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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042258
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】バッグインボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/06 20060101AFI20220307BHJP
   B65D 5/60 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
B65D77/06 B
B65D5/60 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147601
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聡真
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB07
3E060CE07
3E060CE14
3E060CE19
3E067AA03
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA06C
3E067BA12B
3E067BB01C
3E067BB15B
3E067BB16B
3E067BB25B
3E067BC06C
3E067CA07
3E067EA15
3E067EB03
3E067EB27
3E067EE40
3E067EE50
3E067EE59
3E067FA04
3E067FB15
3E067FC01
3E067GA01
(57)【要約】
【課題】外側は紙容器からなり、内側にはプラスチックフィルムを基材としてスパウトを備えた内袋を収納してなる二重容器であって、開栓に際しては、紙容器の一部を開封し、スパウトを紙容器の外部に引き出して固定する作業を容易に行うことのできる、バッグインボックスを提供することを課題とする。
【解決手段】外箱は6面体、内袋は液体を収納可能であり、前側胴部の上部には円形のミシン目が設けてあり、円形のミシン目を切り取って開口部を形成し、スパウトを、開口部から外箱の外部に突き出して露出させ、さらに、前側胴部から連続するフラップとつまみ部を、このスロープ及び天面にかぶせて、外箱をスロープを加えた7面体とし、つまみ部は、フラップと後ろ側胴部との間の稜線の、前記スリットに挿入して固定し、内容物の液体を注ぎ出し可能な状態にすることを特徴とする、バッグインボックスである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙からなる外箱と、プラスチックフィルムを基材として製袋された内袋とからなる二重容器であって、
外箱は、直方体形状であって、内袋はスパウトを備えて液体を収納可能であり、
スパウトは、その根元部分に外箱に固定するための溝を有しており、
外箱は、天面、前側胴部、左側胴部、右側胴部、後ろ側胴部、および底面の6面からなり、
天面は3層が重なって形成されており、
天面の最内層には、左側胴部、及び右側胴部から連続する切り欠き付きのフラップが、左右から内側に向かって直角に折り込まれて突き合せられており、
この切り欠きは、フラップの中央部に縦に設けた山折り線より前側胴部側に設けられており、
天面の中間の層には、後ろ側胴部から連続するフラップが後ろ側から前側に向かって直角に折り込まれて重なっており、
このフラップと、後ろ側胴部との間の稜線には、スリットが形成されており、
天面の最外層には、前側胴部から連続するフラップとそれに連続するつまみ部が、後ろ側に向かって直角に折り込まれて重なっており、
前側胴部の上部には、切り抜き可能な円形のミシン目が設けてあり、
前側胴部の上部と、左側及び右側胴部の上部との間には、稜線にミシン目が設けてあって、外箱が形成されており、
内容物の液体を取り出すに際して、前記つまみ部を手指で把持して前側に向かって引き、前記稜線のミシン目を切り裂き、
前側胴部の、前記切り取り可能な円形のミシン目を切り取って開口部を形成し、
後ろ側胴部から連続する、中間の層のフラップを後方に引き起こし、左側及び右側胴部から連続する、最内層の切り欠き付きのフラップを露出させ、
この切り欠き付きのフラップの中央部の山折り線で、フラップの前側胴部側を下方に押し下げ、天面から前側胴部に下るスロープを形成し、
このスロープに重ねて、左右胴部の上部手前側の角部を山折りして左右から内側に向かって折り曲げ、
左側胴部、及び右側胴部から連続する最内層のフラップの切り欠きを、外箱の内部に収納されている内袋のスパウトの前記溝に挟んで固定し、
スパウトを、前記円形の開口部から外箱の外部に突き出して露出させ、
さらに、前側胴部から連続するフラップとそれに連続するつまみ部を、このスロープ及び天面にかぶせて、外箱をスロープを加えた7面体とし、
つまみ部は、フラップと後ろ側胴部との間の稜線の、前記スリットに挿入して固定し、
内容物の液体を注ぎ出し可能な状態にすることを特徴とする、バッグインボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二重容器に関するものである。特に外側は紙容器からなり、内側にプラスチックフィルムを基材とする内袋を収納して構成され、液体容器として用いることのできる、バッグインボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代の生活様式において、液体の商品の流通、販売の場面で、プラスチックフィルムを用いた液体容器や、液体用紙容器を用いた商品は数多く生産、流通、販売され消費者の手元に届けられている。
【0003】
たとえばジュース、乳飲料、酒類などの飲料は、メーカーにおいて液体充填装置により、ビンやプラスチックボトル、液体用紙容器などの液体容器に所定量が充填され、密封されて商品として送り出される。
【0004】
なかでも、バッグインボックスと呼ばれる容器があり、これはプラスチックフィルムを用いたバッグと呼ばれる内袋に、液体が充填された後にスパウトが打栓され、紙箱に収納された二重容器である。
【0005】
このような二重容器の場合、外側が紙容器であるために、直方体、あるいは立方体形状にすることができるために、倉庫などでの在庫効率や、輸送効率の向上を図ることが可能である。
【0006】
また外側の紙容器によって、耐衝撃性をはじめとする機械的強度の強化や、紫外線などの環境の影響を遮断することが可能である。また外側の紙容器には印刷などの表面加飾が容易であり、さらにプラスチック容器そのままの状態に比べて、外側が紙箱であれば持ち運びに便利であり、ハンドリングも容易である。
【0007】
また内側はプラスチックフィルムを基材とする内袋であることから、液体の収納に適しており、スパウトの開閉によって必要な量をその都度取り出すことができる。さらに、使用済みとなった二重容器は、廃棄するに際して、紙容器とプラスチックフィルムを基材とする内袋との、分離が容易で、減容が可能であり、環境適合型の液体容器として広く受け入れられるものとなっている。
【0008】
このような、液体を収納することのできる二重容器の場合、内袋に取り付けられたスパウトは、外側の紙容器から外側に向けて、突き出して露出させることによって、必要なときに取り出すことを、より便利に行なうことができる。
【0009】
このとき、スパウトは使用前の準備として、外側の紙容器に開口部および開口部に連続するフラップを設けておき、スパウトを開口部から引き出した後、スパウトを紙容器の開口部に該フラップを用いて固定するなどの、使用前の作業を必要とするため、煩雑さが避けられなかった。
【0010】
あるいは、スパウトをあらかじめ紙容器から外に突き出して露出させておく場合には、スパウトを固定しておくためのプラスチックパーツを必要とする上、露出したスパウトなどによって積み重ねやハンドリングに支障が出るという問題があった。
【0011】
特許文献1には液体用のバッグインボックスにおいて、使用後の分解、分離、分別に利
便性のあるバッグインボックスが提案されているが、使用前の状態において、紙容器は直方体の一辺を斜めにカットした7面体形状であり、スパウトは露出しており、紙容器の形状、および露出したスパウトによって積み重ねやハンドリングに支障が出るという問題があった。
【0012】
あるいは、直方体形状の紙容器にスパウト付きの内袋を内蔵して、使用に際してスパウトを外側に突き出して露出させ、固定して開栓しようとすれば、人手でその一連の組み立て作業を行う必要があり、煩雑な作業を必要とした。
【0013】
図1は、一般的なバッグインボックスを説明するための、斜視(一部透視)模式図である。図1に示す一般的なバッグインボックス(100)の例において、外箱(10)は、7面体であって、天面(16)から前側胴部(12)に下る面である、スロープ(17)を備えており、スロープ(17)からは、内袋(50)に連続するスパウト(51)が外箱(10)の外部に突き出して固定されている。
【0014】
このような状態のバッグインボックス(100)は、あらかじめスロープ(17)含む外形で作られているために、輸送、保管、取り扱いにおいて積み重ねに支障をきたし、不便であった。
【0015】
また液体の充填された内袋(50)を外箱(10)の内側に入れて、スパウト(51)をスロープ(17)に固定して組み立て作業を行うために、時には固定のための別部材を必要とし、そのコスト、装着の手間がかかる場合もあった。またスパウト(51)を外箱(10)の切り欠き部分、及び開口部に合わせる作業の煩雑さもあった。
【0016】
本発明においてはそれらの点を改善し、立方体形状の外箱と、内部に収納された内袋からなり、開栓に際しては、紙容器の一部を開封し、スパウトを紙容器の外部に引き出して固定する作業を容易に行うことのできるバッグインボックスを提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2018-122912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、外側は紙容器からなり、内側にはプラスチックフィルムを基材としてスパウトを備えた内袋を収納してなる二重容器であって、開栓に際しては、紙容器の一部を開封し、スパウトを紙容器の外部に引き出して固定する作業を容易に行うことのできる、バッグインボックスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
紙からなる外箱と、プラスチックフィルムを基材として製袋された内袋とからなる二重容器であって、
外箱は、直方体形状であって、内袋はスパウトを備えて液体を収納可能であり、
スパウトは、その根元部分に外箱に固定するための溝を有しており、
外箱は、天面、前側胴部、左側胴部、右側胴部、後ろ側胴部、および底面の6面からなり、
天面は3層が重なって形成されており、
天面の最内層には、左側胴部、及び右側胴部から連続する切り欠き付きのフラップが、
左右から内側に向かって直角に折り込まれて突き合せられており、
この切り欠きは、フラップの中央部に縦に設けた山折り線より前側胴部側に設けられており、
天面の中間の層には、後ろ側胴部から連続するフラップが後ろ側から前側に向かって直角に折り込まれて重なっており、
このフラップと、後ろ側胴部との間の稜線には、スリットが形成されており、
天面の最外層には、前側胴部から連続するフラップとそれに連続するつまみ部が、後ろ側に向かって直角に折り込まれて重なっており、
前側胴部の上部には、切り抜き可能な円形のミシン目が設けてあり、
前側胴部の上部と、左側及び右側胴部の上部との間には、稜線にミシン目が設けてあって、外箱が形成されており、
内容物の液体を取り出すに際して、前記つまみ部を手指で把持して前側に向かって引き、前記稜線のミシン目を切り裂き、
前側胴部の、前記切り取り可能な円形のミシン目を切り取って開口部を形成し、
後ろ側胴部から連続する、中間の層のフラップを後方に引き起こし、左側及び右側胴部から連続する、最内層の切り欠き付きのフラップを露出させ、
この切り欠き付きのフラップの中央部の山折り線で、フラップの前側胴部側を下方に押し下げ、天面から前側胴部に下るスロープを形成し、
このスロープに重ねて、左右胴部の上部手前側の角部を山折りして左右から内側に向かって折り曲げ、
左側胴部、及び右側胴部から連続する最内層のフラップの切り欠きを、外箱の内部に収納されている内袋のスパウトの前記溝に挟んで固定し、
スパウトを、前記円形の開口部から外箱の外部に突き出して露出させ、
さらに、前側胴部から連続するフラップとそれに連続するつまみ部を、このスロープ及び天面にかぶせて、外箱をスロープを加えた7面体とし、
つまみ部は、フラップと後ろ側胴部との間の稜線の、前記スリットに挿入して固定し、
内容物の液体を注ぎ出し可能な状態にすることを特徴とする、バッグインボックスである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、外側は紙容器からなり、内側にはプラスチックフィルムを基材としてスパウトを備えた内袋を収納してなる二重容器であって、開栓に際しては、紙容器の一部を開封し、スパウトを紙容器の外部に引き出して固定する作業を容易に行うことのできる、バッグインボックスを提供することが可能である。
【0021】
特に外箱は、当初6面体であるために、保管などにおいて積み重ねが容易であって、輸送効率の点でもメリットは大きい。また内容物の注ぎ出しのための開栓においては、天面と前側胴部の上部にスロープを形成し、スパウトを引き出すとともに、外箱への固定を容易に行うことができ、利便性に優れたバッグインボックスである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、一般的なバッグインボックスを説明するための、斜視(一部透視)模式図である。
図2図2は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、その構成を説明するための斜視(一部透視)模式図である。
図3図3は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱の外観を説明するための斜視模式図である。
図4図4は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱の平面展開模式図である。
図5図5は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱のスロープを形成した状態を説明するための、斜視模式図である。
図6図6は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、前側胴部から連続するフラップとそれに連続するつまみ部と、後ろ側胴部から連続するフラップを引き起こした状態を説明するための、斜視模式図である。
図7図7は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、スロープを形成した状態を説明するための、斜視模式図である。
図8図8は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱をスロープを加えた7面体とし、スパウトを引き出して固定し、内容物の液体を注ぎ出し可能とした状態を説明するための斜視(一部透視)模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を図2図8を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0024】
図2は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、その構成を説明するための斜視(一部透視)模式図である。
【0025】
本発明によるバッグインボックス(100)は、紙からなる外箱(10)と、プラスチックフィルムを基材として製袋された内袋(50)とからなる二重容器であって、外箱(10)は、直方体形状であって、天面(16)、前側胴部(12)、左側胴部(13)、右側胴部(14)、後ろ側胴部(15)、および底面(11)の6面からなる。内袋(50)はスパウト(51)を備えて内部に液体を収納可能である。
【0026】
プラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
【0027】
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。そのほか延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。
【0028】
製袋は、プラスチックフィルムを基材として、例えば内袋(50)の内側になる面にシーラント層を設けて、シーラント層同士を対向させ、シールして製袋することができる。
【0029】
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
【0030】
シーラント層の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、プラスチックフィルム上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ラミネートによって積層することによって、プラスチックフィルムの表面に
シーラント層を形成することも可能である。
【0031】
スパウト(51)は、例えば熱可塑性樹脂の成型品を用いることができ、これもシーラント層とのシールで接着することができる。スパウト(51)にはキャップをかぶせるなどして、内袋(50)は密封が可能である。
【0032】
図3は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱の外観を説明するための斜視模式図である。
【0033】
前述のように、本発明によるバッグインボックス(100)の外箱(10)は、直方体形状であって、天面(16)、前側胴部(12)、左側胴部(13)、右側胴部(14)、後ろ側胴部(15)、および底面(11)の6面からなる。なお、天面(16)は図3において、網掛けした面である。
【0034】
外箱(10)の外形が直方体であることによって、積み重ねが容易であり、流通、在庫、また取り扱いの各場面において、利便性が高いバッグインボックス(100)とすることができる。
【0035】
それでいて内容物の液体を取り出そうとするときには、本発明によるバッグインボックス(100)においては、容易にスパウト(51)を外箱(10)の外部に引き出して固定することが可能で、内容物の液体の取り出しを支障なく行うことができる。
【0036】
まず、前側胴部(12)の上部には、スパウト(51)を外部に引き出すための、切り抜き可能な円形のミシン目(20)が設けてある。
【0037】
また、図3に示す例においては、天面(16)には前側胴部(12)から連続するフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)が、外箱(10)の後ろ側に向かって直角に折り込まれて、天面(16)を構成している様子が可視となっている。
【0038】
前側胴部(12)の上部と、左側胴部(13)及び右側胴部(14)の上部との間には、左右に稜線のミシン目(21)が設けてあって、外箱(10)の上部が形成されている。
【0039】
この稜線のミシン目(21)の切り裂きによって、スパウト(51)を外箱(10)の外部に引き出すために、天面(16)から前側胴部(12)へ向かって下降するスロープを形成することが可能になるが、この作業の詳細については、図7図8を用いた説明において後述する。
【0040】
図3に示す例においては、天面(16)には前側胴部(12)から連続するフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)の左右両側にもミシン目(24)が設けられており、これらをミシン目(24)で切り離すことによって、フラップ(22)とつまみ部(23)を形成することができる。
【0041】
前側胴部(12)には、山折り線(25)が設けられており、これは前側胴部(12)の上部の、左側胴部(13)及び右側胴部(14)の上部との間の左右の、稜線のミシン目(21)の下端に位置している。
【0042】
図3に示す状態においては、山折り線(25)は平坦な状態であるが、後述するスロープを形成する場合にはスロープの下端の稜線となる。
【0043】
また、天面(16)には、前側胴部(12)から連続するフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)が可視となって示されており、フラップ(22)には山折り線(27)が設けられている。
【0044】
図3に示す状態においては、山折り線(27)は平坦な状態であるが、後述するスロープを形成する場合には、スロープの上端の稜線となる。この作業の詳細については、図7図8を用いた説明において後述する。
【0045】
天面(16)には、フラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)の境界に山折り線(28)が設けられているが、これは前天面(16)から前側胴部(12)へ向かって下降するスロープの形成において、天面(16)を再度固定する部分であるが、この作業の詳細についても、図7図8を用いた説明において後述する。
【0046】
また、右側胴部(14)の上部には、天面(16)から前側胴部(12)にかけて斜めの山折り線(26)が設けられており、これは天面(16)から前側胴部(12)へ向かって下降するスロープの形成において、スロープ面に折り込んでスロープの中間の層を形成する部分である。
【0047】
同様の山折り線は、左側胴部(15)にも設けられているが、図3に示す例においては外箱(10)の背面側にあって不可視である。これらのスロープ面への折り込み作業の詳細についても、図7図8を用いた説明において後述する。
【0048】
図4は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱の平面展開模式図である。
【0049】
ここで示す一実施態様の平面展開模式図においては、示されている折り罫線はすべて山折りであって、本発明における直方体の外箱(10)を形成可能に設けられており、直方体の外箱(10)の内部には、二重容器として液体の内容物を収納可能な、スパウト(51)を備えプラスチックフィルムからなる、内袋(50)を内部に収納することが可能である。
【0050】
本発明によるバッグインボックス(100)においては、内容物の液体をスパウト(51)から注ぎ出して取り出そうとするときには、スパウト(51)を外箱(10)の外部に容易に引き出して固定することが可能で、内容物の液体の取り出しを支障なく行うことができる。
【0051】
このとき、外箱(10)の上部において、天面(16)から前側胴部(12)に下降するスロープを形成し、円形のミシン目(20)を切り抜いて開口部とし、内袋(50)のスパウト(51)を、外箱(10)の外部に引き出して固定することが可能な機構を備えている。この作業は手指を用いて容易に行うことができる。
【0052】
天面(16)は、3層が重なって形成されており、天面(16)の最内層には、左側胴部(13)から連続する切り欠き付きのフラップ(30)、及び右側胴部(14)から連続する切り欠き付きのフラップ(33)が、左右から内側に向かって直角に折り込んで突き合せ可能に配置されている。
【0053】
切り欠き付きのフラップ(30)の切り欠きは、切り欠き(32)で示されており、切り欠き付きのフラップ(33)の切り欠きは、切り欠き(34)で示されている。
【0054】
この切り欠き(32)、および切り欠き(34)は、切り欠き付きのフラップ(30)
、および切り欠き付きのフラップ(33)のそれぞれの中央部に縦に設けた、山折り線(31)および山折り線(35)より、前側胴部(12)側に設けられている。
【0055】
天面(16)の中間の層には、後ろ側胴部(15)から連続するフラップ(36)を後ろ側から前側に向かって直角に折り込んで重ねることができ、このフラップ(36)と、後ろ側胴部(15)との間の稜線には、スリット(37)が形成されている。
【0056】
天面(16)の最外層には、前側胴部(12)から連続するフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)が配置されており、外箱(10)の後ろ側に向かって、山折り線(29)で直角に折り込んで重ねて天面(16)を形成して、その最外層とすることができる。
【0057】
前側胴部(12)の上部には、切り抜き可能な円形のミシン目(20)が設けてある。また、前側胴部(12)の上部と、左側胴部(13)及び右側胴部(14)の上部との間の稜線には、稜線のミシン目(21)が設けてある。
【0058】
ミシン目は、ほかに前側胴部(12)から連続するフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)の左右にミシン目(24)が設けてあり、これら左右の台形の形状の部分を切り離すことによって、フラップ(22)とつまみ部(23)を形成することができる。
【0059】
さらに右側胴部(14)と、切り欠き付きのフラップ(33)の縦の山折り線(35)より、前側胴部(12)側の稜線に、ミシン目(19)が設けられている。このミシン目(19)の切り裂きによって、切り欠き付きのフラップ(33)を山折り線(35)で下方に押し下げて、スロープ(17)の最内層を形成することが可能になる。
【0060】
これは、左側胴部(13)に連続する切り欠き付きのフラップ(30)においても同様である。
【0061】
これらのミシン目の切り抜きや切り離し、切り裂きの作業は後述するスロープの形成の際に行う。
【0062】
前側胴部(12)の上部から、天面(16)のフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)には、何本かの横方向の山折り線が設けてあり、そのうち山折り線(29)は、外箱の当初の形態である6面体の、前側胴部(12)と天面(16)の間の稜線を形成するものである。
【0063】
山折り線(25)は、内容物の液体を取り出すに際して、天面(16)から前側胴部(12)に下るスロープを形成し、内袋(50)のスパウト(51)を引き出す際に、スロープの下端を形成する稜線となる。
【0064】
山折り線(27)は、内容物の液体を取り出すに際して、天面(16)から前側胴部(12)に下るスロープを形成し、内袋(50)のスパウト(51)を引き出す際に、スロープの上端を形成する稜線となる。
【0065】
山折り線(28)は、フラップ(22)とつまみ部(23)の境界に位置しており、内容物の液体を取り出すに際して、フラップ(22)で天面を覆って再度形成したのち、山折り線(28)でつまみ部(23)を直角に折り曲げて、スリット(37)に差し込んでフラップ(22)を固定することができる。このときスリット(37)に差し込んだ山折り線(28)は、天面(16)と後ろ側胴部(15)とのあいだの稜線となる。
【0066】
図5は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱のスロープを形成した状態を説明するための、斜視模式図である。
【0067】
前述したように、本発明によるバッグインボックス(100)は、スロープ(17)を形成した状態において、内袋(50)のスパウト(51)を外箱(10)の外部に引き出して固定し、安定した注ぎ出しを可能にする。
【0068】
スロープ(17)の中央部には円形のミシン目(20)が位置しており、これを切り抜くことによって円形の開口部を形成することができる。この円形の開口部の内側には、切り欠き(32)と切り欠き(34)とが突き合せられてできた四角形が露出している。スパウト(51)はこの部分から外箱(10)の外部に引き出すことができる。
【0069】
一方スパウト(51)は、その根元部分に外箱(10)に固定するための溝を有しており、この四角形部分を、引き出したスパウト(51)の溝の部分に挟んでスパウト(51)を外箱(10)に固定することができる。
【0070】
スロープ(17)は、天面(16)から前側胴部(12)に向かって下降して形成されており、外箱(10)は元の6面体から7面体に変化している。したがって天面(16)はその面積が縮小しており、もとの天面(16)と前側胴部(12)との稜線は、スロープ(17)の表面に、山折り線(29)が平坦になってその痕跡をとどめている。
【0071】
6面体の状態においては天面(16)は、前側胴部(12)から連続するフラップ(22)とそれに連続するつまみ部(23)からなるが、ミシン目を切り抜いたり、切り裂いたりしてスロープ(17)を形成した7面体の状態においては、フラップ(22)が山折り線(27)で稜線を作り、スロープ(17)になる部分と、天面(16)になる部分に分割されている。
【0072】
また、つまみ部(23)は、山折り線(28)で直角に折り曲げられて、更にスリット(37)に差し込まれてスロープ(17)及び天面(16)を固定している。またこの山折り線(28)は、天面(16)と後ろ側胴部(15)との稜線を形成している。
【0073】
図6は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、前側胴部から連続するフラップとそれに連続するつまみ部と、後ろ側胴部から連続するフラップを引き起こした状態を説明するための、斜視模式図である。
【0074】
内容物の液体を取り出すに際して、スパウト(51)を外箱(10)の外部に引き出して固定する作業を行うが、図6で示す例では、まずつまみ部(23)を手指で把持してフラップ(22)と一緒に、前側に向かって矢印(2)の方向に引き、前側胴部(12)の、切り取り可能な円形のミシン目(20)を切り取って開口部を形成し、後ろ側胴部(15)から連続する、天面(16)の中間の層のフラップ(36)を、矢印(3)の方向に引き起こした状態を示している。
【0075】
矢印(2)、および矢印(3)方向へのフラップの引き起こしによって、天面(16)を構成する最内層の、左側胴部(13)から連続する切り欠き付きのフラップ(30)、及び右側胴部(14)から連続する切り欠き付きのフラップ(33)が、左右から内側に向かって直角に折り込んで突き合せられた状態で露出する。
【0076】
なお、本発明によるバッグインボックス(100)では、外箱(10)には、内部にスパウト(51)付きの内袋(50)が収納されているが、図6においては、外箱(10)
の説明であるため示していない。
【0077】
図7は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、スロープを形成した状態を説明するための、斜視模式図である。
【0078】
内容物の液体を取り出すに際して、スパウト(51)を外箱(10)の外部に引き出して固定する作業を行うが、図7で示す例では、図6で示した状態に引き続いて、つまみ部(23)およびフラップ(22)を矢印(4)方向に引き、稜線のミシン目(21)を引き裂く。
【0079】
続いて天面(16)の最内層に、左側胴部(13)から連続する切り欠き付きのフラップ(30)、及び右側胴部(14)から連続する切り欠き付きのフラップ(33)が、左右から内側に向かって直角に折り込んで突き合せられている部分の、山折り線(31)および山折り線(35)を折り、切り欠き付きのフラップ(30)および切り欠き付きのフラップ(33)の前側胴部(12)に近い部分を、矢印(5)方向に押し下げてスロープ(17)の最内層を形成する。
【0080】
この作業を行う際には、右側胴部(14)と、切り欠き付きのフラップ(33)の縦の山折り線(35)より、前側胴部(12)側の稜線に、設けられているミシン目(19)を切り裂くことによって、矢印(5)方向への押し下げ、スロープ(17)形成が可能になる。なお、このミシン目(19)は、図4の平面展開図、及び図6の斜視模式図において示してある。
【0081】
図8は、本発明に係るバッグインボックスの一実施態様において、外箱をスロープを加えた7面体とし、スパウトを引き出して固定し、内容物の液体を注ぎ出し可能とした状態を説明するための斜視(一部透視)模式図である。
【0082】
内容物の液体を取り出すに際して、スパウト(51)を外箱(10)の外部に引き出して固定する作業を行うが、図8で示す例では、図7で示した状態に引き続いて、左側胴部(13)及び右側胴部(14)の、前側胴部(12)に近い上部の角を山折り線(26)でスロープ(17)側に折り込みスロープ(17)の中間の層を形成する。折り込みの部分は三角形の形状となる。
【0083】
続いてつまみ部(23)を、外箱の後方に向かって矢印(8)方向に引き、最外層を、前側胴部(12)の上部、それに連続するフラップ(22)、で被覆してスロープ(17)、及び天面(16)を形成する。
【0084】
さらに、山折り線(28)でつまみ部(23)を直角に折り曲げて、矢印(9)方向のスリット(37)に差し込んでフラップ(22)を固定することができる。このとき山折り線(28)は、天面(16)と後ろ側胴部(15)とのあいだの稜線となる。
【0085】
このスロープ(17)と、天面(16)の再構成と同時に、円形のミシン目(20)によって形成された開口部から、内袋(50)のスパウト(51)を矢印(1)方向に引き出すことができる。
【0086】
続いて、切り欠き付きのフラップ(30)、および切り欠き付きのフラップ(33)を、スパウト(51)に設けられた溝に挟んで固定し、内容物の液体を注ぎ出し可能な状態にすることができる。この一連の作業は、手指を用いて容易に行うことができるものである。
【0087】
このようにして、本発明によれば、外側は紙容器からなり、内側にはプラスチックフィルムを基材としてスパウトを備えた内袋を収納してなる二重容器であって、開栓に際しては、紙容器の一部を開封し、スパウトを紙容器の外部に引き出して固定する作業を容易に行うことのできる、バッグインボックスを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1・・・矢印
2・・・矢印
3・・・矢印
4・・・矢印
5・・・矢印
6・・・矢印
7・・・矢印
8・・・矢印
9・・・矢印
10・・・外箱
11・・・底面
12・・・前側胴部
13・・・左側胴部
14・・・右側胴部
15・・・後ろ側胴部
16・・・天面
17・・・スロープ
19・・・ミシン目
20・・・円形のミシン目
21・・・稜線のミシン目
22・・・フラップ
23・・・つまみ部
24・・・ミシン目
25・・・山折り線
26・・・山折り線
27・・・山折り線
28・・・山折り線
29・・・山折り線
30・・・切り欠き付きフラップ
31・・・山折り線
32・・・切り欠き
33・・・切り欠き付きフラップ
34・・・切り欠き
35・・・山折り線
36・・・フラップ
37・・・スリット
50・・・内袋
51・・・スパウト
100・・・バッグインボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8