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特開2022-42302自動移載保管庫、及びそれを備えた無人配送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042302
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】自動移載保管庫、及びそれを備えた無人配送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/14 20060101AFI20220307BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220307BHJP
   B65G 67/04 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
B65G1/14 K
B65G61/00 550
B65G67/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147670
(22)【出願日】2020-09-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名 沼津工場の工場見学 開催場所 IHI運搬機械株式会社 沼津工場(静岡県沼津市原2440) 開催日 令和元年10月4日,令和元年10月10日,令和元年10月25日,令和元年10月29日,令和元年11月1日,令和元年12月3日,令和元年12月13日,令和元年12月16日,令和元年12月18日,令和2年2月6日 集会名 第1回サービスロボット開発技術展、第1回産業用ロボット開発技術展、第1回ロボットITソリューション展、第1回次世代モビリティ開発技術展 開催場所 パシフィコ横浜 展示ホール(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1) 開催日 令和元年10月17日~令和元年10月18日 集会名 令和元年度第5回ITACフォーラム―ドローン技術の最前線とその応用展開フォーラム― 開催場所 大阪市浪速区湊町1丁目4番1号OCATビル4階 大阪市立難波市民学習センター第2研究室 開催日 令和元年10月30日 掲載年月日 令和元年10月30日 掲載アドレス https://www.youtube.com/watch?v=CdKuy76rXFg&feature=share 取材をした者 株式会社 日本経済新聞社 取材場所 IHI運搬機械株式会社 本社(東京都中央区明石町8番1号) 取材日 令和元年11月8日 集会名 実務と研究の連携のための研究会シンポジウム「ウォーカブルでスマートなまちづくり」 開催場所 宇都宮大学 陽東キャンパスアカデミアホール(栃木県宇都宮市陽東7-1-2) 開催日 令和元年11月15日 取材をした者 株式会社東洋経済新報社の東洋経済企画広告制作チーム 取材場所 IHI運搬機械株式会社 本社(東京都中央区明石町8番1号) 取材日 令和元年12月12日 発行者名 東洋経済新報社 刊行物名 週刊東洋経済 巻数 第6902号 発売年月日 令和2年1月27日 発行年月日 令和2年2月1日 掲載年月日 令和2年1月27日 掲載アドレス https://str.toyokeizai.net/magazine/toyo/20200127/#FromJournalist https://www.amazon.co.jp/s?k=4910201310203&rh=n%3A2275256051&_mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼我 隆之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 克之
(72)【発明者】
【氏名】小野 右季
(72)【発明者】
【氏名】巽 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂野 瑛彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々 直人
(72)【発明者】
【氏名】曾我 友貴
【テーマコード(参考)】
3F022
3F076
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022BB02
3F022BB04
3F022FF01
3F022FF10
3F022KK03
3F022KK16
3F022LL07
3F022MM08
3F076AA01
3F076BA01
3F076CA01
3F076CA05
3F076CA07
3F076CA10
3F076DA05
3F076DA07
3F076DB11
3F076EA08
3F076FA01
(57)【要約】
【課題】外部にある移載先へ自動で荷物を移載できる自動移載保管庫、及びそれを備えた無人配送システムを提供する。
【解決手段】四方を囲む外壁1と、外壁1に囲まれた内部空間11に設けられ荷物9を保管する庫内保管装置2と、庫内保管装置2から搬出した荷物9を載せて搬送する搬送装置4と、外壁1に開閉可能に設けられ荷物9を載せた搬送装置4の外端部4aが通過可能な搬出口3と、を備える。搬送装置4は、搬出口3が閉じているときに、搬出口3の内側に収納され、搬出口3が開いたときに、外端部4aが、搬出口3の内側から突出して外壁1の外部Mにある荷物9を受け取る移載先の上に至るまで伸び、荷物9をその移載先に搬送する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四方を囲む外壁と、
前記外壁に囲まれた内部空間に設けられ荷物を保管する庫内保管装置と、
前記内部空間に設けられ前記庫内保管装置から搬出した前記荷物を載せて搬送する伸縮可能な搬送装置と、
前記外壁に開閉可能に設けられ前記荷物を載せた前記搬送装置の外端部が通過可能な搬出口と、を備え、
前記搬送装置は、前記搬出口が閉じているときに、該搬出口の内側に収納され、
前記搬出口が開いたときに、前記外端部が、該搬出口の内側から突出し、前記外壁の外部にある前記荷物を受け取る移載先の上に至るまで伸び該荷物を該移載先に搬送する、自動移載保管庫。
【請求項2】
前記搬送装置の前記外端部を昇降する外端部昇降装置と、
前記外端部昇降装置と前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記移載先の高さに前記搬送装置の前記外端部の高さを合わせる、請求項1に記載の自動移載保管庫。
【請求項3】
ドローンが解放した前記荷物を、自動的に取り込み、前記庫内保管装置に該荷物を自動的に保管するドローンポートシステムである、請求項1又は2に記載の自動移載保管庫。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の自動移載保管庫と、
前記搬出口前の停車位置から配送先へ自動運転する無人配送車と、を備え、
前記無人配送車は、車体の側面に設けられ自動で開閉する開閉ドアと、前記荷物を車内で格納する車内格納スペースと、を有し、
前記移載先は、前記車内格納スペースであり、
前記搬出口は、前記開閉ドアと共に開閉し、
前記搬送装置は、前記開閉ドアの開口を通って前記外端部が前記車内格納スペースの床面の上に至るまで伸びる、無人配送システム。
【請求項5】
請求項2に記載の自動移載保管庫と、
前記搬出口前の停車位置から配送先へ自動運転する無人配送車と、を備え、
前記無人配送車は、車体の側面に設けられ自動で開閉する開閉ドアと、前記荷物を車内で格納する車内格納スペースと、を有し、
前記移載先は、前記車内格納スペースであり、
前記車内格納スペースは、前記移載先の床面の高さが異なる複数の棚を有し、
前記制御装置は、移載時の前記搬送装置の高さを変えることにより複数の前記荷物をそれぞれ異なる前記棚に格納する、無人配送システム。
【請求項6】
前記荷物を運搬し該荷物を前記自動移載保管庫に受け渡すドローンを備え、
前記自動移載保管庫は、前記ドローンが解放した前記荷物を、自動的に取り込み、該荷物を前記庫内保管装置に自動的に保管するドローンポートシステムである、請求項4又は5に記載の無人配送システム。
【請求項7】
前記車内格納スペースは、前記無人配送車の外部から隔絶されており、
前記停車位置は、前記無人配送車の前記側面と前記自動移載保管庫の前記外壁との間の隙間に人の体の一部が入り込めない程前記無人配送車が前記自動移載保管庫に近接する位置、又は前記隙間に前記荷物を通せない程前記無人配送車が前記自動移載保管庫に近接する位置であり、
前記搬出口と前記開閉ドアは、前記無人配送車が前記停車位置にあるときに、開く、請求項4~6のうちのいずれか一項に記載の無人配送システム。
【請求項8】
前記車内格納スペースは、前記床面の位置が横方向に異なる複数の棚を有し、
前記無人配送車は、前記停車位置又は移載時の該無人配送車の向きを変えることにより複数の前記荷物をそれぞれ異なる前記棚に格納する、請求項4~7のうちのいずれか一項に記載の無人配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動移載保管庫、及びそれを備えた無人配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の荷物を内部に保管し、その中の特定の荷物を自動的に出納口に移送して人に受け渡す倉庫は、従来から知られている。このような倉庫は、例えば特許文献1や2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5658111号公報
【特許文献2】特開2019-189463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、特許文献1や2のような自動的に荷物を出納口へ運ぶ倉庫であっても、倉庫から取り出した荷物を配送車に詰め込む作業は、人が行わなければならなかった。
しかし、近年、テレビショッピングやインターネット通販の利用数増加に伴い、宅配便の取扱個数が年々増加している。これに伴い、宅配便等の輸送業界では、輸送トラックのドライバーの長時間労働や、ドライバーの人手不足が社会問題となっている。
【0005】
このような社会の状況に伴い、荷物の自動配達を実現可能なシステムが求められていた。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、外部にある移載先へ自動で荷物を移載できる自動移載保管庫、及びそれを備えた無人配送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、四方を囲む外壁と、
前記外壁に囲まれた内部空間に設けられ荷物を保管する庫内保管装置と、
前記内部空間に設けられ前記庫内保管装置から搬出した前記荷物を載せて搬送する伸縮可能な搬送装置と、
前記外壁に開閉可能に設けられ前記荷物を載せた前記搬送装置の外端部が通過可能な搬出口と、を備え、
前記搬送装置は、前記搬出口が閉じているときに、該搬出口の内側に収納され、
前記搬出口が開いたときに、前記外端部が、該搬出口の内側から突出し、前記外壁の外部にある前記荷物を受け取る移載先の上に至るまで伸び該荷物を該移載先に搬送する、自動移載保管庫が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、上述した自動移載保管庫と、
前記搬出口前の停車位置から配送先へ自動運転する無人配送車と、を備え、
前記無人配送車は、車体の側面に設けられ自動で開閉する開閉ドアと、前記荷物を車内で格納する車内格納スペースと、を有し、
前記移載先は、前記車内格納スペースであり、
前記搬出口は、前記開閉ドアと共に開閉し、
前記搬送装置は、前記開閉ドアの開口を通って前記外端部が前記車内格納スペースの床面の上に至るまで伸びる、無人配送システムが提供される。
【0009】
もしくは、本発明によれば、上述した自動移載保管庫と、
前記搬出口前の停車位置から配送先へ自動運転する無人配送車と、を備え、
前記無人配送車は、車体の側面に設けられ自動で開閉する開閉ドアと、前記荷物を車内で格納する車内格納スペースと、を有し、
前記移載先は、前記車内格納スペースであり、
前記車内格納スペースは、前記移載先の床面の高さが異なる複数の棚を有し、
前記制御装置は、移載時の前記搬送装置の高さを変えることにより複数の前記荷物をそれぞれ異なる前記棚に格納する、無人配送システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
上述した本発明によれば、伸縮可能な搬送装置を備え、搬出口が閉じているときに、搬送装置の外端部を搬出口の内側に収納し、搬出口が開いたときに、外端部を搬出口の内側から突出して外壁の外部まで伸ばす。これにより自動移載保管庫は、荷物を、外壁の外部にある移載先の床面の上に、直接搬送することができる。それにより自動移載保管庫は、待機時に、荷物を外部から隔離して保護しつつ、移載時には自動移載保管庫から移載先(移載相手)の床面上へ直接荷物を搬送することができる。
したがって、自動移載保管庫が無人であっても、自動移載保管庫に保管された荷物を、自動移載保管庫から移載先へ自動的に移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態による無人配送システムの正面図である。
図2】第1実施形態のドローンポートシステムの説明図である。
図3】第1実施形態のドローンポートシステムの内部構造を示す正面矢視図である。
図4図3のE-E矢視図である。
図5】第1実施形態の搬送装置である伸縮コンベア装置の正面図である。
図6】第1実施形態の搬送装置である伸縮コンベア装置の右側面図である。
図7】無人配送車の説明図である。
図8】待機状態とドローンの着陸時の無人配送システムの動作の説明図である。
図9】ドローンからドローンポートシステムへ荷物を移載するときの無人配送システムの動作を示す部分断面図である。
図10】第1実施形態のドローンポートシステムから無人配送車へ荷物を移載するときの無人配送システムの動作を示す部分断面図である。
図11】第1実施形態のドローンポートシステムから無人配送車へ荷物を移載するときの無人配送システムの動作を示す部分断面図である。
図12】第2実施形態の自動移載保管庫(ドローンポートシステム)の内部構造を示す右側面矢視図である。
図13】第2実施形態の搬送装置の荷物挟み装置の説明図である。
図14】第2実施形態の自動移載保管庫から無人配送車へ荷物を移載するときの無人配送システムの動作を示す部分断面図である。
図15】第2実施形態の自動移載保管庫から無人配送車へ荷物を移載するときの無人配送システムの動作を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の無人配送システム100の正面図である。
この図において、無人配送システム100は、飛行しながら荷物9を運搬するドローン30と、その荷物9を保管する自動移載保管庫10と、自動運転可能な無人配送車20と、を備える。
【0014】
(ドローン30)
ドローン30は、荷物9を搭載しながら飛行可能に構成されている。ドローン30は、自動移載保管庫10又は遠隔にある図示しないホストコンピューターと通信しながら、無人で自動的に自動移載保管庫10に着陸する。着陸したドローン30は、運搬した荷物9を自動移載保管庫10に自動的に受け渡せるように構成されている。例えば、ドローン30は、荷物9を飛行中に把持し適切なタイミングで放すアーム30aを有していてもよい。
【0015】
(自動移載保管庫10)
この図における自動移載保管庫10は、ドローン30が解放した荷物9を、自動的に取り込み、自動移載保管庫10の外壁1に囲まれた内部空間11で荷物9を自動的に保管するドローンポートシステムであってもよい。しかしそれに限らず、自動移載保管庫10は、例えば、荷物9の配達経由地や集積場所に設けられた倉庫であってもよい。
以下に、自動移載保管庫10がドローンポートシステムである場合を例として本実施形態を説明する。
【0016】
図2は、第1実施形態のドローンポートシステム10の(A)正面図、(B)上面図、(C)左側面図である。
この図においてドローンポートシステム10(自動移載保管庫10)は、四方を取り囲む外壁1と、荷物9が通過可能な搬出口3と、後述する制御装置6と、自動移載保管庫10の上面中央に設けられドローン30が通過可能な開口12を備える。開口12は、矩形であってもよく、その他の形状であってもよい。ドローンポートシステム10の外形寸法は、例えば幅2m、奥行き2m、高さ2.3mである。
【0017】
搬出口3は、ドローンポートシステム10の側面(この例で正面)の外壁1に設けられている。搬出口3は、図7で後述する無人配送車20の車内格納スペース24に対向する高さの位置に設けられており、開閉扉3aによって開閉される。搬出口3の大きさは、例えば幅760mm、高さ570mmである。
【0018】
図3は、第1実施形態のドローンポートシステム10の内部構造を示す正面矢視図である。
ドローンポートシステム10の閉鎖時には、長方形の複数のルーフ板13が開口12を水平に塞ぐ。そして開口12の開口時には、ルーフ板13が複数のエンドレスチェーン14に牽引されて、ガイドプレート16に沿ってこの図の左右に移動する。開口12の全開時には、複数のルーフ板13がドローンポートシステム10の内壁15に沿って鉛直に位置するようになっている。
なお、ドローンポートシステム10の開口12を開閉する構成は、これに限らず、既知の構成であってもよい。
【0019】
ドローンポートシステム10の内部空間11には、ライディングユニット17が設けられている。ライディングユニット17は、ドローン30が着陸可能な着陸台17aと、着陸台17aを昇降する着陸台昇降装置17cと、ドローン30の着陸位置を修正する位置決め装置17dを有する。また、着陸台17aの中央には、ドローン30が搬送した荷物9を上下方向に通す大きさの開閉可能な荷物受取用開口17bが設けられている。荷物受取用開口17bには、荷物受取用開口17bを開閉する開閉床板17eが設けられている。開閉床板17eは、この図に示すように、下方へ向けて観音開きする扉であってもよく、着陸台17aの下面に沿ってスライドする板であってもよい。ライディングユニット17の着陸台17aは、着陸台昇降装置17cによって、ドローンポートシステム10の上面高さH1と、ドローン30を荷物9と共に内部空間11に格納できる格納高さH2との間で昇降する。
【0020】
またドローンポートシステム10(自動移載保管庫10)は、その内部空間11に、庫内保管装置2、搬送装置4、外端部昇降装置8、制御装置6、及び外部Mと通信する保管庫用通信装置7を備える。
【0021】
外端部昇降装置8は、搬送装置4の外端部4aの位置を昇降する装置であり、本実施形態の場合は、コンベア昇降装置5が外端部昇降装置8に該当する。本実施形態の搬送装置4は、荷物9の搬送距離を伸縮可能な伸縮コンベア装置41である。コンベア昇降装置5は、例えば伸縮コンベア装置41を側面形状が略L字型の台5aに載せて昇降させるものであってもよい。コンベア昇降装置5は、例えばボールねじ又はラック・アンド・ピニオンを電動機と減速機で回転駆動して取付盤を直線ガイドに沿って昇降させる電動リフタであり、取付盤に固定された連結金具を介して、搬送装置4を図示しないリニアガイドに沿って昇降させるようになっていてもよい。しかし、それに限らず、直動シリンダーで搬送装置4を昇降させてもよい。
【0022】
制御装置6は、庫内保管装置2、コンベア昇降装置5、搬送装置4、開閉床板17e、搬出口3、図示しないルーフ板13の駆動装置、ライディングユニット17の着陸台昇降装置17c、位置決め装置17d、等の自動移載保管庫10が備える装置の動作を制御する。以下の説明におけるコンベア昇降装置5の昇降と搬送装置4の伸縮又は駆動は、制御装置6の制御によるものである。
【0023】
搬送装置4は、荷物受取用開口17bの下に位置し、図3の紙面に垂直な方向に荷物9を搬送する装置である。本実施形態の搬送装置4は、ベルト41cをこの図の紙面に垂直な方向に延ばし、荷物9の搬送距離を伸縮可能な伸縮コンベア装置41である。
【0024】
搬送装置4を間に挟んだ搬出口3の反対側(図3における搬送装置4の奥側)には、庫内保管装置2が設けられている。
この構成により、庫内保管装置2と整合する高さ、及び搬出口3と整合する高さに搬送装置4を位置決めすることができる。
【0025】
なお、着陸台17aから荷物9を下ろす方法は、これに限らない。例えば、荷物受取用開口17bを水平の床面が塞いでおり、ドローン30がこの床面の上に荷物9を解放し、その床面が水平を維持したまま昇降することによって荷物9を下ろしてもよい。この場合、この床面が荷物9を載せたまま後述する搬送装置4まで下降し、次いで床面を傾けて荷物9を搬送装置上へ滑らせ移動させる構成であってもよい。
【0026】
庫内保管装置2は、荷物9を保管する保管スペースである。庫内保管装置2は、例えば、図3における左右方向の両端部に配置され、荷物9をこの左右方向に搬送するコンベア2aと、そのコンベア2aの間に配置され、水平な直角方向に荷物9を搬送する図示しない直角方向転換機2bを備えるものであってもよい。この場合、搬送装置4で図3の紙面に垂直な方向に搬送された荷物9は、直角方向転換機2bと庫内保管装置2のコンベア2aの駆動によって図3の左右方向に搬送方向を変え、コンベア2aの上で停止する。このまま荷物9は、破線で記載した荷物9のように、庫内保管装置2のコンベア2aの上で保管される。このように庫内保管装置2は、搬送装置4を介して荷物9を搬出口3の反対側内側に保管するようになっている。
【0027】
例えば、庫内保管装置2は、左右のコンベア2aの上に一つずつ、合計2つの荷物9を保管することができるように構成されていてもよい。もしくは、例えばこの図のように、左右のコンベア2aの間に直角方向転換機2bを挟む横行ユニットを上下に複数段設けてもよい。この図の庫内保管装置2の場合、上段の横行ユニットに大きな荷物9(高さ方向の厚みが厚い荷物9)を保管し、下段の横行ユニットには、小さな荷物9や厚みが薄い荷物9を保管できるようになっている。
これにより、各横行ユニットの高さに合わせて搬送装置4の高さをコンベア昇降装置5で変えることで、2つより多い荷物9を庫内保管装置2で保管することができる。
【0028】
なお、これに限らず、庫内保管装置2の構成は、例えば特許文献1や2に開示された格納ケージや自動倉庫であってもよく、その他の形状の棚や格納庫であってもよい。
【0029】
この構成により、ドローンポートシステム10は、ドローン30から自動的に荷物9を受け取り、その荷物9を自動的に庫内保管装置2へ移動させ、保管することができる。
【0030】
図4は、図3のE-E矢視図である。図4は、ドローンポートシステム10の内部構造を示す右側面図である。
この図に示すように、搬送装置4は、正面の外壁1に設けられた搬出口3から、内部空間11の背面側に設けられた庫内保管装置2へ向けて水平に延びている。これにより搬送装置4は、庫内保管装置2から搬出した荷物9を載せてベルト41cを回転させることで、搬出口3へ向けて荷物9を搬送することができる。
【0031】
搬出口3は、搬送装置4に載せた荷物9ごと、搬送装置4の外端部4aが通過可能な大きさを有する。搬出口3には、搬出口3を開閉する開閉扉3aが設けられている。この図の例では、開閉扉3aを昇降させて、搬出口3を開閉する。しかしそれに限らず、開閉扉3aは、横行して搬出口3を開閉するものであってもよい。開閉扉3aの開閉は、制御装置6によって制御される。
【0032】
図5は、第1実施形態の搬送装置4である伸縮コンベア装置41の正面図である。伸縮コンベア装置41は、位置が固定された本体41kと、本体41kに対してベルト41cの延びる方向(この図の紙面に垂直な方向)にスライド可能に固定された可動枠41nと、を有する。この図では、可動枠41nに固定される部材に、点状の模様を付している。
可動枠41nは本体41kにリニアガイド41mを介して固定されている。この図において可動枠41nには、ラックギア41pが設けられており、本体41kに固定されたピニオンギア41qの回転によって可動枠41nがスライドする。ピニオンギア41qは、制御装置6によって制御された伸縮駆動モータ41jによって回転する。これにより、本体41kに対して可動枠41nがスライドし、伸縮コンベア装置41が伸縮する。
【0033】
図6は、第1実施形態の搬送装置4である伸縮コンベア装置41の右側面図である。図6(A)は、伸縮コンベア装置41が伸びた状態であり、図6(B)は縮んだ状態を示している。この図の点状の模様は、可動枠41nに固定される部材を表している。
以下の説明において、可動枠41nに固定された遊動プーリを可動プーリと呼ぶ。また、可動枠41nのこの図における右側端部の上側(つまり外端部4a)に固定された可動プーリを、前端可動プーリ41dと呼び、その下にあり本体41kに固定された遊動プーリを、前端遊動プーリ41fと呼ぶ。鉛直方向における前端可動プーリ41dと前端遊動プーリ41fの間であって、この図における前端遊動プーリ41fの左側にある可動プーリは、以下の説明において、中間可動プーリ41eと呼ぶ。また、その他の遊動プーリは、単に遊動プーリ41gと呼ぶ。
【0034】
前端可動プーリ41dと中間可動プーリ41eは、可動枠41nに回転可能に固定されている。この構成により、2つの可動プーリ41d,41eは、互いの距離を一定に保ったまま、この図の左右方向に移動する。その他のプーリ41f,41g,41hは、伸縮コンベア装置41の本体41kに回転可能に固定されている。
無端状のベルト41cは、前端可動プーリ41d、中間可動プーリ41e、前端遊動プーリ41f、複数の遊動プーリ41gの順に掛け回されている。遊動プーリ41gの1つは、駆動プーリ41hとの間にチェーン又はゴムベルトが掛け回されている。駆動プーリ41hは、ベルト回転モータ41iに連結されており、その駆動によって回転する。ベルト回転モータ41iは、制御装置6によって制御されている。
【0035】
この構成によってドローンポートシステム10は、制御装置6によって自動的に伸縮コンベア装置41を伸縮させることができる。それにより伸縮コンベア装置41は、搬出口3が閉じているときに、外端部4aを搬出口3の内側に収納し、荷物9や伸縮コンベア装置41への外部Mからの接触を防ぐことができる。
また、伸縮コンベア装置41は、搬出口3が開いたときに、外端部4aを搬出口3の内側から突出し、外壁1の外部Mにある移載先の床面24aの上に至るまで伸ばし、そのままベルト41cを回転させることで、荷物9を移載先の床面24aの上へ搬送することができる。
【0036】
なお、自動移載保管庫10が、例えば、荷物9の配達経由地や集積場所に設けられた倉庫の場合も、搬送装置4、外端部昇降装置8、庫内保管装置2、制御装置6、及び搬出口3の構成と動作は、上述したドローンポートシステム10と同様である。また、移載先は、搬送装置4から荷物9を直接受け取る受け取り手のことであり、例えば、後述する無人配送車20の車内格納スペース24である。
【0037】
(無人配送車20)
図7は、無人配送車20の説明図である。図7(A)は、開閉ドア23が開いたときの無人配送車20の側面図である。
無人配送車20は、自動運転可能な車両である。無人配送車20は、例えば、ワゴン車やバンのような形状の車両であってもよく、開閉ドア23が側面に設けられ内部が密閉されたボックスをトラックの荷台に載せた箱車(バン型トラック)であってもよい。しかしそれに限らず、車内が外部Nから隔離された自動運転可能な車両であれば、無人配送車20は、どのような車両であってもよい。
【0038】
なお、この図の無人配送車20の開口25は、左側面22のみに設けられているが、これに限らない。例えば、開口25が、右側面22のみに設けられていてもよく、左右の両側面22に設けられていてもよい。開口25が無人配送車20の後方の側面22に設けられていてもよい。
例えば開口25が複数の側面22に設けられている場合、無人配送車20に複数の車内格納スペース24を設けてもよい。例えば無人配送車20の左右の両側面22に開口25が設けられている場合、複数の棚24bを有する車内格納スペース24を二つ用意し、それらを、棚24bの開口を無人配送車20の開口25に向けて背面を合わせて車内に設置してもよい。これにより、棚24bの開口の大きさが一定としたときの無人配送車20の開口25に対向できる棚24bの数を増やすことができるので、一側面22にしか開口25が無い場合よりも、無人配送車20に格納できる荷物9の数を増やすことができる。
【0039】
図7(A)に示すように、無人配送車20は、車体の側面22に設けられ自動で開閉する開閉ドア23と、車内で荷物9を格納する車内格納スペース24とを有する。また、無人配送車20は、外部Nと通信する車用通信装置26と、自己位置を検出するGPS装置27を有する。なお、このGPS装置27は、自己の位置を1cm~数cmの制度で検出することができるものであることが好ましい。
【0040】
車内格納スペース24は、例えばこの図のように、複数段の棚24bを有していてもよく、荷物9を置くスペースを一つだけ有するものであってもよい。例えば、この図の車内格納スペース24は、高さ方向に2段、横方向に2つの棚24bを有している。車内格納スペース24のこれらの床面24aは、水平に構成されている。車内格納スペース24が複数の棚24bを有する者である場合、棚24bは、開閉ドア23へ向けて開口している。この場合、車内格納スペース24の棚24bには、無人配送車20の自動制御によって又はパスワードの入力などの利用者の認証処理によって開閉可能な自動制御ドア24cが設けられていることが好ましい。
また、車内格納スペース24の荷物9を置くスペースが一つだけの場合、車内格納スペース24の床面24aは、無人配送車20の開口25から直接アクセスできる位置に設けられている。
車内格納スペース24は、その自動運転のコントロールによって閉鎖した開閉ドア23が開口25を遮断することにより、無人配送車20の外部Nから隔絶される。
【0041】
図7(B)は、荷物9の移載時の無人配送システム100の平面断面図である。
無人配送車20は、荷物9の移載時には、自動移載保管庫10の搬出口前に設定された停車位置21に停車する。停車位置21は、例えば開口25した開閉ドア23の奥にある車内格納スペース24と自動移載保管庫10の搬出口3とが対向するときの無人配送車20の位置であってもよい。無人配送車20が停車位置21で停車したか否かは、GPS装置27で検出した自己の位置情報と、ホストコンピューターから予め送信されていた停車位置21の位置情報を比較することで判断する。
【0042】
無人配送車20は、停車位置21を、無人配送車20が搭載する図示しない制御装置で算出する。例えば無人配送車20は、車用通信装置26による自動移載保管庫10の保管庫用通信装置7又は無人配送システム100のホストコンピューターとの通信で得た荷物9の大きさに関する情報と、空いている棚24bの位置情報から、停車位置21を算出してもよい。
【0043】
このとき、停車位置21は、無人配送車20の側面22と自動移載保管庫10の外壁1との間の隙間Sに人の体の一部が入り込めない程、無人配送車20が自動移載保管庫10に近接する位置であることが好ましい。または、停車位置21は、無人配送車20の側面22と自動移載保管庫10の外壁1との間の隙間Sに荷物9を通せない程、無人配送車20が自動移載保管庫10に近接する位置であることが好ましい。
【0044】
これにより、自動移載保管庫10と無人配送車20とが外部M,Nから隔絶されており、移載時には自動移載保管庫10と無人配送車20の間の隙間Sに腕などの人の体の一部を差し込めず、若しくは荷物9を隙間Sから引き出すことができない。そのため無人配送システム100は、自動移載保管庫10と無人配送車20が無人であっても、荷物9の盗難を防ぐことができ、荷物9の安全を確保することができる。
【0045】
ドローンポートシステム10と無人配送車20は、互いに通信装置7,26で通信し合い、無人配送車20が停車位置21にあるときに、搬出口3と開閉ドア23を開く。無人配送車20は、荷物9の移載後に、停車位置21から荷物9の配送先へ自動運転できる構成となっている。
【0046】
次に、第1実施形態の無人配送システム100の動作方法について説明する。
図8図11は、無人配送システム100の動作の説明図である。無人配送システム100の動作は、図8(A)から図8(D)にかけて進行する。
【0047】
図8(A)は、待機状態のドローンポートシステム10(自動移載保管庫10)の正面図である。なお、ドローンポートシステム10の内部の構造は、細線で記載している。
ドローン30や無人配送車20を待機している間、ドローンポートシステム10は、この図のように、複数のルーフ板13で開口12を塞いでいる。ルーフ板13の上面には、二次元コードが記載されている。ドローン30は、この二次元コードに誘導されてドローンポートシステム10に近づく。このとき、ドローンポートシステム10とドローン30は、通信装置7等で直接的に又は図示しないホストコンピューターを介して間接的に荷物9に関する情報等を通信する。
【0048】
図8(B)~図8(D)は、ドローン30の着陸時の無人配送システム100の動作を示す部分断面図である。
図8(B)に示すように、ドローン30がドローンポートシステム10に近づくと、ドローンポートシステム10の制御装置6は、複数のルーフ板13を内壁15まで左右にスライドさせ、開口12を全開にする。
【0049】
次いで、図8(C)のように、ライディングユニット17の着陸台17aをドローンポートシステム10の上面高さH1まで上昇させる。着陸台17aの上面にも、ドローン30を誘導する二次元コードが記載されている。ドローン30は、二次元コードに誘導されて着陸台17aの上面に着陸する。
次に、図8(D)のように、位置決め装置17dがドローン30を着陸台17aの中央まで押し、ダウンウォッシュのはね返りによって生じたドローン30の着陸位置のずれを修正する。これにより、着陸台17aへのドローン30の着陸が完了する。
【0050】
図9は、ドローン30からドローンポートシステム10へ荷物9を移載するときの無人配送システム100の動作を示す部分断面図である。無人配送システム100の動作は、図9(A)から図9(C)にかけて進行する。また、図9(D)は、図9(C)のF-F矢視図であり、図9(E)は、図9(C)のG-G矢視図である。
まずドローンポートシステム10は、図9(A)に示すように、制御装置6の制御によって着陸台17aにドローン30を載せたまま、着陸台17aを格納高さH2まで下降させ、ルーフ板13を閉じる。これによって、ドローン30をドローンポートシステム10の内部空間11に格納する。次いで、ドローン30が着陸台17aの開閉床板17eの上に荷物9を解放する。これにより、ドローン30から解放された荷物9は、開閉床板17eの上に置かれた状態になる。
またドローンポートシステム10は、制御装置6でコンベア昇降装置5を駆動させ、搬送装置4を荷物受取用開口17bの真下近くまで上昇させる。
【0051】
その後、図9(B)に示すように、ドローンポートシステム10が開閉床板17eを開いて荷物9を荷物受取用開口17bから下に落とし、荷物9を搬送装置4の上面4bで受け取る。これにより荷物受取用開口17bから落下する荷物9の損傷を防止することができる。
次いで、図9(C)、(D)に示すように、搬送装置4の上面4bが庫内保管装置2の上面高さと同じ高さになるまで、搬送装置4をコンベア昇降装置5で下降させる。ライディングユニット17とルーフ板13の図8(D)~図9(C)の動作を逆に動かして、ドローン30を離陸させてもよい。
【0052】
その後、ドローンポートシステム10は、図9(E)のように搬送装置4を駆動して、上面4bに載せた荷物9を庫内保管装置2へ水平に搬送する。この図では、庫内保管装置2に移載された荷物9は、直角方向転換機2bの駆動によって水平な直角方向に搬送方向を変え、庫内保管装置2のコンベア2aの上で保管される。
【0053】
図10図11は、第1実施形態のドローンポートシステム10から無人配送車20へ荷物9を移載するときの無人配送システム100の動作を示す部分断面図である。無人配送システム100の動作は、図10(A)から図11(C)にかけて進行する。
【0054】
図10(A)は、無人配送車20が停車位置21に停車した時点を示している。
まず、無人配送車20は、遠隔にある図示しないホストコンピューター、配送先、又は配送元から、例えばインターネット回線を介して、車用通信装置26で配達信号を受信し、指定されたドローンポートシステム10の停車位置21まで自動で走行する。無人配送車20が受信する配達信号は、例えば、荷物ID、配送先ID、停車位置21の位置情報、配送先の位置情報、配送先ID、配送予定時刻、及び各ドローンポートシステム10(自動移載保管庫10)に固有のポートID、ドローンポートシステム10から無人配送車20への移載予定時刻、等である。停車位置21の位置情報は、無人配送車20の車体の大きさや、車内でのGPS装置27の設置位置からみた移載する荷物9を格納する複数の棚24bの位置を加味して算出される。例えば、移載する荷物9を格納するのが無人配送車20の前方に位置する棚24bと、後方に位置する棚24bのいずれなのかによって、停車位置21が無人配送車20の前後に異なる。
【0055】
ドローンポートシステム10も、ホストコンピューター、配送先、又は配送元から保管庫用通信装置7で例えばインターネット回線を介して移載信号を受信する。移載信号は、例えば、荷物ID、移載予定時刻、配送先ID、及び各無人配送車20に固有の車両ID、無人配送車20の車種情報又は無人配送車20が停車位置21にあるときの車内格納スペース24の位置情報(例えば目的の荷物9を移載する車内格納スペース24の床面24aの高さ)、等であってもよい。移載信号には、荷物IDに該当する荷物9の保管場所の位置情報(庫内保管装置2の複数のコンベア2aのうち、該当する荷物9が保管されているコンベア2aの固有のID)を含んでいてもよい。もしくは、ドローンポートシステム10の制御装置6が、移載信号に含まれた荷物IDから、荷物9の保管場所の位置情報を導き出してもよい。制御装置6は、保管庫用通信装置7から受信した移載信号に含まれたこれらの情報に基づいて制御を行う。
【0056】
停車位置21に無人配送車20が停車した後、ドローンポートシステム10は、互いに通信装置7で無人配送車20と通信し、荷物IDに該当する荷物9を移載すべき車両か否かを車両IDで確認することが好ましい。
無人配送車20が目的の荷物9を移載すべき車両であることを確認できた場合、制御装置6は、図10(B)のようにコンベア昇降装置5を駆動して目的の荷物9が保管されているコンベア2aに整合するように、搬送装置4を昇降する。次いで、制御装置6は、目的の荷物9を載せた庫内保管装置2のコンベア2aと直角方向転換機2bを駆動し、荷物9を庫内保管装置2から搬送装置4へ移す。
【0057】
また、制御装置6は、通信によって無人配送車20が停車位置21に停車していることを確認したときに、無人配送車20と互いに通信しながら、搬出口3を、無人配送車20の開閉ドア23と共に開閉する。「共に開閉」というのは、搬出口3と開閉ドア23を同時に開閉する場合だけでなく、搬出口3と開閉ドア23のどちらか一方が先に開いているときに、後から他方も開く場合をも含む意味である。
また、このとき、無人配送車20は、開閉ドア23だけでなく、目的の荷物9を格納する車内格納スペース24の棚24bの自動制御ドア24cを開く。
【0058】
次に、制御装置6は、図10(C)に示すように、コンベア昇降装置5を駆動し、目的の荷物9を移載する車内格納スペース24の床面24aの高さに合わせて、搬送装置4を昇降する。このとき、搬送装置4の高さは、その外端部4aが車内格納スペース24の床面24aよりわずかに上方にあって、床面24aに接しない高さであることが好ましい。
搬送装置4の高さは、移載信号が含む目的の荷物9を移載する車内格納スペース24の床面24aの高さに基づいて決められることが好ましい。しかし、それに限らず、床面24aまでの距離を測定する測距センサを搬送装置4の外端部4aの下面に設け、その測定値から制御装置6で搬送装置4の高さを調節してもよい。
次いで、搬送装置4は、搬出口3が開くと、その外端部4aを、開閉ドア23の開口25を通って車内格納スペース24の床面24aの上に至るまで伸ばす。
【0059】
その後、図10(D)~図11(B)に示すように、搬送装置4を駆動させ、荷物9を車内格納スペース24の床面24aの上へ搬送する。
【0060】
荷物9を車内格納スペース24に格納した後、制御装置6は、保管庫用通信装置7を介して移載完了信号を無人配送車20へ送信し、図11(C)に示すように、搬送装置4をドローンポートシステム10の内部空間11に収納し、開閉扉3aを駆動して搬出口3を閉鎖する。
ドローンポートシステム10から移載完了信号を受信した無人配送車20は、開閉ドア23と自動制御ドア24cを閉める。
これにより、ドローンポートシステム10から無人配送車20への荷物9の移載が完了する。
【0061】
例えば移載する荷物9が複数あった場合は、ドローンポートシステム10の開閉扉3aと無人配送車20の開閉ドア23を閉めた後に、図10(A)~図11(C)について上述した動作を繰り返すことが好ましい。
【0062】
格納すべき全ての荷物9を搭載した後、無人配送車20は、それぞれの荷物9の配達先へ自動運転で走行する。
【0063】
このように、本実施形態の無人配送システム100は、ドローン30の着陸から無人配送車20による配送までの一連の動作を、人の力を借りずに無人で自動的に行うことができる。その上、無人配送車20の車内格納スペース24が荷物9を格納する棚24bを複数有する場合でも、無人で指定した棚24bに指定された荷物9を格納することができる。
【0064】
しかも、格納する棚24bに応じた停車位置21の変更と、コンベア昇降装置5(外端部昇降装置8)による搬送装置4の高さの変更だけで、複数の棚24bに荷物9を振り分けることができる。その上、受け取った荷物9を各棚24bに振り分ける装置やロボットを各無人配送車20に搭載する必要もない。
【0065】
また、この無人配送システム100の構成により、無人配送車20の車種が様々であり、車内格納スペース24の床面24aの高さが無人配送車20によって異なっていたとしても、それぞれの床面24aの高さに応じて対応することができる。
【0066】
この構成により本実施形態のドローンポートシステム10は、ドローン30が運んできた荷物9を、側面22に開閉ドア23がある無人配送車20に無人で自動的に搭載することができる。その上、停車位置21や停車する際の無人配送車20の向きを変えることで、複数の荷物9を別々の棚24bに自動的に無人で格納することができる。
【0067】
例えば配送車が、荷台が上方に開口する平ボディのトラックのような車両であれば、ただ単に荷物を搭載したドローンを荷台に着陸させるだけで、ドローンから配送車へ荷物を無人で移載できるようにも思える。
しかしドローンが着地する際には、ドローンの回転翼により発生する空気の下降流(ダウンウォッシュ)が離着陸面ではね返り、ドローンの回転翼周辺は下降流と上昇流が混在する状態となる。そのため、離着陸時にはドローンの姿勢制御が困難となりやすいことから、トラックに離着陸させることができるドローンは、せいぜい1台のトラックの荷台につき1つとなってしまう。これでは、却って配送車とドローンによる輸送コストがかかり過ぎ、到底、現実に運用を実現することはできない。その上、荷台が開放されているため、荷物を外部Nから隔離して守ることもできない。
【0068】
それに対し、本実施形態の無人配送システム100は、ドローン30を自動移載保管庫10の上に自動的に離着陸させ、着陸したドローン30とドローン30が搬送した荷物9を自動的に自動移載保管庫10の内部に格納する。
上述したように、自動移載保管庫10は、開閉ドア23が側面22にある無人配送車20であっても、自動的に、車内にある車内格納スペース24に荷物9を移載することができる。これにより、ドローン30に荷物9を搭載してから、無人配送車20が配送先に荷物9を届けるまで、無人で自動的に荷物9を運搬することができる。
【0069】
なお、上述した例では、ドローン30が自動的に自動移載保管庫10に着陸し、運搬した荷物9を自動的に自動移載保管庫10へ受け渡していたが、本実施形態のドローン30の構成は、これに限らない。例えば、手動による遠隔操作によって、ドローン30を着陸させ、荷物9を解放させて自動移載保管庫10に受け渡してもよい。この場合、ドローン30が遠隔操作によってドローンポートシステム上又はドローンポートシステム内に荷物9を置いた後の無人配送システム100の動作は、自動的に行われることが好ましい。つまり、ドローン30が解放した荷物9を自動移載保管庫10に取り込む動作から、その荷物9を無人配送車20へ移載する動作までの自動移載保管庫10の全ての動作は、自動的に行われる。
この場合であっても、ドローン30の操作以外の動作は自動的に行われるため、荷物9の保管と配送を無人化することができ、人手不足問題を解消することができる。
【0070】
また、上述した実施形態では、自動移載保管庫10がドローンポートシステムである場合を例として説明したが、自動移載保管庫10は、ドローンポートシステムに限らない。例えば自動移載保管庫10は、荷物9の配達経由地や集積場所に設けられた倉庫であってもよい。その場合も、倉庫10に一時的に保管された荷物9を無人配送車20が自動的に配送するので配達経由地や集積場所から配送先までの配達を無人化することができる。
それにより、輸送トラックのドライバーの長時間労働問題やドライバーの人手不足問題を解消することができる。
【0071】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の自動移載保管庫10、及びそれを備えた無人配送システム100について説明する。
図12は、第2実施形態の自動移載保管庫10(ドローンポートシステム10)の内部構造を示す右側面矢視図である。本実施形態の自動移載保管庫10は、搬送装置4の構成が、第1実施形態のそれとは異なる。本実施形態の搬送装置4は、荷物9の搬送距離が伸縮しない非伸縮性コンベア装置43と、荷物9を挟んで伸縮して運ぶ荷物挟み装置44とを有する多段階搬送ユニット42である。多段階搬送ユニット42の制御も、制御装置6によって行われる。
【0072】
非伸縮性コンベア装置43は、第1実施形態の伸縮コンベア装置41と同じ位置に設置される。これにより、本実施形態の搬送装置4は、コンベア昇降装置5によって荷物受取用開口17bの真下近くまで非伸縮性コンベア装置43を上昇させ、そのベルト43cの上面4bで開閉床板17eから荷物9を受け取る。ベルト43cに置かれた荷物9は、この図の左右方向に荷物9を搬送される。
【0073】
荷物挟み装置44は、荷物9の移載時の非伸縮性コンベア装置43より上方に位置し、非伸縮性コンベア装置43の上昇時には非伸縮性コンベア装置43と荷物受取用開口17bの間から退避する。荷物挟み装置44は、昇降可能に設けられていることが好ましい。荷物挟み装置44は、例えばこの図のように、リンク昇降装置44aとリンク44bを介してドローンポートシステム10の内壁15に固定されていてもよい。本実施形態の外端部昇降装置8には、このリンク昇降装置44aが該当する。例えばこの図の例のリンク昇降装置44aは、内壁15に固定されたラックに沿って図示しないピニオンが回転することによって昇降できるように構成されていてもよい。
【0074】
図13は、第2実施形態の搬送装置4の荷物挟み装置44の説明図である。図13(A)は右側面図、図13(B)と図13(C)は正面図、図13(D)と図13(E)は、底面図である。また、図13(B)と図13(D)は、荷物9を把持する前の図であり、図13(C)と図13(E)は、荷物9を把持した時の図である。
【0075】
荷物挟み装置44は、荷物9の側面を把持する挟み板46と、自動移載保管庫10の内外の間で伸縮可能な伸縮装置45を有する。
伸縮装置45には、制御装置6によって制御されるアクチュエータ45aと、アクチュエータ45aによって伸縮するハンド部45bが設けられている。ハンド部45bは、例えば図のようなリンクが連結するマジックハンドであってもよく、その他の構成であってもよい。
【0076】
挟み板46は、ハンド部45bの先端に設けられた把持装置47に設けられている。
把持装置47は、本体47aにスライド可能に平行に延びる2本のラック47bと、この2本のラック47bの間に設けられたピニオン歯車47cとを有する。ピニオン歯車47cは、両方のラック47bに噛み合っている。これにより、一つのピニオン歯車47cが回転することで、ラック47bが逆方向にスライドする。
挟み板46は、ラック47bに固定されたL字型部材47dの下端に設けられており、ラック47bに直行する水平方向に延びる。
【0077】
この構成により、制御装置6の制御によるピニオン歯車47cの回転によって2枚の挟み板間の距離が変化し、挟み板46が荷物9を把持することができる。
なお、把持装置47の構成は、これに限らず、その他の構成でもよい。
【0078】
次に、第2実施形態の無人配送システム100の動作方法について説明する。
荷物9を庫内保管装置2に保管するまでの第2実施形態の無人配送システム100の動作は、非伸縮性コンベア装置43の昇降時に荷物挟み装置44が壁際へ退避する点を除き、図8図9に記載した第1実施形態の動作と同様である。第2実施形態の無人配送システム100の動作については、庫内保管装置2に保管した荷物9を無人配送車20へ移載する動作から説明する。
【0079】
図14図15は、第2実施形態の自動移載保管庫10から無人配送車20へ荷物9を移載するときの無人配送システム100の動作を示す部分断面図である。無人配送システム100の動作は、図14(A)から図15(C)にかけて進行する。
【0080】
図14(A)は、無人配送車20が停車位置21に停車した時点を示している。
本実施形態の無人配送システム100では、第1実施形態と同様に、遠隔にあるホストコンピューター、配送先、又は配送元から無人配送車20へ配達信号が送信され、自動移載保管庫10へは移載信号が送信される。配達信号を受信した無人配送車20は、指定された自動移載保管庫10の停車位置21まで自動で走行する。自動移載保管庫10は、移載信号が含む情報に基づいて、制御装置6で制御する。
【0081】
無人配送車20が荷物9を移載する目的の車両である場合、制御装置6は、荷物9を庫内保管装置2から非伸縮性コンベア装置43へ移す。そして、図14(B)のように非伸縮性コンベア装置43のベルト43cを回転させ、荷物9を、荷物挟み装置44へ引き渡せる位置(把持位置A)まで移動させる。
【0082】
このとき、荷物9の幅より広く挟み板46を開いた把持装置47を把持位置Aに待機させ、荷物9を挟み板46の間(把持位置A)へ移動させ、挟み板46の間隔を狭めることにより、荷物9を荷物挟み装置44へ移載してもよい。もしくは、荷物9を把持位置Aへベルト43cで移動させた後に、挟み板46を開いた把持装置47を荷物9の上から被せて把持することで、荷物9を荷物挟み装置44へ移載してもよい。荷物挟み装置44の移動は、リンク昇降装置44aとリンク44bにより行う。
【0083】
次いで、制御装置6は、通信によって無人配送車20が停車位置21に停車していることを確認し、無人配送車20と互いに通信しながら、搬出口3を、無人配送車20の開閉ドア23と共に開閉する。無人配送車20は、開閉ドア23だけでなく、目的の荷物9を格納する車内格納スペース24の棚24bの自動制御ドア24cを開く。
【0084】
次に、図14(C)に示すように、目的の荷物9を移載する車内格納スペース24の床面24aの高さに合わせて、荷物挟み装置44をリンク昇降装置44aで昇降する。このとき、荷物挟み装置44の高さは、挟み板46の外端部4aが車内格納スペース24の床面24aよりわずかに上方にあって、床面24aに接しない高さであることが好ましい。搬出口3が開くと、荷物挟み装置44は、図14(D)のように、挟み板46の外端部4aが開閉ドア23の開口25を通って車内格納スペース24の床面24aの上に至るまで、ハンド部45bを伸ばす。そして図15(A)のように、荷物9を車内格納スペース24の床面24aの上へ置く。
【0085】
荷物9を車内格納スペース24に格納した後は、図15(B)、図15(C)のようにハンド部45bを縮めて自動移載保管庫10の内部空間11に収納し、搬出口3を閉鎖する。また、自動移載保管庫10から無人配送車20へ移載完了信号を送信し、無人配送車20が開閉ドア23と自動制御ドア24cを閉める。
これにより、自動移載保管庫10から無人配送車20への荷物9の移載が完了する。
【0086】
これにより、伸縮コンベア装置41を使わなかったとしても、自動移載保管庫10の荷物9を無人配送車20の車内へ移載することができる。
また、本実施形態の自動移載保管庫10と無人配送システム100は、荷物挟み装置44が荷物9を挟んで伸縮することで荷物9を搬送するので、荷物9を自動移載保管庫10から搬出するだけでなく、搬入することもできる。例えば、荷物9を無人配送車20に移載した後に、配送先が受け取りをキャンセルした場合、無人配送車20から荷物9を自動移載保管庫内へ戻すことができる。この場合、荷物挟み装置44で車内格納スペース24の荷物9を挟んで非伸縮性コンベア装置43の上に戻し、庫内保管装置2へ戻す。挟み板46や把持装置47には、荷物9までの距離や荷物9の大きさを測定するカメラやセンサが設けられていてもよい。
【0087】
その他の本実施形態の無人配送システム100の構成、動作、及び効果は、第1実施形態と同様である。
【0088】
上述した本発明によれば、伸縮可能な搬送装置4を備え、搬出口3が閉じているときに、搬送装置4の外端部4aを搬出口3の内側に収納し、搬出口3が開いたときに、外端部4aを搬出口3の内側から突出して外壁1の外部Mまで伸ばして荷物9を外部Mへ搬送することができる。それにより自動移載保管庫10は、待機時に荷物9を外部Mから隔離して保管しつつ、移載時には自動移載保管庫10から無人配送車20の車内に設置された車内格納スペース24へ直接荷物9を搬送することができる。
したがって、自動移載保管庫10や無人配送車20が無人であっても、自動移載保管庫10に保管された荷物9を自動的に無人配送車20へ移載することができる。
【0089】
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0090】
例えば、上述の実施形態において、自動移載保管庫10は、荷物9が保管される内部空間11の温度を調節する図示しない温度調節装置を備えてもよい。この場合、内部空間11を区画する外壁1は、断熱材で構成されていてもよい。この温度調節装置は、広く用いられている圧縮式のものであってもよいし、他の形式のものであってもよい。温度調節装置は、冷却機能と暖房機能の一方または両方を有していてもよい。
【0091】
荷物9が、例えば生鮮食品のように冷蔵を要する物である場合には、温度調節装置は、冷却機能により自動移載保管庫10の内部空間11の温度を冷蔵に適した温度範囲内に調節する。荷物9が冷凍食品のように冷凍を要する物である場合には、温度調節装置は、冷却機能により内部空間11の温度を冷凍に適した温度範囲内に調節する。
【0092】
荷物9が無人飛行機である場合には、温度調節装置は、例えば夏場などにおいて高温になりやすい無人飛行機のバッテリーやモータを冷却するために、冷却機能により内部空間11を冷却する。これにより、無人飛行機のバッテリーやモータが夏場などに置いて高温になるのを防止でき、その結果、無人飛行機の劣化や故障を防止することができる。この場合、温度調節装置は、冷却機能により内部空間11の温度を例えば20℃以上35℃以下の範囲内又は他の適切な温度範囲内に調節してもよい。
【0093】
あるいは、温度調節装置は、寒冷地や冬場において暖房機能により自動移載保管庫10の内部空間11を例えば20℃以上に温めることにより、無人飛行機のバッテリー等の荷物9を温めてもよい。これにより、低温環境によるバッテリーの能力低下を防止することができる。
【0094】
また、自動移載保管庫10が荷物9を引き渡す相手は、無人配送車20でなく、人であってもよい。この場合は、保管庫用通信装置7又はホストコンピューターと、人が持つ通信装置(例えば、スマートフォン)との間で認証や各種の情報の通信を行うことが好ましい。
例えば、第1実施形態の自動移載保管庫10の場合、外端部4aで荷物9が止まるように伸縮コンベア装置41を制御したり、ベルト41cの回転速度を、無人配送車20に受け渡すときよりも遅くしたりすることで、人に荷物9を受け渡してもよい。
第2実施形態の自動移載保管庫10の場合は、搬出口3から出た把持装置47から直接荷物9を人に渡してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 外壁、2 庫内保管装置、2a コンベア、2b 直角方向転換機、
3 搬出口、3a 開閉扉、4 搬送装置、4a 外端部、4b 上面、
5 コンベア昇降装置、5a 台、
6 制御装置、7 保管庫用通信装置、8 外端部昇降装置、9 荷物、
10 自動移載保管庫(ドローンポートシステム)、
11 内部空間、12 開口、13 ルーフ板、
14 エンドレスチェーン、15 内壁、16 ガイドプレート、
17 ライディングユニット、17a 着陸台、
17b 荷物受取用開口、17c 着陸台昇降装置、
17d 位置決め装置、17e 開閉床板、
20 無人配送車、21 停車位置、22 側面、
23 開閉ドア、24 車内格納スペース、24a 床面、
24b 棚、24c 自動制御ドア、
25 開口、26 車用通信装置、27 GPS装置、
30 ドローン、30a アーム、
41 伸縮コンベア装置、41c ベルト、41d 前端可動プーリ、
41e 中間可動プーリ、41f 前端遊動プーリ、41h 駆動プーリ、
41i ベルト回転モータ、41j 伸縮駆動モータ、41k 本体、
41m リニアガイド、41n 可動枠、41p ラックギア、
41q ピニオンギア、
42 多段階搬送ユニット、
43 非伸縮性コンベア装置、43c ベルト、
44 荷物挟み装置、44a リンク昇降装置、44b リンク、
45 伸縮装置、45a アクチュエータ、45b ハンド部、
46 挟み板、47 把持装置、47a 本体、
47b ラック、47c ピニオン歯車、47d L字型部材、
100 無人配送システム、
H1 上面高さ、H2 格納高さ、
M 自動移載保管庫の外壁の外部、
N 無人配送車の外部、S 隙間
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