらの適宜燃料などとしても用いられ、焼却された後に残る焼却灰の主灰や飛灰は、燃え殻や、ばいじんなどとして、その由来や状態、処理施設、処理状況、再利用先などに応じた法規制などが行われている。そして、これらの灰を再利用等しようとするとき、多様な環境規制物質の処理手法が提案や実施されている。
【0005】
特許文献1は、重金属含有飛灰を、該重金属含有飛灰中のカルシウム量と、該重金属含有飛灰懸濁水溶液のpHに基づいて分類し、該分類された重金属含有飛灰の種類に応じて、a)ケイ酸質物質、或いはb)アーウィン系セメント、或いはc)アーウィン系セメント及びpH低減材のいずれかの固化処理材を使い分けて使用することを特徴とする、重金属含有飛灰の固化処理方法を開示している。
【0006】
特許文献2は、重金属含有灰に水と活性炭を加えて混練することにより、重金属含有灰中の重金属を固定化することを特徴とする重金属含有灰の処理方法を開示している。
【0007】
特許文献3は、ジチオカルバミン酸塩の水溶液を主成分とする重金属固定剤を使用して飛灰処理をするにあたり、この固定剤を水で希釈した時の希釈液のpHが12以上となるように調整した後、飛灰と混練して処理することを特徴とする有害重金属含有飛灰の処理方法を開示している。
【0008】
特許文献4は、重金属含有灰に水を加え、酸もしくはOH基を含むアルカリを加えてpH9~12にした後、酸及び2価鉄を加え、この混合物のpHを6.0~8.5にすることを特徴とする重金属含有灰の処理方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9-108649号公報
【特許文献2】特開平9-174017号公報
【特許文献3】特開平10-118612号公報
【特許文献4】特開平7-108248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1~4のように様々な灰の処理技術が提案されている。しかし、灰は、石炭や木材、産業ゴミ、家庭ゴミなど多様なものを、焼却する目的や環境などにより多様な条件で処理されたものである。このため、灰の種類が変わったり、経時的な変動が生じたりすると、処理条件が適切ではなくなる場合がある。このような適切ではない条件で処理を行い続けると、環境基準を満足しない状態で排出される恐れがあったり、排出できない灰が溜まってしまったり、繰り返し処理を行わないといけないおそれがある。
【0011】
かかる状況下、本発明は、灰の状態に変動が生じても、適切な環境規制物質濃度で管理した灰の再生品を製造する方法やシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0013】
<1> 環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造する方法であって、
灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析工程と、
灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合工程とを有する、灰の再生品を製造する方法。
<2> 前記分析工程で分析する灰の元素が、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Br、Ag、Cd、およびPbからなる群から選択される5以上の元素を分析するものである前記<1>に記載の方法。
<3> 前記素材が、灰、固化材、水、および薬剤である前記<1>または<2>に記載の方法。
<4> 前記薬剤が、石こう、石灰、塩化カルシウム、硫化ナトリウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミドロス、および有機系キレート薬剤からなる群から選択される1以上の薬剤である前記<3>に記載の方法。
<5> 環境規制物質が、F(フッ素)、Hg(水銀)、Cd(カドミウム)、Pb(鉛)、Cr6+(六価クロム)、As(ヒ素)、Se(セレン)、およびB(ホウ素)からなる群から選択される前記<1>~<4>のいずれかに記載の方法。
<6> 環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造するシステムであって、
灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析手段と、
灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出手段と、
前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合手段とを有する、灰の再生品を製造するシステム。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法およびシステムによれば、適切な環境規制物質濃度で管理した灰の再生品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明の製造方法を行うためのフローの一例を示す図である。
【
図3】本発明の製造システムに係る構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の製造システムに係る構成の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0017】
[本発明の灰の再生品を製造する方法]
本発明の灰の再生品を製造する方法は、灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析工程と、灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合工程とを有する。本発明の灰の再生品を製造する方法を、本願では、単に、本発明の製造方法と記載する場合がある。
【0018】
本発明の製造方法は、環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造するものである。本発明の製造方法によれば、灰の状態に変動が生じても、適切な環境規制物質濃度で管理された灰の再生品を得ることができる。
【0019】
[本発明の灰の再生品を製造するシステム]
本発明の灰の再生品を製造するシステムは、灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析手段と、灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出手段と、前記算出工程により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合手段とを有する。本発明の灰の再生品を製造するシステムを、本願では、単に、本発明の製造システムと記載する場合がある。
【0020】
本発明の製造システムは、環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造するものである。本発明の製造システムによれば、灰の状態に変動が生じても、適切な環境規制物質濃度で管理された灰の再生品を得ることができる。
【0021】
なお、本願において本発明の製造システムを用いて本発明の製造方法を行うこともでき、本願においてそれぞれに対応する構成は相互に利用することができる。
【0022】
火力発電や温水ボイラーなどに利用するために用いられた、燃料やごみなどの焼却灰は、その燃料源や燃焼手法などにより、主灰や飛灰(フライアッシュ)、燃え殻、ばいじんなどに分類されるように状態が異なるものとなる。
【0023】
これらの最終処分のための埋め立てや再生処理にあたっては、環境規制を順守する必要がある。環境規制は、これらの灰からフッ素や重金属などが検出される場合もあることから設けられている。灰の処理手法は、種々提案されているが、単独の手法では、典型的な系の灰では十分に環境規制を守ることができる場合が多い。しかし、実際の現場では、定常化されている条件で処理しても、環境規制内や自主基準内で制御できない場合がある。
【0024】
従来、提案されてきた灰の処理方法は、例えば石炭灰における六価クロムを低減するなどの、特定の種類の灰に対する特定の重金属に着目したものであった。しかしながら、実際の灰は前述したように、種類や燃焼方法、ロット等によって組成が大きく異なる。さらに、これらの組成の違いは、イオン化傾向やpH、溶解度、溶解度積などの反応性にも影響を与えうるものが多い。また、環境規制の対象となるものも多く、それぞれに異なる処理条件や薬剤などが必要となる。
【0025】
一方で、単一の事業所内などで用いる灰は、基本的に組成が限られたものとの認識で処理していることが多い。このため、非定常的な対象物が混入されたり、処理日や季節などの経時的なばらつきが生じたときに、どのように対応すればよいかの知見が蓄積されない状態にあった。本発明者らは、様々な現場から回収された灰を分析することでこのような問題が生じる原因とその対策等を検討した。
【0026】
本発明者らは、灰や使用する薬剤によって、重金属やフッ素などの環境規制物質の処理状況との関係に着目した。その結果、灰の再生品を製造するときの条件から、以下の検討を行い、本発明に係る知見を得た。
【0027】
灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、その組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして、多変量解析をおこなった。この多変量解析により得られる濃度相関に関する予測式は、既知の値、または設定値を入力して利用するときも実際に再現性が高いものとなることがわかった。よって、この予測式を用いれば、処理対象となる灰の元素濃度と、管理する環境規制物質濃度を設定することで、そのための素材濃度を効率よく把握することができる。
【0028】
そして、実際にこの予測式を用いて、従来、当該事業者で使用しないものや、実験的に混合したもののように、処理実績がない灰の処理を行った。このような処理においても、その組成にかかる成分濃度の分析結果を利用して、環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を得ることができた。これは灰の様々な元素が反応に影響を与えたり、薬剤間での競合を防止したり、過剰な薬剤の使用を抑制することなどを総合的に調整する範囲を見出すものになっているためと考えられる。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0029】
本発明のための知見について、
図1は、石炭灰と、バイオマス灰のXRD分析したときの組成を示すものである。石炭灰は、Si(シリカ)が主たる成分であり、その他、Al、Ca、Fe、K、Ti、S、Pなどが検出される。他方、バイオマス灰は、Ca(カルシウム)が主たる成分であり、K、Si、Fe、S、Mg、Al、P、Mnなどが検出される。このように、単に灰と呼んでも組成は大きく異なる。また、石炭灰、バイオマス灰のそれぞれでも組成にはばらつきが生じるし、さらに他の燃料源を用いたときの組成も異なるものとなる。また、これらの混焼灰等が生じる場合もある。本発明はこのような、成分濃度が大きく異なる組成の影響を踏まえた処理条件を効率的に見出すことができるものであると考えられる。
【0030】
[本発明の製造方法の実施形態]
図2は、本発明の灰の再生品を製造する方法を行うフローの一例を示す図である。本発明の製造方法は、分析工程に係る灰の元素濃度を分析するステップS11を行い、算出工程に係る予測式から素材濃度を算出するステップS21と、混合工程に係る素材濃度で混合するステップS31を有するものとすることができる。素材を混合したものは例えば使用する場に展開して養生したり、型枠内で養生したりすることで再生品となる。
【0031】
[分析工程]
本発明の製造方法は、灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析工程を有する。分析する灰の元素成分は、製造に用いる灰を構成する元素を対象とする。分析は、予測式を作成する段階の教師データとして用いるときと、分析工程を行うときとで十分な対応関係が得られるものを採用する。よって、予測式の作成時と分析工程を行うときで共通の分析手法で行うか、数値の相関関係や対応関係が高いものを用いる。例えば、XRF(蛍光X線)分析などを行うことができる。
【0032】
分析工程で灰の元素濃度を分析する元素は、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Br、Ag、Cd、およびPbからなる群から選択される5以上の元素を分析するものであることが好ましい。元素数は、7以上や、8以上、10以上、12以上としてもよい。上限は設けなくてもよいが、灰からほとんど検出されない元素は予測式への影響も軽微と考えられるため、20以下や、18以下の上限を設けてもよい。また、この数は、元素として検出される濃度が高いものから順に設定してもよい。特に、これらの中でも、少なくとも、Si、Al、Ca、K、Feを含むものとすることが好ましい。また、さらに、Cr、Pb、As、Se、Cdも含むものとすることがより好ましい。
【0033】
例えば、灰の元素濃度は、XRF(蛍光X線)で分析しNa(原子番号:11)以上の原子番号の元素量を測定し、その中で各元素が占める割合として計算される値を用いることができる。例えば、元素分析(XRF)は、日本電子社製「JSX―1000s」を用いて、灰の元素濃度の分析などを行うことができる。
【0034】
また、灰に関する情報や、反応条件に影響する条件の分析や測定を行っておくことも有効である。例えば、灰に関する情報としては、かさ比重や粒径を測定しておくことが好ましい。また、反応条件に影響するものとしては、気温を測定しておくことが好ましい。
【0035】
[算出工程]
本発明の製造方法は、灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析工程で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出工程を有する。
【0036】
[予測式の設定]
算出工程を行うために、「灰の元素濃度」と「管理値として設定する灰の再生品の環境規制物質濃度(再生品の濃度))」を説明変数とし、「再生品に用いる素材濃度(素材濃度)」を目的変数とする多変量解析を行って所定の写像(例えば、検索空間など)を構成する。これを灰の元素濃度と、再生品の濃度に対する素材濃度の予測式として用いる。
【0037】
多変量解析とは、互いに関係のある多変量(他種類の特性値)のデータが持つ特徴を要約し、かつ、目的に応じて総合するための手法のことである。
【0038】
多変量解析には、以下の(1)~(3)などが含まれる。また、これらを適宜組わせて応用するものも含まれる。なお、これらの方法のいずれを採用するかは、その多変量解析を用いて得られる予測式として許容できるものを選択すれば良い。(1)関係式の発見や量の推定などに用いる重回帰分析や正準相関分析、またこれらの手法を応用する応答曲面法。(2)標本の分類や質の推定などに用いるクラスター分析や判別分析。(3)多変量の統合整理(減らす)、変量の分類、および代表変量の発見などに用いる主成分分析や因子分析。
【0039】
f(灰の元素濃度、素材の濃度) → 再生品の濃度 ・・・式(1)
予測式を作成する過程では、再生品を製造する作業の流れに準じて、式(1)のように、灰の元素濃度、素材の濃度に基づいて、再生品の濃度を求めるものとする関連性を把握するものを作成してもよい。
【0040】
f´(灰の元素濃度、再生品の濃度) → 素材の濃度 ・・・式(2)
本発明の製造方法や本発明の製造システムにおいては、処理対象となる灰の元素濃度を分析工程で分析し再生品の濃度を事前に設定して、これに対応する素材の濃度を求める式(2)の予測式を設定する。なお、予測式を作成するための教師データは、予め予測式を行うためのモデル試験を行ったものに基づいて作成することができる。また、本発明の製造方法等を行うことで得られた結果を、さらに教師データとして利用することで継続学習するものとしてもよい。
【0041】
また予測式には、灰の情報や、反応条件の情報を変数として含み解析するものとしてもよい。特に、灰の成分濃度に加えて、灰のかさ密度や、反応時の気温を用いることが好ましい。これらを用いることで、より高い精度で環境規制物質の濃度を制御した灰の再生品を得ることができる。
【0042】
[灰の再生品]
灰は、灰に含まれる環境規制物質が溶出等しないように処理された状態で、固化剤等を用いて、適宜、型枠内で固化させたり、造粒や固化、破砕等して成形した人工再生砕石などの再生品として利用することができる。この再生品は、例えば、石や砂、土、岩、コンクリートブロック、路盤材などに相当するものとして用いるための形状とすることができる。
【0043】
[素材]
素材は、灰を再生品とするために用いるものである。再生品は、再生品の態様に応じて適宜設定される。再生品は、代表的なものとして、固化した人工再生砕石などである。また、灰自体も再生品に用いられるため、素材である。素材濃度を設定する対象は、例えば、灰、セメントなどの固化材、水、および薬剤などである。すなわち、算出工程は、再生品を製造するときの、灰の量、固化材の量、水の量、薬剤の量を算出する。
【0044】
[薬剤]
薬剤は、再生品を製造するときに、固化の程度を調整したり、灰の環境規制物質の溶出を防止するために素材として用いるものである。薬剤は、再生品の種類によって適宜選択される。薬剤は、塩系薬剤、鉄系薬剤、ケイ酸ナトリウム系薬剤、アルミン酸計薬剤、キレート系薬剤、硫酸系薬剤、高分子系薬剤、これらの組み合わせなどを用いることができる。より具体的には、石こう、石灰、塩化カルシウム、硫化ナトリウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミドロス、有機系キレート薬剤、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンドからなる群から選択される1以上の薬剤などを用いることができる。これらは、2種以上や3種以上、4種以上を用いるものとすることができる。
【0045】
[環境規制物質]
灰の再生処理にあたっては、環境規制物質が所定の濃度とすることが求められる。この環境規制物質には、各種法規制などが設けられている。本発明における灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値は各種法規制による濃度そのものとしてもよいし、安全係数を設定して各種法規制の濃度よりも低いものを、その使用環境での管理値としてもよい。
【0046】
環境規制物質は、例えば、F(フッ素)、Hg(水銀)、Cd(カドミウム)、鉛(Pb)、Cr6+(六価クロム)、As(ヒ素)、Se(セレン)、およびB(ホウ素)からなる群から選択されるものとすることができる。これらの全てを、管理値を設定する環境規制物質としてもよい。または、分析工程で検出されたものを、管理値を設定する環境規制物質としてもよい。または、灰が発生した経緯等を鑑みて、管理する必要性が高いものを、管理値を設定する環境規制物質としてもよい。管理対象の環境規制物質は、1以上や、2以上、3以上、4以上としてもよい。
【0047】
[混合工程]
本発明の製造方法は、算出工程により算出された素材濃度で素材を混合する混合工程とを有する。混合は、再生品の種類に応じて、その製造の所定の順序で行う。この混合を行い、混合状態で使用環境に設置して養生したり、適宜成形したりして、再生品が得られる。
【0048】
[製造システムの実施形態の一例]
図3は、本発明の製造システムに係る構成の一例である製造システム100を示す図である。製造システム100は、分析手段1と、算出手段2と混合手段3を有する。また、これらのために用いられるデータ等を記憶する記憶部4を有する。
【0049】
製造システム100は、環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造するシステムである。分析手段1は、灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する手段である。算出手段2は、記憶部4に記憶された予め得られた予測式を基に、分析手段1で分析した灰の元素濃度と、再生品の環境規制物質濃度の管理値とに対応する素材濃度を算出する。混合手段3は、算出手段2の算出結果を基に、灰や、水、固化材、薬剤などの灰の再生品の素材を混合する。
【0050】
[混合工程]
図4は、本発明の製造システムに係る構成の他の一例である製造システム101を示す図である。製造システム101は、分析手段1や混合手段(混合槽30等)に係るユニット51と、算出手段2に係るユニット52とが異なる場所に設けられている構成である。
【0051】
ユニット51は、分析手段1や、混合槽30等の混合手段に係る構成を有している。これらは、灰を直接取り扱うことが必要な手段に対応するユニットである。よって、ユニット51は、灰が発生する工場や発電所等や、それらを回収して再生処理する再生処理工場などに設けられる。他方、ユニット52は、算出手段2などであり、これらは分析手段の分析結果を基に素材濃度等に係る情報を混合手段が利用できるように送信することができればよい構成に関するものであり、これらは、ユニット51とは別に、中央制御用の施設等で別途管理することができる。
【0052】
ユニット51において、分析手段1は、灰10の灰の元素濃度を分析する。分析結果の情報は、通信手段11を介して、ユニット52の通信手段21に、有線や無線などの任意の手法で送信される。さらに、ユニット52で算出された結果などを通信手段21から通信手段11に送信し、その情報に基づいて混合が行われる。混合槽30は、素材を混合するための槽である。灰10は、灰の混合量を調整する調整手段31を利用して、素材量として指定された量を混合槽30に加えられ混合される。また、他の素材に関しても素材槽321、331、341に含まれている素材は、それぞれに対応する調整手段32、33、34を用いて、算出手段2より算出された情報を基に混合槽30に加えられ混合される。これらの調整手段31~34は、混合する素材量を表示するモニターや、各種素材を混合槽30に送出するフィーダーやポンプ、コントローラーなどを組み合わせたものとすることができる。
【0053】
ユニット52において、算出手段2は、素材濃度を算出する。また、通信手段21が受信した情報や、算出手段2において算出を行うための予測式、算出結果の素材濃度などは、適宜、記憶部4に記憶することができる。算出手段2が算出した素材濃度は、前述のように通信手段21を介して、通信手段11に送信され、調整手段31~34を制御するための情報として用いられる。このようなユニット51やユニット52に係る構成は、適宜、パーソナルコンピュータやサーバー、携帯型端末、各種通信システムなどを適宜組わせて達成することができる。
【0054】
ユニット52に係る構成を、ユニット51とは別に設けることで、各種の利点が得られる。例えば、ユニット52に相当する情報を表示、管理することができれば、実際の灰処理は遠隔操作で管理することができる。また、ユニット51は、灰を再生処理する現場ごとに設置することが求められる。他方、ユニット52は、複数のユニット51と連動するものとしてもよい。このような複数のユニット51と連動するものとすれば、灰の種類が大きく異なるような場所の情報も収集して管理することができる。よって、特定のユニット51にとっては非定常的で処理しにくい灰が発生してもその適切な処理のための情報を算出して提供しやすい。また、これらの複数のユニット51に係るデータを教師データとして継続学習することでより信頼性が高い製造システム101とすることもできる。
【0055】
本発明の製造システムは、処理条件を解析する企業等に算出手段2に係るユニット52を設置し、灰処理などのために提携するパートナーの企業等が、灰の再生品製造の事業を行いたいときに、ユニット51を導入することができる。灰処理は広範に多様な場所で、様々な灰に対して需要がある。本発明の製造システムを利用して、このような運用とすることで、これらの需要に対してその近隣の現地の企業等が、ユニット51に相当する灰の測定や、灰の無害化、再生品の製品化を行うことができる。このとき、処理条件等はユニット52で情報収集したものを利用することで、灰処理設備や技術を導入するための検討時間や費用を低減できる。これは灰の排出者や処理者といった関連するパートナー企業等にとってもそれぞれ非常に有用である。
【実施例0056】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0057】
[実施例1]
タイヤ灰などを含む灰の再生品を対象として、再生品の素材濃度に対する環境規制物質の濃度を測定し、素材濃度との相関性を把握することを試みた。この灰は、未処理の状態では、環境規制物質の中でも、鉛(Pb)、六価クロム(Cr6+)、フッ素(F)、セレン(Se)が特に検出される場合があった。
【0058】
灰の元素濃度や、再生品として砕石を製造するための素材の組み合わせと、そのときの再生品における溶出環境規制物質濃度の測定を、実験条件を47系統で行った。
【0059】
・灰の元素濃度
灰の元素濃度は、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Br、Ag、Cd、Pbを測定対象として、日本電子社製「JSX―1000s」を用いて、測定条件:管電圧50kV、フィルターND、コリメーター9として測定した。なお、本系統では、Cl、Ni、As、Cdは検出されなかった。
【0060】
この試験系統では、元素濃度の測定結果として、例えば、Caは41%~65%(平均56%)、Pbは0.0009%~0.084%(平均0.043%)、Crは0.0012%~0.049%(平均0.025%)などが挙げられる。また、灰のかさ密度は、0.55~0.80(平均0.70)であった。
【0061】
・素材の濃度
試験系統において、灰は100質量部に対して、セメントは28質量部~52質量部(平均40質量部)、FeCl3は0.27質量部~6.9質量部(平均3.6質量部)、Na2SiO3は0質量部~5.1質量部(平均1.5質量部)、水60質量部~100質量部(平均80質量部)とするものとした。このような素材の濃度を気温約24℃で混合し、その後、養生した。
【0062】
・再生品の環境規制物質の濃度
試験系統において、再生品から溶出したものは、Pbは0mg/L(検出下限以下)~0.016mg/L(平均0.0052mg/L)、六価クロムは0.013mg/L~0.22mg/L(平均0.07mg/L)、フッ素は0.15mg/L~0.79mg/L、セレンは0.001mg/L~0.003mg/L(平均0.002mg/L)であった。
【0063】
この試験系統の47例を教師データとして、灰の元素濃度と、素材の濃度と、環境規制物質の濃度とを教師データとして、統計解析業務パッケージ JUSEーStatWorks(登録商標)/V5(株式会社日本科学技術研修所)を用いて応答曲面法により多変量解析して予測式を作成した。予測式は、セメントを解とするもの、Na2SiO3を解とするもの、FeCl3を解とするものについて、硬度、鉛溶出、六価クロム溶出の予測式を作成し、これらを同時に満足するものを混合に用いる予測式(A1)とした。
【0064】
・予測式を用いた再生品の製造
再生処理を検討する新たな灰の3サンプルについて、灰の元素濃度を、前述の予測式の検討に用いた試験系統と同じ手段で測定した。その測定データを用いて、環境規制物質の濃度に管理値を設けて、予測式(A1)により、素材濃度を算出した。算出結果に基づいて、素材を混合して、再生品を製造した結果、いずれも管理値として設定した値以下の環境規制物質濃度であった。
【0065】
[実施例2]
バイオマス灰と石炭を混合し燃焼させた混合灰などを含む灰の再生品を対象として、再生品の素材濃度に対する環境規制物質の濃度を測定し、素材濃度との相関性を把握することを試みた。この灰は、未処理の状態では、環境規制物質の中でも、鉛(Pb)、六価クロム(Cr6+)、フッ素(F)、セレン(Se)、ホウ素(B)が特に検出される場合があった。
【0066】
灰の元素濃度や、再生品として砕石を製造するための素材の組み合わせと、そのときの再生品における溶出環境規制物質濃度の測定を、実験条件を27系統で行った。
【0067】
・灰の元素濃度
灰の元素濃度は、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Br、Ag、Cd、Pbを測定対象として、日本電子社製「JSX―1000s」を用いて、測定条件:管電圧50kV、フィルターND、コリメーター9として測定した。
【0068】
この試験系統では、元素濃度の測定結果として、例えば、Alは9.4%~11.5%(10.5%)、Siは26.3%~34.6%(平均29.5%)、Caは20.1%~27.9%(平均24.1%)、Pbは0.137%~0.952%(平均0.223%)などが挙げられる。また、灰のかさ密度は、0.4~0.80(平均0.69)であった。
【0069】
・素材の濃度
試験系統において、灰は100質量部に対して、セメントは15質量部~55質量部(平均35質量部)、水60質量部~96質量部(平均71質量部)とするものとした。このような素材の濃度を気温約24℃で混合し、その後、養生した。
【0070】
・再生品の環境規制物質の濃度
試験系統において、再生品から溶出したものは、Pbは0mg/L(検出下限以下)~0.031mg/L(平均0.009mg/L)、六価クロムは0.008mg/L~0.079mg/L(平均0.032mg/L)、フッ素は0.10mg/L~0.69mg/L(平均0.28mg/L)、セレンは0.002mg/L~0.010mg/L(平均0.0046mg/L))、ホウ素は0.21mg/L~0.49mg/L(平均0.41mg/L)であった。
【0071】
この試験系統の27例を教師データとして、灰の元素濃度と、素材の濃度と、環境規制物質の濃度とを教師データとして、統計解析業務パッケージ JUSEーStatWorks(登録商標)/V5(株式会社日本科学技術研修所)を用いて応答曲面法により多変量解析して予測式を作成した。予測式は、セメントを解とするものについて、硬度、鉛溶出、六価クロム溶出の予測式を作成し、これらを同時に満足するものを混合に用いる予測式(B1)とした。
【0072】
・予測式を用いた再生品の製造
再生処理を検討する新たな灰の4サンプルについて、灰の元素濃度を、前述の予測式の検討に用いた試験系統と同じ手段で測定した。その測定データを用いて、環境規制物質の濃度に管理値を設けて、予測式(B1)により、素材濃度を算出した。算出結果に基づいて、素材を混合して、再生品を製造した結果、いずれも管理値として設定した値以下の環境規制物質濃度であった。
前記薬剤が、石こう、石灰、塩化カルシウム、硫化ナトリウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミドロス、および有機系キレート薬剤からなる群から選択される1以上の薬剤である請求項3に記載の方法。
前記薬剤が、石こう、石灰、塩化カルシウム、硫化ナトリウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミドロス、および有機系キレート薬剤からなる群から選択される1以上の薬剤である請求項3に記載の方法。
フッ素、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、ヒ素、セレン、およびホウ素からなる群から選択される環境規制物質の環境規制物質濃度を管理した灰の再生品を製造するシステムであって、
灰の再生品に用いる灰の元素濃度を分析する分析手段と、
灰の元素濃度と、再生品に用いる素材の素材濃度と、これらの組み合わせにより得られる灰の再生品の環境規制物質濃度とを教師データとして多変量解析して得られる濃度相関の予測式を基に、前記分析手段で分析された前記灰の元素濃度に対して、前記灰の再生品の環境規制物質濃度を管理値以下とするための前記素材濃度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記素材濃度で前記素材を混合する混合手段とを有し、
前記分析手段で分析する灰の元素が、Na、Mg、Al、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、As、Se、Br、Ag、Cd、およびPbからなる群から選択される5以上の元素を分析するものである灰の再生品を製造するシステム。