(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042278
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】化合物又はその塩及び中枢オキシトシン受容体イメージング剤
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20220307BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20220307BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20220307BHJP
A61K 31/4245 20060101ALI20220307BHJP
A61K 51/00 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/506
C07D413/04
A61K31/4245
A61K51/00 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147632
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】504300181
【氏名又は名称】国立大学法人浜松医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124800
【弁理士】
【氏名又は名称】諏澤 勇司
(74)【代理人】
【識別番号】100211100
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】間賀田 泰寛
(72)【発明者】
【氏名】山末 英典
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 千恵
【テーマコード(参考)】
4C063
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB02
4C063CC41
4C063CC58
4C063DD03
4C063DD12
4C063EE01
4C085HH03
4C085KA29
4C085KB56
4C085LL13
4C086AA03
4C086AA10
4C086BC60
4C086BC71
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086NA20
4C086ZC78
(57)【要約】
【課題】中枢オキシトシン受容体のイメージングに利用可能な化合物又はその塩を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)又は下記一般式(II)で表される化合物又はその塩。
[式(I)中、R
11は、メチル基等を示し、R
12は、フェニル基、フェノキシ基等を示し、前記フェニル基、前記フェノキシ基等は、ハロゲン原子、C
1-6アルキル基等で置換されていてもよく、式(II)中、R
21は、水素原子、メチル基等を示し、R
22は、水素原子等を示し、R
23は、オキサジアゾール等を示す。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I):
【化1】
[式(I)中、
R
11は、メチル基又はメトキシメチル基を示し、
R
12は、フェニル基、フェノキシ基、ナフチル基又はナフトキシ基を示し、前記フェニル基、前記フェノキシ基、前記ナフチル基及び前記ナフトキシ基は、ハロゲン原子、C
1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、C
1-6アルコキシC
1-6アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C
1-6アルキルチオ基、モノ-C
1-6アルキルアミノ基、ジ-C
1-6アルキルアミノ基、C
1-6アルキルカルボニル基、モノ-C
1-6アルキルアミノカルボニル基、ジ-C
1-6アルキルアミノカルボニル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよい。]
又は下記一般式(II):
【化2】
[式(II)中、
R
21は、水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はフルオロメチル基を示し、
R
22は、水素原子又はフッ素原子を示し、R
22がフッ素原子の場合、R
21はメチル基、塩素原子又はフッ素原子であり、
R
23は、下記式(IIIa),(IIIb),(IIIc)又は(IIId):
【化3】
(式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IIId)中、
R
31は、水素原子、スルフォニル基、アミノ基、置換アミノ基、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル基、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アリールC
2-6アルキニル基、ヘテロアリールC
2-6アルキニル基、シクロアルキルC
1-6アルキル基、ヘテロシクロアルキルC
1-6アルキル基、シクロアルキルC
2-6アルケニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルケニル基、シクロアルキルC
2-6アルキニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルキニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、カルボキシC
1-6アルキル基、アシルC
1-6アルキル基、アシルアリール基、アシルヘテロアリール基、アシルC
3-8(ヘテロ)シクロアルキル基、アシルオキシC
1-6アルキル基、アルコキシC
1-6アルキル基、アルコキシカルボニルC
1-6アルキル基、アミノカルボニルC
1-6アルキル基、アシルアミノC
1-6アルキル基、アシルアミノ基、ウレイドC
1-6アルキル基、カルバメートC
1-6アルキル基、アミノC
1-6アルキル基、アンモニウムC
1-6アルキル基、スルフォニルオキシC
1-6アルキル基、スルフォニルC
1-6アルキル基、スルフィニルC
1-6アルキル基、スルファニルC
1-6アルキル基、スルフォニルアミノC
1-6アルキル基、アミノスルフォニルC
1-6アルキル基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を示し、
前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基、及び前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N、O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基、前記ヘテロシクロアルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロアリール基は別の1~2のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、
Xは、O又はSを示し、
R
32は、水素原子、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸アミド基、C
1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルC
1-6アルキル基、アリールカルボニル基又はヘテロアリールカルボニル基、飽和又は不飽和のC
4-8シクロアルキルカルボニル基を示し、
R
33における、前記シクロアルキル基、前記アリール基及び前記ヘテロアリール基は、別の1-2個のシクロアルキル基又はアリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、R
33における、前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基及び前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N,O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基中の炭素原子は、N,O及びSからなる群より選択される1乃至3個のヘテロ原子で置換されていてもよい。)
で表される基を示す。]
で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
前記化合物が、前記一般式(I)で表され、
R11が、メチル基であり、
R12が、C1-6アルキル基で置換されていてよいフェノキシ基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
前記化合物が、前記一般式(II)で表され、
R21が、水素原子又はメチル基であり、
R22が、水素原子であり、
R23が、前記式(IIIa)で表され、R31がC1-6アルキル基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
下記式(1)又は下記式(2)で表される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【化4】
【化5】
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する、中枢オキシトシン受容体イメージング剤。
【請求項6】
下記一般式(V)で表される化合物又はその塩。
【化6】
[式(V)中、
R
21は、水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はフルオロメチル基を示し、
R
22は、水素原子又はフッ素原子を示し、R
22がフッ素原子の場合、R
21はメチル基、塩素原子又はフッ素原子であり、
R
23は、下記式(IIIa),(IIIb),(IIIc)又は(IIId):
【化7】
(式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IIId)中、
R
31は、水素原子、スルフォニル基、アミノ基、置換アミノ基、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル基、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アリールC
2-6アルキニル基、ヘテロアリールC
2-6アルキニル基、シクロアルキルC
1-6アルキル基、ヘテロシクロアルキルC
1-6アルキル基、シクロアルキルC
2-6アルケニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルケニル基、シクロアルキルC
2-6アルキニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルキニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、カルボキシC
1-6アルキル基、アシルC
1-6アルキル基、アシルアリール基、アシルヘテロアリール基、アシルC
3-8(ヘテロ)シクロアルキル基、アシルオキシC
1-6アルキル基、アルコキシC
1-6アルキル基、アルコキシカルボニルC
1-6アルキル基、アミノカルボニルC
1-6アルキル基、アシルアミノC
1-6アルキル基、アシルアミノ基、ウレイドC
1-6アルキル基、カルバメートC
1-6アルキル基、アミノC
1-6アルキル基、アンモニウムC
1-6アルキル基、スルフォニルオキシC
1-6アルキル基、スルフォニルC
1-6アルキル基、スルフィニルC
1-6アルキル基、スルファニルC
1-6アルキル基、スルフォニルアミノC
1-6アルキル基、アミノスルフォニルC
1-6アルキル基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を示し、
前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基、及び前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N、O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基、前記ヘテロシクロアルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロアリール基は別の1~2のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、
Xは、O又はSを示し、
R
32は、水素原子、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸アミド基、C
1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルC
1-6アルキル基、アリールカルボニル基又はヘテロアリールカルボニル基、飽和又は不飽和のC
4-8シクロアルキルカルボニル基を示し、
R
33における、前記シクロアルキル基、前記アリール基及び前記ヘテロアリール基は、別の1-2個のシクロアルキル基又はアリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、R
33における、前記C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N,O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基中の炭素原子は、N,O及びSからなる群より選択される1乃至3個のヘテロ原子で置換されていてもよい。)
を示す。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物又はその塩に関する。本発明は中枢オキシトシン受容体イメージング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳内オキシトシン受容体の自閉スペクトラム症との関連性が動物実験及びオキシトシン製剤の臨床試験等から報告されているものの、いまだこれらの病態には不明の点が多い。このような事情から、オキシトシン受容体に関連する病態の診断、病態解明を目的としたイメージング剤の開発がなされ、これまでに種々のイメージング剤についての報告がある(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Aaron L.Smith et al.“Initialinvestigation of three selective and potent small molecule oxytocin receptorPET ligands in New World monkeys” Bioorganic &Medicinal Chemistry Letters, 26, 3370-3375, 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のオキシトシン受容体イメージング剤は、インビトロにおける親和性試験では高い親和性及び受容体選択性を有しているものの、インビボにおける脳移行性等の体内動態が適切ではなく、いまだイメージング剤として成功しているものはない。
【0005】
本発明の目的は、中枢オキシトシン受容体のイメージングに利用可能な化合物又はその塩を提供することにある。本発明の他の目的は、新規な中枢オキシトシン受容体イメージング剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記一般式(I):
【化1】
[式(I)中、
R
11は、メチル基又はメトキシメチル基を示し、
R
12は、フェニル基、フェノキシ基、ナフチル基又はナフトキシ基を示し、前記フェニル基、前記フェノキシ基、前記ナフチル基及び前記ナフトキシ基は、ハロゲン原子、C
1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、C
1-6アルコキシC
1-6アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C
1-6アルキルチオ基、モノ-C
1-6アルキルアミノ基、ジ-C
1-6アルキルアミノ基、C
1-6アルキルカルボニル基、モノ-C
1-6アルキルアミノカルボニル基、ジ-C
1-6アルキルアミノカルボニル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよい。]
又は下記一般式(II):
【化2】
[式(II)中、
R
21は、水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はフルオロメチル基を示し、
R
22は、水素原子又はフッ素原子を示し、R
22がフッ素原子の場合、R
21はメチル基、塩素原子又はフッ素原子であり、
R
23は、下記式(IIIa),(IIIb),(IIIc)又は(IIId):
【化3】
(式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IIId)中、
R
31は、水素原子、スルフォニル基、アミノ基、置換アミノ基、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル基、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アリールC
2-6アルキニル基、ヘテロアリールC
2-6アルキニル基、シクロアルキルC
1-6アルキル基、ヘテロシクロアルキルC
1-6アルキル基、シクロアルキルC
2-6アルケニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルケニル基、シクロアルキルC
2-6アルキニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルキニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、カルボキシC
1-6アルキル基、アシルC
1-6アルキル基、アシルアリール基、アシルヘテロアリール基、アシルC
3-8(ヘテロ)シクロアルキル基、アシルオキシC
1-6アルキル基、アルコキシC
1-6アルキル基、アルコキシカルボニルC
1-6アルキル基、アミノカルボニルC
1-6アルキル基、アシルアミノC
1-6アルキル基、アシルアミノ基、ウレイドC
1-6アルキル基、カルバメートC
1-6アルキル基、アミノC
1-6アルキル基、アンモニウムC
1-6アルキル基、スルフォニルオキシC
1-6アルキル基、スルフォニルC
1-6アルキル基、スルフィニルC
1-6アルキル基、スルファニルC
1-6アルキル基、スルフォニルアミノC
1-6アルキル基、アミノスルフォニルC
1-6アルキル基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を示し、
前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基、及び前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N、O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基、前記ヘテロシクロアルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロアリール基は別の1~2のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、
Xは、O又はSを示し、
R
32は、水素原子、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸アミド基、C
1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルC
1-6アルキル基、アリールカルボニル基又はヘテロアリールカルボニル基、飽和又は不飽和のC
4-8シクロアルキルカルボニル基を示し、
R
33における、前記シクロアルキル基、前記アリール基及び前記ヘテロアリール基は、別の1-2個のシクロアルキル基又はアリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、R
33における、前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基、前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N,O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基中の炭素原子は、N,O及びSからなる群より選択される1乃至3個のヘテロ原子で置換されていてもよい。)
で表される基を示す。]
で表される化合物又はその塩に関する。
【0007】
前記化合物は、前記一般式(I)で表され、R11が、メチル基であり、R12が、C1-6アルキル基で置換されていてよいフェノキシ基である化合物であってよい。
【0008】
前記化合物は、前記一般式(II)で表され、R21が、水素原子又はメチル基であり、R22が、水素原子であり、R23が、前記式(IIIa)で表され、R31がC1-6アルキル基である化合物であってよい。
【0009】
前記化合物は、下記式(1)又は下記式(2)で表される化合物であってよい。
【化4】
【化5】
【0010】
本発明は、上記化合物又はその塩を有効成分として含有する、中枢オキシトシン受容体イメージング剤にも関する。
【0011】
本発明は更に、下記一般式(V)で表される化合物又はその塩にも関する。
【化6】
[式(V)中、
R
21は、水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はフルオロメチル基を示し、
R
22は、水素原子又はフッ素原子を示し、R
22がフッ素原子の場合、R
21はメチル基、塩素原子又はフッ素原子であり、
R
23は、下記式(IIIa),(IIIb),(IIIc)又は(IIId):
【化7】
(式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IIId)中、
R
31は、水素原子、スルフォニル基、アミノ基、置換アミノ基、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル基、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アリールC
2-6アルキニル基、ヘテロアリールC
2-6アルキニル基、シクロアルキルC
1-6アルキル基、ヘテロシクロアルキルC
1-6アルキル基、シクロアルキルC
2-6アルケニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルケニル基、シクロアルキルC
2-6アルキニル基、ヘテロシクロアルキルC
2-6アルキニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、カルボキシC
1-6アルキル基、アシルC
1-6アルキル基、アシルアリール基、アシルヘテロアリール基、アシルC
3-8(ヘテロ)シクロアルキル基、アシルオキシC
1-6アルキル基、アルコキシC
1-6アルキル基、アルコキシカルボニルC
1-6アルキル基、アミノカルボニルC
1-6アルキル基、アシルアミノC
1-6アルキル基、アシルアミノ基、ウレイドC
1-6アルキル基、カルバメートC
1-6アルキル基、アミノC
1-6アルキル基、アンモニウムC
1-6アルキル基、スルフォニルオキシC
1-6アルキル基、スルフォニルC
1-6アルキル基、スルフィニルC
1-6アルキル基、スルファニルC
1-6アルキル基、スルフォニルアミノC
1-6アルキル基、アミノスルフォニルC
1-6アルキル基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を示し、
前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基、及び前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N、O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基、前記ヘテロシクロアルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロアリール基は別の1~2のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、
Xは、O又はSを示し、
R
32は、水素原子、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、アシル基、アリールC
1-6アルキル、ヘテロアリールC
1-6アルキル基、アリールC
2-6アルケニル基、ヘテロアリールC
2-6アルケニル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸アミド基、C
1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルC
1-6アルキル基、アリールカルボニル基又はヘテロアリールカルボニル基、飽和又は不飽和のC
4-8シクロアルキルカルボニル基を示し、
R
33における、前記シクロアルキル基、前記アリール基及び前記ヘテロアリール基は、別の1-2個のシクロアルキル基又はアリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、R
33における、前記C
1-6アルキル基、前記C
2-6アルケニル基及び前記C
2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N,O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基中の炭素原子は、N,O及びSからなる群より選択される1乃至3個のヘテロ原子で置換されていてもよい。)
を示す。]
【0012】
一般式(V)で表される化合物又はその塩は、一般式(II)で表される化合物又はその塩を製造する際の前駆体化合物として有用である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、中枢オキシトシン受容体のイメージングに利用可能な化合物又はその塩を提供することが可能となる。また、本発明によれば、新規な中枢オキシトシン受容体イメージング剤を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1(A)は、式(1)で表される化合物([
11C]comp1)のPET撮像結果を示す図であり、
図1(B)は雄性SDラットにおける[
11C]comp1投与後の放射能濃度の定量結果を示すグラフであり、
図1(C)は雌性SDラットにおける[
11C]comp1投与後の放射能濃度の定量結果を示すグラフである。
【
図2】
図2(A)は、式(2)で表される化合物([
11C]comp2)のPET撮像結果を示す図であり、
図2(B)は雄性SDラットにおける[
11C]comp2投与後の放射能濃度の定量結果を示すグラフであり、
図2(C)は雌性SDラットにおける[
11C]comp2投与後の放射能濃度の定量結果を示すグラフである。
【
図3】雌性SDラットにおけるestradiol benzoate(EB)投与後のオキシトシン受容体イメージング結果を示す写真である。
【
図4】雌性SDラットにおける[
11C]comp2投与5分後に解剖して測定した放射能集積の定量結果を示すグラフである。
【
図5】雄性カニクイザルにおける[
11C]comp2投与20~25分後のPET/CT画像および同一個体のMRI画像を示す図である。
【
図6】雄性カニクイザルにおける[
11C]comp2投与後の視床(thalamus)及び小脳(cerebellum)における放射能濃度の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。後述する一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物には、立体異性体、互変異生体等の異性体が存在し得る。これらの異性体も本発明の範囲に包含される。
【0016】
本明細書において、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
【0017】
「C1-6アルキル基」とは、炭素原子数1~6のアルキル基を意味する。C1-6アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。C1-6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
【0018】
「C1-6アルキルカルボニル基」は、C1-6アルキル基によって置換されたカルボニル基(-C(=O)-)を意味する。
【0019】
「アリール基」とは、6乃至14個の炭素原子を含む不飽和芳香族炭素環式基であって単環(例えば、フェニル)又は縮合多環(例えば、ナフチル)を有する基を意味する。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、又はフェナントレニル等であってよい。
【0020】
「アリールC1-6アルキル基」とは、アリール基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。
【0021】
「ヘテロアリール基」とは、単環式ヘテロ芳香族、又は、二環式若しくは三環式縮合環ヘテロ芳香族基を意味する。ヘテロ芳香族基の具体的な例としては、任意に置換されたピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンジイミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、プタラジニル、キノキサリニルイ、シノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、又はベンゾキノリル等が挙げられる。
【0022】
「ヘテロアリールC1-6アルキル基」とは、ヘテロアリール基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。ヘテロアリールC1-6アルキル基としては、2-フリルメチル、2-チエニルメチル、2-(1H-インドル-3-イル)エチル等が挙げられる。
【0023】
「C2-6アルケニル基」とは、2乃至6炭素原子を含み、エチレン性不飽和結合(C=C)を有する基である。C2-6アルケニル基におけるエチレン性不飽和結合の数は例えば1~2であってよい。C2-6アルケニル基としては、エテニル(-CH=CH2)、n-2-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)等が挙げられる。
【0024】
「アリールC2-6アルケニル基」とは、アリール基で置換されたC2-6アルケニル基を意味する。アリールC2-6アルケニル基としては、2-フェニルビニル等が挙げられる。
【0025】
「ヘテロアリールC2-6アルケニル基」とは、ヘテロアリール基で置換されたC2-6アルケニル基を意味する。ヘテロアリールC2-6アルケニル基としては、例えば、2-(3-ピリジニル)ビニルが挙げられる。
【0026】
「C2-6アルキニル基」とは、2乃至6炭素原子を含み、炭素-炭素三重結合を有する基を意味する。炭素-炭素三重結合の数は、1~2であってよい。C2-6アルキニル基としては、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)等が挙げられる。
【0027】
「アリールC2-6アルキニル基」とは、アリール基で置換されたC2-6アルキニル基を意味する。アリールC2-6アルキニル基としては、フェニルエチニル等が挙げられる。
【0028】
「ヘテロアリールC2-6アルキニル基」とは、ヘテロアリール基を有するC2-6アルキニル基を意味する。ヘテロアリールC2-6アルキニル基としては、2-チエニルエチニル等が挙げられる。
【0029】
「C3-8シクロアルキル基」とは、3乃至8炭素原子の飽和炭素環式基で単環(例えば、シクロヘキシル)又は縮合多環(例えば、ノルボルニル)を有するものを意味する。C3-8シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル等が挙げられる。
【0030】
「シクロアルキルC1-6アルキル基」とは、シクロアルキル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。シクロアルキルC1-6アルキル基としては、例えば、シクロヘキシルメチル基、シクロペンチルプロピル基等が挙げられる。
【0031】
「ヘテロシクロアルキル基」とは、C3-8シクロアルキル基中の1~3個の炭素原子がO,S,NR(ここでRは水素又はメチルと定義される)からなる群から選択されるヘテロ原子で置き換えられた基を意味する。ヘテロシクロアルキル基としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1-メチルピペラジン、モルフォリン等が挙げられる。
【0032】
「ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基」とは、ヘテロシクロアルキル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基としては、2-(1-ピロリジニル)エチル、4-モルフォリニルメチル、(1-メチル-4-ピペリジニル)メチル等が挙げられる。
【0033】
「カルボキシC1-6アルキル基」とは、カルボキシ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。カルボキシC1-6アルキル基としては、2-カルボキシエチル等が挙げられる。
【0034】
「アシル基」とは、-C(O)Rで表される基である。ここで、Rは、H,C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0035】
「アシルC1-6アルキル基」とは、アシル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アシルC1-6アルキル基としては、例えば、2-アセチルエチル等が挙げられる。
【0036】
「アシルアリール基」とは、アシル基で置換されたアリール基を意味する。アシルアリール基としては、例えば、2-アセチルフェニル等が挙げられる。
【0037】
「アシルヘテロアリール基」とは、アシル基で置換されたヘテロアリール基を意味する。アシルヘテロアリール基としては、例えば、2-アセチルピリジル等が挙げられる。
【0038】
「アシルC3-8(ヘテロ)シクロアルキル基」とは、アシル基で置換された3乃至8員環のシクロアルキル基、又はアシル基で置換された3乃至8員環のヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0039】
「アシルオキシ基」とは、-OC(O)Rで表される基である。ここでRは、H,C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0040】
「アシルオキシC1-6アルキル基」とは、アシルオキシ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アシルオキシC1-6アルキル基としては、例えば、2-(アセチルオキシ)エチル等が挙げられる。
【0041】
「アルコキシ基」とは、-O-Rで表される基である。ここで、Rは、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、又は、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0042】
「C1-6アルコキシ基」とは、C1-6アルキル基によって置換されたオキシ基を意味する。C1-6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及びn-ブトキシ基が挙げられる。
【0043】
「アルコキシC1-6アルキル基」とは、アルコキシ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アルコキシC1-6アルキル基としては、2-エトキシエチル等が挙げられる。
【0044】
「C1-6アルコキシC1-6アルキル基」とは、C1-6アルコキシ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。
【0045】
「アルコキシカルボニル基」とは、-C(O)ORで表される基である。ここで、Rは、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0046】
「アルコキシカルボニルC1-6アルキル基」とは、アルコキシカルボニル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アルコキシカルボニルC1-6アルキル基としては、2-(ベンジルオキシカルボニル)エチル等が挙げられる。
【0047】
「アミノカルボニル基」とは、-C(O)NRR’基で表される基である。ここで、R及びR’は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0048】
「アミノカルボニルC1-6アルキル基」とは、アミノカルボニル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アミノカルボニルC1-6アルキル基としては、2-(ジメチルアミノカルボニル)エチル等が挙げられる。
【0049】
「アシルアミノ基」とは、-NRC(O)R’で表される基である。ここで、R及びR’は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0050】
「アシルアミノC1-6アルキル基」とは、アシルアミノ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アシルアミノC1-6アルキル基としては、2-(プロピオニルアミノ)エチル等が挙げられる。
【0051】
「ウレイド基」とは、-NRC(O)NR’R”で表される基である。ここで、R,R’及びR”は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、又は、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。R’及びR”は、これらと結合する窒素原子と共に3~8員環のヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0052】
「ウレイドC1-6アルキル基」とは、ウレイド基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。ウレイドC1-6アルキル基としては、2-(N’-メチルウレイド)エチル等が挙げられる。
【0053】
「カルバメート基」とは、-NRC(O)OR’で表される基である。ここで、R及びR’は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0054】
「置換アミノ基」とは、-NRR’で表される基である。ここで、R及びR’は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。但し、R’及びR”の一方が水素である場合、他方は水素以外である。R’及びR”は、これらが結合する窒素原子と共に3~8員環のヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0055】
「モノ-C1-6アルキルアミノ基」は、アミノ基(-NH2)の水素原子1個がC1-6アルキル基で置換された基を意味する。
【0056】
「ジ-C1-6アルキルアミノ基」は、アミノ基(-NH2)の水素原子2個がC1-6アルキル基で置換された基を意味する。ジ-C1-6アルキルアミノ基中の2個のC1-6アルキル基は同種の基であってもよく、異種の基であってもよい。
【0057】
「モノ-C1-6アルキルアミノカルボニル基」は、モノ-C1-6アルキルアミノ基によって置換されたカルボニル基を意味する。
【0058】
「ジ-C1-6アルキルアミノカルボニル基」は、ジ-C1-6アルキルアミノ基によって置換されたカルボニル基を意味する。
【0059】
「アミノC1-6アルキル基」とは、アミノ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アミノC1-6アルキル基としては、2-(1-ピロリジニル)エチル等が挙げられる。
【0060】
「アンモニウム基」とは、-N+RR’R”で表される基である。ここで、R,R’及びR”は、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。R’及びR”は、これらが結合する窒素原子と共に3-8員環のヘテロシクロアルキル環を形成することができる。
【0061】
「アンモニウムC1-6アルキル基」とは、アンモニウム基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アンモニウムC1-6アルキル基としては、2-(1-ピロリジニウム)エチル等が挙げられる。
【0062】
「スルフォニルオキシ基」とは、-OSO2-Rで表される基である。ここで、Rは、H、C1-6アルキル基、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル基(例えば、-CF3)、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0063】
「スルフォニルオキシC1-6アルキル基」とは、スルフォニルオキシ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。スルフォニルオキシC1-6アルキル基としては、2-(メチルスルフォニルオキシ)エチル等が挙げられる。
【0064】
「スルフォニル基」とは、-SO2-Rで表される基である。ここで、Rは、H、アリール基、ヘテロアリール基、C1-6アルキル基、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル基(例えば、-CF3)、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0065】
「スルフォニルC1-6アルキル基」とは、スルフォニル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。スルフォニルC1-6アルキル基としては、2-(メチルスルフォニル)エチル等が挙げられる。
【0066】
「スルフィニル基」とは、-S(O)-Rで表される基である。ここで、Rは、H、C1-6アルキル基、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル基(例えば、-CF3)、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、又はヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0067】
「スルフィニルC1-6アルキル基」とは、スルフィニル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。スルフィニルC1-6アルキル基としては、2-(メチルスルフィニル)エチル等が挙げられる。
【0068】
「チオ基」とは、-S-Rで表される基である。ここで、Rは、H、C1-6アルキル基、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル基(例えば、-CF3)、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。チオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。
【0069】
「C1-6アルキルチオ基」とは、スルファニル基(-SH)の水素原子がC1-6アルキル基で置換された基を意味する。
【0070】
「チオC1-6アルキル基」とは、チオ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。チオC1-6アルキル基としては、2-(エチルチオ)エチル基等が挙げられる。
【0071】
「スルフォニルアミノ基」とは、-NRSO2-R’で表される基である。ここで、R,R’は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0072】
「スルフォニルアミノC1-6アルキル基」とは、スルフォニルアミノ基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。スルフォニルアミノC1-6アルキル基としては、2-(エチルスルフォニルアミノ)エチル等が挙げられる。
【0073】
「アミノスルフォニル基」とは、-SO2-NRR’で表される基である。ここで、R,R’は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールC1-6アルキル基、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル、シクロアルキルC1-6アルキル基、又はヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基であってよい。
【0074】
「アミノスルフォニルC1-6アルキル基」とは、アミノスルフォニル基で置換されたC1-6アルキル基を意味する。アミノスルフォニルC1-6アルキル基としては、2-(シクロヘキシルアミノスルフォニル)エチル等が挙げられる。
【0075】
〔化合物〕
本実施形態の化合物は、下記一般式(I):
【化8】
で表され、式(I)中、
R
11は、メチル基又はメトキシメチル基を示し、
R
12は、フェニル基、フェノキシ基、ナフチル基又はナフトキシ基を示し、前記フェニル基、前記フェノキシ基、前記ナフチル基及び前記ナフトキシ基は、ハロゲン原子、C
1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、C
1-6アルコキシC
1-6アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C
1-6アルキルチオ基、モノ-C
1-6アルキルアミノ基、ジ-C
1-6アルキルアミノ基、C
1-6アルキルカルボニル基、モノ-C
1-6アルキルアミノカルボニル基、ジ-C
1-6アルキルアミノカルボニル基、カルボキシ基及びカルバモイル基からなる群より選択される置換基で置換されていてもよい化合物(以下「化合物(I)ともいう。」)、又は下記一般式(II):
【化9】
で表され、式(II)中、
R
21が、水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はフルオロメチル基を示し、
R
22が、水素原子又はフッ素原子を示し、R
22がフッ素原子の場合、R
21はメチル基、塩素原子又はフッ素原子であり、
R
23が、下記式(IIIa),(IIIb),(IIIc)又は(IIId)で表されるヘテロ環基である、化合物(以下「化合物(I)ともいう。」)である。
【化10】
【0076】
式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IIId)中のX、R31及びR32については後述するとおりである。
【0077】
<化合物(I)>
化合物(I)において、R11は、メチル基又はメトキシメチル基(-CH2OCH3)であり、本発明の効果がより一層顕著になる観点から、メチル基であってよい。
【0078】
R12は、フェニル基、フェノキシ基、ナフチル基又はナフトキシ基であり、本発明の効果がより一層顕著になる観点から、フェニル基、又はフェノキシ基であってよい。
【0079】
R12としてのフェニル基、フェノキシ基、ナフチル基及びナフトキシ基は、置換基を有していなくてもよく、少なくとも一部の水素原子をハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、C1-6アルキルチオ基、モノ-C1-6アルキルアミノ基、ジ-C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、モノ-C1-6アルキルアミノカルボニル基、ジ-C1-6アルキルアミノカルボニル基、カルボキシ基(-COOH)及びカルバモイル基(-CO-NH2)からなる群より選択される置換基で置換された基であってもよい。
【0080】
R12としてのフェニル基、フェノキシ基、ナフチル基及びナフトキシ基が置換基を有する場合、これらの基中の置換基数は、例えば、1~5、又は1~3であってよく、2であってよい。
【0081】
R12は、本発明の効果がより一層顕著になる観点から、C1-6アルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基であってよく、2個のC1-6アルキル基で置換されたフェノキシ基であってよい。
【0082】
化合物(I)は、上記一般式において、R
11が、メチル基であり、R
12が無置換又は上述した置換基で置換されていてもよいフェノキシ基である、下記一般式(Ia)で表される化合物であってよい。
【化11】
【0083】
式(Ia)中、nは0~5の整数を示し、R13は、C1-6アルキル基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1-6アルコキシ基、シアノ基、又はC1-6アルキルチオ基を示す。R13が複数存在する場合、複数存在するR13は互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0~3であってよく、1~3であってもよい。R13としてのC1-6アルキル基は、メチル基又はエチル基であってよい。R13としてのハロゲン原子は、フッ素原子、又は塩素原子であってよい。R13としてのC1-6アルコキシ基は、メトキシ基であってよい。R13としてのC1-6アルキルチオ基はメチルチオ基(-S-CH3)であってよい。
【0084】
化合物(I)は、本発明の効果がより一層顕著になる観点から、R
11が、メチル基であり、R
12が2,3-ジメチルフェノキシ基である下記式(1)で表される化合物であってよい。
【化12】
【0085】
<化合物(II)>
化合物(II)は、イミン部位において立体配置が異なる異性体が存在する。化合物(II)は、E体、Z体及びこれらの混合物のいずれであってもよい。
【0086】
R21は、水素原子、メチル基、塩素原子、フッ素原子又はフルオロメチル基である。フルオロメチル基は、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又はトリフルオロメチル基であってよい。本発明の効果がより顕著に奏される観点から、R21は、メチル基であってよい。
【0087】
R22は、水素原子又はフッ素原子である。R22がフッ素原子の場合、R21はメチル基、塩素原子又はフッ素原子である。本発明の効果がより顕著に奏される観点から、R22は、水素原子であってよい。
【0088】
R23は、上記式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IIId)で表されるヘテロ環基である。Xは、O又はSを示す。
【0089】
R31は、水素原子、スルフォニル基、アミノ基、置換アミノ基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アシル基、アリールC1-6アルキル基、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アリールC2-6アルキニル基、ヘテロアリールC2-6アルキニル基、シクロアルキルC1-6アルキル基、ヘテロシクロアルキルC1-6アルキル基、シクロアルキルC2-6アルケニル基、ヘテロシクロアルキルC2-6アルケニル基、シクロアルキルC2-6アルキニル基、ヘテロシクロアルキルC2-6アルキニル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、カルボキシC1-6アルキル基、アシルC1-6アルキル基、アシルアリール基、アシルヘテロアリール基、アシルC3-8(ヘテロ)シクロアルキル基、アシルオキシC1-6アルキル基、アルコキシC1-6アルキル基、アルコキシカルボニルC1-6アルキル基、アミノカルボニルC1-6アルキル基、アシルアミノC1-6アルキル基、アシルアミノ基、ウレイドC1-6アルキル基、カルバメートC1-6アルキル基、アミノC1-6アルキル基、アンモニウムC1-6アルキル基、スルフォニルオキシC1-6アルキル基、スルフォニルC1-6アルキル基、スルフィニルC1-6アルキル基、スルファニルC1-6アルキル基、スルフォニルアミノC1-6アルキル基、アミノスルフォニルC1-6アルキル基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を示す。
【0090】
前記C1-6アルキル基、前記C2-6アルケニル基、及び前記C2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N、O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基、前記ヘテロシクロアルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロアリール基は別の1~2のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよい。
【0091】
R32は、水素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、飽和又は不飽和の3-8員環のシクロアルキル基、アシル基、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリールC1-6アルキル基、アリールC2-6アルケニル基、ヘテロアリールC2-6アルケニル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸アミド基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボニルC1-6アルキル基、アリールカルボニル基又はヘテロアリールカルボニル基、飽和又は不飽和のC4-8シクロアルキルカルボニル基を示す。
【0092】
R33における、前記シクロアルキル基、前記アリール基及び前記ヘテロアリール基は、別の1-2個のシクロアルキル基又はアリール基又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、R33における、前記C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基中の炭素-炭素結合は、N,O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記シクロアルキル基中の炭素原子は、N,O及びSからなる群より選択される1乃至3個のヘテロ原子で置換されていてもよい。
【0093】
これらの置換基は、1つのみ含まれてもよく、複数含まれてもよく、複数含まれる場合は互いに同一でも異なっていてもよい。また、これら置換基は上で例示した置換基を有していてもよく、さらに、これらの置換基同士が単結合、置換若しくは無置換のメチレン基、酸素原子又は硫黄原子を介して互いに結合して環を形成していてもよい。
【0094】
化合物(II)は、R21が水素原子、C1-6アルキル基又はハロゲン原子であり、R22が水素原子であり、下記式(IIa)で表される化合物であってよい。
【0095】
【0096】
式(IIa)中、R24は水素原子、C1-6アルキル基又はハロゲン原子を示す。R25は、上記R25として例示した置換基であってよい。R25は、例えば、C1-6アルキル基であってよく、メチル基であってもよい。
【0097】
本発明の効果がより一層顕著に奏される観点から、化合物(II)は、下記式(2)で表される化合物であってよい。
【化14】
【0098】
〔化合物の塩〕
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の塩としては、例えば、有機酸との塩、無機酸との塩、有機塩基との塩、無機塩基との塩が挙げられる。
【0099】
有機酸との塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等が挙げられる。無機酸との塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等が挙げられる。有機塩基との塩としては、例えば、トリエタノールアミンとの塩等が挙げられる。無機塩基との塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
【0100】
〔化合物又はその塩の製造方法〕
化合物(I)又はその塩は、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物又はその塩(前駆体化合物(IV))と、[11C]ヨウ化メチルとを、塩基(例えば、水素化ナトリウム)存在下で反応させることによって得ることができる。[11C]ヨウ化メチルは、例えば、サイクロトロンから回収した[11C]二酸化炭素を気相法にて変換することによって得ることができる。
【0101】
【0102】
式(IV)中、R11及びR12は、式(I)におけるR11及びR12と同意義を示す。
【0103】
化合物(I)又はその塩は、具体的には、前駆体化合物(IV)及び塩基を含む溶媒(例えばテトラヒドロフラン)に、[11C]ヨウ化メチルを混合することによって得ることができる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸銀、水酸化カリウムが挙げられる。前駆体化合物(IV)と[11C]ヨウ化メチルとの反応後、必要に応じて反応生成物である化合物(I)の精製、溶媒の除去等を実施してもよい。精製は、例えば、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行うことができる。具体的な反応条件は、例えば後述する実施例に記載条件であってよい。
【0104】
前駆体化合物(IV)又はその塩は、市販品を利用してもよく、通常の方法を用いて合成して得たものを利用してもよい。
【0105】
化合物(II)又はその塩は、例えば、下記一般式(V)で表される化合物又はその塩(前駆体化合物(V))と、[11C]ヨウ化メチルとを、塩基(例えば、水素化ナトリウム)存在下で反応させることによって得ることができる。
【0106】
【0107】
式(V)中、R21、R22及びR23は、式(II)におけるR21、R22及びR23と同意義を示す。前駆体化合物(V)は、下記一般式(Va)で表される化合物であってよい。
【0108】
【0109】
式(Va)中、R
24及びR
25は、式(IIa)におけるR
24及びR
25と同意義を示す。前駆体化合物(V)は、下記式(Vb)で表される化合物であってよい。
【化18】
【0110】
化合物(II)又はその塩は、具体的には、前駆体化合物(V)及び塩基を含む溶媒(例えばジメチルホルムアミド)に、[11C]ヨウ化メチルを混合することによって得ることができる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウムが挙げられる。前駆体化合物(V)と[11C]ヨウ化メチルとの反応後、必要に応じて反応生成物である化合物(II)の精製、溶媒の除去等を実施してもよい。精製は、例えば、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行うことができる。具体的な反応条件は、例えば後述する実施例に記載条件であってよい。
【0111】
前駆体化合物(V)又はその塩は、例えば、WO2002/102799号に記載の方法によって得られる下記一般式(VI)で表される化合物から得ることができる。反応条件として、通常の条件を適用することができる。反応条件としては、例えば、ヒドロキシルアミンもしくは塩酸ヒドロキシルアミンを用いたオキシム交換反応や、三臭化ホウ素を用いた脱メチル化反応が挙げられる。
【化19】
【0112】
式(VI)中、R21、R22及びR23は、式(V)におけるR21、R22及びR23と同意義を示す。
【0113】
〔中枢オキシトシン受容体イメージング剤/中枢オキシトシン受容体イメージング方法〕
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩は、中枢オキシトシン受容体のイメージング用途に好適に使用することができる。すなわち、本発明の一実施形態として、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する中枢オキシトシン受容体イメージング剤が提供される。
【0114】
中枢オキシトシン受容体とは、脳の様々な部位に分布するオキシトシン受容体を意味する。
【0115】
本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤の具体的態様としては、PETプローブであってよい。
【0116】
本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤は、例えば、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩を生理食塩水等に溶解することによって製造することができる。この場合、本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤は、溶液として提供される。
【0117】
本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤を使用した中枢オキシトシン受容体のイメージング方法は、例えば、本発明に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤をそれを必要とする対象に投与する工程と、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩を検出する工程と、を含む。当該イメージング方法は、更に、生体内の関心部位における、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩の集積量を定量解析する工程を含んでいてもよい。
【0118】
対象としては、例えば、ヒト、サル、マウス及びラットが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0119】
中枢オキシトシン受容体イメージング剤を対象に投与する方法は、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩が生体内の関心部位に到達する限りにおいて特に制限されないが、通常、静脈内投与である。
【0120】
生体内の関心部位は、中枢オキシトシン受容体をイメージングしたい部位を任意に設定することができる。生体内の関心部位として、例えば、視床、嗅球、扁桃体、視床下部、小脳、マイネルト基底核が挙げられる。
【0121】
中枢オキシトシン受容体イメージング剤の投与量としては、生体内の関心部位において、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩を検出するのに充分な投与量であれば特に制限されず、投与する対象、及び一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩を検出する方法に応じて適宜設定すればよい。例えば、ポジトロン断層法(PET)に用いられる装置で検出する場合、使用するPETカメラの感度と対象個体の体積に依存するが、投与量は例えば、後述する実施例に記載の条件であってよい。
【0122】
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩の集積量を測定する方法は、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩の具体的構造に応じて、適宜選択することができる。一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩は、例えば、PET法によって検出することが可能である。PET法における測定方法は特に制限されず、公知の方法に準じて実施することができる。測定方法は、特に制限されないが、例えば、中枢オキシトシン受容体イメージング剤の投与直後から30分間、又は60分間のダイナミックスキャンを行うことによって測定することができる。
【0123】
生体内の関心部位における、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩の集積量を定量解析する方法としては、特に制限されず、公知の方法に準じて実施することができる。
【0124】
中枢オキシトシン受容体は、社会行動に関与していると考えられている。本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤によれば、中枢オキシトシン受容体のイメージングが可能であるため、例えば、中枢オキシトシン受容体が社会行動(社会性)に与える影響を評価する方法に用いることができる。
【0125】
本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤によれば、例えば、薬剤(オキシトシン製剤等)による中枢オキシトシン受容体の受容体占有率を測定することができる。測定した受容体占有率は、治療方針の決定等に利用することができる。
【0126】
本実施形態に係る中枢オキシトシンイメージング剤によれば、中枢オキシトシン受容体に関連する疾患に罹患した対象(対象患者等)を判別することができる。中枢オキシトシン受容体に関連する疾患としては、例えば、自閉スペクトラム症(ASD)が挙げられる。ASDの治療として、オキシトシン製剤の経鼻投与が行われる場合があり、脳内に存在するオキシトシン受容体のイメージングによれば、ASDの診断等が可能になると考えられる。すなわち、本実施形態に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤は、中枢オキシトシン受容体のイメージングが可能であるため、ASDの診断に用い得るものである。
【0127】
上述した本発明に係る中枢オキシトシン受容体イメージング剤及び中枢オキシトシン受容体イメージング方法は、中枢オキシトシン受容体のイメージングに使用するための一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩と捉えることもでき、また中枢オキシトシン受容体イメージング剤の製造における一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物又はその塩の使用と捉えることもできる。
【実施例0128】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0129】
WO2007/017752号に記載の下記構造の化合物(CAS 925703-75-9、以下「comp1」ともいう。)を受託合成により準備した。
【化20】
【0130】
WO2002/102799号に記載の下記構造の化合物(CAS 47908-38-1、以下、「comp2」ともいう。)を受託合成により準備した。
【化21】
【0131】
comp1及びcomp2のヒトオキシトシン受容体(OXTR)、ヒトバソプレシン受容体(V1A、V1B、V2)に対する結合親和性を、In vitroで競合阻害試験により評価した。OXTRに対する結合親和性は、ヒトリコンビナントオキシトシン受容体に対するOrnithine Vasotocin Analog,[125I]Tyr9-NH2-(125I-OVTA)の結合阻害試験により測定した。V1A、V1B、V2に対する結合親和性は、ヒトリコンビナントV1A,V1B,V2受容体に対するVasopressin,8-L-Arginine,[Phenylalanyl-3,4,5-3H(N)]-の結合阻害試験により測定した。結合親和性の測定結果(Ki値(nM))を表1に示す。
【0132】
【0133】
comp1は、comp2に比べて、OXTRに対する高選択性を有していた。comp2は、comp1と比べて、OXTRに対してより高い親和性を有していた。
【0134】
<前駆体の準備>
上記式(1)で表される化合物(以下、「[
11C]comp1」ともいう。)の前駆体として、式(A1)で表される化合物(標識前駆体A1)を用意した。
【化22】
【0135】
標識前駆体A1の物性データを以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.92(d,J=1.4Hz,1H),8.15(d,J=1.4Hz,1H),7.44-7.35(m,2H),7.20-7.07(m,2H),6.90(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),6.68(dd,J=9.4,0.9Hz,1H),2.41(s,3H),2.33(s,3H),2.07(s,3H),1.28-1.14(m,1H).MS(m/z,MH+)C20H18N6O2 374.15,found 375.1
【0136】
上記式(2)で表される化合物(以下、「[
11C]comp2」ともいう。)の前駆体として式(B1)で表される化合物(標識前駆体B1)を用意した。
【化23】
【0137】
標識前駆体B1の物性データを以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.62(bs,2H),7.40(bs,2H),7.33-7.16(m,4H),6.05 b(s, 1H),4.57(d,J=38.4Hz,2H),3.32-2.90(m,2H),2.41(s,3H),2.27(s,3H).MS(m/z,MH+) C21H20N4O3:376.15,found 377.1
【0138】
標識前駆体A1及びB1は、KeyOrganics(Camelford,UK)から受託合成により入手した。標識前駆体A1は、Aurora Fine Chemicalsから入手することもできる。
【0139】
<標識合成>
サイクロトロンから回収した[11C]二酸化炭素を気相法にて[11C]ヨウ化メチルへと変換した。
【0140】
([11C]comp1の合成)
水素化ナトリウムのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(0.6mg/6μL)を添加した標識前駆体A1のDMF溶液(0.5mg/300μL)に、室温にて気相法により合成した[11C]ヨウ化メチルをバブリングにより捕集し、90℃で3分間加熱した。室温まで放冷後、逆相HPLCにより精製した。[11C]comp1を含む画分の溶媒を減圧留去し、生理食塩水に溶解することで、[11C]comp1(2-(2,3-dimethylphenoxy)-5-(4-(6-[11C]methoxypyridin-3-yl)-5-methyl-4H-1,2,4-triazol-3-yl)pyrazine)の生理食塩水溶液を得た。収量は、約300MBq(合成終了時)、放射化学的純度は、99%以上、比放射能は、126.0GBq/μmol(n=1)(合成終了時)であった。
【0141】
([11C]comp2の合成)
水素化ナトリウムのDMF溶液(1.2mg/12μL)を添加した標識前駆体B1のテトラヒドロフラン(THF)溶液(0.5mg/300μL)に、室温にて気相法により合成した[11C]ヨウ化メチルをバブリングにより捕集し、70℃で5分間加熱した。室温まで放冷後、逆相HPLCにより精製した。[11C]comp2を含む画分の溶媒を減圧留去し、生理食塩水に溶解することで、[11C]comp2((S,EZ)-(4-([11C]methoxyimino)-2-(3-methyl-1,2,4-oxadiazol-5-yl)pyrrolidin-1-yl)(2'-methyl-[1,1'-biphenyl]-4-yl)methanone)の生理食塩水溶液を得た。収量は351MBq(合成終了時)、放射化学的純度は99%以上(EZ体混合物として)、比放射能は81.4GBq/μmol(n=1)(合成終了時)であった。
【0142】
<評価>
10~11週齢の雄性および雌性SDラットに、抱水クロラール麻酔下、尾静脈より[
11C]comp1又は[
11C]comp2を投与し、投与直後より60分間PET撮像を行った。脳内各部位に関心領域を設定し、放射能濃度を定量した。[
11C]comp1の評価結果を
図1に示す。[
11C]comp2の評価結果を
図2に示す。[
11C]comp1又は[
11C]comp2は、ラットに対して、37MBq/kg程度を0.5mLの溶液として投与した。
【0143】
図1~2中、「ctx」は大脳皮質、「str」は線条体、「cer」は小脳、「hip」は海馬、「tha」は視床、「hyp」は視床下部を表す。
【0144】
図1~2のとおり、いずれの化合物も投与後速やかに脳に取り込まれ、その後排出された。脳への移行性および滞留性は[
11C]comp2の方が良好であった。
【0145】
8週齢の雌性SDラットの卵巣を摘出し、摘出翌日より8日間100μg/kg/dayの投与量で、estradiol benzoate(以下、単に「EB」ともいう。)を皮下注射した。最後のEB投与24時間後に、抱水クロラール麻酔下、尾静脈より[
11C]comp1もしくは[
11C]comp2を投与し、投与直後より30分間PET撮像を行った。[
11C]comp2に対しては、過剰の非放射性comp2(1mg/kg)を[
11C]comp2と同時し、同様にPET撮像することで、blocking実験を行った。PET撮像後、左心室より生理食塩水にて全身灌流した後に脳を摘出し、4%パラホルムアルデヒドで一晩固定後、パラフィン切片を作製した。抗オキシトシン受容体抗体を用いた蛍光免疫組織学染色により、脳内のオキシトシン受容体発現分布を評価した。評価結果を
図3に示す。また、最後のEB投与24時間後に、抱水クロラール麻酔下、尾静脈より[
11C]comp2を投与し、投与5分後に脳を摘出して、脳内各部位における放射能濃度をガンマカウンターを用いて定量した。ガンマカウンターを用いた定量結果を
図4に示す。対照にはEBの代わりに、基剤であるごま油のみを投与したラットを用いた。
図4中の「EB-wo」は、EB投与した場合の定量結果を示し、「CON-wo」は、EB非投与(ごま油投与)の場合の定量結果を示す。
【0146】
図3に示すとおり、いずれの化合物もEB投与によりOXTR発現が亢進したラットの脳に高く取り込まれた。[
11C]comp2の脳集積は過剰の非放射性comp2の同時投与により阻害され、[
11C]comp2の脳集積の特異性が示された。
【0147】
イソフルラン麻酔下、雄性カニクイザル(8.54kg)の伏在静脈より、[
11C]comp2を投与し、投与直後から60分間頭部PET撮像を施行した。視床(tha)および小脳(cer)に関心領域を設定し、放射能濃度を経時的に評価した。評価結果を
図5及び
図6に示す。[
11C]comp2は、サルに対して20MBq/kg程度を2~3mLの溶液として投与した。
【0148】
図5~6に示すとおり、ヒトでオキシトシン受容体の発現が報告されている視床に[
11C]comp2の集積が認められた。[
11C]comp2を用いたPET法により脳内オキシトシン受容体分布を評価可能である可能性が示された。