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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042247
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】蓄電池用バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20220307BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220307BHJP
【FI】
A45C11/00 E
H01M2/10 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147583
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】518347886
【氏名又は名称】細川 晋
(71)【出願人】
【識別番号】520337916
【氏名又は名称】畑休燃料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】細川 晋
【テーマコード(参考)】
3B045
5H040
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045BA21
3B045CA01
3B045CE08
3B045CE09
3B045DA21
3B045EA03
3B045EA06
3B045FC08
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
5H040AA32
5H040AY08
5H040GG12
5H040GG21
(57)【要約】
【課題】雨天時の屋外などにおいても収容した蓄電池を稼働させることができる蓄電池用バッグを提供する。
【解決手段】
蓄電池用バッグ1は、直方体状の可搬型蓄電池の上面を覆う上面部と、前記上面部に接続され、前記可搬型蓄電池の4つの側面を覆う4つの側面部と前記4つの側面部のうちの一の側面部の両側辺と、当該一の側面部と隣り合う2つの側面部のそれぞれの側辺とに接続され、当該一の側面部の上部を要として下部が扇形状に開閉する2つの第1延長面部とを備える。前記2つの第1延長面部が開いた状態において当該2つの第1延長面部と前記一の側面部とによって斜め下方が開放された空間が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状の可搬型蓄電池を収容する蓄電池用バッグにおいて、
前記可搬型蓄電池の上面を覆う上面部と、
前記上面部に接続され、前記可搬型蓄電池の4つの側面を覆う4つの側面部と、
前記4つの側面部のうちの一の側面部の両側辺と、当該一の側面部と隣り合う2つの側面部のそれぞれの側辺とに接続され、当該一の側面部の上部角部を要として下部が扇形状に開閉する2つの第1延長面部と
を備え、
前記2つの第1延長面部が開いた状態において当該2つの第1延長面部と前記一の側面部とによって斜め下方が開放された空間が形成される、
蓄電池用バッグ。
【請求項2】
前記一の側面部と前記可搬型蓄電池の側面との間に、当該可搬型蓄電池の側面に設けられたケーブルを接続するための端子部を開閉可能に覆う端子カバー部が形成された第1内側側面部を
さらに備える、
請求項1に記載の蓄電池用バッグ
【請求項3】
前記第1延長面部の開状態を保持するための第1保持部
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の蓄電池用バッグ。
【請求項4】
前記4つの側面部のうちの前記一の側面部と対向する他の側面部の両側辺と、当該他の側面部と隣り合う前記2つの側面部のそれぞれの側辺とに接続され、当該他の側面部の上部角部を要として下部が扇形状に開閉する2つの第2延長面部
をさらに備え、
前記2つの第2延長面部が開いた状態において当該2つの第2延長面部と前記他の側面部とによって斜め下方が開放された空間が形成される、
請求項1乃至3の何れかに記載の蓄電池用バッグ。
【請求項5】
前記他の側面部と前記可搬型蓄電池の側面との間には、当該可搬型蓄電池の側面に設けられた通気孔と連通する開口部が設けられた第2内側側面部を
さらに備える、
請求項4に記載の蓄電池用バッグ
【請求項6】
前記第2延長面部の開状態を保持するための第2保持部
をさらに備える、
請求項4又は5に記載の蓄電池用バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型蓄電池を収容する蓄電池用バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
可搬型の蓄電池の普及に伴い、それを収容して運ぶためのバッグが種々提案されている。特許文献1乃至3には、一部又は全部を防水性の素材を用いて構成されたバッグが開示されている。これらのバッグによれば、密閉することによって雨水などがバッグ内に侵入することが防止され、蓄電池を保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-137035号公報
【特許文献2】特開2013-22022号公報
【特許文献3】特開2019-217285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、蓄電池を外部の負荷に接続するためにはその端子部分を外部に露出させる必要があるため、バッグの密閉状態を解く必要が生じる。その場合、上記の従来のバッグでは防水機能が担保されないため、雨天時の屋外などにおいて蓄電池を収容した状態でその蓄電池を稼働させることはできない。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、雨天時の屋外などにおいても蓄電池の稼働を可能にする蓄電池用バッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様の蓄電池用バッグは、直方体状の可搬型蓄電池を収容する蓄電池用バッグにおいて、前記可搬型蓄電池の上面を覆う上面部と、前記上面部に接続され、前記可搬型蓄電池の4つの側面を覆う4つの側面部と、前記4つの側面部のうちの一の側面部の両側辺と、当該一の側面部と隣り合う2つの側面部のそれぞれの側辺とに接続され、当該一の側面部の上部角部を要として下部が扇形状に開閉する2つの第1延長面部とを備え、前記2つの第1延長面部が開いた状態において当該2つの第1延長面部と前記一の側面部とによって斜め下方が開放された空間が形成される。
【0007】
前記態様において、前記一の側面部と前記可搬型蓄電池の側面との間に、当該可搬型蓄電池の側面に設けられたケーブルを接続するための端子部を開閉可能に覆う端子カバー部が形成された第1内側側面部をさらに備えてもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記第1延長面部の開状態を保持するための第1保持部をさらに備えてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記4つの側面部のうちの前記一の側面部と対向する他の側面部の両側辺と、当該他の側面部と隣り合う前記2つの側面部のそれぞれの側辺とに接続され、当該他の側面部の上部角部を要として下部が扇形状に開閉する2つの第2延長面部をさらに備え、前記2つの第2延長面部が開いた状態において当該2つの第2延長面部と前記他の側面部とによって斜め下方が開放された空間が形成されてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記他の側面部と前記可搬型蓄電池の側面との間には、当該可搬型蓄電池の側面に設けられた通気孔と連通する開口部が設けられた第2内側側面部をさらに備えてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記第2延長面部の開状態を保持するための第2保持部をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、雨天時の屋外などにおいても収容した蓄電池を稼働させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態の蓄電池用バッグの構成を示す斜視図。
図2】実施の形態の蓄電池用バッグの構成を示す斜視図。
図3】実施の形態の蓄電池用バッグに収容される蓄電池の構成を示す斜視図。
図4】実施の形態の蓄電池用バッグに収容される蓄電池の構成を示す斜視図(反対側)。
図5】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する内側バッグ部の構成を示す斜視図。
図6】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する内側バッグ部の構成を示す斜視図。
図7】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する内側バッグ部の構成を示す斜視図(反対側)。
図8】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する内側バッグ部の収容部の構成を示す斜視図。
図9】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する内側バッグ部の収容部を構成する生地の展開状態を示す平面図。
図10】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する外側カバー部の構成を示す斜視図。
図11】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する外側カバー部の構成を示す斜視図。
図12】実施の形態の蓄電池用バッグを構成する外側カバー部の構成を示す斜視図。
図13】実施の形態の蓄電池用バッグの使用時における構成を示す側面図。
図14】実施の形態の蓄電池用バッグの使用時における構成を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための蓄電池用バッグを例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0015】
図1及び図2は、本実施の形態の蓄電池用バッグ(以下、単に「バッグ」という)の構成を示す斜視図である。また、図3及び図4は、当該バッグ内に収容される可搬型の蓄電池の構成を示す斜視図であり、図5乃至図9は、当該バッグを構成する内側バッグ部またはその一部の構成を示す斜視図である。さらに、図10乃至図12は、当該バッグを構成する外側カバー部の構成を示す斜視図である。なお、図4は、図3に示す蓄電池を反対側から示した斜視図であって、図7は、図5及び図6に示す内側バッグ部を反対側から示した斜視図である。
【0016】
本実施の形態のバッグ1は、内側バッグ部2と、外側カバー部3とを備えている。内側バッグ部2及び外側カバー部3は、同一の材料で構成されてもよいし、異なる材料で構成されてもよいが、いずれの場合でもともに防水性を有する材料で構成されている。例えば、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維を織って形成された布地であって、表面に撥水加工が施されたものなどを用いることができる。
【0017】
内側バッグ部2及び外側カバー部3はそれぞれ、直方体状に形成されており、外側カバー部3の内寸が内側バッグ部2の外寸より若干大きくなっている。外側カバー部3は、下方が開放された直方体状をなしており、蓄電池4を収容した内側バッグ部2の上から被せて使用される。
【0018】
蓄電池4は、可搬型の蓄電池であって、直方体状に形成されている。図3に示すように、蓄電池4の短辺側の一方の側面41a(第1内側側面部に相当)には、蓄電池4と外部の負荷とを繋ぐケーブルに接続される端子を含む端子部42が設けられている。また、図4に示すように、蓄電池4の短辺側の他方の側面41bには、蓄電池4内の熱を外部に放出するための通気孔43が設けられている。
【0019】
図5乃至図8に示すように、内側バッグ部2は、蓄電池4を収容する収容部21と、蓋部22とを備えている。収容部21は、上方が開放された直方体状に形成されており、その開放面は蓋部22によって閉じられる。蓋部22は、収容部21の各側面の上部に、図示しない面ファスナーによって開閉自在に取り付けられる。なお、収容部21は複数のベルト28によって蓄電池4を固定するよう構成されている。その構成の詳細については後述する。
【0020】
収容部21の短辺側の一方の側面21aには、収容される蓄電池4の端子部42に対応する位置に開口部23が設けられており、また、その開口部23を覆う端子カバー24(端子カバー部に相当)が設けられている。端子カバー24は、透明な部材で構成された矩形状の窓部24aと、窓部24aの下端縁及び両側縁を囲む枠部24bとで構成されている。
【0021】
端子カバー24は、その上端縁が側面21aの上部に縫合などによって取り付けられており、当該上端縁を支点として開閉可能となっている。図5には端子カバー24が閉状態のときの内側バッグ部2が示されており、図6には端子カバー24が開状態のときの内側バッグ部2が示されている。端子カバー24が閉状態の場合、蓄電池4の端子部42は外部から視認できるものの外部に露出していない。これに対し、端子カバー24が開状態の場合、端子部42は外部に露出した状態となる。
【0022】
上記のとおり、端子カバー24が閉状態の場合であっても端子部42は外部から視認可能であるため、端子部42が端子カバー24により保護された状態で、蓄電池4が正しい配置で収容部21に収容されているか否かを確認することができる。
【0023】
また、図7に示すように、収容部21の短辺側の他方の側面21b(第2内側側面部に相当)には、収容される蓄電池4の通気孔43に対応する位置に、通気孔43と連通する開口部26aが設けられている。この開口部26aには、格子網状のメッシュ部26bが取り付けられている。蓄電池4内の熱は、通気孔43並びに開口部26a及びメッシュ部26bを介して、外部に放出される。
【0024】
内側バッグ部2の底面には、把手27,27が縫合などによって取り付けられている。なお、図5乃至図8では、把手27,27は省略されている。図1及び図2に示すように、把手27,27は、内側バッグ部2に外側カバー部3が被せられた状態において、外側カバー部3の外側面に這わせて上方に持ち上げられる。これにより、把手27,27は、バッグ1の持ち運び用の提げ手として機能する。
【0025】
図8には、蓋部22が外された状態の内側バッグ部2、すなわち収容部21が示されている。また、図9は、その収容部21を構成する生地の展開状態を示す平面図である。収容部21は、一枚の生地211が折り畳まれることにより構成されている。図9に示すように、収容部21を構成する生地211は、平面視で十字状に形成されている。収容部21の側面21aに相当する領域には上述した開口部23が、同じく側面21bに相当する領域には上述した開口部26aが、それぞれ形成されている。
【0026】
図9中の破線は谷折り線を、一点鎖線は山折り線をそれぞれ示している。また、4本の谷折り線で囲まれた直方体状の領域211aは、収容される蓄電池4の底面が設置される領域を示している。この領域211aの四隅を摘んだ状態で、その四隅から外方に向かってそれぞれ斜めに延びる谷折り線211bで谷折りした上で、対向する辺211c,211c同士が縫い合わせられる。これにより、立体形状が得られる。
【0027】
バッグ1の使用時には、山折り線211d,211eで山折りし、当該山折り線211d,211e同士を合わせる。その結果重ね合わされた直角台形状の領域を、収容部21の側面21c,21dに相当する側にそれぞれ折り畳み、面ファスナーなどによって固定することにより、直方体状の収容部21が得られる。
【0028】
上記のようにして得られた収容部21内に蓄電池4を収容する場合、その蓄電池4の底面が上記の領域211aと合わせられる。その後、収容部21の側面21a,21bの上端、及び上記の重ね合わされた直角台形状の領域に縫合されている各ベルト28によって、蓄電池4が固定される(図8を参照)。なお、各ベルト28は、その長さが調整された上で、バックルなどで構成されるベルト固定部(図示せず)によって固定される。
【0029】
上述したとおり、収容部21において、収容される蓄電池4の底面が設置される領域211aの近傍は折り畳まれているのみで縫合はされていない。縫合箇所があるとそこから雨水が侵入するおそれがあるが、収容部21の下部には生地211同士が縫合された箇所がないため、当該下部から収容部21内に雨水が侵入することを防止できる。
【0030】
なお、上記のとおり各ベルト28と各側面、及び辺211c,211c同士は縫合されているものの、その縫合箇所と重ね合わされる外側カバー部3の対応する領域には縫合箇所は設けられていない。このように、内側バッグ部2及び外側カバー部3は、その一部に縫合箇所等の水が通過するおそれがある箇所が存在するものの、その箇所が互いに重ならないように配置されている。すなわち、内側バッグ部2及び外側カバー部3が互いに補完し合うことにより、防水機能が強化されている。
【0031】
外側カバー部3は、上述したとおり下方が開放された直方体状に形成されており、図8及び図9に示すように、短辺側の両側面31a,31b及び長辺側の両側面31c,31d、並びに上面32を備えている。側面31a(一の側面部に相当)の一方の側辺と側面31cの側辺との間には、これらの両側辺と接続される延長面部33aが設けられている。同様にして、側面31aの他方の側辺と側面31dの側辺との間にも、これらの両側辺と接続される延長面部33aが設けられている。これらの延長面部33a,33aは、第1延長面部に相当する。
【0032】
また、側面31b(他の側面部に相当)の一方の側辺と側面31cの側辺との間には、これらの両側辺と接続される延長面部33bが設けられている。同様にして、側面31aの他方の側辺と側面31dの側辺との間にも、これらの両側辺と接続される延長面部33bが設けられている。これらの延長面部33b,33bは、第2延長面部に相当する。
【0033】
上述した延長面部33aは、中心角が20乃至70度程度の扇形状に形成されており、当該延長面部33aを2等分する中心線33cを折り目として、外側カバー部3内に折り畳み可能に設けられている。これにより、延長面部33aは、側面31aの上部角部を要として下部が扇形状に開閉可能となる。
【0034】
同様にして、上述した延長面部33bは、中心角が20乃至70度程度の扇形状に形成されており、当該延長面部33bを2等分する中心線33dを折り目として、外側カバー部3内に折り畳み可能に設けられている。これにより、延長面部33bは、側面31bの上部角部を要として下部が扇形状に開閉可能となる。
【0035】
上記のとおり、延長面部33a,33bは、扇形状に開閉可能に構成されている。図8には、延長面部33a,33bが閉状態のときの外側カバー部3が示されている。また、図9及び図10には、延長面部33a,33bが開状態のときの外側カバー部3が示されており、図9には延長面部33a,33bの開状態を保持する保持部37(第1保持部及び第2保持部に相当)が取り付けられていないときの外側カバー部3が、図10にはその保持部37が取り付けられているときの外側カバー部3が、それぞれ示されている。
【0036】
外側カバー部3の各側面間には線ファスナー34が設けられている。より具体的に説明すると、側面31a,31bそれぞれの両側辺には、線ファスナー34の一方のエレメント列34aが設けられている。同様に、側面31c,31dそれぞれの両側辺には、線ファスナー34の他方のエレメント列34bが設けられている。また、一対のエレメント列34a,34bに対して、エレメント列34aとエレメント列34bとを噛合及び分離させるスライダー35が取り付けられている。スライダー35を上方から下方へ移動させることによってエレメント列34aとエレメント列34bとが噛合され、反対に下方から上方へスライダー35を移動させることによってエレメント列34aとエレメント列34bとが分離される。このようにして、線ファスナー34の開閉が行われる。
【0037】
図8に示すように、線ファスナー34が閉じられているときは、側面31aと側面31c及び31dとが連結され、側面31bと側面31c及び31dとが連結される。このとき、延長面部33a,33bは中心線33c,33dを折り目として外側カバー部3内に折り畳まれた状態となる。
【0038】
また、図9及び図10に示すように、線ファスナー34が開いているときは、側面31aと側面31c及び31dとの連結、及び側面31bと側面31c及び31dとの連結が解除され、折り畳まれている延長面部33a,33bを開状態とすることができる。
【0039】
側面31a側の2つの延長面部33a,33aが開状態にあるとき、これらの延長面部33a,33aと側面31aとによって、斜め下方が開放された空間が形成される。後述するように、この空間は、蓄電池4の端子部42を外部に露出させるために利用される。
【0040】
また、側面31b側の2つの延長面部33b,33bが開状態にあるとき、これらの延長面部33b,33bと側面31bとによって、斜め下方が開放された空間が形成される。後述するように、この空間は、蓄電池4の通気孔43から放出された熱をバッグ1の外部に放出させるために利用される。
【0041】
なお、各線ファスナー34のエレメント列34a及びエレメント列34bは、上面32の一部に至るまで設けられている。これにより、線ファスナー34を開いたときにスライダー35を上面32に配置させることができるため、延長面部33a,33bの開閉動作時にスライダー35が下方に移動して当該開閉動作が妨げられることを防止できる。
【0042】
図9に示すように、延長面部33a,33bの外表面には、中心線33c,33dの両側に一対の保持部取付部36,36が縫合などによって取り付けられている。延長面部33a,33bが開状態とされた後、これら保持部取付部36,36に保持部37が取り付けられる。
【0043】
保持部37は、延長面部33a,33bが開状態のときに、側面31a,31bの自重などに起因して延長面部33a,33bが折り畳まれて閉状態になるのを防止するための部材である。保持部37は、延長面部33a,33bよりも剛性を有する材料で構成され、厚みの小さい直方体状に形成されている。保持部37の両端部分と保持部取付部36,36とが面ファスナーなどによってそれぞれ係合されることにより、保持部37が保持部取付部36に取り付けられる。これにより、延長面部33a,33bが開状態から閉状態へ意図せず移行することが防止される。
【0044】
次に、以上のように構成されたバッグ1の使用時の取り扱いについて、図11及び図12も参照しながら説明する。なお、図11及び図12においては、把手の図示が省略されている。まず、内側バッグ部2の収容部21に蓄電池4が収容される。このとき、蓄電池4の端子部42が、収容部21の側面21aに設けられている開口部23と対向する領域に配置され、且つ、蓄電池4の通気孔43が、収容部21の側面21bに設けられている開口部26aと対抗する領域に配置されるように、蓄電池4が収容部21に収容される。その上で、蓋部22が収容部21に取り付けられる。
【0045】
次に、内側バッグ部2の上方から外側カバー部3が被せられる。バッグ1に収容されている蓄電池4を移動させる場合、外側カバー部3の延長面部33a,33bは閉状態とされ、把手27,27が外側カバー部3の外側面に這わされて上方に持ち上げられる。この場合、蓄電池4が密閉された状態を維持することができるため、雨天時におけるバッグ1内への雨水の侵入が防止され、蓄電池4が保護される。
【0046】
また、雨天時に屋外で蓄電池4を稼働させる必要がある場合、上記のようにして蓄電池4がバッグ1内に収容された状態で、外側カバー部3の4つの線ファスナー34が開かれて、延長面部33a,33bが開状態とされる。そして、その開状態を保持するために、4つの保持部37が各保持部取付部36にそれぞれ取り付けられる。
【0047】
この場合、外側カバー部3の側面31aと2つの延長面部33a,33aとによって形成された斜め下方が開放された空間に、蓄電池4を外部の負荷に接続するためのケーブル5が挿入される。そして、そのケーブル5は、端子カバー24が開状態(図6を参照)とされて外部に露出した端子部42に接続される。この場合、端子部42は外部に露出した状態であるものの、外側カバー部3の側面31a及び2つの延長面部33a,33aによって雨水が遮られるため、端子部42側に雨水が侵入することが防止される。これにより、雨天時の屋外であってもバッグ1内に収容された蓄電池4を稼働させることが可能になる。
【0048】
なお、外側カバー部3の側面31aは斜め下方に傾斜した状態となっており、バッグ1上に降った雨水の一部はその側面31a上を流れてバッグ1の設置面に落下するため、その落下地点と端子部42との間には一定の距離が保持される。これにより、その設置面から跳ね返った雨水が端子部42に到達することが防止される。
【0049】
また、稼働中の蓄電池4内の熱は、通気孔43及び収容部21の側面21bに設けられた開口部26a及びメッシュ部26bを介して、外側カバー部3の側面31bと2つの延長面部33b,33bとによって形成された空間に放出される。当該空間は斜め下方が開放されているため、蓄電池4内の熱はバッグ1外へ放出される。これにより、適切に放熱を行うことが可能になる。
【0050】
上記のように、通気孔43は開口部26a及びメッシュ部26bを介して外部に露出した状態であるものの、外側カバー部3の側面31b及び2つの延長面部33b,33bによって雨水が遮られるため、通気孔43を介して蓄電池4内に雨水が侵入することが防止される。
【0051】
また、側面31aの場合と同様に、側面31bは斜め下方に傾斜した状態となっており、雨水はその側面31b上を流れてバッグ1の設置面に落下するため、その落下地点と通気孔43との間には一定の距離が保持される。これにより、その設置面から跳ね返った雨水が通気孔43に到達することが防止される。
【0052】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、外側カバー部3の短辺側の側面の両方に延長面部が取り付けられているが、何れか一方のみに延長面部が取り付けられている構成であってもよい。また、延長面部33a,33bの形状は扇形状であるが、二等辺三角形状など、他の形状であってもよい。なお、延長面部33a,33bの中心角は鋭角であれば特に限定されないが、防水性及び操作性を両立させるためには、上記のとおり20乃至70度程度が好ましい。
【0053】
また、上記の実施の形態では、延長面部33a,33bが開状態のときに保持部37が保持部取付部36に取り付けられて使用されるが、その開状態がある程度維持できるのであれば、保持部37が取り付けられなくてもよい。
【0054】
なお、保持部37及び/又は保持部取付部36については種々の変形例が想定される。例えば、上記の実施の形態では保持部37と保持部取付部36とが面ファスナーで係合されるが、1対の保持部取付部36がポケット状に形成されており、その保持部取付部36に保持部37を挿入することによって両者が係合されてもよい。また、延長面部33a,33bが意図せず閉状態になることを防止するために保持部37のみでは剛性が十分ではない場合、延長面部33a,33bの保持部37と同様の剛性を有する部材を設け、当該部材と保持部37とを直接または間接に連結するようにしてもよい。その他にも、一対の保持部取付部36を延長面部33a,33bと外側カバー部3の長辺側の側面31c,31dとに設けることによって、保持部37が延長面部33a,33b及び側面31c,31dにわたって取り付けられるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 蓄電池用バッグ
2 内側バッグ部
21 収容部
21a,21b 側面
22 蓋部
23 開口部
24 端子カバー
24a 窓部
24b 枠部
26a 開口部
26b メッシュ部
27 把手
3 外側カバー部
31a,31b,31c,31d 側面
32 上面
33a,33b 延長面部
33c,33d 中心線
34 線ファスナー
35 スライダー
36 保持部取付部
37 保持部
4 蓄電池
41a,41b 側面
42 端子部
43 通気孔
図1
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