(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042307
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220307BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220307BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147680
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】村松 敏孝
(72)【発明者】
【氏名】松原 渓
(72)【発明者】
【氏名】大谷 桂介
(57)【要約】
【課題】イベントが早期終了した場合でも、付与される予定のあった報酬に関してユーザの期待感を損なわない情報処理を提供すること。
【解決手段】ゲームイベントが開催される期間内の各単位期間中に当該イベントに参加したことで付与される報酬であって、付与が行われる単位期間数の上限値とその報酬内容とが予め設定されている複数の参加報酬に関する情報をユーザに提示する。当該イベントへの参加に応じて、当該参加タイミングが属する単位期間に対応する参加報酬を当該ユーザに付与する。各ユーザのイベント参加に基づいてイベントの進行状況を更新し、終了条件を満たす場合、当該イベントの進行を終了する。そして、イベント開始から終了までにおける単位期間の到来回数が、報酬付与が行われ得る単位期間の上限値よりも少ない場合、未付与の参加報酬の少なくとも一部をユーザに付与する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理システムであって、
前記ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによる前記ゲームイベントへの参加に基づいて前記ゲームイベントの進行状況を更新する更新手段と、
前記ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの前記単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、予め所定回数分定められた、少なくとも2以上の単位期間分の報酬内容が前記進行状況に関わらず予め設定されている複数の参加報酬に関する情報を前記ユーザに提示する提示手段と、
前記ゲームイベントへの前記ユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する前記単位期間に対応付けられる前記参加報酬を当該ユーザに付与する第1付与手段と、
前記ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了する終了手段と、
前記ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が前記終了条件を満たすまでにおける前記単位期間の到来回数が、前記所定回数よりも少ない場合、前記参加報酬のうち前記ユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部を前記ユーザに付与する第2付与手段とを備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記第2付与手段は、前記進行状況が前記終了条件を満たすまでにおける前記単位期間の到来回数が、前記所定回数よりも少ない分だけ、前記未付与報酬を前記ユーザに付与する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2付与手段は、前記未付与報酬のうち、前記ゲームイベントが終了するまでの全ての前記単位期間それぞれにおいて参加していたとしても前記ユーザに付与され得ない参加報酬のみを当該ユーザに付与する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2付与手段は、前記ゲームイベントが行われ得るアプリケーションを利用しているユーザであって、当該ゲームイベントの開催期間内に一度も当該ゲームイベントに参加していないユーザに対しても、前記未付与報酬のうち少なくとも一部を付与する、請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1付与手段は、前記ユーザの前記ゲームイベントへの参加があった場合、当該ゲームイベントの開催期間中において当該ユーザが当該ゲームイベントに参加した前記単位期間の数に基づいて決定される、前記単位期間に対応付けられる参加報酬を当該ユーザに付与する、請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによる前記ゲームイベントへの参加に基づいて前記ゲームイベントの進行状況を更新する更新手段と、
前記ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの前記単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、予め所定回数分定められた、少なくとも2以上の単位期間分の報酬内容が前記進行状況に関わらず予め設定されている複数の参加報酬に関する情報を前記ユーザに提示する提示手段と、
前記ゲームイベントへの前記ユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する前記単位期間に対応付けられる前記参加報酬を当該ユーザに付与する第1付与手段と、
前記ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了する終了手段と、
前記ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が前記終了条件を満たすまでにおける前記単位期間の到来回数が、前記所定回数よりも少ない場合、前記参加報酬のうち前記ユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部を前記ユーザに付与する第2付与手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項7】
複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理装置であって、
前記ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによる前記ゲームイベントへの参加に基づいて前記ゲームイベントの進行状況を更新する更新手段と、
前記ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの前記単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、予め所定回数分定められた、少なくとも2以上の単位期間分の報酬内容が前記進行状況に関わらず予め設定されている複数の参加報酬に関する情報を前記ユーザに提示する提示手段と、
前記ゲームイベントへの前記ユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する前記単位期間に対応付けられる前記参加報酬を当該ユーザに付与する第1付与手段と、
前記ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了する終了手段と、
前記ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が前記終了条件を満たすまでにおける前記単位期間の到来回数が、前記所定回数よりも少ない場合、前記参加報酬のうち前記ユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部を前記ユーザに付与する第2付与手段とを備える、情報処理装置。
【請求項8】
複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理システムを制御するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
前記ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによる前記ゲームイベントへの参加に基づいて前記ゲームイベントの進行状況を更新させ、
前記ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの前記単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、当該報酬内容とが前記進行状況に関わらず予め設定されている複数の参加報酬に関する情報を前記ユーザに提示させ、
前記ゲームイベントへの前記ユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する前記単位期間に対応付けられる前記参加報酬を当該ユーザに付与する第1付与手段と、
前記ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了させ、
前記ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が前記終了条件を満たすまでにおける前記単位期間の到来回数が、前記付与の上限回数よりも少ない場合、前記参加報酬のうち前記ユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部を前記ユーザに付与させる、情報処理方法。
【請求項9】
複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理システムであって、
前記ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの前記単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、当該ゲームイベントが開催される期間全体を通して付与が行われ得る少なくとも2以上の単位期間数である上限単位期間数が設定され、かつ、前記進行状況に関わらずその報酬内容が予め設定されている複数の参加報酬に関する情報を前記ユーザに提示する提示手段と、
前記ゲームイベントへの前記ユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する前記単位期間に対応付けられる前記参加報酬を当該ユーザに付与する第1付与手段と、
前記ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによる前記ゲームイベントへの参加に基づいて前記ゲームイベントの進行状況を更新する更新手段と、
前記ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了する終了手段と、
前記ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が前記終了条件を満たすまでにおける前記単位期間の到来回数が、前記上限単位期間数よりも少ない場合、前記参加報酬のうち前記ユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部を前記ユーザに付与する第2付与手段とを備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理に関し、より特定的には、ゲームイベントの報酬をユーザに付与する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、期間限定のゲーム内イベントが開催されるゲームが知られている。また、このようなゲームの中には、1日1回、イベント参加報酬がユーザに付与されるものも知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】任天堂株式会社、”シャロンと学ぼう!FEヒーローズ 018 飛空城で戦おう”、[online]、[令和2年8月21日検索]、インターネット(URL:https://guide.fire-emblem-heroes.com/eve003/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、イベントの開催期間は予め定められていることが一般的であり、ユーザには、開催期間の終了予定日までイベントに参加する機会が与えられているといえる。そのため、このようなゲームでは、イベントが早期終了する場合については特に考慮されていなかった。
【0005】
ここで、もしイベントが早期終了した場合、ユーザに付与される予定であった参加報酬の一部について、ユーザに付与される機会が失われ、ユーザの期待に反する結果が生じる可能性がある。特に、毎日イベントに参加するつもりのユーザからすれば、本来、参加報酬が全て付与されることを期待していたところ、早期終了によりイベント参加の機会が失われることで、参加報酬の一部を手に入れる機会が失われてしまい、その期待に反する結果となってしまう。このようなユーザの期待感を損ねないようにするという観点で、改良の余地があった。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、イベントが早期終了した場合でも、付与される予定のあった報酬に関してユーザの期待感が損なわれることを防ぐ情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0008】
構成例の一例は、複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理システムであって、更新手段と、提示手段と、第1付与手段と、終了手段と、第2付与手段とを備える。更新手段は、ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによるゲームイベントへの参加に基づいてゲームイベントの進行状況を更新する。提示手段は、ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、予め所定回数分定められた少なくとも2以上の単位期間分の報酬内容が進行状況に関わらず予め設定されている複数の参加報酬に関する情報をユーザに提示する。第1付与手段は、ゲームイベントへのユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する単位期間に対応付けられる参加報酬を当該ユーザに付与する。終了手段は、ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了する。第2付与手段は、ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たすまでにおける単位期間の到来回数が、上記所定回数よりも少ない場合、参加報酬のうちユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部をユーザに付与する。
【0009】
上記構成例によれば、当初予定していた開催期間よりも短い期間でイベントが終了した場合であって、上記報酬を付与する上限回数よりも短い日数で終了した場合に、提示されていた報酬のうち、付与されていない報酬の少なくとも一部をユーザに付与することができる。これにより、報酬の事前の提示によってユーザに抱かせた期待感が損われることを防ぐことができ、また、イベント参加への動機付けが損われることを防ぐことができる。そのため、早期終了が発生し得るイベントについても、その参加へのユーザのモチベーションを維持することができる。
【0010】
他の構成例として、第2付与手段は、進行状況が終了条件を満たすまでにおける単位期間の到来回数が、上記所定回数よりも少ない分だけ、未付与報酬をユーザに付与する。
【0011】
上記構成例によれば、イベントが早期に終了した場合に、ユーザに付与されていない報酬のうち、単位期間の到来回数が上記報酬付与の上限回数よりも少ない回数分の報酬だけユーザに付与する。これにより、報酬が付与されることを期待していたユーザの期待感が損われることを防ぐことができる。
【0012】
他の構成例として、第2付与手段は、未付与報酬のうち、ゲームイベントが終了するまでの全ての単位期間それぞれにおいて参加していたとしてもユーザに付与され得ない参加報酬のみを当該ユーザに付与してもよい。
【0013】
上記構成例によれば、上記構成例によれば、イベントが早期に終了した場合に、全てのユーザについて付与される機会が失われた報酬をユーザに付与することができる。これにより、ユーザ間における公平感を保つことができる。すなわち、報酬が付与され得る単位期間においては、全てのユーザに対して報酬付与の機会は等しく与えられており、参加するかしないかは各ユーザの裁量等に委ねられるため、このような期間における報酬の有無の差は不公平なものとはいえない。その一方で、単位期間の到来回数が、報酬付与の上限回数よりも少ないうちにイベントが終了すると、上限回数に足りない回数分の報酬については、イベント終了まで毎日参加していたとしても付与されることがない報酬となってしまう。そのため、このような、全てのユーザについて付与される機会が失われた報酬のみをユーザに付与することで、ユーザ間の公平感が損なわれることを防ぐことができる。
【0014】
他の構成例として、第2付与手段は、ゲームイベントが行われ得るアプリケーションを利用しているユーザであって、当該ゲームイベントの開催期間内に一度も当該ゲームイベントに参加していないユーザに対しても、未付与報酬のうち少なくとも一部を付与してもよい。
【0015】
上記構成例によれば、イベントの早期終了時点で不参加であるユーザであっても、もし早期終了していなければ、その後に参加する可能性はあったといえる。そのため、このような早期終了時点で不参加だったユーザに対しても未付与報酬の一部を付与することで、ユーザの期待感、およびユーザ間における公平感を保つことができる。
【0016】
他の構成例として、ユーザの前記ゲームイベントへの参加があった場合、当該ユーザによるこれまでの当該ゲームイベントに参加した単位期間の数に基づいて決定される単位期間に対応付けられる参加報酬を当該ユーザに付与してもよい。
【0017】
上記構成例によれば、ユーザ基準で参加した日数をカウントして参加報酬を決定することができる。これにより、実際にユーザがイベントに参加した回数に応じた参加報酬を付与することができる。そのため、継続的なイベントへの参加についての動機付けを提供することができる。
【0018】
他の構成例は、複数の単位期間に亘って開催されうるゲームイベントをユーザに提供するための情報処理システムであって、提示手段と、第1付与手段と、更新手段と、終了手段と、第2付与手段とを備える。提示手段は、ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬であって、当該ゲームイベントが開催される期間全体を通して付与が行われ得る少なくとも2以上の単位期間数である上限単位期間数が設定され、かつ、進行状況に関わらずその報酬内容が予め設定されている複数の参加報酬に関する情報をユーザに提示する。第1付与手段は、ゲームイベントへのユーザの参加に応じて、当該参加したタイミングが属する単位期間に対応付けられる参加報酬を当該ユーザに付与する。更新手段は、ユーザ又は当該ユーザとは異なる他のユーザによるゲームイベントへの参加に基づいてゲームイベントの進行状況を更新する。終了手段は、ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たす場合、当該ゲームイベントの進行を終了する。第2付与手段は、ゲームイベントの開始から当該ゲームイベントの進行状況が終了条件を満たすまでにおける単位期間の到来回数が、上限単位期間数よりも少ない場合、参加報酬のうちユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部をユーザに付与する。
【0019】
上記構成例によれば、当初予定していた開催期間よりも短い期間でイベントが終了した場合であって、上記報酬を付与する上限回数よりも短い日数で終了した場合に、提示されていた報酬のうち、付与されていない報酬の少なくとも一部をユーザに付与することができる。これにより、報酬の事前の提示によってユーザに抱かせた期待感が損われることを防ぐことができ、また、イベント参加への動機付けが損われることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本実施形態によれば、参加報酬の提示によってユーザに与えた期待感がイベントの早期終了によって損なわれることを防ぐことができ、イベント参加への動機付けが損なわれることも防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態の一例である情報処理システムの全体像を示す模式図
【
図2】サーバ101のハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】情報処理端末102のハードウェア構成を示すブロック図
【
図8】サーバ101のメモリ112に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図12】情報処理端末102のメモリ122に記憶される各種データの一例を示すメモリマップ
【
図13】サーバ101で実行されるイベント処理(サーバ側イベント処理)の詳細を示すフローチャート
【
図14】開催中処理(サーバ側)の詳細を示すフローチャート
【
図15】開催中処理(サーバ側)の詳細を示すフローチャート
【
図16】終了後処理(サーバ側)の詳細を示すフローチャート
【
図17】イベント進捗カウンタ406の値と残日数との関係を示す図
【
図18】情報処理端末102で実行されるイベント処理の詳細を示すフローチャート
【
図19】開催中処理(端末側)の詳細を示すフローチャート
【
図20】終了後処理(端末側)の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体像を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、サーバ101と、複数の情報処理端末102とを含む。サーバ101と、情報処理端末102とは、インターネット103を介して通信可能に構成されている。本実施形態では、このような構成で情報処理が実行されるが、以下では、当該情報処理の一例として、ゲーム処理を例として説明する。具体的には、情報処理端末102上にゲームアプリケーションがインストールされ、必要に応じてサーバ101と通信を行いながら実行されるゲーム処理を例示する。
【0023】
[サーバのハードウェア構成]
次に、上記サーバ101のハードウェア構成について説明する。
図2は、サーバ101のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ101は、プロセッサ111と、メモリ112と、通信部113とを少なくとも備えている。プロセッサ111は、サーバ101を制御するための各種プログラムを実行する。メモリ112には、プロセッサ111によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部113は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記情報処理端末102または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0024】
[情報処理端末のハードウェア構成]
図3は、本実施形態に係るゲーム処理が実行される情報処理端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。ここで、本実施形態では、情報処理端末102として、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスや、据置型ゲーム装置や携帯型のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ等を想定している。本実施形態の説明では、表示画面とタッチパネルを一体型の態様で備えている情報処理端末(例えばスマートフォン)を一例として説明する。そのため、主に、入力操作は、タッチパネルへの入力となっている。但し、他の実施形態では、入力操作については、情報処理端末102と無線あるいは有線で接続された物理的なコントローラを用いる形態でもよいし、例えば、情報処理端末102と一体となるよう構成された入力装置を用いる形態でもよい。
【0025】
図3において、情報処理端末102は、プロセッサ121と、メモリ122と、操作部123と、表示部124と、通信部125とを備えている。プロセッサ121は、後述するゲーム処理を実行したり、情報処理端末102の全体的な動作を制御するためのシステムプログラム(図示せず)を実行したりすることで、情報処理端末102の動作を制御する。なお、プロセッサ121は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ122は、プロセッサ121によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ122は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。操作部123は、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置であり、本実施形態では、主にタッチパネルを想定する。他の実施形態では、操作部123は、各種ポインティングデバイスや、各種押下式のボタンや、アナログスティック等であってもよい。表示部124は、典型的には液晶表示装置である。通信部125は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記サーバ101との間で所定のデータを送受信する。
【0026】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
次に、本実施形態で実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態で想定するゲーム処理は、所定のゲームアプリケーション内で開催されるゲーム内イベントに関する処理であり、より具体的には、当該イベントの報酬の付与に関する処理である。
【0027】
本実施形態で想定するゲームアプリケーションは、後述するようなゲーム内イベントが開催可能なゲームであればどのようなゲームでもよい。例えば、ロールプレイングゲームやシミュレーションゲーム、アクションゲームやパズルゲーム等、どのようなジャンルのゲームアプリケーションでもよい。本実施形態では、一例として、SRPG(シミュレーションロールプレイングゲーム)の場合を例に説明する。各ユーザは、当該SRPGのプレイの過程で複数体の「キャラクタ」を入手することが可能となっている。そして、以下に示すようなゲーム内イベントで、当該入手したキャラクタを用いることが可能となっている。
【0028】
次に、本実施形態で想定するゲーム内イベント(以下、単にイベントと呼ぶ)の概要を説明する。本イベントは、複数のユーザが参加して協力する、協力型のイベントを想定している。また、当該イベントは、例えば「1日」を「単位期間」として、複数の単位期間に所定の開催期間が設けられているイベントであって、複数の単位期間に亘って開催されるものとなっている。以下、この「複数の単位期間」のことをイベント開催期間と呼ぶ。本実施形態では、0時00分00秒~23時59分59秒の期間からなる1日間を、上記単位期間の例として説明する。また、本実施形態では、イベント開催期間が10日間である場合を例とする。
【0029】
また、本実施形態では、参加者間で共通となる「イベントボス」と呼ばれるボスキャラクタが登場するイベントを例として説明する。当該イベントの目的(イベント終了条件)は、このイベントボスのHP(ヒットポイント)をイベント開催期間中に0とすることである。イベントに参加する各ユーザは、自身が所有するキャラクタにこのボスキャラクタを攻撃させる。これにより、イベントボスにダメージを与え、イベントボスのHPを減らしていくことができる。このように、当該イベントは、イベント参加者である各ユーザがそれぞれ個別にイベントボスを攻撃することで、参加者間で共通するイベントボスのHPを減らしていくものである。そして、イベント開催期間中に当該HPが0となれば、イベントの目標が達成され、その時点でイベント終了となる。また、当該HPが0にならないまま開催期間である10日間が経過した場合も、当該イベントは終了する。
【0030】
なお、このイベント終了のための条件は一例であり、他の実施形態では、他の条件をイベント終了条件としてもよい。例えば所定のボスキャラクタを所定数討伐すること等を終了条件としてもよい。
【0031】
次に、本実施形態のイベント進行に関して、具体的な画面例や操作例を交えて例示する。本実施形態では、まず、ユーザは、所定の「イベント参加操作」を行うことで、イベントに参加することができる。また、本実施形態では、上記単位期間内において、複数回のイベント参加が可能となっている。なお、他の実施形態では、イベントへの参加可能回数に制限を設けてもよい。例えば、一日一回だけイベント参加が可能なようにしてもよい。
【0032】
上記イベント参加操作の例として、本実施形態では、上記イベントにかかるゲーム画面において所定の操作を行う例を挙げる。
図4に、本実施形態のイベントにかかるゲーム画面(以下、イベント画面と呼ぶ)の一例を示す。
図4のイベント画面は、例えばゲームアプリケーションのホーム画面から、「イベント」を示すアイコンをユーザが選択することに応じて表示される。
図4に示す画面例では、イベント情報表示領域201と、参加報酬提示領域202と、参加ボタン203と、戻るボタン204とが表示されている。
【0033】
イベント情報表示領域201は、上記イベントに関する各種情報が表示され得る。例えばイベントボスの画像や、プレイヤの所有するキャラクタのうち、イベントで用いるキャラクタ、つまり、イベントボスへの攻撃を担当するキャラクタの画像等が表示され得る。
【0034】
参加報酬提示領域202には、参加報酬の内容を示す画像が表示される。参加報酬に関しては後述する。
【0035】
参加ボタン203は、上記イベントに参加するためのボタンである。具体的には、当該参加ボタン203へのタップ操作が、上記イベント参加操作に該当する。また、本実施形態では、当該イベント参加操作は、上記イベントボスに攻撃するための操作も兼ねている。つまり、イベント参加操作にはイベントボスへの攻撃操作が含まれている。また、1回のイベント参加操作は、1回分の攻撃に該当する。そして、1日に複数回、イベント参加操作を行うことで、イベントボスへの複数回の攻撃が可能である。当該イベント参加操作を行うことで、イベントボスへの攻撃要員として事前にユーザが設定したキャラクタがイベントボスへ攻撃する様子や、その与ダメージ値を示す演出が表示される。なお、本実施形態はイベント参加操作がイベントボスへの攻撃操作も兼ねる例を挙げたが、他の実施形態では、このような攻撃操作を兼ねなくてもよい。例えば、イベント参加操作に応じて、別途用意されているイベントボス攻撃用のゲーム画面に遷移するようにしてもよい。例えば、所定のゲームフィールドにイベントボスとユーザの所有キャラクタが表示されるようなゲーム画面が表示されてもよい。そして、この画面でユーザが所有キャラクタを操作し、所望の攻撃方法を選んでイベントボスへの攻撃を実行するようにしてもよい。
【0036】
次に、戻るボタン204は、当該イベント画面を閉じるためのボタンである。
【0037】
次に、上記参加報酬提示領域202に示される参加報酬について説明する。本イベントでは、ユーザのイベントへの参加を促す等の目的で、「参加報酬」と呼ばれる報酬が複数用意されている。この参加報酬は、当該イベントが開催されるゲームアプリケーションにおいて利用可能なものである。本例では、SRPGを例として説明するため、例えば、ゲーム内で使用可能な武器・防具等の装備品、回復アイテム等の消費アイテム類や、ゲーム内通貨等が参加報酬として用意される。その他、各種のキャラクタ類を参加報酬としてもよい。更には、魔法やスキル、必殺技等、プレイヤキャラクタに習得させることでゲームを有利に進めることが可能なものを参加報酬としてもよい。その他、そのイベントが開催されるゲームアプリケーション内で利用可能なものであれば、どのようなものを参加報酬としてもよい。
【0038】
ここで、本イベントでは、上記単位期間毎に上記参加報酬が設定されている。より具体的には、1日1回だけ参加報酬を付与するものとする。換言すれば、本実施形態では、単位期間内における参加報酬の付与回数の上限が設けられている。本実施形態では1日1回の例を挙げるが、これに限らず、例えば他の実施形態では、1日3回まで付与する、等の構成としてもよい。
【0039】
また、上記参加報酬の付与タイミングに関して、本実施形態では、ある単位期間における初回参加のタイミングで参加報酬を付与する。その単位期間において2回目以降の参加に対しては、参加報酬を付与しないものとする。そのため、上記
図4において、単位期間内における初回のイベント参加操作が行われた場合、上記のような攻撃の演出等の表示に先立って、
図5に示すようなポップアップ表示207が表示される。当該ポップアップ表示207は、上記イベント参加操作に対して参加報酬を受領したことを示すものである。そして、当該ポップアップ表示207が所定の操作で閉じられると、上記のような攻撃の演出等の表示が開始される。
【0040】
なお、本実施形態では、イベント参加操作が行われたタイミングで(ほぼ同時に)参加報酬を付与する例を挙げているが、参加報酬を付与するタイミングについてはこれに限るものではない。イベント参加操作が行われたタイミングから所定時間経過後になる所定のタイミングで参加報酬を付与するようにしてもよい。例えば、イベント参加操作から半日経過後のタイミングで付与してもよいし、1日経過後に付与するようにしてもよい。またその他、いわゆる「プレゼントボックス」に参加報酬を送っておき、ユーザが任意のタイミングで受け取る、というような構成を採用してもよい。
【0041】
また、本実施形態では、参加報酬を付与する単位期間の数に上限がある。換言すれば、イベント開催期間全体において、参加報酬を付与し得る単位期間数の上限(以下、上限単位期間数)が設けられている。また、当該上限単位期間数は2以上の単位期間であるとする。本実施形態では、上記上限単位期間数については、5である例で説明する。すなわち、単位期間5回分(通算で5日分)の参加報酬が予め設定されているものとする。そのため、一単位期間(本例では1日)だけで、上記用意されている全ての参加報酬が得られるわけではない。換言すれば、参加報酬の全てをユーザが得るためには、最低でも上限単位期間数分のイベント参加が必要となる。このようにすることで、ユーザに複数単位期間に亘って継続してイベントをプレイしてもらうことへの動機付けを提供できる。
【0042】
また、このような上限単位期間数があるため、あるユーザに参加報酬が5回分付与された場合、その後の単位期間においてそのユーザがイベントに参加したとしても、それ以上の参加報酬は付与されないことになる。以下の説明では、1回目の参加の分の参加報酬を「参加報酬A」と呼び、2回目の分を「参加報酬B」、3回目の分を「参加報酬C」、4回目の分を「参加報酬D」、5回目の分を「参加報酬E」と呼ぶ。これら参加報酬の内容は、全て同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。本実施形態では、当該5回分の参加報酬の内容は全て異なるものが設定されている場合を例とする。また、単位期間毎の参加報酬内容の個数も任意数でよい。例えば、参加報酬Aとして「アイテムAを3つ」、参加報酬Bとして、「アイテムBを5つ」、参加報酬Cとして、「武器Cを1つ」等であってもよい。
【0043】
そして、本実施形態では、上記のような参加報酬の内容について、事前にユーザが確認できるように提示される。上記
図4の例でいうと、上記5の単位期間に応じた参加報酬が、上記参加報酬提示領域202において提示される。
図4では、上述の参加報酬A~参加報酬Eに対応する参加報酬画像206A~206Eが、左端を先頭として横方向に整列されている。なお、参加報酬画像206Aについては、グレーアウト表示及びチェックマーク表示がなされており、参加報酬Aは既に付与済みであることが示されている。
【0044】
上記のように、イベントに参加する各ユーザは、イベント画面からイベント参加操作を行うことでイベントボスに攻撃を加え、参加ユーザ間で共通となるイベントボスのHPを減らしていくことができる。ここで、上記のように、イベント開催期間の最終日が経過する前であっても、イベントボスのHPが0になった時点で、当該イベントは終了する。そのため、例えば、イベント開始から3日目にイベントボスのHPが0となり、イベントが終了してしまうと、上記5回分の参加報酬のうち、4回目と5回目の分の参加報酬DおよびEを得る機会が失われてしまうことになる。換言すれば、参加報酬DおよびEは、当該イベント開始から終了までの間、毎日イベントに参加していたとしても、ユーザに付与されることがない報酬であるといえる。上記のように、参加報酬の内容についてはイベント画面においてユーザに提示していることから、例えば毎日イベントに参加するつもりのユーザは、この5回分の参加報酬全てを得ることに対する期待感を有することも考えられる。しかし、上記のような早期でのイベント終了という事態が発生してしまうと、このユーザの期待に反する結果となってしまい、当該ゲームやイベントに対する興味を失わせることにつながりかねない。そこで、本実施形態では、イベントが終了するまでの上記単位期間の到来数(すなわち、イベント開始から終了までの日数)が、上記上限単位期間数より小さい場合は、付与機会が失われた上記参加報酬DおよびEをユーザに付与するための処理を行う。これにより、上記ユーザの期待に沿った結果とすることができる。また、本実施形態では、この付与機会が失われた参加報酬の付与を、そのイベントに参加していなかったユーザ(以下、不参加ユーザ)も含めた、当該ゲームアプリケーションのユーザ全員に付与するものとする。なお、ここでいう「ゲームアプリケーションのユーザ」とは、例えば、ゲームアプリケーションの利用者としてユーザ登録し、サーバ101にそのユーザデータが記録されているようなユーザを想定する。
【0045】
本実施形態における、上記のような参加報酬の付与パターンについて、いくつか例を挙げる。ここでは、上記のように、イベントの開催期間は最大10日間であり、具体例として8月1日~8月10日の期間を例に説明する。また、上記のように5回分の参加報酬が設定されている場合を例とする。また、上限単位期間数(本例では5)より少ない日数(本例では1~4)でイベントボスのHPが0になった場合のことを「早期撃破」と呼ぶ。また、上記のような付与の機会が失われ、ユーザに別途付与する対象となる参加報酬のことを、以下の説明では「補填対象報酬」と呼ぶ。
図6に、あるユーザが毎日イベントに参加することを前提とした、イベント開始からの日数とその単位期間と、イベントの残日数と、早期撃破が発生した場合の補填対象報酬との関係を表形式で示す。
図6の例では、イベント開催1日目(8月1日)の、例えば15:00に早期撃破が発生した場合は、参加報酬B~E、つまり、2回目分~5回目分の参加報酬が補填対象報酬となる。また、イベント開催3日目(8月3日)の、同じく15:00に早期撃破が発生した場合は、参加報酬D~E、つまり、4回目分~5回目分の参加報酬だけが補填対象報酬となる。また、5日目以降のイベントボスの撃破は「早期撃破」として扱われない。そのため、これ以降は、補填対象報酬は発生しないことになる。
【0046】
次に、
図7に、開催期間中の参加状況が異なる複数のユーザと、早期撃破の有無の違いによる付与報酬との関係を表形式で示す。この図では、縦軸にユーザA~ユーザDの4人のユーザを例示している。各ユーザのイベント参加状況は異なっており、ユーザAは、イベント開始後、1日目だけ参加した場合の例示である。ユーザBは、イベント開始後、1日目と3日目だけ参加した場合の例示である。ユーザCは、イベント開始後、イベントが終了するまで毎日参加した場合の例示である。ユーザDは、イベントには不参加の場合の例示である。横軸に、早期撃破が発生した場合、結果的にもらえる参加報酬と、早期撃破が発生しなかった場合に、結果的にもらえる参加報酬とを示す。また、ここでは、早期撃破として、イベント開始から3日目に早期撃破が発生した場合を例示する。また、早期撃破が発生しなかった場合として、イベント開始から7日目にイベントボスのHPが0となった場合を例示する。
【0047】
図7において、まず、1日目だけ参加したユーザAについては、早期撃破が発生した場合は、1日目の参加(通算1回目)に対して参加報酬Aが付与されている。これに加えて、補填対象報酬として、4回目および5回目の参加に対応する参加報酬DおよびEは付与される。ここで、2回目および3回目が補填対象報酬とならないのは、ユーザAについては、イベント開始2日目、3日目と参加する機会自体は与えられているためである。換言すれば、補填対象とするのは、全てのユーザに対して、付与される機会が失われた参加報酬である。この場合は、4回目および5回目の参加報酬について全てのユーザが皆等しく、イベント参加する機会が失われており、この参加報酬が付与されるユーザはいないことになる。しかし、2回目および3回目の参加報酬については、ユーザAがイベントに参加していれば付与され得るものであり、また、後述のユーザBやCのように、2回目、3回目の参加報酬を付与されているユーザも存在する。仮に、イベント参加機会があったにもかかわらず参加しなかったユーザに対してまで、その日の参加に対応する参加報酬を付与すると、例えば毎日参加しているユーザC等、ユーザ間で不公平感等を与えてしまう可能性がある。そのため、本実施形態では、全てのユーザについて、付与される機会が失われた参加報酬のみを補填対象報酬として、全てのユーザに付与している。
【0048】
一方、早期撃破ではない場合は、ユーザAは、1日目の参加に対する参加報酬Aが付与される結果となる。すなわち、ユーザAは、イベント開催期間中、7回(7日分)の参加機会が与えられていたにもかかわらず、参加したのは初日の1回だけだったからである。
【0049】
次に、1、3日目だけ参加したユーザBについてみると、早期撃破の場合は、1日目の参加に対する参加報酬Aが付与される。また、3日目の参加(通算2回目の参加)に対する参加報酬Bが付与される。これに加えて、補填対象報酬として、上記と同様の理由で、4回目および5回目の参加に対応する参加報酬DおよびEは付与されることになる。一方、早期撃破ではない場合は、イベント終了までの7日間のうち、参加したのは2回だけであるため、参加報酬AおよびBのみが付与される結果となる。
【0050】
次に、ボスのHPが0になるまで毎日イベントに参加していたユーザCの場合をみると、早期撃破の場合は、1~3回目の参加に対して、参加報酬A~Cが付与され、補填対象報酬として、参加報酬DおよびEが付与される結果となる。一方、早期撃破ではない場合は、1~5回目の参加に対して参加報酬A~Eが付与される結果となる。つまり、この場合の参加報酬DおよびEは、補填対象報酬ではないことになる。
【0051】
次に、イベントには不参加だったユーザDについてみると、早期撃破が発生した場合は、補填対象報酬としての参加報酬DおよびEが付与される。一方、早期撃破では無い場合は、補填対象報酬は無いため、参加報酬が付与されることはないという結果になる。
【0052】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図8~
図21を参照して、本実施形態における上記イベントに関する処理について、より詳細に説明する。なお、ここでは主に、上述したイベントおよび参加報酬の付与に関する処理について説明し、その他のゲーム処理については、説明を割愛する。
【0053】
[使用データについて]
まず、本実施形態の処理にて用いられる各種データに関して説明する。まず、サーバ101で用いられるデータに関して説明する。
図8は、サーバ101のメモリ112に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。サーバ101のメモリ112には、サーバ側プログラム401、ユーザデータベース402、イベントデータ404、アイテムマスタデータ405、イベント進捗カウンタ406等が記憶される。
【0054】
サーバ側プログラム401は、本実施形態におけるゲームアプリケーションを実行するためのプログラムである。当該プログラムには、本実施形態にかかるイベント処理を実行するためのコードも含まれている。その他、ユーザのログイン処理や、ユーザデータベース402に含まれる所定のユーザデータ403を情報処理端末102に送信あるいは受信する処理等を実行するためのコード等も含まれている。
【0055】
ユーザデータベース402は、本実施形態にかかるゲームアプリケーションをプレイする各ユーザに関するデータの集合となるデータベースである。本実施形態では、ユーザデータベース402は、
図9で示されるようなユーザデータ403を1レコードとして構成されたデータベースである。情報処理端末102では、ログイン処理が行われた後、必要に応じて、そのユーザに対応したユーザデータ403をサーバ101から取得する処理等が行われる。
【0056】
図9を用いて、ユーザデータ403のデータ構成について説明する。
図9で示すユーザデータ403には、ユーザID411、攻撃操作履歴情報412、参加報酬付与履歴情報413、補填対象報酬付与情報414、所持アイテムデータ415、所持キャラクタデータ416等が含まれている。ユーザID411は、各ユーザを一意に識別するためのIDである。攻撃操作履歴情報412は、あるイベントについて、そのユーザがイベントボスへの攻撃操作を行った日時の履歴を、イベント毎に区別できるようにして記録したものである。参加報酬付与履歴情報413は、そのユーザに対する参加報酬の付与の履歴を示す情報である。つまり、何回目分までの参加報酬を付与済みであるかを示す情報である。この情報も、イベント毎に区別できるようにして記録される。補填対象報酬付与情報414は、イベント毎に、補填対象報酬が付与されたか否かと、その内容について記録した情報である。所持アイテムデータ415は、そのユーザが所有するゲーム内アイテムを示す情報である。所持キャラクタデータ416は、そのユーザが所有する上記キャラクタを示す情報である。その他、図示は省略するが、ユーザデータ403には、ゲームの進行状況を示すデータ(いわゆるセーブデータ)や、各ユーザのハンドルネーム等のユーザ個々に関する情報等も含まれる。
【0057】
図8に戻り、イベントデータ404は、上記ゲーム内イベントに関して定義したデータである。
図10に、当該イベントデータ404のデータ構成の一例を示す。イベントデータ404は、イベントID421、開催状態422、開催日程情報423、参加報酬情報424、初期HP425、現在HP426、等の項目を1レコードとして構成される、テーブル形式のデータである。当該イベントデータ404の各レコードは、必要に応じてゲームアプリケーションの運営管理者等によって追加・変更・削除され得るものである。
【0058】
イベントID421は、そのゲーム内イベントを一意に識別するためのIDである。開催状態422は、そのイベントが「開催前」であるか、「開催中」であるか、「開催終了」であるか、のいずれかを示す情報である。開催日程情報423は、そのイベントの開催開始日と、開催終了日を定義した情報である。なお、上記のように早期撃破が発生した場合は、ここで定義されている終了日よりも早くにイベントが終了する場合もある。
【0059】
参加報酬情報424は、そのイベントにおける上記参加報酬の内容について定義したデータである。本実施形態の例で言うと、5回分までの参加報酬とその内容が定義されている。
図11に、本実施形態における参加報酬情報424のデータ構成の一例を示す。
図11に示すように、参加報酬情報424は、付与回数431と報酬内容432とで構成されるテーブル形式のデータである。
図11の例では、1回目~5回目の各回に分けて、その報酬内容となるゲーム内アイテムの情報とその付与個数とが定義されている。この他、報酬として、ゲーム内アイテムに限らず、ゲーム内通貨を定義してもよいことはいうまでもない。
【0060】
図10に戻り、初期HP425は、上記イベントボスの初期のHPを定義したデータである。現在HP426は、当該イベントのボスの現在のHPを示すデータである。参加ユーザからの攻撃に応じて、上記初期HP425の値から減算されていくものである。最終的に、現在HP426の値が0になると、イベントボスが撃破されたとして、イベント終了のための処理が行われることになる。
【0061】
その他、図示は省略するが、イベントデータ404には、イベントボスの画像や攻撃方法等を定義したデータや、イベント終了条件を定義した情報や、その他、イベント開催に用いられる各種のデータも含まれる。
【0062】
図8に戻り、アイテムマスタデータ405は、本実施形態のゲームアプリケーションにおける全てのゲーム内アイテムについて定義したデータである。当該データから選ばれた所定のゲーム内アイテムが上記参加報酬として定義され得る。
【0063】
イベント進捗カウンタ406は、本実施形態にかかる処理において、ゲーム内イベントの進捗状況を管理するために用いられるデータである。具体的には、初期値を1として、イベント開始から、所定の期間が経過することで1ずつカウントアップされる。本実施形態では、上記カウントアップのための期間を単位期間と同じ「1日間」と定義した場合を想定する。すなわち、イベント開始から24時間が経過する度に、イベント進捗カウンタ406は1ずつカウントアップされる。他の例では、上記カウントアップのための期間を6時間として、1日で4ずつカウントアップするような構成としてもよい。本実施形態では、このカウンタを用いて、イベント開催期間を、数時間単位のタームに分けて管理したり、イベントの残日数等を把握することができる。
【0064】
その他、サーバ101のメモリ112には、イベントの開催やゲーム処理に必要な各種データが記憶される。
【0065】
次に、情報処理端末102のメモリ122に記憶される各種データについて説明する。
図12は、情報処理端末102のメモリ122に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。情報処理端末102のメモリ122には、端末側ゲームプログラム501、画像データ502、ログイン用データ503、操作データ504、作業用データ505等が記憶されている。
【0066】
端末側ゲームプログラム501は、本実施形態にかかるゲームアプリケーションを実行するためのプログラムである。上記のようなイベントにかかる処理を実行するためのコードも含まれている。
【0067】
画像データ502は、上記イベントを含むゲームアプリケーションで表示される各種画像のデータである。
【0068】
ログイン用データ503は、本実施形態のゲームアプリケーションにログインするために必要な各種データである。
【0069】
操作データ504は、操作部15に対して行われた各種操作内容を示すデータである。本実施形態では、操作部15としてのタッチパネルへの入力の有無、そのタッチ座標等を示すデータや、図示しない各種ボタンの押下状態等を示すデータが含まれている。
【0070】
作業用データ505は、上記イベントにかかる処理において一時的に用いられる各種データである。ゲーム処理の実行において、必要に応じて適宜生成され、記憶され得るものである。
【0071】
[サーバ101の処理の詳細]
次に、本実施形態にかかるイベント処理の詳細について説明する。まず、サーバ101で実行されるイベント処理の詳細について説明する。ここでは、あるイベントが現在開催中である状態、すなわち、その開催開始日が経過している場合を例として説明する。より具体的には、
図10のイベントID421が“0002”のレコードにかかるイベントを例として説明する。なお、開催状態422の「開催前」から「開催中」への変更については、プロセッサ111が、現在日時と開催日程情報423とに基づいて、イベントの開始日になっているか否かを判定するようにすればよい。そして、イベント開始日が来ていれば、開催状態422を「開催前」から「開催中」を示す内容に変更する処理を適宜行えばよい。
【0072】
図13は、サーバ101で実行されるイベント処理(サーバ側イベント処理)の詳細を示すフローチャートである。まず、
図13のステップS11で、プロセッサ111は、開催状態422を参照し、イベントが開催中であるか、イベント終了後であるかを判定する。イベント開催中である場合は(ステップS11でYES)、ステップS12で、プロセッサ111は、開催中処理(サーバ側)を実行する。一方、イベント終了後である場合は(ステップS11でNO)、ステップS13で、プロセッサ111は、終了後処理(サーバ側)を実行する。
【0073】
[イベントの開催中のサーバ側処理]
図14~
図15は、上記ステップS12にかかる開催中処理(サーバ側)の詳細を示すフローチャートである。なお、当該処理におけるステップS21~S28の処理ループは、所定の処理周期で繰り返される。また、当該
図14~15に示す処理を行うに際して、イベント開催中である旨の通知を、必要に応じて情報処理端末102に通知するようにしてもよい。
図14において、まず、ステップS21で、プロセッサ111は、情報処理端末102から送信される参加指示データを受信したか否かを判定する。なお、当該参加指示データは、情報処理端末102において上記参加ボタン203が操作されたことに応じてサーバ101に送られて来るデータである。当該判定の結果、参加指示データを受信していない場合は(ステップS21でNO)、参加指示データを受信するまで、処理が繰り返される。一方、受信していた場合は(ステップS23でYES)、ステップS22で、プロセッサ111は、当該参加指示データの送信元のユーザを特定する。
【0074】
次に、ステップS23で、プロセッサ111は、参加指示データが送信されてきた単位期間における参加報酬の付与が可能であるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ111は、当該ユーザにかかる参加報酬付与履歴情報413を参照し、現在の単位期間において当該ユーザに対して既に参加報酬を付与済みであるか否かを判別する。。当該判定の結果、まだ現在の単位期間分の参加報酬を付与していない場合は(ステップS23でYES)、参加報酬の付与が可能ということになる。この場合は、ステップS24で、プロセッサ111は、付与する参加報酬の内容を参加報酬情報424に基づいて決定する。そして、プロセッサ111は、決定した参加報酬を当該ユーザに付与する。具体的には、プロセッサ111は、該当ユーザの所持アイテムデータ415に当該参加報酬を追加する。その後、ステップS25に処理を進めて、ゲーム処理の実行に遷移する。一方、上記判定の結果、現在の単位期間分の参加報酬を付与済みである場合は(ステップS23でNO)、ステップS24の処理はスキップされて、次の処理へと進められる。
【0075】
次に、
図15のステップS25で、プロセッサ111は、現在のイベントボスに関するデータを、上記参加指示データを送信してきた情報処理端末102に送信する。具体的には、プロセッサ111は、現在HP426の値を当該データに含めて当該情報処理端末102に送信する。なお、情報処理端末102では、ここで送信されたデータに基づいたゲーム処理が実行され(後述)、その結果を示すデータがサーバ101に送信される。
【0076】
次に、ステップS26で、プロセッサ111は、上記情報処理端末102からゲーム処理の結果データを受信したか否かを判定する。その結果、まだ受信していなければ(ステップS26でNO)、当該結果データの受信処理を繰り返して、当該結果データが送られて来るのを待つ。一方、当該結果データを受信すれば(ステップS26でYES)、次に、ステップS27で、プロセッサ111は、当該結果データに基づき、現在HP426の値を更新する。すなわち、イベントボスへのユーザの攻撃の結果に応じて当該イベントボスのHPを減算する処理を実行する。
【0077】
次に、ステップS28で、イベントボスの現在HP426が0になったか否かを判定する。その結果、0になっていない場合は(ステップS28でNO)、上記ステップS21に戻り、処理が繰り返される。一方、0になった場合は(ステップS28でYES)、イベントの開催を終了させるため、ステップS29で、プロセッサ111は、開催状態422に「イベント終了」を示す値を設定する。その後、当該開催中処理(サーバ側)を終了する。
【0078】
[イベント終了後のサーバ101の処理]
次に、
図13のステップS13にかかる、終了後処理(サーバ側)の処理について説明する。
図16は、当該終了後処理(サーバ側)の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS41で、プロセッサ111は、イベントボスのHPが0となった日数を特定し、上述したような早期撃破が発生したか否かを判定する。この判定手法はどのような手法でもよいが、本実施形態では、以下のようにして判定する。まず、プロセッサ111は、上記イベント進捗カウンタ406の値を取得する。そして、イベントが最終日まで開催された場合を想定したイベントの残日数を算出する。上記のように、本実施形態では、イベント開始から24時間が経過する度に、イベント進捗カウンタ406が1ずつカウントアップされる場合を例としている。この場合、イベントの最大開催日数(本例では10)から当該進捗カウンタ値を減算することで、イベントが開催期間の最終日まで開催されたと仮定した場合の残り日数が算出される。参考までに、
図17に、当該イベント進捗カウンタ406の値と残日数との関係を表形式で示す。
図17の例では、例えばイベント開始3日目の場合、イベント進捗カウンタ406は3であり、イベントが最終日まで開催されたと仮定した場合の残日数は7日となる。
【0079】
上記のようにイベントの残日数が算出できれば、当該残日数が上記上限単位期間数(本例では5)よりも大きいか否かを判定する。すなわち、プロセッサ111は、残日数>上限単位期間数であるか否かを判定する。そして、当該条件が満たされる場合は早期撃破が発生したと判定し、満たされていない場合は、早期撃破は発生していないと判定する。
【0080】
図16に戻り、上記ステップS41の判定の結果、早期撃破が発生したと判定された場合は(ステップS41でYES)、次に、ステップS42で、プロセッサ111は、補填対象報酬が既に付与済みであるか否かを判定する。その結果、既に付与済みであれば(ステップS42でYES)、後述するステップS45に処理が進められる。
【0081】
一方、まだ補填対象報酬を付与していない場合(換言すれば、イベント終了後、初めて当該終了後処理が実行された場合)、ステップS43で、プロセッサ111は、上述の補填対象報酬とすべき参加報酬を特定する。この特定手法もどのような手法でもよいが、例えば、イベント開始から4日目(本例では8月4日)に早期撃破が発生した場合を想定する。この場合、イベント参加報酬は4回目まで配布済みであると仮定して、5回目分のイベント参加報酬を補填対象報酬として特定する。例えば、最大開催日数-残日数で、付与済みと仮定する回数を算出する。8月4日に早期撃破が発生した場合は、10-6=4が算出される。この場合、4回目分まで付与の機会はユーザに与えているとして、5回目分だけ補填対象報酬として特定する。すなわち、4日目までのイベント参加機会は全ユーザに与えられているが、5回目の参加報酬については、全てのユーザについてのイベント参加機会が失われていることから、その付与機会も失われていることになる。そのため、5回目の参加報酬を補填対象報酬として決定する。同様に、例えばイベント開始から3日目(本例では8月3日)に早期撃破が発生した場合は、4回目および5回目分の参加報酬が補填対象報酬として決定されることになる。
【0082】
次に、ステップS44で、プロセッサ111は、上記決定した補填対象報酬を、ゲームアプリケーションのユーザ全員に対して付与する処理を実行する。すなわち、プロセッサ111は、そのユーザがイベントに参加したか否かにかかわらず、各ユーザの所有アイテムデータ415に当該補填対象報酬を追加する処理を実行する。更にプロセッサ111は、当該追加した日時と報酬内容を示す情報を補填対象報酬付与情報414に記録する。
【0083】
一方、上記ステップS41の判定の結果、早期撃破が発生していない場合は(ステップS41でNO)、上記ステップS42~S44の処理はスキップされ、次の処理へと進められる。
【0084】
次に、ステップS45で、プロセッサ111は、いずれかの情報処理端末102から、イベント開催中であるか否かの問い合わせを受信したか否かを判定する。当該問い合わせを受信した場合は(ステップS45でYES)、ステップS46で、プロセッサ111は、イベントは終了した旨の情報を問い合わせ元の情報処理端末102に送信する。一方、当該問い合わせを受信していない場合は(ステップS45でNO)、当該終了後処理(サーバ側)は終了する。そのため、イベント終了後のサーバ101の処理は、補填対象報酬の付与が終われば、実質的に、情報処理端末からの開催問い合わせに対して終了した旨を返すだけの処理となる。
【0085】
[情報処理端末102の処理]
次に、情報処理端末102で実行されるイベント処理の詳細について説明する。
図18は、情報処理端末102で実行されるイベント処理の詳細を示すフローチャートである。当該処理は、例えばゲームアプリケーションのホーム画面に配置されている「イベント」アイコンをユーザがタップ操作する等の、イベント画面に遷移するための所定の操作が行われたときに実行が開始される。
図18のステップS51で、まず、プロセッサ121は、イベントが開催中であるか、イベント終了後であるかを判定する。この判定手法はどのようなものでもよいが、例えばサーバ101にイベント開催中か否か問い合わせる処理を行い、その返答結果に基づき、イベントが開催中か否かの判定を行ってもよい。その他、イベント開催予定が定義されたカレンダーデータをサーバ101から取得し、現在日時と比較して判定するような手法でもよい。この場合は、現在日時がイベント開催日程に含まれていれば、更に、イベントボスのHPがまだ残っているか否かをサーバに問い合わせればよい。イベントボスのHPがまだ残っていればイベント開催中と判定され、0になっていればイベント終了と判定されることになる。当該判定の結果、イベント開催中である場合は(ステップS51でYES)、ステップS52で、プロセッサ121は、開催中処理(端末側)を実行する。一方、イベント終了後である場合は(ステップS51でNO)、ステップS53で、プロセッサ121は、終了後処理(端末側)を実行する。
【0086】
[イベント開催中の端末側処理]
図19は、上記ステップS52にかかる開催中処理(端末側)の詳細を示すフローチャートである。
図19において、まず、ステップS61で、プロセッサ121は、上記
図4で示したようなイベント画面を生成する。具体的には、プロセッサ121は、サーバ101から取得した参加報酬情報424に基づき、参加報酬提示領域202に表示する画像を生成する。更に、上記イベント情報表示領域201に表示する画像も適宜生成し、これらを組み合わせて、上記
図4で示したようなイベント画面を生成する。そして、当該イベント画面を表示部124に出力する。
【0087】
次に、ステップS62で、プロセッサ121は、操作データ504を取得し、イベント参加操作(参加ボタン203のタップ操作)が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、イベント参加操作が行われていた場合は(ステップS62でYES)、次に、ステップS63で、プロセッサ121は、イベント参加操作が行われたことを示すための上記参加指示データを生成し、サーバ101に送信する。当該参加指示データには、イベント参加操作を行った旨の情報と、送信元(つまり自端末)を特定するための各種の情報(ネットワークアドレス等)と、操作日時を示す情報等が含まれる。なお、上記のようにサーバ101では、このデータを受けて、参加報酬の付与の必要性の判定とその付与が適宜行われる。
【0088】
次に、ステップS64で、プロセッサ121は、今回行ったイベント参加操作に対して、参加報酬の付与が行われたか否かを判定する。すなわち、現在の単位期間内において初回のイベント参加操作であるか否かを判定する。この判定手法はどのようなものでもよいが、本実施形態では、この時点における参加報酬付与履歴情報413をサーバ101から取得して、これに基づいて現在の単位期間において既に参加報酬が付与済みか否かを判定するものとする。なお、他の実施形態では、当該イベント参加操作に対して参加報酬付与が行われた旨をサーバ101から情報処理端末102に通知するようにして、当該通知の有無を判定することで参加報酬が付与されたか否かを判定する構成としてもよい。
【0089】
上記ステップS64の判定の結果、今回のイベント参加操作に対して参加報酬が付与されていた場合は(ステップS64でYES)、ステップS65で、プロセッサ121は、上記
図5で示したようなポップアップ表示207を生成し、表示部124に表示する。一方、今回のイベント参加報酬に対する参加報酬付与が行われていない(つまり、既に付与済みの状態である)場合は(ステップS64でNO)、当該ステップS65の処理はスキップされて、次の処理に進む。
【0090】
次に、ステップS66で、プロセッサ121は、サーバ101からその時点でのイベントボスに関するデータを受信し、これに基づくゲーム処理を実行する。具体的には、プロセッサ121は、イベントボスに対する与ダメージ値を算出する。なお、他の実施形態では、当該ゲーム処理として、所定のゲーム画面を表示して、ユーザにプレイヤキャラクタを操作させるようなゲーム処理を行ってもよい。この場合も、ユーザの操作内容に基づきイベントボスへの与ダメージ値を算出する処理が行われる。また、本実施形態では、情報処理端末102側で与ダメージ値を算出する例を挙げるが、他の実施形態では、当該与ダメージ値の算出をサーバ101側で行うようにしてもよい。この場合は、その算出結果を情報処理端末102に送信し、情報処理端末側のゲーム処理としては、当該結果に基づいた攻撃演出を表示する処理を行うようにしてもよい。
【0091】
次に、ステップS67で、プロセッサ121は、上記与ダメージ値を含むゲーム処理結果データを生成する。そして、プロセッサ121は、当該ゲーム処理結果データをサーバ101に送信する。
【0092】
次に、ステップS68で、プロセッサ121は、イベントボスへの攻撃が終了した旨を示すメッセージ等を生成し、表示部124に表示する。その後、当該メッセージの表示終了を指示する所定の操作が行われれば、上記ステップS61に戻り、処理が繰り返される。
【0093】
次に、上記ステップS62の判定の結果、イベント参加操作が行われていない場合(ステップS62でNO)について説明する。この場合は、ステップS69で、プロセッサ121は、イベント画面を終了する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、当該終了操作が行われていない場合は(ステップS69でNO)、上記ステップS61に戻り、処理が繰り返される。一方、終了操作が行われた場合は(ステップS69でYES)、当該開催中処理(端末側)は終了する。
【0094】
[イベント終了後の情報処理端末102の処理]
次に、
図18のステップS53にかかる、終了後処理(端末側)の処理について説明する。
図20は、当該終了後処理(端末側)の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS81で、プロセッサ121は、今回開催終了したイベントについて、補填対象報酬が付与されたか否かを判定する。これは、サーバ101から補填対象報酬付与情報414を取得し、これを参照することで判定可能である。当該判定の結果、補填対象報酬が付与されている場合は(ステップS81でYES)、ステップS82で、プロセッサ121は、補填対象報酬を受領したことを示すメッセージを適宜生成して、表示部124に表示する。一方、補填対象報酬は付与されていない場合は(ステップS81でNO)、上記ステップS82の処理はスキップされる。
【0095】
次に、ステップS83で、プロセッサ121は、イベントの開催は終了した旨のメッセージ等を生成して、表示部124に表示する。その後、当該画面を終了するための所定の操作が行われることで、当該イベント終了後処理は終了する。
【0096】
このように、本実施形態では、参加者間で共通のHPを有するボスを参加者が協力して倒すというイベントにおいて、その参加報酬を用意している。この参加報酬は、ゲームイベントが開催される期間内におけるそれぞれの単位期間中に当該ゲームイベントに参加したことに対して付与される報酬である。また、この参加報酬には、ゲームイベントが開催される期間全体を通して付与が行われ得る上限の単位期間数が設定されている。更に、その報酬内容について、予めユーザに提示している。そして、ゲームイベントの開始から終了するまでにおける上記単位期間の到来回数が上記上限の単位期間数よりも少ない場合、ユーザに付与されていない参加報酬である未付与報酬の少なくとも一部をユーザに付与している。換言すれば、上記提示によって報酬付与がユーザに期待されていたにもかかわらず、上記付与が行われ得る単位期間数の上限よりも少ない日数でイベント目標が達成されてイベントが終了したために、その付与の機会が失われた報酬についてはユーザに付与するようにしている。これにより、参加報酬の付与に対するユーザの期待感が損なわれるのを防ぐことができる。
【0097】
[変形例]
なお、上記実施形態では、イベントの一例として、参加者間で共通するイベントボスのHPを減算させていく例を示したが、他の実施形態では、上記攻撃操作に相当する所定の操作によって、イベントボスの所定のパラメータを加算させるようにしてもよい。そして、当該パラメータの値がイベント終了条件として定められている所定値を越えた場合に、イベント終了条件が満たされた判定してもよい。その他、イベントの進行方法については、上記のようなイベントボスへの攻撃という体裁に限るものではない。参加者間で共通する所定のパラメータを各参加者の操作に基づく処理によって変化させ、このパラメータが所定の条件を満たした場合に、予め定められている終了予定日が到来していなくともイベントが終了する、という内容であれば、イベントの進行方法はどのような手法でもよい。
【0098】
また、参加報酬の内容に関して、上記の例では、イベント中にユーザが参加した日数に応じて参加報酬の内容が定められている例を挙げた。他の実施形態では、このような参加日数に基づくのではなく、日付に対応した参加報酬を決めるようにしてもよい。例えば、「8月1日」の参加報酬として参加報酬A、「8月2日」の参加報酬として参加報酬Bを予め定義してもよい。この場合、例えば、ユーザAが8月1日にイベントに初参加し、ユーザBは8月2日にイベントに初参加した場合を想定すると、双方共に通算1日目のイベント参加となるが、これに対してもらえる報酬内容はそれぞれ異なる内容となる。すなわち、イベントへの通算1日目目の参加に対して、ユーザAには参加報酬Aが付与され、ユーザBには参加報酬Bが付与される結果となる。また、この場合、早期撃破発生時の補填対象報酬は、早期撃破発生日の翌日以降の日付に対応して定義されている参加報酬となる。
【0099】
また、上記実施形態では、補填対象報酬として、早期撃破によって全てのユーザについて付与の機会が失われた参加報酬の全てを対象とする例を挙げた。他の実施形態では、全てではなく、このうちの一部だけを補填対象報酬にしてもよい。上記実施形態の例でいうと、イベント開始3日目の早期撃破が発生した場合でも、通算5回目分の参加報酬Eのみを補填対象報酬としてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、早期撃破の発生日に対応する参加報酬については補填対象としない例を挙げていた。他の実施形態では、早期撃破の発生日に対応する参加報酬についても補填対象報酬に含めるようにしてもよい。この場合は、当該早期撃破の発生日に対応する参加報酬が付与されていないユーザに対してのみ、これを付与するようにし、既に付与済みのユーザについては2重付与とならないようにすればよい。
【0101】
更には、補填対象報酬として、全てのユーザについて付与の機会が失われた参加報酬だけでなく、各ユーザ単位で見た場合に付与されていない未付与報酬を補填対象報酬に含めても良い。例えば、ユーザAは通算3回参加しており、参加報酬A~Cが付与済みであるが、ユーザBは通算で1回しか参加しておらず、参加報酬Aしか付与されていない場合を想定する。この場合、上記実施形態によれば、4~5回目分の参加報酬DおよびEが補填対象となるが、これに限らず、他の実施形態では、ユーザBについては、未付与の参加報酬である参加報酬BおよびCも補填対象に含めてもよい。更にこの場合、未付与報酬の全てを付与するのではなく、その一部だけを付与するようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、補填対象報酬をイベントに不参加のユーザに対しても付与する例を挙げたが、他の実施形態では、イベントに1回も参加していない不参加ユーザについてはその付与対象から除外してもよい。つまり、最低でも1回はイベントに参加したユーザに対してのみ補填対象報酬を付与するようにしてもよい。
【0103】
また、上記のような処理を実行する主体に関しても、上記のような構成に限らない。例えば、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、例えば、上記端末側ゲームプログラム501および操作データ505以外のデータについてもサーバ101に記憶させておき、必要に応じて情報処理端末102がサーバ101にアクセスして当該データを参照するような構成としてもよい。この場合、例えば、情報処理端末102は、ユーザの操作を示す操作データ505をサーバ101に送り、サーバにおいて各種ゲーム処理を実行し、その実行結果を情報処理端末102が受け取り、当該実行結果を反映したゲーム画面を生成して表示するような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0104】
101 サーバ
102 情報処理端末
111 プロセッサ
112 メモリ
113 通信部
121 プロセッサ
122 メモリ
123 操作部
124 表示部
125 通信部