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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042382
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】フェッシャープレート装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
B66B7/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147796
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】濱本 孝俊
【テーマコード(参考)】
3F305
【Fターム(参考)】
3F305BA17
(57)【要約】
【課題】機械的強度を向上させることができるフェッシャープレート装置を提供する。
【解決手段】実施の形態によるフェッシャープレート装置は、第1フェッシャープレートと、第2フェッシャープレートと、取付手段と、を備えている。第1フェッシャープレートおよび第2フェッシャープレートは、本体プレートと、上側嵌合部と、下側嵌合部と、を含んでいる。上側嵌合部は、本体プレートから昇降路の壁面の側に膨出する中空状の嵌合部である。下側嵌合部は、上側嵌合部よりも下方に位置し、本体プレートから昇降路の壁面の側に膨出する中空状の嵌合部である。上側嵌合部および下側嵌合部は、横方向に延びている。第1フェッシャープレートの下側嵌合部と、第2フェッシャープレートの上側嵌合部とは、互いに嵌合している。取付手段は、第1フェッシャープレートの上側嵌合部を昇降路の壁面に取り付けている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの昇降路内に設置されるフェッシャープレート装置であって、
第1フェッシャープレートと、
第2フェッシャープレートと、
取付手段と、を備え、
前記第1フェッシャープレートおよび前記第2フェッシャープレートは、本体プレートと、前記本体プレートから前記昇降路の壁面の側に膨出する中空状の上側嵌合部と、前記上側嵌合部よりも下方に位置し、前記本体プレートから前記昇降路の前記壁面の側に膨出する中空状の下側嵌合部と、を含み、
前記上側嵌合部および前記下側嵌合部は、横方向に延び、
前記第1フェッシャープレートの前記下側嵌合部と、前記第2フェッシャープレートの前記上側嵌合部とが、互いに嵌合し、
前記取付手段は、前記第1フェッシャープレートの前記上側嵌合部を前記昇降路の前記壁面に取り付けている、フェッシャープレート装置。
【請求項2】
前記第1フェッシャープレートの形状と、前記第2フェッシャープレートの形状は、同一である、請求項1に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項3】
前記第2フェッシャープレートの前記上側嵌合部は、前記第1フェッシャープレートの前記下側嵌合部の内側に挿入されている、請求項1または2に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項4】
前記本体プレートにおける前記下側嵌合部の上下方向の開口寸法は、前記本体プレートにおける前記上側嵌合部の上下方向の開口寸法よりも大きい、請求項3に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項5】
前記第1フェッシャープレートの前記下側嵌合部は、前記第2フェッシャープレートの前記上側嵌合部の内側に挿入されている、請求項1または2に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項6】
前記本体プレートにおける前記下側嵌合部の上下方向の開口寸法は、前記本体プレートにおける前記上側嵌合部の上下方向の開口寸法よりも小さい、請求項5に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項7】
前記第1フェッシャープレートの前記下側嵌合部、並びに、前記第2フェッシャープレートの前記上側嵌合部および前記下側嵌合部は、前記昇降路の前記壁面に取り付けられていない、請求項5または6に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項8】
前記取付手段は、前記第1フェッシャープレートの前記下側嵌合部、並びに、前記第2フェッシャープレートの前記上側嵌合部および前記第2フェッシャープレートの前記下側嵌合部を前記昇降路の前記壁面にそれぞれ取り付けている、請求項1~6のいずれか一項に記載のフェッシャープレート装置。
【請求項9】
前記取付手段は、前記昇降路の前記壁面に取り付けられる取付金具と、前記第1フェッシャープレートの前記上側嵌合部を前記取付金具に取り付ける締結部材と、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のフェッシャープレート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フェッシャープレート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの安全対策の一つとして、昇降路内にフェッシャープレートが設けられている。フェッシャープレートは、乗りかごの敷居と昇降路の壁面との距離が一定以上である場合に昇降路の壁面に設置されている。これにより、異常発時に乗りかごが階間に停止して乗客が誤ってかごドアを開けた場合であっても、乗りかごと昇降路の壁面との隙間から乗客が昇降路に落下することを防止している。
【0003】
フェッシャープレートについて、現在の法規では、機械的強度の基準が規定されていない。しかしながら、現在検討されている新しい法規では、機械的強度の基準を規定するべきとの意見が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-256024号公報
【特許文献2】特開2016-150819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、機械的強度を向上させることができるフェッシャープレート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態によるフェッシャープレート装置は、エレベータの昇降路内に設置される装置である。フェッシャープレート装置は、第1フェッシャープレートと、第2フェッシャープレートと、取付手段と、を備えている。第1フェッシャープレートおよび第2フェッシャープレートは、本体プレートと、上側嵌合部と、下側嵌合部と、を含んでいる。上側嵌合部は、本体プレートから昇降路の壁面の側に膨出する中空状の嵌合部である。下側嵌合部は、上側嵌合部よりも下方に位置し、本体プレートから昇降路の壁面の側に膨出する中空状の嵌合部である。上側嵌合部および下側嵌合部は、横方向に延びている。第1フェッシャープレートの下側嵌合部と、第2フェッシャープレートの上側嵌合部とは、互いに嵌合している。取付手段は、第1フェッシャープレートの上側嵌合部を昇降路の壁面に取り付けている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施の形態におけるエレベータの昇降路の壁面に設置されたフェッシャープレート装置を示す概略断面図である。
図2図2は、図1のフェッシャープレート装置を示す断面図である。
図3図3は、図2の正面図である。
図4図4は、図3の上面図である。
図5図5は、図2のフェッシャープレートを示す断面図である。
図6図6は、第2の実施の形態におけるフェッシャープレート装置を示す断面図である。
図7図7は、第3の実施の形態におけるフェッシャープレート装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態におけるフェッシャープレート装置について説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、フェッシャープレート装置10は、エレベータの昇降路1の壁面1aに設置される。昇降路1の壁面1aのうちの階間にフェッシャープレート装置10が設置される。より具体的には、フェッシャープレート装置10は、乗りかご2が着床する乗場3の敷居4と、当該敷居4の下方に位置する乗場ドア装置のヘッダーケース5との間に配置される。この乗場ドア装置は、乗場3の出入口の上部に設けられている。
【0010】
図2図4に示すように、本実施の形態におけるフェッシャープレート装置10は、第1フェッシャープレート20Aと、第2フェッシャープレート20Bと、第3フェッシャープレート20Cと、第4フェッシャープレート20Dと、取付手段30と、を備えている。第1フェッシャープレート20Aが最も上側に位置している。
【0011】
第2フェッシャープレート20Bは、第1フェッシャープレート20Aよりも下側にずれた位置であって、第1フェッシャープレート20Aよりも昇降路1の内側(または昇降路1の壁面1aとは反対側、図2における右側)に位置している。第2フェッシャープレート20Bの上部が、第1フェッシャープレート20Aの下部に重なっている。
【0012】
第3フェッシャープレート20Cは、第2フェッシャープレート20Bよりも下側にずれた位置であって、第2フェッシャープレート20Bよりも昇降路1の内側に位置している。第3フェッシャープレート20Cの上部が、第2フェッシャープレート20Bの下部に重なっている。
【0013】
第4フェッシャープレート20Dは、第3フェッシャープレート20Cよりも下側にずれた位置であって、第3フェッシャープレート20Cよりも昇降路1の内側に位置している。第4フェッシャープレート20Dの上部が、第3フェッシャープレート20Cの下部に重なっている。
【0014】
第1フェッシャープレート20Aおよび第2フェッシャープレート20Bは、本体プレート21と、上側嵌合部22と、下側嵌合部23と、を含んでいる。
【0015】
本実施の形態においては、第1フェッシャープレート20Aの形状と、第2フェッシャープレート20Bの形状は、同一である。そして、第3フェッシャープレート20Cの形状および第4フェッシャープレート20Dの形状も、第1フェッシャープレート20Aの形状と同一である。すなわち、同じ形状のフェッシャープレートが4枚組み合わされて、図2に示すフェッシャープレート装置10が構成されている。
【0016】
図5に示すように、本体プレート21は、プレート状に形成された部分であり、上側嵌合部22および下側嵌合部23によって3つの領域に分割されている。
【0017】
上側嵌合部22は、本体プレート21から昇降路1の壁面1aの側に膨出しており、中空状に形成されている。上側嵌合部22は、横方向に延びている。上側嵌合部22は、図5に示す断面形状が横方向に連続するように形成されている。ここで、横方向とは、図3および図4における左右方向に相当する。
【0018】
図5に示すように、上側嵌合部22は、本体プレート21に設けられた上側開口部22aと、第1上側係止部22bと、第2上側係止部22cと、を含んでいる。上側開口部22aは、本体プレート21における上側嵌合部22の開口に相当している。第1上側係止部22bは、上側嵌合部22のうち上方に膨出している部分に相当している。第2上側係止部22cは、上側嵌合部22のうち下方に膨出している部分に相当している。第1上側係止部22bおよび第2上側係止部22cによって、上側嵌合部22の内側空間が、上側開口部22aよりも上下方向に膨らむように形成されている。また、上側嵌合部22は、上側開口部22aとは反対側に位置する上側頂部22dを更に含んでいてもよい。この上側頂部22dは、平坦状に形成されていてもよい。このようにして、本実施の形態による上側嵌合部22は、全体として、台形形状またはアリ溝形状を有している。
【0019】
同様に、下側嵌合部23は、上側嵌合部22よりも下方に位置している。下側嵌合部23は、本体プレート21から昇降路1の壁面1aの側に膨出しており、中空状に形成されている。下側嵌合部23は、横方向に延びている。
【0020】
図5に示すように、下側嵌合部23は、本体プレート21に設けられた下側開口部23aと、第1下側係止部23bと、第2下側係止部23cと、を含んでいる。下側開口部23aは、本体プレート21における下側嵌合部23の開口に相当している。第1下側係止部23bは、下側嵌合部23のうち上方に膨出している部分に相当している。第2下側係止部23cは、下側嵌合部23のうち下方に膨出している部分に相当している。第1下側係止部23bおよび第2下側係止部23cによって、下側嵌合部23の内側空間が、下側開口部23aよりも上下方向に膨らむように形成されている。また、下側嵌合部23は、下側開口部23aとは反対側に位置する下側頂部23dを更に含んでいてもよい。この下側頂部23dは、平坦状に形成されていてもよい。このようにして、本実施の形態による下側嵌合部23は、全体として、台形形状またはアリ溝形状を有している。
【0021】
上側嵌合部22と下側嵌合部23は、互いに嵌合可能なように相似形の断面形状を有している。本実施の形態においては、後述するように、上側嵌合部22が下側嵌合部23の内側に挿入されて嵌合するように、上側嵌合部22と下側嵌合部23とが形成されている。
【0022】
図5に示すように、本体プレート21における下側嵌合部23の上下方向の開口寸法は、本体プレート21における上側嵌合部22の上下方向の開口寸法よりも大きくなっている。上述した下側開口部23aの上下方向寸法G2が、上述した上側開口部22aの上下方向寸法G1よりも大きくなっている。また、下側嵌合部23の膨出高さH2は、上側嵌合部22の膨出高さH1と等しくなっていてもよい。膨出高さH1は、本体プレート21から上側嵌合部22の上側頂部22dまでの距離に相当し、膨出高さH2は、本体プレート21から下側嵌合部23の下側頂部23dまでの距離に相当する。
【0023】
このように構成されたフェッシャープレート20A~20Dは、一枚のプレート部材に絞り加工を施すことで形成されていてもよい。すなわち、本体プレート21、上側嵌合部22および下側嵌合部23は、一体に連続状に形成されている。
【0024】
上側嵌合部22には、後述する締結部材34のボルトが挿入される上側ボルト穴24が設けられている。上側ボルト穴24は、上側嵌合部22のうち後述する第2Lアングル33に設けられたボルト穴(図示せず)に対応する位置に形成されている。上側ボルト穴24には、雌ねじが形成されていてもよい。
【0025】
下側嵌合部23には、後述する締結部材34のボルトが挿入される下側ボルト穴25が設けられている。下側ボルト穴25は、下側嵌合部23のうち後述する第2Lアングル33に設けられたボルト穴(図示せず)に対応する位置に形成されている。下側ボルト穴25には、雌ねじは形成されずに、締結部材34のボルトが貫通可能な貫通孔として形成されていてもよい。
【0026】
図2に示すように、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23と、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22とが、互いに嵌合している。本実施の形態においては、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22は、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23の内側に挿入されている。そして、第2フェッシャープレート20Bの第1上側係止部22bと第1フェッシャープレート20Aの第1下側係止部23bとが互いに係止するとともに、第2フェッシャープレート20Bの第2上側係止部22cと第1フェッシャープレート20Aの第2下側係止部23cとが互いに係止している。このことにより、第1フェッシャープレート20Aと第2フェッシャープレート20Bとが、図2における左右方向に相対移動することを防止している。また、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25と、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24とが位置合わせされている。
【0027】
同様に、第2フェッシャープレート20Bの下側嵌合部23と、第3フェッシャープレート20Cの上側嵌合部22とが、互いに嵌合している。本実施の形態においては、第3フェッシャープレート20Cの上側嵌合部22は、第2フェッシャープレート20Bの下側嵌合部23の内側に挿入されている。そして、第3フェッシャープレート20Cの第1上側係止部22bと第2フェッシャープレート20Bの第1下側係止部23bとが互いに係止するとともに、第3フェッシャープレート20Cの第2上側係止部22cと第2フェッシャープレート20Bの第2下側係止部23cとが互いに係止している。このことにより、第2フェッシャープレート20Bと第3フェッシャープレート20Cとが、図2における左右方向に相対移動することを防止している。また、第2フェッシャープレート20Bの下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25と、第3フェッシャープレート20Cの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24とが位置合わせされている。
【0028】
また、第3フェッシャープレート20Cの下側嵌合部23と、第4フェッシャープレート20Dの上側嵌合部22とが、互いに嵌合している。本実施の形態においては、第4フェッシャープレート20Dの上側嵌合部22は、第3フェッシャープレート20Cの下側嵌合部23の内側に挿入されている。そして、第4フェッシャープレート20Dの第1上側係止部22bと第3フェッシャープレート20Cの第1下側係止部23bとが互いに係止するとともに、第4フェッシャープレート20Dの第2上側係止部22cと第3フェッシャープレート20Cの第2下側係止部23cとが互いに係止している。このことにより、第3フェッシャープレート20Cと第4フェッシャープレート20Dとが、図2における左右方向に相対移動することを防止している。また、第3フェッシャープレート20Cの下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25と、第4フェッシャープレート20Dの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24とが位置合わせされている。
【0029】
取付手段30は、第1フェッシャープレート20Aの上側嵌合部22を昇降路1の壁面1aに取り付けられている。本実施の形態による取付手段30は、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23、並びに、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22および第2フェッシャープレート20Bの下側嵌合部23を、昇降路1の壁面1aにそれぞれ取り付けている。すなわち、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dの上側嵌合部22および下側嵌合部23が、取付手段30によって昇降路1の壁面1aに取り付けられている。
【0030】
取付手段30は、昇降路1の壁面1aに取り付けられた取付金具31と、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dの上側嵌合部22および下側嵌合部23を取付金具31に取り付ける複数の締結部材34と、を含んでいる。取付金具31は、図4に示すように、昇降路1の壁面1aの側に位置する一対の第1Lアングル32と、フェッシャープレート20A~20Dの側に位置する一対の第2Lアングル33と、を含んでいる。各第1Lアングル32に、対応する第2Lアングル33が取り付けられている。また、各第1Lアングル32に、対応する第2Lアングル33を介して第1~第4フェッシャープレート20A~20Dが締結部材34で取り付けられている。一対の第2Lアングル33は、横方向に離間している。締結部材34としては、ボルトを用いてもよい。ボルトは、第2Lアングル33に設けられたボルト穴(図示せず)および下側ボルト穴25を貫通して、上側ボルト穴24に螺合する。
【0031】
次に、このような構成からなる本実施の形態によるフェッシャープレート装置10をエレベータの昇降路1の壁面1aに設置する方法について説明する。
【0032】
まず、一対の第1Lアングル32を昇降路1の壁面1aに取り付けて、各第1Lアングル32に、第2Lアングル33を取り付ける。
【0033】
続いて、第1フェッシャープレート20Aを第2Lアングル33に取り付ける。この場合、締結部材34のボルトを、第2Lアングル33に設けられたボルト穴(図示せず)から差し込み、第1フェッシャープレート20Aの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24に螺合させて、第1フェッシャープレート20Aを第2Lアングル33に締結する。
【0034】
次に、第2フェッシャープレート20Bを第2Lアングル33に取り付ける。この場合、まず、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22を、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23の内側に横から挿入する。続いて、第2フェッシャープレート20Bを横方向にスライドさせて、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25と、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24との位置を合わせる。次に、締結部材34のボルトを、第2Lアングル33に設けられたボルト穴(図示せず)から差し込み、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25および第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24に挿入する。そして、ボルトを、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24に螺合させて、第2フェッシャープレート20Bを第2Lアングル33に締結する。この際、第2フェッシャープレート20Bを第2Lアングル33に押し付けるようにして、第2フェッシャープレート20Bを第2Lアングル33に締結してもよい。
【0035】
同様にして、第3フェッシャープレート20Cを第2Lアングル33に取り付ける。第3フェッシャープレート20Cの上側嵌合部22を第2Lアングル33に締結する際には、第2フェッシャープレート20Bの弾力性を利用して、第3フェッシャープレート20Cを第2Lアングル33に押し付けるようにしてもよい。その後、同様にして、第4フェッシャープレート20Dを第2Lアングル33に取り付ける。
【0036】
このようにして、昇降路1の壁面1aに、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dを容易に固定することができる。
【0037】
このように本実施の形態によれば、第1フェッシャープレート20Aおよび第2フェッシャープレート20Bが、本体プレート21から昇降路1の壁面1aの側に膨出する中空状の上側嵌合部22および下側嵌合部23をそれぞれ含んでいる。そして、上側嵌合部22および下側嵌合部23が横方向に延びている。このことにより、フェッシャープレート20A、20Bが全体として平坦状に形成されている場合に比べて、フェッシャープレート20A、20Bの機械的強度を向上させることができる。このため、フェッシャープレート装置10の機械的強度を向上させることができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23と、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22とが互いに嵌合しているとともに、第1フェッシャープレート20Aの上側嵌合部22を、昇降路1の壁面1aに取り付けている。このことにより、第2フェッシャープレート20Bを、第1フェッシャープレート20Aを介して昇降路1の壁面1aに取り付けることができる。このため、フェッシャープレート装置10の取付作業性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施の形態によれば、第1フェッシャープレート20Aの形状と、第2フェッシャープレート20Bの形状が同一になっている。このことにより、フェッシャープレートの枚数を調整することにより、設置箇所の大きさに応じた適切な大きさで、フェッシャープレート装置10を構成することができる。この場合、フェッシャープレート自体を定尺化することができ、フェッシャープレートを量産することができる。このため、フェッシャープレート装置10の低コスト化を図ることができる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22が、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23の内側に挿入されている。このことにより、第1フェッシャープレート20Aを昇降路1の壁面1aに取り付けた後に、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22を第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23に容易に嵌合させることができる。このため、フェッシャープレートを1枚ずつ取り付けることができ、取付作業性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、本体プレート21における下側嵌合部23の上下方向の開口寸法は、本体プレート21における上側嵌合部22の上下方向の開口寸法よりも大きくなっている。このことにより、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22を、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23の内側に挿入することができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23、並びに、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22および下側嵌合部23が、昇降路1の壁面1aにそれぞれ取り付けられている。このことにより、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dが、昇降路1の内側、言い換えると乗りかご2の側に出っ張ることを抑制できる。このため、フェッシャープレート装置10が乗りかご2と接触することを防止できる。また、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dを第2Lアングル33に取り付けることができ、フェッシャープレート装置10を、第2Lアングル33に強固に取り付けることができる。
【0043】
なお、上述した本実施の形態においては、フェッシャープレート装置10が、4つのフェッシャープレート20A~20Dを備えている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、フェッシャープレート装置10は、2つ以上のフェッシャープレートで構成されていれば、フェッシャープレートの個数は任意である。
【0044】
(第2の実施の形態)
次に、図6を用いて、第2の実施の形態によるフェッシャープレート装置について説明する。
【0045】
図6に示す第2の実施の形態においては、第1フェッシャープレートの下側嵌合部が、第2フェッシャープレートの上側嵌合部の内側に挿入されている点が主に異なり、他の構成は、図1図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6において、図1図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0046】
図6に示すように、本実施の形態においては、本体プレート21における下側嵌合部23の上下方向の開口寸法は、本体プレート21における上側嵌合部22の上下方向の開口寸法よりも小さくなっている。上述した下側開口部23aの上下方向寸法G2が、上述した上側開口部22aの上下方向寸法G1よりも小さくなっている。言い換えると、図5に示すフェッシャープレート20A~20Dを上下方向に反転させて第2Lアングル33に取り付けている。
【0047】
上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24には、雌ねじは形成されずに、締結部材34のボルトが貫通可能な貫通孔として形成されていてもよい。下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25には、雌ねじが形成されていてもよい。
【0048】
第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23が、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22の内側に挿入されている。そして、第1フェッシャープレート20Aの第1下側係止部23bと第2フェッシャープレート20Bの第1上側係止部22bとが互いに係止するとともに、第1フェッシャープレート20Aの第2下側係止部23cと第2フェッシャープレート20Bの第2上側係止部22cとが互いに係止している。このことにより、第1フェッシャープレート20Aと第2フェッシャープレート20Bとが、図6における左右方向に相対移動することを防止している。また、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23に設けられた下側ボルト穴25と、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22に設けられた上側ボルト穴24とが位置合わせされている。
【0049】
同様に、第2フェッシャープレート20Bの下側嵌合部23が、第3フェッシャープレート20Cの上側嵌合部22の内側に挿入されている。また、第3フェッシャープレート20Cの下側嵌合部23が、第4フェッシャープレート20Dの上側嵌合部22の内側に挿入されている。
【0050】
このように本実施の形態によれば、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23は、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22の内側に挿入されている。このことにより、第1フェッシャープレート20Aの弾力性を利用して、第2フェッシャープレート20Bを、第2Lアングル33に押し付けることができる。このため、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dが、昇降路1の内側、言い換えると乗りかご2の側に出っ張ることを抑制できる。この結果、フェッシャープレート装置10が乗りかご2と接触することを防止できる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、本体プレート21における下側嵌合部23の上下方向の開口寸法は、本体プレート21における上側嵌合部22の上下方向の開口寸法よりも小さくなっている。このことにより、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23を、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22の内側に挿入することができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
次に、図7を用いて、第3の実施の形態によるフェッシャープレート装置について説明する。
【0053】
図7に示す第3の実施の形態においては、第1フェッシャープレートの下側嵌合部、並びに、第2フェッシャープレートの上側嵌合部および下側嵌合部が、昇降路の壁面に取り付けられていない点が主に異なり、他の構成は、図6に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図7において、図6に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】
図7に示すように、本実施の形態においては、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23、並びに、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22および下側嵌合部23が、昇降路1の壁面1aに取り付けられていない。また、第3フェッシャープレート20Cの上側嵌合部22および下側嵌合部23、並びに、第4フェッシャープレート20Dの上側嵌合部22および下側嵌合部23も、昇降路1の壁面1aに取り付けられていない。第1フェッシャープレート20Aの上側嵌合部22は、昇降路1の壁面1aに取り付けられている。
【0055】
本実施の形態では、図6に示すフェッシャープレート装置10と同様に、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23が、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22の内側に挿入されている。このことにより、第1フェッシャープレート20Aの弾力性を利用して、第2フェッシャープレート20Bを、第2Lアングル33に押し付けることができる。このため、第1フェッシャープレート20Aの上側嵌合部22を昇降路1の壁面1aに取り付けるだけでも、第2~第4フェッシャープレート20B~20Dを第2Lアングル33に押し付けることができる。この結果、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dの取付を安定化させることができる。また、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dが、昇降路1の内側、言い換えると乗りかご2の側に出っ張ることを抑制できる。このため、フェッシャープレート装置10が乗りかご2と接触することを防止できる。
【0056】
このように本実施の形態によれば、第1フェッシャープレート20Aの下側嵌合部23、並びに、第2フェッシャープレート20Bの上側嵌合部22および下側嵌合部23が、昇降路1の壁面1aに取り付けられていない。この場合においても、第1フェッシャープレート20Aの弾力性を利用して、第1~第4フェッシャープレート20A~20Dを第2Lアングル33に押し付けることができる。このため、フェッシャープレート装置10の取付作業性を向上させることができる。
【0057】
以上述べた実施の形態によれば、フェッシャープレート装置の機械的強度を向上させることができる。
【0058】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1:昇降路、1a:壁面、10:フェッシャープレート装置、20A:第1フェッシャープレート、20B:第2フェッシャープレート、20C:第3フェッシャープレート、20D:第4フェッシャープレート、21:本体プレート、22:上側嵌合部、23:下側嵌合部、30:取付手段、31:取付金具、34:締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7