(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042251
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】泥土サンプリング装置
(51)【国際特許分類】
E21D 9/12 20060101AFI20220307BHJP
G01N 1/04 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
E21D9/12 H
G01N1/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147588
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】592099215
【氏名又は名称】株式会社冨士機
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】藤田 以和彦
【テーマコード(参考)】
2D054
2G052
【Fターム(参考)】
2D054AC01
2D054DA02
2D054DA31
2G052AA19
2G052AC04
2G052AD14
2G052BA03
2G052BA17
2G052CA02
2G052CA16
2G052CA41
(57)【要約】
【課題】 人手を必要とせずベルトコンベアを停止する必要のない泥土サンプリング装置を提供すること。
【解決手段】 ベルトコンベアに直交する方向にフレームが設けられ、フレームに対して上下方向に移動可能な軸部が設けられ、軸部の下部に枠部が固定され、枠部内にベルトコンベアの進行方向に対向して開口するコ字状枠が載置され、枠部にはシリンダが固定され、コ字状枠の一側面にはシリンダの伸縮ロッドの先端が固定され、枠部の上方位置において、誘導通路が伸縮ロッドの伸長方向に沿って固定され、誘導通路の端部には落下口が設けられ、枠部の下方位置においてベルトコンベア上の泥土をコ字状枠がサンプリングし、枠部の上方位置において、伸縮ロッドの伸長状態でコ字状枠のみが枠部から出て、コ字状枠が誘導通路を通って落下口上に位置させることでサンプリングした泥土を回収し得るように構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベア上方にベルトコンベアに直交する方向にフレームが設けられ、
上記フレームに対して上下方向に移動可能な軸部が設けられると共に、上記軸部を上方位置と下方位置に上下に駆動し得る上下駆動手段が設けられ、
上記軸部の下部に上面板と下面板と支柱による枠部が固定され、上記枠部は上記軸部と共に上記上方位置と上記下方位置に上下動するものであり、
上記枠部の中に、ベルトコンベアの進行方向に対向して開口が形成された平面視でコ字状枠が載置され、
上記枠部又は上記軸部には上記ベルトコンベアに直交する方向に伸縮し得る伸縮ロッドを有するシリンダが固定され、上記コ字状枠の一側面には上記シリンダの伸縮ロッドの先端部が接続固定され、上記シリンダ及び上記コ字状枠は上記枠部と共に上下動するものであり、
上記枠部が上記上方位置に位置している状況において、上記枠部の上記下面板と同一水準位置において、上記枠部に一端部が近接状態で誘導通路が上記伸縮ロッドの伸長方向に沿って上記フレームに固定され、
上記誘導通路の他端部には落下口が設けられ、
上記枠部の上記下方位置において、上記ベルトコンベア上の泥土を上記コ字状枠がサンプリングし得るものであり、
上記枠部の上記上方位置において、上記シリンダの上記伸縮ロッドの伸長状態で上記コ字状枠のみが上記枠部から出て、上記コ字状枠が上記誘導通路を通って上記落下口上に位置させることにより上記コ字状枠でサンプリングされた泥土を落下させるように構成されたものである泥土サンプリング装置。
【請求項2】
上記誘導通路は筒状であり、上記枠部の上記下面板と同一水準位置にあるのは上記誘導通路内の下面側の通路面である請求項1記載の泥土サンプリング装置。
【請求項3】
上記誘導通路の上記落下口の下方にはサンプリング箱がセットされているものである請求項1又は2記載の泥土サンプリング装置。
【請求項4】
上記誘導通路の上記落下口の下にはシュートが設けられているものである請求項1~3の何れかに記載の泥土サンプリング装置。
【請求項5】
上記サンプリング箱は、他のコンベア上に載置されているものである請求項3又は4に記載の泥土サンプリング装置。
【請求項6】
上記コ字状枠の下縁は、上記誘導通路の上記通路面と同一水準高さに設定されているものである請求項2~5の何れかに記載の泥土サンプリング装置。
【請求項7】
上記枠部は、上記軸部の下部に接続された矩形の上記上面板と、上記上面板の四隅に固定された上記支柱と、上記各支柱に固定された矩形の上記下面板とから構成され、
上記枠部内の上記コ字状枠は、一対の支柱間に上記開口が位置しているものである請求項1~6の何れかに記載の泥土サンプリング装置。
【請求項8】
上記枠部の上記下方位置は上記ベルトコンベア上の泥土が上記コ字状枠内に入り込む位置である請求項1~7の何れかに記載の泥土サンプリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシールド工法等でトンネル等を掘削している際に、ベルトコンベア等にて泥土を地上に搬送するが、この泥土をサンプリングするための泥土サンプリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シールド工法等にて、掘削した泥土は、ベルトコンベア等で搬送し、エレベータ等にて地上に持ち上げ、所定箇所まで搬送していたが、上記泥土はその成分を定期的にサンプリングし、水分量、粒度、土の硬度、土のPH、重金属の有無等の検査を行う必要がある。
【0003】
通常ベルトコンベアは高速(例えば180m/min~200m/min)で走行しているが、上記検査を行うには、シールドマシン、及び、ベルトコンベアを一旦停止し、人力でベルトコンベア上の泥土をスコップで採取し、上記の検査を行っていた。
【0004】
この検査作業は、1日5回程度行う必要があり、その度に、シールドマシン、及び、ベルトコンベアを停止するのは非常に非効率的であった。
【0005】
また、従来、ベルトコンベア上を流れる対象物のサンプリングを自動で行う装置が開発されている(例えば特許文献1)。
【0006】
当該特許文献1の技術は、ベルトコンベア上を走行する脱水汚泥の水分測定を行うために、上記脱水汚泥をサンプリングする技術である。
【0007】
この装置は、ベルトコンベア上に、ベルトコンベアとは直交する方向にガイドレールを設け、ガイドレールに直交する上下方向にシリンダを設け、かつ上記シリンダのロッドの下端に中空円筒状のサンプリングヘッドを設け、上記ロッドを下方に伸長することで、中空円筒状のサンプリングヘッド内に脱水汚泥を充填するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1の装置は、サンプリングヘッドが中空円筒状であるため、ベルトコンベアの走行中にサンプリングヘッドを下降しても、中空円筒状の内部には脱水汚泥は入ってこない。従って、ロッドを下降させて脱水汚泥のサンプリングを行うためには、ベルトコンベアを一旦止めた上で、サンプリングヘッドを下降させる必要がある。
【0010】
よって、上記従来の装置であっても、サンプリングするにはベルトコンベアを一旦停止する必要があり、人手は必要ないとはいえ、非効率的である、という課題があった。
【0011】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、人手を必要とせず、しかもベルトコンベアを停止する必要のない泥土サンプリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、ベルトコンベア上方にベルトコンベアに直交する方向にフレームが設けられ、上記フレームに対して上下方向に移動可能な軸部が設けられると共に、上記軸部を上方位置と下方位置に上下に駆動し得る上下駆動手段が設けられ、上記軸部の下部に上面板と下面板と支柱による枠部が固定され、上記枠部は上記軸部と共に上記上方位置と上記下方位置に上下動するものであり、上記枠部の中に、ベルトコンベアの進行方向に対向して開口が形成された平面視でコ字状枠が載置され、上記枠部又は上記軸部には上記ベルトコンベアに直交する方向に伸縮し得る伸縮ロッドを有するシリンダが固定され、上記コ字状枠の一側面には上記シリンダの伸縮ロッドの先端部が接続固定され、上記シリンダ及び上記コ字状枠は上記枠部と共に上下動するものであり、上記枠部が上記上方位置に位置している状況において、上記枠部の上記下面板と同一水準位置において、上記枠部に一端部が近接状態で誘導通路が上記伸縮ロッドの伸長方向に沿って上記フレームに固定され、上記誘導通路の他端部には落下口が設けられ、上記枠部の上記下方位置において、上記ベルトコンベア上の泥土を上記コ字状枠がサンプリングし得るものであり、上記枠部の上記上方位置において、上記シリンダの上記伸縮ロッドの伸長状態で上記コ字状枠のみが上記枠部から出て、上記コ字状枠が上記誘導通路を通って上記落下口上に位置させることにより上記コ字状枠でサンプリングされた泥土を落下させるように構成されたものである泥土サンプリング装置により構成される。
【0013】
上記枠部又は上記軸部には上記ベルトコンベアに直交する方向に伸縮し得る伸縮ロッドを有するシリンダが固定されとは、上記シリンダは上記枠部に固定される場合と、上記軸部に固定される場合の何れかとすることができる意味である。上記枠部の上記下面板と同一水準位置において、上記枠部に一端部が近接状態で誘導通路が上記伸縮ロッドの伸長方向に沿って上記フレームに固定されとは、上記枠部の例えば下面板と誘導通路の一端部が同一水準位置であり、かつ、近接していることをいい、例えば、誘導通路の通路面(22a)の一端部が上記下面板と同一水準位置でかつ近接していることをいう。また、誘導通路がフレームに固定されとは、上記誘導通路がフレームの例えば縦方向逆門型フレーム(23)と脚部(2d,2e)間に固定された板状体(24)上に固定されていることをいう。従って、上記上下駆動手段を以って枠部を下方位置に下降させると、走行中のベルトコンベア上の泥土がコ字状枠内に投入され、その後、上下駆動手段を以って枠部を上方位置に上昇させることによりコ字状枠内に泥土をサンプリングすることができる。その後、シリンダの伸縮ロッドを伸長すると、コ字状枠のみが枠部から出て、枠部に近接している誘導通路内を通過して落下口まで至るので、コ字状枠が落下口上に位置した時点で、サンプリングした泥土を落下口から下方に落下することができる。上記落下口の下方にはサンプリング箱等をセットしておけば良い。このように構成すると、泥土のサンプリング作業を完全に自動化することができ、しかもベルトコンベアを停止する必要がないので、極めて効率的に泥土のサンプリングを行うことができる。
【0014】
第2に、上記誘導通路は筒状であり、上記枠部の上記下面板と同一水準位置にあるのは上記誘導通路内の下面側の通路面である上記第1記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0015】
このように誘導通路を筒状にすることにより、上方からの異物の混入を防止することができ、泥土のサンプリング精度を向上させることができる。
【0016】
第3に、上記誘導通路の上記落下口の下方にはサンプリング箱がセットされているものである上記第1又は2記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0017】
このように構成すると、サンプリングした泥土を効率的に収集することができる。
【0018】
第4に、上記誘導通路の上記落下口の下にはシュートが設けられているものである上記第1~3の何れかに記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0019】
このように構成すると、サンプリングした泥土をシュートを介して効率的に回収することができる。
【0020】
第5に、上記サンプリング箱は、他のコンベア上に載置されているものである上記第3又は4に記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0021】
他のコンベアは例えばローラコンベアとすることができる。このように構成すると、サンプリング箱を落下口の下方にコンベアを介して位置させることができるし、サンプリングした泥土が入ったサンプリング箱を所定の場所に搬送することができる。
【0022】
第6に、上記コ字状枠の下縁は、上記誘導通路の上記通路面と同一水準高さに設定されているものである上記第2~5の何れかに記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0023】
このように構成すると、シリンダの伸縮ロッドを伸長することにより、コ字状枠のみを枠部から出して、円滑に、誘導通路側に移動させることができる。
【0024】
第7に、上記枠部は、上記軸部の下部に接続された矩形の上記上面板と、上記上面板の四隅に固定された上記支柱と、上記各支柱に固定された矩形の上記下面板とから構成され、上記枠部内の上記コ字状枠は、一対の支柱間に上記開口が位置しているものである上記第1~6の何れかに記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0025】
このように構成すると、下方位置の枠部の一対の支柱間から泥土のサンプリングを円滑に行うことができ、枠部の中央部にコ字状枠を載置することができ、コ字状枠による泥土のサンプリング、及び、枠部からコ字状枠の移動を円滑に行うことができる。
【0026】
第8に、上記枠部の上記下方位置は上記ベルトコンベア上の泥土が上記コ字状枠内に入り込む位置である上記第1~7の何れかに記載の泥土サンプリング装置により構成される。
【0027】
このように構成すると、枠部を下方位置に下降させることにより、確実に、泥土をサンプリングすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上述のように、泥土のサンプリング作業を完全に自動化することができ、しかもベルトコンベアを停止する必要がないので、極めて効率的に泥土のサンプリングを行うことができる。
【0029】
また、枠部に一端部が近接状態で誘導通路が伸縮ロッドの伸長方向に沿ってフレームに固定されているため、伸縮ロッドを伸長することにより、コ字状枠と共にサンプリングした泥土を円滑に誘導通路側に移行させることができる。
【0030】
また、シリンダの伸縮ロッドを伸長すると、コ字状枠のみが枠部から出て、枠部に近接している誘導通路内を通過して落下口まで至るので、コ字状枠が落下口上に位置した時点で、サンプリングした泥土を落下口から下方に落下させることができる。
【0031】
また、誘導通路を筒状にすることにより、上方からの異物の混入を防止することができ、泥土のサンプリング精度を向上させることができる。
【0032】
また、サンプリング箱を落下口の下方にコンベアを介して位置させることができるし、サンプリングした泥土が入ったサンプリング箱を所定の場所に搬送することができる。
【0033】
また、枠部の上方位置において、シリンダの伸縮ロッドを伸長することにより、コ字状枠のみを枠部から出して、円滑に、誘導通路側に移動させることができる。
【0034】
また、枠部の中央部にコ字状枠を載置することができ、コ字状枠による泥土のサンプリング、及び、枠部からコ字状枠の移動を円滑に行うことができる。
【0035】
また、枠部を下方位置に下降させることにより、確実に、泥土をサンプリングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明に係る泥土サンプリング装置の側面図である。
【
図4】同上装置の枠部が下方位置にある状態を示す側面図である。
【
図5】同上装置のコ字状枠が右側に移動した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る泥土サンプリング装置について詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、ベルトコンベア1上方にベルトコンベア1に直交する方向にフレーム2が設けられ(
図2参照)、上記フレーム2に対して上下方向(矢印C,D方向)に移動可能な軸部3が設けられると共に、上記軸部3を上方位置(
図1の位置E)と下方位置(
図4の位置F)に上下に駆動し得る上下駆動手段4が設けられ、上記軸部3の下部3aに水平な上面板5aと、水平な下面板5bと、垂直方向の支柱6a,6b,6c,6dによる枠部5(
図2、
図7参照)の上記上面板5aの中央部に上記軸部3が接続固定され、上記枠部5は上記軸部3と共に上記上方位置(
図1の下面板5bの位置E)と上記下方位置(
図4の下面板5bの位置F)に上下動し得るように構成されている。
【0039】
尚、
図1において、ベルトコンベア1の長さ方向における走行方向(
図1の紙面表側から裏側、矢印A方向)において、紙面の表側を「手前側」、「前方側」、「前方」、紙面の奥側を「奥側」、「後方側」、「後方」と定義する。また、
図1において、「手前側」から「奥側」を見たときの左右を「左右方向」、「手前側」から「奥側」を見たときの上下を「上下方向」と定義する(他の図において同じ)。さらに、
図1の前方から後方側の方向を「前後方向」ともいう。
【0040】
上記ベルトコンベア1は、地面G上に設置されており、横杆7の両側に設けられた一対の長い支持柱8,8と、上記横杆7の中央部に設けられた一対の短い中央支持柱9,9とを有しており、上記支持柱8,9、8,9間に互いに中央側に傾斜した一対の傾斜ローラ10a,10bが設けられ、上記中央支持柱9,9間に水平ローラ10cが設けられている。これらの傾斜ローラ10a,10b及び水平ローラ10cは、上記横杆7と共に、ベルトコンベア1の長さ方向(コンベア1は
図1の紙面の前方側から後方側に設けられている)に、一定間隔毎に設けられており、上記各ローラ10a,10b,10c上に、所謂トラフ型にコンベアベルト11が設けられ、コンベアベルト11は
図1の紙面の前方側から後方側(矢印A方向)に移動し得るように構成されている。
【0041】
また、
図1中(
図4、
図5も同じ)、符号a,b,cはコンベアベルト11上を流れる泥土の高さa,b,cを示しており、泥土の量が多い場合は、高さaのように中央部を最も高く山状に積載された状態で搬送され、泥土の量が中の場合は、高さbのように高さaよりは低い位置で中央部を最も高く山状に積載された状態で搬送され、泥土の量が小の場合は、高さcのように略水平に積載された状態で搬送される。
【0042】
上記フレーム2は、
図2に示すように、上記ベルトコンベア1の上方であって、上記ベルトコンベア1の左右方向幅よりも広い左右方向幅を有する長方形枠2a(前方の横杆2a’、後方の横杆2a”)と、上記長方形枠2aの四隅に下側に垂直に設けられた脚部2b,2c,2d,2eが接続固定されている。上記フレーム2は、その中心Pが上記ベルトコンベア1の左右方向の中心と一致するように設けられており、横杆2a’,2a”の左右端部は、上記ベルトコンベア1の左右縁部より左右同一距離、延出されている。また、ベルトコンベア1の高さは任意なので、上記脚部2b~2eの長さは任意であるが、本発明では、ベルトコンベア1が地面G上に設置されている関係上、上記地面Gまでの長さとなる。また、上記枠部5の上記上方位置Eにおいて、上記下面板5bは、上記高さaの頂点位置より上方に位置するように構成されている。尚、
図2では便宜上、上面板5aを外した状態を示している。
【0043】
上記枠部5は、
図7に示すように、上記上面板5aは正方形状又は長方形状(矩形)の板であり、その上面中央部が上記軸部3の下部3aに接続板3’を以ってボルトBにて固定されている(
図1参照)。上記下面板5bは、
図7に示すように、上記上面板5aと同一面積の正方形状又は長方形状(矩形)の板であり、両板5a,5bの四隅が4本の垂直方向の支柱6a,6b,6c,6dにて接続されている。また、上記枠部5に向かって左側の支柱6a,6b間は、矩形の閉鎖板19(垂直の板)で閉鎖されている。従って、上記枠部5は、上下面が正方形又は長方形の板であり、内面同士が四隅の支柱6a,6b,6c,6dで接続され、向かって左側が閉鎖板19で閉鎖され、その他の三方(矢印A方向に対向する面、右側の面、後側の面)が開放された略立方体形状又は直方体形状をなしている。尚、上記枠部5の上記上方位置(
図1の位置E)においては、上記下面板5bは、上記高さaの頂点位置より上方の位置に位置している。
【0044】
そして上記枠部5は、上記軸部3の下部3aに接続された上記矩形の上面板5aと、上記上面板5aの四隅に固定された支柱6a,6b,6c,6dと上記各支柱の下端に固定された上記下面板5bとから構成され、上記枠部5内の上記コ字状枠17は、両支柱6b,6c間に上記開口17c(
図6参照)が位置するように、上記枠部5内に載置されている(
図1、
図2参照)。
【0045】
上記上下駆動手段4は、次のように構成されている。
上記フレーム2の長方形枠2aの中央位置には、前方側の横杆2a’と後方側の横杆2a”に、上記横杆2a’,2a”の厚さ方向の上方側と下方側に各々、板状体12,12’が前後方向に固定されており、各板状体12,12’には各々中央部に正方形の開口12a,12a’が設けられており、上記横断面が正方形の角材の軸部3は、横断面積が上記開口12a,12a’より小であり、上記各開口12a,12a’内を上下方向(矢印C,D方向)に可動し得るように挿通されている。尚、
図2では、上方の板状体12は、当該板状体12の下側に位置する部材がわかるように、上記板状体12の下側に位置する部材を実線にて透過して描いている。
【0046】
そして、上記軸部3の後面側には軸部3に沿うラックギア13が垂直に固定されており、上記ラックギア13に噛合するピニオンギア14が設けられ、上記ピニオンギア14は、上記板状体12上に固定された駆動モータMの駆動軸15に接続されている。尚、上記ラックギア13、ピニオンギア14、上記駆動モータM等により上下駆動手段4が設けられている。
【0047】
そして上記駆動モータMを正逆駆動することで、上記上方位置(
図1の位置、位置E)と上記下方位置(
図4の位置、位置F)の位置の間を、上記軸部3及び枠部5を上下方向(矢印C,D方向)に移動し得るように構成されている。
【0048】
図2中、16a,16b,16c,16dは、上記開口12a,12a’内において、上記開口12a,12a’の各四隅を上下に接続するように縦に設けられた4つのガイドレールであり、上記軸部3の四隅の外側のコーナ部に各々摺接し、上記軸部3が上下方向(垂直方向)(矢印C,D方向)に上下動する際、該軸部3の上下動を垂直方向にガイドするものである。
【0049】
上記枠部5の中に、ベルトコンベア1の進行方向(矢印A方向)に対向する面が開口する平面視でコ字状枠17が設けられている(
図1、
図2参照)。このコ字状枠17の下縁17aは、上記下面板5b上の略中央位置に載置されている。このコ字状枠17は
図6に示すように、板状体をコ字状に折り曲げた枠により構成されており、上下方向は開口している。このコ字状枠17は、上記枠部5内において、開口17cが、コンベアベルト11の進行方向(矢印A方向)に対向する向きで、上記枠部5内に下縁17aを以って載置されている。
【0050】
尚、
図6のコ字状枠17は、わかりやすくするために拡大して描いているが、実際は、
図7の枠部5内の下面板5b上に、開口17cを矢印A方向に対向した状態で、下縁17aを以って載置されており(伸縮ロッド18aの先端部18bは、開口19aを介してコ字状枠17の一側面17bに固定されている)、後述のシリンダ18の伸縮ロッド18aの伸長により、上記枠部5内のコ字状枠17は、支柱6c,6d間から、枠部5外(誘導通路22内)に移動し得るものである(
図1、
図5参照)。従って、コ字状枠17の一側面17b、他側面17dの前後方向幅は、枠部5の支柱6c,6d間の間隔よりも若干狭く形成されている(
図2、
図3参照)
【0051】
さらに、上記枠部5の上記閉鎖板19の上部には、ベルトコンベア1に直交する方向にガイドフレーム20が左側に水平に固定されており(
図2、
図7参照)、上記ガイドフレーム20の左端部には接続部21を介してシリンダ18が水平に固定されている。このシリンダ18の右端部は、上記枠部5の左側の閉鎖板19に達しており、その伸縮ロッド18aのロッド先端部18bは、上記閉鎖板19に設けられた開口19aを介して、上記コ字状枠17の左側の側面である一側面17bに接続固定されている(
図1、
図2、
図6参照)。即ち、
図2、
図6に示すように、上記コ字状枠17の一側面17bの前後方向の中央部には、上記閉鎖板19の上記開口19aを介して、上記ベルトコンベア1に直交するシリンダ18の伸縮ロッド18aの先端部18bが接続固定されている。このように、枠部5内には上記コ字状枠17が載置されており、かつコ字状枠17の左側の一側面17bには、上記シリンダ18の伸縮ロッド18aの先端部18bが固定されている。そして、このように構成された上記シリンダ18(ガイドフレーム20も)及び上記コ字状枠17は、上記枠部5と共に、上記上方位置Eと上記下方位置Fの間を上下動するものである(
図1、
図4参照)。
【0052】
尚、上記ガイドフレーム20はその右端部を上記軸部3に固定して、上記ガイドフレーム20の左端部に接続部21を介して上記シリンダ18を固定しても良い。
【0053】
また、上記枠部5の上記下方位置(
図4の位置F参照)は上記ベルトコンベア1上の泥土が上記コ字状枠17に上記開口17cより、入り込む位置となっている。
【0054】
さらに、上記枠部5が上記上方位置(
図1、位置E参照)に位置している状況において、上記枠部5の下面板5bと誘導通路22内の下面側の通路面22aは同一水準位置(同一高さ位置)となるように構成されている。そして、上記枠部5の上方位置(
図1、位置E)において、誘導通路22が上記伸縮ロッド18aの伸長方向に沿って、上記フレーム2に固定されている。上記誘導通路22は、上記枠部5の右側において、縦方向逆門型フレーム23に左端部が固定されていると共に、上記縦方向逆門型フレーム23の下面と、上記脚部2d,2e間を前後方向に接続する板状体24が水平に設けられており(上記板状体24の左端部は上記縦方向逆門型フレーム23の下側の前後方向杆に固定され、右端部は上記脚部2d,2eに固定されている)、上記板状体24の上に、上記誘導通路22が載置され、上記誘導通路22の下面側の通路面22aと上記板状体24とが、複数のボルトBにて固定されている。
【0055】
上記誘導通路22の左端部(一端部)22cは、垂直面の開口を構成し、上記上方位置Eに存在する上記枠部5の上面板5aと下面板5bの右側面5a’,5b’に近接又は若干接した状態に設けられている。また、上記左端部22cの前後方向幅は、
図2、
図3に示すように、上記支柱6c,6d間の間隔を有しており、上記コ字状枠17の他側面17dの前後方向幅より広く、上記左端部22cの上下方向幅は、上記コ字状枠17の他側面17dの上下方向幅より広くなるように構成されている。これにより、上記コ字状枠17が、円滑に、上記枠部5から誘導通路22内に移行することができるように構成されている。また、上記枠部5は、上記誘導通路22とは切り離された状態で、当該枠部5のみが上記下方位置Fに下降し得ると共に、上記枠部5が上記上方位置Eに位置したときは、上記下面板5bと上記誘導通路22の通路面22aは同一水準位置(同一高さ位置)となるように構成される(
図1参照)。
【0056】
そして、上述のように、上記枠部5の下面板5bの上に載置されている上記コ字状枠17の側面の下縁17aは、上記
図1の上方位置(位置E)において、上記誘導通路22内の下面側の通路面22aと同一水準高さに設定されている。
【0057】
この誘導通路22は、内部が中空の筒状に形成されており、右端部は上記フレーム2の右端部より、右側に延出されており、上記枠部5が上方位置(位置E)に位置しているとき(
図5参照)、上記シリンダ18の伸縮ロッド18aを伸長することにより、上記コ字状枠17のみを上記枠部5から上記誘導通路22内に移動させ、上記伸縮ロッド18aを右側に一杯に突出した状態では、
図5に示すように、上記コ字状枠17が上記誘導通路22の右端部に位置するように構成されている。尚、上記誘導通路22は、外部からの異物の混入がない場所(室内等)であれば、筒状ではなくても、横断面が溝状(凹状)の通路(上面が存在しない通路)であっても良い。
【0058】
そして、上記誘導通路22の下面側の通路面22aの右端部位置(他端部、上記コ字状枠17が右端部に位置した状態のコ字状枠17の下側)は、落下口22bが形成されている。
【0059】
さらに、上記落下口22bの下側には、シュート25が上記通路面22aに接続固定されており、
図5に示すように、上記コ字状枠17にて運ばれてきた泥土を上記落下口22b、上記シュート25を介して下方に(矢印H,I方向)落下供給し得るように構成されている。
【0060】
即ち、上記枠部5の上記下方位置(
図4の位置F)において、走行中の上記ベルトコンベア1上の泥土を、上記コ字状枠17がサンプリングし得るように構成されている。
【0061】
そして、上記枠部5の上記上方位置(
図5の位置E)において、上記シリンダ18のロッド18aの伸長状態で上記コ字状枠17のみが上記枠部5から右側に出て、上記コ字状枠17が上記誘導路22を通って上記落下口22b上に位置し、コ字状枠17内のサンプリングした泥土を上記落下口22b、上記シュート25を介して下方に落下供給し得るように構成されている。
【0062】
上記シュート25の下方には、ローラコンベア26(他のコンベア)が設置され、上記シュート25の下方開口25aの下方にはサンプリング箱27が設置されている。このローラコンベア26において、サンプリング箱27は、ローラコンベア26にて搬送されてくるが、上記シュート25の下方開口25aには、光センサ28が設けられており(
図3参照)、上記光センサ28が上記サンプリング箱27を検知すると、ローラコンベア26の下方より、プランジャ30等により構成されたストッパ29が上方に突出し、上記サンプリング箱27の移動を停止するように構成されている。即ち、上記誘導通路22の上記落下口22bの下方にはサンプリング箱27がセットされているし、上記誘導通路22の上記落下口22bの下にはシュート25が設けられている。
【0063】
本発明は上述のように構成されるので、本発明の装置の作用を説明する。
まず、シールド工法等によりトンネル等の掘削中に排出される泥土を、ベルトコンベア1により搬送しているものとする。
【0064】
従って、ベルトコンベア1上には、例えば高さaの泥土が矢印A方向に搬送されているものとする。尚、枠部5は、上方位置(
図1の位置E)にあるため、枠部5の下面板5bは上記高さaの頂点より上方の位置にあり、この状況においてはコ字状枠17内に泥土は進入しない。尚、泥土は高さa又はb又はcの位置でベルトコンベア1上を矢印A方向に走行しているものとする。
【0065】
また、ローラコンベア26上には、サンプリング箱27がセットされているものとする。即ち、ローラコンベア26上をサンプリング箱27が移動してきて、光センサ28が下方のサンプリング箱27を検知すると、プランジャ30を駆動してストッパ29が突出し、上記サンプリング箱27を停止させているものとする(
図3参照)。
【0066】
泥土のサンプリングを行う時間になったら、ベルトコンベア1を停止せずに、上記駆動モータMを一定時間、正転すれば良い。上記駆動モータMが正転すると、ピニオンギア14及びラックギア13の噛合により、上記軸部3が下降し(矢印D方向)、上記枠部5の下面板5bが下方位置(
図4の位置F)まで下降する。
【0067】
上記枠部5は、矢印A方向の対向部は、左右の支柱6b,6c間は開口しており(
図7参照)、枠部5内に上記矢印A方向に対向する開口17cを有するコ字状枠17が位置している。
【0068】
従って、上記枠部5は、高さaにて走行中の泥土の中に投入することができる。このとき、上記下方位置(
図4の位置F)では、高さaの頂点は、略コ字状枠17の上縁に達するため(
図4参照)、高さaにて走行中の泥土は、上記支柱6b,6c間を介して、コ字状枠17の開口17cよりコ字状枠17の内部に投入(サンプリング)することができる。
【0069】
また、仮に、泥土の高さが高さbであったとしても、上記下方位置(
図4の位置F)では、高さbの頂点は、略コ字状枠17の中間部位置に達するため、高さbにて走行中の泥土は、上記支柱6b,6c間を介して、コ字状枠17の開口17cよりコ字状枠17の内部に投入(サンプリング)することができる(
図4参照)。
【0070】
また、仮に、泥土の高さが高さcであったとしても、上記下方位置(
図4の位置F)では、高さcは、略コ字状枠17の下縁17aより上方、或いは、枠部5の下面板5bより上方に位置しているので、高さcにて走行中の泥土は、上記支柱6b,6c間を介して、コ字状枠17の開口17cよりコ字状枠17の内部に投入(サンプリング)することができる(
図4参照)。
【0071】
何れにしても、ベルトコンベア1を走行中の泥土の高さが何れの場合であっても、確実に、コ字状枠17内に泥土をサンプリングすることができる。尚、泥土の高さa,b,cに応じて駆動モータMの駆動時間を変化させても良い。即ち、泥土の高さaの場合は駆動モータMの駆動時間を短くし(枠部5の下降位置を現在の位置Fより高くする)、泥土の高さbの場合は駆動モータMの駆動時間を中程度とし(枠部5の下降位置を現在の位置Fより若干高くする)、泥土の高さcの場合は、駆動モータMの駆動時間を長くし、枠部5の下降位置を現在の位置Fとする等の制御も可能である。
【0072】
また、ベルトコンベア1の走行速度は、例えば180[m/min]~200[m/min]程度の高速であるので、上記枠部5の下降時間は、数秒~10数秒で十分であり、下降後、数秒~10数秒後、上記駆動モータMを逆転し、上記枠部5を上記下方位置(
図4の位置F)から、
図1の上方位置(
図1、
図5の位置E)に上昇させる。
【0073】
上記枠部5が上方位置(
図1の位置E)に上昇すると、上記枠部5内のコ字状枠17内には、泥土の高さa,b,cに拘わらず、確実に、サンプリングされた泥土Jがコ字状枠17内の開口17cを介してコ字状枠17の内部の上記下面板5b上に投入されている(
図1参照)。
【0074】
このサンプルリングされた泥土Jは、実質的には、枠部5の下面板5b上に載置され、コ字状枠17の一側面17b、他側面17dにより左右方向が幅制限され、両側面17b,17d間の下面板5b上に載置されており、上記開口17cからコ字状枠17内に投入された泥土Jは、コ字状枠17の後面17e(
図6参照)に当接して、上記下面板5b上に留まることになる。
【0075】
その後、下降後の数秒後~10数秒後に、上記駆動モータMを逆転させる。すると、上記枠部5は上記下方位置(
図4の位置F)から上昇し、
図1の上記上方位置(
図1の位置E)まで直ちに上昇する。
【0076】
以上の動作で、泥土のサンプリング動作は終了する。上記枠部5は、上記上方位置Eにおいては、その枠部5の下面板5bが、誘導通路22の左端部22cの通路面22aと同一水準高さ(面一)となっているため、その後は、
図5に示すように、シリンダ18を伸長駆動することにより、上記コ字状枠17のみを上記枠部5から右方向に移動し、枠部5の支柱6c,6d間から右方向に出て、上記コ字状枠17のみを誘導通路22内において、右方向に移動する。このとき、上記コ字状枠17内のサンプルリングされた泥土Jは、上記コ字状枠17の左右の一側面17b、他側面17dにより右方向に押されながら当該コ字状枠17と共に通路面22a上を右方向に移動する。即ち、上記枠部5内において、上記コ字状枠17の一側面17bの下縁17a、及び、上記他側縁17dの下縁17a、上記後面17eの下縁17aは上記下面板5b上に位置しているので、上記コ字状枠17が右方向に移動することにより、コ字状枠17内に投入されたサンプリングされた泥土Jも一側面17b等に押されて右方向に移動する。
【0077】
そして、上記コ字状枠17が、枠部5から誘導通路22に移行しても、同様に、通路面22a上を、上記コ字状枠17が右方向に移動することで、上記サンプリングされた泥土Jも、コ字状枠17内において、同様に一側面17b、後面17eの各下縁17aに押されて右方向に移動し、最終的に、上記伸縮ロッド18aがいっぱいに伸びきった状態において、上記コ字状枠17が、
図5に示すように、誘導通路22の右端部、即ち、通路面22aの落下口22b上に移動する。
【0078】
すると、上記コ字状枠17にて右方向に移動してきたサンプルリングされた泥土Jは、上記落下口22b上に上記コ字状枠17が位置すると、上記落下口22bから下方に落下する。上記落下口22bから下方に落下したサンプリングされた泥土Jは、シュート25を介して、予めシュート25の開口部25a下にセットされているサンプリング箱27内に投入することができる(
図5矢印H,I方向)。
【0079】
その後は、操作者又は自動で、ストッパ29を解除する動作を行い、その後、操作者等が上記サンプリング箱27をローラコンベア26上を移動させて、所定の場所(検査場所等)に移動させる。
【0080】
上記泥土Jの入った上記サンプリング箱27への泥土の投入が終了したら、上記シリンダ18は上記伸縮ロッド18aを縮小し、上記コ字状枠17を、上記枠部5内の所定の場所(枠部5内の中央部)に戻すことができる(
図1参照)。その後は、同様の動作の繰り返しとなる。
【0081】
本発明は以上のように、泥土のサンプリング作業を完全に自動化することができ、しかもベルトコンベア1を停止する必要がないので、極めて効率的に泥土のサンプリングを行うことができる。
【0082】
また、枠部5に一端部が近接状態で誘導通路22が伸縮ロッド18aの伸長方向に沿ってフレーム2に固定されているため、伸縮ロッド18aを伸長することにより、コ字状枠17と共にサンプリングした泥土Jを円滑に誘導通路22側に移行させることができる。
【0083】
また、シリンダ18の伸縮ロッド18aを伸長すると、コ字状枠17のみが枠部5から出て、枠部5に近接している誘導通路22内を通過して落下口22cまで至るので、コ字状枠17が落下口22c上に位置した時点で、サンプリングした泥土Jを落下口22cから下方に落下することができる。
【0084】
また、誘導通路22を筒状にすることにより、上方からの異物の混入を防止することができ、泥土のサンプリング精度を向上させることができる。
【0085】
また、サンプリング箱27を落下口22bの下方にコンベア26を介して位置させることができるし、サンプリングした泥土が入ったサンプリング箱27を所定の場所に搬送することができる。
【0086】
また、シリンダ18の伸縮ロッド18aを伸長することにより、コ字状枠17のみを枠部5から出して、円滑に、誘導通路22に移動させることができる。
【0087】
また、枠部5の中央部にコ字状枠17を載置することができ、コ字状枠17による泥土のサンプリング、及び、枠部5からコ字状枠17の移動を円滑に行うことができる。
【0088】
また、枠部5を下方位置に下降させることにより、確実に、泥土をサンプリングすることができる。
【0089】
尚、上記駆動モータMの正逆駆動時間は、ベルトコンベア1の走行速度、コンベアベルト上の泥土の量等により定めればよく任意に決めることができる。また、ベルトコンベア1の走行速度も実施形態に限定されることはなく、より高速なコンベア、或いは、より低速なコンベアでも良い。また、ベルトコンベア1は上記実施形態ではトラフ型のコンベアを示したが、トラフ型に限定されず、コンベアベルトは水平のものでも良い。また、軸部3の上下動に関し、ラックギア13とピニオンギア14の組み合わせを示したが、これに限定されず、例えばボール螺子、シリンダ等を使用して軸部を上下動するように構成しても良い。
【0090】
図2中、2gは横杆2a’と横杆2a”を接続する前後方向杆、
図3中、2fは脚部2d,2e間を接続する前後方向杆である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る泥土サンプリング装置によると、ベルトコンベア上を走行する泥土のサンプリングを、ベルトコンベアを停止せずに、自動的に行うことができるので、泥土のサンプリングを極めて効率的に行うことができるものである。
【符号の説明】
【0092】
1 ベルトコンベア
2 フレーム
3 軸部
4 上下駆動手段
5 枠部
5a 上面板
5b 下面板
6a~6d 支柱
17 コ字状枠
17a 下縁
17c 開口
22 誘導通路
22a 通路面
22b 落下口
25 シュート
26 ローラコンベア(他のコンベア)
27 サンプリング箱
E 上方位置
F 下方位置